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ヒメヒカゲ備忘録
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2008/03/09のBlog
[ 15:00 ] [ エジプト ]
引き続きイムホテプ博物館。展示物の内容はカイロ考古学博物館にとても及ばないが、自分が撮った写真で振り返られるのはここだけだからね。
写真は幼子ホルスを抱くイシス神。イシス女神の人気は地中海を越え、聖母マリア信仰の土台となったと言われる。
一番左はアイライナー。マラカイトを粉末にした顔料であり、女も男も太陽の眩しさから目を守るために塗っていた。
この写真の出来は特にひどい(笑)。墓から出土した帆船の模型かと思うけど、カイロの博物館にもさまざまな職業の人々のミニチュア模型があって面白かった。
左足を一歩踏み出したファラオなど像が手に持っているこん棒の先に、本来ついていたのがこれ。形は何か意味ありげだが分かりません。
自分のメモには5000年前の銅製のつぼとあるけど、これだったかどうか…。何のつぼだろう。ほかには階段ピラミッドから出土した綺麗なブルーのタイル(ファイアンス)が埋め込まれた壁なども展示されています。
2008/03/08のBlog
[ 17:15 ] [ 映画 ]

上映最終日、最終回にようやく観てきました。

「君のためなら千回でも」(2007年 米)
★★★☆

映像の力を借りても、原作の意訳の域を出ていないと感じました。ポイントとなるエピソードを抽出してつなげてあるだけで、小説の最後のほうの山場はそっくり削除されている。
原作の大きな魅力だった普遍的要素、行間から浮かび上がってくる人間の複雑で繊細な心というものを、せめてどれか一つのエピソードで掘り下げて、映画独自の視点を加えてほしかったかな。それではくどくなるか?
2時間の映画という制限があるけど、私の好きなラヒム・ハーンの最後の嘘が省略されてしまっているのが残念でした。ハッサンの父親アリがほんの脇役扱いだったのも。

しかし、こんなふうに批判するのは原作を知っているからで、読んでいない人には十分に感動的で、興味深いところも多い映画になっていると思う。撮影は中国で行われたようだが、ソ連侵攻前のカブールの街のセットとその後ろに連なる雪山の風景は見応えがありました。




たまたま1980年前後に書かれた作品が続きました。

『マンダリンの囁き』ルース・レンデル著/吉野美恵子訳
(ハヤカワ・ミステリ 1985年邦訳)

引退した弁護士アダム・ナイトンの妻アデラが自宅で射殺される。事件を担当するウェクスフォード主任警部とナイトン夫婦とは、偶然にも、数カ月に中国で知り合っていた。そのときアダムが口にしていた李白の詩、また、アデラが中国で撮影していた写真だけが消え失せていることから、警部は事件の発端は中国にあると考え、ツアー参加者への聞き込みを始める…。

サセックス州キングマーカス警察のウェクスフォード警部シリーズは初読み。初期のものは探さないと手に入りそうにないと諦めてこの12巻目から手にしたが、警部が仕事を離れ、訪中団の一人として中国を旅する場面に前半を費やすこの巻は、シリーズ中では異色なのかも。長く続くシリーズだと、マンネリを防ぐためにいろいろと趣向が凝らされる。
で、その前半の、警部が中国人のガイドに引き回され、湖南省長沙から香港まで、緑茶をがぶ飲みしながらうだるような暑さに耐えて旅する様子が面白かった。エジプトから帰って来た直後に読んだミステリー小説が、旅行記のような内容だったのでいっそう楽しめた。旅行中の描写にはレンデル自身の体験が生かされているのだろうか。中国のこの地域に行ってみたくなりました。マンダリンは中国の官僚のこと。


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『切り裂かれたミンクコート事件』ジェームズ・アンダースン著/山本俊子訳
(扶桑社ミステリー 2006年邦訳)

1930年代の英国。映画好きのバーフォード伯爵は、アメリカの映画会社から新作の下調べとして邸宅に滞在させてほしいとの申し込みを喜んで受け入れる。当初の滞在者は映画プロデューサーとスター俳優の2人だったが、娘のフィアンセ候補2人、遠方の親戚夫婦が加わり、そしてどこかから話を聞きつけた脚本家、イタリアの大女優も押し寄せ、直後から不審なことが起こり始める…。

