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おかねのこねた : 賢く、楽しく、ユックリ投資 by 春山昇華
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2007/04/10のBlog
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2月6日に、アップルのSteve Jobsが発表した"Thoughts on Music"(ダウンロードした音楽のコピーを禁止しないでほしいという訴え)を、大手音楽出版企業が『あなたの言うとおりです』と納得したか否かは、さて置き、コピー禁止の最強硬派のEMIが折れたことは象徴的です。

EMIの決定後、多くの意見がNetに書かれていますが、そのいずれもが、
①音楽出版企業は、消費者を敵に回してしまった。
②CD売り上げが減ったのは、DVD売上が増加して、消費者の財布の配分が変化しただけだ。
③著作権保護のための別の手法を開発する努力を怠ってきたのだから、今はコピー禁止の主張を取り下げるしか無い。
という論旨です。
この決定で、雪崩をうったようにコピー禁止は終わると思います。
そして適正な価格が形成されて、音楽ダウンロードは最盛期を迎えるのだと思います。

勝者は消費者と、消費者の側について、上手に立ちまわったアップルですね
[ 21:55 ] [ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
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グーグルとオールド・メディア企業との確執は、昨年暮れから暗礁に乗り上げた雰囲気になっていました。

サーチ・エンジンで、記事の一部を表示すること自体が、著作権の侵害だという主張が欧州では強まっています。また、YouTubeにユーザーが著作権を無視して投稿することに対するメディア企業の起こした裁判は、投資家を不安がらせました。

そんな中、今週はフランスのAFPとの和解が発表されています。(右上のコピペ)
どういう和解をしたのかは明らかにされていませんが、いわゆるRevenue Sharingで、グーグルの提示した条件(AFPが受け取る金額)に満足したということだと思います。
一昨年からグーグルが主張していたことは、
サーチエンジンで検索されないという事は、存在しないと同義語だ。
というラディカルな言い分でした。

これだけ、情報をネットで入手することが主流になった現在、いかに多くのユーザーに自分を認知してもらうかが、メディア企業にとっては生命線なのですから、グーグルと一定の合意をしてビジネスを拡大する方が建設的だという方向に落ち着いたのだと思います。

ただし、グーグルもオールド・メディアに対して、一定のFeeを支払う(過去は無料)事が発生しているわけですから、じわじわとマージンに影響します。グーグルも、ビジネスを拡大するため早期決着が必要だったと思います。

これで、少しはグーグルに株価の流れが変わるかもしれません。
しかし、最大の関門であるビデオ関連の交渉の結果がでなければ、上にも下にも限定的な動きになるのですが、、、

YouTubeは、違法地帯だからユーザーに支持されるんだという意見もあります。
しかし、それは一部のオタク、マニアの意見であって、私は大半のユーザーは常識があるので、違法ビデオ投稿が無くなってもYouTubeが死ぬ事は無いと思っています。
2007/04/09のBlog
[ 23:15 ] [ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
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Shaukat Aziz,22nd Prime Minister of Pakistan
http://en.wikipedia.org/wiki/Shaukat_Aziz
パキスタン首相:シャウカト・アズィーズ

会場の入り口でセキュリティ・チェックがあった。会場内には、いかつい目をしたSPが8人ほど目を光らせている。選挙戦の時、反対派の爆弾テロに遭遇し、側近が死亡しているので、身の安全には外国でも警戒を怠れないようだ。
Citi出身(30年間勤務)だけあって、洗練されたスピーチで、オーディエンスを魅了した。スピーチ終了後の拍手は、ジム・ロジャースと並んで最も多かった。

CitiBank在籍時の1999年にムシャラフに経済大臣として招へいされた。パークアベニューのオフィスにムシャラフから電話がかかってきた、と言う。その後、親米路線を大幅に強化したフシャラフ大統領、そして、タリバン&ビンラディン騒動で、アメリカがアフガニスタンに軍事進攻する際に、米国に協力する見返りに巨額の経済的援助を受けるようになったパキスタンという環境の中で、アズィーズは経済の活性化に積極的に取り組み大成功をおさめ、2004年8月に大統領に就任した。

