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いちカイにヤリ 投資世代(ロシア株、インド株、中国株、ブラジル株、ADR、BRICs)
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2005/02/19のBlog
審美的な立場から言うとそれは「瞬間完全燃焼」型とか「オール・オア・ナッシング」型の生き方の方が遥かに絵になりますよ。これらの状況では時間というものが極限まで凝縮されます。「今」がとても大切で貴重な時間になるわけですね。こういうケースでは一秒たりとも無駄にはできません。その「一秒たりとも無駄に出来ない」という態度が美の源泉なのです。

例えば、へミングウエイの『誰がために鐘は鳴る』という小説がありますが、あれはスペイン内戦を舞台にしています。明日には橋を爆破するという危険な作戦を遂行しなければいけないという男と女にとって今日を生きるのは真剣勝負です。だからこそ「生きている」という躍動感というか心の震えが伝わってくるわけですね。

さて、「波風立たない、心労なき人生」ではそういう真剣勝負の瞬間というのは「やっぱり明日にしよう」と常に先送りされる危険があります。真剣勝負すると負けて痛みを伴うケースがありますから「痛いのはイヤだ」という心理が働くからです。そうやって今日出来る事、今日すべき事を後回しにする姿勢というのは、やっぱしどうも絵にならないですね。

人生論でスミマセン。

最近の映画とか小説とか読んでみるとどれも面白くないのに呆れます。

僕が思うにその理由のひとつは登場人物とかストーリーとかが輝いてないからではないでしょうか?。

それじゃなぜ輝いてないかと考えたとき、はやり「この瞬間に完全燃焼するんだ!」という切迫感とか「オール・オア・ナッシングなんだ!」というような、ギリギリの選択を強いられる場面とか舞台設定が文壇やメディアから姿を消してしまっているからだという気がしてなりません。

平和な時代が長く続くと「波風立たない、心労なき人生」をよしとする価値観がじわじわと社会全般を覆ってきます。皆リニアー、つまり延長線上に物事を考えるようになるのです。例えば、「一流の大学に入って、一流の企業に勤めて、定年したらちゃんと年金貰ってボランティア活動に生き甲斐を見出して、、、」なんて考え方が僕の言う「リニアーな発想」です。こうした生き方というのは「瞬間完全燃焼」とか「オール・オア・ナッシング」とかという上記の生き方とは相容れないコンセプトですね。

僕は決して「波風立たない、心労なき人生」が悪いって言ってるんじゃありません。そうではなくて、そういう価値観は極端な社会の混乱とか多くの人々が極限状況に立たされた時代の後に、その反動として到来するような気がするだけです。例えば日本の場合なら太平洋戦争というのはそういう極限状況でしたし、終戦後は物質的にも混乱を極めましたし、イデオロギー的にも価値観の激変がありました。

投資の世界の概念で言うと、「波風立たない、心労なき時代」はロー・ボラティリティーの期間で、「極端な社会の混乱の時代」はハイ・ボラティリティーの期間と置き換えられる気がします。

例えばアメリカ株ではVIX(ヴィックス)・インデックスというボラティリティー指数があるんですが、あれをイメージ頂ければいいでしょう。

ロー・ボラティリティーの期間が長く続くと投資家のエクスペクテーションはだんだんそのロー・ボラティリティーの枠内からの発想になります。「想定していなかったショック」というのはそういう時にやってくるものです。




2005/02/18のBlog
さて、軍資金というか元手の話に触れたいのですが、日本では仮に100万円あったとしてもそんなの「はした金」で大手証券なら門前払いを喰うのがオチです。

でもその100万円を発展途上国に持ってゆくと先方から大変感謝されます。そもそも日本人の10分の1とかのお給料の国々ですから感覚から言うと10倍の「重み」があるわけです。ウソだと思ったらタイとかで実際に口座を開けて見て下さい。絶対に恥ずかしい思いはしないはずです。

これがベトナムあたりになると例えば2,000万円振り込むと現地最大手証券の個人客のベスト5くらいに入ります。こうなるともう「大仕手筋」ですよね。

日本の話に戻って、過去10年以上も日本の預金金利が1%にも満たないような超低金利が続いているというのは何を意味するかというとこれはもう証券投資や実体経済への投資から得られるエクスペクテッド・リターンが限りなくゼロに近いことを示しています。という事はその日本に投資し続けるという事は即ち1870年代のイギリスで瀕死の状態になっているジュート産業に継続投資するような愚かな事だという事。

