Blog
2006/03/19のBlog
[ 15:49 ]
[ 投資環境の認識 ]
先週、大手証券主催のエネルギーセミナー(2日間)に参加した。当初は、別の調査活動をする予定だったのだが、話が意外に面白かったので、エネルギーセミナーに専念してしまった。いくつかの話しをメモにしてみたい。
昨今の原油価格の高騰は、需要が伸びたこと以上に、過去の過少投資の要因が大きいと感じた。1番目の図は、オイルショック後のOPEC諸国がほとんど能力拡大投資を実施しかなったことが示されている。また、世界の石油製油施設への投資も同様だ。OPECの生産能力は、減少の一途だったのだ。しかし、このことを非難は出来ない。需要が低迷していたからだ。世の中、遠い将来の為にムダ金を投じて設備建設を実施することは無いし、設備の陳腐化を考慮すれば、そんな古い余剰設備の維持管理コストは結局高くつくのだから。
昨今の原油価格の高騰は、需要が伸びたこと以上に、過去の過少投資の要因が大きいと感じた。1番目の図は、オイルショック後のOPEC諸国がほとんど能力拡大投資を実施しかなったことが示されている。また、世界の石油製油施設への投資も同様だ。OPECの生産能力は、減少の一途だったのだ。しかし、このことを非難は出来ない。需要が低迷していたからだ。世の中、遠い将来の為にムダ金を投じて設備建設を実施することは無いし、設備の陳腐化を考慮すれば、そんな古い余剰設備の維持管理コストは結局高くつくのだから。
数人のセミナーの講師も言っていたのだが、『今のアメリカ、オイルのガスもジャブジャブの状態だ。備蓄にドンドン回っている。06年の原油価格は、心理的な要因が収まれば、昨年の高値を抜けないかもしれない。』ということだった。
しかし、原油を買う側の日本の会社の言い分なので、オイル価格が下がって欲しいというバイアスが入っていると思われる。
でも、確かに原油在庫は上昇している。(4番目の図)
常識的に原油で儲けるのは困難になりつつあるように感じる。
しかし、原油を買う側の日本の会社の言い分なので、オイル価格が下がって欲しいというバイアスが入っていると思われる。
でも、確かに原油在庫は上昇している。(4番目の図)
常識的に原油で儲けるのは困難になりつつあるように感じる。
2006/03/18のBlog
[ 20:48 ]
[ 大局観、テーマ、見識 ]
[3月9日のBlog]で、原発の記事を書いたのですが、今日も日経新聞に記事が出てました。
今日の記事は、四国電力がプルサーマル発電をOKされるというものです。3月9日の記事で、もう新しい原発を造らないのか? 変だな? 世界の方向と逆だと思ったのですが、どうも事実はそうじゃなくて、着々と増強するようです。
昨日ウランのことを聴けるセミナーに行ったのですが、新しい立地に新規に造るのはやめるけど、既存の場所に増設したり、古くなった炉を最新型に変えたりで、かなりの発電キャパを増強できるらしい。原発とはそんなものらしい。
今日の記事は、四国電力がプルサーマル発電をOKされるというものです。3月9日の記事で、もう新しい原発を造らないのか? 変だな? 世界の方向と逆だと思ったのですが、どうも事実はそうじゃなくて、着々と増強するようです。
昨日ウランのことを聴けるセミナーに行ったのですが、新しい立地に新規に造るのはやめるけど、既存の場所に増設したり、古くなった炉を最新型に変えたりで、かなりの発電キャパを増強できるらしい。原発とはそんなものらしい。
ここ1~2年でウランの価格(2番目の図)は高騰した。こんな価格で原発の発電はペイするのかしらと不安だったのですが、原発の場合、ウラン代金(燃料代)は総コストに占める割合が小さいらしい。詳しい数字は言ってなかったが、、、
今のウラン価格は、70年代の石油ショックの直後の雰囲気だそうだ。
当時は世界中で、原発用のウランを確保に走ったそうだ。
今もそんな感じらしい。
今のウラン価格は、70年代の石油ショックの直後の雰囲気だそうだ。
当時は世界中で、原発用のウランを確保に走ったそうだ。
今もそんな感じらしい。
1980年代以降、ウラン価格が低迷したが、
①80年代はオイルショックでパニックした後の反動安、
②90年代になって、原発用に長期で確保したウランが不要になったので、市場に放出された。(スリーマイル、チェルノブイリなどの事故で原発中止)、図のその他二次供給
③ロシアの核ミサイル8000発の核弾頭を廃棄する際に出てくるウラン(核兵器用の濃縮ウランの平和利用への転用)右図の核解体
④東欧諸国の余剰ウランが西側に流出、
といったことが重なったようだ。
===追記===
核兵器用の濃縮ウランは、北朝鮮やイランで問題になっていますが、原子力発電用のウランの400倍の濃縮度だそうです。2013年までは、ロシアの解体核兵器から出てくるウランはアメリカが全量買い取っているらしいですが、2013年で終了だそうです。その後、さらに解体が進んだとしても、ウランはロシアが市場価格で放出したいと考えているようです。おそらく、現在アメリカが払っているウラン価格は、非常に安いのだと思います。
========
追記その②、以下、こねこねこさんから教えていただきました。ありがとうございます。私はセミナーのメモをそのまま書いてしまいました。講師は分かりやすいように、事実を多少曲げていたのかもしれません。私もネットで調べて確認しようと思います。
===========
原子力発電用のウランの濃縮度は3~5%だそうです。
普通の核爆弾は、ウランではなく、プルトニウムから作ります。ウランの400倍の濃縮度というよりは、400倍の核分裂しやすさと考えたほうが正しいようです。核兵器を解体すると、ウランではなくプルトニウムが出てきます。
ちなみに、ウランは数年前までほぼ無料に近かったと聞いたことがあります。
これを精錬する手間賃の方が、原料代よりもよっぽど高いです。
石油とウランの大きな違いはここら辺にあるのでは・・・
===========
①80年代はオイルショックでパニックした後の反動安、
②90年代になって、原発用に長期で確保したウランが不要になったので、市場に放出された。(スリーマイル、チェルノブイリなどの事故で原発中止)、図のその他二次供給
③ロシアの核ミサイル8000発の核弾頭を廃棄する際に出てくるウラン(核兵器用の濃縮ウランの平和利用への転用)右図の核解体
