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2008/11/27のBlog
[ 01:06 ]
[ ジャズ ]
Chick Corea and Gary Burton
In Concert, Zuerich, October 28, 1979
Chick Corea (piano)
Gary Burton (vibraharp)
ECM 1182/83 821415-2
ゲイリー・バートンとチック・コリアのデュオ。どちらも現役ミュージシャンですが、この二人が1979年に共演したライブの録音です。約30年前です。クラシック音楽でも、30年前も今もばりばりの現役、というのは、そう多くはいないと思いますが、ポップミュージックの世界では尚更多くないと思います。(まぁ、これはジャズだけど)しかもこの二人、当時も今もトップクラス。なかなか凄いコンビです。
この頃のチック・コリアは、ややリリカルめなスタイル、と言っていいでしょうか。このピアノと、ゲイリー・バートンのヴィブラホーン、じゃなくてここではヴィブラハープの組み合わせは、「おっしゃれ」(笑)な感じではあります。が、同時にアップテンポで切り上がるような音楽の連続は、決してイージーリスニングではありません。キラキラと輝くような音色が載っているのは、ドライブ感抜群の音楽。心地よい緊張感、とでもいうようなものが感じられます。
ゲイリー・バートンは、この後も他のピアニストと同様のデュオをやったりしていて、小曽根真との録音なんかもあるのですが、やはりチック・コリアのはいい。チック・コリアのピアノが特別なんでしょうね。こんなに音色が綺麗で、それでいてグルーヴ感が維持出来てるピアノというのもあまりないのでは、と思います。良くも悪くもジャズらしくないというか。実際、これだけキラキラした音色を重ね合わせて、音的にはちょっとジャズとは思えないようなのに、でも音楽としては、やっぱりジャズなんですね、これが。やっぱりジャズの本質は、ブルースコードもあるだろうけど、リズムなんだろうなと思います。
ゲイリー・バートンは、今もこの頃もそれほどには変わらないような気がします。一方のチック・コリアは、そうですねぇ....最近はまた似たようなリリカルな演奏もするようだけど、その間30年近くかけて、ぐるりと一周して来たんじゃないかな、という気がします。80年代のチック・コリアって、エレクトリックをやってたこともあるだろうけど、もっともっとリズミックと言うかグルーヴ感の強い音楽をやっていたように思います。.....どうだろう?
まぁ、往時のチック・コリアの貴重な記録ではあると思います。勿論ゲイリー・バートンの記録としても。ECMもなかなかやってくれます。
In Concert, Zuerich, October 28, 1979
Chick Corea (piano)
Gary Burton (vibraharp)
ECM 1182/83 821415-2
ゲイリー・バートンとチック・コリアのデュオ。どちらも現役ミュージシャンですが、この二人が1979年に共演したライブの録音です。約30年前です。クラシック音楽でも、30年前も今もばりばりの現役、というのは、そう多くはいないと思いますが、ポップミュージックの世界では尚更多くないと思います。(まぁ、これはジャズだけど)しかもこの二人、当時も今もトップクラス。なかなか凄いコンビです。
この頃のチック・コリアは、ややリリカルめなスタイル、と言っていいでしょうか。このピアノと、ゲイリー・バートンのヴィブラホーン、じゃなくてここではヴィブラハープの組み合わせは、「おっしゃれ」(笑)な感じではあります。が、同時にアップテンポで切り上がるような音楽の連続は、決してイージーリスニングではありません。キラキラと輝くような音色が載っているのは、ドライブ感抜群の音楽。心地よい緊張感、とでもいうようなものが感じられます。
ゲイリー・バートンは、この後も他のピアニストと同様のデュオをやったりしていて、小曽根真との録音なんかもあるのですが、やはりチック・コリアのはいい。チック・コリアのピアノが特別なんでしょうね。こんなに音色が綺麗で、それでいてグルーヴ感が維持出来てるピアノというのもあまりないのでは、と思います。良くも悪くもジャズらしくないというか。実際、これだけキラキラした音色を重ね合わせて、音的にはちょっとジャズとは思えないようなのに、でも音楽としては、やっぱりジャズなんですね、これが。やっぱりジャズの本質は、ブルースコードもあるだろうけど、リズムなんだろうなと思います。
ゲイリー・バートンは、今もこの頃もそれほどには変わらないような気がします。一方のチック・コリアは、そうですねぇ....最近はまた似たようなリリカルな演奏もするようだけど、その間30年近くかけて、ぐるりと一周して来たんじゃないかな、という気がします。80年代のチック・コリアって、エレクトリックをやってたこともあるだろうけど、もっともっとリズミックと言うかグルーヴ感の強い音楽をやっていたように思います。.....どうだろう?
まぁ、往時のチック・コリアの貴重な記録ではあると思います。勿論ゲイリー・バートンの記録としても。ECMもなかなかやってくれます。
2008/11/24のBlog
[ 20:21 ]
[ クラシック ]
A.シェーンベルク:浄夜 op.4
J.ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン (conduct)
TESTAMENT/ユニバーサルミュージック JSBT 8431
いやもう最近は本当に週1ペースくらいになってしまいました。心身共に忙しい、っていうんでしょうか、CDの話まで書く余裕がないというか......
ま、無理してもしょうがないんで放ってます。
にも拘らず、アクセス数は11万を越えたようです。済みませんねぇ、ろくに更新してないのに.......
閑話休題。
前回に引き続きブラームスです。交響曲の第1番。カップリングに、シェーンベルクの「浄夜」。カラヤン指揮、ベルリン・フィル、1988年ロンドンでの演奏会のライブ録音。BBCが録音していたのを、歴史的録音専門レーベル、TESTAMENTが制作したCDです。なんとまぁ、日本盤です。ユニバーサルミュージックからの販売ではあるといえ、解説からして日本語訳を最初からパッケージ化。カラヤンは人気があるから売れるだろう、という腹とはいえ.......って言いながら買ってるんだから世話無いですよね。
1988年という年代から分かる通り、カラヤン最晩年、最後のロンドンでの演奏会だそうです。しかし、カラヤン死後20年足らずにして、「歴史的録音」になってしまうとは。いや、20年は「歴史的」とするに十分な年月、なのでしょう。
ブラームスの1番は、これまでに結構聞いてきた曲ではあるのですが、今回聞いていてちょっと心惹かれたのは第3楽章。Un poco Allegretto e grazioso と題された、快活ではあるけれど、短い楽章ですが、これがいいのです。
この曲に関しては、どうしても第1楽章と第4楽章に意識が向いてしまいます。やはりこの両端楽章が長いし、音楽的にも重い。第4楽章の印象的なホルンとトロンボーンのフレーズ(ホルン独奏じゃないんですね、実は)など、忘れ難いし。一方、この第3楽章など、短い割にうっかりするといつ終わったかも気が付かないくらい。
でも、この演奏でのカラヤンとベルリン・フィルの第3楽章は、実に印象的なのです。穏やかに滑り出すこの楽章ですが、印象に残るのは、その演奏が実に喜ばしげに響くこと。快活、と言っていいと思います。多くの場合、この箇所は、そう楽しげには響かないのですが、ここでの演奏は、ブラームスらしい厚めの響きに伴われながら、実に心地よさげ。
そう、響きの良さはカラヤンの身上でしたっけ。そう思えば、不思議ではないのですが、それにしてもこの演奏はとりわけ響きの良さを感じさせます。この第3楽章だけでなく、第4楽章なども気分よく聞けます。カラヤン最後のなんたら、などという惹句は勿論売りになるけれど、それを捨象してもいい響きです。リマスターの勝利?まぁ、勿論そういうこともあるでしょうけど...
J.ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン (conduct)
TESTAMENT/ユニバーサルミュージック JSBT 8431
いやもう最近は本当に週1ペースくらいになってしまいました。心身共に忙しい、っていうんでしょうか、CDの話まで書く余裕がないというか......
ま、無理してもしょうがないんで放ってます。
にも拘らず、アクセス数は11万を越えたようです。済みませんねぇ、ろくに更新してないのに.......
閑話休題。
前回に引き続きブラームスです。交響曲の第1番。カップリングに、シェーンベルクの「浄夜」。カラヤン指揮、ベルリン・フィル、1988年ロンドンでの演奏会のライブ録音。BBCが録音していたのを、歴史的録音専門レーベル、TESTAMENTが制作したCDです。なんとまぁ、日本盤です。ユニバーサルミュージックからの販売ではあるといえ、解説からして日本語訳を最初からパッケージ化。カラヤンは人気があるから売れるだろう、という腹とはいえ.......って言いながら買ってるんだから世話無いですよね。
1988年という年代から分かる通り、カラヤン最晩年、最後のロンドンでの演奏会だそうです。しかし、カラヤン死後20年足らずにして、「歴史的録音」になってしまうとは。いや、20年は「歴史的」とするに十分な年月、なのでしょう。
ブラームスの1番は、これまでに結構聞いてきた曲ではあるのですが、今回聞いていてちょっと心惹かれたのは第3楽章。Un poco Allegretto e grazioso と題された、快活ではあるけれど、短い楽章ですが、これがいいのです。
この曲に関しては、どうしても第1楽章と第4楽章に意識が向いてしまいます。やはりこの両端楽章が長いし、音楽的にも重い。第4楽章の印象的なホルンとトロンボーンのフレーズ(ホルン独奏じゃないんですね、実は)など、忘れ難いし。一方、この第3楽章など、短い割にうっかりするといつ終わったかも気が付かないくらい。
でも、この演奏でのカラヤンとベルリン・フィルの第3楽章は、実に印象的なのです。穏やかに滑り出すこの楽章ですが、印象に残るのは、その演奏が実に喜ばしげに響くこと。快活、と言っていいと思います。多くの場合、この箇所は、そう楽しげには響かないのですが、ここでの演奏は、ブラームスらしい厚めの響きに伴われながら、実に心地よさげ。
そう、響きの良さはカラヤンの身上でしたっけ。そう思えば、不思議ではないのですが、それにしてもこの演奏はとりわけ響きの良さを感じさせます。この第3楽章だけでなく、第4楽章なども気分よく聞けます。カラヤン最後のなんたら、などという惹句は勿論売りになるけれど、それを捨象してもいい響きです。リマスターの勝利?まぁ、勿論そういうこともあるでしょうけど...
