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2008/07/12のBlog
[ 07:47 ]
[ 音楽 ]
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの初来日チケット争奪戦。ブルーノート東京分はまったくお話にならなかったのだ。瞬殺だった! 読みが甘いなんてもんじゃなかった。スライの人気は、ブラックミュージック好きよりも圧倒的に人口が多いロック好きによって支えられていることを考慮すべきだったのだ。情報をもらったときに東京国際フォーラムのほうをすぐに手配しておけばよかったんだよね…。Yさん、ごめんよ。
しかし、ボックス席に陣取るグループの中には、チケットをもらって同伴しただけの、ありがたみの分かっていない人もかなりいるのではないかと想像すると悔しいばっかりだなあ……。
ええーい、もうすっぱりあきらめろ!
気を取り直して、先日取り上げたクリセット・ミッシェルのインタビュービデオを見ていたら、この曲をちらっと真似して歌っていたので、ついでに取り上げてみる。
Billie Holidayの“God Bless The Child"
ビリー・ホリデイが歌って有名になった曲はたくさんあるだろうけれど、ジャズの枠を超え最もポピュラーなのはこの「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」ではなかろうか。本国のアメリカ人なら誰もが彼女のその歌を知っているというイメージがある(勝手な想像)。ビリーを聴き始めるにあたっての、最も口当たりのいい1曲ともいえる。有名だからって「奇妙な果実」を最初に聴くのは間違いだ。あれでビリーのファンになれる人はきわめて少数派だ。アルバム単位だったら『レディ・イン・サテン』と『ラスト・レコーディング』が時代が新しく、ポップなストリングス入りオーケストラがバックということもあり取っつきやすく、普遍的な魅力を持っている。この辺りが自分の入門編でもあったので、多分に主観が入っている。
ビリー・ホリデイを意識したのは、中学生のときに彼女の自伝を読んだことだった。学校図書館にあったノンフィクション全集の中に収められていて、ロバート・キャパの「ちょっとピンぼけ」、エロール・フリンの自伝とともに1冊になっていた(すごい組み合わせ…)。その数年後に『レディ・イン・サテン』のアルバムを初めて買って、歌のたたずまいのカッコよさにしびれた。しかし、背伸びすることなく心に染みいってきたのは、ラジオで聴いた「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」が最初だった。
で、そのビリーが歌う「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」は何度も録音され、手元には(1)コロンビア盤の1941年5月9日録音、(2)デッカ盤の1950年3月8日録音、(3)ヴァーヴ盤の1956年6月7日録音という3つのバージョンがある。(1)はおっとりとしていて伸びやかな歌声が魅力。(2)はぐんと貫禄がつき包容力のある歌声。混声コーラス入りでエコーがきいているクリスマスソングのようなアレンジがドラマチック。最初に心奪われたのはこのバージョンだったかも。(3)は41歳のときの録音だが(1)から順に聴くと老婆のような声になってしまっている。だけど、たった4分足らずの中に込められているものがあまりに濃厚だ。さまざまな感情が渾然とした玉虫色のような歌唱で、聴くときの心情によっては一番なぐさめられるのがこのバージョンだったりする。
YouTubeでは(1)がこれ、(3)がこれ。(2)は探せなかったけどサム・クックが歌うこれのアレンジが(2)をかなり意識したものになっている。
しかし、ふだん英語の歌詞はほとんど気にしていないのだけど、いま改めて「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」の歌詞をみて、タイムリーさに驚いた。ろくな仕事がなく低賃金の派遣で働かざるを得ない若者が皮肉を込めて歌うにはぴったりな内容に思えるよ。訳する人によって若干解釈が違っているようなので、英文のまま。
Them that's got shall get
Them that's not shall lose
So the Bible said and it still is news
Mama may have, papa may have
But God bless the child that's got his own
That's got his own
Yes, the strong gets more
While the weak ones fade
Empty pockets dont ever make the grade
Mama may have, papa may have
But God bless the child that's got his own
That's got his own
Money, you've got lots of friends
Crowding around the door
When you're gone, spending ends
They don't come no more
Rich relations give crust of bread and such
You can help yourself
But don't take too much
Mama may have, papa may have
But God bless the child that's got his own
That's got his own
(Billie holiday / Arthur Herzog jr.)
2008/07/07のBlog
[ 01:07 ]
[ エジプト ]
5カ月もたってまだ終わらないツアー記…。
夕飯までの2時間ほど、ルクソールの街を一人ぶらつく。
これが噂の「掘り起こし道路」だと思う。車がスピードを出しすぎて危険なので平らな道をわざと凸凹にしてある。そのため、細い裏通りをバスやタクシーが暴走。しかも途切れることなく連なって!