現在のパキスタンの状況は、人口構成上、20歳以下の人口が非常に多い=demography dividendの状態(社会保障などの負担が少なくてすむ)+アメリカからの巨額援助=world fastest growthという構図になっている。その結果、どんどんミドル・クラスが増加している。 また、頑張って改革を継続していることからの恩恵(=hard work dividend)も大きい。riformと、painは、trade-offの関係だが、だからといって妥協はしない。小さな個人の改革ではなく、institutionalizing reformであることが重要だ。

パキスタンの強みは、
①location:アラビア、インドの中間にあって地理的な要所にパキスタンは位置している。陸にあっては、エネルギーの通過経路であり、内陸諸国に対しては海への出口を提供し海上輸送の利便性という便宜を提供できる。これを生かしたvalue creationが可能だ。2月には中国の協力を得て、新しい港も完成した。
②people:前述したように人口構成が若いので、demography dividendが享受できる。
③quality of reform:改革によって人々のmind setを変えていくことが重要だ。簡単ではないが、これを推進して、さまざまな分野でtransparencyを向上させれば、海外からの資金流入を期待できる。ちなみに、パキスタン企業に対する外人保有割合の制限は、全く無い。

今後の課題は、pension reformと、tax reformだ。前者は南米のチリの改革が手本だ。過去5年で、GDP PER CAPITAは2倍になった。今後5年で、さらに2倍にしたい。そして、パキスタンは、第二のダブリンを目指すのだ。

さあ、皆さん、Share the journey with us!、、、という言葉でスピーチを締めくくるなど、Citi時代に商売上手を発揮した能力はこのスピーチにも遺憾なく発揮されていた。

(筆者感想)確かに、彼の話を聞けば、パキスタンに投資をしてみようかと前向きになるのが理解できる。換言すれば、今のパキスタンには、アズィーズ・プレミアムが織り込まれた状態だと解釈できる。
[ 22:59 ] [ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
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James Rogers, http://en.wikipedia.org/wiki/Jim_Rogers

1999年1月~2002年5月の世界自動車旅行で、コモディティの時代を確信した。これは単純な需要と供給の問題であって、政治的にどうだこうだというレベルではない。過去数百年の商品の歴史を見れば、商品価格の上昇は、短くても15年、長ければ23年間継続する。今回はまだ道半ばだ。現在、商品に直接投資する投信は15個しかない。今後、劇的に増加すると思う。かつて、株式に投資する投信が出現した時、多くの人が疑念を持ち、非常に少ない数の投信しか存在しなかった。それが今や、4000以上も存在している。商品に投資する投信も同じような推移をたどると思う。商品関連企業の株に投資するのではない、直接商品に投資するのだ。

資源エネルギーはかなり上昇したので、現在は農産物が有望だ。エマージング諸国が、どんどん近代化し、それらの国の農業生産高は増えないのに、食料消費だけが増加する。需要と供給の関係から、数年単位で何が発生するかは明らかだ。

1982年以降、金利が低下を続けたので、株式は上昇した。割引率が低下するので当然だ。その金利低下が終わったのだから、金利が大幅な上昇をして、将来的に割引率が継続的に低下する環境(=スタートライン)に到達するまでは、大きなボックス相場にならざるを得ない。経済循環、企業業績循環でボックスが形成される。金利のサポートは無い。むしろ、原材料価格の上昇があるのだ。

アメリカに気前良く金を貸してくれる=ドル札を受け取ってくれるのは、アジアの中央銀行だけである。しかし、中東、中国、ロシアは態度を静かに変え始めた。私は、whenは当てられないが、yes/noという点では、ドルを売る判断は当たると思っている。今は、キャリー・トレードがあるので、US$を含めた高金利通貨に投資するということが行われているが、キャリーは必ず解消されるものだ。
欧州の通貨、ユーロは長期的には存続しないと思っている。通貨には、Financial Currencyと、Political Currencyの2種類があるが、後者は長期間は存続していない。ただし、ドルからの退避通貨という意味で、現在は保有している。私は、低金利できらわれてる日本円、スイスフランに投資している。

私は分散投資をしない。十分な調査をして長期的に確信をもったら、ゆっくりと確実に集中投資をする。このことは、コロンビア大学のMBAコースでも教えた。分散投資は儲からないのだ。

私は、3歳の娘に中国語の家庭教師をつけている。彼女は、英語と中国語を流暢にしゃべる。英語を話せることでチャンスが拡大したのが過去であったが、現在は中国語がそれに代わろうとしている。現在、NYからアジアに転居することを、この2~3年検討している。上海、香港、シンガポールを検討している。今のところ、有力なのはシンガポールだ。

