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2005/06/16のBlog
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[ 洋楽 ]
夢のようなArti e Mestieri(アルティ・エ・メスティエリ)のライヴが終わり、いよいよFurio Chirico(フリオ・キリコ)のドラム・クリニックを残すのみとなった。
思えば「Tilt」を初めて聴いた80年代末、日本においてアルティ関連の情報は全く途絶えており、彼らは伝説のバンドと化していた。しかしながら、CD化時代を迎えプログレ関連作品のCD化ラッシュの中で、日本において彼らの残した作品の再評価の機運が高まってきた。また、80年代末よりアルティのキーボーディストのベッペ・クロヴェッラ氏が自身のレーベルを立上げ、自宅を改装したスタジオをベースに新鋭アーティスト達の作品を数多くリリースし始め、イタリア国内においてプログレスタイルの音楽の復活の流れを生み出した。そうした一連のリリースの中の1作、ベッペ氏のソロプロジェクト「Romantic Warrior」(‘93)にはフリオ・キリコが参加しているということでマニアの間で話題になった。その他数作品にフリオは参加しているが、往年の手数は影を潜め、セッションミュージシャンとして手堅くリズムキープに徹したかのようなドラミングにいささか寂しさを覚えた。99年に入り、アルティがオリジナルメンバー中心に再結成しイタリア国内でライヴ活動を行っているとのニュースが入ってきた。遠目のライヴ写真だが、巨大なドラムキットとマッチョ化したフリオの姿に期待は高まった。2000年、奇跡の新作「Murales」をリリース。往年のアクロバティックなまでのテクニックの応酬は見られず、落ち着いた印象だが、叙情性溢れるメロディを緻密なアレンジで構築する、根底にあるアルティならではの魅力は不変であることを証明した作品だった。2001年、イタリアに旅行に行った際に、レコード屋でフリオの教則ビデオ「Passionai Drumming」(‘94)「Singin’Drums」(‘96)の2作をゲットし、フリオが現在もバリバリの現役でそのテクニックに更に磨きをかけていることが分かり、自分の中で伝説のドラマーから現役のスーパードラマーへと見方が変わった。折りしもPFMやイル・バレット・ディ・ブロンゾといった同時代のバンドが続々と来日を果たしており、「次はアルティも」と期待が高まったが、残念ながら「Murales」に伴う来日公演は実現しなかった。
今回の来日は、クラブチッタ川崎が川崎駅前の再開発に伴い総合エンターテイメント施設としてリニューアルし、レコーディングスタジオを併設したことから、ライヴだけでなくその模様を収録しライヴCD/DVDとして発表するというビジネスモデルが可能となったことから実現出来たものと考えられる。
私がディスクユニオンでチケットを購入したのは公演が間近に迫った5月末のことだが、限定150席で売り出したチケットがその時点で大分売れ残っているようであった。平日の公演であるし、確かにプログレ界でフリオ・キリコといえば誰もが知っているドラマーであることは間違いないが、ドラム・クリニックと銘打ってしまうといきおいその中でもドラマーに対象が絞られ、あとは熱心なアルティファンでないと高いチケット代を払ってまで来たいとは思わないのではと、この公演が成立するかどうか非常に心配になってきた。
6月13日の当日、大きな期待と若干の不安を胸にクラブチッタに向かう。ドラムクリニックを成功に導くのは参加者からの活発な質問であるので、早めに到着し付近のマックで質問事項を書き出す。何しろあの情報不足の時代を経てきたので、今やある程度の情報は入手したが、それでも訊きたいことは山ほどある。かといって避けなければならないのは、あくまでドラムクリニックであり、プログレマニアの視点からのマニアックな昔話に関する質問に陥ってしまうことだ。質問時間も限られているだろうから、ノート4ページ分の質問事項を書き出し、そのうち本当に聞きたい質問を2~3に絞り込む。チッタの前には人だかりが出来ていたが、20人強しかいなかった。フリオがリハーサルに力が入るあまり開場時間がかなり押していたが、それでもなかなか人が集まらず改めて不安がよぎる。
30分ほど遅れて開場になり、中に入ると真っ先に飛び込んできたのはフリオの使用している「Evans」のドラムヘッドと自身の教則DVDの販売コーナーで、購入者には終演後フリオ本人がサインをするというもの。何でもコレクションしてしまうプログレ者の習性を巧みに捉えた商売だが、勿論私も買わずにはおれない。会場はステージ側半分は区切られ、フロアの残り半分のみを使用する形になっていた。フリオのドラムセットを中心に、左右に今回のクリニックを協賛しているTAMAの初~中級者向け新製品「Superstar」の2タム/1タムキットが設置されていた。もしやこれはフリオと観客がドラムデュエットするコーナーもあるのかと思わず身構える。心配な客の入りだが、イスを見るとやはり150席もなく半分以下(70席くらいか)しか置いていなかったが、逆に言うとこれ以下ではないということで、閑散とした中での熱演という最悪の状況は免れたようで一安心。左右の壁にはスクリーンが設置され、足元やサイドからの映像が流されていた。
思えば「Tilt」を初めて聴いた80年代末、日本においてアルティ関連の情報は全く途絶えており、彼らは伝説のバンドと化していた。しかしながら、CD化時代を迎えプログレ関連作品のCD化ラッシュの中で、日本において彼らの残した作品の再評価の機運が高まってきた。また、80年代末よりアルティのキーボーディストのベッペ・クロヴェッラ氏が自身のレーベルを立上げ、自宅を改装したスタジオをベースに新鋭アーティスト達の作品を数多くリリースし始め、イタリア国内においてプログレスタイルの音楽の復活の流れを生み出した。そうした一連のリリースの中の1作、ベッペ氏のソロプロジェクト「Romantic Warrior」(‘93)にはフリオ・キリコが参加しているということでマニアの間で話題になった。その他数作品にフリオは参加しているが、往年の手数は影を潜め、セッションミュージシャンとして手堅くリズムキープに徹したかのようなドラミングにいささか寂しさを覚えた。99年に入り、アルティがオリジナルメンバー中心に再結成しイタリア国内でライヴ活動を行っているとのニュースが入ってきた。遠目のライヴ写真だが、巨大なドラムキットとマッチョ化したフリオの姿に期待は高まった。2000年、奇跡の新作「Murales」をリリース。往年のアクロバティックなまでのテクニックの応酬は見られず、落ち着いた印象だが、叙情性溢れるメロディを緻密なアレンジで構築する、根底にあるアルティならではの魅力は不変であることを証明した作品だった。2001年、イタリアに旅行に行った際に、レコード屋でフリオの教則ビデオ「Passionai Drumming」(‘94)「Singin’Drums」(‘96)の2作をゲットし、フリオが現在もバリバリの現役でそのテクニックに更に磨きをかけていることが分かり、自分の中で伝説のドラマーから現役のスーパードラマーへと見方が変わった。折りしもPFMやイル・バレット・ディ・ブロンゾといった同時代のバンドが続々と来日を果たしており、「次はアルティも」と期待が高まったが、残念ながら「Murales」に伴う来日公演は実現しなかった。
今回の来日は、クラブチッタ川崎が川崎駅前の再開発に伴い総合エンターテイメント施設としてリニューアルし、レコーディングスタジオを併設したことから、ライヴだけでなくその模様を収録しライヴCD/DVDとして発表するというビジネスモデルが可能となったことから実現出来たものと考えられる。
私がディスクユニオンでチケットを購入したのは公演が間近に迫った5月末のことだが、限定150席で売り出したチケットがその時点で大分売れ残っているようであった。平日の公演であるし、確かにプログレ界でフリオ・キリコといえば誰もが知っているドラマーであることは間違いないが、ドラム・クリニックと銘打ってしまうといきおいその中でもドラマーに対象が絞られ、あとは熱心なアルティファンでないと高いチケット代を払ってまで来たいとは思わないのではと、この公演が成立するかどうか非常に心配になってきた。
6月13日の当日、大きな期待と若干の不安を胸にクラブチッタに向かう。ドラムクリニックを成功に導くのは参加者からの活発な質問であるので、早めに到着し付近のマックで質問事項を書き出す。何しろあの情報不足の時代を経てきたので、今やある程度の情報は入手したが、それでも訊きたいことは山ほどある。かといって避けなければならないのは、あくまでドラムクリニックであり、プログレマニアの視点からのマニアックな昔話に関する質問に陥ってしまうことだ。質問時間も限られているだろうから、ノート4ページ分の質問事項を書き出し、そのうち本当に聞きたい質問を2~3に絞り込む。チッタの前には人だかりが出来ていたが、20人強しかいなかった。フリオがリハーサルに力が入るあまり開場時間がかなり押していたが、それでもなかなか人が集まらず改めて不安がよぎる。
30分ほど遅れて開場になり、中に入ると真っ先に飛び込んできたのはフリオの使用している「Evans」のドラムヘッドと自身の教則DVDの販売コーナーで、購入者には終演後フリオ本人がサインをするというもの。何でもコレクションしてしまうプログレ者の習性を巧みに捉えた商売だが、勿論私も買わずにはおれない。会場はステージ側半分は区切られ、フロアの残り半分のみを使用する形になっていた。フリオのドラムセットを中心に、左右に今回のクリニックを協賛しているTAMAの初~中級者向け新製品「Superstar」の2タム/1タムキットが設置されていた。もしやこれはフリオと観客がドラムデュエットするコーナーもあるのかと思わず身構える。心配な客の入りだが、イスを見るとやはり150席もなく半分以下(70席くらいか)しか置いていなかったが、逆に言うとこれ以下ではないということで、閑散とした中での熱演という最悪の状況は免れたようで一安心。左右の壁にはスクリーンが設置され、足元やサイドからの映像が流されていた。
さて、心配が吹き飛べば目の前にあるフリオのキットに触手が伸びる。(セッティング図参照)
TAMAのフラッグシップモデル「Starclassic」に、シンバルはSabianの主力シンバル「HHX」で組み上げたセットで、点数は多いものの全て手が届きやすいように近接しており非常にコンパクトにセットされていると感じた。タムの高さはバスドラのすぐ上にセットされ、やや手前に角度を付けているが殆ど水平である。イスがやや高めで、上から振り下ろしてヒットする感じになるためスムーズに移動できそうなセッティングだ。スネアは割と高めで、手前右側が高くなっているのが個性的。ハイハットは勿論、オープンスタイル(手を交差せずハットを刻むスタイル)ドラマーの常として、タム回しの邪魔にならないようロッドをギリギリまで切り詰めており、非常に低い位置にセットされていた。ツインペダルもTAMAのアイアンコブラ。ダブルチェーン、パワーグライドの最新モデルで実にスムーズに作動しそうな感じ。フットボードにはガムテープを貼っている。タムのヘッドは意外にも?コーテッド。
TAMAのフラッグシップモデル「Starclassic」に、シンバルはSabianの主力シンバル「HHX」で組み上げたセットで、点数は多いものの全て手が届きやすいように近接しており非常にコンパクトにセットされていると感じた。タムの高さはバスドラのすぐ上にセットされ、やや手前に角度を付けているが殆ど水平である。イスがやや高めで、上から振り下ろしてヒットする感じになるためスムーズに移動できそうなセッティングだ。スネアは割と高めで、手前右側が高くなっているのが個性的。ハイハットは勿論、オープンスタイル(手を交差せずハットを刻むスタイル)ドラマーの常として、タム回しの邪魔にならないようロッドをギリギリまで切り詰めており、非常に低い位置にセットされていた。ツインペダルもTAMAのアイアンコブラ。ダブルチェーン、パワーグライドの最新モデルで実にスムーズに作動しそうな感じ。フットボードにはガムテープを貼っている。タムのヘッドは意外にも?コーテッド。
予定の19:00を20分ほど遅れて、離れたステージ上にチッタの招聘/渉外担当という女性が上がりあいさつ。アルティの公演でもMCで感謝を告げられていた方で、アルティ公演及びこのクリニックを実現するために尽力したらしい。本当にありがたいことだ。心の中でSpecial Thanxを述べる。今夜の司会はTAMAのドラムイベントでの通訳といえばこの人、丹野志信氏。フリオはイタリア語しか喋れないので、一旦それを英語に訳す必要があるのだが、何とその役をアルティのベーシスト、ロベルトさんが務めていた。そして遂にステージ中央から花道を通ってフリオが登場!