④東欧諸国の余剰ウランが西側に流出、
といったことが重なったようだ。
===追記===
核兵器用の濃縮ウランは、北朝鮮やイランで問題になっていますが、原子力発電用のウランの400倍の濃縮度だそうです。2013年までは、ロシアの解体核兵器から出てくるウランはアメリカが全量買い取っているらしいですが、2013年で終了だそうです。その後、さらに解体が進んだとしても、ウランはロシアが市場価格で放出したいと考えているようです。おそらく、現在アメリカが払っているウラン価格は、非常に安いのだと思います。
========
追記その②、以下、こねこねこさんから教えていただきました。ありがとうございます。私はセミナーのメモをそのまま書いてしまいました。講師は分かりやすいように、事実を多少曲げていたのかもしれません。私もネットで調べて確認しようと思います。
===========
原子力発電用のウランの濃縮度は3~5%だそうです。
普通の核爆弾は、ウランではなく、プルトニウムから作ります。ウランの400倍の濃縮度というよりは、400倍の核分裂しやすさと考えたほうが正しいようです。核兵器を解体すると、ウランではなくプルトニウムが出てきます。
ちなみに、ウランは数年前までほぼ無料に近かったと聞いたことがあります。
これを精錬する手間賃の方が、原料代よりもよっぽど高いです。
石油とウランの大きな違いはここら辺にあるのでは・・・
===========
ご指摘いただいたことを足して考えました。
ロシアの核兵器から出てくるのがプルトニウムだという事は、それを全部買い取っているアメリカは、プルトニウムを利用した原子力発電に利用しているのだろうか? プルトニウムを燃料とするような原発がまだ存在していないのなら、ひたすらプルトニウムを溜め込んでいるのだろうか? 核兵器のため??? これも調べる価値がありそうです。投資のためでは無いかもしれませんが、、、、、
4番目の図は、いわゆる核燃料サイクルの図です。セミナーでもらいました。
ロシアの核兵器から出てくるのがプルトニウムだという事は、それを全部買い取っているアメリカは、プルトニウムを利用した原子力発電に利用しているのだろうか? プルトニウムを燃料とするような原発がまだ存在していないのなら、ひたすらプルトニウムを溜め込んでいるのだろうか? 核兵器のため??? これも調べる価値がありそうです。投資のためでは無いかもしれませんが、、、、、
4番目の図は、いわゆる核燃料サイクルの図です。セミナーでもらいました。
[ 17:32 ]
[ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
[関連したBlog]
三洋電機は、来年3月までに全力疾走でビジネスの再構築を実施して投資家に事実を示す必要があります。3000億円の増資の後、3月もこれまでに2件のリストラが発表されました。
HPの投資家向け情報(右のコピペ)に詳細は記載されています。
液晶テレビの外出しをしています。台湾クオンタ・コンピュータ株式会社(Quanta Computer Inc.(廣達電脳) クオンタ社)に液晶TVを作ってもらって、三洋は販売のための品揃えを維持することになりました。フラットTVの開発競争には莫大な資金がかかりますし、製品価格はズルズル下がり続けます。SONYも今や合弁でやっているのです。三洋のフラットテレビ事業の合弁会社設立に向けた基本合意は評価できると思います。
三洋電機は、来年3月までに全力疾走でビジネスの再構築を実施して投資家に事実を示す必要があります。3000億円の増資の後、3月もこれまでに2件のリストラが発表されました。
HPの投資家向け情報(右のコピペ)に詳細は記載されています。
液晶テレビの外出しをしています。台湾クオンタ・コンピュータ株式会社(Quanta Computer Inc.(廣達電脳) クオンタ社)に液晶TVを作ってもらって、三洋は販売のための品揃えを維持することになりました。フラットTVの開発競争には莫大な資金がかかりますし、製品価格はズルズル下がり続けます。SONYも今や合弁でやっているのです。三洋のフラットテレビ事業の合弁会社設立に向けた基本合意は評価できると思います。
[ 17:21 ]
[ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
これまで、過去二回、(①、②)のテレコム・リベンジで、FMC(固定電話と携帯電話のシームレスな融合)が進むので、携帯だけの電話会社は生き残れないという事を書きました。
換言すれば、強固・低コストの固定通信網を持っていればこそ、携帯電話の高度な有効利用ができるという事なのです。携帯電話もBase Station(電柱や公衆電話に取り付けられたアンテナ)と携帯端末の間は無線ですが、それ以外は有線通信網ですからね。
さて、ボーダーフォンJapan(旧ジェイフォン)のソフトバンク(上のチャート)への売却が、やっと決まりました。これで、NTTグループ、KDDI、ソフトバンクとの3社のガチンコ勝負が始まります。
ソフトバンクが強烈な低価格で勝負を仕掛けてくると思われますが、それを実施可能にするのも、低コストの固定通信網をどの程度整備できるかにかかっています。現在の通信網の使われ方は、インターネットなど大容量高速のデータ通信は固定(ADSLか、光ファイバー)通信網を使ってPCから、それ以外の連絡手段(会話、メール)は携帯電話からとなっています。
今後の価格設定に関しては、ネットワークの負荷の大きさにしたがって決定されると考えています。
音声会話などはネットワークの負荷が最低レベルですから、月額低&定額化が進むでしょう。アメリカなどは3000円~5000円で事実上無制限です。
しかし、データ通信に関しては、現状の"負荷が大きくても小さくても同じ定額"料金というのは維持できない可能性があります。一回で何百万通も画像付メールを送付するビジネスや映画見放題といったビジネス(ギャガなど)は今後もますます増大するでしょう。
しかし、固定回線料金は、それを考えた料金体系になっていないのです。換言すれば、ヘビーユーザー天国が今の日本なのです。同じ料金を払っているのに、帯域の消費量が10000倍も違う状態なのです。インターネットをあまり使わないユーザーが超ヘビーユーザーに寄付をしているのです。5年前は寄付の割合が少なかったのですが、現在は一般ユーザの支払っている料金の半分以上は、ヘビーユーザーへの寄付だろうと思っています。