(筆者感想)首尾一貫したぶれない主張。彼のエッセンスは、何も変わっていない
2007/04/08のBlog
[関連したBlog]で、以下のように書きました。
=========
さて、現在発生しているのは、不動産で金が借りられなくなった人々が、またカード・ローンで金を借り始めたのです
そうです、あの高い金利で、、、無担保なので仕方が無いですが、、、
=========

先週、2007年1月にアメリカのクレジット・カード・ローン(=リボ払い)の残高が急増したというレポートを見ました。

前年比で、+6.4%だそうです。
何?大した伸びじゃない、、、
金額で書くと、$52.7bn=6.2兆円の増加です。
平均金利が、13%ですが、サブプライム向けは、15%以上です
この金額、、半端じゃないなぁ、、、、
2007/04/07のBlog
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木曜の引け後に、決算がでました。大まかに言って、約+25%増益という感じですから、まあOKです。天候不順というハンディがあったわけですから、良く数字を作ってきたと思います。
しかし、株価の反応は冴えません。前回のエントリーで書いたように、既存店の売り上げが苦しいからです。

小売店の株価は通常これで動いちゃいますから、4月、5月と天候が改善してくれることを、まさに天に祈ってます!
=====追記====
メール登録していたら、決算説明会資料のHPへのアップのお知らせが来た。
実にわかりやすい資料だ。やはり、良い会社だと思う。
[ 20:12 ] [ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
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今回参加したセミナーには、約1400人の投資家が参加したそうです。昨年は、900人だったそうです。
ITバブルが崩壊するとき、有名なセミナーの参加人数は、4000人を超えたと聞いたような記憶があります。大型の会場内は、ほとんどセミナーというよりは、パーティー会場だったのではないでしょうか?

今回は、1400人とはいっても、客寄せパンダの講演会(特に、ジム・ロジャースのは超満員)には多くの人が集まっていて、主催者側(証券)は、主要メンバー以外は、会場に入れない状態だったそうですが、一般の企業のプレゼンは空きスペースがある状態でした。まあ、まだまだピークとは言えない状況です。

さて、これだけ投資家=資金が集まると、当然のことですが、情報も集まってきます

人が集まる
=商売のチャンスが見つかる可能性が高い
=情報の授受が盛んにおこなわれる

という状況です。

残念ながら、今の東京では実現できない状況です。
つくづく、東京がNYやロンドンに続くNo.3の金融都市になるという夢は終わっていると感じました。多分、NY、ロンドン、、、No3は中国(最終的には上海)だと思い知らされました。
[ 19:58 ] [ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
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今回香港に行って、おやっ!と思ったことがあります。
それは、中国語、英語、日本語ではない、大陸欧州の言葉が聞こえていることです。
見れば、ドイツ、フランスはさておき、イタリア、スイスといった国からも、この香港に乗り込んできているのです。
今までもゼロではなかったと思いますが、こんなに大陸欧州の投資家の参加が増えたのは初めてだと思います。

それで思い出すことがあります。
前回の大相場の最後の局面では、大陸欧州の資金がドカン、ドカンとアメリカに入りました。ポートフォリオ投資としての株式投資や、M&Aとしての株式投資を合計した、欧州からアメリカへの資金流入はとんでもない金額に膨れ上がりました。

97年ごろからジワジワ始まって、99年~2000年まで増加が続いたように記憶しています。
今回も同じように考えれば、2007年~2009年ごろまで、欧州の資金が、中国、インド、アジアに流入すると考えられます。

私は、欧州の資金は最後はとんでもない金額を突っ込んでくると思っています。感覚的に、『それは、ないでしょ!』と思っても、理論的におかしくないのであれば、一直線に来るのが大陸欧州の資金だと思います。
その点では、英国の資金は常に斜に構えた性格ですから、そこまで極端にはならないです。

さて、今日の新聞にクライスラー売却交渉が掲載(右のコピペ)させています。
ダイムラーによるクライスラーの買収を聞いた時、私は『馬鹿じゃないの!頭が狂ったんじゃないの!二度とダイムラーなんかに投資しない!』と心に決めたことを思い出します。

その後も、ダイムラーとミーティングするたびに、『いつまでクライスラーを持ってんだ? 売らないなら、プラットフォームの共有化などコスト削減、ブランド向上を目指すべきでしょ!』と何回も言いました。

