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2008/05/12のBlog
[ 13:26 ]
夜中にテレビをザッピングしていると、舞踏家の田中民さんが「ようこそ先輩」に出演していた。その気になる授業とは、目隠しして視界を閉ざし、視覚以外の感覚を駆使して完全なる“孤独”を楽しむこと。原題の小学生がはじめからその領域へ飛び込むことは難しいので、最初はふたり一組でペアを組んで、片方がガイドになる。時には手取り足取り、また時にはたった一本の糸を使って相手に情報を知らせる。これは非常に示唆に富んだ授業だ。小学生に民さんの意図が分かるのだろうか…と思っていたら、みんなおぼろげながら理解していることに驚かされた。しかも冒頭で披露された民さんの20分にも渡る大舞踏もきちんと理解していた。それも「良い子に映ろう」とするヘタレな虚栄心からではなく、自分の心に飛び込んできたものをそのまま素直に発したとても純粋なものだった。
「いつまでもピーピーギャーギャーわめくんじゃねえよ!」
ときには民さんは怒鳴る。そして最後に必ずこう付け加える。
「かっこ悪いぞ!」
その言葉がどれだけ効力を発していたかは一目瞭然。シーンと静まり返る小学生たち。それだけ「かっこ悪い」という言葉に敏感なのだろうか。
朝日ニュースターの「デモクラシーNOW」ではアカデミー賞ドキュメンタリー部門受賞作品『闇へ』の監督がゲスト出演していた。
日本ではNHKで放映されたが、アメリカでのテレビ放映権はディスカバリー・チャンネルが保持しているという。しかしこのデモクラシーの暗部をえぐったテーマ性に恐れをなしたのか、アカデミー賞直前に放送が取りやめになり、その後の放送予定もなければ、放映権を手放すつもりもないらしい。つまり国民は絶好の機会にこの名作をみすみす見逃していることになる。
「彼らはどうやら、何もディスカバーする気がないらしいのです」
ギブニー監督はそう語る。いっそのことチャンネル名も「アンディスカバリー・チャンネル」に変えてはどうか。
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「いつまでもピーピーギャーギャーわめくんじゃねえよ!」
ときには民さんは怒鳴る。そして最後に必ずこう付け加える。
「かっこ悪いぞ!」
その言葉がどれだけ効力を発していたかは一目瞭然。シーンと静まり返る小学生たち。それだけ「かっこ悪い」という言葉に敏感なのだろうか。
朝日ニュースターの「デモクラシーNOW」ではアカデミー賞ドキュメンタリー部門受賞作品『闇へ』の監督がゲスト出演していた。
日本ではNHKで放映されたが、アメリカでのテレビ放映権はディスカバリー・チャンネルが保持しているという。しかしこのデモクラシーの暗部をえぐったテーマ性に恐れをなしたのか、アカデミー賞直前に放送が取りやめになり、その後の放送予定もなければ、放映権を手放すつもりもないらしい。つまり国民は絶好の機会にこの名作をみすみす見逃していることになる。
「彼らはどうやら、何もディスカバーする気がないらしいのです」
ギブニー監督はそう語る。いっそのことチャンネル名も「アンディスカバリー・チャンネル」に変えてはどうか。
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2008/05/11のBlog
[ 15:17 ]
『グリーンマイル』のクライマックスを見ていると、この映画のテーマがいくらか『ノーカントリー』と重なっているのではないかと思わされた。死刑囚が執行場まで歩いていく“グリーンマイル”。それは罪があろうとなかろうと、すべての人間が歩む“死までの距離”でもある。奇跡の力を持つ巨漢の男を確たる証拠もなくみすみす殺してしまった刑務所看守が、その贖罪のためか延々と生き続ける。家族や仲間たちは次々と天に召されても自分にはまだ死のときが訪れない。
