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ヒメヒカゲ備忘録
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2008/09/19のBlog

今月16日、音楽プロデューサー/コンポーザーのノーマン・ホイットフィールドが死去。テンプテーションズのプロデュースで頭角を現した人ですけど、個人的には映画音楽としても大ヒットしたローズ・ロイスの「カーウォッシュ」が思い出深い。ファンクを、当時子供だった私にもそのかっこよさ、楽しさが分かるポップチューンに仕上げ、親しむきっかけを作ってくれた一人です。
前日にはピンク・フロイドのキーボード、リチャード・ライトの訃報もありました。日曜日は昼間から雨戸を閉め、部屋を真っ暗にして、飽くことなくステレオにかじりついていました。
若い頃にお世話になった方々が亡くなると、何かひとこと書かずにはいられません。


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今日いちばん憤ったニュース。
女性スパイの育成を開始=イラク駐留米軍
ほんとかいな? 米国は一体イラクをどういう国にしようとしているのか。そしてまた、こういうことを発表する意図は何? 先日テレビで、イラクから帰還後、自分の子供に愛情をもって接することができなくなってしまった女性兵士のドキュメンタリーをやっていたが、ますます混乱を招く鈍感な文化の押しつけ(男女平等の悪用)としか思えない。裏でジョーカーがほくそ笑んでいるぞ!

とあきれていたら、こんな見出しが目に飛び込んできた。
ブッシュ大統領は“バットマン”
はあ? 私の解釈ではブッシュはジョーカーに操られ放題の欲深き悪党なんですけど。アフガンで亡くなった日本人ボランティアをレイチェルに例えてるところも気分悪い。あの映画の登場人物を具体的な人物になぞらえる考え方はうんざりだ。

さらに、記事をさかのぼっていったらこんなのが出てきた。
バットマン…実はブッシュ大統領?
これまたブッシュのアメリカを美化しすぎ。「悪役ジョーカーをウサマ・ビンラーディンふうのテロリストと性格付けする一方・・・」って、そういう解釈をするから間違った戦争が起こるんじゃないか?



2008/09/15のBlog

映画脚本家としても知られるフランス人作家の、一般的にはミステリに分類されるんだろうけど、映画で使われるクライムコメディのジャンル名がしっくりくる小説。

『隣りのマフィア』トニーノ・ブナキスタ著/松永りえ訳
(文春文庫 2006年邦訳)

フランスの田舎町に、闇夜に紛れて引っ越してきたアメリカ人4人と犬1匹。彼らはFBIの証人プログラムによって保護されたマフィアの大物一家だった…。


実は一家のフランス国内での引っ越しは3度目。過去に2度、身元がばれそうになる失敗をやらかしているわけで、まーそれも納得。小さな田舎町で、アメリカ人というだけで興味を持たれているのに、この一家はそれぞれが我が道を行き、ほどほどにやりすごすということを知らない。FBIの監視をよそに、元コーザ・ノストラの父親は作家と偽り、生意気な配管工の腕をへし折る。母親はボランティアにいそしみながらも、客あしらいの悪いスーパーに放火。娘と息子も、この親にしてこの子あり。ある種の才能で学校で一目置かれる。そして、気付けば一家揃って、町の人気者になってしまっていたのだ!
一家の居場所がニューヨーク・マフィアの大ボスに感づかれてしまう経緯が面白い。「グッドフェローズ」などの映画ネタが盛り込まれていて楽しい。でも、この小説で輝いているのは、本筋とは関係なく挿入される、たくさんの登場人物たちのウイットに富んだエピソード。
原題は「Malavita」なので、邦題は映画「隣のヒットマン」を意識してますよね。


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『ロジャー・マーガトロイドのしわざ』ギルバート・アデア著/松本依子訳
(ハヤカワミステリ 2008年邦訳)

ロジャー・フォルクス大佐の邸でのクリスマスの集いに参加したのは、大佐とその妻と娘、娘のボーイフレンド、牧師夫妻、医師夫妻、女優、女流作家。そしてもう一人、半ば強引に押しかけてきたゴシップ記者が、翌日射殺死体となって見つかる。折からの猛吹雪で警察にも連絡が取れず、人々は近隣に住む元警部に助けを求める…。


