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2006/09/21のBlog
[ 09:01 ]
[ 資源 ]
ひとつ前のエントリーに関してbravoさんから鉄鉱石についての御質問がありました。
ご指摘の通り、中国の鉄鉱石の輸入は年々増え続けています。
右のグラフは海上輸送(seaborne trade)による鉄鉱石の貿易量を示しています。
実は中国でも鉄鉱石は採れるのですけど、①品質面で劣悪なため、自動車向けなどの高級品の鉄板などには向かない、②同じ量の鉄鉱石を採取するためには中国ではブラジルの10倍の土砂を動かさないといけない=採掘コストが高い、という問題があります。
ご指摘の通り、中国の鉄鉱石の輸入は年々増え続けています。
右のグラフは海上輸送(seaborne trade)による鉄鉱石の貿易量を示しています。
実は中国でも鉄鉱石は採れるのですけど、①品質面で劣悪なため、自動車向けなどの高級品の鉄板などには向かない、②同じ量の鉄鉱石を採取するためには中国ではブラジルの10倍の土砂を動かさないといけない=採掘コストが高い、という問題があります。
そこで最近では鋼板向けなどの製品を作る際の鉄鉱石は専ら輸入に依存しています。
国際的に見て最もコー・コストなのはオーストラリア産の鉄鉱石です(右図)。
ブラジルも結構安いです。
でもブラジルは中国までの航路がオーストラリアより遥かに遠い為、船賃込み(右図は運賃込み)のコストでは割高になります。
国際的に見て最もコー・コストなのはオーストラリア産の鉄鉱石です(右図)。
ブラジルも結構安いです。
でもブラジルは中国までの航路がオーストラリアより遥かに遠い為、船賃込み(右図は運賃込み)のコストでは割高になります。
それでも今は鉄鉱石そのものが不足気味ですから、大量に買い付けられるのであればオーストラリアからもブラジルからも両方から買うというのが中国の態度です。
右図はオーストラリアの鉄鉱石のメーカー、BHPビリトンの対中国売り上げ高の推移を示しています。(鉄鉱石以外の商品も含む。)
PS:ところで鉄鋼を作るときの2つの大きなコスト・アイテムは鉄鉱石とコークス(石炭の一種)です。これまでは中国の製鉄業がギャンギャンに石炭を消費してきたので石炭価格が高止まりし、火力発電所はコスト高で泣いてきました。今でも石炭の消費は高水準です。でも将来、若しなんかの拍子で石炭のコスト・プレッシャーが緩和した場合、電力会社は物凄く助かるんです。僕が華能国際を先日紹介したひとつの理由はそれです。
右図はオーストラリアの鉄鉱石のメーカー、BHPビリトンの対中国売り上げ高の推移を示しています。(鉄鉱石以外の商品も含む。)
PS:ところで鉄鋼を作るときの2つの大きなコスト・アイテムは鉄鉱石とコークス(石炭の一種)です。これまでは中国の製鉄業がギャンギャンに石炭を消費してきたので石炭価格が高止まりし、火力発電所はコスト高で泣いてきました。今でも石炭の消費は高水準です。でも将来、若しなんかの拍子で石炭のコスト・プレッシャーが緩和した場合、電力会社は物凄く助かるんです。僕が華能国際を先日紹介したひとつの理由はそれです。
2006/09/20のBlog
[ 23:22 ]
[ 中国株 ]
ただ、僕がわからないのは、「若し、本当に中国がそんなに粗鋼を必要としているのなら、何故最近の傾向のようにジャブジャブ鉄鋼が輸出され始めているのか?」という素朴な問題です。
右の図は中国企業の産業別のマージンの図です。
これで見ると2003年から始まった素材ブームで素材関係の産業のマージンは急拡大を見たんです。
でも鉄鋼業だけは素材関連の中では下の方をウロウロしていますし、最近では全ての産業の中で最もマージンが低い部類に入っているんです。
通常、このようにマージンが低く、適正な利益率が確保されていない場合、最初に疑ってかからないといけないのは慢性的過剰設備が問題なんじゃないか?ということです。
僕が中国のいろいろな産業の中でも鉄鋼業を「炭鉱の中のカナリヤ」として注視している理由はここにあります。つまり、中国の鉄鋼業は構造的に特に脆弱で中国経済のオーバー・キャパシティーの問題が若し発生するなら、ここが先ず最初におかしくなるはずだと思うからです。
右の図は中国企業の産業別のマージンの図です。
これで見ると2003年から始まった素材ブームで素材関係の産業のマージンは急拡大を見たんです。
でも鉄鋼業だけは素材関連の中では下の方をウロウロしていますし、最近では全ての産業の中で最もマージンが低い部類に入っているんです。
通常、このようにマージンが低く、適正な利益率が確保されていない場合、最初に疑ってかからないといけないのは慢性的過剰設備が問題なんじゃないか?ということです。
僕が中国のいろいろな産業の中でも鉄鋼業を「炭鉱の中のカナリヤ」として注視している理由はここにあります。つまり、中国の鉄鋼業は構造的に特に脆弱で中国経済のオーバー・キャパシティーの問題が若し発生するなら、ここが先ず最初におかしくなるはずだと思うからです。
[ 23:14 ]
[ 中国株 ]
勿論、これに対する反対意見もあります。
その典型的なものが「一人当たりの粗鋼消費量」のチャート(右)です。
これで見ると中国の一人当たりの粗鋼消費はまだまだ低く、通常、一人当たりのGDPが豊かになるにつれて、一人当たりの粗鋼消費量も「逆U字型」を描いて最初は上昇する、、、というのがその論法です。
この「逆U字型」という議論はこのブログでも過去数日、何回か論じてきたので皆さんもだいぶ馴れてきた議論だと思うんです。
