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モチドメデザイン事務所::八ヶ岳通信
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2008/06/06のBlog
[ 06:41 ] [ 仕事小屋つくり ]
5月27日、「ひかりつけ」2日目。昨日で四隅の柱のひかりつけが終わり、今日は「つか」の作業です。今回の工事を担当してくれている職人さんの紹介が遅れてました。左側が「ヤスさん」。学校ではインテリアの勉強をし、その後、家具づくりの修行をして、今は鈴木工務店で家づくりをしています。家具の精度でものを見る目があるので、「ひかりつけ」には最適の人物といってもよいのではないでしょうか。若いのにとても落ち着いていて、頼りになります。右側が「ハバ君」。学校を出たての初々しい彼は、なんと木の家ネットの記事を見て、鈴木工務店の門を叩いたそうです。うれしい。同じく木の家ネットで就職先を決めた同級生が何人もいるとか。いつのまにか就職情報誌になってたんですね、木の家ネットは。
つかは短いので、こうしてまとめて固定して作業をすすめます。昨日とは大違いです。けど丸いので固定が難しそうですね。刻みの作業台である「うま」にも、丸太が転がらないようにストッパーの木が付けられてます。
これが今回紹介する道具「ひかり定規」。外周の形はコンパスみたいな「スクレイパー」で写し取ることができますが、内側の形は、細長い板が何本も並んだ、このひかり定規を丸石に押し当てて、型をとります。
型を取ったひかり定規を、こんどは木にあてがい、凹凸の具合を見ていきます。単純ですが、よくできた道具ですね。昔はこの作業どうしていたんでしょうか? 昨日のあきひこさんのコメントのように、竹串を使っていたのかな。
2008/06/05のBlog
5月26日、「ひかりつけ」の日。今回の小屋は、四隅が柱で、それ以外は「つか」なのですが、まずは大変な柱から作業が始まりました。丸太の向きを決め、丸石の上に垂直になるように立てていきます。この作業がまず大変。自然石、丸太、コンクリートなどの頑丈な足場無し、というなんともやっかいなものを相手に、何もないところに完全な垂直を出していくのです。
そして、これが「ひかりつけ」。水準器をにらみながら、ゆっくりと丸太の周りを移動して、丸石の形を丸太に写し取っていきます。これが角材ならば、四方向からだけ写せばよいのですが、相手が丸太なので、360度全ての方向で木と正面に向き合いながら「ひかっていく」のが理想となります。自然素材を扱う時に要求される技術の高さ、手間のかかり具合は、並大抵のものじゃありません。こうやって写し取った線を元に柱を削り、再度、丸石の上に垂直に立てて、削り具合を見ながら少しづつ調整していきます。これをピタッと木と丸石が貼り付くようになるまで繰り返します。気の遠くなるような作業です。
そこへ、滋賀から大工棟梁の宮内さん登場。この日、別件で持留デザイン事務所と打ち合わせがあったのでした。「もっと効率のいいやり方、あるで!」 まるで正義の味方のように、言い放ちます。いつもの真っ赤なTシャツが、とても頼もしく見えた瞬間でした。
宮内さんが教えてくれた方法とは、木に厚紙を密着して巻き付け、形がくずれないようにテープで止めて、それを外して丸石の上に載せて、厚紙にひかりつけをするというものでした。後で厚紙を木にかぶせ直して、それを型紙にして削れば、大きくて重い柱を垂直に立てる必要がありません。柱の中心部分が石と密着するように削るには、やはり実物を合わせる必要がありますが、少なくとも外周に関しては、この方法で削ることができます。これで作業が格段に楽になりました。ありがとう、宮内さん!