イギリスの繊維産業に春が来なかったように、日本にも春は来ません。
(だったらもう春が来ている国にお金持って行けばいいだけの話しでしょ?。)



『スコティッシュ・インベストメント投信』で大成功したロバート・フレミングはその後、自分の投資銀行を設立します。

そのロバートの孫が例のイアン・フレミング。ジェームズ・ボンドの華麗なライフスタイルをそのまま地でゆく生活をしていたらしです、この人。(いつもスポーツカー乗り回したりイイ女はべらせたりしてますよね。)
イアン・フレミングのそんな贅沢な嗜好を支えていたのがおじいちゃんの代に築いた富だという訳。

こうやって考えてくると読者の皆さんが中国株とかBRICsに興味を持たれるというのは投資理論としては決して間違ってないんですね。ただ、世間とはちょっと違ったことをやっている訳ですから他人と全く同じことをやらないと不安になる「その他大勢の日本人」からすると「アイツ変な奴だ」と思われちゃうんです。そこで挫けたら駄目ですね。




ところで、今の日本の状況は1870年代のダンディーの状況と酷似しているんですね。
これに関しては国際投信が「債権大国英国の教訓」というレポートを1年ほど前に書いており、大局的視点から要領良くまとめてあります。(著者が誰だったか等、基本的なデータを記録し忘れたので残念ですが、国際投信経済調査部のHPで閲覧できる筈です。これ、出色の出来。)

そのレポートから勝手ながら引用させて頂くと:

「金利生活者経済」化した19世紀後半の英国と類似点の多い現在の日本

①衰えの見え始めた国力(産業構造転換の遅れ、人口増加率の低下等)
②物価・金利の低下
③巨額の経常黒字
④国内での投資収益率の低下
⑤新興工業国の台頭

として、それぞれの項目を吟味しています。
ロバート・フレミングは勤めていたジュート工場の工場主、エド・バクスターに言われてアメリカに行商に行かされるんですね。当時のアメリカは南北戦争の直後で米ドルは価値が低く、また、アメリカは資本の蓄積が不足していてお金の貸し手が少なかったそうです。

ロバートはその様子を見てダンディーに帰り、「イギリスのジュート産業は段々斜陽化しているけど、我が故郷、ダンディーにはジュートで蓄積した幾ばくかの資本がある。未来は新興市場であるアメリカにあるから皆で資金をプールしてアメリカに投資しよう!」と呼びかけました。『スコティッシュ・インベストメント投信』が産声を上げたわけです。

『スコティッシュ・インベストメント投信』はアメリカの鉄道証券や鉱山、牧場などに投資したんだそうです。テキサスに石油が最初に出たときも、油田開発の資金を出したのはダンディーの投資家達だったそうです。ここで注目すべきは投資信託という方法が幅広い投資家の新興市場への投資を可能にしたということ(つまり、イノベーションですね)。もうひとつはその投信が成熟市場ではなく(当時の金融センターは欧州でした)、エマージング・マーケットにお金を投じたことです。

「『資本家』なんて自分とは何の縁も無い言葉だな。」僕は子供の頃からずっとそう思って育ってきました。だいいち、そんなにお金持ってないし、、、。「金持ちになるにしろ先ず元手が無いことにはどうにもなんない」とはじめっから諦めていたわけです。

でも誰がどういう経緯で資本家の仲間入りしたかという歴史をいろいろ研究してみると、「なんだそれ!?オレにだって出来そうじゃん」というエピソードにしばしば出くわすんですね。その典型的な例が『007』の祖父に夢を託したスコットランドの工員さん達の話です。

時はビクトリア朝時代のスコットランド。『007』シリーズの原作者、イアン・フレミングのおじいちゃん、ロバート・フレミングはダンディー(エジンバラの北にある町の名前)で生まれました。ダンディーは東インドで取れるジュート(黄麻)の加工で有名な町です。ジュートはロープや麻袋に使われる丈夫な繊維です。ま、典型的な労働者の町ですよね。1840年代のダンディーは欧州でも最も酷い貧民街(スラム)があったのだそうです。ロバート・フレミングはその貧民街で生まれて、ジュート工場の番頭になります。7人兄弟の5人がジフテリアで子供の時に死んでいるといいますから、本当に貧しかったんでしょうね。
2005/02/17のBlog
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ペトロ・カザフスタン(PKZ)の出番が来たようです。

