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いちカイにヤリ 投資世代(ロシア株、インド株、中国株、ブラジル株、ADR、BRICs)
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2005/02/19のBlog
アメリカのヘッジファンドに大変人気のある地政学情報サービスとして『ストラトフォア』という会社があります。大体、ここの言っていることを鵜呑みにするファンド・マネージャーが殆どですから「今、普通のアメリカの機関投資家は世界をどういう風に見ているか」という事が知りたければ『ストラトフォア』の言っている事を調べれば足ります。

 * * *

その『ストラトフォア』を主宰するジョージ・フリードマンのインタビューがバロンズに出ていました。彼の論点をまとめると:

①イラクはだんだん安定化している
②イランは心配ない
③北朝鮮は心配ない
④実はリスクがあるのは中国である
⑤ロシアはチェチェンの過激派からの攻撃が計画されている

などです。

ここで特に中国リスクに関してフリードマンがいろいろ指摘している点は米国の投資家にとって「盲点」であった面が多く、今後の米国投資家のオピニオン形成にかなり影響を与えると思います。そこで彼の中国に対する論点を整理しておくと:

①中国は今年、かなりの景気減速を見る可能性あり
②国粋的なムードが盛り上がる危険性あり
③中国の「一人っ子政策」は時限爆弾
④金利を引き上げすぎると連鎖ローン・デフォルトが起る可能性あり
⑤各地で暴動が頻発しているのは危機の前兆
⑥日本人に対する憎悪を煽ることで国民の一致団結をはかる
⑦最近の中国企業による海外資産の買収は「買収の名を借りた資本逃避」である

などです。

僕がこのリストを見て感心するのは⑥の日本人が「中国人の共通の敵」として中国人の民心を統一する材料に使われていることをきちんと把握している点です。この点は「ハイQ」の柳田洋さんも最近、彼のコラムで書かれてます。まあ、日本の人はアジアの人が日本人の過去に犯した犯罪に関してどう思っているかという点に関してとても鈍感ですね。

一般に或る民族はその民族の過去の罪というものに関して「忘れたい」という気持ちがどうしても作用してしまうんでしょうね。これはなにも日本人固有の問題ではないと思います。例えばドイツ人のユダヤ人迫害に対する認識もその忌まわしい記憶を消し去ろうという自然な心の動きが抗しがたい力となってドイツ人の心を風化させている気がします。(この「臭いものには蓋をする」という態度がどういう結果を招くかについては『オデッサ・ファイル』という小説を読まれることをお勧めします。)

日本人も中国でビジネスする際、「共通の敵」という形で標的にされている事をよく認識しておかないと後でとんでもないしっぺ返しを受けるでしょう。
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さて、シャンダ(SNDA)シナ(SINA)を買収した場合の他の銘柄へのインパクトですが、先ず最大のオンライン・ゲームのピュアー・プレイ(つまりシャンダのこと)が無くなってしまう点に注目せざるを得ません。

今のチャイニーズ・ドットコムの業界ではオンライン・ゲームのビジネスの方がポータルとか携帯向けVAS(付加価値サービス)などより遥かに好ましいビジネスであるという認識をウォール・ストリートの投資家は持っています。だからこそシャンダの時価評価がこれほど高かったのです。すると「オンライン・ゲームだけに投資したい」という投資家にとってシナのポータルのビジネスが加わることは比較的成長率の低いビジネスがお荷物になる危険性があるとしてシャンダから他の銘柄に乗り換える向きも出ると思います。幸い、チャイニーズ・オンライン・ポータルのピュアー・プレイが最近上場されています。銘柄はザナイン(The9:ティッカーはNCTY)。

このザナイン、『ワールド・オブ・ウォークラフト』、略してWOWというMMORPGを近く中国で課金サービス開始する予定です。これが『リネージュⅡ』や『ミュー』のファンを奪うのではないかという憶測があり、今からライバル各社は戦々恐々としています。このところオンライン・ゲーム株が全般に冴えない株価展開だった原因を作った張本人と言えるでしょう。今、シャンダが「混じり物」になった以上、「強烈な成長率をプレイしたい」という純潔指向の人はザナインに乗り換えてよいと思います。蛇足ながらシャンダとザナインでは時価総額が全然違うのでほんの少しシャンダからの乗り換えがあるだけでザナインは値を飛ばすでしょう。

