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いちカイにヤリ 投資世代(ロシア株、インド株、中国株、ブラジル株、ADR、BRICs)
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2005/06/26のBlog
レンタル・ヴィデオはちゃんと巻き戻して返すべきですし、レンタカーは時間があれば満タンにして返すべきです。

僕は長いこと日本に住んでませんから日本のことはわかりませんけど、少なくともアメリカではそうです。

次に使う人の事を考えて行動する例ですね。

 * * *

さて、グリーンスパン議長の任期が終わりに近いのですけど、はやり次に来る人の仕事のやりやすさを考えるとグリーンスパン議長はアミュニッション(実弾)をしっかり込めてバトンタッチするのが分別あるやり方のような気がします。

グリーンスパンの前任者、ポール・ボルカーは「ドルの守護神」と謳われた人で、やはり安心感がありました。最初にグリーンスパンに替わったときは、どういう人かわからなかったので、ちょうどホテルのラウンジでお見合いをやっているようなぎこちなさを憶えたことを記憶しています。つまり、どんな優れた人が後を継ぐことになるとしても、暫くは新任の議長とマーケットとがお互いを知る助走期間が必要だということ。また、新任者がその時の状況によって上でも下でも、くっきりとFEDの意図をコミュニケート出来る、「スタンス的な自由度」が貴重になると思います。

さて、米国の景気が徐々にスローダウンしているという事で、イールド・カーブはフラットニングしてますし、FFレートの引き上げも「あと2回でオシマイ」というのが強固なコンセンサスになっています。それどころかPIMCOのビル・グロスなどは「年末か来年早々には利下げもある」ということを言ってますから気の早い債券の投資家はもう「見切り発車」しています。

確かに、株、為替、債券という普通われわれ投資家のレーダー・スクリーンに映っているアセット・クラスで言えばFEDとマーケットとのトラクションに「空回り」は感じられません。その意味では良い状態でバトンタッチが出来そうな雲行きだと思います。

でもひとたび不動産や原油などの「新しいホット・コモディティー」に目を向けるとFEDのトラクションは全然無いも同然です。

不動産や原油が米国経済に与えるインパクトの大きさを考えた場合、単に「景気がちょっと衰えてきたし、利下げする余裕が出来たから、それじゃ利下げしとこうか?」なんていつもどおりの感覚で離任直前に利下げのコースをはっきり打ち出し、トランプのカードの手の内を見せてしまうのはどうかな?という気がします。

今回の引き締めサイクルでは実質金利を見てみるとそれほど上がってない気がします。(僕は債券の専門家ではないので詳しい方の意見を下さい。)それは若し、バブルが弾けた反動でリセッションにでもなった場合、利下げ余地、つまり「実弾」が不足していることを意味します。

今、不動産や原油が手のつけられない「メルトアップ」になる可能性が払拭されてないうちから、気の早い債券の投資家の思う通りにFEDが金融緩和の方向をはっきり打ち出すとは思えません。

グリーンスパンが明白に金融緩和のスタンスを市場にシグナルしながら去ってゆくというシナリオは、いわば歴戦の兵士が弾薬のカートリッジを十分に残さないまま塹壕の新兵に持ち場を譲るようなものでプルーデント(思慮ある)なやり方ではないのではないかしら?。



[ 19:38 ] [ マクロ・ストラテジー ]
「相場がわからなくなったな。」

突然、そう感じるときがあるものです。

木曜日、家族がシアトルのおばあちゃんのウチに2週間遊びに行くのをオークランドの空港に送りに行って帰ってきたらダウが100ポイント以上下がっていました。家を出るときは全然おかしな兆しはなかったのに、、、。

「あれれ、なんだこれ?#*&@!」

その時、突然、相場がわからなくなったように感じたのです。
でも、よく思い返してみると、相場がわからなくなったと言うよりはこのところ調子が良かったので「このまま行ってくれるといいな」という希望が、いつの間にか「うん、このまま行くんだろう」という都合のよい合点へとすりかわってしまっているのに気付きました。

理屈からすれば当然、一服入っておかしくない局面なのに、実際、節目が到来してみると諦めきれないわけです。それが「相場がわからなくなった」という当惑になって噴き出しているわけですけど、そこには現実を直視しようとしない自分の中の「逃げ」の姿勢があります。

 * * *

それでは、僕が直視すべき現実とは一体、何でしょう?

1.ハイテクは目先、やられる。
2.ポートフォリオ全体の建て玉(売りも買いも)を削ぎ落とす必要がある。
3.目先のパフォーマンスにあぐらをかいて「将来のパフォーマンスのための種まき」をぜんぜんやっていない。

金曜日の引け値で上記のようなポートフォリオの修正が出来れば良いんですけど、「泣き面に蜂」で今週はイランの選挙が番狂わせだった事などを背景に相当荒れる気がします。

「なんでちゃんとやっておかなかったのかなぁ」と後悔ばかりが先に立つわけです。





2005/06/25のBlog
日本の金融機関でファンズ・オブ・ファンズをはじめるところが多いですが、この流行の原因は日本の公的年金が絶対リターンを追求する部分へのアロケーションを増やすことを試しているからだと思います。

するとベンチマーキングをしてきた年金のファンド・マネージャー達は運用資産のパイが小さくなるというリスクに晒されます。そこで逃げようとする資金を取り込む方便で、後付的にファンズ・オブ・ファンズのビジネスに参入するという経営判断をするわけです。そこにあるのは流れに追従するご都合主義だけで、確固とした投資哲学やスキルではありません。

