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DAKKAN
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2008/05/14のBlog
5月17日より公開の日本映画『丘を越えて』のレビューをアップしました。

この映画が気になっている方はぜひご覧ください!
2008/05/13のBlog
昼、ワーナー試写室で『スカイ・クロラ』を観る。

押井守の最新作だけあって、観客層はいつもとちょっと違う気もしたり。みんな緊張した面持ちをしている。僕はこの原作も知らなければ、押井守が今度の新作でどの領域を狙っているのかすらも情報を仕入れていない。稀代のエンターテインナーでありながら、時おり飽くなき実験者となって観客を煙に巻く…そんな二面性が僕の押井観なのだが、果たして今回はどういう作風で来るのだろうか。しっかりと目薬を差して、手に指圧を加えながら見守ろう。

僕はこの『スカイクロラ』にこれまでの押井作品の中でいちばん魅了された。アニメーションとしての作画のポイントは、リアリティとフィクションのちょうど中間領域にあたる、一ミリほど霧のかかった幻想性が覆い尽くしている。いつの時代かも知れない。既に国家に代わって企業間で戦争が行われている。ただし、闘う目的もよく分からない。住民たちも守られることに慣れっこになっている。そして闘うのは子供たち。といっても、ただの子供ではない。大人になることを拒否した、永遠の子供たち。いつ空中で散るかも分からない彼らに成長など必要ない。今日も警報が鳴り響き、彼らが戦闘機に乗り込む。激しい空中戦。そして仲間がまたひとり死ぬ。また新人が補充される。新入り?うん、よろしく。あれ、なんかどこかであったような気がする…。そんな会話が繰り返される。感覚が麻痺していく。今日は昨日の繰り返し?戦争の理由は?みんな本当は気づいているくせに、知らないふりをしているだけ?関わらないようにしてるだけ?また仲間が死ぬ。もはや哀しみも沸き起こらない。また死ぬ。無感覚。

押井守はこの映画を純愛物語と捉えているようだ。ビジュアルもさることながら、ストーリー、世界観が強靭に描かれている。そして行定勲の『春の雪』(三島由紀夫原作)にとても共鳴するものを感じ、若き脚本家、伊藤ちひろに原作の脚色を依頼している。これが素晴らしい相乗効果を生んでいる。『春の雪』と『スカイクロラ』、どちらも観た(読んだ)人にはその共通点がひしひしと分かると思う。脚本の言葉も強い。加瀬了がささやくような声で発しても、菊池凛子があの特徴的な猫のような声を発しても、どこまでも足腰強く、強靭に耳に届く。次々に入れ替わる登場人物たちのキャラクター描写もしっかりしている。

ちなみに脚本強力で行定勲の名前もクレジットされている。

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2008/05/12のBlog
夜中にテレビをザッピングしていると、舞踏家の田中民(本当はさんずいに“民”)さんが「ようこそ先輩」に出演していた。その気になる授業とは、目隠しして視界を閉ざし、視覚以外の感覚を駆使して完全なる“孤独”を楽しむこと。原題の小学生がはじめからその領域へ飛び込むことは難しいので、最初はふたり一組でペアを組んで、片方がガイドになる。時には手取り足取り、また時にはたった一本の糸を使って相手に情報を知らせる。これは非常に示唆に富んだ授業だ。小学生に民さんの意図が分かるのだろうか…と思っていたら、みんなおぼろげながら理解していることに驚かされた。しかも冒頭で披露された民さんの20分にも渡る大舞踏もきちんと理解していた。それも「良い子に映ろう」とするヘタレな虚栄心からではなく、自分の心に飛び込んできたものをそのまま素直に発したとても純粋なものだった。

「いつまでもピーピーギャーギャーわめくんじゃねえよ!」

ときには民さんは怒鳴る。そして最後に必ずこう付け加える。

「かっこ悪いぞ!」

その言葉がどれだけ効力を発していたかは一目瞭然。シーンと静まり返る小学生たち。それだけ「かっこ悪い」という言葉に敏感なのだろうか。

朝日ニュースターの「デモクラシーNOW」ではアカデミー賞ドキュメンタリー部門受賞作品『闇へ』の監督がゲスト出演していた。

日本ではNHKで放映されたが、アメリカでのテレビ放映権はディスカバリー・チャンネルが保持しているという。しかしこのデモクラシーの暗部をえぐったテーマ性に恐れをなしたのか、アカデミー賞直前に放送が取りやめになり、その後の放送予定もなければ、放映権を手放すつもりもないらしい。つまり国民は絶好の機会にこの名作をみすみす見逃していることになる。

