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ヒメヒカゲ備忘録
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2008/07/23のBlog

1人だと見分けがつかないが、2人以上でいるとすぐわかる・・・客席の映画オタク率がやたら高い! 後で分かったが、前作がゾンビのパロディ映画で話題になった監督(エドガー・ライト)の映画だからのようだった。そして、なんと映画の中にも彼らの仲間が登場し、うるわしい友情を見せつけてくれたのだ。

「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(2007年 英/仏)
★★★☆

首都警察で圧倒的な検挙率を誇るニコラス・エンジェル巡査(サイモン・ペッグ)は、「君がいると僕たちみんな無能に見えちゃう」という署内全員一致の理由で、サンドフォードというド田舎へいきなり左遷されてしまう。そこはベスト・オブ・カントリーにも選ばれるほどの平和でのどかな町。しかも、トロくてお人好しの新米警官ダニー(ニック・フロスト)と相棒を組まされ、エンジェルの調子はくるうばかり…。


普通のヒューマンコメディかと思ったら、中盤で本格的サスペンスの色合いが濃くなり、そこからまさか、あんな不謹慎でおバカ全快な方向にずれていくとはね・・・。いままであまり見たことのないタイプのコメディだった。その「ずれ」が計算づくなのか、いい加減なのかよくわからないんだけど、面白ければいいのかな。最後は清々しい気持ちで見終えたし。

何が受けたかって、前半までの映画の雰囲気にそぐわない殺人方法の過激さ、死体のリアルさ。ゾンビのパロディ作品を撮った人の映画だなんて知識がなかったものだから「何、この、間違った力の入れようは?」とやたら可笑しくて。連続殺人の動機が、まさかそんな理由ではないよねと思っていた、そのまさかだったことも受けた。まんまとミスリードされちゃった。

しかし、一番びっくりしたのは、「この人知っている。誰だっけ?誰だっけ?」と映画観ながらずっと気になっていたスーパーマーケットの経営者役が、エンドロールの字幕でティモシー・ダルトンと分かったとき。ひっくり返りそうになった。記憶の中とまったく違うキャラクターになっているもんだから。
ビル・ナイはともかく、ジム・ブロードベントやパディ・コンシダインなども、こういう映画に嬉々として出るんですね。イギリスの俳優はユーモアに関しては間口の広いというか。ほかにケイト・ブランシェットがカメオ出演していたらしい。どこに出ていたんだろう。



2008/07/21のBlog

通勤電車の中で読むには重いので、家でちびちび読む。

『見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行』四方田犬彦著
(作品社 2005年)

2004年にテルアヴィヴとベオグラードの大学に文化交流使として派遣された著者が、滞在期間中にイスラエルとパレスチナ、旧ユーゴスラビアの各地を訪れ見聞きしたことをまとめた本。


民族や宗教の違いが戦争を引き起こすのではないと著者は言います。人間は自分たちの生活や文化を脅かす者が現れたときに初めて、自らが属する民族や宗教を強く意識する。パレスチナやバルカン半島の紛争もそこに端を発する。
ともにオスマントルコ帝国に属し、帝国が力を持っていた時代は、さまざまな民族や宗教・宗派を信じる人たちが、平等とはいわないまでも平和裡に暮らし、他民族や他宗教に対しての寛容さを持っていた。それが、各地で民族自決の思想が芽ばえ始めた19世紀、オスマン帝国の衰退とともに、一部で脱イスラムが進んだことは反動として理解できなくもない。しかし、なぜ民族浄化にまでエスカレートしていったのか……。

入れ子構造の差別は世界中どこにでも存在すると思うが、アシュケナジーム(東欧系ユダヤ人)が権力を握るイスラエルも、セルビア人も、自分たちを西欧の仲間であると考え、西欧文化こそが最も進化していて優れた文化だということを疑わない。それが他民族・他宗教への蔑視を煽り、民族浄化を後押ししてきたように思えてならない。もともと西欧人たちが持っていた異文化に対する蔑視は、欧米諸国が下したセルビアへの空爆という制裁と、イスラエルへの対応の違いにも透けて見えくるのがなんとも嫌な感じ。セルビアはセルビア人の思いとは反対に、西欧から見れば「野蛮な東洋」に属していた。