内容も本のタイトルも、アガサ・クリスティー作品のオマージュであり、パロディだそう。そしたら、少し前に読んだ『切り裂かれたミンクコート事件』もオマージュなのかな。密室ものなどの本格ミステリーの古典が大好きな人なら、きっと大いに面白がって読めるのでしょう。
私にも本格ミステリーのパロディと分かるのは、本の扉にあるフォークス邸の見取り図くらいだろうか。読み終わって、何の意味もなかったことに気づいた(笑)。


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新書で上杉隆著『ジャーナリズム崩壊』も読みました。

著者の経験をもとに、特に記者クラブについて批判した内容。担当した政治家が出世すれば自分も出世する仕組みになっている新聞の政治記者に、政治批判は期待できず、そのためスクープ報道をものにするのは週刊誌の記者。また、そのスクープを新聞が後追いする場合には「一部週刊誌が」とか「・・・とわかった」という表現で、情報源をはっきりさせないのは、盗作行為ではないかと言っているところがいちばん頷けた。新聞の驕りですね。
「・・・とわかった」とある記事については、どこかから送られてきたニュースリリースをそのまま載せているだけのことが多く、以前から胡散臭く思っていた。宣伝広告と変わらない記事が、新聞には多いよね。



2008/09/11のBlog

家に帰ってきてテレビをつけたら、「ゆるキャラ王選手権」というのをやっていた。ふだんバラエティ番組はあまり見ないんだけど、これはもう、なんというか、映像があまりにシュールで、さんざん笑い転げた。

なかでも笑撃的だったのが、かけっこ競技でのコシロちゃんと、跳び箱みたいな競技でのとしぼういーねくん……あら、なぜか膨らんだキャラばかり。

写真は優勝したわたるのホームページから勝手にいただいてきてしまった。まずいかな?


この夏のテレビは、北京オリンピックもいろいろおもしろかったけど、それ以外の個人的ベスト3は以下に決定。
・NHKスペシャル「幻のサメを探せ 秘境 東京海底谷」
・NHKスペシャル「解かれた封印 米軍カメラマンが見たNAGASAKI」
・TVチャンピオン「ゆるキャラ王選手権」(笑)


2008/09/08のBlog
[ 00:52 ] [ 映画 ]

ジョン・クラカワーのノンフィクション『荒野へ』を映画化。

「イントゥ・ザ・ワイルド」(2007年 米)
★★★★★

あらすじと主人公クリス・マッカンドレスの印象は原作の感想に書いたとおり(ネタばれしてます)。
とても丁寧に作られた映画だった。原作のもっていた繊細さがまったく損なわれることなく、映画化されていることに驚いた。出演者たちの演技もみな良かった!
一つ一つの映像に、監督ショーン・ペンの目を感じた。主人公クリスと一緒にショーン・ペンも、まっさらな心に戻って旅をした。そんな映画だった。エミール・ハーシュ演じる主人公クリスが映画を撮影しているカメラと戯れる、まるでメイキングのような映像が何カ所かはさまれるのが、その印象をいっそう強くした。

青年のやったことを無謀と非難するのは簡単だが、その無謀を許さない社会はつまらないと思う。しかし、映画を見て改めて、残された人々の悲しみに胸が締め付けられた。特に孤独な老人を演じたハル・ホルブルック、出番はわずかながら父親役のウィリアム・ハートには泣かされた。


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同じ日に見た映画。「イントゥ・ザ・ワイルド」とは真逆ともいえるコメディだが、テーマ的には似ていなくもない?(笑)

「デトロイト・メタル・シティ」(2008年 日本)
★★★☆

自分が嫌いなタイプの音楽を演奏しなきゃならないというのは、実際には相当な拷問だと思う。私には、主人公の根岸くんが本来目指していたオシャレなポップミュージックのほうが、演奏するにも聴くにも耐えない(笑)。クラウザー様のデスメタルのほうが好みです(吹き替えのボーカルの人がうまかった)。でも、もっとはちゃめちゃにできたのになあという思いが残る。クライマックスのジーン・シモンズとの対決はちょっとしょぼかった。原作の漫画どおりなのかもしれないが。
今をときめく映画スター(?)松山ケンイチは、クラウザー様に扮したときの走り方が良かった。母親役の宮崎美子がいい味を出していた。

2008/09/07のBlog

といったら、そりゃもうウィル・スミス。今作は、ひねくれてて荒っぽくて、みんなから迷惑者扱いされているスーパーヒーローなのだけど、やはりこういう超人的な役のウィル・スミスは魅力的。何があろうと、しめっぽくならないところがいい。