X軸は一人当たりGDPで、これがだんだん増えるに従って、一人当たり鉄鋼消費(Y軸)は増えます。そして今の韓国や台湾のあたりがピークで、その後はGDPが増えるにつれて鉄鋼消費は下がるんです。
すると「中国は突出していると言うけれど、一人当たりに直すとまだまだ上昇余地はふんだんに残っている」式の議論ができるわけです。
その典型的なものが「一人当たりの粗鋼消費量」のチャート(右)です。
これで見ると中国の一人当たりの粗鋼消費はまだまだ低く、通常、一人当たりのGDPが豊かになるにつれて、一人当たりの粗鋼消費量も「逆U字型」を描いて最初は上昇する、、、というのがその論法です。
この「逆U字型」という議論はこのブログでも過去数日、何回か論じてきたので皆さんもだいぶ馴れてきた議論だと思うんです。
X軸は一人当たりGDPで、これがだんだん増えるに従って、一人当たり鉄鋼消費(Y軸)は増えます。そして今の韓国や台湾のあたりがピークで、その後はGDPが増えるにつれて鉄鋼消費は下がるんです。
すると「中国は突出していると言うけれど、一人当たりに直すとまだまだ上昇余地はふんだんに残っている」式の議論ができるわけです。
[ 23:07 ]
[ 中国株 ]
勿論、今、中国は10%を越えるGDP成長の真っ只中だし、北京オリンピックを控えて建設業も大忙しですから、粗鋼生産が増えるのは当たり前です。
ただ、最近の兆候として、そろそろキャパシティーの飽和点が視界に入ってきているように感ずるのです。
僕がそう感じる第一の理由はこのところ通関統計とかを見ると中国からの粗鋼の海外輸出が常態化、しかもトレンドとしては輸出が増える一方になっているという点です。
(因みに数年前までは中国は鉄が足らなくて輸入してました。)
しかし、中国は零細な業者が乱立していて設備の統合、或いは国全体としての生産キャパシティーの調整がとてもやりにくい立場にあるんです。
右の図は中国と日本の高炉の規模比較ですけど、中国の高炉の規模の小ささ(逆に言えばその分、数はむちゃくちゃに多い)が目を引きます。
ただ、最近の兆候として、そろそろキャパシティーの飽和点が視界に入ってきているように感ずるのです。
僕がそう感じる第一の理由はこのところ通関統計とかを見ると中国からの粗鋼の海外輸出が常態化、しかもトレンドとしては輸出が増える一方になっているという点です。
(因みに数年前までは中国は鉄が足らなくて輸入してました。)
しかし、中国は零細な業者が乱立していて設備の統合、或いは国全体としての生産キャパシティーの調整がとてもやりにくい立場にあるんです。
右の図は中国と日本の高炉の規模比較ですけど、中国の高炉の規模の小ささ(逆に言えばその分、数はむちゃくちゃに多い)が目を引きます。
[ 22:58 ]
[ 中国株 ]
また皆さんから袋叩きになるのは目に見えているんですけど、それを承知で書きます。
まず、下のようなニュースが最近出たことは皆さんもご存知だと思います。
経済産業省の細野哲弘・製造産業局長が12日、北京を訪れ、中国政府に対し、鉄鋼生産能力の削減を強く要請していたことが16日、明らかになった。
中国の粗鋼生産量は毎年2割のペースで増え続けているため、いずれ世界的な鋼材価格の下落を通じて鉄鋼業界全体の業績を悪化させ、日本や世界の経済にも悪影響を及ぼしかねないと判断した。政府が外国政府に生産設備の廃棄を求めるのは異例だ。
(読売新聞)
僕がこの記事を読んで感じるのは「いつか来た道だな」ということです。
上のグラフにあるように中国は既に粗鋼生産では世界で突出した存在です。
それ自体はめくじらたてる筋合いのものでは全然ないし、僕はそれでいいと思うんです。問題だと思うのは投資家のエクスペクテーション(まとはずれな期待)です。
まず、下のようなニュースが最近出たことは皆さんもご存知だと思います。
経済産業省の細野哲弘・製造産業局長が12日、北京を訪れ、中国政府に対し、鉄鋼生産能力の削減を強く要請していたことが16日、明らかになった。
中国の粗鋼生産量は毎年2割のペースで増え続けているため、いずれ世界的な鋼材価格の下落を通じて鉄鋼業界全体の業績を悪化させ、日本や世界の経済にも悪影響を及ぼしかねないと判断した。政府が外国政府に生産設備の廃棄を求めるのは異例だ。
(読売新聞)
僕がこの記事を読んで感じるのは「いつか来た道だな」ということです。
上のグラフにあるように中国は既に粗鋼生産では世界で突出した存在です。
それ自体はめくじらたてる筋合いのものでは全然ないし、僕はそれでいいと思うんです。問題だと思うのは投資家のエクスペクテーション(まとはずれな期待)です。
[ 03:51 ]
[ ハイテク株 ]
ヤフー(YHOO)株がプロフィット・ウォーニングで急落しました。
「自動車会社と金融サービス(→僕の考えでは住宅ローンのブローカー)会社からのビジネスが過去2~3週間の間にスロー・ダウンを見た。」
というのがウォーニングの内容です。所謂、ブランデッド・アド(=ポータル)とサーチ・アドの両方がスロー・ダウンしているとのこと。
* * *
このニュースを見て、例えば中国のドットコム株も値を消しているんですが、これは全然「お門違い」の反応ですね。米国の自動車広告や住宅ローン広告市場が暗転しているのは米国の景気が悪いからであり、それは今日発表になった住宅着工の数字がボロボロだったのを見ても明らかです。
ま、今は投資家全般がリスクに対して過敏になっていますから未だステップ・アップするには早すぎると思いますけど、或る時点で中国のポータル株にトレーディングのチャンスが到来すると思います。
「自動車会社と金融サービス(→僕の考えでは住宅ローンのブローカー)会社からのビジネスが過去2~3週間の間にスロー・ダウンを見た。」