ファンズ・オブ・ファンズがご都合主義で始められている以上、彼らがそのファンズ・オブ・ファンズを運用する際にはすぐに「昔のクセ」でなんらかのベンチマークを拠り所にその運用を律しようと考えてしまうわけです。「トレモント指数がどうのこうの」とか、そういうヘッジファンド業界全体のパフォーマンスを指数化したものがはやり気になって、それに勝ったか負けたかとか、そういう無意味な議論が始まっているわけです。それじゃベンチマーキングを棄てて、絶対リターンを求める意味がそもそも無いではないですか!。

こういう連中はファンズ・オブ・ファンズの銘柄選定をする際も、年金を運用してきたときのクセをそのまま持ち込んで投資ストラテジーを決めます。つまり、指数インパクトの大きそうな、大手のヘッジファンドを多く組み込み、過去のパフォーマンスなどの統計的なデータを偏重し(それはヘッジファンド・マネージャーのクウォリテーティブな実力を吟味する能力がないから仕方ないけど)、なるべく「失敗のないように」無難な方向に流れるわけです。

そうは言ってもファンズ・オブ・ファンズは運用資産が大きいだけにヘッジファンド・マネージャーとしてもファンズ・オブ・ファンズの凡庸な思考パターンに迎合せざるを得ないというトレンドが段々出てきています。嘆かわしいことですね。既にヘッジファンド・コミュニティーの少なからぬ部分がそういう「宦官」みたいな、運用の世界にはびこる既得権益にしがみつく連中に毒されはじめているのです。

是川銀蔵が「株式市場の機関化が日本の株式市場を駄目にした」と自伝で書いてますけど、僕が1980年代に彼の本を最初に読んだ時、「この人、何ほざいてんだ!」とその意味するところが皆目わかりませんでした。かれこれ20年の年月を経て、ものわかりの鈍い僕もようやく是川銀蔵のこの言葉の持つ含蓄の深さが染み透るようにわかりはじめています。
それではなぜ、ファンズ・オブ・ファンズが大流行しているのでしょう?。

それは情報入手コストが高く、ヘッジファンド業界の存在自体が謎のベールに包まれて、コネや人脈が幅を利かせていたからです。つまり、「つて」が無いとヘッジファンドには投資できなかった。それを上手く利用して相手の弱みや無知につけこんだ商売がファンズ・オブ・ファンズなんです。

それが証拠に投信というものの歴史を見ると昔は投信にもファンズ・オブ・ファンズというのもが存在しました。それは投信の黎明期には一般庶民が「なにを買っていいかわからない」と感じていたからです。そこで「優秀な投信ばかりに投資する」なんて触れ込みでお金を集める輩が出てきたんですね。例えばIOS(インベスターズ・オーバーシーズ・サービセズ)のバーニー・コーンフェルド(この人、インタビューする時は必ずプールサイドにビキニのお姉ちゃんを20人くらいはべらせて成功していることを印象付ける細工をしたりしました)なんかがその例でしょう。日本株でも古い人なら「IOSショック」など記憶にあるかもしれませんけど、その結末は大惨事でした。

ひるがえって今のファンズ・オブ・ファンズ業界を見渡してみると本来、自分でヘッジファンドを立ち上げるだけの才覚がない人がファンズ・オブ・ファンズをやってますから、しかも往々にして金融機関系とかの、本人の実力とはなんの関係もない理由で滞留している多額の運用資金を、自分が一体、なにに投資しているかすら理解できてない投資先に注ぎ込んでいますから、大事故が起こるのは時間の問題です。いや、この春の一連のヘッジファンドの損で既にそれらのファンズ・オブ・ファンズは大きな損を抱えているかもしれません。「知らぬは本人やそのファンズ・オブ・ファンズの受益者ばかり」という状況ではないでしょうか?。

絶対リターンの追求、つまりヘッジファンドへの投資というのは投資の専門用語で言うとベータ(つまり「マーケットの動き」)をそのまま買うというのではなく、あくまでアルファ(つまり「マーケットが悪くてもパフォーマンスが出せる」というファンド・マネージャーの手腕)を買うことを意味します。

これは英語で言うと「スキル・ベースト・ストラテジー」、つまり腕前に賭けるやり方なのです。ファンズ・オブ・ファンズは言うまでも無くそういう数あるヘッジファンド・マネージャーの中から優秀なファンドを選び出し、そういう複数のヘッジファンドに投資する商品です。

この場合、僕が「問題だな」と思うのはヘッジファンドを選別する人間、つまりファンズ・オブ・ファンズのファンドマネージャーの力量・経験が、選ばれる側のヘッジファンド・マネージャーの力量・経験より遥かに劣る点です。それがファンズ・オブ・ファンズという商品の決定的欠陥ではないでしょうか?