「神よ、私にはこのグリーンマイルがあまりにも長く思えるのです」
彼がそうつぶやいて映画は終わる。
『ノーカントリー』のラスト、殺し屋シガーの運転する車が道路を疾走中、信号無視の車から激突される。あのシーンが何を表しているのかずっと疑問だったが、もしかするとあの長々と続いていく道路自体が“グリーンマイル”、つまり“人生”なのかもしれない。
そこへ飛び込んでくるいくつもの悲劇、衝撃。無敵に見えたシガーでさえも、次の瞬間には“運命に追われる側”へと転じている。世の中はどんどん変わっていく。それを悪夢と呼ぶものもいるだろう。
それらをじっと見つめながら、死までの距離をトボトボと歩かねばならない老保安官。どこで尽きるのかも分からない。人生とはまるでシシューポスの神話のようだ。
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「神よ、私にはこのグリーンマイルがあまりにも長く思えるのです」
彼がそうつぶやいて映画は終わる。
『ノーカントリー』のラスト、殺し屋シガーの運転する車が道路を疾走中、信号無視の車から激突される。あのシーンが何を表しているのかずっと疑問だったが、もしかするとあの長々と続いていく道路自体が“グリーンマイル”、つまり“人生”なのかもしれない。
そこへ飛び込んでくるいくつもの悲劇、衝撃。無敵に見えたシガーでさえも、次の瞬間には“運命に追われる側”へと転じている。世の中はどんどん変わっていく。それを悪夢と呼ぶものもいるだろう。
それらをじっと見つめながら、死までの距離をトボトボと歩かねばならない老保安官。どこで尽きるのかも分からない。人生とはまるでシシューポスの神話のようだ。
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2008/05/10のBlog
[ 11:56 ]
いよいよ5月14日に開幕する第61回カンヌ国際映画祭。
昨年のスティーブン・フリアーズからバトンを受け今年の審査委員長を務めるのは米国を代表する俳優・監督のショーン・ペン。貪欲なまでに問題意識の高い作品を繰り出し続ける彼だけに、パルムドールの行方は昨年の受賞作『4ヶ月、3週と2日』とはまたちょっと違った流れに委ねられるかも。
彼が率いる審査員には、ナタリー・ポートマン(女優)、アルフォンソ・キュアロン(監督)、マルジャン・サトラピ(監督)、ラシッド・ブシャール(監督)、ジャンヌ・バリバール(女優)、アレクサンドラ・マリア・ラーラ(女優)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(監督)、セルジオ・カステリット(監督)といった面々が顔を揃える。
コンペ部門参加作品には、クリント・イーストウッドがアンジェリーナ・ジョリーを迎えて送るミステリー“Chaneling”、2度のパルムドールに輝くベルギーの巨匠ダルテンヌ兄弟“The Silence of Lorna ”、『長江哀歌』がヴェネツィア国際映画祭金獅子賞に輝いたジャ・ジャンクー“24 Cities” 、他にもスティーブン・ソダーバーグ、ウォルター・サレス、ヴィム・ヴェンダース、アトム・エゴヤン、フェルナンド・メイレレスなどの新作に加え、なんとあの奇才脚本家チャーリー・カウフマンが“Synecdoche, New York”で監督デビュー!
この『シネクドキ、ニューヨーク』、入ってきた情報によると、恋に破綻し、人生に絶望した主人公(フィリップ・シーモア・ホフマン)劇作家が、自分自身の再生のために地元ニューヨーク州スケネクタディを捨てて、自分で新たな「ニューヨーク」を作り出す…!?という、なんど読んでも訳が分からない内容。つまり、カウフマン=奇想天外ってことで、超期待作!ってことで絶対的に間違いないです!ちなみに「Synecdoche」っていうのは、「一部で全体を、または全体で一部を表現する比喩」のことなんだそうです。んんん!ますます訳が分からなくなってきたぞ!?