それからつい最近IPOされてから忘却の彼方に忘れ去られているグラビティー(GRVY)、証券各社の推奨開始が近日に迫っています。同社は『ラグナロク・オンライン』のデベロッパーで、同ゲームが日本で人気なことから数字的には二重丸です。なお、グラビティーは韓国株です。

それからネットイーズ(NTES)ですがこれまではピュア・プレイだったシャンダに対してポータルなど「余計なものが付いている」ことを理由にディスカウントで取引されてきました。しかし、若しシャンダがシナと完全に事業統合すると総売上に占めるオンライン・ゲーム比率ではネットイーズの方が高くなります。これがネットイーズの再評価につながると考えるのはそれほど無理なロジックではない気がします。

あと、コンゾン(KONG)、リンクトーン(LTON)、トムオンライン(TOMO)などの携帯VAS(付加価値サービス)の各社もシナがテイクオーバーされると次の買収候補として魅力を増す可能性があります。一応、動意付かないか気を配る必要があるでしょう。
金曜日の引け後、MMORPGの最大手、シャンダ(SNDA)がチャイニーズ・ポータル最大手のシナ(SINA)の株式を場で買い占めたという発表がありました。

それにしても巧いですね、シャンダの連中は。プレス・リリースによるとシナの発行済み株式数の19.5%をUS$230Millionで取得したとありますから平均単価は$23.37ですよ。シナが先日大変悲観的な1Qガイダンスを出してストリートを驚かせたあの日、急落したシナの底値で殆どの玉を拾った計算になります。あんまり鮮やかな手口なので思わず唸ってしまいました。

シャンダとしては将来、シナを吸収する意向との事。そこで両社が合併する事に意味があるのかどうかをちょっと考察してみたいと思います。先ず、ビジネス・シナジーの面ですが、シャンダは総合ゲーム・ポータル化構想を持っていて、ひとたびこのゲートウエイにサイン・インするといろいろなゲームの課金などが一箇所で管理できる、そんな未来像を描いています。このゲーム・ポータルは新発のゲームの紹介などでも威力を発揮することは想像に難くないですね。

シナは既にポータルを持っているし、携帯向けVAS(付加価値サービス)も展開しています。将来、シャンダと経営統合することで携帯向けゲームの配信などでシナジーがあるのは明白。

さて、今度は財務的見地からこの経営統合を考えるとシャンダの株式市場での評価がシナの約2倍であることからシャンダの側からすると楽勝でアクリーティブ(EPSにとってプラスになる)な形でディールをストラクチャー出来る筈です。この面でもシャンダの買収動機に難癖を付けるのは困難ですね。

最後にチャイニーズ・ドットコム業界に与える影響ですが以前のブログに書いたように中国のドットコム株はちゃんと利益が出ているにもかかわらず株価が割安放置されている銘柄がゴロゴロあります。僕はヤフー(YHOO)、グーグル(GOOG)、イー・ベイ(EBAY)といった米国ドットコム勢がこれらの銘柄を買い上げると思っていたのですが、シャンダの素早い動きに先を越された格好になりました。今後、M&A合戦が熱を帯びることになりそうです。
AUオプトロニクス(AUO)に関してストリートの意見が分かれています。

ゴールドマンは強気、リーマンは弱気。

ゴールドマンは去年の暮れにTFT-LCDセクターに関して強気に転換しましたが、これまでのとこはピッタリ当ててます。

一方、リーマンのアナリストも逆指標として捨てがたいものがありますね。ここ2年近く、リーマンのアナリストがAUオプトロニクスをアップグレードすると株価が下がり、ダウングレードすると株価が上がる、というきれいなパターンを繰り返しています。今は当然、弱気です。

このアナリスト、2006年のEPSに基づく同社のPERを7.8倍としています。同じアナリストの予想では05/06年のトップライン成長は40%を見込んでいます。それでどうして「ヴァリュエーションが正当化できない」のか僕にはわかりません。多分、僕がアホなんでしょう。
今、ヘッジファンド・マネージャーという人種を考えた場合、自分を含めてやはり圧倒的に「瞬間完全燃焼型」が多いような気がします。