というのがウォーニングの内容です。所謂、ブランデッド・アド(=ポータル)とサーチ・アドの両方がスロー・ダウンしているとのこと。
* * *
このニュースを見て、例えば中国のドットコム株も値を消しているんですが、これは全然「お門違い」の反応ですね。米国の自動車広告や住宅ローン広告市場が暗転しているのは米国の景気が悪いからであり、それは今日発表になった住宅着工の数字がボロボロだったのを見ても明らかです。
ま、今は投資家全般がリスクに対して過敏になっていますから未だステップ・アップするには早すぎると思いますけど、或る時点で中国のポータル株にトレーディングのチャンスが到来すると思います。
[ 01:19 ]
[ タイ株 ]
[関連したBlog]
タクシン首相がニューヨークの国連総会に出席している間にタイの政府関係施設が20台余りの戦車に包囲されたというニュースが入電しました。(インドのセンセックス指数が大引け前に急落した理由がこれでようやくわかりました。)
「やれやれ」
ま、タイのことですから余り血なまぐさい事にはならないと思っています。
それを断った上で、エマージング・マーケットの投信は解約に注意する必要があるでしょう。
余り馴れてない投資家は「これだからエマージングは怖い!」と飛び上がると思うからです。
あ、それからブラジルの大統領選挙は10月1日に迫っています。
下馬評ではルラ大統領が楽勝で再選というのがコンセンサス。でも「万一の為、はずしておきたい、、、」という投資家だって居るはず。
* * *
これは余計なことかもしれませんけど、、、、
①石油市場は中東などの地政学リスクのリスク・プレミアムが乗り過ぎている
②BRICsをはじめエマージング・マーケットの株式市場は政治リスクのリスク・プレミアムが低すぎる
とは思いませんか?。
タクシン首相がニューヨークの国連総会に出席している間にタイの政府関係施設が20台余りの戦車に包囲されたというニュースが入電しました。(インドのセンセックス指数が大引け前に急落した理由がこれでようやくわかりました。)
「やれやれ」
ま、タイのことですから余り血なまぐさい事にはならないと思っています。
それを断った上で、エマージング・マーケットの投信は解約に注意する必要があるでしょう。
余り馴れてない投資家は「これだからエマージングは怖い!」と飛び上がると思うからです。
あ、それからブラジルの大統領選挙は10月1日に迫っています。
下馬評ではルラ大統領が楽勝で再選というのがコンセンサス。でも「万一の為、はずしておきたい、、、」という投資家だって居るはず。
* * *
これは余計なことかもしれませんけど、、、、
①石油市場は中東などの地政学リスクのリスク・プレミアムが乗り過ぎている
②BRICsをはじめエマージング・マーケットの株式市場は政治リスクのリスク・プレミアムが低すぎる
とは思いませんか?。
2006/09/19のBlog
[ 12:42 ]
[ 食品株 ]
ひとつ前のエントリー「食い物へシフト」のコメント欄でちょっと言及した、中国の農業セクターの生産性に関するバックアップ資料を添付しておきます。
僕のしろうと考えでは中国の農業セクターが生産性を向上できずに苦しんでいるのは努力が足らないからではなくて、天から授けられた条件が余りに不利すぎるからだという気がします。
例えば降雨量の問題もあるし、土地が耕作に適しているか?という問題もある、、、。
また、過去の農業政策において単位面積あたりに投入した農民の数が多すぎたことから一人当たりの収穫量が思ったように伸ばせなかった、さらに米国やブラジルのような大規模経営によるコスト削減が追求できないなどの面も影響しているように思います。
いずれにせよこのへんのことは僕は全くの門外漢ですからジャイアンさんはじめ皆さんのインプットを期待します。
それから右のグラフですけど、これは農村の農民を都市に送り出すだけで国全体としての生産性が向上し、ひいては所得が向上する、、、、ということを示唆していると思うんです。(その一方で、それは安直な解決法であり、長期的に見れば中国の為に必ずしもならないかも知れません。)いずれにせよ「三農問題」が一筋縄ではゆかないことがこのグラフからもチョッと窺えると思うんです。
僕のしろうと考えでは中国の農業セクターが生産性を向上できずに苦しんでいるのは努力が足らないからではなくて、天から授けられた条件が余りに不利すぎるからだという気がします。
例えば降雨量の問題もあるし、土地が耕作に適しているか?という問題もある、、、。
また、過去の農業政策において単位面積あたりに投入した農民の数が多すぎたことから一人当たりの収穫量が思ったように伸ばせなかった、さらに米国やブラジルのような大規模経営によるコスト削減が追求できないなどの面も影響しているように思います。
いずれにせよこのへんのことは僕は全くの門外漢ですからジャイアンさんはじめ皆さんのインプットを期待します。
それから右のグラフですけど、これは農村の農民を都市に送り出すだけで国全体としての生産性が向上し、ひいては所得が向上する、、、、ということを示唆していると思うんです。(その一方で、それは安直な解決法であり、長期的に見れば中国の為に必ずしもならないかも知れません。)いずれにせよ「三農問題」が一筋縄ではゆかないことがこのグラフからもチョッと窺えると思うんです。
[ 04:06 ]
[ マクロ・ストラテジー ]
最近、食品のことについて書くことが多いのですけど、しつこくこのテーマを追求します。
右の図はIMFの作成したコモディティー価格の対比チャートです。
赤が金属、黒が石油ですね。