2008/06/04のBlog
[ 07:55 ] [ 仕事小屋つくり ]
5月13日、石の精密な位置決めです。前回、地中に埋めた角石はモルタルで固めましたが、今回は地上の丸石を固定します。まず丸石の周りの土を取り除き、作業の基準となる水糸を張って、位置決めをしていきます。
石は東西南北の位置だけでなく、高さも調整が必要です。天面がきちんと揃うように、水糸の交差点から定規を下ろし、その先がぴったりと石に触れるよう、調整してきます。できるだけ平らな面が上にくるように石の向きを変えているのですが、くぼんだ箇所が空をむかないように気をつける必要があるそうです。地面からの湿気がその凹みにたまり、上に載った柱の腐りの原因となるからです。もし水がでたとしても、周りに流れ落ちていくよう、石の形に気をつけて並べていきます。
調整が終わると、丸石のまわりにモルタルを流し込んで固めます。さらにその上に砂を敷き詰めると、なんだか神殿跡のようです。この時、よく「持留遺跡」などと呼んでました。このまま2週間ほど放置して、完全に固まるのを待ちます。
そして5月26日。いよいよ丸石のかたちに合わせて、柱の下端を削る「ひかりつけ」の作業です。写真は石を凸凹を木に写し取るときに使う「スクライパー」。現在では、ログハウスで丸太と丸太が交差する部分の形を写し取るために、よく使われているそうです。X方向とY方向に向いた2つの水準器がついています。この二つの気泡がきちんと真ん中にくるように手で調節しながら、柱のまわりを一周して墨をつけていく。それが「ひかりつけ」。考えただけで気の遠くなりそうなその作業は、次回のお楽しみ!
2008/06/03のBlog
[ 00:56 ] [ 仕事小屋つくり ]
今は昔のお話。2008年の5月9日、木の家づくりグループ「木の香」の鈴木工務店の鈴木親方が、ユンボでわが家の庭を掘り出しました。いったい何が始まったのでしょうか?
すぐ後ろには、自然の大きな石が積まれています。これも鈴木親方が持ってきたものです。角張った石と丸い石の2種類あります。いったいどういうことでしょうか?
掘り上がった穴に石が縦に3つづつ埋められていきます。下二つが角張った石で、一番上が丸い石。隙間にはモルタルが流し込まれ、下の石が動かないようになっています。基準となる糸が張られ、それを元に規則正しく石が並べられていきます。
そのようにして、縦横3x5、合計15個の石が並びました。持留デザイン事務所の仕事小屋の工事の始まりです。長らくブログを休止していましたが、これからしばらくの間、ちょくちょく更新していきます。かなり変わった、けど面白い小屋づくりです。どうぞお楽しみに。
2006/05/06のBlog
5月5日こどもの日、恒例のどろんこ祭りが今年もやってきました。この日が近づいてくると、匠はもうそわそわして落ち着きません。谷間に泳ぐ500匹近いこいのぼりの群れを眺めながら、会場に向かいます。
家を出るのが遅れたせいで、着いたのは1年生の障害物競走が終わる直前でした。5人が横一直線に並んでスタート。せっかく用意してきた海パンを車の中に忘れてきたのをものともせずに、匠はどろをかきわけ走ります。
結局、2位でゴールイン。どろんこの田んぼの外では、地元のテレビ局が大挙して待っていて、入賞者にインタビューしてました。ちょっと誇らしげな匠。
実は本番に弱い光は、自分で走るのではなくて、お父さんにソリを引っ張ってもらう競技に出場。振り落とされそうになりながらも、なんとか必死でしがみついて、見事優勝。小さいながらがんばりました。
気がつけば、顔までどろどろでした。こんなことが毎年できるなんて、この地域の子どもたちは幸せ者です。このお祭りは、市や町の主催ではなく、この集落に住む人たちによって運営されているのだそうです。だから、ここに住む人たちは、毎年ゴールデンウイーク返上でお祭りの運営にあたっています。
ありがたいことです。今年もおつかれさまでした。
2006/05/04のBlog
[ 09:58 ] [ 木の家ネット ]
またもや、ずいぶんと久しぶりの更新です。

先月の特集に登場した宮内さんは、とてもスケールの大きな大工棟梁でした。大工技術に誇りを持ち、大工道具をこよなく愛する職人としてのこころを持ちながらも、そこだけに留まらず、きちんと住まい手のことを考えた家づくりを目指していました。今回の記事はかなり長いのですが、それでも本文内に収めきれずに、カットした話がたくさんあります。大工さんへのインタビュー記事としては、決定版といってもよいのではないでしょうか。造成地の片隅にある宮内さんの刻み場で取材していると、赤いシャツとデニムのジャケットを着ている宮内さんがまるで特撮ヒーローのように見えました。特集の最後のページの写真は、実は仮面ライダーの変身のポーズをしてもらったものです。