そういう連中は「生き急ぐ」タイプの人間ですからリスクも多いです。「自分は相場が上手いんだ」という思い込み、もっと言えば自己陶酔ですか?。

これはあまねくヘッジファンド・マネージャー全般に見られる傾向ですからよくそこのところを心得て彼らと接する必要があると思います。

それから、ヘッジファンド・マネージャー達の「本性」がそういう「肉食動物」的なものである以上、どんなにそのトラックレコードを見てボラティリティーが低く、且つ諸々のリスク・メトリックスで「安心だ」と思っても、いろいろな粉飾が可能な場合もありますから鵜呑みにするのは危険です。
「波風立たない、心労なき時代」の特徴をお金儲けの面から捉えると下克上のような「逆転勝利」の可能性が低い時期であると言えるのではないでしょうか?。

逆に「極端な社会混乱の時代」は大損する危険もイッパイですし、逆に火事場ドロボウ的にリッチになる機会も同居している気がします。

1980年代のバブルの時代に儲けた人の話を聞いて「羨ましいな」と僕など思うわけです。「僕の時代にもバブルが来るといいな」とかね。ところが待てど暮らせどブームは来ません。そこで「ブームが向こうから歩いてこないんであれば、僕の方からブームのあるところへ歩いていこう!」という発想が出来ないでしょうか?。

ブームのあるところはボラティリティーが高い場合も多いですから下手をすると大変な失敗をしでかすリスクと背中合わせです。それを覚悟の上で敢えてリスクを冒すという態度がないととてもじゃないですけど投資なんて出来っこないと思います。

こうやって考えてくるとハイ・リスクの投資対象を選好するか、ロー・リスクの投資対象を選好するかという問題は、その人の財産や家計の内容、家族構成や年齢など、よくファイナンシャル・プランナーの人が分析するような諸々の客観的ファクターに加えて、自分の趣味というか生き方(ウエイ・オブ・ライフ)という極めて個人的且つ主観的なファクターを抜きにしては考えられない筈です。

そしてその人の生き方を決定付けるのは:

①時代背景
②人生の短さについての本人の認識

の2つの要素である部分が大きい気がします。

審美的な立場から言うとそれは「瞬間完全燃焼」型とか「オール・オア・ナッシング」型の生き方の方が遥かに絵になりますよ。これらの状況では時間というものが極限まで凝縮されます。「今」がとても大切で貴重な時間になるわけですね。こういうケースでは一秒たりとも無駄にはできません。その「一秒たりとも無駄に出来ない」という態度が美の源泉なのです。

例えば、へミングウエイの『誰がために鐘は鳴る』という小説がありますが、あれはスペイン内戦を舞台にしています。明日には橋を爆破するという危険な作戦を遂行しなければいけないという男と女にとって今日を生きるのは真剣勝負です。だからこそ「生きている」という躍動感というか心の震えが伝わってくるわけですね。

さて、「波風立たない、心労なき人生」ではそういう真剣勝負の瞬間というのは「やっぱり明日にしよう」と常に先送りされる危険があります。真剣勝負すると負けて痛みを伴うケースがありますから「痛いのはイヤだ」という心理が働くからです。そうやって今日出来る事、今日すべき事を後回しにする姿勢というのは、やっぱしどうも絵にならないですね。

人生論でスミマセン。

最近の映画とか小説とか読んでみるとどれも面白くないのに呆れます。

僕が思うにその理由のひとつは登場人物とかストーリーとかが輝いてないからではないでしょうか?。

それじゃなぜ輝いてないかと考えたとき、はやり「この瞬間に完全燃焼するんだ!」という切迫感とか「オール・オア・ナッシングなんだ!」というような、ギリギリの選択を強いられる場面とか舞台設定が文壇やメディアから姿を消してしまっているからだという気がしてなりません。

平和な時代が長く続くと「波風立たない、心労なき人生」をよしとする価値観がじわじわと社会全般を覆ってきます。皆リニアー、つまり延長線上に物事を考えるようになるのです。例えば、「一流の大学に入って、一流の企業に勤めて、定年したらちゃんと年金貰ってボランティア活動に生き甲斐を見出して、、、」なんて考え方が僕の言う「リニアーな発想」です。こうした生き方というのは「瞬間完全燃焼」とか「オール・オア・ナッシング」とかという上記の生き方とは相容れないコンセプトですね。