今日、中国石油天然気(ペトロチャイナ)は新疆独山子にある同社の石油精製工場の能力を大幅に増強すると発表しました。総工費はUS$3Billionを超えると伝えられています。川下の拡張工事としては世界最大級のプロジェクトと言って差し支えないでしょう。香港・経済通によるとこのプロジェクトは「西部大開発を代表するプロジェクト」と位置づけられるそうです。

この独山子工場に石油を送り込む役目を果たすのがカザフスタンから引かれてくるパイプラインです。このパイプラインに関しては以前、僕のブログで書きました。このパイプラインのカザフスタン側の送り手がペトロ・カザフスタンなのです。

ペトロ・カザフスタン株はこのところロシアのルクオイルと今日の話題とは別のパイプラインの使用を巡って係争関係にあり、出遅れ感が強かったと思います。この問題はいまだに燻っていますが、同社の業績に対する影響は軽微です。

僕はペトロ・カザフスタンがこのカザフスタン-中国パイプライン計画の恩恵を被ることは知っていたのですが、中国石油天然気の事業計画がこれ程の大規模なものであるとは想像していませんでした。明日以降、同社の株が注目されることになりそうです。国策に売りなし。
日本人は「中国で人民元が切り上がりはじめると、それが中国の土地の値段や消費者のビヘイビアにどんな影響を与えるか?」という事に関しては相当具体的なイメージを持っています。つまり:

①土地ブームが来る
②ニュー・リッチ層とかミドル・クラスが形成される
③国内消費ブーム、海外旅行ブームがくる

などでしょうね。

ところが、アメリカ人に質問すると人民元が強くなることが何を意味するかに関してはチンプンカンプンの庶民が殆どです。

これはわれわれ日本人が身をもって経験した「円高」をアメリカ人は経験した事がないからです。イメージ沸かないわけですね。

さらに救いようが無いことにアメリカの投資家は日本が円高で資産価値の高騰をエンジョイしていた80年代半ばから90年にかけての東京マーケットの大相場に乗れてないんです。1980年代のはじめに早々に日本株から降りちゃって、あとは指くわえて羨ましそうに外野から眺めるばかりでした。

 * * *

日本の投資家でも多少先見性のある方はもう既に中国株とか投資していると思います。そして今か今かとアメリカ人が来るのを待っているわけです。ところがアメリカ人はちっとも来て呉れない。

アメリカ人の為替感覚(はっきり言ってゼロ)からすると今回、中国で起ろうとしているアセット・リプライシングについても彼らはぼんやり見過ごしてしまうリスクが無いとは限りません。

でも僕はいずれアメリカの投資家は動き始めると思います。若し、本格的にアメリカの投資家が動き出したらH株指数なんてカンタンに2倍くらいになるでしょう。(両国の資本市場の大きさが全然違うから。)そのときまでの辛抱ですね。
2005/02/16のBlog
今さら、こんなつまらない題のブログを書くのもちょっと気が引けますが、結論から言うとアメリカ人が中国株のプライス・ディクテーティング・パワーを持っています

これは僕の説ではなくて、僕の友人(というか前の上司)が某大手投資銀行で中国関連の引き受けを担当しており、その人の持論。

それが証拠に一昨年、ウォーレン・バフェットがペトロチャイナ(PTR)の株式を取得したというニュースがきっかけでH株の底上げ現象が起りました。一方、A株はアメリカ人から見向きもされないのでQFIIなどの措置にもかかわらずフニャフニャとした腰の座らない相場が続いています。H株が全般に「今の水準ならある程度ヴァリューを感じるねっ。」というトラクション(歯車の噛み合うこと)というか手ごたえがあるのと対照的ですね。

幾らA株市場で高いPERが付いていても、その時価で公募が出来ないのであればそれらの銘柄のインプライド・コスト・オブ・キャピタルは低廉ではありません。逆に言えば「公募が出来る市場や値段がその企業の実態価値をより正確に反映している」といえるでしょう。そういう意味では先のチャイナ・ネットコム(CN)のIPOなんかは「そこにマーケットが存在する」と胸張って言えるだけの内容を伴っていました。