KDDIなどは携帯電話で2段階定額制度を導入していますが、固定でも似たような方式が出現する可能性があります。この流れは普通のユーザーは支払い金額が減少することを意味します。
換言すれば、強固・低コストの固定通信網を持っていればこそ、携帯電話の高度な有効利用ができるという事なのです。携帯電話もBase Station(電柱や公衆電話に取り付けられたアンテナ)と携帯端末の間は無線ですが、それ以外は有線通信網ですからね。
さて、ボーダーフォンJapan(旧ジェイフォン)のソフトバンク(上のチャート)への売却が、やっと決まりました。これで、NTTグループ、KDDI、ソフトバンクとの3社のガチンコ勝負が始まります。
ソフトバンクが強烈な低価格で勝負を仕掛けてくると思われますが、それを実施可能にするのも、低コストの固定通信網をどの程度整備できるかにかかっています。現在の通信網の使われ方は、インターネットなど大容量高速のデータ通信は固定(ADSLか、光ファイバー)通信網を使ってPCから、それ以外の連絡手段(会話、メール)は携帯電話からとなっています。
今後の価格設定に関しては、ネットワークの負荷の大きさにしたがって決定されると考えています。
音声会話などはネットワークの負荷が最低レベルですから、月額低&定額化が進むでしょう。アメリカなどは3000円~5000円で事実上無制限です。
しかし、データ通信に関しては、現状の"負荷が大きくても小さくても同じ定額"料金というのは維持できない可能性があります。一回で何百万通も画像付メールを送付するビジネスや映画見放題といったビジネス(ギャガなど)は今後もますます増大するでしょう。
しかし、固定回線料金は、それを考えた料金体系になっていないのです。換言すれば、ヘビーユーザー天国が今の日本なのです。同じ料金を払っているのに、帯域の消費量が10000倍も違う状態なのです。インターネットをあまり使わないユーザーが超ヘビーユーザーに寄付をしているのです。5年前は寄付の割合が少なかったのですが、現在は一般ユーザの支払っている料金の半分以上は、ヘビーユーザーへの寄付だろうと思っています。
KDDIなどは携帯電話で2段階定額制度を導入していますが、固定でも似たような方式が出現する可能性があります。この流れは普通のユーザーは支払い金額が減少することを意味します。
さて、今回日本からの撤退を決めたボーダーフォン(真ん中のチャート)ですが、株価は長年の低迷から目を覚ました観があります。ボーダーフォンはアメリカでも中途半端な投資をしていますので、ここも売却のウワサが耐えません。
それは、ボーダフォンのアメリカでの携帯電話ビジネスが完全に自前100%で提供されているのでは無く、ベライゾンというアメリカ通信企業とのジョイント企業(ベライゾン・ワイヤレス)を通じて提供されているからです。
何故そんなことになったかは別の機会に書くとして、ベライゾン・ワイヤレスはボーダフォン(45%)、ベライゾン(55%)という出資比率ですから、何をやるにしてもボーダフォンは主導権を取れません。
また、55%を支配するベライゾンは事あるごとに、『ボーダフォンの持分を買い取って、ベライゾン・ワイヤレスを完全に100%コントロールすることが最重要課題である』と公言しています。
ボーダフォンは、世界のFMC(固定+形態のトータルサービス)という潮流の中で、ビジネスが立ち行かなくなってきたのです。日本のボーダフォン(旧Jフォン)を売りました。この売却で得た資金は株主に還元すると発表しました。何かに新規投資をするのでは無いのです。数ヶ月以内にアメリカのベライゾン・ワイヤレスの45%も売却するでしょう。ここで得る資金も株主に還元する可能性があります。
この一連の流れは、無駄な部分をそぎ落とし、余剰資金は株主に還元して、バランス・シートを綺麗にして、高く買収されるような準備体制に入ったと考えられます。
ボーダフォンを買って、FMCを強固にしたい欧州通信企業は多いと思います。
何故そんなことになったかは別の機会に書くとして、ベライゾン・ワイヤレスはボーダフォン(45%)、ベライゾン(55%)という出資比率ですから、何をやるにしてもボーダフォンは主導権を取れません。
また、55%を支配するベライゾンは事あるごとに、『ボーダフォンの持分を買い取って、ベライゾン・ワイヤレスを完全に100%コントロールすることが最重要課題である』と公言しています。
ボーダフォンは、世界のFMC(固定+形態のトータルサービス)という潮流の中で、ビジネスが立ち行かなくなってきたのです。日本のボーダフォン(旧Jフォン)を売りました。この売却で得た資金は株主に還元すると発表しました。何かに新規投資をするのでは無いのです。数ヶ月以内にアメリカのベライゾン・ワイヤレスの45%も売却するでしょう。ここで得る資金も株主に還元する可能性があります。
この一連の流れは、無駄な部分をそぎ落とし、余剰資金は株主に還元して、バランス・シートを綺麗にして、高く買収されるような準備体制に入ったと考えられます。
ボーダフォンを買って、FMCを強固にしたい欧州通信企業は多いと思います。
2006/03/15のBlog
[ 23:55 ]
[ 大局観、テーマ、見識 ]
前3回で話が右往左往したので、一回整理します。
アメリカは、短期金利(FFレート)を一年以上に渡って継続的に引き上げた。その結果不況の前兆現象と呼ばれる逆イールド減少が生じたが、2ヶ月足らずで一旦消滅した。今後FFレートがさらに上昇を続けると、また逆イールドになる可能性がある。
FFレートを引き上げても長期金利が上昇しない状況がある。Fedの高官は欧州アジアの経済政策(=不正な黒字の垂れ流し)で、アメリカ経済がバブルになっていると非難している。バブル防止のため(=長期金利が適性レベルに上昇し、景気過熱防止機能を発揮するまで)通常以上のFFレート引き上げが必要と示唆している。
最近、欧州がアメリカの"黒字罪悪論"に反撃する形で、『アメリカの双子こそ罪悪であり、世界経済の混乱防止のために、アメリカが双子の赤字を解消するように』と迫った。しかし、その非難は過去60年の欧州の"アメリカにおんぶに抱っこ"であったという政治経済の事実認識(=アメリカの赤字減少は、欧州の不況)を考えれば、欧州各国には以下のニつの選択肢しかない。