2008/11/18のBlog
[ 00:29 ]
[ クラシック ]
J.ブラームス:交響曲第2番ニ長調 op.73 / 交響曲第3番ヘ長調 op.90
ベルリン交響楽団
ギュンター・ヘルビッヒ (conduct)
ドイツ・シャルプラッテン/徳間ジャパン TKCC-15232
ブラームスの交響曲は、なんだかんだ言いながら結構聞いているような気がします。まぁ、間違いなくブルックナーよりは沢山聞いている。正直、ブルックナーは単調で.......展開もそうなんですが、響きとしてもブルックナーはやはり単調に感じます。あまり言われないことのように感じるのですが、ブラームスの方が、響きとしては遥かに複雑で玉虫色であるように思います。複雑だからえらいとは言わないけど、聞いていて面白いのは、やっぱりブラームスかな、と。以前も書いたような気がしますが、ブルックナーは生でどわーっと響きを楽しむ - 精妙さというより迫力ですね。タテノリ系の音楽に近いかも - のが正調かなぁ、と思うのであります。
なんてことを言いつつ、実は私が好きなブラームスは、より性格的にもはっきりしている1番と4番。ある意味、ブラームスらしいのは、2番や3番ではないかな、などと思いつつ、聞く回数はやはり1番と4番。
というわけで、でもないですが、たまにはとこのCDを引っ張り出して来ました。ヘルビッヒ指揮ベルリン響。我らが千円CDの開祖、徳間ジャパンによるドイツ・シャルプラッテンの音源。
2番と3番、久々に通して聞きましたが、どちらかと言えばここでも好きなのはよりはっきりした3番の方。うーん(笑) 第3楽章の、キャッチーと言いたくなるくらいメランコリックな音楽がやはり印象的です。そういえば、冒頭、第1楽章も見事に聞く者を掴んで離しませんしね。うーん。なんだかんだ言って、要はミーハー?(笑)
ただ、この綿々と綴られる音楽は、それでいてメランコリックな中にいろんな表情を垣間見せつつ、思いもよらぬ横顔を見せたりするあたりが、やはりよく出来ているのだよなぁ。転調しているのだけど、転調しているとは悟らせずに、「あれ?」とも思わせずに淡々と進んでいる、そんな音楽です。
そういえば、この2曲、どちらも長調なのですが、聞いていて全然そんな気がしないのですね。いや、言われれば長調なのだけど、そういう区分以前に「ブラームス的憂鬱」というかなんというか、な世界に突入しているのであります。それがまぁ楽しみでもあるわけですが、そういう意味では第4楽章ってつまらないかも知れません。一応決着つけちゃう訳ですから。決着付けなくても、とちょっと思ったりするのではあります。
ベルリン交響楽団とヘルビッヒの指揮に不満はありません。手堅い演奏はブラームスに合っております。
ベルリン交響楽団
ギュンター・ヘルビッヒ (conduct)
ドイツ・シャルプラッテン/徳間ジャパン TKCC-15232
ブラームスの交響曲は、なんだかんだ言いながら結構聞いているような気がします。まぁ、間違いなくブルックナーよりは沢山聞いている。正直、ブルックナーは単調で.......展開もそうなんですが、響きとしてもブルックナーはやはり単調に感じます。あまり言われないことのように感じるのですが、ブラームスの方が、響きとしては遥かに複雑で玉虫色であるように思います。複雑だからえらいとは言わないけど、聞いていて面白いのは、やっぱりブラームスかな、と。以前も書いたような気がしますが、ブルックナーは生でどわーっと響きを楽しむ - 精妙さというより迫力ですね。タテノリ系の音楽に近いかも - のが正調かなぁ、と思うのであります。
なんてことを言いつつ、実は私が好きなブラームスは、より性格的にもはっきりしている1番と4番。ある意味、ブラームスらしいのは、2番や3番ではないかな、などと思いつつ、聞く回数はやはり1番と4番。
というわけで、でもないですが、たまにはとこのCDを引っ張り出して来ました。ヘルビッヒ指揮ベルリン響。我らが千円CDの開祖、徳間ジャパンによるドイツ・シャルプラッテンの音源。
2番と3番、久々に通して聞きましたが、どちらかと言えばここでも好きなのはよりはっきりした3番の方。うーん(笑) 第3楽章の、キャッチーと言いたくなるくらいメランコリックな音楽がやはり印象的です。そういえば、冒頭、第1楽章も見事に聞く者を掴んで離しませんしね。うーん。なんだかんだ言って、要はミーハー?(笑)
ただ、この綿々と綴られる音楽は、それでいてメランコリックな中にいろんな表情を垣間見せつつ、思いもよらぬ横顔を見せたりするあたりが、やはりよく出来ているのだよなぁ。転調しているのだけど、転調しているとは悟らせずに、「あれ?」とも思わせずに淡々と進んでいる、そんな音楽です。
そういえば、この2曲、どちらも長調なのですが、聞いていて全然そんな気がしないのですね。いや、言われれば長調なのだけど、そういう区分以前に「ブラームス的憂鬱」というかなんというか、な世界に突入しているのであります。それがまぁ楽しみでもあるわけですが、そういう意味では第4楽章ってつまらないかも知れません。一応決着つけちゃう訳ですから。決着付けなくても、とちょっと思ったりするのではあります。
ベルリン交響楽団とヘルビッヒの指揮に不満はありません。手堅い演奏はブラームスに合っております。
2008/11/12のBlog
[ 01:19 ]
[ オペラ ]
A.Sullivan "The Yeomen of the Guard" (Highlights)
Robert Lloyd, Kurt Streit, Stafford Dean, Thomas Allen, Bryn Terfel,
Sylvia McNair, Jean Rigby, Anne Collins, Judith Howarth
Academy and Chorus of St. Martin in th Fields
Sir Neville Marriner (conduct)
PHILLIPS 442 436-2
いや、久々のエントリーです。出張やら何やらですっかり御無沙汰で...
アーサー・サリヴァン、というより、ギルバート&サリヴァン、というべきでしょう。19世紀後半に、英国で数々の、かなり癖のあるオペレッタを多数生み出したコンビです。が、その割にはあまり見掛けることはありません。
理由は幾つかありますが、やはり大きいのは、正直言ってそれほど結構なものではないということ。有り体に言えば他愛の無い、時にはバカバカしいストーリー、耳に聞こえのいい、という以上にはあまりインパクトのない音楽。
勿論、英語作品であることなどもあるとは思いますが、そもそも英語圏でもあまり上演されません。例えば、ロンドンには常設のオペラハウスがROH(王立歌劇場、コヴェント・ガーデン)とENO(イングリッシュ・ナショナル・オペラ)がありますが、ROHはもとよりENOでもギルバート&サリヴァンは殆ど上演されていません。そうはいっても、まるで上演されていない訳ではなくて、サボイ劇場というところで、今もミュージカルのように上演されています。実際、新聞などの劇場欄では、ミュージカル各種に混じって情報が掲載されていたりします。
一度、このサボイ・オペラを観に行ったことがあります。演目は「ミカド」。何故かニホンのエンペラーがチチプ(秩父。絹製品の産地として著名だったらしい)にいたりして、なんなんだこれは、と。舞台装置に日本語で書かれた垂れ幕があって、曰く「これが読めればあなたは日本人」........はぁ、さいでございますか.......
何故上演機会が少ないのか、分かるような気がします。
ああそれなのにそれなのに、根強くギルバート&サリバンは生き残っているのです。デッカやEMIには全集があるし、最近ではNAXOSでも録音があるようです。英語国民にとっては、やはり英語なので親しみやすいのと、幾ら毒にも薬にも、と言っても、聞けばそこそこ耳に楽しいのが理由だろうと思います。そう、そこそこ。あくまでそこそこ。だから、普通はキャスティングもそこそこ。というか、日本人からすれば「あんた誰?」というレベル。の筈ですが。
一体全体どういう経緯か、サー・ネヴィル・マリナーが、手兵のアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズを率いて録音しているのです。それも、全曲盤で。私が持ってるのはハイライト盤ですが....
歌手がまた、ロバート・ロイド、シルヴィア・マクネアー、ブリン・ターフェルにトーマス・アレン。なんだなんだこの豪華版キャストは(笑)
で、これくらいのキャストで演奏されると、さすがに面白いのです。そりゃ元々それほど手の込んだオペラではないですから、それ以上のものにはなりませんし、他愛無いのに変わりませんが、それなりに音楽的に面白いのです。内容がどうこうではないんですね。締まった演奏で、歌手が上手に歌えば、それなりに面白い、と、そういうことですね。
題名は「近衛騎兵隊」などと訳されるようですが、要は王宮なんかにいる近衛兵です。ちなみにこのオペレッタの舞台はロンドン塔だそうです。筋は......まぁ、調べて下さい(苦笑)Wikipediaなんかに粗筋が出てますし(少なくとも英語版あり)
Robert Lloyd, Kurt Streit, Stafford Dean, Thomas Allen, Bryn Terfel,
Sylvia McNair, Jean Rigby, Anne Collins, Judith Howarth
Academy and Chorus of St. Martin in th Fields
Sir Neville Marriner (conduct)
PHILLIPS 442 436-2
いや、久々のエントリーです。出張やら何やらですっかり御無沙汰で...