「ハンコック」(2008年 米)
★★★☆

ロサンゼルスに暮らす酒浸りの自堕落な男ハンコックは、実は不死身で空も飛べ、しかも驚異的なスーパー・パワーの持ち主。その類い希な能力を使い、事件が起きればすぐさま現場に駆けつけて解決してくれるが、事件の度に周囲へ大損害を与える乱暴なやり方と何一つ反省しないぶっきらぼうな態度が災いし、人々から非難されてばかり。そんなある日、踏切内で身動きがとれなくなり列車に轢かれそうになった1台の車をいつもの強引さで救う。その車を運転していたPR会社勤務のレイにとって命の恩人となったハンコックはやがて、彼から正義のヒーローとしてのイメージ・アップ計画を持ちかけられるのだが…。
(allcinemaより)


ウィル・スミスのスター性で持っている映画であることは予想していたので、それ以上の期待はしていなかったのだけど……。それにしても、ウィル・スミスとシャーリーズ・セロンの顔のアップが多すぎ! 視野が狭いシーンが続くと、だんだん息苦しくなってくる。
特にPRマンの妻役のセロンは、登場するや、ハンコックに対して意味ありげな態度を見せるんだけど、そこのところの見せ方とかすごい下手。「表情のアップを増やせば、バカでも分かる映画になる」との、製作者側の指示でもあったんだろうか。
でも、嫌われ者ヒーローの活躍場面は楽しかった。ヒップホップな音楽をバックに登場するウィル・スミスはやっぱりかっこいい。


2008/08/31のBlog

紙の値上がりのためか、文庫本の値段もいきなり上がっているみたいだ。講談社文庫はただでさえ文字が大きいのに、この程度の厚みで上下巻合わせて1840円ってのがちょっとした衝撃で、以来ネット上では中古商品を選んで購入。しかし、自分が購入するのは年間せいぜい40、50冊程度とはいえ、翻訳小説が売れなくなっていることに荷担してしまうことのジレンマもあるのだ。…と、殊勝なことをたまには言ってみる。


『還らざる日々』ロバート・ゴダード著/越前敏弥訳
(講談社文庫 2008年邦訳)

50年ぶりとなる空軍時代の同窓会に出席するため、かつて基地だったスコットランドの城館に向かったハリー・バーネット。列車で同行中の一人が失踪し、さらに不審な事件が旧友たちを襲う。直前に参加を取りやめたバリー・チップチェイスと共に、警察から嫌疑をかけられたハリーは…。
(↑文庫裏表紙より)


『蒼穹のかなたへ』『日輪の果て』に続くハリー・バーネット・シリーズだそう。あいにくその2冊は読んでいないのだが、楽しい本だったよ。暗めの歴史ミステリを書く作家のイメージが強かったゴダードだけど、これは登場人物たちの会話にユーモアがあって軽快! ハリーとバリーの年寄り腐れ縁コンビは、『オールド・ディック』みたいだなあと思ったら、解説者の方も例に挙げておられた。何よりもバリーのキャラが良いわ。口の達者な前科者の詐欺師なのだけど、ハリーに対してだけはしおらしい一面があり憎めない。いわゆる和みキャラ。

殺人の嫌疑をかけられたハリーとバリーは、自分たちで真犯人を見つけようとするのだけれど、手がかりを求めて動き回っても、いちいち期待はずれに終わる。あんまりそんな調子が続くと、読んでいるほうもいらいらしてきそうなものだが、直後のハリーとバリーのやりとりが楽しいので、その「期待はずれ」が次第にお約束のように思えてくる。読後感もさわやかでよかった。


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このブログにお気に入りページとしてリンクを貼っていた洋書店ブログ「ランダムウォークの日々」が、しばらくぶりに覗いたらNot Foundになっていた。親会社である海外書籍・雑誌輸入販売の最大手、日本洋書販売が倒産していたのだった。私自身は洋書を読むことはまずないのだけど、スタッフによる海外文学ニュースは、とても親しみやすく、面白く読んでいたので残念です。



1991年度「このミス」第1位の帯が目にとまり、手に取りました。

『行きずりの街』志水辰夫著
(新潮文庫 1991年)

女生徒との恋愛がスキャンダルとなり、都内の名門校を追放された元教師。退職後、郷里で塾講師をしていた彼は、失踪した教え子を捜しに、再び東京へ足を踏み入れた…。
(↑文庫裏表紙より)