チャーリー・カウフマン初監督作『シネクドキ、ニューヨーク(原題)』は、2009年全国ロードショー。配給はアスミック・エースです。
昨年のスティーブン・フリアーズからバトンを受け今年の審査委員長を務めるのは米国を代表する俳優・監督のショーン・ペン。貪欲なまでに問題意識の高い作品を繰り出し続ける彼だけに、パルムドールの行方は昨年の受賞作『4ヶ月、3週と2日』とはまたちょっと違った流れに委ねられるかも。
彼が率いる審査員には、ナタリー・ポートマン(女優)、アルフォンソ・キュアロン(監督)、マルジャン・サトラピ(監督)、ラシッド・ブシャール(監督)、ジャンヌ・バリバール(女優)、アレクサンドラ・マリア・ラーラ(女優)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(監督)、セルジオ・カステリット(監督)といった面々が顔を揃える。
コンペ部門参加作品には、クリント・イーストウッドがアンジェリーナ・ジョリーを迎えて送るミステリー“Chaneling”、2度のパルムドールに輝くベルギーの巨匠ダルテンヌ兄弟“The Silence of Lorna ”、『長江哀歌』がヴェネツィア国際映画祭金獅子賞に輝いたジャ・ジャンクー“24 Cities” 、他にもスティーブン・ソダーバーグ、ウォルター・サレス、ヴィム・ヴェンダース、アトム・エゴヤン、フェルナンド・メイレレスなどの新作に加え、なんとあの奇才脚本家チャーリー・カウフマンが“Synecdoche, New York”で監督デビュー!
この『シネクドキ、ニューヨーク』、入ってきた情報によると、恋に破綻し、人生に絶望した主人公(フィリップ・シーモア・ホフマン)劇作家が、自分自身の再生のために地元ニューヨーク州スケネクタディを捨てて、自分で新たな「ニューヨーク」を作り出す…!?という、なんど読んでも訳が分からない内容。つまり、カウフマン=奇想天外ってことで、超期待作!ってことで絶対的に間違いないです!ちなみに「Synecdoche」っていうのは、「一部で全体を、または全体で一部を表現する比喩」のことなんだそうです。んんん!ますます訳が分からなくなってきたぞ!?
チャーリー・カウフマン初監督作『シネクドキ、ニューヨーク(原題)』は、2009年全国ロードショー。配給はアスミック・エースです。
[ 11:41 ]
別棟でやってる映画ブログにて、5月10日に公開される新作の中から『最高の人生の見つけ方』、『ミスト』、『ハンティング・パーティ』をピックアップ!
今から劇場で何を観ようかとお悩みの方は、ぜひご覧ください。
今から劇場で何を観ようかとお悩みの方は、ぜひご覧ください。
[ 10:17 ]
海の見えるところへ行った。
日本の西端で生まれ、海なんていつもすぐ側にあったはずなのに、気がつけばもう何年も海の匂いを嗅いでなかった。波の音を聴いてなかった。海水に触れてなかった。
大勢のサーファーがビッグウェーブを待ち構えている。今か、今か。誰かがフライングしてずっこける。海面なのにズコッという音が聞こえてきそうだった。そしてカタルシスの絶頂、みんなそのタイミングを逃さない。一斉に上陸してくる南半球のペンギンのようだった。
そういえば、93歳になるうちの祖母がオーストラリア旅行の思い出を話してくれたことがある。そのときの会話が可笑しかった。
「ほら、あの動物はなんだったっけ…あ、コアラだ。波打ち際でじっと待っていると、もうたっくさんのコアラが沖の方から一斉に上陸してくるのよ。あれはすごかったねえ…」
ばあちゃん、それペンギンだよ!!
日本の西端で生まれ、海なんていつもすぐ側にあったはずなのに、気がつけばもう何年も海の匂いを嗅いでなかった。波の音を聴いてなかった。海水に触れてなかった。
大勢のサーファーがビッグウェーブを待ち構えている。今か、今か。誰かがフライングしてずっこける。海面なのにズコッという音が聞こえてきそうだった。そしてカタルシスの絶頂、みんなそのタイミングを逃さない。一斉に上陸してくる南半球のペンギンのようだった。
そういえば、93歳になるうちの祖母がオーストラリア旅行の思い出を話してくれたことがある。そのときの会話が可笑しかった。
「ほら、あの動物はなんだったっけ…あ、コアラだ。波打ち際でじっと待っていると、もうたっくさんのコアラが沖の方から一斉に上陸してくるのよ。あれはすごかったねえ…」
ばあちゃん、それペンギンだよ!!