そのたびに、ダイムラーからの回答は、『アメリカでの自動車販売で、クライスラーは重要な地位を占めている。プラットフォームの共有化はしない。クライスラーは、あくまで自分の力でブランドを強化する』というものでした。

じゃあ、なんのために買収したんだ?
・・・・・回答無し・・・・
こんなQ&Aを何回もやりました。

そして、あれから長ーーーい時間が経過し、ダイムラーは毎年、毎年、巨額の損失を出しました。
やーーーーーっと、売却を決心しました。

========おまけ============
"ダイムラー+クライスラー"に比べると、ポルシェによる、フォルクスワーゲンの事実上の買収は意味が違います。何年も前からポルシェとVWは、R+D、生産を共同で実施しています。

ポルシェのカイエンと、VWのトゥアレグは組み立ての最終工程の直前までは、VWの工場で製造されていて、最後にポルシェの職人の手で、ポルシェの魂が吹き込まれています。そして、VWとポルシェのブランドはしっかりすみ分けられています。


2007/04/06のBlog
関連したBlog①
関連したBlog②

香港で多くのセッションを聴きながら、色々考えました。
そして、『レバレッジ・バブル相場後半戦に向けて』シリーズと、
『グロース・バブルから、、バリュー・バブルへ』シリーズを、
統合するレポートを書きました。

長文ですし、過去のエントリーの再掲部分も多くあります。
流す程度で、サラッと見ていただければと思います。

半年ほどして、もう一回読んでいただければ幸いです。
私も、そうするつもりです。
=================
まずは、結論です。
昨年以上の資金が、中国、BRICs、エマージング諸国に流入するとともに、
先進国内では昨年以上に、M&A、PEファンドの活動が増加する。


この結論に至った主たる背景、要因は、次のふたつです。
(1)昨年より拡大する金余りが、リスク・テイクを拡大させる結果、中国、BRICs、エマージング諸国に昨年以上の資金が流入する
(2)先進国から、エマージング地域へのアセットアロケーションの動きが発生し、中国、BRICs、エマージング諸国に対する資産配分が引き上げられ、資金が流入する

何故、金余りになるのでしょうか?
①グローバルな金融引き締めの累積効果で、先進国の景気モメンタムは、加熱状態+インフレ懸念から巡航速度に減速した。その結果、経済システム内の資金需要が低下した。
②増加する企業利益、キャッシュフローに比して、少なめで推移する設備投資、R+D支出という状態が長期化しており、適正水準を超えた流動性が企業内に蓄積されている。

では、企業が、資金があるのに、拡大政策に慎重であることの、ファンダメンタル的な背景は何でしょうか?
No Growth
90年代のITバブル時代や、80年代の金融不動産バブルの時には、企業経営者も投資家も持続的な成長の夢を見た。しかしその後、夢は夢のままであって、利益となって実現し無かったという現実を突きつけられた。それゆえ、現在はおいそれとは夢をみなくなった。夢破れて山河あり、、、15年程度という短期間に、しかも二度も、夢の崩壊を体験した経営者や投資家の多くが現役でいるうちは、同じような大胆さで夢をみることは困難だ。なにかと慎重になるのは仕方がないこと、または正常なことです。
No New Frontier
いわゆる新領域、新分野と言われる、企業の業績を長期的に上昇させる目玉がみつからない。
80年代は、東京が世界の金融の中心になって湾岸エリア(=今のお台場周辺)を中心に飛躍的な発展(未来都市の出現)が来るというテーマが出現した。
90年には、コンピューター、インターネット、携帯電話と、次から次へと新技術が世界的な普及をみせて、飛躍的な世界同時発展と終わりのない成長をもたらす変革が続くと思わせた。
これら二つの時期に比べると現在は、そのような夢を見せてくれる新技術は無く、あってもおいそれと夢を膨らませるような心理状況でも無い。
要するに現在は、明るい長期成長の未来を主張する人はいない状態だ。80年代、90年代の壮大なテーマに比べれば、BRICsの発展など、単なる先進国へのキャッチ・アップ・ストーリーに過ぎず、彼らの利益は、我らの損失というゼロサム・ゲームでもあるので、もろ手をあげて喜んでもいられない投資テーマと認識されている。

