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2008/10/13のBlog
[ 14:26 ]
[ 映画 ]
あのロバート・ダウニー・Jrがアメコミ・ヒーローを演じるというだけで、観る気まんまんだった映画。予想していた以上に楽しかった!
「アイアンマン」(2008年 アメリカ)
★★★★☆
天才発明家であるとともに、親の跡を継いで米国一の軍需企業トップの座にも納まっているトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。彼が開発した最新兵器というのが、悪名高きクラスター爆弾の破壊力をもっと高めたようなしろもので、そのデモ実験のために赴いたアフガニスタンで、米軍一行は武装グループに襲撃され、トニーは重傷を負ったまま捕らわれてしまう…。
(以下、大いにネタばれしちゃってます。)
この時点までのトニーは、発明することと、大金持ちの立場を利用して美人と片っ端から寝ることにしか興味のない人間。しかし、武装集団に兵器開発を強要されながら、自社の名前入りの兵器が彼らのアジトにすでに山積みになっていることを目の当たりにしたトニーの中で大きな変化が起こる。彼ほどの頭のいい人物がそんな可能性にいままで思い至らなかったのが不思議でもあるのだが、一緒に拘束の身となっていたアフガニスタンのドクター(ショーン・トーブ)が、彼の命を人工心臓で救うとともに、2人の間に芽ばえた友情によってトニーのハートも再生したということなのでしょう。
武装集団の目を盗んで開発したパワードスーツで脱出し、生還してからの記者会見で、もう武器製造はやめると発言。共同経営者のステイン(ジェフ・ブリッジス)が猛反発し、マスコミが大騒ぎをする中でトニーが発した「これで君たちもしばらくネタに困らないだろう」には笑ったよ。なんてクール! このように、皮肉やユーモアをきかせた小気味よい会話が随所に出てくるでの、ストーリー自体は単純でも、大人が観て楽しめる映画になっていると思う。
映画ラストでの、同じく記者会見での一言も痛快だった。多くの人がスーパーヒーローになってやってみたいと想像することを全部見せてしまったような映画。こんなオチが滑らずにすんでいるのは、ロバート・ダウニー・Jr自身の個性によるところが大きい。ちょっといかれた役というのがすごく自然。
自分が作った兵器を自分で破壊するためにアイアンマンになるという発想が、なんといっても面白いね。自らやったことの後始末は自分でするという、限られた範囲での正義というのが好きだわ。続編が作られるらしいが、そうなるとこの面白さが薄れてしまうのではないかと思う。なので、正直、それほど続編には期待していないのだ。
映画の中盤はパワードスーツの改良の様子に費やされるが、空中を飛ぶのに足の裏からの噴射だけでは身体のバランスがとれず、掌にも噴射機能をつけて制御する方法を考案するところなんかが面白かった。そして、失敗を繰り返し傷だらけになって開発に没頭する役を中年ダウニー・Jrが演じているから、私なんかにとってみれば共感度大。いままで見てきた実写のアメコミ・ヒーローの中では、間違いなくセクシー度ナンバー1です(笑)。
グウィネス・パルトロー演じる秘書ペッパー・ポッツ(面白い名前だ)もまた、とてもいいキャラクターだった。バッドマン・シリーズでの執事アルフレッドとよく似た役割。トニーと一夜をともにした記者の女性が、翌朝、シャツ1枚の姿でトニーの屋敷内でくつろいでいるところに突然現れるペッパーの沈着冷静ぶりが可笑しい。心を入れ替えた後のトニーとは、異性としても引かれ合う関係になりながら、最後までいままでと同様の関係を維持し貫くのがむしろエロチック。
スキンヘッドでイメージを一新して登場したジェフ・ブリッジスには驚いた。悪役がすごく似合っている。空軍中佐でトニーの友人役のテレンス・ハワードも好きな俳優だが、彼とのエピソードは今のところは少し印象が弱い。監督のジョン・ファヴローは、俳優としても有名というので画像を確認。ああ、この人か!と思った。見た目で才能は分からないものです。
[ 01:29 ]
[ 本 ]
読み続けてきたハリー・ボッシュ・シリーズ。
ようやく最新刊にたどりついたよ。