ファンズ・オブ・ファンズでいろいろなヘッジファンドに投資しようとする際、絶対必要になるスキルは、われわれが企業の株を買うときのスキルとなんら変わりません。それは即ち:

1.その会社のやっている業務内容を理解する
2.その会社の所属する業種を理解する
3.その経営者の人となりを理解する

などです。これをヘッジファンドの分析に置換すると:

1.そのヘッジファンドの投資戦略を理解する
2.そのヘッジファンドのツール(アーブ、マクロ、etc.)を理解する
3.そのヘッジファンド・マネージャーの人となりを理解する

ですね。でもアメリカの場合、ヘッジファンド・マネージャーになるだけの実力が無い人が主にファンズ・オブ・ファンズのマネージャーになりますから上記の1.、2.、3.、が励行出来ているかどうかは大変?マークです。

なぜ「ヘッジファンド・マネージャーになるだけの実力が無い人がファンズ・オブ・ファンズのマネージャーになる」と僕が断言できるか?と皆さんは懐疑的に思っているかもしれえません。その理由はカンタン。つまり報酬です。

典型的なヘッジファンドは「ワン・アンド・トゥエンティー(1&20)」と言ってマネージメント・フィーが年間1%、それに加えて利食いになった場合、その利益の20%をファンド・マネージャーが成功報酬(パフォーマンス・フィー)として取る、というのが一番典型的パターンです。

これに対してファンズ・オブ・ファンズは「ワン・アンド・テン(1&10)」、つまりマネージメント・フィーが年間1%、それに加えてパフォーマンス・フィーが10%というのが一番多いパターンです。

「なぜファンズ・オブ・ファンズの場合、20%でなくて10%しか無いの?」と読者の方は感じられると思います。その理由は「二重手数料」にあります。つまり、ヘッジファンドが利食いした時に既に20%のフィーを取っているのに、それらのヘッジファンドを投資先として組み込んでいるファンズ・オブ・ファンズがその上更に多額のパフォーマンス・フィーをむしりとるとなると、その商品のリターンがフィーばかりに取られてしまって凡庸になってしますからです。

利食いに対して20%の分け前を取れるのと、10%の分け前を取れるのとでは天と地ほどの違いがあります。僕なら絶対、20%の方を選びます。

それともうひとつ言えることはヘッジファンド・マネージャーは創業する場合、本人の個人資産の大部分をそのファンドに投資します。当然、僕もそうしています。ですからファンドの切り盛りを失敗するとお客さんに迷惑がかかるとかという以前に「一家が路頭に迷う」リスクがあるわけです。だから真剣勝負。

これに対してファンズ・オブ・ファンズのマネージャーは殆どの場合、本人の個人資産の大部分を自分のファンズ・オブ・ファンズに投入していないと思います。日本にも生保系とかのファンズ・オブ・ファンズが今は大流行していますけど、それらのファンズ・オブ・ファンズのマネージャーのほぼ100%は本人の個人資産は1円も入っていないと僕は睨んでいます。(この点、若し僕の意見が違っているようでしたら指摘して下さい。その場合は僕の過誤を潔く認め、前言を白紙撤回します。)

大体、今の運用の世界を見ると米国の投信についても日本の投信についても言える事ですが大部分の運用が「隠れインデックス」であるにもかかわらず、ファンドの数だけは多いです。これは換言すれば大差ない似たような商品が、種類だけいろいろ出回っている状況ですね。

年金の運用にしろ、投信の運用にしろ、ベンチマークを意識して、それから余り逸脱しないようにすることがファンドマネージャーの処世術の「第一の鉄則」です。しかし、「隠れインデクサー」になることは保身にはなりますけど、パフォーマンス的には凡庸であることをギャランティーすることを意味すると思うんですね。それならいっそインデックス・ファンドを買った方がコストが安いし、長期で見ればアクティブに運用された「隠れインデックス」ファンドより、コンピューターで運用されたロー・コストのインデックス・ファンドの方が勝つに決まっています(このへんの議論はブログ『おかねのこねた』でwha_man3さんがもっと精緻に展開していますので参照下さい)。

すると「投信だけじゃ面白くないからヘッジファンドにも投資したいなあ」と思うのは人情です。増してやアメリカの個人投資家が日頃から見慣れているモーニングスターのスタイル・ボックスとかのツールで、ヘッジファンドに関する情報が自由に見られるようになると、個人投資家から、その人の資金の面倒を見ているファイナンシャル・アドバイザーに対して、「なんでアンタは僕のお金をヘッジファンドに入れないの?」というプレッシャーは極点に達するのは目に見えています。

その場合、ファイナンシャル・アドバイザーは未だヘッジファンドのことは勉強の途上にありますから最初はあまり冒険をしたがらないと思います。従って、ファンズ・オブ・ファンズなんかを買ってお茶を濁すパターンにならざるを得ないですね。



それからヘッジファンドのレーティング情報がモーニングスターを通じてカンタンに入手可能になるとこれが投信に大きなインパクトを与えると僕は感じて居ます。

その理由はモーニングスターが投信のレーティング・サービスを開始したのが401(k)の普及の過程で大きな役割を果たし、それまでの確定給付型の年金を確定拠出型に移行するという大変な力仕事の際、ひとつのツールとなったからです。それが投信の隆盛を招き、年金の没落をもたらしました。

この過程で米国における運用の勢力図はガラッと変わりました。僕が米国に来た1980年代後半は、例えば最重要顧客として証券会社がマークしていた機関投資家はモルガン・ギャランティー・トラストとかGEペンションでした。従って、証券会社も一番腕の立つセールスマンをそういうアカウントにつけて、例えばデンバーなんて片田舎には専任のセールスは置かなかったんですね。