アーサー・サリヴァン、というより、ギルバート&サリヴァン、というべきでしょう。19世紀後半に、英国で数々の、かなり癖のあるオペレッタを多数生み出したコンビです。が、その割にはあまり見掛けることはありません。
理由は幾つかありますが、やはり大きいのは、正直言ってそれほど結構なものではないということ。有り体に言えば他愛の無い、時にはバカバカしいストーリー、耳に聞こえのいい、という以上にはあまりインパクトのない音楽。
勿論、英語作品であることなどもあるとは思いますが、そもそも英語圏でもあまり上演されません。例えば、ロンドンには常設のオペラハウスがROH(王立歌劇場、コヴェント・ガーデン)とENO(イングリッシュ・ナショナル・オペラ)がありますが、ROHはもとよりENOでもギルバート&サリヴァンは殆ど上演されていません。そうはいっても、まるで上演されていない訳ではなくて、サボイ劇場というところで、今もミュージカルのように上演されています。実際、新聞などの劇場欄では、ミュージカル各種に混じって情報が掲載されていたりします。
一度、このサボイ・オペラを観に行ったことがあります。演目は「ミカド」。何故かニホンのエンペラーがチチプ(秩父。絹製品の産地として著名だったらしい)にいたりして、なんなんだこれは、と。舞台装置に日本語で書かれた垂れ幕があって、曰く「これが読めればあなたは日本人」........はぁ、さいでございますか.......
何故上演機会が少ないのか、分かるような気がします。
ああそれなのにそれなのに、根強くギルバート&サリバンは生き残っているのです。デッカやEMIには全集があるし、最近ではNAXOSでも録音があるようです。英語国民にとっては、やはり英語なので親しみやすいのと、幾ら毒にも薬にも、と言っても、聞けばそこそこ耳に楽しいのが理由だろうと思います。そう、そこそこ。あくまでそこそこ。だから、普通はキャスティングもそこそこ。というか、日本人からすれば「あんた誰?」というレベル。の筈ですが。
一体全体どういう経緯か、サー・ネヴィル・マリナーが、手兵のアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズを率いて録音しているのです。それも、全曲盤で。私が持ってるのはハイライト盤ですが....
歌手がまた、ロバート・ロイド、シルヴィア・マクネアー、ブリン・ターフェルにトーマス・アレン。なんだなんだこの豪華版キャストは(笑)
で、これくらいのキャストで演奏されると、さすがに面白いのです。そりゃ元々それほど手の込んだオペラではないですから、それ以上のものにはなりませんし、他愛無いのに変わりませんが、それなりに音楽的に面白いのです。内容がどうこうではないんですね。締まった演奏で、歌手が上手に歌えば、それなりに面白い、と、そういうことですね。
題名は「近衛騎兵隊」などと訳されるようですが、要は王宮なんかにいる近衛兵です。ちなみにこのオペレッタの舞台はロンドン塔だそうです。筋は......まぁ、調べて下さい(苦笑)Wikipediaなんかに粗筋が出てますし(少なくとも英語版あり)
2008/10/26のBlog
[ 22:55 ]
[ 歌曲 ]
Peter Cornelius : Weihnachtslieder op.8 no.1-6 / Vaterunser op.2
Hugo Wolf : Auf ein altes Bild / Schlafendes Jesuskind
Hermann Prey (bariton)
Leonard Hokanson (piano)
Deutsche Grammophon 477 7969
忙しい、という暇もなく忙しいのであります。
いや、遊んではいるのですが、blog書いてる余裕が無いと言うか...........よく言えば公私が切り分けられているけど、私の時間が足りない?うーむ、そう言っていいのかどうか........
で、CDも聞いてはいるけど、blogにするような内容でなし、或いはblogに書けない、大した内容にならない、というのが最近の状況です。まぁ、そう言ってる一方では、あれこれやってるんだから、「書く気が起きない」ということなのでしょう。そういう時期もあるさ、と。
というわけで、ゆるゆると書いてみるのであります。以上、言い訳ですね
ヘルマン・プライは何度か取り上げていると思いますが、御存知の通り名バリトンであります。ドイツリートの領域で多くの録音を残していますが、「これなぁに?」というようなものも含めて結構録音しているのであります。
ペーター・コルネリウス。1824年生まれ、1874年没。時期的にはドイツ・ロマン派まっただ中の人で、実際作風もその通りと言えばその通りですが、基本的には声楽の人、です。歌曲の作品が多いけれど、決してメジャーな作曲家ではないでしょう。その中から選ばれた宗教的な歌曲集2つに、ヴォルフの幼少のキリストに関連した歌曲2つを収めた録音です。
でも、正直言うと、よく知らないんですよね。何せ、このCD、輸入盤だから対訳はともかく、原語の歌詞もついてない。
まぁ、多分、聞けば分かるでしょ?ということなのかな、と。ドイツ語圏の人しか買わないでしょ?で、分かるでしょ?歌詞は....ということなのか。或いは、そもそも、こういうの、説明要らないでしょ?ということなのか。
まぁ、聞き方としては後者なんですが。でも、確かに、そんな感じで聞いていて、取り敢えず楽しめてしまうのではあります。というか、難しいこと考えられないというか。
コルネリウスの歌曲集、前半はその名の通りクリスマスの歌曲集。一方、後半は、クリスマスと直接関係はしないのですが、聖歌のメロディに基づいた歌曲集。どちらも落ち着いた感じのいい曲集ですが、どちらかというと、後者の方が荘重な感じでしょうか。前者は、やはり宗教的な中にもクリスマス、という感じのほの明るさがあるかな、と。
それを雰囲気よく歌い上げるのがプライであります。やはり、この声はいいなぁ。言ってしまえば「暖かみの感じられる云々」みたいなことになりますが、やはりこの深みのある柔らかい声はいいなぁ。
ちょっと日本人的な感覚での「クリスマスソング」ではないですね。プライには、もっとポピュラーな歌を集めたDVDもありますが、実際のキリスト教に裏打ちされたクリスマスの歌、というのは、こういう感じなのだろうなと思うのです。
1971年の録音。初CD化なんだそうです。
Hugo Wolf : Auf ein altes Bild / Schlafendes Jesuskind
Hermann Prey (bariton)
Leonard Hokanson (piano)
Deutsche Grammophon 477 7969
忙しい、という暇もなく忙しいのであります。
いや、遊んではいるのですが、blog書いてる余裕が無いと言うか...........よく言えば公私が切り分けられているけど、私の時間が足りない?うーむ、そう言っていいのかどうか........
で、CDも聞いてはいるけど、blogにするような内容でなし、或いはblogに書けない、大した内容にならない、というのが最近の状況です。まぁ、そう言ってる一方では、あれこれやってるんだから、「書く気が起きない」ということなのでしょう。そういう時期もあるさ、と。
というわけで、ゆるゆると書いてみるのであります。以上、言い訳ですね
ヘルマン・プライは何度か取り上げていると思いますが、御存知の通り名バリトンであります。ドイツリートの領域で多くの録音を残していますが、「これなぁに?」というようなものも含めて結構録音しているのであります。
ペーター・コルネリウス。1824年生まれ、1874年没。時期的にはドイツ・ロマン派まっただ中の人で、実際作風もその通りと言えばその通りですが、基本的には声楽の人、です。歌曲の作品が多いけれど、決してメジャーな作曲家ではないでしょう。その中から選ばれた宗教的な歌曲集2つに、ヴォルフの幼少のキリストに関連した歌曲2つを収めた録音です。
でも、正直言うと、よく知らないんですよね。何せ、このCD、輸入盤だから対訳はともかく、原語の歌詞もついてない。
まぁ、多分、聞けば分かるでしょ?ということなのかな、と。ドイツ語圏の人しか買わないでしょ?で、分かるでしょ?歌詞は....ということなのか。或いは、そもそも、こういうの、説明要らないでしょ?ということなのか。
まぁ、聞き方としては後者なんですが。でも、確かに、そんな感じで聞いていて、取り敢えず楽しめてしまうのではあります。というか、難しいこと考えられないというか。
コルネリウスの歌曲集、前半はその名の通りクリスマスの歌曲集。一方、後半は、クリスマスと直接関係はしないのですが、聖歌のメロディに基づいた歌曲集。どちらも落ち着いた感じのいい曲集ですが、どちらかというと、後者の方が荘重な感じでしょうか。前者は、やはり宗教的な中にもクリスマス、という感じのほの明るさがあるかな、と。
それを雰囲気よく歌い上げるのがプライであります。やはり、この声はいいなぁ。言ってしまえば「暖かみの感じられる云々」みたいなことになりますが、やはりこの深みのある柔らかい声はいいなぁ。
ちょっと日本人的な感覚での「クリスマスソング」ではないですね。プライには、もっとポピュラーな歌を集めたDVDもありますが、実際のキリスト教に裏打ちされたクリスマスの歌、というのは、こういう感じなのだろうなと思うのです。
1971年の録音。初CD化なんだそうです。
2008/10/25のBlog
[ 12:33 ]
音楽の話じゃないんですけどね。
出掛けなので、簡単に。
HMVからメンバー宛のニュースメールが届きました。来年1月半ばから、ポイントシステムを大幅に変更するとのこと。
従来、500円1ポイント、50ポイント=1000円か100ポイント=2500円としていたのを、100円=1ポイント、1ポイント=1円で随時利用可能、とのこと。
言い換えると、従来、通常で最大5%還元だったものを、1%に引き下げるということ。
5%というのは、ルールはそれぞれながら、タワーレコードと、山野楽器、新星堂あたりの還元率と同等です。そこからの大幅離脱。
これは、年間2万5千円(で4%)も消費しないお客の方がHMVにとっては多い、ということでしょうか。しかし、なぁ.......
これが本当なら、タワーレコードの出方次第ですが、HMVで買う率は低くなるだろうな。その分、実売価格を引き下げてくれれば問題は無いけど、まぁ、そういう話じゃないんだろうし。
出掛けなので、簡単に。
HMVからメンバー宛のニュースメールが届きました。来年1月半ばから、ポイントシステムを大幅に変更するとのこと。
従来、500円1ポイント、50ポイント=1000円か100ポイント=2500円としていたのを、100円=1ポイント、1ポイント=1円で随時利用可能、とのこと。
言い換えると、従来、通常で最大5%還元だったものを、1%に引き下げるということ。
5%というのは、ルールはそれぞれながら、タワーレコードと、山野楽器、新星堂あたりの還元率と同等です。そこからの大幅離脱。
これは、年間2万5千円(で4%)も消費しないお客の方がHMVにとっては多い、ということでしょうか。しかし、なぁ.......