僕は決して「波風立たない、心労なき人生」が悪いって言ってるんじゃありません。そうではなくて、そういう価値観は極端な社会の混乱とか多くの人々が極限状況に立たされた時代の後に、その反動として到来するような気がするだけです。例えば日本の場合なら太平洋戦争というのはそういう極限状況でしたし、終戦後は物質的にも混乱を極めましたし、イデオロギー的にも価値観の激変がありました。

投資の世界の概念で言うと、「波風立たない、心労なき時代」はロー・ボラティリティーの期間で、「極端な社会の混乱の時代」はハイ・ボラティリティーの期間と置き換えられる気がします。

例えばアメリカ株ではVIX(ヴィックス)・インデックスというボラティリティー指数があるんですが、あれをイメージ頂ければいいでしょう。

ロー・ボラティリティーの期間が長く続くと投資家のエクスペクテーションはだんだんそのロー・ボラティリティーの枠内からの発想になります。「想定していなかったショック」というのはそういう時にやってくるものです。




2005/02/18のBlog
さて、軍資金というか元手の話に触れたいのですが、日本では仮に100万円あったとしてもそんなの「はした金」で大手証券なら門前払いを喰うのがオチです。

でもその100万円を発展途上国に持ってゆくと先方から大変感謝されます。そもそも日本人の10分の1とかのお給料の国々ですから感覚から言うと10倍の「重み」があるわけです。ウソだと思ったらタイとかで実際に口座を開けて見て下さい。絶対に恥ずかしい思いはしないはずです。

これがベトナムあたりになると例えば2,000万円振り込むと現地最大手証券の個人客のベスト5くらいに入ります。こうなるともう「大仕手筋」ですよね。

日本の話に戻って、過去10年以上も日本の預金金利が1%にも満たないような超低金利が続いているというのは何を意味するかというとこれはもう証券投資や実体経済への投資から得られるエクスペクテッド・リターンが限りなくゼロに近いことを示しています。という事はその日本に投資し続けるという事は即ち1870年代のイギリスで瀕死の状態になっているジュート産業に継続投資するような愚かな事だという事。

イギリスの繊維産業に春が来なかったように、日本にも春は来ません。
(だったらもう春が来ている国にお金持って行けばいいだけの話しでしょ?。)



『スコティッシュ・インベストメント投信』で大成功したロバート・フレミングはその後、自分の投資銀行を設立します。

そのロバートの孫が例のイアン・フレミング。ジェームズ・ボンドの華麗なライフスタイルをそのまま地でゆく生活をしていたらしです、この人。(いつもスポーツカー乗り回したりイイ女はべらせたりしてますよね。)
イアン・フレミングのそんな贅沢な嗜好を支えていたのがおじいちゃんの代に築いた富だという訳。

こうやって考えてくると読者の皆さんが中国株とかBRICsに興味を持たれるというのは投資理論としては決して間違ってないんですね。ただ、世間とはちょっと違ったことをやっている訳ですから他人と全く同じことをやらないと不安になる「その他大勢の日本人」からすると「アイツ変な奴だ」と思われちゃうんです。そこで挫けたら駄目ですね。




ところで、今の日本の状況は1870年代のダンディーの状況と酷似しているんですね。
これに関しては国際投信が「債権大国英国の教訓」というレポートを1年ほど前に書いており、大局的視点から要領良くまとめてあります。(著者が誰だったか等、基本的なデータを記録し忘れたので残念ですが、国際投信経済調査部のHPで閲覧できる筈です。これ、出色の出来。)

そのレポートから勝手ながら引用させて頂くと:

「金利生活者経済」化した19世紀後半の英国と類似点の多い現在の日本

①衰えの見え始めた国力(産業構造転換の遅れ、人口増加率の低下等)
②物価・金利の低下
③巨額の経常黒字
④国内での投資収益率の低下
⑤新興工業国の台頭

として、それぞれの項目を吟味しています。
ロバート・フレミングは勤めていたジュート工場の工場主、エド・バクスターに言われてアメリカに行商に行かされるんですね。当時のアメリカは南北戦争の直後で米ドルは価値が低く、また、アメリカは資本の蓄積が不足していてお金の貸し手が少なかったそうです。