①アメリカとの主従関係を断ち切り、独立した政治経済圏を確立する。
②現状に甘んずる。
====ここからが今日の話です。====
私の判断では、現在の欧州に、①を選択するだけの財政的な余裕も、アメリカに覇権を賭けた政治・経済の戦いを挑む勇気や結束力も無いと思いますので、我々が想定する必要があるのは、②のケースのみです。
②の場合どうなるかですが、前回の内容を再掲しますと、
何年に一回やってくるドル安でガス抜き(=若干の不均衡是正)をします。
ガス抜きが終わると、しばらくは再度赤字を膨らませる時間的な余裕ができます。
欧州は引き続き貿易収支黒字という経済援助を受け取ります。その分だけ経済成長が実力以上に高い年月をエンジョイします。日本も、同様、、、
という事です。
アメリカは、短期金利(FFレート)を一年以上に渡って継続的に引き上げた。その結果不況の前兆現象と呼ばれる逆イールド減少が生じたが、2ヶ月足らずで一旦消滅した。今後FFレートがさらに上昇を続けると、また逆イールドになる可能性がある。
FFレートを引き上げても長期金利が上昇しない状況がある。Fedの高官は欧州アジアの経済政策(=不正な黒字の垂れ流し)で、アメリカ経済がバブルになっていると非難している。バブル防止のため(=長期金利が適性レベルに上昇し、景気過熱防止機能を発揮するまで)通常以上のFFレート引き上げが必要と示唆している。
最近、欧州がアメリカの"黒字罪悪論"に反撃する形で、『アメリカの双子こそ罪悪であり、世界経済の混乱防止のために、アメリカが双子の赤字を解消するように』と迫った。しかし、その非難は過去60年の欧州の"アメリカにおんぶに抱っこ"であったという政治経済の事実認識(=アメリカの赤字減少は、欧州の不況)を考えれば、欧州各国には以下のニつの選択肢しかない。
①アメリカとの主従関係を断ち切り、独立した政治経済圏を確立する。
②現状に甘んずる。
====ここからが今日の話です。====
私の判断では、現在の欧州に、①を選択するだけの財政的な余裕も、アメリカに覇権を賭けた政治・経済の戦いを挑む勇気や結束力も無いと思いますので、我々が想定する必要があるのは、②のケースのみです。
②の場合どうなるかですが、前回の内容を再掲しますと、
何年に一回やってくるドル安でガス抜き(=若干の不均衡是正)をします。
ガス抜きが終わると、しばらくは再度赤字を膨らませる時間的な余裕ができます。
欧州は引き続き貿易収支黒字という経済援助を受け取ります。その分だけ経済成長が実力以上に高い年月をエンジョイします。日本も、同様、、、
という事です。
なお、ここから先に議論を進める上での非常に示唆に富むレポートがあります。ドイツ銀証券のチーフエコノミスト松岡幹祐氏の『グローバルな鉄の六角形』(2005年7月27日)というレポートです。まずは、それに触れてから議論に移りたいと思います。
松岡氏の『グローバルな鉄の六角形』(ポイントを列挙すれば、
①1990 年代以降、国際貿易のフロンティアの拡大、完全な資本移動、ホームバイアス解消の下では、自国の景気とは独立して世界実質長期金利が成立している。
②貯蓄と投資は独立して決定され、経常収支は名目長期金利に影響を与えない。
③世界実質金利が成立すると、潜在成長力や主観的割引率の高い国に高成長の便益が集中し、成長率格差と対外不均衡は必然的に拡大する。
④グローバルな資金プールの成立、取引コストの低下、リスクヘッジ技術の改善、ホームバイアスの低下によって、所与の各国間の対外不均衡を許容・持続させる均衡実質金利は、1990 年代末以降、構造的に低下したと考えられる。これによって、より大規模な対外不均衡が維持可能となった。
⑤均衡実質金利の低下に寄与したのは、NIEs、EM&途上国の「事前」の貯蓄超過額の拡大だと考えられる。
です。
ここでも、NIEs、EM&途上国の「事前」の貯蓄超過額の拡大というフレーズが出てきます。
====続く====
松岡氏の『グローバルな鉄の六角形』(ポイントを列挙すれば、
①1990 年代以降、国際貿易のフロンティアの拡大、完全な資本移動、ホームバイアス解消の下では、自国の景気とは独立して世界実質長期金利が成立している。
②貯蓄と投資は独立して決定され、経常収支は名目長期金利に影響を与えない。
③世界実質金利が成立すると、潜在成長力や主観的割引率の高い国に高成長の便益が集中し、成長率格差と対外不均衡は必然的に拡大する。
④グローバルな資金プールの成立、取引コストの低下、リスクヘッジ技術の改善、ホームバイアスの低下によって、所与の各国間の対外不均衡を許容・持続させる均衡実質金利は、1990 年代末以降、構造的に低下したと考えられる。これによって、より大規模な対外不均衡が維持可能となった。
⑤均衡実質金利の低下に寄与したのは、NIEs、EM&途上国の「事前」の貯蓄超過額の拡大だと考えられる。
です。
ここでも、NIEs、EM&途上国の「事前」の貯蓄超過額の拡大というフレーズが出てきます。
====続く====
2006/03/14のBlog
[ 22:50 ]
[ 大局観、テーマ、見識 ]
短期間で終わったのか? アメリカの逆イールドと、冷静さを欠くFedの金利引き上げ理由から示唆される事を考える前段として、前回は歴史的な事実認識をしました。
本日は、予期しておくべきことを記載します。
まず、結論です。
アメリカの経常収支の赤字を非難する欧州各国は、①アメリカの赤字縮小と引き換えに、②アメリカの提供している金銭的な援助(直接、間接の両方)の返上を受け入れるとともに、③アメリカと主従関係を断ち切り、名実ともに独立した政治経済圏を確立する活動を始めなければなりません。
(芸能プロダクションからの独立する際の騒動と同じ様なものです。程度は違いますが、、、)
これを選択した場合は、
(あ)欧州の周辺国などが、アメリカと欧州と、どちらのグループに属する方がメリットが多いかの値踏みが始まります。アメリカ、欧州双方がグループ拡大を目指して援助合戦を競い合うことになるでしょう。
(い)ドルの価格は最終的には大幅に下落します。ドルを自由に受け入れる経済圏が縮小するからです。海外に滞留したドルをユーロなど非ドル通貨に換金するラッシュが発生します。特に欧州は一斉にドルを売るでしょう。特にフランスは!!