では何故、先進国を減らして、エマージング地域を増やすというアロケーションの変更が起こるのでしょうか?それは、以下のふたつだと思われます。
①アメリカのサブプライム問題は、現実の経済的悪影響以上にマスコミにヘッド・ラインとして長期間頻繁に登場すると予想されるため、米国経済に対する信頼度が低下した状態が続く。米国経済をささえる二大要素である個人消費と企業支出のバランスがITバブル崩壊後、『過度に個人消費に依存した状態が続いている』が、その個人消費に疑問符が付された現在、企業支出が増加してその落ち込みをオフセットする動きが見られないという懸念が継続する。

②米国経済のモメンタム低下の悪影響懸念から過去数カ月間で、欧米投資家は中国、BRICs、エマージング諸国に対して利益確定売りをすすめ、アロケーションを下げた。しかし、その後は、アジア開発銀行などを含めインド、中国の経済成長予測が引き上げられる動きとなっている。また中国国内市場は新高値を更新する状況が続いている。欧米の景気モメンタムの減速を横目で眺めつつ、一旦減らした中国、BRICs、エマージング諸国に対するアロケーションを再度増やす機会をうかがい始めている。

============================================================

では、上記のような事が発生する時に、付随的に発生することが何かあるのでしょうか?

(A)金余りの深まりの副作用は何?
金利低下スプレッド縮小を長期化させ、『株式の益回り > 調達金利』という状況を拡大させる。その結果、BS&PLの計算上、企業業績が改善しなくても、景気が好転しなくても、『借金をして自社株を買い戻せば、さらには借金をして増配をしても、理論株価が上昇する』ため、PEファンドも加わったM&Aが増加する。この傾向は、バリュー株を中心にマネーゲーム化し、バリュー株バブル領域まで到達する。

バリュー株は欧米景気モメンタム減速や資源エネルギー価格の落ち着きを背景に、PERが低下する形の株価調整も被っている企業が多く、、『株式の益回り > 調達金利』という状況が拡大しているからだ。

このようなバリュー株、景気敏感株、オールド・エコノミー関連企業のPERの縮小という市場の状況を冷静に観察すれば、これらの企業の企業経営者、CEOやCFOは、ビジネス自体に手をつける(=設備投資、R&D)リスクを冒すよりは、割安に放置されている他企業を買収した方が、簡単に利益を手に入れられるし、しかも買収戦略など経営手腕が優れていると評価されて、自社の株価も上昇するので、どんどん買収が進展する。昨年来のM&Aの急増のデータなどは、それを裏付けている。

今、バリュー株に進展している状況は、財務レバレッジを高めているということだ。株でいえば、低β状態から、高βに変身しつつある。調子の良いときには、株価がどんどん上昇する傾向が強まっているので、足元の業績が良いのならば、これらのバリュー株企業の株価はますます上昇しやすい環境である。
しかし、景気の鈍化、新製品・新技術の登場による競争条件の悪化、、、こんなイベントに対する抵抗力はどんどん低下している。財務レバレッジを高めるということは、そういうことだ。しかし、現在は、そんなイベントが発生するとは誰も想定していない。
従って、行き着くところまでは、株価の上昇速度は加速度的に速くなる。そして、現在のM&Aブームの恩恵を受けないグロース株はトコトン置いてけぼりを食らうのだ。そして、この傾向の最終局面では、1999年にバリュー株が、業績とは無関係に、とんでもないほどボロボロになったように、今度はグロース株が、業績とは無関係に、とんでもないほど総体的にボロボロになる可能性がある。

(B)アロケーション変更の副作用は?
(Ⅰ)A株バブル
グロース株投資家は、成長に投資をするなら、中国、BRICs、エマージング諸国の企業に投資をしてαの獲得を目指す傾向が強まっている。その結果、欧米地域でのグロース株の売却+中国、BRICs、エマージング諸国企業の購入という流れが加速している。

中国国内市場では、①通貨高、②金余り・低金利継続、③好景気という環境が継続している。この環境は日本の80年代と非常に類似している。
①通貨高はゆっくりとしか進まず、人民元の先高観測から国内の流動性が海外証券投資に向かいにくい。
②少々の金融引き締めでも、ドル買い人民元売りによって溢れた国内流動性を原資とした中国内需経済を冷やすには限定的な効果しか持たない。
③景気モメンタムの減速に向き合う欧米対比では、際立った経済の好調さが維持されていることになる。