イスに座ってイヤーモニターを付けると、いきなり「Tilt」からの「Graviata 9.81」をマイナスワントラックでプレイ。幸いにもフリオのキットのド真ん前に陣取ることが出来たので、僅か1~2メートルの超至近距離で彼のプレイを拝めることに。生きてて良かった。いきなり全開で叩きまくるプレイに思わず圧倒されるが、何とか冷静に彼の一挙手一投足を観察するよう心がける。まず感じたのはダイナミクスの豊かさ。静から動へ巧みなコントラストを描いていて、曲を鮮やかに演出していた。また、左右対称のキットから左右双方に自在にフィルインを展開していたのも印象的。ツブ立ちの良いロール、左利きならではの左で始まって左で解決するような変則フィルイン、シングル・ダブルを織り交ぜてガンガン繰り出す華麗な高速フィルインはさすがの一言。意外に?ツインペダルは通常のパターンの中でも多用していて、単なるベタ踏みとは違ってランダムにアクセントを入れるなど現代的なアプローチも取り入れていた。
スネアはTAMAのスティール14インチだが、その倍音を含んだ弾ける感じの音がフリオの華々しいスタイルにマッチしている。シンバルも同様で、大きめのハンマリングによる現代的なメカニカルで爆発的なサウンドは文句なしにカッコいい。Aジルジャンカスタムを一通り揃えようと思っていたが、目の前で一流ドラマーの実演による本物のHHXの音を聴かされたら参ってしまう。
それにしても鍛え上げられた素晴らしい体をしている。肩から胸にかけての筋肉の張りは半端ではなく、ジムに定期的に通っているエクササイズオタクであることは間違いない。そういえば3rd「Quinto Stato」のジャケはフリオの鍛え上げた上半身のアップだが、着ているシャツの柄がバーベルを上げている人のイラストで、どうもジムのTシャツらしい。ドラミングにはあまり筋肉は必要ではないので趣味の一つと思われるが、とにかく、48歳にしてあの体をキープしているということからも人並み以上の努力家であることが伺える。(単にモテたいだけだったりして)
続けてフリオだけの特注フロアタムによるソロ。これはシェルに穴を開けてチューブを挿入したもので、息を吹き込む分音程が上がり、息を抜くと下がっていくという、内圧のコントロールによりチューニングを変えられるティンパニの様な効果が得られるフロアタムなのだ。ただ、これは相当の肺活量が無いとコントロールするのは難しいだろう。時折、フリオの激しい息遣いが聞こえてきた。様々なストロークを駆使して一つのフロアタムから多様な音色を引き出していたが、やはり音のツブ立ちが素晴らしく、ダブルストロークであれだけの音量を出すのは並みではない。
3曲目は教則DVDでもプレイされていたアップテンポのラテンジャズ曲「Café con Leche」。こうしたサンバ調のグルーヴはやはりオハコらしく、クリックを聴きながらも奔放なプレイが展開する。こうして生音を聴くと、スタジオ作でももっと良い録音であればもっとそのドラミングの素晴らしさが伝わるのに・・・と痛感。「Murales」の音なんかヒドすぎます。ちなみに個人的にフリオのドラミングが最良の録音で収められていると考えるのはプログレファンの間で評価の低い4th「Aquario」。最早アルティといっても初期とは別物だが、きちんと聴けば、最高の演奏と魅力的な曲が並ぶ極上のフュージョン作だと分かる筈。
イスに座ってイヤーモニターを付けると、いきなり「Tilt」からの「Graviata 9.81」をマイナスワントラックでプレイ。幸いにもフリオのキットのド真ん前に陣取ることが出来たので、僅か1~2メートルの超至近距離で彼のプレイを拝めることに。生きてて良かった。いきなり全開で叩きまくるプレイに思わず圧倒されるが、何とか冷静に彼の一挙手一投足を観察するよう心がける。まず感じたのはダイナミクスの豊かさ。静から動へ巧みなコントラストを描いていて、曲を鮮やかに演出していた。また、左右対称のキットから左右双方に自在にフィルインを展開していたのも印象的。ツブ立ちの良いロール、左利きならではの左で始まって左で解決するような変則フィルイン、シングル・ダブルを織り交ぜてガンガン繰り出す華麗な高速フィルインはさすがの一言。意外に?ツインペダルは通常のパターンの中でも多用していて、単なるベタ踏みとは違ってランダムにアクセントを入れるなど現代的なアプローチも取り入れていた。
スネアはTAMAのスティール14インチだが、その倍音を含んだ弾ける感じの音がフリオの華々しいスタイルにマッチしている。シンバルも同様で、大きめのハンマリングによる現代的なメカニカルで爆発的なサウンドは文句なしにカッコいい。Aジルジャンカスタムを一通り揃えようと思っていたが、目の前で一流ドラマーの実演による本物のHHXの音を聴かされたら参ってしまう。
それにしても鍛え上げられた素晴らしい体をしている。肩から胸にかけての筋肉の張りは半端ではなく、ジムに定期的に通っているエクササイズオタクであることは間違いない。そういえば3rd「Quinto Stato」のジャケはフリオの鍛え上げた上半身のアップだが、着ているシャツの柄がバーベルを上げている人のイラストで、どうもジムのTシャツらしい。ドラミングにはあまり筋肉は必要ではないので趣味の一つと思われるが、とにかく、48歳にしてあの体をキープしているということからも人並み以上の努力家であることが伺える。(単にモテたいだけだったりして)
続けてフリオだけの特注フロアタムによるソロ。これはシェルに穴を開けてチューブを挿入したもので、息を吹き込む分音程が上がり、息を抜くと下がっていくという、内圧のコントロールによりチューニングを変えられるティンパニの様な効果が得られるフロアタムなのだ。ただ、これは相当の肺活量が無いとコントロールするのは難しいだろう。時折、フリオの激しい息遣いが聞こえてきた。様々なストロークを駆使して一つのフロアタムから多様な音色を引き出していたが、やはり音のツブ立ちが素晴らしく、ダブルストロークであれだけの音量を出すのは並みではない。
3曲目は教則DVDでもプレイされていたアップテンポのラテンジャズ曲「Café con Leche」。こうしたサンバ調のグルーヴはやはりオハコらしく、クリックを聴きながらも奔放なプレイが展開する。こうして生音を聴くと、スタジオ作でももっと良い録音であればもっとそのドラミングの素晴らしさが伝わるのに・・・と痛感。「Murales」の音なんかヒドすぎます。ちなみに個人的にフリオのドラミングが最良の録音で収められていると考えるのはプログレファンの間で評価の低い4th「Aquario」。最早アルティといっても初期とは別物だが、きちんと聴けば、最高の演奏と魅力的な曲が並ぶ極上のフュージョン作だと分かる筈。
3曲続けてのデモ演奏が終わり盛大な拍手。ここからしばらくは彼のドラミングコンセプトについての話が続く。
「このフロアタムはチューブで息を入れることで音域を変化させることが出来る。ワインを飲むにも便利だ(←イタリアンジョーク)。こうしたオープンスタイルのセットで、オープンな姿勢で取り組むドラマーが増えてきている。神保明、マイク・マンジーニ、マルコ・ミネマン等々・・・ 私自身まだこのスタイルの開発途上で、まだやるべきことは沢山ある。テリー・ボジオやビリー・コブハムはこうしたプレイの開祖だ。自分は初めからこうしたスタイルで始めているが、オープンスタイルの特徴は、左・右いずれか片方向のセットでは難しいことも可能になることだ。私は1987年の『Children’s Blues』でオープンスタイルのセットを初めてスタジオで使った(←1985年の間違い)」
「キットについては今まで大きく分けて3つ(3段階)のシステムがある。1つ目はジャズセット。スネアと8タム、左右に14・16フロアタムを配置したもので、このセットの利点としては左右にフレーズを振り分けることが出来ることだ。2つ目はフュージョン/ジャスロック/ラテンジャズを想定したセットで、これはジャズセットにさらに10・12タムを加えたものだ。こうしたキットに必要なのは、タム回しの邪魔にならないよう、ロッドを切るなどハイハットの位置に気を付けることだ。マイク・マンジーニの様にリモートハイハットを使うという手もある」
<実演 ― タム回ししてもハットが邪魔にならない>
<実演 ― タム+ハット+左フロアタム+カウベルを使ってのパターン、やはり邪魔にならない>
「手を交差させないセッティングが今後の主流となっていく。一番重要なのはピアニストのように良い姿勢を保つことが出来ることだ」
<実演 ― 左右へのフレージング、姿勢がブレない>
「通常のセッティングならどちらか片方にしか音が回らないが、このセットの場合左右に音が回るためステレオ効果が生まれる。こうしたセットは特にテクニックを必要とされるセットではない。伝統的なドラマーにはこのようなセットは必要ないと言われたこともある。しかし、スタジオで出来る選択肢を広げることが出来る。革新的なものについては必ず軋轢が生じる。しかしそんな私でもトラディショナルグリップからは離れられない。マッチドの方がドラミングに有利と分かっているにも関わらず。トリノの自分の学校でも生徒にはマッチドで指導しており、特に希望があった場合だけトラディショナルで教える。(丹野氏より、開演前にスネアの傾きが右手前が上になるよう角度が付けられていることについて聞かれたことについて)デイヴ・ウェックルやスティーヴ・スミス、ヴィニー・カリウタらは水平でプレイしている。グリップの仕方によって異なるが、自分の場合は水平だとスネアにヒットするまでの手首の動きが限定されてしまうので、よりインパクトのあるショットをするためこのように角度を付けている」
長い話の後、4曲目に彼のソロアルバム「Friosamente」の2曲目「Zeta」をプレイ。ここでは、キット左側はソフトに、右側では強めに叩くのでその違いに注意して欲しいとのことだったが、あまり分からなかった・・・どっちも全力で叩いてるようにしか聞こえましぇん。やはり最初の3曲では緊張していたのかミスもあったが、この曲になるとリラックスしたのかドラミングも熱を帯びてきて、実に気持ちよさそうに叩いている。遂には彼の特徴である声も出始めた!