しかし、自分が西洋・東洋という分け方をして、逆に西洋こそ野蛮じゃないかとひとくくりに考えてしまうのも、すでに西洋的な考えに感化されてしまっている証拠なのかもしれない。うーん、どうなのだろう。あと、民主主義というのは誰かを排除したうえでなければ、本当は成り立たないのではないだろうかとか…。考えれば考えるほど分からなくなってきます。

自分がいちばん興味をもって読んだのは、「ユダヤ人」の定義不可能性なのだけど、読んでますますバカバカしくなった。停滞しているように見えるパレスチナ問題だけど、イスラエル内のアラブ系住民の人口増加が、かすかな希望といっては楽観的すぎるかな。

2008/07/12のBlog
[ 07:47 ] [ 音楽 ]

うわー、いろいろ思い出しちゃった。・゚・(ノД`)・゚・。
Johnnie Taylor - SOUL HEAVEN



スライ&ザ・ファミリー・ストーンの初来日チケット争奪戦。ブルーノート東京分はまったくお話にならなかったのだ。瞬殺だった! 読みが甘いなんてもんじゃなかった。スライの人気は、ブラックミュージック好きよりも圧倒的に人口が多いロック好きによって支えられていることを考慮すべきだったのだ。情報をもらったときに東京国際フォーラムのほうをすぐに手配しておけばよかったんだよね…。Yさん、ごめんよ。
しかし、ボックス席に陣取るグループの中には、チケットをもらって同伴しただけの、ありがたみの分かっていない人もかなりいるのではないかと想像すると悔しいばっかりだなあ……。
ええーい、もうすっぱりあきらめろ!



気を取り直して、先日取り上げたクリセット・ミッシェルのインタビュービデオを見ていたら、この曲をちらっと真似して歌っていたので、ついでに取り上げてみる。

Billie Holidayの“God Bless The Child"


ビリー・ホリデイが歌って有名になった曲はたくさんあるだろうけれど、ジャズの枠を超え最もポピュラーなのはこの「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」ではなかろうか。本国のアメリカ人なら誰もが彼女のその歌を知っているというイメージがある(勝手な想像)。ビリーを聴き始めるにあたっての、最も口当たりのいい1曲ともいえる。有名だからって「奇妙な果実」を最初に聴くのは間違いだ。あれでビリーのファンになれる人はきわめて少数派だ。アルバム単位だったら『レディ・イン・サテン』と『ラスト・レコーディング』が時代が新しく、ポップなストリングス入りオーケストラがバックということもあり取っつきやすく、普遍的な魅力を持っている。この辺りが自分の入門編でもあったので、多分に主観が入っている。

ビリー・ホリデイを意識したのは、中学生のときに彼女の自伝を読んだことだった。学校図書館にあったノンフィクション全集の中に収められていて、ロバート・キャパの「ちょっとピンぼけ」、エロール・フリンの自伝とともに1冊になっていた(すごい組み合わせ…)。その数年後に『レディ・イン・サテン』のアルバムを初めて買って、歌のたたずまいのカッコよさにしびれた。しかし、背伸びすることなく心に染みいってきたのは、ラジオで聴いた「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」が最初だった。

で、そのビリーが歌う「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」は何度も録音され、手元には(1)コロンビア盤の1941年5月9日録音、(2)デッカ盤の1950年3月8日録音、(3)ヴァーヴ盤の1956年6月7日録音という3つのバージョンがある。(1)はおっとりとしていて伸びやかな歌声が魅力。(2)はぐんと貫禄がつき包容力のある歌声。混声コーラス入りでエコーがきいているクリスマスソングのようなアレンジがドラマチック。最初に心奪われたのはこのバージョンだったかも。(3)は41歳のときの録音だが(1)から順に聴くと老婆のような声になってしまっている。だけど、たった4分足らずの中に込められているものがあまりに濃厚だ。さまざまな感情が渾然とした玉虫色のような歌唱で、聴くときの心情によっては一番なぐさめられるのがこのバージョンだったりする。