ロバートはその様子を見てダンディーに帰り、「イギリスのジュート産業は段々斜陽化しているけど、我が故郷、ダンディーにはジュートで蓄積した幾ばくかの資本がある。未来は新興市場であるアメリカにあるから皆で資金をプールしてアメリカに投資しよう!」と呼びかけました。『スコティッシュ・インベストメント投信』が産声を上げたわけです。

『スコティッシュ・インベストメント投信』はアメリカの鉄道証券や鉱山、牧場などに投資したんだそうです。テキサスに石油が最初に出たときも、油田開発の資金を出したのはダンディーの投資家達だったそうです。ここで注目すべきは投資信託という方法が幅広い投資家の新興市場への投資を可能にしたということ(つまり、イノベーションですね)。もうひとつはその投信が成熟市場ではなく(当時の金融センターは欧州でした)、エマージング・マーケットにお金を投じたことです。

「『資本家』なんて自分とは何の縁も無い言葉だな。」僕は子供の頃からずっとそう思って育ってきました。だいいち、そんなにお金持ってないし、、、。「金持ちになるにしろ先ず元手が無いことにはどうにもなんない」とはじめっから諦めていたわけです。

でも誰がどういう経緯で資本家の仲間入りしたかという歴史をいろいろ研究してみると、「なんだそれ!?オレにだって出来そうじゃん」というエピソードにしばしば出くわすんですね。その典型的な例が『007』の祖父に夢を託したスコットランドの工員さん達の話です。

時はビクトリア朝時代のスコットランド。『007』シリーズの原作者、イアン・フレミングのおじいちゃん、ロバート・フレミングはダンディー(エジンバラの北にある町の名前)で生まれました。ダンディーは東インドで取れるジュート(黄麻)の加工で有名な町です。ジュートはロープや麻袋に使われる丈夫な繊維です。ま、典型的な労働者の町ですよね。1840年代のダンディーは欧州でも最も酷い貧民街(スラム)があったのだそうです。ロバート・フレミングはその貧民街で生まれて、ジュート工場の番頭になります。7人兄弟の5人がジフテリアで子供の時に死んでいるといいますから、本当に貧しかったんでしょうね。
2005/02/17のBlog
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ペトロ・カザフスタン(PKZ)の出番が来たようです。

今日、中国石油天然気(ペトロチャイナ)は新疆独山子にある同社の石油精製工場の能力を大幅に増強すると発表しました。総工費はUS$3Billionを超えると伝えられています。川下の拡張工事としては世界最大級のプロジェクトと言って差し支えないでしょう。香港・経済通によるとこのプロジェクトは「西部大開発を代表するプロジェクト」と位置づけられるそうです。

この独山子工場に石油を送り込む役目を果たすのがカザフスタンから引かれてくるパイプラインです。このパイプラインに関しては以前、僕のブログで書きました。このパイプラインのカザフスタン側の送り手がペトロ・カザフスタンなのです。

ペトロ・カザフスタン株はこのところロシアのルクオイルと今日の話題とは別のパイプラインの使用を巡って係争関係にあり、出遅れ感が強かったと思います。この問題はいまだに燻っていますが、同社の業績に対する影響は軽微です。

僕はペトロ・カザフスタンがこのカザフスタン-中国パイプライン計画の恩恵を被ることは知っていたのですが、中国石油天然気の事業計画がこれ程の大規模なものであるとは想像していませんでした。明日以降、同社の株が注目されることになりそうです。国策に売りなし。
日本人は「中国で人民元が切り上がりはじめると、それが中国の土地の値段や消費者のビヘイビアにどんな影響を与えるか?」という事に関しては相当具体的なイメージを持っています。つまり:

①土地ブームが来る
②ニュー・リッチ層とかミドル・クラスが形成される
③国内消費ブーム、海外旅行ブームがくる

などでしょうね。

ところが、アメリカ人に質問すると人民元が強くなることが何を意味するかに関してはチンプンカンプンの庶民が殆どです。

これはわれわれ日本人が身をもって経験した「円高」をアメリカ人は経験した事がないからです。イメージ沸かないわけですね。

さらに救いようが無いことにアメリカの投資家は日本が円高で資産価値の高騰をエンジョイしていた80年代半ばから90年にかけての東京マーケットの大相場に乗れてないんです。1980年代のはじめに早々に日本株から降りちゃって、あとは指くわえて羨ましそうに外野から眺めるばかりでした。