最近、家やマンションを見るときに、その家が何を大切にしてつくられているのか、ということが気になります。それは、一時的な工期やコストであったり、見た目の豪華さだったり、安心感や技術であったりするのですが、それが住まい手の方向を向いたものであるのか、が気になるのです。
一部の人を除いて、最初から「伝統構法の家に住みたい」と、普通の住まい手が考えることはまれだと思います。「家族が仲良く暮らせる家に住みたい」「ライフステージの変化に対応できる家に住みたい」「建築費が、その後の生活の負担にならないような家が欲しい」「愛着の湧く家に住みたい」 そんなことを思うのではないでしょうか。そういった住まい手側からの視点で考え抜いていった結果、できあがるのが、例えば伝統工法の家であってほしいと思います。
「お寺のような家もいいなぁ」と、時々思います。大きく豪華な寺社建築がいいというわけではなく、人との関係性がいいのです。先日、近くのお寺に顔を出してみると、庭には花が咲き乱れ、奥では近所の子どもたちが楽しそうに遊んでいました。庭石に腰掛けて、次男と一緒にお弁当を食べたのですが、そんな風によそ者がいきなり訪ねてきても、何事もなく受け入れてくれる懐の深さがあり、お寺の人にとっても何の邪魔にもなりません。
敷地の広さのおかげだけでなく、その場所が持つ伸びやかさが違うのです。現代の家の場合、寒すぎたり、日常生活に何かと手間がかかるのはまずいでしょうが、お寺のもつ、懐の深さをどうやったら手に入れられるのか、そんなことを考えています。
2006/02/07のBlog
今回の取材、最後の一人は岩手県は金ヶ崎の設計士、菊池さんです。案内してもらったのは茅葺き民家の再生事例。家の周囲にお堀がまわっていて、敷地内には県指定の重要文化財もあるような、地域の名家です。右の写真は玄関で、お施主さんと菊池さんとで撮ったもの。この上がりかまちの高さ! 柱の太さ! 日常的なスケールからあまりにかけ離れている為に、なんだか自分が小さくなってしまったかのような気分さえ沸き起こってきます。
差鴨居の厚さも並大抵のものではありません。しかも間取りも複雑なので、建てるには、随分と苦労し、何年もかかったとのことです。障子・襖が通るレールが何本も通ってます。地域の人は、ここを「お屋形様」とよんでいたそうです。
内陸である金ヶ崎は雪が降っていました。夜7時頃、丘の上にある宿に行こうとすると、路面が凍結していて、車が登りません。走り続けている分にはいいのですが、対向車が来るなどして、一度止まってしまうと、もうだめです。FFのスタッドレスでは、太刀打ちできません。道を変えて、なんとか辿り着きました。
ついたのは永岡温泉というところでした。まるで老人ホームのように、お年寄りがたくさんいます。人里離れた落ち着いた場所にあり、安くて気軽に泊まれるので、湯治にきている人が多いのでしょう。「来年もまた来れるかねぇ...」「あんた、死んどるかもなぁ...」といった話が、あちこちから聞こえてきます。
夜、歯を磨きに洗面所にいったら、水をいれたコップが置いてありました。中を見ると入れ歯。消毒中です。随分と久しぶりに入れ歯というものを見させてもらいました。温泉はかけ流しの素晴らしいお湯で、さすが湯治にお年寄りが集まるだけのことはあります。
2006/02/05のBlog
[ 05:19 ] [ 取材 ]
ところ変われば家も変わる。3人目の取材は、岩手のシンタックホーム菅野さんでした。最初に見せてもらったのがこの家。いくつもいくつも屋根があり、まるでお城です。垂木の木口が白く塗ってあって、寺社のようにも見えます。屋根の端が反り返っているので、よけいにそう感じるのでしょうか。伝統技術を今に受け継ぐ気仙大工の菅野さん、さすがです。
そうかと思えば、こんな軽快で現代的な家もつくってました。こちらは設計士との共同作業によるものですが、菅野さんのアイデアも随分と取り入れられているそうです。玄関から入ると、まずは風溢れる吹き抜けの居間が現れます。対面式の大きなキッチンと薪ストーブもある居間がこの家の中心で、そこから緩やかに各部屋に繋がっています。そののびやかな感じは、まるでこの家に住んでいる家族の形を表しているようでした。
保育園で、節分の豆まき用に鬼のお面をつくっていたのに、肝心の節分の日に登園できなかった匠は、ちょっと不満げでした。なので、一日遅れですが、菅野さんの家で豆まきをすることに。お店で買った豆におまけでついていたお面を、菅野さんに手伝ってもらってかぶります。まるで孫と遊ぶおじいさんのようです。
「天打ち、地打ち、四方打ち。鬼は外!、福は内!」この地域の豆まきのしかたにならって、豆をまいていきます。こうしてみると、鬼はあきらかに菅野さんの方です。お面、外してもらえませんか?