これが本当なら、タワーレコードの出方次第ですが、HMVで買う率は低くなるだろうな。その分、実売価格を引き下げてくれれば問題は無いけど、まぁ、そういう話じゃないんだろうし。
2008/10/17のBlog
[ 00:50 ]
[ クラシック ]
W.A.モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466 / ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330 / デュポールの主題による9つの変奏曲 ニ長調 K.573
クララ・ハスキル (piano)
ウィーン交響楽団
ベルンハルト・パウムガルトナー (conduct)
PHILIPS/ユニバーサルクラシックス&ジャズ UCCP-3430
ハスキルのモーツァルトをこのところ聞いています。
もう半世紀前のピアニストですが、結構好きなピアニストであります。でも、調べてみたら、時折言及してはいたものの、取り上げたのは2回だけしかありませんでした。うーん、こんなものだったかなぁ.......
今回のは、割合最近出直したCDです。モーツァルトものを集めたコンピレーションで、協奏曲20番とピアノソナタ10番、それに、デュポールの主題による変奏曲。パウムガルトナー指揮、ウィーン響の協奏曲もいいのですが、気に入って聞いているのはピアノソナタの方。
1954年の、勿論モノラル録音だから、音質は決してよくはないですが、まぁ一応聞くに耐えるレベルではあります。
この演奏に限らないのではと思うのですが、ハスキルの演奏は透明度、というより純度が高いというか、外連味や芝居がかった所があまりありません。勿論、音楽そのものがそのように書かれていれば、それなりの演奏になってはいますが、余計なものがついて来ない、そういう演奏です。
つまらないわけではないし、ストイックというのとも違う。冷たい訳でも、暖かみがあるとかいうのとも違う。「余計なものが無い」「シンプル」。そんな表現が合うなぁ......と思いつつ、以前シューマンとラヴェルで書いた表現を調べたら......「品がいい」「清潔感がある」「端正」。うん、そんな感じです。ハイ。
昔、ウィスキーの広告で、「何も足さない、何も引かない」ってのがありましたが、うん、そんな感じだなぁ。
多分、この辺が、今に至るまで聞くに耐える演奏である所以では無いかと思っています。いいモーツァルトの演奏は他にも沢山あるけれど、こんな風に、高いレベルの技術と、シンプルさとを兼ね備えて、面白く聞かせる演奏、というのはそう多くはないと思います。それはモーツァルト以外の演奏にも言えることなのですが。
K.330の演奏は、グールドなど印象的なものが多いですが、シンプルで、でも音楽性があって、バランスよくかつ飽きずに聞ける、となると、決して多くはないと思います。モーツァルトだとヘブラーあたりが一番近いですが、シンプルで端正な点ではやはりハスキルの演奏は抜きん出ています。正直、時期的に近いとはいえ、リリー・クラウスなど、品の良さでは足下にも及ばない。いっそ孤高とすら言いたくなる、ハスキルの演奏であります。
ところで面白いのは、このCDのメインとも言える協奏曲のカデンツァ。ハスキルの弾くカデンツァ、誰のものか分かりませんが、これがモダンで実に面白い。恐らくはハスキル自身か、親交のあったリパッティあたりのものではないかな、と思うのですが、「シンプル」で「端正」で「清潔感がある」「品のいい」ハスキルの、実はいっそ攻撃的とも言える、もう一つの面を垣間見る思いであります。
ちなみにこのCDのライナーを書いているのが、一部で人気のある某評論家ですが、この第1楽章についてはなーんにも特別なことは書いていません。こういう時こそきちんと解説やなにかで、どういう素性か書いておいて欲しいのに.....使えないなぁ、相変わらず。取り巻きと本出してる場合じゃないぞ。
クララ・ハスキル (piano)
ウィーン交響楽団
ベルンハルト・パウムガルトナー (conduct)
PHILIPS/ユニバーサルクラシックス&ジャズ UCCP-3430
ハスキルのモーツァルトをこのところ聞いています。
もう半世紀前のピアニストですが、結構好きなピアニストであります。でも、調べてみたら、時折言及してはいたものの、取り上げたのは2回だけしかありませんでした。うーん、こんなものだったかなぁ.......
今回のは、割合最近出直したCDです。モーツァルトものを集めたコンピレーションで、協奏曲20番とピアノソナタ10番、それに、デュポールの主題による変奏曲。パウムガルトナー指揮、ウィーン響の協奏曲もいいのですが、気に入って聞いているのはピアノソナタの方。
1954年の、勿論モノラル録音だから、音質は決してよくはないですが、まぁ一応聞くに耐えるレベルではあります。
この演奏に限らないのではと思うのですが、ハスキルの演奏は透明度、というより純度が高いというか、外連味や芝居がかった所があまりありません。勿論、音楽そのものがそのように書かれていれば、それなりの演奏になってはいますが、余計なものがついて来ない、そういう演奏です。
つまらないわけではないし、ストイックというのとも違う。冷たい訳でも、暖かみがあるとかいうのとも違う。「余計なものが無い」「シンプル」。そんな表現が合うなぁ......と思いつつ、以前シューマンとラヴェルで書いた表現を調べたら......「品がいい」「清潔感がある」「端正」。うん、そんな感じです。ハイ。
昔、ウィスキーの広告で、「何も足さない、何も引かない」ってのがありましたが、うん、そんな感じだなぁ。
多分、この辺が、今に至るまで聞くに耐える演奏である所以では無いかと思っています。いいモーツァルトの演奏は他にも沢山あるけれど、こんな風に、高いレベルの技術と、シンプルさとを兼ね備えて、面白く聞かせる演奏、というのはそう多くはないと思います。それはモーツァルト以外の演奏にも言えることなのですが。
K.330の演奏は、グールドなど印象的なものが多いですが、シンプルで、でも音楽性があって、バランスよくかつ飽きずに聞ける、となると、決して多くはないと思います。モーツァルトだとヘブラーあたりが一番近いですが、シンプルで端正な点ではやはりハスキルの演奏は抜きん出ています。正直、時期的に近いとはいえ、リリー・クラウスなど、品の良さでは足下にも及ばない。いっそ孤高とすら言いたくなる、ハスキルの演奏であります。
ところで面白いのは、このCDのメインとも言える協奏曲のカデンツァ。ハスキルの弾くカデンツァ、誰のものか分かりませんが、これがモダンで実に面白い。恐らくはハスキル自身か、親交のあったリパッティあたりのものではないかな、と思うのですが、「シンプル」で「端正」で「清潔感がある」「品のいい」ハスキルの、実はいっそ攻撃的とも言える、もう一つの面を垣間見る思いであります。
ちなみにこのCDのライナーを書いているのが、一部で人気のある某評論家ですが、この第1楽章についてはなーんにも特別なことは書いていません。こういう時こそきちんと解説やなにかで、どういう素性か書いておいて欲しいのに.....使えないなぁ、相変わらず。取り巻きと本出してる場合じゃないぞ。
2008/10/12のBlog
[ 10:15 ]
[ 車外(?)で音楽 ]
東シリア教会 エジプト・カルデア主教の典礼歌
ネストリウス・カルデア教会司教ペデ (歌、朗読)
SEVEN SEAS KICC-5708
グレゴリオじゃない聖歌については、これまでにも何度か取り上げて来ました。とはいえ、ミラノのアンブロジウス聖歌とかは、まぁ一応西欧の聖歌の伝統の中に居ますから、それほど違和感はないのですが、ここまで来るともうレコード屋でもクラシックの棚には置かれていません。ワールドミュージックの棚に置かれます。そもそもこのCDのシリーズ自体が「世界宗教音楽ライブラリー」の一環ですし....
エジプト・カイロのカルデア教会に伝わる、東シリア教会の聖歌を録音したものです。1977年の録音。
この東シリア教会、ネストリウス派なんだそうです。そう、異端として5世紀に断罪され、キリスト教の主流派(カソリックと正教会、それに後ではプロテスタントも)からは排斥されながら、後には景教として中国にまで伝わったとされる、ネストリウス派。東方では後年まで残り、今に至る、ということのようです。
では、この典礼歌が往時の景教の姿を伝えているかというと、それはよく分からないのですが、まぁこの録音を聞く限りでは、朗唱の仕方、旋法などを聞く限りでは、どちらかというとイスラム圏のコーランの朗唱などを連想します。元々、グレゴリオ聖歌などの西方聖歌にしても、実は結構イスラム圏の音楽を連想させるような面はあるのだし、不思議じゃないですが。
多分、あれこれ似てるの似ていないのと比べるよりは、むしろ、西方諸教会とは異なる、けれど現代に生きるキリスト教の一つとして、現実の有り姿をそのまま受け止める、という方が自然なのでしょう。
と言っているこの聖歌ですが、確かに我々が「キリスト教の聖歌」として連想するものからは少々、いやかなり変わっています。
まず、一般の聖歌のイメージとは違って、司教が単独で歌っている。普通、聖歌というのは、典礼の際に歌われるので、集まった人々によって歌われるのが一般ですが、ここでは独唱になってます。これは、ただ、諸事情により、という可能性もあるので、一概には言えないのですが。
ともあれその結果、非常にクリアに旋律が聞こえます。独特の中東風の旋法と相俟って、中近東の民謡、と言われても騙されてしまいそう。実際、歌われてるのはアラム語のようですから、歌詞を聞いて「これは聖歌だな」なんて分かる筈も無く.....