ところが401(k)が出てきたら続々と確定拠出を採用する企業が相次ぎ、これまでは企業の福利厚生部がファンドマネージャーを選んでいたのが、いきなり最終顧客である個人の受益者がファンドマネージャーを選びはじめました。その結果、良い運用成績を出していた例えばデンバーのジャニスとかインベスコ(同社はデンバーのほかに確かアトランタ?の辺とロンドンに本拠があったと記憶します)など、比較的新しいプレーヤーが恐ろしい勢いで業容を拡大しました。

その結果、あれよあれよという間に今までデンバーという「閑職」を与えられていた女の子がトップセールスになり、モルガン・ギャランティーを担当していた重鎮的なセールスマンは「数字が上がっていない」という理由で首になりました。

 * * *

今、ヘッジファンドの運用資産と投信の運用資産の金額を比べると、大体、1:7か1:6くらいだと思います(正確な数字を把握している人がいたら教えてください)。でも今後この比率はドラマチックに変わる気がします。

なぜならベビー・ブーマーが段々リタイアメントの年齢に近づくとベンチマーク・リターンはどうでも良くなり、キャピタル・プロテクション(元本の防衛)、つまり絶対リターンのストラテジーが大事になるからです。この絶対リターンの追求という面でクリエイティブなアイデアを提供できないファイナンシャル・アドバイザーは顧客を失います。

ファイナンシャル・アドバイザーの世界がどう変化しているかについては以前のブログに書いたので今回は繰り返しません。でも僕がハッキリ言えることは驚くほど進化しているファイナンシャル・アドバイザーの様々なインフォメーション・ツールのなかで唯一ブラックホールになっているのがヘッジファンドに関する情報なのです。

一番、顧客が求めている情報なのにその部分が一番欠けている、、、そう考えてくると今回のモーニングスターのチャレンジが言わば「ノルマンディー上陸作戦」のように決定的な重要性を持っていることがお分かりいただけるでしょう。
しかし、モーニングスターのレポートでヘッジファンドの比較検討がやり易くなると、そういう非効率な市場がとたんに効率性を増すことが予想されます。

証券取引委員会のどんな規制強化よりも、モーニングスターによるヘッジファンドの「カタログ化」が業界の旧態依然としたやり方を是正する効力を持つような気がします。ちょうどフトンを日光消毒するようにヘッジファンド業界がリフレッシュされるに違いありません。

勿論、ヘッジファンドの場合、所謂、公募商品ではなく、あくまで私募ですから利害関係の無い一般の相手に情報を提供する義務は全くありません。その意味では最初はモーニングスターにデータを提供しようというヘッジファンドは限られているかもしれません。

でも過半数のヘッジファンドがモーニングスターにデータを提供し始めたら競争上、殆どのヘッジファンドがいやいやでもデータを開示しなくては商売にならなくなる日が来ないとも限らないでしょう。

一方、モーニングスターが便利なレポートを出し始めるとこれまで特別なコネで甘い汁を啜ってきた紹介者やゲートキーパーやファンズ・オブ・ファンズの存在価値が問われることになります。彼らは遅かれ早かれいずれ恐竜のように死滅する運命にあると僕は思います。
先週のニュースで僕が個人的に一番衝撃を受けたのはモーニングスターがヘッジファンドのレーティング・サービスを開始すると発表した事です。

 * * *

モーニングスターはアメリカの投信に関する包括的なデータを蒐集し、そのスタイルやパフォーマンスを分析したレポートを最初に出した企業です。

それ以前の米国での投信の買われ方というのは、例えばスタイルやリスクを度外視した単純なパフォーマンス・ランキング(新聞とかに出ているやつ)から闇雲に選んだりとか、ジェラルド・ツァイ、ピーター・リンチなど、個人のファンド・マネージャーのカリスマで投信が買われたりしていました。

モーニングスターのサービスが出てきて初めて合理的な投信の比較、選択が可能になったと言っても過言ではないと思います。

 * * *

そのモーニングスターが今度はヘッジファンドを評価すると発表したのです。

これまでヘッジファンドは運用内容に関する情報が大変、入手しにくかったです。そのファンドの受益者で無い限り、基本的には運用レポートを手にすることすら困難ですし、その運用レポートもタイムリーな開示をしていないところが多いです。

このように「情報入手のコストが高い」という状況では効率的な市場というのは存在しにくいです。すると、いきおい「知る人ぞ知る」的な状況になり、様々な紹介者だの、ゲートキーパーだのファンズ・オブ・ファンズといった派生的(寄生的?)な商売が繁盛することになるわけです。
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ちょっと予期しなかった展開ですね。
昨日イランで行われた大統領選挙で現テヘラン市長で1979年のイラン革命の頃の政治的理想を再興すると公言しているアハマディネジャド氏が親米的なラフサンジャ二氏を破り当選を確実としました。

アハマディネジャド氏は選挙前は「数ある候補者のうちのひとりに過ぎない」程度の認識のされ方で、誰も本命とは思っていなかった筈。このニュースは先週の原油市場には全然織り込まれていないので今週の新たな不安材料になるかもしれません。

僕はてっきりラフサンジャニ候補が勝つものだとばかり思っていました。

アハマディネジャド氏は彼がテヘラン市長のときにやってきたのと同じ、「ばら撒き型」の施政で国民の支持に応えるでしょうから、この選挙がいきなりイランからの石油輸出パターンに変化をもたらすという可能性は低いと思います。その面では供給不安というケースは僕は想定していません