さらに続けて左右対称のコンセプトをベースにしたソロを展開。ここでもアクセントに合わせて「ウッ」「ハッ」「ダーッダッ」と声が発せられる。計算されたフレージングやメカニカルなアプローチを得意とするドラマーは多いが、己の感情をダイレクトに表現するどこか人間味を感じさせるドラミングだからこそこれだけ多くの人が惹きつけられるのだろう。
ふと横を見ると、最前列の左側でずっと寝ている奴を発見。どんなに激しくドラムを叩いても起きやしない。「失礼だろ!起きろオラッ!」と言いたいところだが、無視して前に集中する。
「このフロアタムはチューブで息を入れることで音域を変化させることが出来る。ワインを飲むにも便利だ(←イタリアンジョーク)。こうしたオープンスタイルのセットで、オープンな姿勢で取り組むドラマーが増えてきている。神保明、マイク・マンジーニ、マルコ・ミネマン等々・・・ 私自身まだこのスタイルの開発途上で、まだやるべきことは沢山ある。テリー・ボジオやビリー・コブハムはこうしたプレイの開祖だ。自分は初めからこうしたスタイルで始めているが、オープンスタイルの特徴は、左・右いずれか片方向のセットでは難しいことも可能になることだ。私は1987年の『Children’s Blues』でオープンスタイルのセットを初めてスタジオで使った(←1985年の間違い)」
「キットについては今まで大きく分けて3つ(3段階)のシステムがある。1つ目はジャズセット。スネアと8タム、左右に14・16フロアタムを配置したもので、このセットの利点としては左右にフレーズを振り分けることが出来ることだ。2つ目はフュージョン/ジャスロック/ラテンジャズを想定したセットで、これはジャズセットにさらに10・12タムを加えたものだ。こうしたキットに必要なのは、タム回しの邪魔にならないよう、ロッドを切るなどハイハットの位置に気を付けることだ。マイク・マンジーニの様にリモートハイハットを使うという手もある」
<実演 ― タム回ししてもハットが邪魔にならない>
<実演 ― タム+ハット+左フロアタム+カウベルを使ってのパターン、やはり邪魔にならない>
「手を交差させないセッティングが今後の主流となっていく。一番重要なのはピアニストのように良い姿勢を保つことが出来ることだ」
<実演 ― 左右へのフレージング、姿勢がブレない>
「通常のセッティングならどちらか片方にしか音が回らないが、このセットの場合左右に音が回るためステレオ効果が生まれる。こうしたセットは特にテクニックを必要とされるセットではない。伝統的なドラマーにはこのようなセットは必要ないと言われたこともある。しかし、スタジオで出来る選択肢を広げることが出来る。革新的なものについては必ず軋轢が生じる。しかしそんな私でもトラディショナルグリップからは離れられない。マッチドの方がドラミングに有利と分かっているにも関わらず。トリノの自分の学校でも生徒にはマッチドで指導しており、特に希望があった場合だけトラディショナルで教える。(丹野氏より、開演前にスネアの傾きが右手前が上になるよう角度が付けられていることについて聞かれたことについて)デイヴ・ウェックルやスティーヴ・スミス、ヴィニー・カリウタらは水平でプレイしている。グリップの仕方によって異なるが、自分の場合は水平だとスネアにヒットするまでの手首の動きが限定されてしまうので、よりインパクトのあるショットをするためこのように角度を付けている」
長い話の後、4曲目に彼のソロアルバム「Friosamente」の2曲目「Zeta」をプレイ。ここでは、キット左側はソフトに、右側では強めに叩くのでその違いに注意して欲しいとのことだったが、あまり分からなかった・・・どっちも全力で叩いてるようにしか聞こえましぇん。やはり最初の3曲では緊張していたのかミスもあったが、この曲になるとリラックスしたのかドラミングも熱を帯びてきて、実に気持ちよさそうに叩いている。遂には彼の特徴である声も出始めた!
さらに続けて左右対称のコンセプトをベースにしたソロを展開。ここでもアクセントに合わせて「ウッ」「ハッ」「ダーッダッ」と声が発せられる。計算されたフレージングやメカニカルなアプローチを得意とするドラマーは多いが、己の感情をダイレクトに表現するどこか人間味を感じさせるドラミングだからこそこれだけ多くの人が惹きつけられるのだろう。
ふと横を見ると、最前列の左側でずっと寝ている奴を発見。どんなに激しくドラムを叩いても起きやしない。「失礼だろ!起きろオラッ!」と言いたいところだが、無視して前に集中する。
6曲目はジャズ曲で、あるギタリストの曲らしいのだが、誰なのか分からないので分かる人がいたら教えて欲しいとのことだったが、曲が終った後も結局分かる人はおらずガックリしかけたその時、後ろで見ていたアルティのギタリストのマルコさんから「ジョン・アバークロンビー!」と答えが返ってきた。その時のフリオの嬉しそうな顔が印象的だった。この曲をプレイする理由については、興味深い事実を語ってくれた。「この曲が何故私にとって重要かといえば、とてもメロディ・ハーモニーが豊かで、良くも悪くも自分のドラムスタイルに合っているからだ」「70年代、1stリリース時に、多くの人から何故そんなに音数が多いのかと訊かれた。当時は、楽曲のリズムだけでなくハーモニーやメロディも考えた結果あのようなプレイになったのだ」「でも、そんな中で唯一理解してもらえてのが日本の雑誌でのレビューだった(レビュワーの名前を思い出そうとして、ルミコ・・・などと言っていた。もしやミュージックライフ初代編集長の星加ルミ子?)。だから日本には思い入れがあるのです」
曲がスタートしたが、3拍子のギタートリオチューンで、多彩なハーモニーが展開する曲の中で正に水を得た魚のように縦横無尽に叩きまくる姿は圧巻であった。シンバルミュート、肘を使ってのタムミュート等様々な技を駆使して見事にダイナミクスが付けられ、音数は無茶苦茶多いのだが、見事に曲にマッチしていた。
フットワークは基本的にヒールダウンで、ダブル・トリプルの連打も全てかかとを着けたままヒットしてしていた。フリオといえば手技がクローズアップされがちだが、テンポの速い曲においても確実に細かいフレーズに対応する強力な足技もまた見逃すことは出来ない。
ここで、現在エンドース契約をしているTAMAとの出会いについて語ってくれた。
「4年前、アメリカ人の友人が『あのフリオ・キリコがまだ生きているらしい』とTAMAの関係者に話をしたらしい。それでTAMAアメリカが私にオファーをしてきた。それはあまりに良い条件のオファーでとても断れないものだった。それで6ヵ月後、急遽アメリカのModern Drummer Festivalに参加することになった。このフェスは世界中のドラマーが一度は参加したいと夢見るイベントだ。自分の歳を考えても15の頃とは違うしね(この歳でいきなりチャレンジングなことに臨むことの困難さについて言っている)。」ちなみにその時の写真やライヴ音源はこちらやこちら、こちらをチェック。Graviata 9.81やSingin’Drumsソロもかましてます。
「勿論、TAMAは自分のためにキットを組んで色まで選ばせてくれた(謙遜した言い方)。今まで色々なキットを使ってきたが、お世辞ではなくハードウェアの面で全く問題無いのはTAMAだけだ。ドラムヘッドとシェルの相性も重要で、ドラムヘッドにも様々な一流メーカーがあるが、商業的な理由ではなく私のエンドースしているドラムヘッドメーカーのEvansとTAMAの相性は音楽的に素晴らしい。Evansの『イーマット』をバスドラムに使ってみたがピッタリだった。」
ここまででかなり時間がおしてしまい(フリオの話が長いのと、3ヶ国語通訳でかなり手間取ったため)、丹野氏から先ほどのドラムキットの3つのフェーズの続きで3つ目はロック系のキットで、これはタムがさらに3つ増えて計8つになったものであるとのフォローが入った。予定されていた左右のドラムセットによるフリオとのセッションや、いくつかの曲はカットになりそうな雰囲気だった。