そんなの聞いて面白いの?と言われると、ちょっと困ってしまいますが、まぁ、でも、面白いです。どう言うんでしょうか。こちらの想像力を刺激されると言うか、そんな面白さ、ですね。これに限らず、民族音楽の類いの面白さの一つは、そういうところにあるんじゃないかなと思います。
いや、クラシック音楽だって、結構そういう面はあると思いますし。
ネストリウス・カルデア教会司教ペデ (歌、朗読)
SEVEN SEAS KICC-5708
グレゴリオじゃない聖歌については、これまでにも何度か取り上げて来ました。とはいえ、ミラノのアンブロジウス聖歌とかは、まぁ一応西欧の聖歌の伝統の中に居ますから、それほど違和感はないのですが、ここまで来るともうレコード屋でもクラシックの棚には置かれていません。ワールドミュージックの棚に置かれます。そもそもこのCDのシリーズ自体が「世界宗教音楽ライブラリー」の一環ですし....
エジプト・カイロのカルデア教会に伝わる、東シリア教会の聖歌を録音したものです。1977年の録音。
この東シリア教会、ネストリウス派なんだそうです。そう、異端として5世紀に断罪され、キリスト教の主流派(カソリックと正教会、それに後ではプロテスタントも)からは排斥されながら、後には景教として中国にまで伝わったとされる、ネストリウス派。東方では後年まで残り、今に至る、ということのようです。
では、この典礼歌が往時の景教の姿を伝えているかというと、それはよく分からないのですが、まぁこの録音を聞く限りでは、朗唱の仕方、旋法などを聞く限りでは、どちらかというとイスラム圏のコーランの朗唱などを連想します。元々、グレゴリオ聖歌などの西方聖歌にしても、実は結構イスラム圏の音楽を連想させるような面はあるのだし、不思議じゃないですが。
多分、あれこれ似てるの似ていないのと比べるよりは、むしろ、西方諸教会とは異なる、けれど現代に生きるキリスト教の一つとして、現実の有り姿をそのまま受け止める、という方が自然なのでしょう。
と言っているこの聖歌ですが、確かに我々が「キリスト教の聖歌」として連想するものからは少々、いやかなり変わっています。
まず、一般の聖歌のイメージとは違って、司教が単独で歌っている。普通、聖歌というのは、典礼の際に歌われるので、集まった人々によって歌われるのが一般ですが、ここでは独唱になってます。これは、ただ、諸事情により、という可能性もあるので、一概には言えないのですが。
ともあれその結果、非常にクリアに旋律が聞こえます。独特の中東風の旋法と相俟って、中近東の民謡、と言われても騙されてしまいそう。実際、歌われてるのはアラム語のようですから、歌詞を聞いて「これは聖歌だな」なんて分かる筈も無く.....
そんなの聞いて面白いの?と言われると、ちょっと困ってしまいますが、まぁ、でも、面白いです。どう言うんでしょうか。こちらの想像力を刺激されると言うか、そんな面白さ、ですね。これに限らず、民族音楽の類いの面白さの一つは、そういうところにあるんじゃないかなと思います。
いや、クラシック音楽だって、結構そういう面はあると思いますし。
2008/10/11のBlog
[ 02:16 ]
[ クラシック ]
Baltic Voices 2(SISASK, TULEV, NORGARD, GRIGORJEVA, SCHNITTKE)
Estonian Philharmonic Chamber Choir
Paul Hillier (conduct)
Harmonia Mundi USA HMU 907331
明日の夜までは仕事をしない事にしました。つまりその後は仕事......
三連休ってなんですか?('-' )?
このところ聞いていたのがこのCD。バルチック・ヴォイス。バルチックと聞くとついつい対馬沖会戦でT字戦法で皇国の興廃この一戦にあり云々みたいな連想をしてしまうのであります。バルト海のことなんですけどね。
取り上げられている曲は、いずれもバルト海沿岸諸国の現代作曲家の作品です。デンマークをバルト沿岸とするのは若干違和感がありますが、面しているのは確か。
そう、このCDはバリバリの現代音楽。ただ、不思議な事に「現代曲!」という感じの違和感はあまりありません。いや、不思議な感じの音楽ではあるのですが、不協和音の筈なんだけど、不協和に聞こえない.......
勿論、北欧・旧ソ連系の現代作曲家の系譜に、協和するけれど不思議な音楽、というのを指向しているような流派があるのは確かです。それに、例えばシュニトケなんか、結構「現代音楽」してる人なのですが、ここでは3つの讃美歌が取り上げられていて、決して単純では無いけれど、耳を覆いたくなるような音楽、というわけではない。
けれど、この録音がある種「聞きやすいもの」になっているもう一つの理由は、やはりこれが合唱曲だから、ということがあるのだと思います。やっぱり、人の声というのは、ある程度揃うと、本来音程的に不協和であっても、それなりに聞きやすくなってしまう要素があるのでしょうか。或いは、合唱団の能力の高さ故、協和する音程に無意識的に調整してしまうのでしょうか。
北欧系の合唱団は、最近面白いところが多くて、曲としても演奏としても、聞けば聞いたなりの発見が必ずあるように思います。発見が無くても、面白くないということがない、というか。
余談ですが、日本の合唱はもう一つ面白くないですね。あれは、曲の選択もあると思いますし、日本語の特色のせいか、子音がどうしても目立ってしまうので、綺麗に歌うのが難しいのではないかという気がします。実際、日本語の歌詞で、音楽的に綺麗に歌っている合唱団というのは、少なからず日本語らしからぬ雰囲気の発音になってたりしますから。
いや、むしろ、このエストニア・フィルハーモニー室内合唱団など、北欧系の合唱団達の演奏が飛び抜けて素晴らしいのでしょう。本当に、こうした合唱団の合唱精度というのは驚くほど。同じ人数の器楽アンサンブルなんか、絶対こうはいかないよな、と思わされます。その上で、とても綺麗な音 - 声、と言うべきかな? - を聞かせるのですから。
本当は、こういうの、車の中で聞くのは勿体無いんですけども。でもまぁ、結局一番長く音楽聞いてるのは車の中だったりするので、仕方無いですね。
Estonian Philharmonic Chamber Choir
Paul Hillier (conduct)
Harmonia Mundi USA HMU 907331
明日の夜までは仕事をしない事にしました。つまりその後は仕事......
三連休ってなんですか?('-' )?
このところ聞いていたのがこのCD。バルチック・ヴォイス。バルチックと聞くとついつい対馬沖会戦でT字戦法で皇国の興廃この一戦にあり云々みたいな連想をしてしまうのであります。バルト海のことなんですけどね。
取り上げられている曲は、いずれもバルト海沿岸諸国の現代作曲家の作品です。デンマークをバルト沿岸とするのは若干違和感がありますが、面しているのは確か。
そう、このCDはバリバリの現代音楽。ただ、不思議な事に「現代曲!」という感じの違和感はあまりありません。いや、不思議な感じの音楽ではあるのですが、不協和音の筈なんだけど、不協和に聞こえない.......
勿論、北欧・旧ソ連系の現代作曲家の系譜に、協和するけれど不思議な音楽、というのを指向しているような流派があるのは確かです。それに、例えばシュニトケなんか、結構「現代音楽」してる人なのですが、ここでは3つの讃美歌が取り上げられていて、決して単純では無いけれど、耳を覆いたくなるような音楽、というわけではない。
けれど、この録音がある種「聞きやすいもの」になっているもう一つの理由は、やはりこれが合唱曲だから、ということがあるのだと思います。やっぱり、人の声というのは、ある程度揃うと、本来音程的に不協和であっても、それなりに聞きやすくなってしまう要素があるのでしょうか。或いは、合唱団の能力の高さ故、協和する音程に無意識的に調整してしまうのでしょうか。
北欧系の合唱団は、最近面白いところが多くて、曲としても演奏としても、聞けば聞いたなりの発見が必ずあるように思います。発見が無くても、面白くないということがない、というか。
余談ですが、日本の合唱はもう一つ面白くないですね。あれは、曲の選択もあると思いますし、日本語の特色のせいか、子音がどうしても目立ってしまうので、綺麗に歌うのが難しいのではないかという気がします。実際、日本語の歌詞で、音楽的に綺麗に歌っている合唱団というのは、少なからず日本語らしからぬ雰囲気の発音になってたりしますから。
いや、むしろ、このエストニア・フィルハーモニー室内合唱団など、北欧系の合唱団達の演奏が飛び抜けて素晴らしいのでしょう。本当に、こうした合唱団の合唱精度というのは驚くほど。同じ人数の器楽アンサンブルなんか、絶対こうはいかないよな、と思わされます。その上で、とても綺麗な音 - 声、と言うべきかな? - を聞かせるのですから。
本当は、こういうの、車の中で聞くのは勿体無いんですけども。でもまぁ、結局一番長く音楽聞いてるのは車の中だったりするので、仕方無いですね。
2008/10/07のBlog
[ 01:27 ]
[ 車で音楽 ]
竹内まりや:リクエスト
アルファ・ムーン 32XM-46
前にも取り上げましたが、竹内まりやと山下達郎は結構好きなのであります。筋金入りです。まだワーナーになる前のCDですからね。リアルタイムです。
こないだ、ベスト盤が新しく出たのですが、ここに挙げた「リクエスト」からも何曲か入っております。中にはあの「元気を出して」(バックコーラスが薬師丸ひろ子!)も入ってる。でも、この曲が入ってないな.....まぁ仕方無いか、と思いつつ、引っ張り出して来ました。
この曲、アルバムの9曲目に入ってますが、思うに竹内まりやにしては珍しい歌であります。アップテンポの割に4分の1くらいやさぐれているというか、前向きで投げやりというか。最初期の竹内まりやには、確かにこういう感じもちょっとあったけど、この微妙にダルな感じはちょっと他にはないんじゃないかな。
で、ちっともスタイリッシュじゃない。これより後の竹内まりやって、本当にスタイリッシュで、そう言っちゃ失礼ですが「私はファッションに溺れているわけではないのよ」というファッションを体現するような雑誌に出て来そうな(ややこしい喩えだ)雰囲気を持ってますが、このアルバムあたりまでは、そんなにスタイリッシュじゃなかった。でも、その中でも、この曲、ちょっと異色ではないかと。
いい事だけを信じてるうちに
すべてを許せる自分に会える いつか
あんなに愛した人も 愛してくれた人も
振り向けば ただの幻