2008/05/09のBlog
[ 14:45 ]
2008/05/08のBlog
[ 13:59 ]
7月公開となる『HOT FUZZ 俺たちスーパーポリスメン』のエドガー・ライト監督にインタビュー。いろいろゴタゴタして開始時間が10分遅れたり、5分早まったり。しかも現場に行ってみると主演のサイモン・ペッグまでもが同席することになっていた。いや、話を聞けるのは嬉しいのだが、通訳を介してのインタビューだと会話の順番が複雑で質問数が限られてしまうのだ。結局、編集者B氏が「監督だけにしましょう」との英断で事を納めてくれる。
エドガー・ライト、若い!まだ高校生のようにしか見えない!「あなたは映画の枠組みをぶっ壊したいと思ってるの?」と聴くと、「そんな恐れ多いこと、思っちゃいないよ(笑)!でも英国映画の常識は覆したいと思ってる」と返答。
タランティーノに影響を受けた世代として、今後映画ファン注目の存在となってくれそうです。
その後、ガイ・リッチー久々の新作『リボルバー』を試写。朝が早かったせいか、ところどころ記憶が無い。見せ方は巧いが、なかなか混み入った映画なのでクライマックスにかけてよく分からなくなる。僕の頭が悪いんだろうか。
六本木から虎ノ門まで歩いて坂井真紀主演の邦画『ビルと動物園』を試写。「around 30」をテーマにした映画と言われると興味もへったくれも無くなってしまうが、普通の映画として観てみて稀に見る透明感が発露した作品に仕上がっている。何かが始まりそうで始まらない。そのもどかしさ。ビル窓の清掃人がまるで動物園のように中の人間を観察しているアイディアも面白い。テンのような女性とまるでキリンのような若い男が出会い、心を通わせていく。まるで動物園のようなこの世の中で、見る側と見られる側をスイッチすることから始まる人間ドラマ。
夜、テレビを観てると、假屋崎省吾が一厘の花を見て「ほんとうに綺麗ねえ」と泣いていた。本気で泣いていた。この人には敵わないと思った。
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エドガー・ライト、若い!まだ高校生のようにしか見えない!「あなたは映画の枠組みをぶっ壊したいと思ってるの?」と聴くと、「そんな恐れ多いこと、思っちゃいないよ(笑)!でも英国映画の常識は覆したいと思ってる」と返答。
タランティーノに影響を受けた世代として、今後映画ファン注目の存在となってくれそうです。
その後、ガイ・リッチー久々の新作『リボルバー』を試写。朝が早かったせいか、ところどころ記憶が無い。見せ方は巧いが、なかなか混み入った映画なのでクライマックスにかけてよく分からなくなる。僕の頭が悪いんだろうか。
六本木から虎ノ門まで歩いて坂井真紀主演の邦画『ビルと動物園』を試写。「around 30」をテーマにした映画と言われると興味もへったくれも無くなってしまうが、普通の映画として観てみて稀に見る透明感が発露した作品に仕上がっている。何かが始まりそうで始まらない。そのもどかしさ。ビル窓の清掃人がまるで動物園のように中の人間を観察しているアイディアも面白い。テンのような女性とまるでキリンのような若い男が出会い、心を通わせていく。まるで動物園のようなこの世の中で、見る側と見られる側をスイッチすることから始まる人間ドラマ。
夜、テレビを観てると、假屋崎省吾が一厘の花を見て「ほんとうに綺麗ねえ」と泣いていた。本気で泣いていた。この人には敵わないと思った。
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