特に、①を背景として、国内A株市場に流入する資金を抑え込む事は不可能であり、これは日本の80年代中盤~後半の状況とソックリである。A株市場は、割高の状態から、超割高領域まで上昇せざるを得ない。80年代後半の日本株のPERは50倍~80倍で推移した。特に内需に代表である金融・不動産のPERの上昇は空前絶後の高さまで上昇した。これと同様な状況が発生しても不思議では無い。

(Ⅱ)アジア全体ウェイトの上昇と、地域内での日本ウェイトの引き下げ
海外投資家の視点では、日本はエマージング諸国と同じ性格=景気敏感・バリュー株がほとんどを占める株式市場である。換言すれば、おとなしいBRICS、エマージングというのが日本の株式市場の特性と言える。それゆえ、BRICsに強気、またはリスク・テイク度合いが上昇する局面では、アジア+日本の全体ウェイトの上昇と、域内での日本売り+アジア買いという流れが同時に発生する。

===============おまけ====================

そもそも、アメリカのようなグロース株が非常に少ないというヒズミを考慮しても、過去7年の一貫したバリュー優位は、最終投資家や運用担当者、マーケティング担当者の態度に大きな影響を与えた。Fund of Fundsのアロケーションでも同様な傾向が発生している。各種レポート、FPの投信評価のコメントなどを丹念に観察していると、、、、
①ファンド名にバリューとか、高配当とか、つければ楽な商売ができる。
②グロース株投資家というと、『馬鹿な程高いPER状態の新興市場銘柄にモメンタム投資する』低レベルの投資家であって、計量分析(PER,PBR、キャッシュ・フロー)を軽視するモメンタム投資家、老後の資金をゆだねるには、信用できない人。 しかも、近年の成績は冴えない状態、、と見なされやすい。
③バリュー株投資家というと、堅実な投資家で、安全確実に投資をする信用できる人。 しかも、近年の成績はブレが無いうえに、良好。
④バリュー投資家は、老後資金に大切な配当を重視するが、グロース投資家は無配当企業を好むので、老人が増加する時代には不適格
⑤バリュー投資家は、割安に放置された企業に投資して、それらが買収される恩恵を享受できるが、グロース投資家の保有する企業は割高なので買収の対象にならずダメだ。
という評価が増加している。同時に、バリュー投資こそが、本来の投資であるという評価がますます高まっていくと思われ、相場の宿命として、その流れはバブル領域まで到達すると推定される。
====続く====
次回で、
レバレッジ・バブル相場後半戦に向けて、
グロース・バブルから、、バリュー・バブルへ、
の連載の最終回とします。

次回は、今始まった後半戦相場に関して、
①中間反落の発生の仕方と、
②最終局面の様子の予想と、
を書いてみたいと思います。
2007/04/05のBlog
[ 22:54 ] [ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
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ずいぶん間があいてしまいましたが、『レバレッジ・バブル相場後半戦に向けて』シリーズの続きを書きます。

右のチャートは、1970年以降の日本の労働分配率の推移(ドイツ銀証券)です。
ステレオ・タイプ的な表現をすれば、労働分配率は労働者の取り分ですから、それが減少すれば、企業の取り分(企業業績)が増えるし、労働分配率が上昇すれば、企業の取り分が減少します。ですから、チャートの太線(労働分配率)が下がれば、株が上がります
同類の減少として、貧富の差が拡大している時は株が上がっていますし、貧富の差が縮小している時は株があまり上がっていません。

ただし、この二つの事象は、原因と結果というよりは、株が上がっている時、下がっている時は、統計上そんな事象が発生しているという方が正確な表現だと思います。

さて、本論に移ります。
今、中国では猛烈勢いで貧富の差が拡大していると思います。
沿海部で外資系企業に勤務する場合、日本で言うと、年収2000万円程度の収入があります。住居の広さ、電化製品、自動車など、彼らの生活水準は、日本の2000万円の収入者よりも実質的には上かも知れません。

しかし、内陸部では、日本的に言えば、年収100万円以下の人々が非常に多く存在しています。
日本の高度成長期は、農村から都市部に人口が移動し、都市生活者、都市労働者が増加しました。そして、日本でも、都市と農村の貧富の差は拡大しました。その格差を是正する役割を担ったのが地方交付税でした。都市で集めた税金を強制的に地方に移転したのです。