(う)欧州の経済成長は、当初はかなり低下します。欧州の仲間確保用の巨額の援助資金が必要で、財政負担も急増します。
(う)ですが、今のアメリカの状況です。欧州が自らその立場になって初めて体で理解できるのでしょう。アメリカを馬鹿呼ばわりしていた行為を自分が実践するのですから、、、
しかし、援助を通じて仲間が増えた結果、ユーロ通貨圏が拡大しますから、ユーロ債券をバンバン発行して財政赤字を拡大する権利を得ますので、今度はユーロの下落圧力が長期的に発生します。これも、全くもって現在のアメリカの状況です。
要は、国際的な経常赤字の原因のいくばくかは、国際的な主従関係(=封建関係)維持のコスト負担の結果なのです。
さて、アメリカからの離脱が先か、仲間作りが先かは、分かりません。歴史的には、『鶏と卵』見たいな感じだと認識しています。
もしかしたら、エネルギー・資源の囲い込みが、事実上の仲間つくり活動なのかもしれません。中国、インド、アメリカ、欧州が入り乱れて援助合戦をしていますから、、、、現在の日本はアメリカ側と決まっていますので、資源国への援助は少ないですね。
これを選択しなかった場合は、
何年に一回やってくるドル安でガス抜きをします。
ガス抜きが終わると、しばらくは赤字を膨らませる時間的な余裕ができます。
欧州は引き続き貿易収支黒字という経済援助を受け取ります。その分だけ経済成長が実力以上に高い年月をエンジョイします。日本も、、、
本日は、予期しておくべきことを記載します。
まず、結論です。
アメリカの経常収支の赤字を非難する欧州各国は、①アメリカの赤字縮小と引き換えに、②アメリカの提供している金銭的な援助(直接、間接の両方)の返上を受け入れるとともに、③アメリカと主従関係を断ち切り、名実ともに独立した政治経済圏を確立する活動を始めなければなりません。
(芸能プロダクションからの独立する際の騒動と同じ様なものです。程度は違いますが、、、)
これを選択した場合は、
(あ)欧州の周辺国などが、アメリカと欧州と、どちらのグループに属する方がメリットが多いかの値踏みが始まります。アメリカ、欧州双方がグループ拡大を目指して援助合戦を競い合うことになるでしょう。
(い)ドルの価格は最終的には大幅に下落します。ドルを自由に受け入れる経済圏が縮小するからです。海外に滞留したドルをユーロなど非ドル通貨に換金するラッシュが発生します。特に欧州は一斉にドルを売るでしょう。特にフランスは!!
(う)欧州の経済成長は、当初はかなり低下します。欧州の仲間確保用の巨額の援助資金が必要で、財政負担も急増します。
(う)ですが、今のアメリカの状況です。欧州が自らその立場になって初めて体で理解できるのでしょう。アメリカを馬鹿呼ばわりしていた行為を自分が実践するのですから、、、
しかし、援助を通じて仲間が増えた結果、ユーロ通貨圏が拡大しますから、ユーロ債券をバンバン発行して財政赤字を拡大する権利を得ますので、今度はユーロの下落圧力が長期的に発生します。これも、全くもって現在のアメリカの状況です。
要は、国際的な経常赤字の原因のいくばくかは、国際的な主従関係(=封建関係)維持のコスト負担の結果なのです。
さて、アメリカからの離脱が先か、仲間作りが先かは、分かりません。歴史的には、『鶏と卵』見たいな感じだと認識しています。
もしかしたら、エネルギー・資源の囲い込みが、事実上の仲間つくり活動なのかもしれません。中国、インド、アメリカ、欧州が入り乱れて援助合戦をしていますから、、、、現在の日本はアメリカ側と決まっていますので、資源国への援助は少ないですね。
これを選択しなかった場合は、
何年に一回やってくるドル安でガス抜きをします。
ガス抜きが終わると、しばらくは赤字を膨らませる時間的な余裕ができます。
欧州は引き続き貿易収支黒字という経済援助を受け取ります。その分だけ経済成長が実力以上に高い年月をエンジョイします。日本も、、、
[ 21:59 ]
[ 投資環境の認識 ]
今日原油のチャートを見てハッとしました。
オイルがデッド・クロス寸前です。
(私の使っている移動平均期間は、短期100日、長期200日です)
2003年12月にゴールデン・クロスして以来の初めての出来事です。
これは過去の原油価格の調子局面でも発生しなった事態です。
このようなテクニカル的にポイントになっている時期・価格では、必ず強気と弱気が強烈の交差します。
強気派は、ここでこそ買うべし!と主張しますし、
弱気派は、相場が終わったサインだ!と主張するからです。
さて、テクニカル重視のヘッジファンドがどう動くか楽しみです。
オイルがデッド・クロス寸前です。
(私の使っている移動平均期間は、短期100日、長期200日です)
2003年12月にゴールデン・クロスして以来の初めての出来事です。
これは過去の原油価格の調子局面でも発生しなった事態です。
このようなテクニカル的にポイントになっている時期・価格では、必ず強気と弱気が強烈の交差します。
強気派は、ここでこそ買うべし!と主張しますし、
弱気派は、相場が終わったサインだ!と主張するからです。
さて、テクニカル重視のヘッジファンドがどう動くか楽しみです。
[ 21:00 ]
[ 大局観、テーマ、見識 ]
先月、私は90冊ほどの本を処分(ここに書きました)しました。
本を事実上捨てて見た理由は、一つは友人に聞いた話(ここにあります)ですが、もう一つはグーグルのもたらした検索エンジンの情報収集能力の優秀さを発見したことです。
二番目の理由は、『そうか!、私が本を捨てたのは、そういう理由なのか、、、』と後から認識しました。