でもイランがヴェネズエラ型の政治に傾斜してゆく可能性は高くなったというべきでしょう。今の原油市場はほんのちょっとした材料でも敏感に反応しますから、これで「ポリティカル・リスクが高まったので原油は買いだ。」という強気派が台頭するシナリオは十分考えられます。

まあ、イランの場合、大統領が一番偉いのではなく、回教の聖職者などが実際には隠然たる影響をもっていると思いますから、イランが今後突然、外交の舵取りを180度転換するようなことにはならないとは思いますが、、、。
2005/06/22のBlog
「アホかお前!新値を売ってどないすんねん?」

僕が株屋駆け出しの頃、お客さんからの注文を場に通そうとしていた僕の電話口での会話を聞いて隣に座っていた同年代の先輩(僕は中途組なので年は同じでも株の経験はみんなより遥かに浅かったのです)がアドバイスしてくれました。

この言葉、今でも耳に残っているんですけど、やはり或る銘柄や或る市場が新値を取った瞬間というのは思わず値が伸びる可能性があるので慌てて売るのは得策ではない気がします。先ず、どれだけ値が伸びるかを静観し、新しい波動のリズムを掴んでから鷹揚に利食いのストラテジーを決めても遅くないと思います。

この原則からすると一昨日過去最高値を取ったインド株は今は売ってはいけない局面でしょう。

 * * *

先ず、「ここは粘らないといけないんだ!」という事を断った上で敢えて書くと、インド市場に関しては僕は今、BRICsの中で一番、心配しています。

その理由は端的に言えば、「中身の無い上げ」のような気がするからです。

インドが人気になっている理由を僕なりにまとめると:

①中国株が冴えない展開だったので「乗り換え」先としてインドに白羽の矢が立った。
②インフォシスの公募が終了するなど、需給面での不安が取れたので回転が効いている。
③リライアンスのお家騒動が「お母様」の仲裁で一件落着となり、これを囃す輩が上値を追っていること。

などでしょう。不思議とマクロ経済や企業収益面での理由は見当たりません。
それもその筈、マクロやファンダメンタルズのピクチャーはどちらかと言えば「曇りがち」だからです。昨日のメルマガにも書いた通り、インド準備銀行は今のところ「GDP成長7%という予想を変更しない」とは言ってますけど、いかにも自信なさげ。

モンスーンが例年より遅れ気味なのは事実なのですから、今はパニックする必要ないですけど7月に入っても雨が降らなければ雨乞いの儀式に希望を託すか、ある程度持ち株を軽くするか、そのどちらかの選択に迫られる羽目にならないとも限りません。

それから原油価格が最近高騰してますけど、およそBRICsの中で原油価格の高騰に弱い国の最たるものがインドなんですね。前回、原油価格が急騰したときはみんな大騒ぎで慌てたのに、今回は「のど元過ぎれば」の喩えで皆、泰然と構えています。でもそれは投資家が怠慢なだけで、インド経済の原油価格に対する脆弱性が無くなったわけではありません。

 * * *

このようにファンダメンタルズを伴わず、しかも株価が上昇している局面というのは、見方を変えれば即ちマルチプル・エクスパンション、つまりPE革命が起こっている、という事です。

マルチプル・エクスパンションという現象は、それ自体、とてもパワフルな現象で、株をやっていて一番、儲かるというか、一番嬉しい瞬間ですね。

その株、その市場に対する評価が「ひと皮むける」わけです。この「ひと皮むける」という表現はとりわけ科学性の無い言い回しで僕は大好きです。これで新しい妥当ヴァリュエーションの落ち着き処としては英語で言えばTOSS-UP、つまりどう転ぶか全然予想できない状態になったということです。

 * * *

このTOSS-UPの状況というのは、つまりファンダメンタルズが株価をディクテートするのではなく株価が投資家のスタンスをディクテートしている状況だとも言い換えられます。これをもう少し「投資銀行風」な表現に直せば将来のグッドニュースを先へ先へと織り込んでいる状況と言えるでしょう。

こういう風に先々迄織り込んでしまうという事は実際に業績とか景気が追いついてゆく際、既に織り込まれた期待に応える形でテキパキ実現することが肝心になってきます。

昔、ドットコム・ブームの頃、「シリコン・ヴァレーでは物事がドッグ・イヤーで起こる」と言われたものです。でもドッグ・イヤーは何もハイテクの専売特許ではありません。投資家というものは、そして特にエクイティー(株)の投資家は必然的にドッグ・イヤーのような、性急な変化、物事の向上を要求するものなのです

このドッグ・イヤー的なエクスペクテーション(期待)に応える事が出来なくなった時に株で言う「グリッチ(突発事故)」が起こるのです。

 * * *

ところで過去のインドの足取りというものを辿ると、この国、「君子豹変す」的な器用な変身は得意ではないんですね。どちらかと言えば意思決定に要する時間は長いですし、その意味ではドッグ・イヤー的なスタンド・プレーは不得手だと思います。

同じ事がブラジルにも言えて、ブラジルの場合、そういう旧態依然とした政治のシステムが、今、BRICsという現象に集約される世の中の急激な移り変わりについて行けない状態になっています。