その意味では、現在の中国も同じことが進行しています。
違いがあるとすれば、中国の現在の高度成長で進行しつつある貧富の差の程度&拡大スピードが、日本以上だという点と、沿海部自治体(上海、シンセンなどを含む)の独立権限が強いので、豊かな沿海部から内陸部への富の強制移転が小さいという点だと思います。

ただ、株式市場の上昇力、爆発力、またはバブル形成力、、という意味では、金が分散せず、集中している方が、力を持ちます。つまり、バブルになった時は、日本以上だと判断できるのです。
[ 00:03 ] [ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
[2月のBlog]で、紹介したモンサントが好決算を発表しました。

業績予想も上方修正されています。
株価も、素直に上がっています。

さっき、イランが英兵15人に恩赦を与えて解放したと報道されていました。
今月は堅調な相場かな。。。
2007/04/04のBlog
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ポイントの3月に既存店売り上げ状況は、ダメでした。

3月中旬が寒かったので、春ものが厳しかったようです。
株価も、他の消費銘柄に比べたら、今日の上げは物足りないものでした。
①まあ、この既存店状態では、株価があがりそうにないので、他の元気な銘柄に行こう!
②過去半年を見れば、結構上がっているし、、、
という心理状態だと思います。

エクスキューション能力の高いのがポイントの特徴ですから、OKだと思いますが、

短期的には、他の銘柄、たとえば、UNITED ARROWSとかが元気だと思います。
既存店売り上げも、他社が苦戦する中にあって、検討しています
[ 23:23 ] [ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
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ニトリは、好決算でした。
円安による仕入れ価格上昇圧力を、地道なコスト削減で跳ね返しました。

賢い消費者の増加が、質素でも高い品質の当社製品のファンとなっていくのだと思っています。



今年の為替の想定は、118円だそうです。
仮に今後、115円以下の円高が来た場合は、結構な増益要因になります。

アメリカが選挙モードが高まってきました。先週は中国に対して、紙製品の反ダンピング課税を宣告しています。紙は、実害が少ないので、こぶしを振りあけるポーズを見せるには効果的です。

でも、はじめはチョロチョロでも、後がないブッシュは何で有りモードを一層強めて、保護主義的な方向へ踏み出すことに引っ込みがつかなくなる可能性もあります。

この為替要因は、多くの日本株が巻き込まれるファクターなので、重要観察項目です。
2007/04/03のBlog
[ 21:02 ] [ 株式(日本+海外)&商品・為替 ]
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大規模なセミナーでは有名人のスピーチがある。
クリントン元大統領、グリーンスパン元Fed議長など、、元**という有名人が高額の講演料でスピーチを行う。客寄せパンダとしては効果が大きいのだ。先日、欧州系有名証券会社の日本で開催されためみなーでは、かのグリーンスパン氏が衛星中継で生出演でスピーチを行った。直前に『2007年の4Qは、アメリカはリセッションだ』などと発言して株価の下げを引き起こしただけに、その直後の彼の発言を聴こうと、数多くのヘッジファンド・マネージャーを含めた運用関係者が集まった。
さて、今回の香港で開催されたセミナーでも、キーノート・スピーチと称して有名人が出演した。少しメモを紹介したい。

最初は、Professor Edmund S. Phelps, Columbia University、 2006年ノーベル経済学賞受賞<http://www.columbia.edu/~esp2/>だ。
米コロンビア大学のエドムンド・フェルプス教授(73)
マクロ経済におけるインフレ率と失業率との関係について論理的な分析を行った功績としている。フェルプス教授は1933年米国生まれで、米イエール大大学院修了。

アメリカから長時間のフライトで疲労しているからかもしれないが、、、最初の30秒で聴衆を魅了するすばらしいスピーチ、、、とは程遠い内容。前置きが長いな、、いつ本題にはいるのかと思っていたら、スピーチが終わってしまった。聴衆にも、怪訝な雰囲気が漂った。Q&Aセッションでは、質問者の意図を理解しないチンプンカンプンな回答に、司会者も助け舟を出す事しばしば。話の内容は以下の通りだが、筆者の後日調査での推定・補足が一部加わっている。

==================
中国は、かつては、巨大な国土+最低限の生産規模だったが、現在は膨大な人口+巨大生産という組み合わせになった。短期的には高成長をしているが、長期的にはアメリカ同様な経済構造になる。
現在の高成長の背景は、中国が、テクノロジーや、製造インフラを安過ぎる価格で購入できたことだ。現在は、多くのテクノロジー、製造技術が安価な価格設定になっている。