1981年に出版された復古本格派のユーモア・ミステリー「オールダリー荘」シリーズ第2弾だそう。邸宅の中で殺人が起きて、犯人は滞在していたうちの誰かを推理するというやつです。気軽に読めて、最後の最後まで手抜きのない内容。でも、それだけ。たかがユーモアミステリーであっても、その時代、その土地柄、なんでもいいけど、推理以外にも読んで充実感のあるものでないと最近は虚しさが残ります。本は読んでいる間、楽しめればいいと割り切っているつもりでも。


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『ホッグ連続殺人』ウィリアム・L・デアンドリア著/真崎義博訳
(ハヤカワ文庫 2005年邦訳)

雪に閉ざされたニューヨーク州スパータで連続殺人事件が発生。HOGと名乗る犯人は、殺人を巧妙に事故や自殺に見せかけたうえで、最初の事件の目撃者である新聞記者に声明文を送りつけてくる。被害者に共通点はなく、捜査に行き詰まるなか、天才犯罪研究家ニッコロウ・ベネデッティ教授が犯人推理に乗り出す…。

1979年のMWA最優秀ペイパーバック賞受賞作。おそらくこの小説の一番の個性は事件のからくりにあると思うのだけど、からくりそのものは途中で薄々予想がつく。しかし、最後で明かされる動機がチープ。いやそれよりも、天才と呼ばれる変わり者の教授のキャラクターがあまり魅力的に思えず残念だった。単に好みの問題でしょうが。あと、心理学者ジャネットが単なるロマンス要員なのもなんだかな…でした。


今月刊行されるレジナルド・ヒルのダルジール&パスコー・シリーズ最新巻が待ち遠しい!


2008/03/02のBlog
カイロ国際空港に到着したのは深夜。そのままカイロとはナイル川をはさんで対岸の都市ギザに移動してホテルにチェックイン。翌日朝から三大ピラミッド見学。ギザの街からはすぐ近く。
まずは一番大きいクフ王のピラミッド。大きすぎて麓からはカメラに収まりません。9世紀に開けられた穴から内部にも入りました。約1メートル四方のトンネルを、しゃがんだ姿勢のまま下って登って…一日300人に入場が制限されていて当然だ。そして、長さ約47メートル、高さ9メートルの登り坂となった大回廊へ。天井が持ち出し構造になっていて、何かの映画で見た巨大宇宙船の中のような空間。その先に石棺が置かれた王の間。四方が大きな赤御影石でできた部屋。照明もなく真っ暗です。持って来た懐中電灯は光量が弱く役立たず。

本来は一番下に残る白い石灰岩の化粧板で全面が覆われていた。後世に剥がされ石材としてリサイクル。
王妃たちのピラミッドを左手に見ながら半周。
違反の場所で店を広げちゃってる人。一緒に写真を撮ろうと親しげに話しかけて来て、後でお金を要求するガラベーヤ姿の男性もいます。
クフ王ピラミッドの裏側(南側)には「太陽の船博物館」。展示されているのはナイル川の東岸(生者の町)から西岸(死者の町)へ、ファラオを運ぶのに使われた船。葬儀後に解体されてピラミッドの脇に埋められていたもの。
レバノン杉製です。木そのものも4500年前のものとは思えない。同時代の日本の植物製の出土物で原形を留めているものといえば、せいぜい漆器とかポシェットくらいだから。
ナツメヤシの繊維で編まれた船のロープ。
三大ピラミッドを見下ろす西側の高台より。左からクフ王、カフラー王、メンカウラー王。エジプトでは全部で98個のピラミッドが確認されていて、入り口はすべて北に向いている。
大声で何やら揉めていた。馬車かラクダで不当な追加料金を請求されたか。
ラクダ乗り体験もあって、ツアー料金に含まれていたので乗りましたが、ヨルダンのペトラのほうがたっぷり乗れてラクダも清潔だった…。
左側はカフラー王のピラミッドコンプレックス。スフィンクスの手前には2つの神殿。その前の池の辺りが当時のナイル川の船着場だったという。この賑わいだし、反対側のケンタッキーフライドチキンの赤い看板などは街の風景に溶け込み、言われるほどは目立たなかったよ。
ファラオの顔を持つスフィンクス。鼻がないのはナポレオン軍の大砲が運悪く当たったためと現地ガイドさんも言っていたが不確かです。立派なあごひげは大英博物館の所蔵。エジプトは返却を交渉中。
風化を免れている部分は、長く砂に埋もれていた部分。
一番小さなメンカウラー王のピラミッド。右は王妃たちのピラミッド。
ギザではパピルスの土産店に立ち寄り、実演も見学。パピルスの茎を薄片に剥ぎ、何日か水に漬けて繊維を柔らかくし、隙間なく並べて圧力を加え乾燥させる。意外と簡単?