米国のADR市場で資金調達が出来るというのはヴァリュエーションだけでなく、ビジネス・プラクティスの勝負でもあります。「US GAAPの壁」と言い換えてもいいかもしれません。大半の日本人の人は中国の大手銀行と中国のドットコムの株を比べて、「やっぱりチャラチャラしたドットコム株より大手銀行の方が安心だ」と感じると思いますが、僕は正反対の考え方です。確かに業種としてはドットコムはチャラチャラしてますが、サルベイン・オックスレー法など敷居の高いことがわかりきっている中で敢えてアメリカでの上場にチャレンジするという事はそれだけ彼らのビジネス・プラクティスがクリーンだからだと僕は思います。

さて、話を中国株のヴァリュエーションに戻すと以前のブログで書いたように中国株(正確にはH株)のヴァリュエーションは決して割高ではありません(Forward PERで9.6倍)。PBRベースでも2倍程度と歴史的平均より下です。従って、中国株自体には僕はバブル時のような過熱感は感じません。アメリカ人が中国株のヴァリュエーションのドライバーとなるのであれば、彼らはどういう時に「出動をかける」のか?という事を考えて見る必要がありそうです。僕はこれ以上、中国株が安くなることがその必要条件であるとは思いません。むしろアメリカのルール、つまり「US GAAPの壁」に敢然と立ち向かい、それを征服する気迫のある企業にはエールを送ると思います。(それが証拠にそれを実施しているインド企業は中国企業より遥かに高いPERで次々にADRコンヴァージョン・プログラムを成功させています。)

僕の考えではアメリカ人の中国株へのエクスポージャーはまだまだ低すぎます。それはアメリカ人が中国株を買うのではなく、中国ストーリーで漁夫の利を得るコモディティー株とかでお茶を濁しているからです。それらの「間接的プレイ」は全て株価はバブル圏に入っているというのが僕の持論。いずれこれらの不均衡は「中国株の底上げ+資源株の下落」という形で訂正されるときが来るでしょう。
タイの工業団地株、アマタ(AMATA-R)がぶっ飛んでいます。同社は工業団地を造成してそこに近代的な工場を操業する一切のインフラ、例えば電力の供給だとか、水の供給とか果ては従業員の住居から学校までを整備し、その土地を分譲したり、リースしたりする企業です。最近、同社の工業団地に対する引き合いが旺盛なので10%程度の値上げを敢行すると発表されました。

日本の企業も、猫も杓子も中国へ出てゆくのがブームになったわけですけど、よっぽどのボンヤリ者で無い限り、今頃初めて中国進出を考え始めたメーカーなんてもう居ないと思います。人民元が切りあがることを考慮に入れた場合、「切り上げ後」の生産拠点戦略をどうするか?というのが経営者が当然考えるべきことなんですね。

アマタはタイのみならずベトナムにも工業団地を展開していて、そういう「人民元切り上げ後のおこぼれ組み」を取り込む体制は万全です。前、ベトナムに行ったとき、アマタ・ベトナムの社長さんとディナーする機会に恵まれたんですが、この人、アメリカ人で以前はエンジニアリング会社フルアー(FLR)に勤めていたんだそうです。僕と同じように「中東ゴロ」をしていた経歴の持ち主で、昔話に花が咲きました。

「アンタの会社がベトナムに出てくるならウチが将来ビエンホアに立てる高層オフィスビルに入居してくれ!」と強烈にセールスされてしまいました。「あのね、ウチは製造業じゃないんです」というと「そんなこたあ判ってる。オレッちのやりたいことは全てのアメニティーが揃っている外人シティーをつくることなんだ!」

さて、こういうことを書くと「そんな事言っても中国へのFDIは過去最高記録を更新していて全然衰えてない」という反論が聞こえてきそうです。この点に関しては僕もよくその内容を押さえておかないといけないなと日頃から感じており、ちょぼちょぼ資料集めしているんですが、僕の調べた限りでは中国へのFDIの40%が実は香港ならびにヴァージン諸島から来ています(日本はそれに次いで10%弱)。僕の憶測ではそのかなりの部分が、①華僑の投機資金、②輸出代金のリパトリエーション、③インフォーマルな闇融資などに回る資金、ではないかと感じます。



ロシアを代表する戦闘機メーカー、イルクーツに欧州最大の防衛関連メーカーEADSが出資する話が大詰めを迎えています。持ち株比率で10%、出資金額でUS$50Million程度なんだそうです。

ま、EADSにしてみればこんなのはした金ですよね。でもロシアの政府がこのディールをOKしているのは僕にしてみればちょっと驚きですね。両社はとりあえずEADSのユーロコプターのロシア領内でのメインテナンスとか消防飛行機Be-200のマーケティングとかで協力し合うんだそうです。