現在のキャッチアップ・プロセスが終われば、中国は人口構造から来る大きな問題を抱えることになる。2035年には、人口構造は逆ピラミッド構造になって、老人大国になる。
老人は、produce less & dmand more、hesitate to changeで、選挙権は維持するので、社会改革が必要となる時(2035年)に、社会保障制度を含めた構造改革を妨害する勢力として中国の衰退を牽引する。

インドには、数学と英語がある。植民地時代から、rule of lawと、democracyが機能している。人口ピラミッドも中国ほどの問題を起こさない。
(筆者感想)インドに対する思い入れは、欧米人・英語人に特有な傾向だと思う。

欧州は経済復興しつつあるか?この回答は不明だ。回復しているとすれば、1950年代に続いて2回目ということになる。私は楽観していない。欧州はover regulatedという根本問題が解決されていない。

アメリカも問題がある。too many law suit が長期的な阻害要因だ。
ITバブル崩壊後に成立したSOX法が、この問題をさらに悪化させた。将来が不明確の時、常にそうだと思うが、リスク・テイクができなくなった。リスク・テイクがないと成長が無い。
ただ、アメリカは依然としてself inovativeな状態を維持している。他国は、いまだに、catch_upper or imitator にすぎない。シリコンバレーの3分の一は、インド人と中国人だが、これはアメリカに、起業マインドを応援する風土と、法律的サポートが完備していおるからだと思う。

日本経済の復活はダマシに過ぎないと思う。
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こんな感じ。

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現在の株式相場が終わったとき、後年『今回の相場は***バブルになって終わったね』と言われる。その***に関して、私はレバレッジ・バブルだと思っている。

2000年のITバブル崩壊と、会計疑惑とその結果成立したSOX法の影響で、投資家も企業経営者も委縮した。
委縮とは、レバレッジの収縮だ。
株的な表現では、PERの低下だ。調達コストよりも、益利回りが低い企業が増加している。

それゆえ、今後将来に向かって、経済、企業業績、株式相場を元気づかせるのは、萎縮した部分の回復だ。つまり、レバレッジの回復だ。そして足元で最初に起こり始めたのが、M&A、買収だ。

株式市場の上昇のけん引役であるM&Aにフォーカスして考えてみよう。ちょうどタイミング良く、非常によくまとまったメールを、古くからるきあいのあるセールスの方から頂いた。今後を占う意味で重要だと思うので、コピペしたいと思う。

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○M&Aはバブル状況なのか、ブームの本質は何か

前回のM&Aブームは1989年がピークでしたが、その際の「行き過ぎ」のサインとなったのは、
1)エアラインのような極めてシクリカルな業界までが買収対象となった、
2)買収合戦がエスカレートして、買い手にとってペイしないようなディールが出始めた(売り手企業の株主が最大の勝者に)、
3)ジャンク債市場とそれを支える買い手(S&L)が崩壊し、買収資金が急激に枯渇した、
などでしたが、現時点ではいずれに類する現象もみられていないようです。当面の間これらのサインに注意しておくべきと思います。

当時は、B/Sが肥大して贅肉が多い上に、事業が成熟してキャッシュ・フローが潤沢な大企業が狙われました。
理由は、前者は事業売却による負債返済が容易であること、後者は抱えることのできる負債額が大きい(オファー価格を高く設定できる;投資レバレッジ効果が高い)からです。

それに対し今回は、
1)事業的に成功している企業を相応のプレミアム価格で買収、
2)SOX法等の煩瑣な規制・コストを嫌う経営者が増えていることも追い風、
3)近年における事業のスリム化の一方で、業績好調による負債減・キャッシュ増が生じたため、B/Sが最適化されていない企業が狙われる、
といった特徴があると思います。

1)は戦略的買収であり、近年の株式P/E縮小(特に成長株)を受けた割安感が背景にあります。
3)に関しては、資本構成の上で負債が少な過ぎるために、負債を増やし株式を減らす(自社株買い、ひいてはLBO・MBO の誘引)ことで、株主利益を最大化することができると状況にあることを端的に示す現象と言えると思います。
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今年、2007年も、M&Aは過去最高金額を大幅に更新すると思う。