そうでなくても世界の投資家は中国とかプーチン大統領とかのように上意下達でどんどん物事が進んでゆくのに慣れっこになっていますから(尤もプーチンの場合、「口だけ」ですけど)、ブラジルのように民主主義的なプロセスで、段階を追って物事を決めてゆくのはじれったい気がしていると思います。今回のブラジルの一連のスキャンダルも、そういう、先を急ぎ過ぎた結果、「魔が差した」わけですね。(ブラジルに関しては世界の機関投資家は堪忍袋の緒が切れる寸前です。)

翻ってインドの政治を考えた場合、やはりどちらかと言えばブラジルの政治プロセスに近いものがあると思います。この部分に注意する必要があるのではないでしょうか?。

 * * *

PS:インドにとって救いなのはビジネスのレベルでは意思決定が早いという点。特にインドのハイテク産業はシリコン・ヴァレー経験者が沢山居ます。

エクソダス、カスケイド、ジュニパー、ニューメリカル等のチョンチョンに尖がった先駆的企業はいずれもインド人がリーダーシップを取っていたり、CTOを務めていました。これらの企業がどれほど1990年代の技術革新、ないしはビジネス・モデルの変革にとって重要だったかはハイテクの専門家の方なら今更説明するまでも無いと思います。

今のバンガロールにはそういう伝統が脈々と受け継がれている気がします。
2005/06/21のBlog
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先日、GLGパートナーズが5月に▼14.5%の損を出したニュースについて言及しました。今日はさらにヴェガ・アセット・マネージメントとベイリー・コーツという2つのヘッジファンドが苦境に立っているというニュースが入っています。

ヴェガ・アセット・マネージメントの運用しているファンドのひとつ、ヴェガ・セレクト・オプチュニティー・ファンドは主に債券を中心とした運用ですが、5月の損が▼8.1%で、年初来のパフォーマンスは▼14.85%だったそうです。これを見て顧客であるファンズ・オブ・ファンズが続々資金を引き上げ始めているそうです。

一方、ベイリー・コーツの方は株式型のヘッジファンドですけど5月までに年初来パフォーマンスが▼24.9%になり、解約が続出したため、ファンド自体を廃業すると宣言しています。

 * * *

今回の一連のヘッジファンドの顛末を見るにつけ僕が感じるのは「撤退は整然としているな」という事。金融システムに対するショックには至っていません

つまり、緩やかなペースで「ガス抜きが完了」してしまったので、ここで敢えてFEDが金利引き上げの手綱を緩めるほどのショックは無かったという事。

 * * *

今、米国の市場参加者の大半は「FEDの利上げはあと2回くらいでオシマイだろう」そして「景気の方はソフト・パッチを抜けて巡航速度を維持出来る」と感じています。つまり、なにもかも上手く行っていて、全て「ばら色」というわけ。

しかし、原油価格が60ドルを抜けてくると市場のセンチメントがガラッと変わる可能性だってあります。なぜなら原油価格が60ドルを抜けると値運びが急に軽くなって「手がつけられない」展開になる可能性が強いからです。所謂、メルト・アップという奴ですね。

その場合、FEDは金利を吊り上げて原油価格の高騰を「ガッチリ押さえ込むぞ」というポーズを見せるに違いありません。「際限なく金利が上昇するのではないか?」という不安が投資家に芽生えた瞬間にエマージング・マーケットの相場は終わってしまいます。僕は目先、この投資家のセンチメントのスウィングに気をつけてゆきたいと感じています。

2005/06/20のBlog
日曜日のニュースでいよいよリライアンス・グループが2つに分割されることが発表されました。

リライアンスは故ディルバイ・アンバニがガソリン・スタンドの販売員から徒手空拳、一代で築いた財閥で、インドのGDPの3%に相当するグループ売上高を誇る産業グループです。

ディルバイは別名、「ポリエステル・キング」というあだ名で知られていましたが、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールのディーンズ・メダルを授けられた大変優れた経営者でした。1977年のリライアンス・インダストリーズのIPOはインドの株式市場を初めて中産階級の人々にまで裾野を広げる役割を果たしたとされています。また、現在、インド株の美点として多くの国際投資家が指摘する、成果主義、少数株主の保護などはディルバイが先駆的に提唱した経営哲学だとされています。

さて、ディルバイの死後、ムケシュ、アニルという2人の息子がリライアンス・グループの経営を担ってきたのですが、意見の対立が多く、その複雑な持ち株構成がそれぞれの傘下企業の意思決定に足枷となって成長のための先行投資などが出来ない状況が続いてきました。

それで今回、同グループの資産を2分してそれぞれ別個に経営してゆくという事で合意に至ったわけです。

ムケシュの支配下には:

リライアンス・インダストリーズLtd.(石油精製、石油化学、ポリエステルなど)
インディア・ペトロケム・コープ(IPCL)

が入ります。

一方、アニルの支配下には:

リライアンス・エナジー(電力会社、天然ガス開発)
リライアンス・キャピタル(投信など金融サービス)
リライアンス・インフォコム(通信)

が入ります。

ムケシュはリライアンス・インフォコムの重役の座を降り、現在リライアンス・インダストリーズが所有しているリライアンス・インフォコムの43%株式は将来段々処分される方向だと思います。アニルはリライアンス・エナジーとリライアンス・キャピタルに個人の資財でそれぞれ資本注入を計画しています。その後で両社は一般公募というシナリオが浮上しています。リライアンス・インフォコムは現在非公開ですが、いずれIPOされると思われます。

