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J's garden
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2008/04/08のBlog
[ 21:09 ] [ J's garden ]
赤地に白い覆輪が美しい椿の銘品「玉の浦」。こんな艶やかな花が藪椿の突然変異によって生まれたものだと聞くと驚くが、昭和22年、椿の島として有名な五島列島で、炭焼業者によって発見されたものが、時を経て世に広まったものだという。

我が庭の二十数品種の椿のコレクションの中にもこの「玉の浦」がある。家人によれば、昨日たまたま立ち寄られた女性に所望され庭の案内をすると、ちょうど花盛りのこの花を見つけられて、「これは父が発見した椿だ」と話され、その思いがけない出会いを随分喜ばれたそうだ。そして、何十年ぶりかに父に会ったようだと、たいそう懐かしんで帰られたという。

そのドラマチックな話を、映画のワンシーンでも見るように感動して聞いたが、かつて福江島玉之浦町の山の斜面に自生したその原木は、心ない人達の濫獲によって枯死し、今はその姿がないというのが余りにおぞましく悲しい。
2007/08/21のBlog
[ 07:03 ] [ 山の花 ]
かつて燕(つばくろ)岳の花崗岩の崩壊地で見た群落にも驚いたが、ここ八ヶ岳の硫黄岳から横岳への稜線上にも目を見張るほどのコマクサが咲いている。コマクサと言えば「高山植物の女王」と称えられ、花に関心のない登山者でさえ知っているほど、高山の象徴的な花だ。
その名前は花の形から駒(子馬)にたとえられるが、ピンクの可憐な花を見る度に、「女王」と称えるならもう少しそれにふさわしい名前がないものかといつも思う。花壇でよく作られるタイツリソウ(ケマンソウ)と同じ仲間で、花の形はそれとよく似ている。
先駆植物で他の植物とは混生することがなく、養分が豊かになるとそこを他に譲って自分は転地するのだという。ここは一部でオンタデとの混生が見られ、もうぼつぼつその現象が始まっているのかもしれない。
2007/07/11のBlog
瓔珞(ようらく)などという字は意味を解することは勿論、読み書きも覚束ない難しい言葉であるが、手元の辞典によれば、インド貴族の装身具で、頭に飾るのが「瓔」、身に飾るのが「珞」とあり、また、仏像の天蓋や仏殿などの建築の装飾の垂れ飾りをいうこともあるらしい。

ヨウラクツツジとは、おそらく壺形や釣鐘状の花の形を後者の方に見立てたものだろう。ウスギヨウラクは、別名をそのものズバリのツリガネツツジと呼ぶことも多い。
ウラジロヨウラクは葉の裏が白いことからこの名があり、山によって色の変異が多い。ウスギヨウラクより標高が高いところで見られる。
コヨウラクツツジが現れるのは、三者のうちでは最も標高が高い1500m付近からになる。小さな花が愛らしく、つい足を止めて見入ってしまう。
2007/07/05のBlog
広大な放牧地に点在する白樺林、のどかに草を食む牛達の風景は、さすが「日本ダボス」と呼ばれるほど美しい菅平牧場。
レンゲツツジは日本の野生ツツジの中では一番花が大きくて別名オニツツジと呼ばれる。濃淡のバリエーションも多く、まれに黄色の花が見られる。つぼみの時の状態がレンゲの花に似ているので、この名がある。

ツツジ科には結構有毒植物がある。レンゲツツジも有毒で、牧場にあっても牛に食べられることはなく、ちょうど奈良公園の鹿とアセビの関係に似ているか。
高ボッチの草競馬場。
絨毯のように花が埋め尽くす鉢伏山。
乗鞍高原一之瀬園地。
2007/06/29のBlog
英名をマートル、ドイツ語ではミルテ。シューマンの歌曲「ミルテの花のように」にも登場すると、ものの本にある。あまり見かけない木であるが、わが庭では植えてから30年近くになる古参の木だ。

噎せ返るような蒸し暑さの梅雨のさ中に、フトモモ科特有の蕊(しべ)の長い白い花を無数につける。西洋では伝説の木で多くの神話に登場し、美と愛の女神アフロディーテもこの花飾りをつけたといわれる。
和名は5弁の花の形が梅の花に似るからであり、花屋の店頭では「祝いの木」という名で売られていることもある。古くからヨーロッパでは神聖な愛の象徴とされ、結婚式の冠やブーケにも使われ、そのうちの一本を嫁ぎ先で挿し木をして幸福を願う習慣があったとか。このあたりが「祝いの木」と命名の所以か。
秋には黒い実をつけ、乾燥させた葉や実はハーブとして浴用や肉料理に利用できるらしいが、まだ試したことはない。
2007/06/21のBlog
[ 21:10 ] [ J's garden ]
日本のアジサイに魅せられた江戸時代後期の商館医シーボルトは、その学名に自分の愛人お滝さん(楠本滝)の名をとって、”Hydrangea.otaksa”(オタクサ)とし、広く西洋に紹介したのは余りにも有名な話で今も語り草となっている。残念ながら今はこの学名は使用されていないが、そのシーボルトが愛したヤマアジサイのひとつシチダンカである。
今では普通に見られるこの花も、シーボルトの記述以来長い間その存在が謎とされ、実に130年ぶりに六甲山で発見されるまで、幻の花とされていた。花は普通のアジサイより花も葉も小ぶりで、その繊細な姿は侘び寂びの風趣があり、茶の湯でも好まれている。重弁であることも珍しく、この花をもとに「隅田の花火」などの園芸品種が作出されている。
そぼ降る雨に煙って咲くヤマアジサイの花。沈みがちな雨の登山道も、一瞬気分が和む。