「彼らはどうやら、何もディスカバーする気がないらしいのです」

ギブニー監督はそう語る。いっそのことチャンネル名も「アンディスカバリー・チャンネル」に変えてはどうか。

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2008/05/11のBlog
『グリーンマイル』のクライマックスを見ていると、この映画のテーマがいくらか『ノーカントリー』と重なっているのではないかと思わされた。死刑囚が執行場まで歩いていく“グリーンマイル”。それは罪があろうとなかろうと、すべての人間が歩む“死までの距離”でもある。奇跡の力を持つ巨漢の男を確たる証拠もなくみすみす殺してしまった刑務所看守が、その贖罪のためか延々と生き続ける。家族や仲間たちは次々と天に召されても自分にはまだ死のときが訪れない。

「神よ、私にはこのグリーンマイルがあまりにも長く思えるのです」

彼がそうつぶやいて映画は終わる。

『ノーカントリー』のラスト、殺し屋シガーの運転する車が道路を疾走中、信号無視の車から激突される。あのシーンが何を表しているのかずっと疑問だったが、もしかするとあの長々と続いていく道路自体が“グリーンマイル”、つまり“人生”なのかもしれない。

そこへ飛び込んでくるいくつもの悲劇、衝撃。無敵に見えたシガーでさえも、次の瞬間には“運命に追われる側”へと転じている。世の中はどんどん変わっていく。それを悪夢と呼ぶものもいるだろう。

それらをじっと見つめながら、死までの距離をトボトボと歩かねばならない老保安官。どこで尽きるのかも分からない。人生とはまるでシシューポスの神話のようだ。

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2008/05/10のBlog
いよいよ5月14日に開幕する第61回カンヌ国際映画祭。

昨年のスティーブン・フリアーズからバトンを受け今年の審査委員長を務めるのは米国を代表する俳優・監督のショーン・ペン。貪欲なまでに問題意識の高い作品を繰り出し続ける彼だけに、パルムドールの行方は昨年の受賞作『4ヶ月、3週と2日』とはまたちょっと違った流れに委ねられるかも。

彼が率いる審査員には、ナタリー・ポートマン(女優)、アルフォンソ・キュアロン(監督)、マルジャン・サトラピ(監督)、ラシッド・ブシャール(監督)、ジャンヌ・バリバール(女優)、アレクサンドラ・マリア・ラーラ(女優)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(監督)、セルジオ・カステリット(監督)といった面々が顔を揃える。

コンペ部門参加作品には、クリント・イーストウッドがアンジェリーナ・ジョリーを迎えて送るミステリー“Chaneling”、2度のパルムドールに輝くベルギーの巨匠ダルテンヌ兄弟“The Silence of Lorna ”、『長江哀歌』がヴェネツィア国際映画祭金獅子賞に輝いたジャ・ジャンクー“24 Cities” 、他にもスティーブン・ソダーバーグ、ウォルター・サレス、ヴィム・ヴェンダース、アトム・エゴヤン、フェルナンド・メイレレスなどの新作に加え、なんとあの奇才脚本家チャーリー・カウフマンが“Synecdoche, New York”で監督デビュー!

この『シネクドキ、ニューヨーク』、入ってきた情報によると、恋に破綻し、人生に絶望した主人公(フィリップ・シーモア・ホフマン)劇作家が、自分自身の再生のために地元ニューヨーク州スケネクタディを捨てて、自分で新たな「ニューヨーク」を作り出す…!?という、なんど読んでも訳が分からない内容。つまり、カウフマン=奇想天外ってことで、超期待作!ってことで絶対的に間違いないです!ちなみに「Synecdoche」っていうのは、「一部で全体を、または全体で一部を表現する比喩」のことなんだそうです。んんん!ますます訳が分からなくなってきたぞ!?

チャーリー・カウフマン初監督作『シネクドキ、ニューヨーク(原題)』は、2009年全国ロードショー。配給はアスミック・エースです。
別棟でやってる映画ブログにて、5月10日に公開される新作の中から『最高の人生の見つけ方』、『ミスト』、『ハンティング・パーティ』をピックアップ!

今から劇場で何を観ようかとお悩みの方は、ぜひご覧ください。
海の見えるところへ行った。
日本の西端で生まれ、海なんていつもすぐ側にあったはずなのに、気がつけばもう何年も海の匂いを嗅いでなかった。波の音を聴いてなかった。海水に触れてなかった。

大勢のサーファーがビッグウェーブを待ち構えている。今か、今か。誰かがフライングしてずっこける。海面なのにズコッという音が聞こえてきそうだった。そしてカタルシスの絶頂、みんなそのタイミングを逃さない。一斉に上陸してくる南半球のペンギンのようだった。

そういえば、93歳になるうちの祖母がオーストラリア旅行の思い出を話してくれたことがある。そのときの会話が可笑しかった。

「ほら、あの動物はなんだったっけ…あ、コアラだ。波打ち際でじっと待っていると、もうたっくさんのコアラが沖の方から一斉に上陸してくるのよ。あれはすごかったねえ…」

ばあちゃん、それペンギンだよ!!