夕飯までの2時間ほど、ルクソールの街を一人ぶらつく。
これが噂の「掘り起こし道路」だと思う。車がスピードを出しすぎて危険なので平らな道をわざと凸凹にしてある。そのため、細い裏通りをバスやタクシーが暴走。しかも途切れることなく連なって!
[ 01:06 ]
[ エジプト ]
エジプトの主食は、この丸くて平たいアエイシというパン。エジプトでは貧困対策として補助金を受けた格安のパンを売る場所があって、小さな窓口しかない店の前に人々が順番を争って群がっているのをよく目にしました。そこでパンを買いそびれると、値段が5倍の市販のパンを買わなければならないので、貧しい人たちには死活問題。
(その後のニュースでは、小麦価格の上昇で今は価格差が10倍以上になり、パン争奪の死者まで出ているとのこと。)
(その後のニュースでは、小麦価格の上昇で今は価格差が10倍以上になり、パン争奪の死者まで出ているとのこと。)
[ 01:06 ]
[ エジプト ]
屋根付きスークへの入り口と思って足を踏み入れたら日用品の店の店内だった…。でも、こんなどこにでもある店も見て回るのが好きなのだ。まあ、ほとんど売っているものが変わらない。屋根がないのでプラスチックがすっかり色あせてる。
[ 01:06 ]
[ エジプト ]
2008/07/06のBlog
[ 16:30 ]
[ 音楽 ]
歌声がエラ・フィッツジェラルドに時にそっくりのクリセット・ミッシェル。
Chrisette Micheleの『I Am』
1年前に発売されたデビューアルバム。最初に耳にとまったのは1曲目に入っている“Like A Dream”だったと思うが、技巧に走りすぎていると決めつけてしまったんですよ。エラやビリー・ホリデイを盛んにコピーして歌を練習していたことが、本人がこの2人を大好きと言っているのを知る以前に丸分かりなのだ。
でも、ごめんなさい! 改めてアルバム通して聴いたら印象が変わった。かなり良かったです。瑞々しく、可愛らしく、歌を歌うことの喜びがはじけている。ジャケットのイメージにぴったりでした。このジャケットデザインはいいね。
彼女の歌はソウルフルだけど、かなりポップス寄りの曲を含め、バラエティに富んだ曲が収まっている。こういうのをまとめてネオ・ソウルというのだろうか。歌声に個性があるというのは強い。取っつきであまり好きではないと思うタイプの曲も聴けてしまう。曲をじっくり聴こうという気にさせる。
9曲目の“Golden”から11曲目の“Love Is You”に至るジョン・レジェンド風の曲の流れが好きだ。実際にレジェンドがプロデュースしているのは11曲目だけのようだが。
マイ・フェイバリット曲は10曲目の“Let's Rock”です。バックに入っているサンプリングがもうちょっとなんとかならなかったかと残念な気がするけど、個人的には明るい曲調のほうが個性が出ると思う。なので、1曲目も今となってはお気に入り。
[ 01:28 ]
[ 本 ]
アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作2つ。
『オールド・ディック』L・A・モース著/石田善彦訳
(ハヤカワ文庫 1983年邦訳)
もうすぐ78歳、探偵稼業はとうに引退したつもりのジェイク・スパナーの前に、40年以上前に長期の刑務所暮らしに追いやった元ギャングの大物サル・ピッコルが現れる。誘拐された孫の身代金受け渡しに同行してほしいというのだ。そして、受け渡し当日、老いぼれ2人は何者かに殴られ金を奪われてしまう…。
ハードボイルド小説全盛期の探偵が、今も生き続けていて、相変わらず一匹狼のわびしい暮らしをしていたとしたら……。これが意外と様になっている。そりゃあ少し走っただけで息は切れるし、疲れるのも早い。集中力や視力も衰えてはいるんだろうけど、利点もある。老いぼれが何かを嗅ぎ回ってうろついても、誰も気にとめないこと。何事に対しても達観しているようなところも、年寄りゆえに説得力があるのだ。