豆まきの後は敷地内にある斜面でソリ遊びをしました。15mほどの坂を菅野さんの奥さんに均してもらい、兄弟で滑りました。ジャンプ台をつくったり、疲れたら雪でお店屋さんをつくったりと、大満足。こんな調子で、菅野さん一家には2日間お世話になりました。ありがとうございました。
2006/02/04のBlog
前回の更新から、すっかり間が空いてしまいました。今回の取材旅行は、宿でネットをつなごうにも携帯の電波すら届かないところが多く、旅行から帰って来たら帰ってきたで、たまりにたまった仕事をこなすのに手一杯で、ようやく少し落ち着いて来ました。今日から、過去にさかのぼって旅の記録を書いていきます。

まずは前回の続き、東北取材2日目、ササキ設計の佐々木さんが設計した家です。今回の取材結果が掲載されるのは春か、遅ければ夏頃。こんなにしっかり雪がつもっている写真、果たして使えるのか...と不安に思いながらシャッターを切りました。
軒下を見ると、つららが途中で家の内側に枝分かれしています。たぶん、つららが成長する途中で屋根の雪が少し滑り降り、これまで伸びて来たのが内側に回り込んでしまったので、このような形になっているのでは、と考えましたが、本当のところはどうなのでしょう。

軒の端を見渡してみると、つららが伸びているところと全くない部分がはっきりとわかれてました。聞けば、ストーブの熱が伝わる煙突部分は雪がとけるので、つららができるとのこと。そうか、他につららがないのは、断熱がしっかりしているからなのですね。
雪かきした雪がうずたかく積まれているのを見て、いてもたってもいられなくなった匠。この家のご主人に頼み込んで、滑り台をつくってもらいました。この冬、日本海側の人に申し訳ないくらい八ヶ岳南麓は雪が少なく、ソリ滑りが大好きな匠は欲求不満気味だったのです。
ビニールのレジャーシートを借りて、本当にうれしそうに遊ぶ匠。1時間半ちかく滑っていたでしょうか。こういう時、次男の光は大人のそばで室内遊びをしています。最初、匠は泣きながらいっしょにソリをしようと光をさそったのですが、彼は強情に「イヤ」とつっぱねるばかり。兄弟の違いがはっきりしています。光に断られ、しばらくはめそめそしていた匠でしたが、2・3回滑ると、すっかりそんなことは忘れてました。
特筆すべきは、この日、佐々木さんの紹介で泊まった宿「追分温泉」。きどらない素朴な感じの温泉旅館で、料理がとてもおいしかったです。温泉も地味だけれどいい雰囲気だしてました。しかも安い! 宮城県北上町に行く機会があれば、おすすめです。けど、携帯は通じません。公衆電話が唯一の通信手段なので、小銭の用意をお忘れなく。思えば、これが通信難民の始まりでした。
2006/02/03のBlog
長男の匠は、4月から小学校に通います。すると、これまでのように簡単に旅行に出かけられなくなるので、木の家ネットの取材をためておくために、宮城・岩手のつくり手を集中して回るおよそ1週間の旅の始まりです。
どうやって電車に乗るのかが問題で、子どもと旅の荷物を抱えて早朝に出発することを考えると、車を使わないことには駅に辿り着けませんが、かといって駅前に1週間ちかくも停めておくこともできません。電車の発車時刻より40分以上余裕をみて出かけて、遠くの駐車場に車を停めて、そこから歩こうと思っていたのですが、結局、直前の準備に手間取り、ぎりぎりの時刻に駅につくことに。結局、松田さんに泣きついて、後で車を移動してもらいました。写真は特急あずさのなかの匠と光。
最初の取材先は仙台市で活動している往見さん。日中は事務所で取材していたのですが、お子さんの保育園お迎えの後は、往見さんのご自宅で夕ご飯をごちそうになりながらお話をうかがうことに。子どもを肩車しながら、お酒を飲んでの取材です。
この時、ごちそうになっていたのが「天神山」という、にごり生原酒。なんと「健土健米(みちのく波動米)」使用だそうです。健やかな土、健やかな米という言葉は初めて見ましたが良いですね。「みちのく波動米」の方は、うーん、よくわかりません。お酒自体は素材感を残しながら、とてもおいしく、おかげで話もはずんで、深くつっこんだ取材ができました。