敢えて言えば山下達郎の好きな、アメリカンポップスの雰囲気があり、でもあっけらかんとした蔭があり、というような。前向きに投げやり。後ろ向きに前向き。さよならだけが人生さ♪みたいな感じで。でも、そうだよなぁ、人生って、歳取る毎にそうだよなぁ、みたいな気分になってしまうのであります。
アルファ・ムーン 32XM-46
前にも取り上げましたが、竹内まりやと山下達郎は結構好きなのであります。筋金入りです。まだワーナーになる前のCDですからね。リアルタイムです。
こないだ、ベスト盤が新しく出たのですが、ここに挙げた「リクエスト」からも何曲か入っております。中にはあの「元気を出して」(バックコーラスが薬師丸ひろ子!)も入ってる。でも、この曲が入ってないな.....まぁ仕方無いか、と思いつつ、引っ張り出して来ました。
この曲、アルバムの9曲目に入ってますが、思うに竹内まりやにしては珍しい歌であります。アップテンポの割に4分の1くらいやさぐれているというか、前向きで投げやりというか。最初期の竹内まりやには、確かにこういう感じもちょっとあったけど、この微妙にダルな感じはちょっと他にはないんじゃないかな。
で、ちっともスタイリッシュじゃない。これより後の竹内まりやって、本当にスタイリッシュで、そう言っちゃ失礼ですが「私はファッションに溺れているわけではないのよ」というファッションを体現するような雑誌に出て来そうな(ややこしい喩えだ)雰囲気を持ってますが、このアルバムあたりまでは、そんなにスタイリッシュじゃなかった。でも、その中でも、この曲、ちょっと異色ではないかと。
いい事だけを信じてるうちに
すべてを許せる自分に会える いつか
あんなに愛した人も 愛してくれた人も
振り向けば ただの幻
敢えて言えば山下達郎の好きな、アメリカンポップスの雰囲気があり、でもあっけらかんとした蔭があり、というような。前向きに投げやり。後ろ向きに前向き。さよならだけが人生さ♪みたいな感じで。でも、そうだよなぁ、人生って、歳取る毎にそうだよなぁ、みたいな気分になってしまうのであります。
2008/10/05のBlog
[ 02:56 ]
[ ラ・フォル・ジュルネ09:バッハ ]
J.S.Bach:Cantatas Vol.21
BWV100/200/177/195/140/34/143/158/197/97/118/191
Sandrine Piau, Johannette, Caroline Stam (soprano)
Bogna Bartosz, Annette Market (alt)
James Gilchrist, Paul Agnew, Christoph Pregardien, Joerg Duermueller (tenor)
Klaus Mertens (bass)
The Amsterdam Baroque Orchestra / Choir
Ton Koopman (comduct)
Antoine Marchand CC72221
最近、更新をしてませんでした。書くの久々だぁ.....
バッハのカンタータ集は、実は最近進行中の全集録音が幾つかあります。BCJ、ガーディナー、そして先年完結しているコープマン。コープマンのは完結したんだけど、マイナーレーベルで、決してお手頃価格でもない、ということもあって、今一つ認知度は高くないような気がします。
今日は、そのコープマンの録音から。私の大好きな曲の一つ、BWV140、Wachet auf, ruft uns die Stimme "目覚めよ、と呼ぶ物見らの声" を。
コープマン指揮のアムステルダム・バロック・オーケストラは、勿論古楽器の演奏です。概して速めのテンポ、跳ねるようなリズム感、タイトな合奏。よく言えばメリハリのある演奏、ということですが、やはり、改めて聞くと違和感は感じます。何せこちらは、バッハの声楽曲と言えば、まだリヒターの指揮で聞いて来た世代です。オルガン独奏で、更にはピアノへの編曲で有名なコラールも、リヒターらのゆったりとたゆたうような演奏に比べると、何をそんなにせかせかと、という感じ。落ち着かないなぁ(笑)
合唱などは、そう変わっている訳ではないですが、独唱陣の歌い方は、やはり昔の録音に比べると違います。実際、コープマンのこのシリーズの録音は、この手の最近の録音の中でも別格級に先鋭的。例えばアーノンクールがかつて残した演奏などと比べても、違いは一目瞭然。まぁ、流石と言えば流石なのですが。
でも、私のようにリヒターに親しんで来たような人間にとっては、このギャップが楽しみの源泉でもあります。実際、コープマンのは全集で持ってる訳ではないのですが、幾つか持っているものを聞く楽しみは、やはりこのギャップにあります。全体的に言って、どちらを好むか?と問われれば、やはりリヒター盤とかの方が隙かなぁ、などと思ったりするのではありますが、時にはメリハリのはっきりついたコープマンなんかの録音もいいものです。
この全集録音、確かタワーあたりなら12万円とか、そんな感じだったような気が。ちょっと高過ぎるなぁ。取り敢えずの手持ち分で十分楽しめます。
BWV100/200/177/195/140/34/143/158/197/97/118/191
Sandrine Piau, Johannette, Caroline Stam (soprano)
Bogna Bartosz, Annette Market (alt)
James Gilchrist, Paul Agnew, Christoph Pregardien, Joerg Duermueller (tenor)
Klaus Mertens (bass)
The Amsterdam Baroque Orchestra / Choir
Ton Koopman (comduct)
Antoine Marchand CC72221
最近、更新をしてませんでした。書くの久々だぁ.....
バッハのカンタータ集は、実は最近進行中の全集録音が幾つかあります。BCJ、ガーディナー、そして先年完結しているコープマン。コープマンのは完結したんだけど、マイナーレーベルで、決してお手頃価格でもない、ということもあって、今一つ認知度は高くないような気がします。
今日は、そのコープマンの録音から。私の大好きな曲の一つ、BWV140、Wachet auf, ruft uns die Stimme "目覚めよ、と呼ぶ物見らの声" を。
コープマン指揮のアムステルダム・バロック・オーケストラは、勿論古楽器の演奏です。概して速めのテンポ、跳ねるようなリズム感、タイトな合奏。よく言えばメリハリのある演奏、ということですが、やはり、改めて聞くと違和感は感じます。何せこちらは、バッハの声楽曲と言えば、まだリヒターの指揮で聞いて来た世代です。オルガン独奏で、更にはピアノへの編曲で有名なコラールも、リヒターらのゆったりとたゆたうような演奏に比べると、何をそんなにせかせかと、という感じ。落ち着かないなぁ(笑)
合唱などは、そう変わっている訳ではないですが、独唱陣の歌い方は、やはり昔の録音に比べると違います。実際、コープマンのこのシリーズの録音は、この手の最近の録音の中でも別格級に先鋭的。例えばアーノンクールがかつて残した演奏などと比べても、違いは一目瞭然。まぁ、流石と言えば流石なのですが。
でも、私のようにリヒターに親しんで来たような人間にとっては、このギャップが楽しみの源泉でもあります。実際、コープマンのは全集で持ってる訳ではないのですが、幾つか持っているものを聞く楽しみは、やはりこのギャップにあります。全体的に言って、どちらを好むか?と問われれば、やはりリヒター盤とかの方が隙かなぁ、などと思ったりするのではありますが、時にはメリハリのはっきりついたコープマンなんかの録音もいいものです。
この全集録音、確かタワーあたりなら12万円とか、そんな感じだったような気が。ちょっと高過ぎるなぁ。取り敢えずの手持ち分で十分楽しめます。
2008/09/27のBlog
[ 01:28 ]
[ オペラ ]
G.Verdi : Il Trovatore
Julia Varady (soprano)
Stefania Toczyska (mezzo-soprano)
Dennis O'Neill (tenor)
Wolfgang Brendel (bariton), etc.
Chor der Bayerischen Staatsoper
Bayerishes Staatsorchester
Giuseppe Sinopoli (conduct)
ORFEO C582 0321
ええとですね、私、別に聞いたCDこれ皆ここに書いてる訳ではないのでして、むしろ書かないCDの方が多いのです。書かない理由は、ネタにしにくいとか、気が乗らないとか、色々ありますが、当然ながら「こりゃちょっとね」という出来のものも、書かないことが多い訳です。自分でも言うこときついし独善的毒舌だと思うけど、そういうのは、やっぱり書きにくかったりしますし。
で、実のところ、このCD、出来が悪いんですよ。にも関わらず書いてるのは、偏に、シノーポリが不憫なものだから(笑)
1992年2月2日、バイエルン国立歌劇場でのライブ録音。この頃、確か自分は友人と連れ立ってこの辺に居たから、ちょっと間が合ってれば、トロヴァトーレだし、絶対聞いてた筈なんですけどね。
で、この録音、シノーポリが冴えてるのです。オーケストラの追従も見事で、トロヴァトーレとしてオケが来て欲しい所にきちんと来ているのです。間の取り方も、ライブならではのリタルダントなんかも含めて、いい案配で。いや、本当にいい演奏なのです。が。キャストが弱い。
マンリーコにデニス・オニール。...........殆ど「あんた、誰(by クレージーキャッツ)」級。いや、いましたよ、そういう歌手。でも、これが、弱い弱い。CDで繰り返し聞くには、あまりに格好悪い。物足りないと言うか、妙に声は出てるんだけど、あまりいい歌い方ではない。癖があり過ぎて、田舎の三文芝居みたいでしらけちゃうんですね。ちょっとぶら下がり気味だし。
レオノーラにユリア・ヴァラディ。主に、DFDの奥さんとして有名。うわぁ、我ながら酷い言い様。でも、確かに歌手として舞台に立つだけの力量はあるにせよ、この人で舞台を持たせられる、というほどの魅力がある歌手ではないなぁ。
アズチェーナにはステファニア・トツィスカ。いや、これは本当に「あんた、誰」。いや、一応声は出てます。でも、インパクトがもう一つ足りない。狂気と言うか、アズチェーナの不気味さ、怖さがちょっと。
唯一聞いてそれなりに頷けるのはルーナ伯爵のヴォルフガング・ブレンデル。でも、この人、いい歌手なんだけど、「おお、これは凄い!」と思わせるようなタイプではないんですよね。いぶし銀の魅力、みたいなところがあって。他の歌手が良ければ良いほど、相手を輝かせて、自分も存在感を増す、とでもいうような。てことは、この状態では.....