ロサンジェルスに住むジェイクは、シャツの胸元をはだけた格好で、毎日何時間も公園のベンチに座り、しなびた体に太陽の光を浴びせる。傷痕のある胸がセクシーだとお世辞を言われなくなって早30年。暇つぶしにペーパーバックの卑猥な三文小説を読んで妄想をかきたててみるが、最後に勃起したのは5年以上前。痛風の気があり、時に不眠症に悩まされる。しかし、そんなことより問題は財政状態。少なくともまだ万引きしたり、キャットフードを食べるところまでは至っていないが、早いところ死なないと無一文になってしまう……。そんなジェイク爺さんのもとに、古なじみが仕事を持ち込んでくるわけです。かつては敵対関係にあったとはいえ、背に腹は代えられない。それに同じ老いぼれが困って助けを求めているのだ。
「クソッ、なんてこった」とつぶやきながらも、過酷な拷問に耐えたり、銃を持った相手から走って逃げ回ったり……。いつ心臓がやられてポックリいっても不思議じゃない状況が、逆にユーモアになってるのがおかしい。作者モースは30代半ばでこの小説を書いているので、実際にジェイクと同世代の人たちが読んでどういう反応をするかは分かりませんが。
介護施設に入れられているジェイクの古い友人の元警官も、いい味を添えていた。そしてラストがまた、老い先短い者らしい決着の付け方というか・・・爽やかだけど、まだまだ因縁の関係が続きそうな予感もあり、ニヤニヤしながら読み終えました。面白かったです。
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『古い骨』アーロン・エルキンズ著/青木久惠訳
(ハヤカワ文庫 1989年邦訳)
北フランス、モン・サン・ミッシェル湾で貝拾いをしていた老人が、潮が満ちるのに気づかず溺れ死ぬ。その老人はレジスタンスの英雄として知られた富豪で、一人で暮らす北フランスの館に、理由も告げずに親族を呼び寄せた矢先の事故だった。そして数日後、遺書の内容で親族がもめるさなか、館の地下室から第二次大戦中のものと思われる人骨が発見される…。
“スケルトン探偵”との異名をもつ人類学者ギデオン・オリヴァー・シリーズの中で、最高傑作といわれる巻。オリヴァーはワシントン大学の教授だが、このシリーズは毎回舞台を変え、観光小説としての楽しみもあるとのこと。
前から人気があるシリーズということは知っていました。骨をもとに推理するというので、もっと見た目からして変わり者の探偵が主人公の、陰鬱な話かと思っていたらまったく違い、コージー・ミステリの味わいもある内容だった。抜群に面白かったのはプロローグ。これはシリーズの中では4作目。とりあえず5作目も読んでみよう。
『古い骨』アーロン・エルキンズ著/青木久惠訳
(ハヤカワ文庫 1989年邦訳)
北フランス、モン・サン・ミッシェル湾で貝拾いをしていた老人が、潮が満ちるのに気づかず溺れ死ぬ。その老人はレジスタンスの英雄として知られた富豪で、一人で暮らす北フランスの館に、理由も告げずに親族を呼び寄せた矢先の事故だった。そして数日後、遺書の内容で親族がもめるさなか、館の地下室から第二次大戦中のものと思われる人骨が発見される…。
“スケルトン探偵”との異名をもつ人類学者ギデオン・オリヴァー・シリーズの中で、最高傑作といわれる巻。オリヴァーはワシントン大学の教授だが、このシリーズは毎回舞台を変え、観光小説としての楽しみもあるとのこと。
前から人気があるシリーズということは知っていました。骨をもとに推理するというので、もっと見た目からして変わり者の探偵が主人公の、陰鬱な話かと思っていたらまったく違い、コージー・ミステリの味わいもある内容だった。抜群に面白かったのはプロローグ。これはシリーズの中では4作目。とりあえず5作目も読んでみよう。
2008/07/05のBlog
[ 21:52 ]
[ 本 ]
カナダのカルガリーが舞台。笑えるハードボイルド探偵小説。
『揺さぶり』マイク・ハリソン著/棚橋志行訳
(ヴィレッジブックス 2008年邦訳)
私立探偵のエディ・ダンサーは、派手なタトゥーを入れたバイク乗りの男から「銀行をだまして得た金を持ち逃げした相棒を探してほしい」との依頼を受ける。それだけでも迷惑な話なのに、翌日には、その相棒が妻を伴い、まったく同じ依頼をしに訪れる…。
邦題の「揺さぶり」とはそういう意味もあったのか! 恐ろしい! コーラを使ってそんなことができるのも初めて知った。やばすぎ! この小説はある種の人々に読ませては危険! 利用されたら大変です!
でも、楽しい。さまざまな悪党が登場するけれど、義理にあつく愛嬌を忘れない向こう見ずな主人公探偵の性格に引かれ、頼もしい助っ人へと変わっていく者もいる。おバカ系です。続編を大いに期待します。