 * * *

日本の投資家でも多少先見性のある方はもう既に中国株とか投資していると思います。そして今か今かとアメリカ人が来るのを待っているわけです。ところがアメリカ人はちっとも来て呉れない。

アメリカ人の為替感覚(はっきり言ってゼロ)からすると今回、中国で起ろうとしているアセット・リプライシングについても彼らはぼんやり見過ごしてしまうリスクが無いとは限りません。

でも僕はいずれアメリカの投資家は動き始めると思います。若し、本格的にアメリカの投資家が動き出したらH株指数なんてカンタンに2倍くらいになるでしょう。(両国の資本市場の大きさが全然違うから。)そのときまでの辛抱ですね。
2005/02/16のBlog
今さら、こんなつまらない題のブログを書くのもちょっと気が引けますが、結論から言うとアメリカ人が中国株のプライス・ディクテーティング・パワーを持っています

これは僕の説ではなくて、僕の友人(というか前の上司)が某大手投資銀行で中国関連の引き受けを担当しており、その人の持論。

それが証拠に一昨年、ウォーレン・バフェットがペトロチャイナ(PTR)の株式を取得したというニュースがきっかけでH株の底上げ現象が起りました。一方、A株はアメリカ人から見向きもされないのでQFIIなどの措置にもかかわらずフニャフニャとした腰の座らない相場が続いています。H株が全般に「今の水準ならある程度ヴァリューを感じるねっ。」というトラクション(歯車の噛み合うこと)というか手ごたえがあるのと対照的ですね。

幾らA株市場で高いPERが付いていても、その時価で公募が出来ないのであればそれらの銘柄のインプライド・コスト・オブ・キャピタルは低廉ではありません。逆に言えば「公募が出来る市場や値段がその企業の実態価値をより正確に反映している」といえるでしょう。そういう意味では先のチャイナ・ネットコム(CN)のIPOなんかは「そこにマーケットが存在する」と胸張って言えるだけの内容を伴っていました。

米国のADR市場で資金調達が出来るというのはヴァリュエーションだけでなく、ビジネス・プラクティスの勝負でもあります。「US GAAPの壁」と言い換えてもいいかもしれません。大半の日本人の人は中国の大手銀行と中国のドットコムの株を比べて、「やっぱりチャラチャラしたドットコム株より大手銀行の方が安心だ」と感じると思いますが、僕は正反対の考え方です。確かに業種としてはドットコムはチャラチャラしてますが、サルベイン・オックスレー法など敷居の高いことがわかりきっている中で敢えてアメリカでの上場にチャレンジするという事はそれだけ彼らのビジネス・プラクティスがクリーンだからだと僕は思います。

さて、話を中国株のヴァリュエーションに戻すと以前のブログで書いたように中国株(正確にはH株)のヴァリュエーションは決して割高ではありません(Forward PERで9.6倍)。PBRベースでも2倍程度と歴史的平均より下です。従って、中国株自体には僕はバブル時のような過熱感は感じません。アメリカ人が中国株のヴァリュエーションのドライバーとなるのであれば、彼らはどういう時に「出動をかける」のか?という事を考えて見る必要がありそうです。僕はこれ以上、中国株が安くなることがその必要条件であるとは思いません。むしろアメリカのルール、つまり「US GAAPの壁」に敢然と立ち向かい、それを征服する気迫のある企業にはエールを送ると思います。(それが証拠にそれを実施しているインド企業は中国企業より遥かに高いPERで次々にADRコンヴァージョン・プログラムを成功させています。)

僕の考えではアメリカ人の中国株へのエクスポージャーはまだまだ低すぎます。それはアメリカ人が中国株を買うのではなく、中国ストーリーで漁夫の利を得るコモディティー株とかでお茶を濁しているからです。それらの「間接的プレイ」は全て株価はバブル圏に入っているというのが僕の持論。いずれこれらの不均衡は「中国株の底上げ+資源株の下落」という形で訂正されるときが来るでしょう。
タイの工業団地株、アマタ(AMATA-R)がぶっ飛んでいます。同社は工業団地を造成してそこに近代的な工場を操業する一切のインフラ、例えば電力の供給だとか、水の供給とか果ては従業員の住居から学校までを整備し、その土地を分譲したり、リースしたりする企業です。最近、同社の工業団地に対する引き合いが旺盛なので10%程度の値上げを敢行すると発表されました。