このキャスティングで、プレミエで、シノーポリは振ってる訳です。
ま、そりゃ、振るのは指揮者の仕事だし、指揮者とオーケストラはそれなりにいい仕事してるんだけど......シノーポリもオケも、頑張りがいがいまいちなかったねぇ(笑)みたいなところがあって。その辺の不憫さが妙に印象に残ってしまっていて。
いや、ライブながら、この演奏自体は面白いし、それなりに考えられていて、流石シノーポリ、と思う訳です。来て欲しい所に来るし、前述の通り、結構リタルダントなんかも掛かってるけど、実演という状況下ではなるほどと思わせる内容で、不自然さは殆ど無い。.........歌手が不自然な歌い方をしない限り。
こういう演奏も、あるもんなんですねぇ。
勿論、キャストを見た瞬間に「?」と思ったのは事実なんで、実際聞いてみて失望した、なんてことは無いんですが。でも、ちょっとこのシノーポリの不憫さは、妙に心に残ってしまったので(^^;
Julia Varady (soprano)
Stefania Toczyska (mezzo-soprano)
Dennis O'Neill (tenor)
Wolfgang Brendel (bariton), etc.
Chor der Bayerischen Staatsoper
Bayerishes Staatsorchester
Giuseppe Sinopoli (conduct)
ORFEO C582 0321
ええとですね、私、別に聞いたCDこれ皆ここに書いてる訳ではないのでして、むしろ書かないCDの方が多いのです。書かない理由は、ネタにしにくいとか、気が乗らないとか、色々ありますが、当然ながら「こりゃちょっとね」という出来のものも、書かないことが多い訳です。自分でも言うこときついし独善的毒舌だと思うけど、そういうのは、やっぱり書きにくかったりしますし。
で、実のところ、このCD、出来が悪いんですよ。にも関わらず書いてるのは、偏に、シノーポリが不憫なものだから(笑)
1992年2月2日、バイエルン国立歌劇場でのライブ録音。この頃、確か自分は友人と連れ立ってこの辺に居たから、ちょっと間が合ってれば、トロヴァトーレだし、絶対聞いてた筈なんですけどね。
で、この録音、シノーポリが冴えてるのです。オーケストラの追従も見事で、トロヴァトーレとしてオケが来て欲しい所にきちんと来ているのです。間の取り方も、ライブならではのリタルダントなんかも含めて、いい案配で。いや、本当にいい演奏なのです。が。キャストが弱い。
マンリーコにデニス・オニール。...........殆ど「あんた、誰(by クレージーキャッツ)」級。いや、いましたよ、そういう歌手。でも、これが、弱い弱い。CDで繰り返し聞くには、あまりに格好悪い。物足りないと言うか、妙に声は出てるんだけど、あまりいい歌い方ではない。癖があり過ぎて、田舎の三文芝居みたいでしらけちゃうんですね。ちょっとぶら下がり気味だし。
レオノーラにユリア・ヴァラディ。主に、DFDの奥さんとして有名。うわぁ、我ながら酷い言い様。でも、確かに歌手として舞台に立つだけの力量はあるにせよ、この人で舞台を持たせられる、というほどの魅力がある歌手ではないなぁ。
アズチェーナにはステファニア・トツィスカ。いや、これは本当に「あんた、誰」。いや、一応声は出てます。でも、インパクトがもう一つ足りない。狂気と言うか、アズチェーナの不気味さ、怖さがちょっと。
唯一聞いてそれなりに頷けるのはルーナ伯爵のヴォルフガング・ブレンデル。でも、この人、いい歌手なんだけど、「おお、これは凄い!」と思わせるようなタイプではないんですよね。いぶし銀の魅力、みたいなところがあって。他の歌手が良ければ良いほど、相手を輝かせて、自分も存在感を増す、とでもいうような。てことは、この状態では.....
このキャスティングで、プレミエで、シノーポリは振ってる訳です。
ま、そりゃ、振るのは指揮者の仕事だし、指揮者とオーケストラはそれなりにいい仕事してるんだけど......シノーポリもオケも、頑張りがいがいまいちなかったねぇ(笑)みたいなところがあって。その辺の不憫さが妙に印象に残ってしまっていて。
いや、ライブながら、この演奏自体は面白いし、それなりに考えられていて、流石シノーポリ、と思う訳です。来て欲しい所に来るし、前述の通り、結構リタルダントなんかも掛かってるけど、実演という状況下ではなるほどと思わせる内容で、不自然さは殆ど無い。.........歌手が不自然な歌い方をしない限り。
こういう演奏も、あるもんなんですねぇ。
勿論、キャストを見た瞬間に「?」と思ったのは事実なんで、実際聞いてみて失望した、なんてことは無いんですが。でも、ちょっとこのシノーポリの不憫さは、妙に心に残ってしまったので(^^;
2008/09/24のBlog
[ 00:50 ]
[ クラシック ]
B.Smetana : String Quartet No.1 E minor "From my life"
A.Dvorak : String Quartet No.12 op.96 F major "America"
Endellion String Quartet
Virgin Classics 7243 5 62197 2 4
今日はお彼岸の中日。いいお天気。道路は渋滞...............大渋滞...........仕事に遅れる.......
良すぎるくらいの天気だけが救いです。こういう秋の日には、この曲がいいかな、と思って積んできました。いや、渋滞までは予想してなかったんですけどね..........
スメタナの弦楽四重奏曲第1番「我が生涯より」と、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」。ありがちなカップリングですが、天気のいい秋の日に似合うのは、勿論ドヴォルザークの方です。スメタナのは、ちょっと、ねぇ........
この曲の演奏も数々ありますが、今回選んだのはエンデリオン四重奏団。録音は1988年。20年前ですねぇ。イギリスの四重奏団で、もう四半世紀はやっている団体だそうですが、うーん、名前は聞いた事あるけど、あんまり良く知らないなぁ。ところで、ドヴォルザークの「アメリカ」といえば、1年前にもカルミナ四重奏団の演奏したのを取り上げていて、なかなか辛辣というか偉そうなことを書いてますね、私ってば。
さて、今回のエンデリオン四重奏団の演奏は?そう、一言でいえば、ちょっと毛色が変わってます。敢えて言えば、第2楽章に重点を置かないというか.....
言うまでもなく、この曲の第2楽章(レント)は、この曲で最も「歌わせどころ」「泣かせどころ」であります。自ずから、大抵の演奏はこの楽章には力が入るのが一般的。或いは、カルミナ四重奏団のように、敢えて人工的に弄ってみせるとか。では、エンデリオンSQは?決して駄目なわけではない。ただ、思い入れが強くないというか、抑制が利いているというか........決して軽んじているのではないのです。が、「軽いなぁ」という印象。
殊更に歌おうとはしない。と言って、意識的に歌わないようにしようと言うわけでもない。ただ、軽やかに弾き過ぎて行く、といった感じなのです。くどいようですが、駄目じゃないんですよ。悪くない演奏だけれど、ここで思い入れたっぷりの演奏を聞かせてもらおう!とすると、肩透かしに遭う。でも、カルミナSQあたりと違うのは、作為的ではないんですね。
あくまで主観的な話ですが、エンデリオンSQの「アメリカ」は、恐らくは「軽い」「軽やか」というところに力点があるのだろうと思います。だから、第2楽章はどうしても「軽い」と感じてしまう。けれど、決して為にする意味での軽さではない。それは、他の楽章を聞くと分かります。第1楽章での伸びやかな演奏、或いは第3楽章での緩急の自然な対比。決して劇的に演出しようという演奏ではなく、ごく自然に感じられる対比。
そう、この第3楽章や終楽章には、"Molto vivace" (とても活き活きと)、"Vivace ma non troppo" (活き活きと、速過ぎずに)という指示が付いています。エンデリオンSQの演奏は、言ってみれば、この "vivace" を中心に組み立てられている演奏、なのかも知れません。確かに、こんなに元気のいい曲なのに、第2楽章ばっかりでもないでしょう?と言われれば、そんな気もしなくもないような.......
勿論、私はやっぱりこの曲は第2楽章が大好き。けれど、あくまで自然体で演奏しつつ、こんな風に組み立てた演奏というのも悪くないな、とも思います。特に、こんなに天気のいい秋の日には、伸びやかな第1楽章の旋律に、のんびりと渋滞に諦めつつ耳を傾けるというのも悪くはないかな、と思ったのであります。
.......いや、やっぱり渋滞はよくない........
しかし、こういう演奏とカップリングなのがスメタナの「我が生涯より」というのも、なんだか合わないような気がします。こちらもそれはそれで立派な演奏ではあるのですが、しかし、こういう気分には全く合わない曲だよなぁ、とつくづく思うのでありました。
A.Dvorak : String Quartet No.12 op.96 F major "America"
Endellion String Quartet
Virgin Classics 7243 5 62197 2 4
今日はお彼岸の中日。いいお天気。道路は渋滞...............大渋滞...........仕事に遅れる.......
良すぎるくらいの天気だけが救いです。こういう秋の日には、この曲がいいかな、と思って積んできました。いや、渋滞までは予想してなかったんですけどね..........
スメタナの弦楽四重奏曲第1番「我が生涯より」と、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」。ありがちなカップリングですが、天気のいい秋の日に似合うのは、勿論ドヴォルザークの方です。スメタナのは、ちょっと、ねぇ........