まあ、考えて見ればそもそも欧州の防衛関連企業が大同団結してEADSという企業体になっている事自体、EUも遠くまで来たもんだなあという感慨を持ちますが(このEADSという会社の生い立ちとかに詳しい人居たら教えてください)、そのEADSがイルクーツと株式を持ち合うなんてのもちょっと昔では考えられない動きですね。

前にも書いたとおり、イルクーツはミグ、その他のロシアの防衛産業をどんどん統合し、ユナイテッド・エアクラフト・マニュファクチャリング(UAM)という大企業に変身しようとしています。その統合を進める上での「タネ玉」の一部がEUから出るわけです。ゆくゆくはこのイルクーツ(或いは数年後にはもうイルクーツという名前は消えてUAMで統一されているかもしれませんが)、NYSEにも上場を狙っているフシがあるようです。

今の欧米で仮想敵国の概念が如何に変化を遂げたかが思い知らされるエピソード。
2005/02/15のBlog
インフォシス(INFY)が先日、ナスダック市場で新値を更新しました。

ナスコムというソフトウエアおよびITアウトソース業界の協会が主催するコンファレンスが開催され、同業界の絶好調が確認されたのがその一因でしょう。ナスコムによるとインドのソフトウエアおよびITアウトソース産業の総売上高は2005年度(3月末〆)でUS$22.2Billionと前年比+33%成長が見込まれます。2006年度の予想成長率は+35%を見込んでおり、ここ数年の急成長でベースになる数字自体が大きくなったにもかかわらず、成長率は鈍化しないだろうという強気の予想です。また、顧客の属する業種としてはこれまでの銀行、通信に加えて、ヘルスケアや小売などが新しいターゲットになりつつあるそうです。

さて、インフォシスのADRが急騰しているもうひとつの理由は以前に発表されたローカル株のADRへのコンヴァージョン(転換、ないしは上場替え)が当初予定の2月から4月以降へ延期されたフシがある事によります。インフォシスのADRは現地のローカル株に対して50%近いプレミアムで取引されてきました。12月に提出されたS-3通りに全ての予定株数が現地でテンダーされ、米国で再オファーされたならアメリカに於ける流通玉は2,100万株から3,700万株に増えます。目先は供給が増えるわけですからADRの株価は圧迫を受ける筈。

しかし、2005年4Q決算発表を4月に控えて「会計年度が2006年に改まる年度末決算で、ちゃんと06年のガイダンスが出揃ってからコンヴァージョンを実行した方がいいだろう」という見地から2月のコンヴァージョンを延期されるのではという思惑が出ました。「なんだ、4月までは大丈夫なのか。それじゃ、鬼の居ぬ間に命の洗濯をしよう!」と気の短い連中がインフォシスに飛びついたわけです。

この結果、インフォシスのADRのプレミアムはここ数週間の47%台から54%程度に急拡大しました。でも4月以降、またコンヴァージョンの材料が取沙汰され、これがプレミアム縮小要因になることは不可避ですからここはあまり調子に乗りすぎるのはどうかと思います。過去の経験ではコンヴァージョンの直後のプレミアムは30%台くらいに下がってたそうです。しかし、ひと月ほど経って、こなれてくるとまたプレミアムが拡大しはじめるとの事。そういう説明を聞いていると何も今、慌てて飛び乗る必要はないんじゃないでしょうか?。

PS:因みにサティヤム(SAY)も同様のコンヴァージョンを計画中です。
昨日、息子の学校でちょっとしたバレンタインのパーティーがあって、同級生の或るお母さんと世間話に花が咲きました。

彼女は僕がヘッジファンドをやっているのを知っているので投資の話になるのは止むを得ないと思いますが、何でも最近はコモディティー・ファンドとかiShare(ETFのこと)を売買しているとの事。「銅は未だ大丈夫かしらねぇ?。」なんて聞かれて本当に答えに窮してしまいました。ふつうのお母さんですよ。コノ人。

昔、ピーター・リンチの本かなにかで「カクテル・パーティーで株が話題になって盛り上がったら相場は売りだ」というのがありましたが、さしずめこういうケースの事を言うんでしょうね。僕はコモディティーは自分のファンドでは売り買いしません。それは単に知識が無いだけでなく、コモディティーのライセンス取得に必要な資本金が捻出出来ないからです。