かつては本屋さんに行って、面白そうな本、役に立ちそうな本を本屋で探して(または、誰かに教えてもらって)、読んで、本棚に格納しました。この探す、読む、格納するという流れは、インターネット上で、探す、読む、PCに保存するに置き換わる部分がとても多いのです。
しかも、検索エンジンを利用して得た情報をHDD(または、共有の**ドライブ)に保存する行為は、本棚に集めた書籍と比較すると、①スペース効率がはるかに有利、②後々の再利用に際して、easy to handleで有利(=検索エンジンが使える)、③蓄積された情報の利用に際して、家族・同士・社内で共同利用が可能(=advanced usage)という数々の利点があるのです。
さらには、共有の概念・手法に関して、①時間(世代)を越えた共有が簡単(劣化しない)、②場所を越えた共有が簡単(世界中の地理的距離の消滅)、③手段が急速に低コスト化してきているという事実があります。
③に関して先日ネット上にグーグルが『ユーザーに、Gドライブ無償提供する』という情報が漏れ出しました。当初1ギガのようですが、あっという間にヤフー、マイクロソフトとの競争が出現し、10ギガ程度になるでしょう。
これはとんでもないことです。上記③が事実上無償・タダになってしまうのです。
きっと、Gドライブを使った新しいサービスが生まれるでしょう!
本を事実上捨てて見た理由は、一つは友人に聞いた話(ここにあります)ですが、もう一つはグーグルのもたらした検索エンジンの情報収集能力の優秀さを発見したことです。
二番目の理由は、『そうか!、私が本を捨てたのは、そういう理由なのか、、、』と後から認識しました。
かつては本屋さんに行って、面白そうな本、役に立ちそうな本を本屋で探して(または、誰かに教えてもらって)、読んで、本棚に格納しました。この探す、読む、格納するという流れは、インターネット上で、探す、読む、PCに保存するに置き換わる部分がとても多いのです。
しかも、検索エンジンを利用して得た情報をHDD(または、共有の**ドライブ)に保存する行為は、本棚に集めた書籍と比較すると、①スペース効率がはるかに有利、②後々の再利用に際して、easy to handleで有利(=検索エンジンが使える)、③蓄積された情報の利用に際して、家族・同士・社内で共同利用が可能(=advanced usage)という数々の利点があるのです。
さらには、共有の概念・手法に関して、①時間(世代)を越えた共有が簡単(劣化しない)、②場所を越えた共有が簡単(世界中の地理的距離の消滅)、③手段が急速に低コスト化してきているという事実があります。
③に関して先日ネット上にグーグルが『ユーザーに、Gドライブ無償提供する』という情報が漏れ出しました。当初1ギガのようですが、あっという間にヤフー、マイクロソフトとの競争が出現し、10ギガ程度になるでしょう。
これはとんでもないことです。上記③が事実上無償・タダになってしまうのです。
きっと、Gドライブを使った新しいサービスが生まれるでしょう!
[ 18:48 ]
[ 大局観、テーマ、見識 ]
短期間で終わったのか? アメリカの逆イールドと、冷静さを欠くFedの金利引き上げ理由から導かれる考慮するべきポイント(=何を予期しておくべきか)を考えて見ます。
まず、ここで提起されている問題は、マクロ的、政治的に重たい問題です。
しかもこの問題に関して、***すべきという『べき論』と、結局***になっちゃうじゃない!という『長期ファンダメンタル論』とかが、ごちゃ混ぜに論じられる傾向があります。
さらには、議論の結果がどうであれ、3ヶ月~1年の短期のスパンには当てはまらないのです。そのようなスパン(3ヶ月~1年)では、平気でファンダメンタルとは逆方向に大きく動くのが証券市場の特質ですから。
そういう前置きをした上で過去60年あまりの歴史的な考察を踏まえて、私の思っていることですが、、、
①第二次世界大戦以降の世界金融経済の歴史の教えるところは、アメリカ以外の国の好景気は常にアメリカの輸入超過(日欧の輸出ブーム)のおかげである。
人口が多く、開放的な経済体制を採用する国が自国の覇権(現在はアメリカの覇権)と引き換えに、自国マーケットの需要を配下の国に開放するという主従関係に過ぎない。これは、ローマ帝国、大英帝国、アメリカ帝国に共通する姿である。進んで他国の商品を輸入(=自国市場の開放)するときは、その政治的な意味が存在する。
②現在のアメリカの役割を肩代わりできるのは、将来の中国以外には見当たらない。現在の中国では無い。
③第二次世界大戦後、日欧が内需中心の経済運営を経験したことは一度も無い。内需主導経済を採用する政治的インセンティブも存在しない。東西ドイツ統合時のドイツのユーフォリアと日本の不動産高騰時のバブル景気のみが内需経済に見えるだけである。
④現状のままでの、アメリカの双子の赤字解消は、日欧の輸出景気の消滅と同義語である。
⑤アメリカの資産、特に債券(国債、モーゲージ、ABS)に対する旺盛な需要は、安定した為替レートとソコソコの金利差に支えられていると考えられているが、過去ドルの下落局面でも、ドル債の需要が減少したことは無い。ドル安=アメリカ債券市場崩壊では無い。
そもそも日欧は余剰資金を国内では消化できないのだ。何故なら、余剰資金は、そもそもアメリカの超過需要分であるからだ。
<Things to Come②へ、続く>
まず、ここで提起されている問題は、マクロ的、政治的に重たい問題です。
しかもこの問題に関して、***すべきという『べき論』と、結局***になっちゃうじゃない!という『長期ファンダメンタル論』とかが、ごちゃ混ぜに論じられる傾向があります。
さらには、議論の結果がどうであれ、3ヶ月~1年の短期のスパンには当てはまらないのです。そのようなスパン(3ヶ月~1年)では、平気でファンダメンタルとは逆方向に大きく動くのが証券市場の特質ですから。