日本の企業も、猫も杓子も中国へ出てゆくのがブームになったわけですけど、よっぽどのボンヤリ者で無い限り、今頃初めて中国進出を考え始めたメーカーなんてもう居ないと思います。人民元が切りあがることを考慮に入れた場合、「切り上げ後」の生産拠点戦略をどうするか?というのが経営者が当然考えるべきことなんですね。

アマタはタイのみならずベトナムにも工業団地を展開していて、そういう「人民元切り上げ後のおこぼれ組み」を取り込む体制は万全です。前、ベトナムに行ったとき、アマタ・ベトナムの社長さんとディナーする機会に恵まれたんですが、この人、アメリカ人で以前はエンジニアリング会社フルアー(FLR)に勤めていたんだそうです。僕と同じように「中東ゴロ」をしていた経歴の持ち主で、昔話に花が咲きました。

「アンタの会社がベトナムに出てくるならウチが将来ビエンホアに立てる高層オフィスビルに入居してくれ!」と強烈にセールスされてしまいました。「あのね、ウチは製造業じゃないんです」というと「そんなこたあ判ってる。オレッちのやりたいことは全てのアメニティーが揃っている外人シティーをつくることなんだ!」

さて、こういうことを書くと「そんな事言っても中国へのFDIは過去最高記録を更新していて全然衰えてない」という反論が聞こえてきそうです。この点に関しては僕もよくその内容を押さえておかないといけないなと日頃から感じており、ちょぼちょぼ資料集めしているんですが、僕の調べた限りでは中国へのFDIの40%が実は香港ならびにヴァージン諸島から来ています(日本はそれに次いで10%弱)。僕の憶測ではそのかなりの部分が、①華僑の投機資金、②輸出代金のリパトリエーション、③インフォーマルな闇融資などに回る資金、ではないかと感じます。



ロシアを代表する戦闘機メーカー、イルクーツに欧州最大の防衛関連メーカーEADSが出資する話が大詰めを迎えています。持ち株比率で10%、出資金額でUS$50Million程度なんだそうです。

ま、EADSにしてみればこんなのはした金ですよね。でもロシアの政府がこのディールをOKしているのは僕にしてみればちょっと驚きですね。両社はとりあえずEADSのユーロコプターのロシア領内でのメインテナンスとか消防飛行機Be-200のマーケティングとかで協力し合うんだそうです。

まあ、考えて見ればそもそも欧州の防衛関連企業が大同団結してEADSという企業体になっている事自体、EUも遠くまで来たもんだなあという感慨を持ちますが(このEADSという会社の生い立ちとかに詳しい人居たら教えてください)、そのEADSがイルクーツと株式を持ち合うなんてのもちょっと昔では考えられない動きですね。

前にも書いたとおり、イルクーツはミグ、その他のロシアの防衛産業をどんどん統合し、ユナイテッド・エアクラフト・マニュファクチャリング(UAM)という大企業に変身しようとしています。その統合を進める上での「タネ玉」の一部がEUから出るわけです。ゆくゆくはこのイルクーツ(或いは数年後にはもうイルクーツという名前は消えてUAMで統一されているかもしれませんが)、NYSEにも上場を狙っているフシがあるようです。

今の欧米で仮想敵国の概念が如何に変化を遂げたかが思い知らされるエピソード。
2005/02/15のBlog
インフォシス(INFY)が先日、ナスダック市場で新値を更新しました。

ナスコムというソフトウエアおよびITアウトソース業界の協会が主催するコンファレンスが開催され、同業界の絶好調が確認されたのがその一因でしょう。ナスコムによるとインドのソフトウエアおよびITアウトソース産業の総売上高は2005年度(3月末〆)でUS$22.2Billionと前年比+33%成長が見込まれます。2006年度の予想成長率は+35%を見込んでおり、ここ数年の急成長でベースになる数字自体が大きくなったにもかかわらず、成長率は鈍化しないだろうという強気の予想です。また、顧客の属する業種としてはこれまでの銀行、通信に加えて、ヘルスケアや小売などが新しいターゲットになりつつあるそうです。