まあ、世の中には僕よりお金持ちで相場の上手いひとは掃いて捨てるほどいますから僕がコモディティーのライセンスを持ってないことくらい別に当たり前なわけですけど、そんな「持たざるもの」のヒガミで言わしてもらうと本来、コモディティーなんて敷居の高いものなのです。そこいらへんのサッカー・ママが子供を学校へ送り迎えする合間に取引するもんじゃないと僕など思うんですけどね。

あと、中国株やインド株のファンドについてもいろんな父兄から質問を受けます。「インドは未だ大丈夫ですかね?」とかね。PTAで先生のまわりにではなく僕の周りに人垣が出来るのはやっぱしヤバイって感じ。

まあ、今、世界の株式市場を見渡すと天下泰平というか本当に不安材料というものが見当たんないですね。一時騒がれたドル安もあんまり言わなくなったし、金利上昇も「喉もと過ぎれば」って感じです。テロも聞かないし、いつの間にか石油高にも慣れっこになりました。経済だって去年ほどの急成長でなくてもボチボチ程度は成長するみたいだし。

「相場は不安の壁を駆け上る」という諺からすると今みたいに不安材料が無い、凪のような状態というのは株式市場にとって有難くないのかもしれません。先のサッカー・ママの話にしろ何か「慢心」が投資家の心の中に広がり始めている気がしてなりません。こういう天下泰平の状況になにか本能的に危険のニオイを嗅ぐ自分にいくじなさを感じます。
バンコクの交通渋滞、ひどいですね。
でも数年後にはこの渋滞も過去のものとなる可能性があります。というのも今、タイ政府は超スピードでインフラ改良につとめているからです。

新バンコク国際空港(NBIA)
の建設、その新空港と都内を結ぶ高速道路の建設、スカイトレインの延長など、大型プロジェクトが目白押しです。証券会社のレポートでは向こう10年間にBt1.2Trillion(US$30Billion)もの公共工事が計画されているとのこと。

今日紹介するチョンブリ・コンクリート・プロダクツは道路建設の際に使われる軽量コンクリート・ブロックのメーカーです。同社はシノ・タイ・エンジニアリング(STEC)と近い関係にあることから、シノ・タイ社が建設を担当する新バンコク国際空港連絡鉄道プロジェクトにレディー・ミックス・コンクリートを提供することが予想されます。この連絡鉄道プロジェクトは今年5月に着工し、18ヶ月の工期を見込んでいます。

それから、これら一連の既に発表されている公共工事に加えて、タクシン政権は先の大津波で打撃をうけた南部のリゾートの復興にも力を入れないといけません。これらの事から向こう数年はタイの政府は強烈な「散布型」の経済政策を敷くことは間違いありません。

こうした良好なマクロ的背景を受けてチョンブリ・コンクリートの向こう数年間のEPS成長は年率19%程度が見込まれています。今、同社のPERは10倍です。このヴァリュエーションはちょっと低すぎではないでしょうか?。
2005/02/13のBlog
昔、株のセールスをやっていた頃の話。
僕の仕事は機関投資家向けのセールスだったので企業訪問をするファンド・マネージャーのアポイントメントを取ったり、一緒に会社周りするのが大事な仕事でした。

アメリカの企業は1年に4回決算発表があり、その発表前一ヶ月は一切会社訪問を受け付けないところが殆どなので会社訪問は残りの二ヶ月に集中するわけです。その期間はボストンとかダラス、南カリフォルニアなどを国内線で飛び回りました。多い年は一年で300社以上を回った計算になります。

そうやってかなりの時間を飛行機の上で過ごすと、段々、自分と同じように一年のかなりの時間を旅先で過ごす、所謂、「トラベリング・セールスマン」という人種が居るのがわかってきます。彼らは医療機器のセールスマンであったり、ハイテクのセールスマンであったりします。そのうち外見を見ただけで「こいつ、オレと同じトラベリング・セールスマンだな」と直感で見分けがつくようになるんですね。

それではどういうところでそれが判るかという事ですけど、例えばキャリーオン・ラゲージの寸法がちゃんと頭上の収納棚に収まるよう無駄の無いサイズであること、必要以上の荷物が一切無いこと、非常口のすぐ脇の、他の列より座席間隔の広い席に必ず予約を入れること、などです。