言うまでも無く2003年くらいからぶっ飛んでいます。
一方の食品(水色)ならびに農業原材料(黄色)の価格は過去最低水準とあまり変わらない安値をウロウロ。
この両者の乖離は過去に例が無いほど開いています。
これには色んな理由があると思うんですけど、ひとつには「農産物の供給を増やす(サプライ・レスポンス)のは石油や金属よりも早いから」という説明が出来るでしょう。
それから食品や農産物は景気全般のブレの影響を余り受けません。
言うまでも無くここ数年は世界的に景気がとても良かったので金属や石油の方が需要の増加のペースが急だったわけです。
ただ、長期的な見地からすれば国民所得の向上と粗鋼の消費には相関性があるし、同様に国民所得の向上とカロリー摂取の増加にも相関性があるんです。(面白いことにこれらのチャートは昨日掲げた一人当たりGDPと工業セクター比率のグラフに似た「逆U字型」なのです。)
そりゃそうでしょ。
工場を建設して、賃貸マンションを建設してという風に中国の経済は急速な発展を見ているわけですけど、「食生活だけは計画経済の頃と同じ」なんて事はありえないわけで、食事の内容はそれなりに良くなっているんです。実際、今、中国では豚肉の消費量がガンガン増えています。
そのことは農産物のグローバル・バランスにじわじわと影響してきています。
なぜなら、国民が菜食から肉食に変わると、先ず家畜を育てる為にエサを食わせないといけないので大豆などの飼料になる農産物の消費が増えるからです。
これが商品価格や株式市場での農業プレイの株価に反映されていないひとつの理由は上に書いたような素晴らしいサプライ・レスポンス(供給増加)によります。ブラジルのセラード開発などがその好例です。
もうひとつの理由は僕は所謂、ストリート・ラグ(つまりウォール街が気がつくのが遅いこと)ではないかしら?と思っています。
最初のチャートに戻ると:
①金属、石油
と
②食品、農業原材料
の2つのグループの乖離は①が下がるか、ないしは②が上がるか?という形で或る程度訂正が入ると考えるのが自然なのです。
PS:セラード開発の北進状況から考えるとブラジルのフロンティア開発は「7回の裏」あたりまで来ている気がするんです。セラードによるサプライ・レスポンスが「無尽蔵ではない」ことが投資家に知られればアグリ・コモディティーの価格が急騰しはじめる局面も無いとは言えない気がします。
PPS:ところでウォール街には食品株のアナリストは沢山居ますけど、一人を除いては全員、所謂、パッケージド・フードのアナリストであり、ケロッグとかクラフトとか、ハインツみたいな銘柄ばかりをフォローしているんです。今日、ここに書いたような価格変動の激しいフード・コモディティーを昔からきちんとフォローしているアナリストはウォール街広しと言えどもジョン・マクミランだけです。
右の図はIMFの作成したコモディティー価格の対比チャートです。
赤が金属、黒が石油ですね。
言うまでも無く2003年くらいからぶっ飛んでいます。
一方の食品(水色)ならびに農業原材料(黄色)の価格は過去最低水準とあまり変わらない安値をウロウロ。
この両者の乖離は過去に例が無いほど開いています。
これには色んな理由があると思うんですけど、ひとつには「農産物の供給を増やす(サプライ・レスポンス)のは石油や金属よりも早いから」という説明が出来るでしょう。
それから食品や農産物は景気全般のブレの影響を余り受けません。
言うまでも無くここ数年は世界的に景気がとても良かったので金属や石油の方が需要の増加のペースが急だったわけです。
ただ、長期的な見地からすれば国民所得の向上と粗鋼の消費には相関性があるし、同様に国民所得の向上とカロリー摂取の増加にも相関性があるんです。(面白いことにこれらのチャートは昨日掲げた一人当たりGDPと工業セクター比率のグラフに似た「逆U字型」なのです。)
そりゃそうでしょ。
工場を建設して、賃貸マンションを建設してという風に中国の経済は急速な発展を見ているわけですけど、「食生活だけは計画経済の頃と同じ」なんて事はありえないわけで、食事の内容はそれなりに良くなっているんです。実際、今、中国では豚肉の消費量がガンガン増えています。
そのことは農産物のグローバル・バランスにじわじわと影響してきています。
なぜなら、国民が菜食から肉食に変わると、先ず家畜を育てる為にエサを食わせないといけないので大豆などの飼料になる農産物の消費が増えるからです。
これが商品価格や株式市場での農業プレイの株価に反映されていないひとつの理由は上に書いたような素晴らしいサプライ・レスポンス(供給増加)によります。ブラジルのセラード開発などがその好例です。
もうひとつの理由は僕は所謂、ストリート・ラグ(つまりウォール街が気がつくのが遅いこと)ではないかしら?と思っています。
最初のチャートに戻ると:
①金属、石油
と
②食品、農業原材料
の2つのグループの乖離は①が下がるか、ないしは②が上がるか?という形で或る程度訂正が入ると考えるのが自然なのです。
PS:セラード開発の北進状況から考えるとブラジルのフロンティア開発は「7回の裏」あたりまで来ている気がするんです。セラードによるサプライ・レスポンスが「無尽蔵ではない」ことが投資家に知られればアグリ・コモディティーの価格が急騰しはじめる局面も無いとは言えない気がします。
PPS:ところでウォール街には食品株のアナリストは沢山居ますけど、一人を除いては全員、所謂、パッケージド・フードのアナリストであり、ケロッグとかクラフトとか、ハインツみたいな銘柄ばかりをフォローしているんです。今日、ここに書いたような価格変動の激しいフード・コモディティーを昔からきちんとフォローしているアナリストはウォール街広しと言えどもジョン・マクミランだけです。