 * * *

この一連の改革に関する僕の考えですが、先ずディールの詳細が現在のところ不透明で少数株主が割を食っていないかどうかは判然としないという事。
それから将来の成長という観点からするとどの関連企業も意思決定がスピード・アップすることは容易に想像できるのでこれはプラスでしょう。
さらに公募などによる一般投資家の参加機会が大変多くなると思います。今頃、インドのインベストメント・バンカー達は大忙しになっているに違いありません。

 * * *

このように目先、インド株をトーク・アップする材料には事欠かないので暫くインド株の好調は続くと思います。今週は野村のインド株投信の設定があったりしてインド株は活況でしょうね。また、米国の個人投資家の間でもインド株が段々注目されてきている気がします。タタ・モータース(TTM)とかヴィデッシュ・サンチャ・二ガム(VSL)が妙味ですね。とりあえずこのへんで一回転取ってから、後はその時、対応を考える、そういうスタンスで臨めば良い気がします。

PS:このところインドは良いニュースが続き過ぎているので実物以上に「美人」に見えている気がします。今週はこのリライアンスのニュースでカッと相場が燃えたところが目先の天井になるかもしれません。モンスーン・シーズンが例年より気持ち遅れている件にしても投資家はあまり真剣に心配していないけど、今後、問題化する可能性は高いと思います。僕は野村のインド株投信の設定が終わった時点で一回兵を引くことを真剣に考えています
2005/06/19のBlog
米国株、3月から5月にかけてのシケた状態から良くここまで戻ってきました。
S&P500指数は1216と去年の12月31日の1211に比べてプラスになっています。
でも『バロンズ』の相場解説のコラムが指摘するように「表面上、年初の出発地点に戻った観のある米国市場だが、その中身は随分違う」ということを忘れてはいけません。

『バロンズ』では、違う点の第一点として原油価格が年初から実に34%も上がっている点を指摘しています。セクター別のパフォーマンスを見ると、エネルギーの一角が相場全体を支えている様子がありありとわかります。

次に『バロンズ』が指摘しているのは短期金利の水準が2.25%から3%に上がっており、その一方で長期金利が4.22%から4.08%に下がっている、つまり、イールド・カーブはフラットニング(平たくなる)を起こしている事を指摘しています。「これを見て、或る人は景気後退の前兆だと言うし、また別の人はFEDの利上げが打ち止めに近いと言う」としています。

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僕がこの記事を読んで感じるのは「上げ相場のクウォリティーは粗悪だね」という事。
勿論、相場は上げればいいもので、勝てば官軍、その中身なんてどうだっていいじゃないか?という議論があることは僕もわかっています。

それと同時にオイル・メジャーとかが相場になるのは「相場の一生」のうちでも一番、最後、つまり仕上げに近い段階なのです。(これは僕の経験からそう感じます。きちんとしたデータでバックアップされたセオリーかどうかについては、過去にそんな議論を見たような気もするし、見てないような気もします。知っている人が居たら教えてください。)

石油会社の業績が伸びるということについての問題点は、その当期の業績の伸長は殆どの場合、製品価格の上昇に依るものであって、経営努力とは何の関係も無いこと(これに対して長期で見たリザーブ・リプレースメントは経営努力が大いに関係してきます)。さらに言えば「石油会社が儲かれば、それは消費者のポケットからお金が石油会社の懐に転移しているだけだ」ということです。つまり、経済全体としてはゼロサムと言っても過言ではないでしょう。

そういう石油会社だけが業績を伸ばしても国全体としては豊かにならないわけです。

生産性の改善などの建設的なファクターによる相場のラリーと比較するといかにも貧相なラリーですね。

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「そうは言ってもノーストルムなんかの高級百貨店はそこそこいい商売しているし、原油高が米国消費に影を落としている形跡は無い」という議論もあることは僕も承知しています。でも僕は米国消費に関してはもう少し細かい議論が必要だという気がしています。つまり、リッチ層と低所得者層とのギャップがここへきて物凄く開いてきており、それがジキルとハイドみたいに相反する消費者像を形成しているということ。

それでは何がリッチ層と低所得者層の分れ目になっているか?という事ですけど、これは不動産を持っているかどうかだと思います。今のアメリカ、そこそこ年収が良くても不動産を持っていなければ「生活はカツカツだ」という実感ではないでしょうか?。逆に年収が低くても、或いはリタイアして年金など固定収入で暮らしている人の場合でも時価で1億円くらいする持ち家に住んでいれば逼迫観はありません。持ち家の評価が上昇するたびに値上がり分のエクイティーを取り崩せばいい収入になるからです。

『バロンズ』のアラン・エイベルソンも書いているように「『タイム』、『ニューズ・ウイーク』、『エコノミスト』など、主要な雑誌が巻頭特集で不動産バブルを取り上げているという事実自体、まだバブルが終焉できないなによりの証拠だ」という議論に僕も賛成です。本当にバブルが弾けるときというのはこれらの懐疑論が全部、間違っていた事をしぶしぶ認めされられ、ぐうの音も出なくなった時だからです。

それを断った上で今のアメリカでの僕の「生活感」を書くと、「ちょうど今と同じような経験を以前したことがあるなぁ」という既視感を覚えています。よく考えてみるとそれは1980年代終盤の日本でした。あの頃、「正直に働いているサラリーマンが一生かかってもマイホームを持てないのはなにか間違っている!」という諦めというか恨みというか、そういう感覚がありました。(僕も「持たざるもの」のひとりでした。)