日本のミステリ作家のことはほとんど知らないので、たまに読むとしてもまったくの手探り。宮部みゆきも東野圭吾も京極夏彦も高村薫ですらも一冊も読んだことがないのに、たまに読むとなるとあまり聞き覚えのない作家に手を出してしまうという要領の悪さで、いわゆる努力しているように見える割には学校の成績も仕事もぱっとしない人間の典型なのだなあと思う。わかっちゃいるけど、この性格は直らない。

んで、本書は正直、ハズしたと思った。読み終わった後にAmazonのカスタマレビューを見ても、やはり辛口な意見が多い。しかし、そうなると逆に良かったところを見つけたくなる性格。ハードボイルド小説としては悪くないんじゃないの? 読みにくい文章とも思わなかったし。でも、中盤の男女の会話部分がうっとうしく退屈なのはどうしようもない。主人公がしゃべっているところをごっそりカットしたら、案外タイプな小説になるかも? 
余計なお世話ですな。

2008/08/25のBlog

みんな大好きフロスト警部! これだけシリーズ続編の翻訳が待たれていたミステリもないでしょうね。私も待ったよー。なにせ前作から7年降りだもの(もう7年もたったのかとの思いもあるけど)。
この間に作者ウィングフィールドの訃報が伝えられ、ますますやきもきしました。享年79歳だったそう。ミステリ作家として本格デビューしたのは50代半ばってことになる。若い世代にしか書けない小説もあるけれど、フロスト警部シリーズは、人生経験の長い作者ならではの機微の豊かさが持ち味になっており、すべての世代に面白く読まれる内容だと思う。翻訳者が変わらないのもうれしい。あ、表紙のイラストもね。この上巻表紙はフロスト警部と、万年巡査部長のビル・ウェルズですね(笑)。


『フロスト気質』R・D・ウィングフィールド著/芹澤恵訳
(創元推理文庫 2008年邦訳)

ハロウィーンの夜、行方不明の少年を捜していた新米巡査が、ゴミに埋もれた少年の死体を発見する。そのうえ連続幼児刺傷犯が新たな罪を重ね、15歳の少女が誘拐され、謎の腐乱死体が見つかるなど、デントン警察はいつも以上に忙しい。よんどころない事情で払底している幹部連の穴埋めをするべく、これら事件の陣頭指揮に精を出すのは、ご存じ天下御免の仕事中毒、ジャック・フロスト警部その人。勝ち気な女性部長刑事や、因縁浅からぬ警部代行とやりあいながら、休暇返上で働く警部の雄姿ここにあり! 警察小説の大人気シリーズ、待望の第4弾。
(↑文庫扉より)


相変わらずの冴えない服装、
相変わらずの下ネタジョークとセクハラ発言、
相変わらずの間の悪さ(間の良さ?)、
相変わらずの思いつき捜査、
相変わらずの不眠不休、
相変わらずのニコチン中毒、
相変わらずのマレット署長との対立、
相変わらずの受付係ウェルズ巡査部長とのやりとり etc.
おなじみのことがおなじみのままであることがうれしいっす。でも、フロスト警部ったらこんなに浪花節な性格だったっけ?(笑) いつもより出ずっぱりで、いつもより上司としても有能な気もしたけど、もう前作までのことはほとんど忘れてしまっているからな…。

しかし、面白さは期待を裏切りませんでした! モジュラー型の複雑なプロット、たくさんの登場人物(巻頭3ページが登場人物一覧)にもかかわらず、途中でまったく混乱することなく読めてしまう。それだけみんなキャラが立っているということだろう。それぞれがどこかユーモラス。犯罪者を含め。
そして、読み終える頃には自分もフロスト警部チームの一員として、ひと仕事を終えた心地よい疲労感を共有している……これは長編ゆえの醍醐味でもあるけど、一見だめオヤジのようなフロストと、そのフロストに確かな信頼をおく仲間たちの関係が、実にいい感じだからなのだと思う。
いくつもの事件の解明とともに、フロストを軽蔑しているモード部長刑事と、過去の出来事でフロストに恨みをもつキャシディ警部代行が、いつフロストの性格に懐柔されるか(笑)も読みどころの一つになっているわけだが、それをさらりと行間だけで伝えてしまうところも憎い。これぞ大人同士な関係。
そうそう、前作までと変わらないことがもう一つ。部下の独身男女の関係を取り持つキューピットのような役割も相変わらずでした。