[ 00:08 ]
上の2つのグラフを見比べて下さい。
特に過去10年の平均のPERならびにPBR(それぞれ水色で示しています)と現在のPER(緑色)ならびにPBR(ピンク色)に注目してください。
PERもPBRも「数字が低ければ低いほど割安である」という風に読みます。
これでいけばPBR(ピンク色)ではBRICs各国ともだいぶ割高な水準に来ているということがおわかりい頂けると思います。
なぜ、PBRとPERの2つの尺度でこうも株価評価に開きができてしまうのでしょうか?。
それはPERの場合、当期利益に基づいた倍率ですから、利益がガンガン出ている限り、倍率が急に舞い上がったりしないからです。
一方のPBRの方は雑な言い方をすれば「毎年の利益をこつこつ積みあげてゆく」指標ですから簿価(ブック・ヴァリュー)は急に増えたりしないんです。そのため、株価が上昇するとちゃんと利益がガンガン出ていても倍率は舞い上がっちゃうんです。
* * *
さて、ここからが今日の本題ですけど、これまでは素材や原油の価格が高騰していましたからそれらの関連銘柄の利益はぐんぐん伸びました。その利益の伸びを横目でチラチラ確認しながら上値に手をつけてきたわけです。「業績相場」、、、、なんて言い方をしてもあながち間違っていないと思います。
しかし、今後は原油価格は右肩上がりではないと僕は思います。
コモディティーの中では原油価格が総大将だと思っていますから、他の素材の価格も苦しい気がします。また、例えば地下鉱物を掘り出してくる削岩機器や運搬機器など、素材に関係のあるもろもろの関連企業(市況株の範疇に入ります)も今が業績的にはピークだと思うんです。
勿論、これらの企業の決算は実際のビジネスの暗転よりかなり遅行しますから、暫くは好業績が続くでしょう。従って「PERで見ると安い!」という状況も相変わらず続くと思うんです。
しかしトレンドがピーク・アウトしている以上、今後はPERのチャート(上の図)ではなく、PBRのチャート(下の図)で物事を考えてゆくことが大事になってくると思うんです。
何故ならビジネス・サイクルがピークをつけたあたりから、どんなにPERで見て安くても株価が上がらなくなりはじめるからです。その理由は株価には先見性があり、株価はすでに好業績のその先、つまり収益の低下を織り込み始めるからです。
* * *
僕自身、これまでBRICsの株価水準を説明する際には上の方のチャート、つまりPERのチャートを中心に解説してきました。「自分の都合のよいデータだけを見せてきた」と言われればそれまでですけど、まあ、そういう事です。
でもビジネス・サイクルが上向いているときはそれでいいと思うんです。何故なら、業績の伸長を素直に買ってゆけばいい相場なんですから。
ここからは一筋縄ではいかないと思います。
今のように業績が頂点を極めることを英語では「ピーク・アーニングス」と呼びます。
ピーク・アーニングスの状況下ではPERで見ると株価は割安に見えるのでちょっと株価が下がると「安い!安い!」の大合唱になるんです。
その掛け声の中をスルスルと株価は下がってゆくというわけ。
特に過去10年の平均のPERならびにPBR(それぞれ水色で示しています)と現在のPER(緑色)ならびにPBR(ピンク色)に注目してください。
PERもPBRも「数字が低ければ低いほど割安である」という風に読みます。
これでいけばPBR(ピンク色)ではBRICs各国ともだいぶ割高な水準に来ているということがおわかりい頂けると思います。
なぜ、PBRとPERの2つの尺度でこうも株価評価に開きができてしまうのでしょうか?。
それはPERの場合、当期利益に基づいた倍率ですから、利益がガンガン出ている限り、倍率が急に舞い上がったりしないからです。
一方のPBRの方は雑な言い方をすれば「毎年の利益をこつこつ積みあげてゆく」指標ですから簿価(ブック・ヴァリュー)は急に増えたりしないんです。そのため、株価が上昇するとちゃんと利益がガンガン出ていても倍率は舞い上がっちゃうんです。
* * *
さて、ここからが今日の本題ですけど、これまでは素材や原油の価格が高騰していましたからそれらの関連銘柄の利益はぐんぐん伸びました。その利益の伸びを横目でチラチラ確認しながら上値に手をつけてきたわけです。「業績相場」、、、、なんて言い方をしてもあながち間違っていないと思います。
しかし、今後は原油価格は右肩上がりではないと僕は思います。
コモディティーの中では原油価格が総大将だと思っていますから、他の素材の価格も苦しい気がします。また、例えば地下鉱物を掘り出してくる削岩機器や運搬機器など、素材に関係のあるもろもろの関連企業(市況株の範疇に入ります)も今が業績的にはピークだと思うんです。
勿論、これらの企業の決算は実際のビジネスの暗転よりかなり遅行しますから、暫くは好業績が続くでしょう。従って「PERで見ると安い!」という状況も相変わらず続くと思うんです。
しかしトレンドがピーク・アウトしている以上、今後はPERのチャート(上の図)ではなく、PBRのチャート(下の図)で物事を考えてゆくことが大事になってくると思うんです。
何故ならビジネス・サイクルがピークをつけたあたりから、どんなにPERで見て安くても株価が上がらなくなりはじめるからです。その理由は株価には先見性があり、株価はすでに好業績のその先、つまり収益の低下を織り込み始めるからです。
* * *