ここで、待ちに待った参加者からの質問コーナーとなった。質問も恐らく2~3に限られると読んだ私はすかさず手を挙げた。質問を絞っておいて良かった。
私「あなたのドラミングスタイルの変遷についてお伺いします。アルティの1stや2ndの頃はいわゆる70年代的スタイル、多彩なフィルインで歌うように曲を構築していく感じだったのが、現在では随所に鋭いフィルインを入れつつもよりグルーヴ主体でソリッドなスタイルに進化されていると感じます。またフィルインも70年代のタイコの皮をパンパンに張ってダブルストロークを多用したスタイルからシングルストローク主体のスタイルに変わっていると思われます。こうした変化についてのあなたの考え(なぜこのようなスタイルに行き着いたのか)をお訊きしたいのと、そしてもし出来れば往年のスタイルと現在との違いを実演で見せて貰えると幸いです。」
フリオ「まずは当時の時代背景(音楽)というのが大きい。また、アルティの1stを作った頃はまだ17歳で、テクニックを追求していく必要もあった。その後のスタイルの変化については時代背景や音楽性の変化ということも関係していた。」
なるほど~、本人の口から聞くとやっぱり違うな。3rd「Quinto Stato」で手数が激減して音楽性もディスコ~フュージョン寄りに変化していたのも当時のイタリアの音楽シーンを考えるとそうせざるを得なかったというのも納得できる。それにしても15歳でThe TRIPに参加して、17歳で「Tilt」を制作しあんなとんでもないドラムを叩くんだから「天才」以外の何者でもないよな~。
フリオ「ただ、私としては今でも叩き方は変わっていないつもりだ。当時よくプレイしていた、ハイハットとスネアとバスドラムでのパラディドル系のフレージングをやってみるが、当時と今では意識も経験も異なるため、必ずしも全く同じになるとは限らない。」
<実演>
「今でもこういった叩き方はやっている。どちらかと言うと、当時と違うのはグルーヴや、ツインペダル等機材が良くなったことだ。」
<実演~先ほどのパターンにツインペダルを絡めたプレイ>
他にも訊きたいことは山ほどあったが(フィルインの組立ての考え方、独特なツインペダルのフレージング、情報が途絶えていた85年以降の活動、シンバルセッティングの考え方、等々・・・)、無理を言っても仕方が無い。ドラムマガジンでも取材していてくれると嬉しいのだが。。。期待して待とう。
客「同じCRAMPSレーベルのAREAのドラマー、G.カピオッツオが先日亡くなった。私はあなたのバックグラウンドにあるワルツ等のイタリア音楽のルーツに興味があるので教えて欲しい。また、変拍子へのアプローチについても教えて欲しい。」
フリオ「まず最初の質問について、40~50年代における最も重要なドラマーで、ナポリ出身のレナート・カルジョーネがいた。またジャズドラマーでジルクピーン(?)もいたが、その後優れたドラマーの出現に60~70年代まで待たなくてはならなかった。その後出てきたのはトゥーリオ・ディピスコポで、歌手として国外で有名だったが素晴らしいドラマーだった。そしてG.カピオッツオ。パーカッションの研究を重ねて結果的にドラマーになったが、元々はドラマーではなかった。表現力という点においてもっとも感銘を受けたドラマーだ。彼らによってイタリアのドラム界がレベルアップしてきた。」
「変拍子については、口で歌えることが大事だ。例として、口でフレーズを歌いながらドラムに移していく。叩きながら、数えるだけでなく音色を理解して欲しい。」
<実演 ― 口で音程を歌いながら、ハット、スネア、左側フロアタムの3点を左手でリニア的に叩く>
<実演 ― 左手パターンをキープしながら、右手でフリーに叩く>
<実演 ― さらにシングル/ツインペダルで異なるリズムを加えたパターン(よくサイモン・フィリップスがオクタバンを左手で刻みながら他の手足で違うビートを被せるアプローチと似ている)>
「これはあくまで一つの例だ。こうしたアプローチを見たいなら、マイク・マンジーニのクリニックに参加すると良い。彼は素晴らしいドラマーであり、人間的にもいい人だ。科学的なアプローチで叩いてくれる。」マイク・マンジーニやマルコ・ミネマン等、現在最先端のドラムテクニックを追求しているドラマー達の名前が良く出てきて、達人の域に達した今でもなお彼らのテクニックに刺激を受けてドラマーとして前進しようとしているオープンで前向きな姿勢は素晴らしいし、やはり現役バリバリのドラマーなんだという認識を新たにした。
「ただ、こうしたインディペンデンスの話をしていて気になるのは、それが果たして音楽表現に結び付いているのかということだ。まだまだ達成しなければいけないことは多い。」そう、確かにドラムは歴史の浅い楽器であり、まだまだ奏法・キット共開発の余地が大きいもので、常に新しいアプローチが生まれている。このクリニックでも名前が挙がったマルコ・ミネマンやマイク・マンジーニやマルコ・ミネマン、トーマス・ラング、ヴァージル・ドナティといったドラマー達はドラムテクニック追求の最先端を行くと目されており、彼らの教則DVDを観ているとここまでやるかという人間離れしたテクニックが展開されている。しかしながらそれが彼らの参加している作品の中で活かされているかというと、そのような作品はまだ作られていないし、どちらかと言えば「そのテクニックを披露するための音楽」となってしまっているのが現状だ。フリオの言うとおり、まだまだやらなければならない課題は多い。
「ここでまた新たなドラムの可能性について提案したい。」と言って叩き始めたのは・・・
<実演 ― 上記のリズムパタ-ンをプレイしながら、さらに声を被せる。それもよく聞くとリズムをチェンジアップさせている!>
ほげ~こりゃ凄い!ドラマーなら皆分かっているが、フィル・コリンズや稲垣潤一の様にドラムを叩きながら歌うのは実は難しい。それなのに難しいパターンをやりながら、さらに口でもチェンジアップ(同じテンポで拍子を変えていく)していくのは至難の業だ。日々追求されているんですね・・・お見それしました。
続けて、最後の曲として、「シングルペダルとダブルペダルを両方使う曲でその違いについて注目して欲しい」ということで「Murales」からの「2000」をプレイ。もうノリノリの全開プレイで観客を圧倒した。
さあ、ここで何とフリオのキットで実際にプレイが出来るというチャンスがやってきた。フリオの圧倒的なプレイの後で私の貧弱なテクニックでは気が引けるが、ここは目立った者勝ち!ということでまたも手を挙げて一番をゲット!恐る恐るキットに座ってみると、イスが自分にはやや高めということもあるが、タイコ類・シンバル類は低めのセッティング。全ての楽器がアクセスしやすいように非常にコンパクトにまとめられていた。そして中央の8タムを中心に綺麗に左右対称となっていることが実感出来た。フリオの指導の下、このオープンキットを活用したアプローチをやってみる。まずはスネア→中央8タム→右側14タム→左側12タム→右側16フロア→左側18タム→バスドラ、の順番で1打づつオルタネイトで叩く。続いて同じ順番でダブルストロークで。さらに今度はパラディドルでやってみる。イスが高く戸惑ったが、何とか形になって一安心。ここで気が抜けてあまり覚えていないが、次に叩いた2人は片方の手順を1つずらして左右の手が異なる動きをするアプローチなどより難易度が高いパターンをやらされていた。先に出ていて良かった・・・。
こうして大盛り上がりのうちに2時間半にも渡ったクリニックは終了し、サイン会も催された。
TAMAのスタッフ(?)がクリニックの模様をビデオに撮影していたが、公開される日は来るのだろうか?プロモーション用の非売品ビデオにでもなるのであれば何としても入手したいが。。。平日公演のため来れなかったフリオファンも多いだろうし、あのアルティサウンドの核であるフリオのドラミングの秘密に迫ることが出来る貴重な映像であるので、ぜひこれから発売されるアルティ ライヴ・イン・ジャパンのDVDの特典映像として収録できないだろうか。CDと当時発売かと思うので、CDとの強力な差別化にも繋がりますよ!関係者様、ぜひご検討ください!