『終決者たち』マイクル・コナリー著/古沢嘉通訳
(講談社文庫 2007年邦訳)
元相棒キズミン・ライダーの誘いで、3年ぶりにロス市警に復職となったボッシュ。配属されたのは優秀な刑事が集う未解決事件班で、DNA分析によって新たな手がかりを得られた17年前の少女殺人事件が、さっそく2人に割り当てられる…。
日本には時効が存在し、時効になった事件を窓際部署の警官がひまつぶしに捜査するというドラマがあったが、時効のないアメリカの、ロサンゼルスには迷宮入りの凶悪事件を専門とする部署があり、「終決者(クローザー)」を自任する選り抜きの刑事たちが捜査に当たっているということらしい。
該当案件は8000件(本書より)もあり、再捜査の対象に選ばれるのはかなり低い確率。しかし、そのかなり低い確率に当たってしまったのが例のロス銃撃事件ってことになるのかなと、ちらっと思い浮かべながら読んだ。
本の扉にある「深淵を覗きこまなければならない刑事たちに捧ぐ」という言葉が、読み終わってずしりと響く。深淵とは、未解決事件の関係者の心の中に巣くい、深く根を下ろしてしまったもの。
相変わらず面白かったけど、本作はいままでのシリーズとは雰囲気が少し異なる。初心に戻ったというか・・・はみ出し者だったボッシュが、市警本部長じきじき励ましを受けたり、パートナーを常に気遣ったり。本流の刑事として組織のルールを守って活躍するところが違う。
そして、前作の感想で「かかわった女とすぐに関係をもつ」とケチをつけたのが聞き入れられたのか(笑)、本作にはそのような場面がないのが画期的じゃん。元妻のエレノアすら登場しないのが良かった。私はあまり好きじゃないんだエレノア。
それでもボッシュが動くと新たな不幸が生まれるさだめなのは変わりなく、ボッシュ・シリーズの個性は失われていない。
しかし、新しい本部長もかなりの策士だわ。どうやらボッシュが1週間で事件を解決できると見越してもいたようで。今は良い関係でいるが、敵に回したらそうとうに手強そう。
2008/10/07のBlog
[ 22:25 ]
[ 音楽 ]
2008/10/06のBlog
[ 00:21 ]
[ 本 ]
ネット上で評判が良いのもあって読みました。
著者デビュー作にして、CWAスティール・ダガー賞(最優秀スパイ・冒険・スリラー作品賞)受賞作。
『チャイルド44』トム・ロブ・スミス著/田口俊樹訳
(新潮文庫 2008年邦訳)
スターリン体制下のソ連。国家保安省のエリート捜査官レオ・デミドフが、狡猾な副官ワシーリーの計略にはまって失墜。国家反逆者として妻ともども命を狙われるまでに追い詰められながらも、各地で発生している少年少女惨殺事件の謎を追う…。
これは評判になるのもうなずけるよ。題材が斬新だし、面白かったー。本編の1953年をさかのぼること20年前の、飢餓に苦しむ寒村での出来事を描いたプロローグから一気に引き込まれた。文章がうまいし、人物描写も巧みです。
そして、スターリン政権下のモスクワ。誰もが疑われた時点で罪が確定したのも同じという粛正の恐怖が支配する社会、それを取り仕切る国家保安省内では一部腐敗も進んでいる。ハラハラ、ムカムカしどおしで息苦しくなりながらも、罠にはめられたレオの行く末が気になって、読み続けないではいられません。
巻末に著者が参考にした文献を挙げており、スターリン時代のロシアについてある程度の真実をもとに書かれていることがうかがえます。そして、この小説、各国で翻訳出版が進んでいるが、現時点でロシアでは発禁になっているのだそう(著者はイギリス人)。グルジア紛争をきっかけに、冷戦時代に逆戻りしつつあるなんて言われているけれど、小説のどの部分が問題になったのか、気になるところです。まさか卑劣な副官の名前が、スターリンの息子と同名なのが問題ということはないと思いますけど。
かなり社会派。でも、堅苦しい文学ではない。これはやっぱり娯楽作品。後半になるとさすがに現実離れな展開が目立ってくるけど、そこがむしろ新鮮で、今風の小説たらしめている気がします。
あとがきによると、リドリー・スコットとメル・ギブソンが映画化に名乗りを挙げ、結果、スコットが競り落としたそう。わかりやすー(笑)。いかにもこの2人が好きそうな世界観。個人的にはスコットで良かったし、映像だけでもかなり楽しみ。主人公レオは有名な俳優になると思うけど、この前「イースタン・プロミス」を見た流れで、私が思いつくのはヴィゴ・モーテンセン(少々体格が良すぎかな)。妻もナオミ・ワッツでいいよ。