さて、インフォシスのADRが急騰しているもうひとつの理由は以前に発表されたローカル株のADRへのコンヴァージョン(転換、ないしは上場替え)が当初予定の2月から4月以降へ延期されたフシがある事によります。インフォシスのADRは現地のローカル株に対して50%近いプレミアムで取引されてきました。12月に提出されたS-3通りに全ての予定株数が現地でテンダーされ、米国で再オファーされたならアメリカに於ける流通玉は2,100万株から3,700万株に増えます。目先は供給が増えるわけですからADRの株価は圧迫を受ける筈。

しかし、2005年4Q決算発表を4月に控えて「会計年度が2006年に改まる年度末決算で、ちゃんと06年のガイダンスが出揃ってからコンヴァージョンを実行した方がいいだろう」という見地から2月のコンヴァージョンを延期されるのではという思惑が出ました。「なんだ、4月までは大丈夫なのか。それじゃ、鬼の居ぬ間に命の洗濯をしよう!」と気の短い連中がインフォシスに飛びついたわけです。

この結果、インフォシスのADRのプレミアムはここ数週間の47%台から54%程度に急拡大しました。でも4月以降、またコンヴァージョンの材料が取沙汰され、これがプレミアム縮小要因になることは不可避ですからここはあまり調子に乗りすぎるのはどうかと思います。過去の経験ではコンヴァージョンの直後のプレミアムは30%台くらいに下がってたそうです。しかし、ひと月ほど経って、こなれてくるとまたプレミアムが拡大しはじめるとの事。そういう説明を聞いていると何も今、慌てて飛び乗る必要はないんじゃないでしょうか?。

PS:因みにサティヤム(SAY)も同様のコンヴァージョンを計画中です。
昨日、息子の学校でちょっとしたバレンタインのパーティーがあって、同級生の或るお母さんと世間話に花が咲きました。

彼女は僕がヘッジファンドをやっているのを知っているので投資の話になるのは止むを得ないと思いますが、何でも最近はコモディティー・ファンドとかiShare(ETFのこと)を売買しているとの事。「銅は未だ大丈夫かしらねぇ?。」なんて聞かれて本当に答えに窮してしまいました。ふつうのお母さんですよ。コノ人。

昔、ピーター・リンチの本かなにかで「カクテル・パーティーで株が話題になって盛り上がったら相場は売りだ」というのがありましたが、さしずめこういうケースの事を言うんでしょうね。僕はコモディティーは自分のファンドでは売り買いしません。それは単に知識が無いだけでなく、コモディティーのライセンス取得に必要な資本金が捻出出来ないからです。

まあ、世の中には僕よりお金持ちで相場の上手いひとは掃いて捨てるほどいますから僕がコモディティーのライセンスを持ってないことくらい別に当たり前なわけですけど、そんな「持たざるもの」のヒガミで言わしてもらうと本来、コモディティーなんて敷居の高いものなのです。そこいらへんのサッカー・ママが子供を学校へ送り迎えする合間に取引するもんじゃないと僕など思うんですけどね。

あと、中国株やインド株のファンドについてもいろんな父兄から質問を受けます。「インドは未だ大丈夫ですかね?」とかね。PTAで先生のまわりにではなく僕の周りに人垣が出来るのはやっぱしヤバイって感じ。

まあ、今、世界の株式市場を見渡すと天下泰平というか本当に不安材料というものが見当たんないですね。一時騒がれたドル安もあんまり言わなくなったし、金利上昇も「喉もと過ぎれば」って感じです。テロも聞かないし、いつの間にか石油高にも慣れっこになりました。経済だって去年ほどの急成長でなくてもボチボチ程度は成長するみたいだし。

「相場は不安の壁を駆け上る」という諺からすると今みたいに不安材料が無い、凪のような状態というのは株式市場にとって有難くないのかもしれません。先のサッカー・ママの話にしろ何か「慢心」が投資家の心の中に広がり始めている気がしてなりません。こういう天下泰平の状況になにか本能的に危険のニオイを嗅ぐ自分にいくじなさを感じます。
バンコクの交通渋滞、ひどいですね。
でも数年後にはこの渋滞も過去のものとなる可能性