僕自身、これまでBRICsの株価水準を説明する際には上の方のチャート、つまりPERのチャートを中心に解説してきました。「自分の都合のよいデータだけを見せてきた」と言われればそれまでですけど、まあ、そういう事です。
でもビジネス・サイクルが上向いているときはそれでいいと思うんです。何故なら、業績の伸長を素直に買ってゆけばいい相場なんですから。
ここからは一筋縄ではいかないと思います。
今のように業績が頂点を極めることを英語では「ピーク・アーニングス」と呼びます。
ピーク・アーニングスの状況下ではPERで見ると株価は割安に見えるのでちょっと株価が下がると「安い!安い!」の大合唱になるんです。
その掛け声の中をスルスルと株価は下がってゆくというわけ。
2006/09/17のBlog
[ 21:08 ]
[ 中国株 ]
「やはり見えている人にはちゃんと見えている。」
下の記事を読んで僕はそう感じました。
http://www.9393.co.jp/moshiq/kako_mos/2006/06_0702_moshiq.html
世間では北京オリンピックを視野に入れた投資談義に花が咲いていると思うんです。
当然、話題の中心は経済成長であり、一般の投資家の中国株の保有状況も邱永漢言うところの「一流株」中心になっていると思います。
今のタイミングではそれで良いでしょう。
ただ、将棋と同じで株式投資も数手先まで考えた上で今、流行しているトレンドに付き合うという冷静な態度が必要だと思います。
それでは「数手先」とは何でしょう?
例えば、オリンピック直後の相場について思いをめぐらせてみる、、、
これが僕の言う「数手先」の具体例のひとつです。
以前、中国の河川の汚染に関して言及したとき
http://www.doblog.com/weblog/myblog/31550/2365040#2365040
「中国の川はそんなに汚れていない」というコメントを頂きました。
それは確かにそうなのかも知れません。
(これは蛇足ですけど、こういう記事もあります。http://www.sankei.co.jp/news/060909/kok025.htm)
僕は「誰が正しいか?」ということには余り興味がありません。
僕が指摘したいのは、日本でも「環境保全なんかより、成長が優先だ!」という時代があったということです。
当時(つまり東京オリンピック直前ですが)イタイイタイ病とか水俣病とかに静かに苦しんでいる人が居るのに、「企業活動の邪魔になるような雑音は封じておけ」という空気が産業界にも、政府にも強く、「見て見ぬフリ」をすることが長く続きました。
それが、国民が或る程度豊かになり、トータルで見た場合の国民生活のクウォリティー(質)というものに関心が向き始めたとき、初めて公害問題なんかも正面から議論されるようになったのです。
公害問題が争点化したのは東京オリンピックが終わってからです。
オリンピックが終わると日本経済は沈滞しました。
利益率の低下、倒産の増大、企業の資本構成の悪化、株価の低迷などが起こりました。
有名な山一證券に対する日銀特融が敢行されたのもこの時期なのです。
製鉄、機械などの重工業分野への投資、電力、エネルギー、石油精製などのエネルギー分野への投資はピークを打ち、商業、サービス、通信、金融などへ先行投資の矛先は移ってゆきます。
僕が中国の旅行産業(航空会社、マカオ関連銘柄など)や広告産業(ポータル)、医療関連産業(シー・メドなど)に注目するのはそういう大局観に基づいているからです。
上に掲げたグラフはIMFのレポートから拝借したものですけど、これは各国のGDPに占める工業セクターの比重を経済の成熟度(この場合ひとりあたりGDPの金額)によってプロットしたものです。
一般的に言えるのは低開発国の経済が成長すると、「経済の重工業化」が先ず起こるということ。次に一人当たりGDPが15000ドルを超える辺りから「経済のソフト化」がおこり、重工業は相対的に衰退するということ。
水色のシェイドは大体、どの国も上記のトレンドの中に納まっていることを示しているわけですけど、このグラフで見ると中国(赤線)だけがはみ出しています。つまり、中国は一人当たりGDPが低い水準にもかかわらず工業化は突出しているということ。
皆さんはこれを見て:
「それみろ。中国は世界の工場だ!。だから今後も中国の重工業化はどんどん進む。」とお考えですか?。
僕はこのグラフをそういう風には読みません。
僕なら:
「中国経済に占める工業の割合は既にピークに近い高みにある。若し中国が日本の来た道を辿るなら、今後は右下がり、つまり経済のソフト化が進むに違いない。」
という風に考えます。
公害問題云々を僕が持ち出したのは、中国の国としての様々なリソース(地下資源、水資源、人的資源)が、近年の急速な工業化ですでに極限状態までフル稼働している状態にあり、今後は経済成長によって得られるメリットより、経済成長が国民に強いるコストの方が過大になる、、、、その過程で政府の経済運営のプライオリティーが変わってくる可能性がある、、、。
そういう事が言いたかったからです。
下の記事を読んで僕はそう感じました。
http://www.9393.co.jp/moshiq/kako_mos/2006/06_0702_moshiq.html
世間では北京オリンピックを視野に入れた投資談義に花が咲いていると思うんです。
当然、話題の中心は経済成長であり、一般の投資家の中国株の保有状況も邱永漢言うところの「一流株」中心になっていると思います。
今のタイミングではそれで良いでしょう。
ただ、将棋と同じで株式投資も数手先まで考えた上で今、流行しているトレンドに付き合うという冷静な態度が必要だと思います。
それでは「数手先」とは何でしょう?