2008/03/01のBlog

新宿の映画館ではしご。


「団塊ボーイズ」(2007年 米)
★★★

ぱっとしない人生を送っている中年男4人が、一時的にすべてのしがらみから解放され、バイクに乗って計画なしの大陸横断ツーリングに出かける…。

邦題は原題どおり「Wild Hogs」のほうが良かったのにー。「団塊」という言葉を使ったのは、話題づくりのためだろうが、映画においては中年という意味でしかありません。
同じく敗者たちのロードムービー「リトル・ミス・サンシャイン」のような、最後にはほろっとくる内容を勝手に期待していたのだが、まったく違った。あちらが本物のカニ肉としたら、こっちは大量生産のカニ風味かまぼこ。消耗品として一時的に楽しめればいいという、志の低さが透けて見える気がする。
内容が浅くて、予定調和がすぎるのだ。映画「イージー・ライダー」に対するトリビュート的趣向があったり、題材こそ中年向けなのだけど、ストーリー展開、笑いのネタなどが子供センス、子供向け(と思ったらディズニー制作)。でも、映画を観ている間は大いに笑ったし、乾燥した大陸の広大な風景の中でのツーリングは本当に気持ちが良さそうでした。

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「潜水服は蝶の夢を見る」(2007年 仏/米)
★★★

42歳のときに、突然全身が麻痺してしまうロックトイン・シンドロームという奇病に冒された雑誌「ELLE」元編集長ジャン=ドミニク・ボビーが、唯一動く片方の目の瞬きだけをコミュニケーション手段に上梓した自伝を映画化…。

昨年数多くの映画賞を受賞したりノミネートされたりで話題になった作品。不自由な状況に置かれても想像力だけは何にも縛られないというテーマから、ハビエル・バルデム主演の「夜になるまえに」に似ていると思って観ていたのだが、監督が同じであることを後で知りました。
冒頭から主人公の目を通したぼやけた映像で、ファッション雑誌編集者ジャン=ドーが置かれた世界を忠実に表現した意欲は買うべきかと思うけど、すみません、疲れもあり途中で少しうとうとしました。
映画は、これでもかというほどジャン=ドーに共感することを迫ってきて、観客がこの映画をどう楽しむかという鑑賞の自由をも束縛する。これが、ジャン=ドーほどの想像力のない私には、ただ息苦しいだけで、映画として面白みに欠ける。あと、直前に「団塊ボーイズ」を観たせいで、この映画のほうがよほど音楽の使い方などのセンスで団塊臭がするなどと余計なことを考えた。監督がその世代だからかな。
しかし、映画の最後はジャン・ドーがああなるとは知らなかったから衝撃的だった! エンドロールの映像を観ながら深い感慨に襲われた。



(追記)
★の数はあくまで好み評価だが、この2作品が★3つだと、先日の「ラスト、コーション」が★3つ半というのは厳しすぎる気がしてきたので、★4つに訂正。


2008/02/27のBlog

エガちゃんは昔からけっこう好きだったが、
アメトーークという番組にメインゲストとして出演したとき「1クールのレギュラーよりも1回の伝説」という、今では誰もが(?)知っている名言を初めて聞き、この人にずっとついていこうと決めたのだ(笑
テレビに出ている人で私がファンなのは、1に北村一輝で、2に江頭2:50と言ってもいいくらいだ。

それでこのエガちゃんの映画評論本『エィガ批評宣言』(扶桑社)。内容はネット上で聞けたりするんだけど、裏表紙の写真が!
エガちゃんの後ろ姿。まるでチューリップのように可愛らしくて、思わず購入しました・・・ぜひ、書店で確認していただきたいです。
「謹製エガちゃんシール」の付録もついてるよ。


追記:確か以前は番組サイトに過去の映画評の音声があったと思ったけど、
削除されてしまったようです。