YouTubeでは(1)がこれ、(3)がこれ。(2)は探せなかったけどサム・クックが歌うこれのアレンジが(2)をかなり意識したものになっている。

しかし、ふだん英語の歌詞はほとんど気にしていないのだけど、いま改めて「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」の歌詞をみて、タイムリーさに驚いた。ろくな仕事がなく低賃金の派遣で働かざるを得ない若者が皮肉を込めて歌うにはぴったりな内容に思えるよ。訳する人によって若干解釈が違っているようなので、英文のまま。

Them that's got shall get
Them that's not shall lose
So the Bible said and it still is news
Mama may have, papa may have
But God bless the child that's got his own
That's got his own

Yes, the strong gets more
While the weak ones fade
Empty pockets dont ever make the grade
Mama may have, papa may have
But God bless the child that's got his own
That's got his own

Money, you've got lots of friends
Crowding around the door
When you're gone, spending ends
They don't come no more
Rich relations give crust of bread and such
You can help yourself
But don't take too much
Mama may have, papa may have
But God bless the child that's got his own
That's got his own

(Billie holiday / Arthur Herzog jr.)



2008/07/07のBlog
5カ月もたってまだ終わらないツアー記…。

夕飯までの2時間ほど、ルクソールの街を一人ぶらつく。
これが噂の「掘り起こし道路」だと思う。車がスピードを出しすぎて危険なので平らな道をわざと凸凹にしてある。そのため、細い裏通りをバスやタクシーが暴走。しかも途切れることなく連なって!
エジプトに着いて早々に市街地図の載っていたガイドブックをバスに置き忘れ、なくしてしまったため、「スークはどこか」と尋ねて歩いていってみると地元の人のための生鮮市場でした…。
牛肉店。欲しい部位を告げて切り取ってもらう。ただでさえ暑い土地柄、店先に吊り下げたままで腐りやすいのだけど、今朝殺した牛だから一度冷凍した肉よりよほど新鮮という考え方。なるほど。
売ってる魚はテラピアなどの淡水魚。
路上で食用鳩や七面鳥も売ってる。写真を撮ったら、店番の痩せて小柄な老婆に大声で怒鳴られお金を要求された。逃げた。
エジプトの主食は、この丸くて平たいアエイシというパン。エジプトでは貧困対策として補助金を受けた格安のパンを売る場所があって、小さな窓口しかない店の前に人々が順番を争って群がっているのをよく目にしました。そこでパンを買いそびれると、値段が5倍の市販のパンを買わなければならないので、貧しい人たちには死活問題。
(その後のニュースでは、小麦価格の上昇で今は価格差が10倍以上になり、パン争奪の死者まで出ているとのこと。)
サンドイッチ作ってます。
同じような雑貨を売る屋台がいくつもあった。
水タバコは私も後日カイロで試してみた。水をブクブク泡立てるために思いっきり吸うから、肺にたっぷり煙を吸い込むことになる。それも1回30分くらいもつ。体にはよくなさそう。アップル味とかいろいろあります。
靴磨きの男性もいますね。
住宅街。ここに住めている人はそこそこ裕福なのかな。布で作った自動車のカバーが懐かしい感じ。
屋根付きスークへの入り口と思って足を踏み入れたら日用品の店の店内だった…。でも、こんなどこにでもある店も見て回るのが好きなのだ。まあ、ほとんど売っているものが変わらない。屋根がないのでプラスチックがすっかり色あせてる。
プラスチック製品の中で目についたのはこのカゴ。
何に使うものなのか、すぐに判明しました。
高級ホテルの並ぶ川沿いの通り。
ルクソール神殿のすぐ近くにあるこのホテルの建物は、もとは19世紀に国王が避寒用に建てた離宮。
観光用の馬車がいっぱい。不当な金額を要求されることが多い。お金をだまし取られた白人男性が、腹いせに別の馬車の御者のムチを奪い取り、その御者をムチで打ちまくっている現場を目撃。いやーなもの見ちゃった。

食事中。
お菓子を売ってる。面白い三輪車。
ホテル通りにあったポスト。外国人観光客が絵はがきなどを出しても、届かないことがけっこうある。どこかに紛れて行方不明になるんじゃなくて、つまりその、ナニだそうです…。本当だとしたら、たくましいよねエジプト人。
私が後でちょっとくやしい思いをしたのは、アスワンのホテルフロントで両替をごまかされたこと。