例えば、オリンピック直後の相場について思いをめぐらせてみる、、、
これが僕の言う「数手先」の具体例のひとつです。
以前、中国の河川の汚染に関して言及したとき
http://www.doblog.com/weblog/myblog/31550/2365040#2365040
「中国の川はそんなに汚れていない」というコメントを頂きました。
それは確かにそうなのかも知れません。
(これは蛇足ですけど、こういう記事もあります。http://www.sankei.co.jp/news/060909/kok025.htm)
僕は「誰が正しいか?」ということには余り興味がありません。
僕が指摘したいのは、日本でも「環境保全なんかより、成長が優先だ!」という時代があったということです。
当時(つまり東京オリンピック直前ですが)イタイイタイ病とか水俣病とかに静かに苦しんでいる人が居るのに、「企業活動の邪魔になるような雑音は封じておけ」という空気が産業界にも、政府にも強く、「見て見ぬフリ」をすることが長く続きました。
それが、国民が或る程度豊かになり、トータルで見た場合の国民生活のクウォリティー(質)というものに関心が向き始めたとき、初めて公害問題なんかも正面から議論されるようになったのです。
公害問題が争点化したのは東京オリンピックが終わってからです。
オリンピックが終わると日本経済は沈滞しました。
利益率の低下、倒産の増大、企業の資本構成の悪化、株価の低迷などが起こりました。
有名な山一證券に対する日銀特融が敢行されたのもこの時期なのです。
製鉄、機械などの重工業分野への投資、電力、エネルギー、石油精製などのエネルギー分野への投資はピークを打ち、商業、サービス、通信、金融などへ先行投資の矛先は移ってゆきます。
僕が中国の旅行産業(航空会社、マカオ関連銘柄など)や広告産業(ポータル)、医療関連産業(シー・メドなど)に注目するのはそういう大局観に基づいているからです。
上に掲げたグラフはIMFのレポートから拝借したものですけど、これは各国のGDPに占める工業セクターの比重を経済の成熟度(この場合ひとりあたりGDPの金額)によってプロットしたものです。
一般的に言えるのは低開発国の経済が成長すると、「経済の重工業化」が先ず起こるということ。次に一人当たりGDPが15000ドルを超える辺りから「経済のソフト化」がおこり、重工業は相対的に衰退するということ。
水色のシェイドは大体、どの国も上記のトレンドの中に納まっていることを示しているわけですけど、このグラフで見ると中国(赤線)だけがはみ出しています。つまり、中国は一人当たりGDPが低い水準にもかかわらず工業化は突出しているということ。
皆さんはこれを見て:
「それみろ。中国は世界の工場だ!。だから今後も中国の重工業化はどんどん進む。」とお考えですか?。
僕はこのグラフをそういう風には読みません。
僕なら:
「中国経済に占める工業の割合は既にピークに近い高みにある。若し中国が日本の来た道を辿るなら、今後は右下がり、つまり経済のソフト化が進むに違いない。」
という風に考えます。
公害問題云々を僕が持ち出したのは、中国の国としての様々なリソース(地下資源、水資源、人的資源)が、近年の急速な工業化ですでに極限状態までフル稼働している状態にあり、今後は経済成長によって得られるメリットより、経済成長が国民に強いるコストの方が過大になる、、、、その過程で政府の経済運営のプライオリティーが変わってくる可能性がある、、、。
そういう事が言いたかったからです。
2006/09/15のBlog
[ 03:07 ]
[ 相場のテクニック ]
ちょっと喩えが唐突ですけど、例えば戦争の状況をイメージして下さい。
あなたが総司令官で指揮している軍隊は勝ちいくさにつぐ勝ちいくさ。どんどん敵の領土深くまで相手を追い詰めている、、、。
これが三国志の昔なら戦をする先々で敵側から寝返る部隊などが出てあなたの軍はますます勢いに乗るでしょう。
兵を先へ先へと進めているわけですから兵站(補給線)はどんどん伸びます。
また、食わせなきゃいけない兵士の数も増えてくる、、、。
つまり勝ち戦はどんどんロジスティクス(物流)上の負担を増大させるのです。
* * *
皆さんから嘲笑されることを敢て承知で言えば、株価形成というのは兵站の考え方に似ているんです。株価の上昇は即ち敵の領土深くへ攻め入ることです。
これまでPER(株価収益率)が仮に10倍の株があったとすれば、それが株価が上がることにより15倍になる。するとPERを一定に保つためにはそれだけEPS(一株当たり利益)が増えてくれないと困る、、、。これが戦争の喩えで言えば兵糧です。