そういう前置きをした上で過去60年あまりの歴史的な考察を踏まえて、私の思っていることですが、、、
①第二次世界大戦以降の世界金融経済の歴史の教えるところは、アメリカ以外の国の好景気は常にアメリカの輸入超過(日欧の輸出ブーム)のおかげである。
人口が多く、開放的な経済体制を採用する国が自国の覇権(現在はアメリカの覇権)と引き換えに、自国マーケットの需要を配下の国に開放するという主従関係に過ぎない。これは、ローマ帝国、大英帝国、アメリカ帝国に共通する姿である。進んで他国の商品を輸入(=自国市場の開放)するときは、その政治的な意味が存在する。
②現在のアメリカの役割を肩代わりできるのは、将来の中国以外には見当たらない。現在の中国では無い。
③第二次世界大戦後、日欧が内需中心の経済運営を経験したことは一度も無い。内需主導経済を採用する政治的インセンティブも存在しない。東西ドイツ統合時のドイツのユーフォリアと日本の不動産高騰時のバブル景気のみが内需経済に見えるだけである。
④現状のままでの、アメリカの双子の赤字解消は、日欧の輸出景気の消滅と同義語である。
⑤アメリカの資産、特に債券(国債、モーゲージ、ABS)に対する旺盛な需要は、安定した為替レートとソコソコの金利差に支えられていると考えられているが、過去ドルの下落局面でも、ドル債の需要が減少したことは無い。ドル安=アメリカ債券市場崩壊では無い。
そもそも日欧は余剰資金を国内では消化できないのだ。何故なら、余剰資金は、そもそもアメリカの超過需要分であるからだ。
<Things to Come②へ、続く>
2006/03/13のBlog
[ 21:06 ]
[ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
[このBlog記事]が、筑摩書房の広告に引用された。
チョッピリ、うれしい気分です。
今朝は、思わず駅で朝日新聞を買ってしまいました。この本、ものすごい反響なのですね。やはり、グーグルの及ぼすインパクトは絶大なのだなと再確認しました。
チョッピリ、うれしい気分です。
今朝は、思わず駅で朝日新聞を買ってしまいました。この本、ものすごい反響なのですね。やはり、グーグルの及ぼすインパクトは絶大なのだなと再確認しました。
2006/03/12のBlog
[ 19:50 ]
[ 大局観、テーマ、見識 ]
[前回Blog]の続編です。
Fedが金利を引き上げる理由は、企業の借り入れコストを上昇させることで、業容拡大の意欲を低減させ、景気の過熱とその結果であるインフレを防止することです。
企業の借り入れコストは長期金利です。Fedが操作するのは短期金利です。最近のように短期金利を引き上げても長期金利が上昇しなければ、暖簾に腕押し状態になってしまいます。現在のFedはこの状態にイライラしているようです。
3月9日には、NY連銀総裁ティモシー・ガイトナーが、以下のような不満と苛立ちを表明しています。
①外人がアメリカの債券をドンドン買うから、Fedが金利を引き上げても長期金利が下がらない。
②景気のコントロールの為に、長期金利は上がらなければならない。
③①の背景と②という目的を考慮して、長期金利が適当なレベルに上がるまで、FFレートを上げ続ける必要がある。
④この悪循環を断ち切るには、アジア諸国が自国通貨をドルに連動させるために採用している外貨準備の通貨バスケットを理由としたドル買いをやめる必要がある。
Fedが金利を引き上げる理由は、企業の借り入れコストを上昇させることで、業容拡大の意欲を低減させ、景気の過熱とその結果であるインフレを防止することです。
企業の借り入れコストは長期金利です。Fedが操作するのは短期金利です。最近のように短期金利を引き上げても長期金利が上昇しなければ、暖簾に腕押し状態になってしまいます。現在のFedはこの状態にイライラしているようです。
3月9日には、NY連銀総裁ティモシー・ガイトナーが、以下のような不満と苛立ちを表明しています。
①外人がアメリカの債券をドンドン買うから、Fedが金利を引き上げても長期金利が下がらない。
②景気のコントロールの為に、長期金利は上がらなければならない。
③①の背景と②という目的を考慮して、長期金利が適当なレベルに上がるまで、FFレートを上げ続ける必要がある。
④この悪循環を断ち切るには、アジア諸国が自国通貨をドルに連動させるために採用している外貨準備の通貨バスケットを理由としたドル買いをやめる必要がある。
右図は、1994年~1995年の状態(上段)と、最近2004年~2006年(下段)の比較です。かつては、上段のようにFF金利が上昇すれば長期金利も上昇して、アメリカ経済のコントロールが出来たが、現在は下段にあるような長期金利無反応状態なので、経済のコントロールが出来ないと言っているのです。
このままではアメリカ企業は低コストで借金をして業容を拡大させ続けるので、景気が過熱してインフレが発生すると警告しているのです。そしてその警告先は、中国を含むアジア諸国なのです。ドル連動をやめろ!と言っているのです。
なお、このような論調は最近始まったものではありません。昨年の5月ごろから表面化しました。現在のFed議長バーナンキが言いだしっぺだったように思います。当時嫌な予感がした私は、色々調べてみました。"『赤字が悪い』から、『黒字が犯人』へと攻守ところを変える経済論議 ①~⑰"にまとめてありますので、時間があれば読んで見てください。
(お読みいただく際は、こちらの特集ページからが便利です。)
ポイントは、