子供が就寝する時間に携帯電話でベッドタイム・ストーリーを聞かせてやっているお父さんやお母さんにも何度も出会いました。

こういう人種は全米中の空港やレンタカーに関しても一家言を持っていて、例えば、「霧の出るシーズンはサンフランシスコ国際空港は避け(遅延が多いから)、オークランドにする」とか、いろいろ細かい芸があるんですね。

彼らの持ち物や出張のプランに無駄が無ければ無いほど、いつも家から遠く離れて行商を続ける者の悲哀がにじみ出てきます。

とりわけ忙しかったあるとき、僕は国内線の飛行機の中でうたた寝から醒めて、自分が今、どこへ向かって飛んでいて、誰と会う予定なのかが瞬間、全然わからなくなってしまい、パニックになった経験があります。全身汗だくで、隣の人に「今、この飛行機、どこに向かってるんですか?」と聞きました。彼は「いいんだよ、心配しなくても。オレもトラベリング・セールスマンなんだ。アンタのような経験はオレにもあったんだ。今、ドリンクを頼んであげるからね。」

 * * *

ピュリッアー賞作家、アーサー・ミラーが死にました。この人、マリリン・モンロウの旦那だった人です。

「長年ハイウエーを走り続けて、列車に乗りまくって、アポイントメントをこなしまくった挙句、お前は生きてるより、死んじまった方が値打ちがある立場に陥るんだ。」
(『セールスマンの死』)

2005/02/12のBlog
去年は原油価格が高かったので産油国各国とも思わぬ増収にホクホクだったと思います。しかし、5年とか10年単位で見ると産油国の収支は悪化していると思います。去年みたいな原油高がずっと続いて呉れないと困るんです。

原油価格がピークを付けた直後、1980年の国民一人当たり、インフレ調整後の原油販売からの収入をみると、OPEC平均ではUS$1,800でした。去年の数字はこれがUS$600迄、下がっています。約1/3ですね。それだけ人口も増えているんです。

一方、同じ統計でサウジアラビアだけを取り出して見ると1980年にUS$22,000だったのが2004年にはUS$4,000に下がっています。約1/5.5です。

サウジの場合、国庫の収入の殆どが石油ですから一人頭に直した歳入がこんなに減ると「ばら撒き」政策が出来なくなります。実際、国防、保安費用、社会的サービス費用などは増加していますから国民の目からみた政府は「だんだんケチになっている」という不満が出るのは不可避ですね。

サウジは基本的にはサウド家の独裁です。ですからばら撒きによって「人気を買う」必要があります。でも財政的に苦しくなり、最近ではばら撒けなくなってきました。先週、初めてサウジで県議会議員の半数公選の投票がありました。これは投票という餌で民衆の不満のガス抜きをしようとしている訳です。

[関連したBlog]

Wah_man3さんのブログに東欧株が噴いているという記事がありました。東欧とかトルコがいい事は僕も知っていたんですが、あそこらへんの株はEU加盟期待とかそういう材料も関係していて、結構、降りるタイミングとか難しかった記憶があり、つい後回しにしていました。後の祭りですね。

さて、これからでも遅くない(本当かな?)東欧プレイとして、コカコーラ・ヘレニック・ボトリング(CCH)ちゅうのは如何なもんでしょうか?。

ヘレニックというのは高校の歴史とかに出てくる「ヘレニズム」から来ていて、ギリシャの事を指します。従って、CCHも本社はアテネ。

日本にもたとえば「三国コカコーラ」とか、いろいろボトリング会社がありますが、あれと同じだと思えば良いでしょう。このCCH、コカ・コーラのボトラーの中では世界で2番目に大きい規模です。発展途上国では庶民が豊かになると先ず清涼飲料とかの消費が増えるということで、昔から消費セクターの成長をプレイする格好の株としてボトリング株が挙げられてきました。僕は昔、メキシコ市場が相場になったとき、コカ・コーラ・フェムサ(KOF)というのを随分、いじくりました。

話が逸れて来たのでCCHに戻しますと、同社、ギリシャ、イタリア、アイルランド等の成熟した市場でもボトリングを展開していますが、そのほかにポーランド、ハンガリー、チェコ、クロアチアなどの中進国、そしてロシア、ルーマニア、ブルガリア、ウクライナ、ナイジェリアなどのエマージング各国で事業展開しています。市場によって成長率はまちまちですが、乱暴に言えばほぼGDP成長と同じくらい成長しているといえるでしょう。
EBITDA成長もそれを大体、トレースしていて、まあ8%成長くらいです。