長年の夢が実現し、このレポートを書くことで、長年の私の思いに一つの区切りを付けることが出来た。これからは現役のバンドとして彼らの活動に注目し、サポートしていきたい。今回は初来日であり、伝説の名曲を生で聴けるという話題性とライヴCD/DVDの収録も同時に行うという事情もあって、公演は成功を収めることが出来たが、2回目の来日を実現するには現役のバンドとして魅力的な新作をリリースし続け新たなファンを獲得していかなければならない。彼らには、イタリアンらしくマイペースに、かつ戦略的に活動を続けていってもらいたいものだ。
しかしいくら平日とはいえ、クラブチッタくらいの会場を押さえると100万はかかる筈。そこにフリオのギャラや人件費、チラシや雑誌広告等プロモーション費用等を加えるとどう考えても赤字となるに違いない。それでもこのような企画を実現出来たのは、自分の好きな音楽を世の中に広めていこうという、スタッフの商売の範囲を超えた情熱以外の何物でもない。全てをビジネスで割り切る風潮やアーティストを利用することしか考えない良心のカケラも無い業界人の話がとかく伝わってくる音楽業界だが、こうした純粋に音楽を愛する心を持って仕事をしている人がいることが分かり嬉しかった。今回の来日公演の実現に尽力した片山伸氏やクラブチッタのスタッフに心から感謝したい。
曲がスタートしたが、3拍子のギタートリオチューンで、多彩なハーモニーが展開する曲の中で正に水を得た魚のように縦横無尽に叩きまくる姿は圧巻であった。シンバルミュート、肘を使ってのタムミュート等様々な技を駆使して見事にダイナミクスが付けられ、音数は無茶苦茶多いのだが、見事に曲にマッチしていた。
フットワークは基本的にヒールダウンで、ダブル・トリプルの連打も全てかかとを着けたままヒットしてしていた。フリオといえば手技がクローズアップされがちだが、テンポの速い曲においても確実に細かいフレーズに対応する強力な足技もまた見逃すことは出来ない。
ここで、現在エンドース契約をしているTAMAとの出会いについて語ってくれた。
「4年前、アメリカ人の友人が『あのフリオ・キリコがまだ生きているらしい』とTAMAの関係者に話をしたらしい。それでTAMAアメリカが私にオファーをしてきた。それはあまりに良い条件のオファーでとても断れないものだった。それで6ヵ月後、急遽アメリカのModern Drummer Festivalに参加することになった。このフェスは世界中のドラマーが一度は参加したいと夢見るイベントだ。自分の歳を考えても15の頃とは違うしね(この歳でいきなりチャレンジングなことに臨むことの困難さについて言っている)。」ちなみにその時の写真やライヴ音源はこちらやこちら、こちらをチェック。Graviata 9.81やSingin’Drumsソロもかましてます。
「勿論、TAMAは自分のためにキットを組んで色まで選ばせてくれた(謙遜した言い方)。今まで色々なキットを使ってきたが、お世辞ではなくハードウェアの面で全く問題無いのはTAMAだけだ。ドラムヘッドとシェルの相性も重要で、ドラムヘッドにも様々な一流メーカーがあるが、商業的な理由ではなく私のエンドースしているドラムヘッドメーカーのEvansとTAMAの相性は音楽的に素晴らしい。Evansの『イーマット』をバスドラムに使ってみたがピッタリだった。」
ここまででかなり時間がおしてしまい(フリオの話が長いのと、3ヶ国語通訳でかなり手間取ったため)、丹野氏から先ほどのドラムキットの3つのフェーズの続きで3つ目はロック系のキットで、これはタムがさらに3つ増えて計8つになったものであるとのフォローが入った。予定されていた左右のドラムセットによるフリオとのセッションや、いくつかの曲はカットになりそうな雰囲気だった。
ここで、待ちに待った参加者からの質問コーナーとなった。質問も恐らく2~3に限られると読んだ私はすかさず手を挙げた。質問を絞っておいて良かった。
私「あなたのドラミングスタイルの変遷についてお伺いします。アルティの1stや2ndの頃はいわゆる70年代的スタイル、多彩なフィルインで歌うように曲を構築していく感じだったのが、現在では随所に鋭いフィルインを入れつつもよりグルーヴ主体でソリッドなスタイルに進化されていると感じます。またフィルインも70年代のタイコの皮をパンパンに張ってダブルストロークを多用したスタイルからシングルストローク主体のスタイルに変わっていると思われます。こうした変化についてのあなたの考え(なぜこのようなスタイルに行き着いたのか)をお訊きしたいのと、そしてもし出来れば往年のスタイルと現在との違いを実演で見せて貰えると幸いです。」
フリオ「まずは当時の時代背景(音楽)というのが大きい。また、アルティの1stを作った頃はまだ17歳で、テクニックを追求していく必要もあった。その後のスタイルの変化については時代背景や音楽性の変化ということも関係していた。」
なるほど~、本人の口から聞くとやっぱり違うな。3rd「Quinto Stato」で手数が激減して音楽性もディスコ~フュージョン寄りに変化していたのも当時のイタリアの音楽シーンを考えるとそうせざるを得なかったというのも納得できる。それにしても15歳でThe TRIPに参加して、17歳で「Tilt」を制作しあんなとんでもないドラムを叩くんだから「天才」以外の何者でもないよな~。
フリオ「ただ、私としては今でも叩き方は変わっていないつもりだ。当時よくプレイしていた、ハイハットとスネアとバスドラムでのパラディドル系のフレージングをやってみるが、当時と今では意識も経験も異なるため、必ずしも全く同じになるとは限らない。」
<実演>
「今でもこういった叩き方はやっている。どちらかと言うと、当時と違うのはグルーヴや、ツインペダル等機材が良くなったことだ。」
<実演~先ほどのパターンにツインペダルを絡めたプレイ>
他にも訊きたいことは山ほどあったが(フィルインの組立ての考え方、独特なツインペダルのフレージング、情報が途絶えていた85年以降の活動、シンバルセッティングの考え方、等々・・・)、無理を言っても仕方が無い。ドラムマガジンでも取材していてくれると嬉しいのだが。。。期待して待とう。
客「同じCRAMPSレーベルのAREAのドラマー、G.カピオッツオが先日亡くなった。私はあなたのバックグラウンドにあるワルツ等のイタリア音楽のルーツに興味があるので教えて欲しい。また、変拍子へのアプローチについても教えて欲しい。」
フリオ「まず最初の質問について、40~50年代における最も重要なドラマーで、ナポリ出身のレナート・カルジョーネがいた。またジャズドラマーでジルクピーン(?)もいたが、その後優れたドラマーの出現に60~70年代まで待たなくてはならなかった。その後出てきたのはトゥーリオ・ディピスコポで、歌手として国外で有名だったが素晴らしいドラマーだった。そしてG.カピオッツオ。パーカッションの研究を重ねて結果的にドラマーになったが、元々はドラマーではなかった。表現力という点においてもっとも感銘を受けたドラマーだ。彼らによってイタリアのドラム界がレベルアップしてきた。」
「変拍子については、口で歌えることが大事だ。例として、口でフレーズを歌いながらドラムに移していく。叩きながら、数えるだけでなく音色を理解して欲しい。」
<実演 ― 口で音程を歌いながら、ハット、スネア、左側フロアタムの3点を左手でリニア的に叩く>
<実演 ― 左手パターンをキープしながら、右手でフリーに叩く>
<実演 ― さらにシングル/ツインペダルで異なるリズムを加えたパターン(よくサイモン・フィリップスがオクタバンを左手で刻みながら他の手足で違うビートを被せるアプローチと似ている)>
「これはあくまで一つの例だ。こうしたアプローチを見たいなら、マイク・マンジーニのクリニックに参加すると良い。彼は素晴らしいドラマーであり、人間的にもいい人だ。科学的なアプローチで叩いてくれる。」マイク・マンジーニやマルコ・ミネマン等、現在最先端のドラムテクニックを追求しているドラマー達の名前が良く出てきて、達人の域に達した今でもなお彼らのテクニックに刺激を受けてドラマーとして前進しようとしているオープンで前向きな姿勢は素晴らしいし、やはり現役バリバリのドラマーなんだという認識を新たにした。
「ただ、こうしたインディペンデンスの話をしていて気になるのは、それが果たして音楽表現に結び付いているのかということだ。まだまだ達成しなければいけないことは多い。」そう、確かにドラムは歴史の浅い楽器であり、まだまだ奏法・キット共開発の余地が大きいもので、常に新しいアプローチが生まれている。このクリニックでも名前が挙がったマルコ・ミネマンやマイク・マンジーニやマルコ・ミネマン、トーマス・ラング、ヴァージル・ドナティといったドラマー達はドラムテクニック追求の最先端を行くと目されており、彼らの教則DVDを観ているとここまでやるかという人間離れしたテクニックが展開されている。しかしながらそれが彼らの参加している作品の中で活かされているかというと、そのような作品はまだ作られていないし、どちらかと言えば「そのテクニックを披露するための音楽」となってしまっているのが現状だ。フリオの言うとおり、まだまだやらなければならない課題は多い。
「ここでまた新たなドラムの可能性について提案したい。」と言って叩き始めたのは・・・
<実演 ― 上記のリズムパタ-ンをプレイしながら、さらに声を被せる。それもよく聞くとリズムをチェンジアップさせている!>
ほげ~こりゃ凄い!ドラマーなら皆分かっているが、フィル・コリンズや稲垣潤一の様にドラムを叩きながら歌うのは実は難しい。それなのに難しいパターンをやりながら、さらに口でもチェンジアップ(同じテンポで拍子を変えていく)していくのは至難の業だ。日々追求されているんですね・・・お見それしました。
続けて、最後の曲として、「シングルペダルとダブルペダルを両方使う曲でその違いについて注目して欲しい」ということで「Murales」からの「2000」をプレイ。もうノリノリの全開プレイで観客を圧倒した。
さあ、ここで何とフリオのキットで実際にプレイが出来るというチャンスがやってきた。フリオの圧倒的なプレイの後で私の貧弱なテクニックでは気が引けるが、ここは目立った者勝ち!ということでまたも手を挙げて一番をゲット!恐る恐るキットに座ってみると、イスが自分にはやや高めということもあるが、タイコ類・シンバル類は低めのセッティング。全ての楽器がアクセスしやすいように非常にコンパクトにまとめられていた。そして中央の8タムを中心に綺麗に左右対称となっていることが実感出来た。フリオの指導の下、このオープンキットを活用したアプローチをやってみる。まずはスネア→中央8タム→右側14タム→左側12タム→右側16フロア→左側18タム→バスドラ、の順番で1打づつオルタネイトで叩く。続いて同じ順番でダブルストロークで。さらに今度はパラディドルでやってみる。イスが高く戸惑ったが、何とか形になって一安心。ここで気が抜けてあまり覚えていないが、次に叩いた2人は片方の手順を1つずらして左右の手が異なる動きをするアプローチなどより難易度が高いパターンをやらされていた。先に出ていて良かった・・・。
こうして大盛り上がりのうちに2時間半にも渡ったクリニックは終了し、サイン会も催された。
TAMAのスタッフ(?)がクリニックの模様をビデオに撮影していたが、公開される日は来るのだろうか?プロモーション用の非売品ビデオにでもなるのであれば何としても入手したいが。。。平日公演のため来れなかったフリオファンも多いだろうし、あのアルティサウンドの核であるフリオのドラミングの秘密に迫ることが出来る貴重な映像であるので、ぜひこれから発売されるアルティ ライヴ・イン・ジャパンのDVDの特典映像として収録できないだろうか。CDと当時発売かと思うので、CDとの強力な差別化にも繋がりますよ!関係者様、ぜひご検討ください!