『自国の経済が弱いのを救済するために、自国の内需を拡大する政策を採用するのがフェアなのに、為替をアンフェアなやり方で、本来あるべき水準よりも低くすることで、不当な貿易黒字を溜め込んでいる。しかも、溜め込んだ黒字を、内需を拡大する政策に使用するべきなのに、その資金でアメリカの債券を購入することで、アメリカの金利を不当に低くしてしまい、アメリカの消費者をバブル(住宅バブル)に引きずり込んでいる。』
という部分です。
このままではアメリカ企業は低コストで借金をして業容を拡大させ続けるので、景気が過熱してインフレが発生すると警告しているのです。そしてその警告先は、中国を含むアジア諸国なのです。ドル連動をやめろ!と言っているのです。
なお、このような論調は最近始まったものではありません。昨年の5月ごろから表面化しました。現在のFed議長バーナンキが言いだしっぺだったように思います。当時嫌な予感がした私は、色々調べてみました。"『赤字が悪い』から、『黒字が犯人』へと攻守ところを変える経済論議 ①~⑰"にまとめてありますので、時間があれば読んで見てください。
(お読みいただく際は、こちらの特集ページからが便利です。)
ポイントは、
『自国の経済が弱いのを救済するために、自国の内需を拡大する政策を採用するのがフェアなのに、為替をアンフェアなやり方で、本来あるべき水準よりも低くすることで、不当な貿易黒字を溜め込んでいる。しかも、溜め込んだ黒字を、内需を拡大する政策に使用するべきなのに、その資金でアメリカの債券を購入することで、アメリカの金利を不当に低くしてしまい、アメリカの消費者をバブル(住宅バブル)に引きずり込んでいる。』
という部分です。
[ 13:38 ]
[ 大局観、テーマ、見識 ]
中国の第11次5カ年計画が発表された。今後2~3年の相場の柱を左右するので、重要だ。
農村振興と産業構造調整の二本柱だと言える。
先富論という"能力のあるものが先に豊かになって道を開けばよい"という時代に正式に幕を下ろすものだ。現在は、科学的発展観という標語に代表されるように、国家の統制を強化した周辺部分の底上げ的な経済発展に向かっている。
周辺部分の代表が三農(農業、農村、農民)問題である。社会主義的新農村建設という標語が出現した。農産物の効率的な流通機構・形態を備え、トラクターなどの農業機器の使用を増加させ、農作物の生産量増加に資する生産方式(肥料、植え付け管理)を採用した近代農業を国家の指導の下に実現しようという内容だと思われる。
農民の不満は、結果としての都市部住民との所得格差だけでなく、その原因でもある『製造業などに工場用地を提供するための農地の不法奪取』など、これまでの先富論の暗部にも起因する。ここらで、バランスを回復しなければ政治的な不安定さが増長すると判断したのだ。
日本でも税金を地方交付税という形で、地域に還流させて地方の不満を解消してきたが、その方式が中国でも強化されるのだ。
農村振興と産業構造調整の二本柱だと言える。
先富論という"能力のあるものが先に豊かになって道を開けばよい"という時代に正式に幕を下ろすものだ。現在は、科学的発展観という標語に代表されるように、国家の統制を強化した周辺部分の底上げ的な経済発展に向かっている。
周辺部分の代表が三農(農業、農村、農民)問題である。社会主義的新農村建設という標語が出現した。農産物の効率的な流通機構・形態を備え、トラクターなどの農業機器の使用を増加させ、農作物の生産量増加に資する生産方式(肥料、植え付け管理)を採用した近代農業を国家の指導の下に実現しようという内容だと思われる。
農民の不満は、結果としての都市部住民との所得格差だけでなく、その原因でもある『製造業などに工場用地を提供するための農地の不法奪取』など、これまでの先富論の暗部にも起因する。ここらで、バランスを回復しなければ政治的な不安定さが増長すると判断したのだ。
日本でも税金を地方交付税という形で、地域に還流させて地方の不満を解消してきたが、その方式が中国でも強化されるのだ。
雇用を吸収するためのサービス産業の育成が重視されている。
これまでは輸出して外貨を稼ぐために製造業を育成してきた。しかし、昨今の貿易摩擦に鑑み、産業育成の重点を、『輸出のための製造業から内需のためのサービス業』へと転換せざるを得ないのだ。この辺は事情は、1970年代以降の日本の歴史と重なる。
雇用吸収力からしても、最先端の製造業は雇用をあまり必要としないのだ。最近の東欧諸国もその辺の不満を漏らしている。でっかい敷地に最新鋭の工場が出来たが、新規雇用は100人にも満たないという不満を聞いたことがある。
その点サービス業は雇用吸収力が格段に大きい。交通・運輸、物流、情報、ビジネス・サービス、商業、不動産、旅行、スポーツなどが挙げられている。農民など周辺部分の人々が豊かになれば、必ずサービス業が必要になる。サービス業は豊かになったことを実感するために存在しているとも言えるのだ。
これまでは輸出して外貨を稼ぐために製造業を育成してきた。しかし、昨今の貿易摩擦に鑑み、産業育成の重点を、『輸出のための製造業から内需のためのサービス業』へと転換せざるを得ないのだ。この辺は事情は、1970年代以降の日本の歴史と重なる。
雇用吸収力からしても、最先端の製造業は雇用をあまり必要としないのだ。最近の東欧諸国もその辺の不満を漏らしている。でっかい敷地に最新鋭の工場が出来たが、新規雇用は100人にも満たないという不満を聞いたことがある。
その点サービス業は雇用吸収力が格段に大きい。交通・運輸、物流、情報、ビジネス・サービス、商業、不動産、旅行、スポーツなどが挙げられている。農民など周辺部分の人々が豊かになれば、必ずサービス業が必要になる。サービス業は豊かになったことを実感するために存在しているとも言えるのだ。