ヴァリュエーション的にはPBR、PSRともに1倍~1.5倍くらいの範囲に入っており、まあ極めて妥当な線ですね。ボトリングのビジネスはキャピタル・インテンシブなのでリターンの数字は自ずと悪いものですが、その文脈においては頑張っている方だと言えます。


ちょっと地味すぎますかね?。
2005/02/11のBlog
けさナスダック上場のチャイナ・ファイナンス・オンライン(JRJC、中国名は「金融界」)がプロフィット・ウォーニングを出しました。同社は新華とかサーチナとかと似たようなサービスを提供しています。サーチナが日本の投資家向けであるのに対して、チャイナ・ファイナンス・オンラインは大陸の株(A株と言うべきですね)に関して、本土の国内投資家向けの情報提供を柱としていると思います。

「上海市場はつい最近、99年来の安値を更新し、低迷を続けている。特に出来高を見ると今年1月の出来高は去年の同期の28%に過ぎない」のだそうです。

いやあ、僕も大陸のA株市場が悪いことは知っていましたが、こうやって出来高の数字を聞くと改めてその不振ぶりが思い知らされますね。こういう話を聞くと反射的に買いたいと思ってしまいますが、まだまだ大陸の株価水準は滑稽なほど割高ですから今の水準から半値くらいにならないと安心して買いにゆけないんじゃないでしょうか?。
どうやら僕の見込み違いでしたね。石油株。

昨日の立会いでは石油サービス株、大手石油株などが軒並み新波動入りしています。
「ぐうの音も出ない」というのはこういう事を言うんでしょうね。

昨日原油価格が高騰したのはIEA(インターナショナル・エネルギー・エージェンシー)が「世界の石油の需要増に対して供給が追いつかない」とコメントしたためです。大体、昔はIEAのコメントで相場が動くなんて事自体、有り得なかったのですが、今は世の中変わりました。

さて、僕はそういうわけでIEAは全然評価してないんですけど、昨日のコメントでひとつだけいいこと言っています。それはロシアの原油生産が漸減しているという事

ロシアの石油生産は80年代の終盤に変調をきたした後、90年代に入ってからつるべ落としに下落しました。これはロシアが長年、石油床のケアを怠り、一番汲み上げやすいところから秩序なく汲み上げた結果です。さらに石油生産機器も老朽化が激しく、メンテナンスもおろそかにしていたので由緒正しいバクー油田など一時はゴーストタウンみたいな様相を呈していました。

その後、ソ連が崩壊し、ロシアになってから欧米の機器、業者、資本などが入り、さらに民間払い下げで機を見るに敏な連中が安値で石油会社を買ってチョッピリ生産設備に手を入れ、生産量を増やした為、あたかもロシアの石油生産は急成長しているような印象を持つ読者の方々も多いと思います。現実は現在のロシアのオイル生産は80年代終盤のピーク時の水準に未だ達してないんです。しかも、あと一息のところで息切れして、今後、また生産量が下降線に向かうリスクは非常に高いです。IEAがこの部分を指摘しているのは正しいし、サプライ・サイドで僕が今、最も心配している事です。

それではなぜ生産量は下降線を辿るかということですが、先ず、ロシアの石油会社はオールド・ファッションな堅実経営をしているルクオイルなどを除いて、設備投資額が少なすぎます。それから石油会社がよく使う手として、原油価格が高いときは比較的ハイコストな、「死にかかっている」油井を優先して使い、ローコストの油井を「雨の日に備えて」温存するわけですが、そういうコンサーバティブな経営がされてません。さらにリザーブ・リプレースメント・レシオもお寒いものがあります。

つまりロシアの油田は超目先主義で運営されているということ。これでは数年経つと息切れが来て生産量が漸減するのは当たり前。さらに許せないのはユコスの入札問題に見られるようにロシア政府は平気で石油会社から油田を取り上げ、それを全然、お金を持ってない新しいオーナーに与えるということをやっているんですね。僕は新しいオーナーが正当性をもっているかどうかなんて法律的議論には興味ありません。問題なのは新しいオーナーはオケラなので今、切実に追加設備投資を必要としているこれらの油田のケアが出来ないという事なのです。

政府から二束三文で石油会社を掠め取ったオリガルヒも浅知恵なら、政府も近視眼ですね。