この曲の演奏も数々ありますが、今回選んだのはエンデリオン四重奏団。録音は1988年。20年前ですねぇ。イギリスの四重奏団で、もう四半世紀はやっている団体だそうですが、うーん、名前は聞いた事あるけど、あんまり良く知らないなぁ。ところで、ドヴォルザークの「アメリカ」といえば、1年前にもカルミナ四重奏団の演奏したのを取り上げていて、なかなか辛辣というか偉そうなことを書いてますね、私ってば。
さて、今回のエンデリオン四重奏団の演奏は?そう、一言でいえば、ちょっと毛色が変わってます。敢えて言えば、第2楽章に重点を置かないというか.....
言うまでもなく、この曲の第2楽章(レント)は、この曲で最も「歌わせどころ」「泣かせどころ」であります。自ずから、大抵の演奏はこの楽章には力が入るのが一般的。或いは、カルミナ四重奏団のように、敢えて人工的に弄ってみせるとか。では、エンデリオンSQは?決して駄目なわけではない。ただ、思い入れが強くないというか、抑制が利いているというか........決して軽んじているのではないのです。が、「軽いなぁ」という印象。
殊更に歌おうとはしない。と言って、意識的に歌わないようにしようと言うわけでもない。ただ、軽やかに弾き過ぎて行く、といった感じなのです。くどいようですが、駄目じゃないんですよ。悪くない演奏だけれど、ここで思い入れたっぷりの演奏を聞かせてもらおう!とすると、肩透かしに遭う。でも、カルミナSQあたりと違うのは、作為的ではないんですね。
あくまで主観的な話ですが、エンデリオンSQの「アメリカ」は、恐らくは「軽い」「軽やか」というところに力点があるのだろうと思います。だから、第2楽章はどうしても「軽い」と感じてしまう。けれど、決して為にする意味での軽さではない。それは、他の楽章を聞くと分かります。第1楽章での伸びやかな演奏、或いは第3楽章での緩急の自然な対比。決して劇的に演出しようという演奏ではなく、ごく自然に感じられる対比。
そう、この第3楽章や終楽章には、"Molto vivace" (とても活き活きと)、"Vivace ma non troppo" (活き活きと、速過ぎずに)という指示が付いています。エンデリオンSQの演奏は、言ってみれば、この "vivace" を中心に組み立てられている演奏、なのかも知れません。確かに、こんなに元気のいい曲なのに、第2楽章ばっかりでもないでしょう?と言われれば、そんな気もしなくもないような.......
勿論、私はやっぱりこの曲は第2楽章が大好き。けれど、あくまで自然体で演奏しつつ、こんな風に組み立てた演奏というのも悪くないな、とも思います。特に、こんなに天気のいい秋の日には、伸びやかな第1楽章の旋律に、のんびりと渋滞に諦めつつ耳を傾けるというのも悪くはないかな、と思ったのであります。
.......いや、やっぱり渋滞はよくない........
しかし、こういう演奏とカップリングなのがスメタナの「我が生涯より」というのも、なんだか合わないような気がします。こちらもそれはそれで立派な演奏ではあるのですが、しかし、こういう気分には全く合わない曲だよなぁ、とつくづく思うのでありました。
2008/09/22のBlog
[ 00:04 ]
[ クラシック ]
E.エルガー:弦楽の為のセレナーデ ホ短調 op.20
W.A.モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 K.449
A.G.シュニトケ:ピアノと弦楽の為の協奏曲
W.A.モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K.385 「ハフナー」
G.マルムステン:サヨナラは手紙で
オーケストラ・アンサンブル金沢
ラルフ・ゴトーニ (piano, conduct)
ワーナークラシックス WPCS-12134
オーケストラ・アンサンブル金沢の新譜です。オーケストラ・アンサンブル金沢、通称OEKは、1988年設立なので、今年で設立20周年になるわけです。もう、そんなになるのですねぇ。クラシック音楽関係でのバブルの遺産というべきものはそれなりにありますが、恐らく、このOEKが、最も豊穣な遺産となったと言っていのではないかと思います。
このOEKが数年前から始めているのが、定期演奏会のライブ録音を安価で販売するというシリーズ。出たての頃は1枚1050円で、今は値上げして1500円ですが、これは画期的と言っていい試みだと思います。日本の他のオーケストラも録音は出していますが、フルプライスでの販売に拘っていて、年に1枚出るか出ないか。考えてみれば、これだけ録音された音楽を聞くことが広く普及している日本のオーケストラが、実演に比してあまりに少ない数の録音しか世に出さない、というのも、少し奇妙な話です。
契約の問題とかいろいろあるだろうことは容易に想像が付くのですが、それを承知でクリアして、毎年5枚ほどのアルバムを出し続けている実例があるのですから、少しは真面目に「どうやったら出来るか?」という視点で考えてみていいんじゃないかと思いますけれど、どうなんでしょう。
OEKのこのシリーズには、言わば名刺代わりという側面があるのだろうと思います。金沢という、日本経済の中心からは外れていて、それ故に人口も決して多くない都市にあって、如何にして存在感を出していくか、という作戦の現れなのだと思います。
今回は、今年出たものの中から。エルガー、モーツァルト、シュニトケ、マルムステンというプログラム。指揮とピアノは、フィンランド出身のラルフ・ゴトーニ。2008年4月26日、金沢でのライブ録音。これを3ヶ月で発売している素早さ。このへんにも、「今」を聞かせたいという意欲が感じられます。
今回聞いた中で特に印象が強かったのは、オーケストラの音。ここ最近OEKを生では聞いていないのですが(ラ・フォル・ジュルネでちょっと聞いたかな)、今回の録音では、編成に比して随分と密度の濃い音を聞かせています。元々古楽演奏系の団体ではないにせよ、むしろフルオーケストラに近い音に仕上がっています。これはちょっとした驚き、とまではいかずとも、気が付いた点。勿論録音ですから、一概に言えることではないのですが、そういう音で録音を作っているわけですしね。
元々OEKは、小編成の味わいを活かす方向で音作りをしていたと思うのだけど、この数年は音を重めにする方向に向かっているようで、この録音でもそうした指向が出ているのかも知れません。
演奏はそれぞれに良さがありますが、この中ではやはりモーツァルト2曲がいいかと。ピアノ協奏曲もいいですが、やはりこの音作りは「ハフナー」がよく合ってます。ライブの割によく整った演奏で、ちょっと古いタイプの聞こえ方に感じられるかも知れませんが、私はこういうのも好きです。「今のOEKの演奏」がこうなのだということ、なのでしょう。次は何処へ行くのか、興味あるところです。
W.A.モーツァルト:ピアノ協奏曲第14番 変ホ長調 K.449
A.G.シュニトケ:ピアノと弦楽の為の協奏曲
W.A.モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K.385 「ハフナー」
G.マルムステン:サヨナラは手紙で
オーケストラ・アンサンブル金沢
ラルフ・ゴトーニ (piano, conduct)
ワーナークラシックス WPCS-12134
オーケストラ・アンサンブル金沢の新譜です。オーケストラ・アンサンブル金沢、通称OEKは、1988年設立なので、今年で設立20周年になるわけです。もう、そんなになるのですねぇ。クラシック音楽関係でのバブルの遺産というべきものはそれなりにありますが、恐らく、このOEKが、最も豊穣な遺産となったと言っていのではないかと思います。
このOEKが数年前から始めているのが、定期演奏会のライブ録音を安価で販売するというシリーズ。出たての頃は1枚1050円で、今は値上げして1500円ですが、これは画期的と言っていい試みだと思います。日本の他のオーケストラも録音は出していますが、フルプライスでの販売に拘っていて、年に1枚出るか出ないか。考えてみれば、これだけ録音された音楽を聞くことが広く普及している日本のオーケストラが、実演に比してあまりに少ない数の録音しか世に出さない、というのも、少し奇妙な話です。
契約の問題とかいろいろあるだろうことは容易に想像が付くのですが、それを承知でクリアして、毎年5枚ほどのアルバムを出し続けている実例があるのですから、少しは真面目に「どうやったら出来るか?」という視点で考えてみていいんじゃないかと思いますけれど、どうなんでしょう。
OEKのこのシリーズには、言わば名刺代わりという側面があるのだろうと思います。金沢という、日本経済の中心からは外れていて、それ故に人口も決して多くない都市にあって、如何にして存在感を出していくか、という作戦の現れなのだと思います。
今回は、今年出たものの中から。エルガー、モーツァルト、シュニトケ、マルムステンというプログラム。指揮とピアノは、フィンランド出身のラルフ・ゴトーニ。2008年4月26日、金沢でのライブ録音。これを3ヶ月で発売している素早さ。このへんにも、「今」を聞かせたいという意欲が感じられます。
今回聞いた中で特に印象が強かったのは、オーケストラの音。ここ最近OEKを生では聞いていないのですが(ラ・フォル・ジュルネでちょっと聞いたかな)、今回の録音では、編成に比して随分と密度の濃い音を聞かせています。元々古楽演奏系の団体ではないにせよ、むしろフルオーケストラに近い音に仕上がっています。これはちょっとした驚き、とまではいかずとも、気が付いた点。勿論録音ですから、一概に言えることではないのですが、そういう音で録音を作っているわけですしね。
元々OEKは、小編成の味わいを活かす方向で音作りをしていたと思うのだけど、この数年は音を重めにする方向に向かっているようで、この録音でもそうした指向が出ているのかも知れません。
演奏はそれぞれに良さがありますが、この中ではやはりモーツァルト2曲がいいかと。ピアノ協奏曲もいいですが、やはりこの音作りは「ハフナー」がよく合ってます。ライブの割によく整った演奏で、ちょっと古いタイプの聞こえ方に感じられるかも知れませんが、私はこういうのも好きです。「今のOEKの演奏」がこうなのだということ、なのでしょう。次は何処へ行くのか、興味あるところです。
2008/09/21のBlog