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『チャイナタウン』S・J・ローザン著/直良和美訳
(創元推理文庫 1997年)
ニューヨークのチャイナタウンを舞台に、中国系の女性探偵リディアと、パートタイムの相棒である白人男性の探偵ビルが活躍するシリーズもの第1巻。
美術館から盗まれた貴重な中国磁器をめぐる話で、中国マフィアも登場。チャイナタウンに暮らす人々の横のつながりとか、受け継がれる風習とか、食べ物のことなど細部は面白かったけど、続けて読むかどうか微妙。リディアがスーパーウーマンじゃなく描かれているところはいいかもしれないけれど、普通の女の子以上に女の子の性格だし、探偵にしては素直だし上品だし、結局、男たちに助けられてるんだよね…。はい、単に好みの問題です。
(創元推理文庫 1997年)
ニューヨークのチャイナタウンを舞台に、中国系の女性探偵リディアと、パートタイムの相棒である白人男性の探偵ビルが活躍するシリーズもの第1巻。
美術館から盗まれた貴重な中国磁器をめぐる話で、中国マフィアも登場。チャイナタウンに暮らす人々の横のつながりとか、受け継がれる風習とか、食べ物のことなど細部は面白かったけど、続けて読むかどうか微妙。リディアがスーパーウーマンじゃなく描かれているところはいいかもしれないけれど、普通の女の子以上に女の子の性格だし、探偵にしては素直だし上品だし、結局、男たちに助けられてるんだよね…。はい、単に好みの問題です。
2008/09/29のBlog
[ 02:53 ]
[ 映画 ]
宣伝チラシのスーフィーダンスの写真が気になり、観にいきました。
「落下の王国」(2006年 インド/イギリス/アメリカ)
★★★★
1915年、ハリウッド。撮影中の事故で重傷を負い病院のベッドに横たわるスタントマン、ロイ。身体が動かず自暴自棄となり、自殺願望にとらわれていた。同じ病院に入院中のアレクサンドリアは、家族を手伝ってオレンジを収穫中に樹から落下して腕を骨折した5歳の少女。じっとしていられず敷地内を歩き回っていて、ロイの病室へと辿り着く。ロイはアレクサンドリアを呼び寄せると思いつきの冒険譚を語って聞かせる。ロイの語るめくるめく物語にすっかり引き込まれていくアレクサンドリアだったが…。
(allcinemaより)
スペイン総督によって孤島に囚われた5人の男と木の精霊が復讐のための旅に出る、というのがロイの創作した「お話」。少女にせがまれて毎日少しずつ語られるその「お話」自体は、(ロイは自分のことで頭がいっぱいなので)成り行き任せもいいところなのだが、少女が思い描くビジュアルがすごい。世界24カ国以上でロケした風景と、いかめしいデザインの石岡瑛子の衣装のコラボによる映像美が圧巻!
でも、たくさんの世界遺産をも舞台にした映像は、その場所を知らない人間には新鮮だが、よく知っている人にとってはどうなんだろうか。映像が地理的つながりを無視してあちこち飛び回るので、少女と一緒に「お話」の世界にひたる以前に、現実に引き戻されてしまいそうだ。地方を舞台にした2時間ドラマなどで、その土地の名所ばかりが脈絡なく登場するときの違和感に近いかも? しかし、世界をひとまたぎなスケールで、CGを使わず、時間をかけて最高のタイミングで撮影された映像をスクリーンで眺めるというのはかなり贅沢な気分です。
一方、青年ロイと少女アレクサンドリアの物語の部分では、アレクサンドリアを演じたインド系(訂正…ルーマニア人でした)の女の子があまりに自然にふるまい、可愛らしいので、ロイの役の人が食われてしまい、ロイの悲劇の印象が薄くなってしまった気がする。しかし、どんな名優も子役にはかなわないというからな…。あの女の子のまん丸顔と、演技しているのか素なのか判然としない仕草は、個人的にはビューティフルワールドな映像以上に気になった。
ロイの「お話」は後半、予想に反する方向に進んでいく。子供のための「お話」にハッピーエンドを求める大人は多いが、子供のほうは、お話を聞きながら想像をふくらませたことを何より楽しんでいるのではないかと、最後に少女が蝶を見つける場面で思いました。あのラストがとても良かったです。