静岡県天子岳にて
ヤマアジサイは関東・東海地方では白色であるが、近畿以西では青やピンクになる傾向があるらしい。変異が多く自生地ではその形も多様に変化し、自然交雑によって多彩な変わり者が生まれるという。

クレナイヤマアジサイは咲き始めは白色で、そして恥じらうようにピンクに染まり、やがて紅に変化する。
アジサイは土壌の酸度によっても花色が微妙に変化し、時に”七変化(しちへんげ)”、花言葉を”移り気”などと言われるゆえんである。
2007/06/17のBlog
耐寒性のないこの木を、近在のどこかの市が街路樹に植えて大失敗した話を失笑したことがある。以前から、ジャカランダやタベブイア・クリソトリカ(キバナイペー)の華麗な姿を写真で見てあこがれてはいたが、到底自分で育ててみようとは思わなかった。

苗をもらった時、鉢植えで育てるのが面倒で正直気乗りがしなかった。それゆえ、決して丹精した管理をしたわけではないが、3年目ににして、意外に早く開花を見た。鉢植えでの開花はむつかしいとも聞いていたから、ちょっと自慢である。
和名をキリモドキ(桐擬き)と言い、青い花は確かに桐の花を彷彿とさせる。成長が早く、1年も経つと弱々しかった緑色の茎はだんだん木化して太くなった。葉は加温しないと冬場は落葉するが、柔らかなシダのような雰囲気は、観葉植物として育ててもおもしろい。0℃には耐えるようなので、大きくなっても切り詰めて屋内で冬越しすればよい。
2007/06/12のBlog
もう十数年も前のこと、高ボッチから鉢伏山を経由して扉温泉まで、雨の中を歩いたことがある。もうその殆どを記憶から失っているが、滴る緑の中に咲いていた一輪のクリンソウだけは、鮮烈に心に焼き付いて残っている。
野の花を愛する者にとって、公園的な風景を礼賛するものではないが、杉木立の中に咲く夥しい数の艶やかな彩りは見事という他はない。つい先頃も新聞で報じられた、岐阜県高山市国府町宇津江の「花の森」である。
輪生状の花序を多段に付けることから、五重の塔の屋根に立つ「九輪」になぞらえて命名された。サクラソウの仲間ではもっとも湿った所を好み、自然の中では水辺に咲いているのを見かける。
2007/06/07のBlog
[ 23:36 ] [ J's garden ]
大型の植物でボリュームが有り、イングリッシュガーデンによく植えられている。和名を葉アザミといい、自生地の地中海沿岸のものは、日本で栽培されているものより大型のトゲアザミという種だそうだ。
アカンサスは花よりもその葉が西洋の文様のモチーフとして有名である。中でもアポロンの神殿などで有名な、古代ローマ・ギリシャの建築三様式のひとつコリント式は、華麗な柱頭の装飾に特色があるが、このアカンサスの葉をデザインしたものだといわれる。
植物文様では他に月桂樹、葡萄、蔓などが見られるが、19世紀の英国で多方面に活躍したウイリアム・モリスは特にこの花を愛し、家具や壁紙など室内装飾にデザインして取り入れ、そのファンは世界中にいるという。ちなみに、平山郁夫画伯が前学長だった東京芸大の校章も、このアカンサスがモチーフになっているとか。
キツネノマゴ科特有の花の中には、結構ユーモラスな住人がいて笑ってしまう。
2007/06/01のBlog
[ 20:37 ] [ J's garden ]
緑の中に散りばめたように咲く黄色い花は、ちょっと熱帯的な雰囲気がある。花は次から次へと開花して花期は比較的長いが、四季咲きでないのが惜しまれる。

ソケイの仲間は学名をJasminumといい、ジャスミンという名でひとくくりされているが、中にはマダガスカルジャスミンやカロライナジャスミンのようにソケイ属でないものがあるのでややこしい。その殆どが熱帯や亜熱帯に分布しているが、このキソケイはヒマラヤが原産ということで耐寒性があり、路地植えでも平気なのが有難い。
ジャスミンと言えば香りの花として知られるが、どうもハゴロモジャスミンやマツリカなど白色系の花には芳香があり、オウバイのように黄色系ものには香りがないようである。この花も鼻を近くに寄せてようやく匂う程度の微香で、もう少し芳香を振りまいてくれれば、もっと株が上がるのにと思う。
散りこぼれてからも花持ちが良く、暫くは鮮やかな黄色が人目をひく。
この花の咲く時期は雨も多く、花先をつたって落ちる黄色の雫を飽きもせずに眺めている。