こういう「不動産リッチ」に支えられた消費が、ブームが去ったとき、どういう末路を辿るかは僕が書くより皆さんの方が遥かに身近に体験されていると思います。

もうひとつ僕が指摘したいのは日本人に比べてアメリカ人の方がリファイナンスとかをアグレッシブにやるので持ち家のエクイティー(含み益)は一般に低い気がします。つまり、住宅相場が反転すると水面下に没するのはアメリカの消費者の方が早いという事。


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話を株式市場に戻すと、このように長期金利のラリーと原油価格上昇という2つのファクターは本来相容れないものだという気がします。勿論、相場というものはパラドックスの連続で、キレイに全てのストーリーが流れるように一致した美しいラリーなんて有り得ないし、そうなるとむしろ怖いですけど、その反面、今のラリーに関しては米国経済の抱える根本的な問題点について余りにも投資家が能天気過ぎる気がします。

以前のブログに書いたかもしれませんが、僕が今、一番不安に思っているのは米国の金融機関のバランスシートです。具体的にはクレジット・カード・ローン、住宅ローンなどです。これらのアセット(消費者にとっての負債は金を貸す側にしてみれば、「金の成る木」、つまり収益源です。=但し、それらのローンが焦げ付かないという前提ですけど、、、)のクウォリティーは総じて「大変良好」と理解されています。でも僕は1990年からアッと言う間にローン・クウォリティーが劣悪化した、あの悪夢の状況を経験してますから、本当にアセット・クウォリティーについて気をつけないといけないのは天下泰平な今であると確信しています。

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PS:僕が最近、良く言及しているGM、ウォルマートなど業績的に問題のある企業の共通点はいずれも「持たざるもの」、つまり低所得者層を相手に商売している会社だという事。GMが苦戦している最大の理由は「レッドネック」という表現に代表されるようなアメリカのワーキング・クラスが主なお客さんだからです。


2005/06/17のBlog
[関連したBlog]

今日は久々に中国の銀行セクターにとって明るいニュースが出ました。

全米第二位のバンク・オブ・アメリカ(BAC $46.43)が中国建設銀行の9%株式を25億ドルで取得するらしいです。

バンク・オブ・アメリカはシティ、JPモルガンなどのライバルに比べて最もドメスティックな銀行でこれまで海外展開はあまり積極的ではありませんでした。それからホールセールに関しては一応、昔のモンゴメリー証券、ロバートソン・スティーブンス証券などの名残りの投資銀行部門があるにはあるのですが、有力なプレーヤーとは言えないでしょう。旧バンカメのコーポレート・レンディングのフランチャイズのみが健在と言えると思います。

一方、リテール・バンキングは旧ネーションズ・バンクの伝統を受け継いでいますからこれは一流のフランチャイズです。

中国建設銀行の組む相手としてはシナジー的にちょっと首をひねる部分も無きにしもあらずですけど、まずは出資してくれる相手が居ただけでも感謝すべきところですね。

また、バンク・オブ・アメリカからすれば事業が余りにも国内に偏りすぎているので、今後例えば米国内で不動産バブルが弾けたりした場合、少しポートフォリオの分散が効いていた方が安心なのは確かです。
2005/06/16のBlog
[ 21:58 ] [ ヘッジファンド ]
今日のウォール・ストリート・ジャーナルに転換社債アービトラージのヘッジファンド、マリン・キャピタル・パートナーズが廃業するという記事がありました。

実はこのファンド、僕と同じ「町内」にある会社です。(勿論、交流は無いけれど、、、)
ご近所だということもあって他人事とは思えないというか、「明日は我が身」というか、ちょっとインパクトありましたね。(笑)

記事によると彼らのメインの『ティブロン・ファンド』は年初来▼3.86%のパフォーマンスなんだそうです。「その程度の下げでわざわざ廃業しなくても、、、」と思うわけですけど、廃業にあたり、様々な点を考慮したんだと思います。

僕なりに廃業の理由を憶測してみますと:

1.釣り人が多すぎる

マリン・キャピタル・パートナーズは転社のアーブのファンドですけど、このタイプというのは普通、元本のリスクが低い割りに結構安定したリターンがコンスタントに出せるという印象が強いストラテジーです。特に過去10年くらいはそうでした。リスク・アジャステッド・リターンの指標で見ると一見、大変有利に見えることから安定したリターンを求めるファンズ・オブ・ファンズの担当者などは先ず最初に飛びつくタイプの商品でしょう。
ところが転社アーブが大流行だったので段々、市場の非効率性が無くなってきて、オイシイ鞘取りの機会が少なくなってきました。このように参入者が多くなるとリターン・オポチュニティーが漸減するのは何も転社アーブに限らず、市場の非効率をクリクリ取ってゆくタイプのヘッジファンドならどんなストラテジーにでも起こりうる問題です。

2.尻軽な投資家に依存?

これは僕の憶測ですけど、上記のようになまじファンズ・オブ・ファンズにウケが良いタイプのファンドなので、多分、運用資産のかなりの部分がそういう短期のパフォーマンスにセンシティブな投資家によって占められていたのではないかと想像します。この手のファンズ・オブ・ファンズは臆病な投資家が大部分ですから、ちょっと或る月に凹んだりすると、すぐ「解約させてくれ」という話になります。

3.会社の費用構造の問題?

さて、どの運用会社でも同じですけど会社の組織をデザインす