2008/09/22のBlog
[ 00:22 ]
[ 本 ]
2004年のCWAシルバー・ダガー賞受賞作。
『血と肉を分けた者』ジョン・ハーヴェイ著/日暮雅通訳
(講談社文庫 2006年邦訳)
抑圧された生活の果てに16歳の少女を殺した少年が、13年ぶりに仮釈放された。彼を逮捕した元警部のエルダーは、事件当時に失踪し、今も見つかっていない少女の捜査を再開。そんな最中、新たに、過去の事件とよく似た状況での少女失踪事件が起きて…。
普段、いかに自分が巻頭にある「主な登場人物一覧」をたよりにミステリを読んでいるかに気付かされた。この小説はたくさんの人物が登場する割には、たった8人しか載っていないんだもの。読み終わったら、さしたる影響はなかったんで、どうでもいいことだけれど。
血と肉を分けた者(原題はFlesh and Blood)は、主人公のエルダーと娘のキャサリンのことでもあるし、13年前に失踪した少女とその両親のことでもあるのだな、ふむふむ。
個性も目新しさもあまり感じない作品だったけれど、これほどショッキングな少女暴行犯ものはそうはないかもしれない。敬遠したいタイプのミステリなのに、CWA受賞作ということで手に取ってしまった。ネタバレになるが、犯人の死を結末に持ってこないのは、イギリス人作家らしいと思った。アメリカの小説だったら、ほぼ100%、正当防衛による射殺で終えそう。
意外な真相も交え、最悪の結末にならなかったのが救い。仮釈放された男を、その素性を知りながらも匿おうとする、孤児の少女エンジェルちゃんにはホロリとさせられた。
2008/09/21のBlog
[ 13:36 ]
[ 映画 ]
清水次郎長や国定忠治などの名前をあまり聞かなくなったのは、浪曲や講談の衰退に加え、ヤクザを美化しているとの批判を見越してテレビ局が自主規制しているせいもあるのでしょうか。でも、娯楽作品の題材としては面白い。
「次郎長三国志」(2008年 日本)
★★★★
初日の舞台挨拶付きで鑑賞しました。監督のマキノ雅彦(津川雅彦)、中井貴一、鈴木京香、北村一輝、温水洋一、近藤芳正、山中聡が壇上に。いつもどおり北村一輝が目当てですが、着物姿の鈴木京香が美しかったあ…。映像より実物のほうがぜんぜん綺麗と思いました。
マキノ雅弘作品のオマージュという色合いが濃く、私はオリジナルを見た記憶がないのだけど、再現しようとしている世界は見えた気がする。思っていたより面白かった。なんといっても北村一輝が光っていました! これはうれしかった。贔屓目でもなんでも、北村がいちばん良かったと言い切るよ!
女優陣では、高岡早紀が印象に残りました。元力士の親分を演じた蛭子能収は、演技は下手だけど、あの人相をあの役に当てはめたのはナイス!(笑)
不満だったのは音楽、古いんだか現代風だかはっきりしないチープなBGM、テーマ曲のロックアレンジもあまり好きではなかったです。
2008/09/20のBlog
[ 01:40 ]
[ 映画 ]
学生時代にはよく行っていたギンレイホール。休日とあって朝一から入館待ちの人たちが長い列を作っていて、噂通りの盛況ぶり。ガラガラの館内で痴漢におびえていた頃の雰囲気とはまったく違っていましたが、地下のトイレは昔のままでした。
「悲しみが乾くまで」(2008年 アメリカ/イギリス)
★★★☆
デンマークのスサンネ・ビア監督作品。突然の悲劇から夫を失った女性(ハル・ベリー)とその子供たちが、亡き夫の代わりに夫の親友であったヘロイン中毒の男(ベニチオ・デル・トロ)の面倒をみるなかで、喪失感から立ち直っていくという物語。監督が女性だからでしょうか、デルトロの演じた役は、ある種の、女性が理想とする男性そのものという感じがしました。デルトロ・ファンの友人はかなり満足していました。確かに魅力的でした。
一方で、ハル・ベリーの魅力というのが相変わらず分からない。綺麗すぎるからか。日本だと黒木瞳などのイメージと重なる。演技の評価は低くないようですけど…。ジョン・キャロル・リンチは役幅の広い味のある脇役ですね。
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