長年の夢が実現し、このレポートを書くことで、長年の私の思いに一つの区切りを付けることが出来た。これからは現役のバンドとして彼らの活動に注目し、サポートしていきたい。今回は初来日であり、伝説の名曲を生で聴けるという話題性とライヴCD/DVDの収録も同時に行うという事情もあって、公演は成功を収めることが出来たが、2回目の来日を実現するには現役のバンドとして魅力的な新作をリリースし続け新たなファンを獲得していかなければならない。彼らには、イタリアンらしくマイペースに、かつ戦略的に活動を続けていってもらいたいものだ。
しかしいくら平日とはいえ、クラブチッタくらいの会場を押さえると100万はかかる筈。そこにフリオのギャラや人件費、チラシや雑誌広告等プロモーション費用等を加えるとどう考えても赤字となるに違いない。それでもこのような企画を実現出来たのは、自分の好きな音楽を世の中に広めていこうという、スタッフの商売の範囲を超えた情熱以外の何物でもない。全てをビジネスで割り切る風潮やアーティストを利用することしか考えない良心のカケラも無い業界人の話がとかく伝わってくる音楽業界だが、こうした純粋に音楽を愛する心を持って仕事をしている人がいることが分かり嬉しかった。今回の来日公演の実現に尽力した片山伸氏やクラブチッタのスタッフに心から感謝したい。
2005/06/11のBlog
[ 00:52 ]
[ 邦楽 ]
思えば、邦楽でこんなにチャートについて取り沙汰されるようになったのはつい最近、少なくともここ10年ほどの間ではないだろうか。洋楽の場合、ビルボードやキャッシュボックス等、古くからヒットの物差しとしてヒットチャートが絶対的なものとしてあったが、日本では例えば80年代、「『レベッカⅣ』がアルバムチャート初の1位に」とか「吉川晃司2曲連続1位!」なんて騒がれ方は聞いたことがない。
そんなのを気にしてたのは当時全盛のFM誌(FMファン,FMステーション等)をカセットラベル目当てに買っていた人ぐらいで、ヒットの目安はラジオやテレビの歌番組にいかに多く登場しているか、だったと思う。
歌謡曲→ロックへのシフトと歌番組の衰退、それに伴う新たなヒットの基準としてのヒットチャートの浮上、94年からの小室哲哉プロダクツの記録的なヒットによりクローズアップされた存在感・・・てな流れで今日洋楽と同レベルでチャート談義に花が咲いている状況を迎えたのではないだろうか。まあ、音楽をプロダクツとして扱う音楽業界のビジネス化の進行というのもその底流にあるとは思うが。凄くアバウトな分析だけど、80年代の邦楽に博識なあかねさんにご意見伺いたいところだ。
そんなのを気にしてたのは当時全盛のFM誌(FMファン,FMステーション等)をカセットラベル目当てに買っていた人ぐらいで、ヒットの目安はラジオやテレビの歌番組にいかに多く登場しているか、だったと思う。
歌謡曲→ロックへのシフトと歌番組の衰退、それに伴う新たなヒットの基準としてのヒットチャートの浮上、94年からの小室哲哉プロダクツの記録的なヒットによりクローズアップされた存在感・・・てな流れで今日洋楽と同レベルでチャート談義に花が咲いている状況を迎えたのではないだろうか。まあ、音楽をプロダクツとして扱う音楽業界のビジネス化の進行というのもその底流にあるとは思うが。凄くアバウトな分析だけど、80年代の邦楽に博識なあかねさんにご意見伺いたいところだ。
話は逸れたが、このサイトを見ていくと今まで知らなかった意外な事実に突き当たり新鮮な驚きを感じることが多かったのだ。
例えばC-C-B、今では懐メロ番組で貧相な再結成姿で出演したりTV-CMに笠クンが出演したりと80年代のキワモノ的な扱い(洋楽で言えば、同じ奇抜な髪型ばかりが取り沙汰されるエレポップのフロック・オブ・シーガルス並みか?)だったり「Romanticが止まらない」の一発屋という認識しかされていないが、実は89年の解散直前まで12曲ものトップ10ヒットを放った立派なヒットメイカーだったのだ。それに対し、数々の記憶に残る名曲を残し今も根強い人気を誇るゴダイゴは、78年のビッグヒット「ガンダーラ」から79年の最後のトップ10ヒット「銀河鉄道999」までたったの1年弱、その後「ポートピア」や「カトマンズ」といった名曲をリリースしながらもヒットには恵まれなかった。チャート上では、ゴダイゴこそ急激なピークを迎えた後急速に失速していった一発屋に近い存在ということになる。
勿論、そんなセールス実績とは関係なく今後もゴダイゴの音楽が愛されていくことに変わりはないのだが、チャートの成績と後の時代の評価というものに大きくズレがあるのだ。確かにヒットチャートにより何が今ヒットしているかがリアルタイムかつ正確にもたらされるようになったが、果たしてそれが人々の記憶に残る良い音楽であるかどうかというのは全く別の話であるという、当たり前だけど忘れやすい事実を実感させてくれた出来事だった。
例えばC-C-B、今では懐メロ番組で貧相な再結成姿で出演したりTV-CMに笠クンが出演したりと80年代のキワモノ的な扱い(洋楽で言えば、同じ奇抜な髪型ばかりが取り沙汰されるエレポップのフロック・オブ・シーガルス並みか?)だったり「Romanticが止まらない」の一発屋という認識しかされていないが、実は89年の解散直前まで12曲ものトップ10ヒットを放った立派なヒットメイカーだったのだ。それに対し、数々の記憶に残る名曲を残し今も根強い人気を誇るゴダイゴは、78年のビッグヒット「ガンダーラ」から79年の最後のトップ10ヒット「銀河鉄道999」までたったの1年弱、その後「ポートピア」や「カトマンズ」といった名曲をリリースしながらもヒットには恵まれなかった。チャート上では、ゴダイゴこそ急激なピークを迎えた後急速に失速していった一発屋に近い存在ということになる。
勿論、そんなセールス実績とは関係なく今後もゴダイゴの音楽が愛されていくことに変わりはないのだが、チャートの成績と後の時代の評価というものに大きくズレがあるのだ。確かにヒットチャートにより何が今ヒットしているかがリアルタイムかつ正確にもたらされるようになったが、果たしてそれが人々の記憶に残る良い音楽であるかどうかというのは全く別の話であるという、当たり前だけど忘れやすい事実を実感させてくれた出来事だった。
そんなウンチクを垂れておきなから、私がこよなく愛する西城秀樹とそのライバル郷ひろみのシングルセールス比較を早速やってみたが、トップ10ヒットではヒデキの31曲に対しひろみ34曲と優勢だが、1位獲得曲はヒデキ3曲に対しひろみ1曲(「よろしく哀愁」)と、突出したヒットではヒデキに軍配が上がる。シングル総売上枚数では、ヒデキ1,170万枚に対しひろみ1,299万枚と、これも僅差でひろみが勝利。これだけ僅差の結果となったのはやはり宿命のライバル同士ということだろうか。
近年のセールス状況もそんなに変わらないが、音楽的に印象に残る仕事をしているのは、バラード三部作以降明確に方向性を定めた戦略を進めている郷ひろみだろう。その時その時のヒットメイカーに曲を依頼したり、曲ごとに方向性がバラバラだったりと場当たり的な展開が目立つヒデキだが、以前も書いたように今彼に必要なのは中長期的な観点から音楽以外の部分も含めてプロデュースできるブレイン的な存在だ。ステ-ジのバンマスはカッコ良すぎる芳野藤丸兄貴で異存は無いが、残りのアーティストパワーを集中して一点突破を図って欲しいものだ。
話がどんどんズレていってしまったが、つい盛り上がってしまうこと請け合いなので皆さんもぜひ訪ねてみてはいかが?
近年のセールス状況もそんなに変わらないが、音楽的に印象に残る仕事をしているのは、バラード三部作以降明確に方向性を定めた戦略を進めている郷ひろみだろう。その時その時のヒットメイカーに曲を依頼したり、曲ごとに方向性がバラバラだったりと場当たり的な展開が目立つヒデキだが、以前も書いたように今彼に必要なのは中長期的な観点から音楽以外の部分も含めてプロデュースできるブレイン的な存在だ。ステ-ジのバンマスはカッコ良すぎる芳野藤丸兄貴で異存は無いが、残りのアーティストパワーを集中して一点突破を図って欲しいものだ。
話がどんどんズレていってしまったが、つい盛り上がってしまうこと請け合いなので皆さんもぜひ訪ねてみてはいかが?
2005/06/09のBlog
[ 01:14 ]
[ ガンダム ]
あかねさんのブログにZガンダムの主題歌についての記事が載っていて、いろいろと書きたくなった。
先週末、Zガンダム劇場版三部作の第一作目を早速観に行ったが、GacKtの歌うスピード感溢れる主題歌が示す通り現代的なアップテンポのロボット活劇に生まれ変わっていた。(ちなみに彼は三部作全ての主題歌を手掛けるようだ)
さすがにフィルムの切り貼りで総集編を作らせたら天下一品の富野由悠季監督、大胆な編集でかなりの情報量のあるストーリーを上手く纏め上げていると同時に、従来の登場人物の性格や人間関係も「新解釈」で蘇らせている。たとえば主人公のカミーユだが、TV版ではとにかく暗くネガティブでどこかスレた感じの少年だったが、今回の劇場版では素直というか戦いに染まっていない純な少年(やや幼い感じ)という描写に変わっているし、エマ、レコアとシャアの間の関係も新作画によって丹念に描かれている。(次作以降への伏線か?)
まあ、TV本放送をビデオに撮って擦り切れるほど観ている身にとっては「うおーライラの扱いははしょりすぎー」「ジェリドとのファーストコンタクトはZ最大のカタルシスなんだから回想シーンじゃちょっと・・・」等ツッコミどころ満載なのだが。
先週末、Zガンダム劇場版三部作の第一作目を早速観に行ったが、GacKtの歌うスピード感溢れる主題歌が示す通り現代的なアップテンポのロボット活劇に生まれ変わっていた。(ちなみに彼は三部作全ての主題歌を手掛けるようだ)
さすがにフィルムの切り貼りで総集編を作らせたら天下一品の富野由悠季監督、大胆な編集でかなりの情報量のあるストーリーを上手く纏め上げていると同時に、従来の登場人物の性格や人間関係も「新解釈」で蘇らせている。たとえば主人公のカミーユだが、TV版ではとにかく暗くネガティブでどこかスレた感じの少年だったが、今回の劇場版では素直というか戦いに染まっていない純な少年(やや幼い感じ)という描写に変わっているし、エマ、レコアとシャアの間の関係も新作画によって丹念に描かれている。(次作以降への伏線か?)
まあ、TV本放送をビデオに撮って擦り切れるほど観ている身にとっては「うおーライラの扱いははしょりすぎー」「ジェリドとのファーストコンタクトはZ最大のカタルシスなんだから回想シーンじゃちょっと・・・」等ツッコミどころ満載なのだが。
ただ、これは本放送時からのマニアの見方で、SEEDやその前の平成ガンダムシリ-ズから入った層にとっては様々なドラマの詰まったシリアスな見ごたえのある作品だということで支持を受けるポテンシャルは十分あると思う。本作のハイライトである終盤地球上でのメカ戦闘シーンも、大半が新作画による圧倒的なクオリティで迫り、手に汗握ること間違いなしだし、ラストのアムロとシャアの再会シーンはやはり鳥肌もの。
全体的には後の続編に続く伏線を張り巡らせた、序盤をうまくエディットした総集編という、初代ガンダムの劇場版第一作目と同様の作品という印象だ。
全体的には後の続編に続く伏線を張り巡らせた、序盤をうまくエディットした総集編という、初代ガンダムの劇場版第一作目と同様の作品という印象だ。
さて、本当に書きたかったのはZのことよりも実はTV版Zの主題歌を作曲したニール・セダカ氏のことだ。
セダカ氏といえば1950~60年代前半にアイドルとして一世を風靡したが、その後人気が低迷。70年代に入り、エルトン・ジョンのロケット・レーベルで全米No1ヒットを放ち復活を遂げ、素晴らしい作品群をリリースしていった。その中でも特に大好きな作品が75年発表の「The Hungry Years」。当時全盛のSSWやAOR等の新しい要素も盛り込まれ、この人が実は非常にフレキシブルな音楽性の持ち主であることが伺える内容で、後に職業音楽家として活躍することも納得できる。もちろん胸キュンの切なすぎるメロディラインも満載。
それにしてもセダカ氏をオールディーズ歌手としてではなく職業音楽家として起用した富野監督の音楽への感覚の鋭さには驚くばかりだ。結果として、当時のアニメとしては斬新な主題歌が誕生した。ちなみにZの主題歌「Z・刻をこえて」とエンディング曲「星空のBelieve」は、確かかつて自身のアルバムに収録されていた曲を元にしていたらしいが、どの曲かは不明。
セダカ氏といえば1950~60年代前半にアイドルとして一世を風靡したが、その後人気が低迷。70年代に入り、エルトン・ジョンのロケット・レーベルで全米No1ヒットを放ち復活を遂げ、素晴らしい作品群をリリースしていった。その中でも特に大好きな作品が75年発表の「The Hungry Years」。当時全盛のSSWやAOR等の新しい要素も盛り込まれ、この人が実は非常にフレキシブルな音楽性の持ち主であることが伺える内容で、後に職業音楽家として活躍することも納得できる。もちろん胸キュンの切なすぎるメロディラインも満載。
それにしてもセダカ氏をオールディーズ歌手としてではなく職業音楽家として起用した富野監督の音楽への感覚の鋭さには驚くばかりだ。結果として、当時のアニメとしては斬新な主題歌が誕生した。ちなみにZの主題歌「Z・刻をこえて」とエンディング曲「星空のBelieve」は、確かかつて自身のアルバムに収録されていた曲を元にしていたらしいが、どの曲かは不明。
そういえば映画「ガンダムⅢ めぐりあい宇宙」の挿入歌は言わずと知れた井上大輔の名曲「めぐりあい」「ビギニング」だが、後者ってモロにキング・クリムゾン「Lizard」でのジョン・アンダーソンが歌っている曲のパクリだということを思い出したが、もう映画と切り離して考えられない曲なので全然OKだ。
うーん、何だかアニメソングのことで勝手に頭の中で盛り上がってきたぞ。今度シリーズ化しようかな。
うーん、何だかアニメソングのことで勝手に頭の中で盛り上がってきたぞ。今度シリーズ化しようかな。
2005/06/08のBlog
[ 00:21 ]
[ 洋楽 ]
今週末はいよいよArti&Mestieriの初来日公演。
マニア以外には「誰じゃそら?」てなもんだが、日本アルティ党の幹事長の座を狙う私にとってはまさに一生に一度の大イベントだ。
だって、このためにロブハルフォードが復帰したジューダス・プリーストも、ドラムに何とヴィニー・カリウタ(!)を連れて来るジェフ・ベックの来日公演も諦めたのだから・・・。
勿論、土日の2日間の公演に加えて、月曜日に行われるドラマーのフリオ・キリコ大先生のクリニックまで制覇します。
マニア以外には「誰じゃそら?」てなもんだが、日本アルティ党の幹事長の座を狙う私にとってはまさに一生に一度の大イベントだ。
だって、このためにロブハルフォードが復帰したジューダス・プリーストも、ドラムに何とヴィニー・カリウタ(!)を連れて来るジェフ・ベックの来日公演も諦めたのだから・・・。
勿論、土日の2日間の公演に加えて、月曜日に行われるドラマーのフリオ・キリコ大先生のクリニックまで制覇します。
フリオはArtiのデビュー作にして永遠の名作「Tilt」(74)での、隙間という隙間を埋め尽くす超高速ドラミングで伝説的存在になっているといっても過言ではないが、あまりそのドラミングスタイルについて分析されることは少なかった。
手数の多さからよくビリー・コブハムやビル・ブルフォードなどと比較されるが、タイプは全く異なり、バディ・リッチやカール・パーマーのようなマーチング/ビッグバンドスタイルの流れを汲んだドラマーだと思う。
彼らと大きく違うのはダブルストロークの過剰なまでの多用で、録音が悪いので推測になるが、70年代はタイコの皮をパンパンにきつく張って、ダブルストロークでキット全体を縦横無尽に駆け巡っていたようだ。
そのスティックワークを支えるのはよく鍛錬されたフィンガリングで、恐らくマーチングを通ってきているのではないかと思われるが、尋常じゃないスピードと持久力である。
96年の教則DVDを観るとかなりドラミングスタイルが変化しており、音数が整理されてタイトな現代的ドラミングに変貌を遂げているが、随所に織り込むキレのいいロールや、どジャスト過ぎて逆にタメているように感じられる彼独自のタイム感が、その個性を強烈にアピールしている。
ただ、往年の驚異的な手数に反比例した軽やかで繊細なリズムを求める向きには、現在のパワードラミングスタイルは違和感があるのかもしれない。(体も過剰にマッチョ化しているし・・・)
彼は左利きだがオープンハンド奏法で右利き用のドラムキットを使っており、さらには右手はレギュラーグリップというレニー・ホワイトのような超変則スタイルだ。
ドラムキットは1バスで、左側にタムを配置して中央のタムから左右対称に流れていくやはり変態セッティング。ちなみに70年代は極めてシンプルなシングルヘッドの2タム1フロアのキットで、超高速ドラミングを行うためかフロアタムとタムの高さが同じというヘンテコリンなものだが、それが逆に「こんなチンケなキットであんなとんでもないことやってたのね・・・」という凄みすら感じさせる。
いずれにせよ70年代の音源を聴くと、世界一のドラミングを目指していたんだなということがひしひしと伝わってくるし、その過剰さこそが伝説となるゆえんだろう。
彼のドラムクリニックでは、80年代の沈黙期における活動内容やドラミングスタイルの変遷及びその考え方等、今まで謎に包まれてきた巨匠の全貌を暴くべく質問しまくる予定です。レポートをお楽しみに!
来日公演の詳しいインフォメーションはこちら
Artiの公演は600席限定とのことだが、どうやらまだ残席があるようなので、興味のある方はぜひ。
地中海の香り漂う涼しげなメロディとラテンの熱い血を滾らせつつもマハヴィシュヌの如き超絶アンサンブルをクールにキメる二律相反したパフォーマンスが楽しめます。
フリオのドラムクリニックも、まだ余裕があるみたいです。
96年の教則DVDを観るとかなりドラミングスタイルが変化しており、音数が整理されてタイトな現代的ドラミングに変貌を遂げているが、随所に織り込むキレのいいロールや、どジャスト過ぎて逆にタメているように感じられる彼独自のタイム感が、その個性を強烈にアピールしている。
ただ、往年の驚異的な手数に反比例した軽やかで繊細なリズムを求める向きには、現在のパワードラミングスタイルは違和感があるのかもしれない。(体も過剰にマッチョ化しているし・・・)
彼は左利きだがオープンハンド奏法で右利き用のドラムキットを使っており、さらには右手はレギュラーグリップというレニー・ホワイトのような超変則スタイルだ。
ドラムキットは1バスで、左側にタムを配置して中央のタムから左右対称に流れていくやはり変態セッティング。ちなみに70年代は極めてシンプルなシングルヘッドの2タム1フロアのキットで、超高速ドラミングを行うためかフロアタムとタムの高さが同じというヘンテコリンなものだが、それが逆に「こんなチンケなキットであんなとんでもないことやってたのね・・・」という凄みすら感じさせる。
いずれにせよ70年代の音源を聴くと、世界一のドラミングを目指していたんだなということがひしひしと伝わってくるし、その過剰さこそが伝説となるゆえんだろう。
彼のドラムクリニックでは、80年代の沈黙期における活動内容やドラミングスタイルの変遷及びその考え方等、今まで謎に包まれてきた巨匠の全貌を暴くべく質問しまくる予定です。レポートをお楽しみに!
来日公演の詳しいインフォメーションはこちら
Artiの公演は600席限定とのことだが、どうやらまだ残席があるようなので、興味のある方はぜひ。
地中海の香り漂う涼しげなメロディとラテンの熱い血を滾らせつつもマハヴィシュヌの如き超絶アンサンブルをクールにキメる二律相反したパフォーマンスが楽しめます。
フリオのドラムクリニックも、まだ余裕があるみたいです。
2005/02/17のBlog
[ 00:10 ]
[ 洋楽 ]
ボジオたんの記事を書いたらかなりの反響があったのでびっくりですが、ここで彼の魅力であるライブでのドラミングを確認できる映像作品をいくつか紹介していきます。
①Baby Snakes/Frank Zappa('79)
テリーが出演している公式な映像作品は意外と少ないが、まず押さえておきたい定番
はコレ。77年ハロウィーンに行われたライヴの映像にグニャグニャした摩訶不思議なクレーアニメを挿入した作品で、正直アニメはうざい。とはいえライブは素晴らしく、ザッパ歴代バンドの中でも最高の布陣による圧巻の演奏が楽しめる。エイドリアン・ブリューはザッパ所有の改造ストラトで暴れまわり、パーカッションのエド・マンは常識外れの超絶技巧で唖然とさせる。
①Baby Snakes/Frank Zappa('79)
テリーが出演している公式な映像作品は意外と少ないが、まず押さえておきたい定番
はコレ。77年ハロウィーンに行われたライヴの映像にグニャグニャした摩訶不思議なクレーアニメを挿入した作品で、正直アニメはうざい。とはいえライブは素晴らしく、ザッパ歴代バンドの中でも最高の布陣による圧巻の演奏が楽しめる。エイドリアン・ブリューはザッパ所有の改造ストラトで暴れまわり、パーカッションのエド・マンは常識外れの超絶技巧で唖然とさせる。
当のボジオ先生は黒のビキニパンツ一丁というトミー・リー顔負けのナイスな格好で、ザッパ所有の黒のグレッチの2バスキットをブッ叩きまくる。セッティングは恐竜的進化を遂げた現在に比べるとベーシックな3タム・2フロア+ポラードのエレドラで、まだライドシンバルがセットされている。タイコの打面はガムテープでがっちりミュートしているが、これはアタックが強調される反面、細かなトーンが抑制されニュアンスを出しにくい筈。しかしながらそんなのテクニックでカバーしてやるぜと言わんばかりにダイナミクス豊かなプレイを披露。肝心のプレイだが、フィルインやフレージングはまだトニー・ウイリアムスの影響下にあり発展途上との感があるが、テクニック自体は既に完成されている。
また、テリーは歌や演技でも大活躍で、「Titties 'N' Beer」では悪魔の面を付けてザッパとやり合い、「Punky's Whips」では当時人気のあったANGELのギタリスト、パンキー・メドウスに恋をするという設定でオカマチックなボーカルまで披露。ブリューと並んでこのバンドのおふざけパートもリードしている。観客もナイスで、ステージと一体となってバカになるノリの良さが素晴らしい。
2005/02/16のBlog
[ 00:31 ]
[ JAZZ ]
チック・コリアが、85年に当時殆ど無名の新人であったベースのジョン・パディトゥッチ、ドラムのデイヴ・ウェックルと共に結成し、シンクラヴィア等当時の最新テクノロジーと驚異的な演奏との融合により新しい音楽の形を提示し、ジャズ/フュージョンシーンに衝撃を与えたユニット、チック・コリア・エレクトリック・バンド。
音楽もさることながら、新人2人のパフォーマンスは衝撃的だった。エレクトリック/アコースティックベース双方を全く同等に弾きこなす超絶テクニックに、豊かな音楽性を併せ持つパディトゥッチ、そしてシーケンサーと完璧に同化す抜群のリズム感と斬新なテクニック/アイディアでウェックル以前/ウェックル以後という言葉が出来るほどドラム界に革命を起こしたウェックル。
音楽もさることながら、新人2人のパフォーマンスは衝撃的だった。エレクトリック/アコースティックベース双方を全く同等に弾きこなす超絶テクニックに、豊かな音楽性を併せ持つパディトゥッチ、そしてシーケンサーと完璧に同化す抜群のリズム感と斬新なテクニック/アイディアでウェックル以前/ウェックル以後という言葉が出来るほどドラム界に革命を起こしたウェックル。
91年までの間にアルバム5枚を残し、活動停止後は各メンバーがそれぞれ頭角を現し充実した活動を展開。
チックは、93年にはよりアコースティック風味で自由度の高い演奏を目指したチック・コリア・エレクトリックバンドⅡを結成(ドラマーに若手のゲイリー・ノヴァックを、ギターにジノ・ヴァネリ・バンドのマイク・ミラーを起用)したが、アルバム1枚を残し活動停止。チック本人は近年のインタビューでテクノロジーの追求には既に興味が無く、アコースティックピアノの可能性をより引き出したいと語っており、事実自身のソロ作やオリジン等のユニットではアコースティックな路線を追求し、今後もエレクトリックフォームの音楽には回帰しないものと思われていたが、突如エレクトリック・バンドを再編し、各国のジャズフェスティバル等に参加して全盛期そのままのハイパーな演奏を披露。さらには11年ぶりのオリジナル作「To The Stars」を発表し話題になったが、5月に来日公演を行うことが明らかになった。
チックは、93年にはよりアコースティック風味で自由度の高い演奏を目指したチック・コリア・エレクトリックバンドⅡを結成(ドラマーに若手のゲイリー・ノヴァックを、ギターにジノ・ヴァネリ・バンドのマイク・ミラーを起用)したが、アルバム1枚を残し活動停止。チック本人は近年のインタビューでテクノロジーの追求には既に興味が無く、アコースティックピアノの可能性をより引き出したいと語っており、事実自身のソロ作やオリジン等のユニットではアコースティックな路線を追求し、今後もエレクトリックフォームの音楽には回帰しないものと思われていたが、突如エレクトリック・バンドを再編し、各国のジャズフェスティバル等に参加して全盛期そのままのハイパーな演奏を披露。さらには11年ぶりのオリジナル作「To The Stars」を発表し話題になったが、5月に来日公演を行うことが明らかになった。
最近のイタリアのフェスティバルでのTV映像を観ると、エレクトリック風味はそのままに、さらにテクニックを向上させた各メンバーによる自由度が増した演奏は強烈で、ガッチリと構築されていた印象の旧曲をさらにインプロで発展させてさらなる高みに導いている。特に「Got A Match」ではもうとんでもないことになっているが、こればかりは観てもらうしかない。
私はこのバンドは演奏があまりにメカニカルで音楽のアクロバットにしか聞こえないときもあったのだが、ひさびさにこれだけゴリゴリの音を目の前にするとやっぱり燃えるし、何より以前よりも人間味というか柔軟性のある演奏を聴かせてくれるのがいい。
デイヴ・ウェックルといえばテクニック至上主義の最右翼のようなドラマーだが、エレクトリックバンド活動停止後はグルーヴドラマー宣言をし、ドラミングフォームやセッティングを大改造。音楽性もハードフュージョンからファンキー路線に転換したが、ここ数年はそんな宣言を忘れたかのようにドラミングが再び先鋭化(時に叩き過ぎの感も・・・)。上記のライブ映像でも、これ以上ないリラックスしたフォームから尋常ではない手数足数の嵐を繰り出しております。
なお、オリジナル・ベーシストのジョン・パディトゥッチは 「To The Stars」の録音とその前後のギグには参加したが、自身のソロ活動とウェイン・ショーター・カルテットでのツアーを優先したのか、今回の来日公演には参加しない模様。後任のリック・フィエラブラッチはロック/フュージョン系の数多くのセッションに参加している売れっ子で、既に数回のギグに参加しかなりバンドに溶け込んでいるようだ。
公演の詳細はこちら↓
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Chick Corea Elektric Band Japan Tour’05
伝説のハイパー・エレクトリック・プロジェクト!!
奇跡のリユニオン!!
全音楽ファン待望の来日公演が急遽決定!!
【公演日程】
5月8日(日) 日比谷野外音楽堂
OPEN 16:30/START 17:30
料金:指定¥8,500/立見¥7,500(税込)
※未就学児童入場不可 ※雨天決行/荒天中止
(問)サンライズプロモーション東京0570-00-3337
プライム・ディレクション03-3408-9595
◆チケット発売日:3月5日(土)
≪予定出演者≫ Chick Corea/チック・コリア(KEYS、P)
Dave Weckl/デイヴ・ヴェックル(DRUMS)
Ric Fierabracci/リック・フィエラブラッチ(BASS)
Frank Gambale/フランク・ギャンバレ(GUITAR)
Eric Marienthal/エリック・マリエンサル(SAX)
【地方公演】
5月10日(火)/11日(水)/12日(木) 大阪ブルーノート (問)06-6342-7722
5月14日(土)/15日(日)/16日(月) 名古屋ブルーノート (問)052-961-6311
5月18日(水)/19日(木) 福岡ブルーノート (問)092-715-6666
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2005/02/15のBlog
[ 01:00 ]
[ 洋楽 ]
オランダでオーケストラと共演した時の模様がテリー・ボジオの公式サイトに掲載されているが、そのときのドラムキットの写真がこちら。
前回の写真では分からなかった足下が明らかになっているが、確認できるだけでもペダルが左足分で9つ!右足でも最低5つは使っているはずだから、少なくとも14以上のペダルを配置していることになる。予想されるセッティングはバスドラム×6、ピッコロタム、ハイハット、スポークスハット、トラッシュチャイナハット×3だが、残り2つは何のペダルだろうか?テリー曰く、新セットアップではメロディックタムの追加による半音階、バスドラムの追加によるベーシックな音階の強化(彼はバスドラムによる一定の繰り返しの上でソロを取ることが多い)をそれぞれ図ったとのことだが、いずれにしてもここまでやられると言うことは無い・・・
前回の写真では分からなかった足下が明らかになっているが、確認できるだけでもペダルが左足分で9つ!右足でも最低5つは使っているはずだから、少なくとも14以上のペダルを配置していることになる。予想されるセッティングはバスドラム×6、ピッコロタム、ハイハット、スポークスハット、トラッシュチャイナハット×3だが、残り2つは何のペダルだろうか?テリー曰く、新セットアップではメロディックタムの追加による半音階、バスドラムの追加によるベーシックな音階の強化(彼はバスドラムによる一定の繰り返しの上でソロを取ることが多い)をそれぞれ図ったとのことだが、いずれにしてもここまでやられると言うことは無い・・・
他にも興味深い内容が出ているが、オランダでは他にも「Big Bang concert, “World Drummers Ensemble“」というイベントが開催され、ビル・ブルフォード、チャド・ワッカーマン、ルイス・コンテ、ドゥドゥ・ンディアイェ・ローズらが参加するらしい 日本でもジルジャンやヤマハ主催のイベントなど少しずつパーカッション関連のイベントが開催されるようになってきているが、ドラマーの世界だけに閉じることなくもっと一般的になるには時間がかかるのかもしれない。