或る投資テーマが大成功を博し、そのテーマに提灯をつけようとする便乗投資家が増えれば増えるほど、そのストーリーがモメンタムを維持しつづけるために必要な「グッド・ニュースの量」は増えないと駄目なんです。そのわけは上値に手をつける、そのワン・ティック、ワン・ティック毎に必要となる買い付け資金が漸増してゆくからです。
最初は会社側も自然にやっていれば業績が伸びるから投資家はついてくる。
でも沢山の投資家の期待を担ってだんだん企業としてはその投資家からの信望が重荷になってくるんです。
例えば、ルクオイルの先日の根拠の全く無い「1000億ドルの設備投資!」というニュースは、だから会社が苦し紛れでやっていること。
ま、言わば「大本営発表」みないなもんです。
僕は長年の経験からこういうきりのいい数字が出てきたらヤバイということを体得しています。だからこの数字を見たときには思わず脂汗が出ました。
大学受験の合格発表に自分の番号が無いのを何度も何度も確かめる受験生のように何度もニュースを読み直してしまいました。
* * *
さて、ある軍隊が連勝に連勝を続けると「おれもあいつらの方に加担した方がオマンマの喰いっぱぐれが無いかな?」式の連中が「援軍」に馳せ参じるわけです。
ところが「なあんだ、こっちの兵隊の方が飯が豪勢だと思って加担したのに、兵糧不足で皆飢えてやがる。」ということになると行列の一番後ろあたりからこっそり離軍するやつが居る。
そのうち腹ペコでちからが出ない時にちょっと敵軍に茶々を入れられると纂を乱して壊走する奴が出てくる、、、。
「れっ? 後ろを振り向いたら、、、、ついてきている筈の兵隊が誰も居ないじゃん?!」
3日前のエントリー、「創造的破壊」で書いた、主要石油株の綻びというのは、従って、纂が乱れるか、乱れないかのギリギリのところなのです。
シェブロン(CVX)で言えば$60.9。
エクソン(XOM)で言えば$64.2。
オイル・サービスのETFである(OIH)で言えば$123.5。
このあたりは壊走が始まるかどうかの決定的ポイントです。
* * *
「でも中国が石油をガブガブ呑み込む需要爆発のストーリーは、昨日と今日では全然変わっていないじゃん?」
それは全くその通り。
全然変わっていません。
でも、或る時点でファンダメンタルズが不変であることが肝心なのではなくて、強気の投資家をなだめ続けることの方が大事になるという話を僕はしているのです。
殆どの投資家は限られた資金をやりくりして投資していますから、「買ったものは売らないと駄目だし、売ったものは買い戻ししないといけないんです。(空売りの場合)」
現実にこれを読んで呉れている皆さんも自分の胸に手をあてて<自分に残されている本当の選択肢>というものを考えてみて下さい。
大半の人は次の行動に移る際、先ず売りから入らないと身動き取れないはずです。
つまり味方が多いということはいつも心強いこととは限らないんです。
或る時点でそれはliability、つまり強気派の最大の弱点になるんです。
あなたが総司令官で指揮している軍隊は勝ちいくさにつぐ勝ちいくさ。どんどん敵の領土深くまで相手を追い詰めている、、、。
これが三国志の昔なら戦をする先々で敵側から寝返る部隊などが出てあなたの軍はますます勢いに乗るでしょう。
兵を先へ先へと進めているわけですから兵站(補給線)はどんどん伸びます。
また、食わせなきゃいけない兵士の数も増えてくる、、、。
つまり勝ち戦はどんどんロジスティクス(物流)上の負担を増大させるのです。
* * *
皆さんから嘲笑されることを敢て承知で言えば、株価形成というのは兵站の考え方に似ているんです。株価の上昇は即ち敵の領土深くへ攻め入ることです。
これまでPER(株価収益率)が仮に10倍の株があったとすれば、それが株価が上がることにより15倍になる。するとPERを一定に保つためにはそれだけEPS(一株当たり利益)が増えてくれないと困る、、、。これが戦争の喩えで言えば兵糧です。
或る投資テーマが大成功を博し、そのテーマに提灯をつけようとする便乗投資家が増えれば増えるほど、そのストーリーがモメンタムを維持しつづけるために必要な「グッド・ニュースの量」は増えないと駄目なんです。そのわけは上値に手をつける、そのワン・ティック、ワン・ティック毎に必要となる買い付け資金が漸増してゆくからです。
最初は会社側も自然にやっていれば業績が伸びるから投資家はついてくる。
でも沢山の投資家の期待を担ってだんだん企業としてはその投資家からの信望が重荷になってくるんです。
例えば、ルクオイルの先日の根拠の全く無い「1000億ドルの設備投資!」というニュースは、だから会社が苦し紛れでやっていること。
ま、言わば「大本営発表」みないなもんです。
僕は長年の経験からこういうきりのいい数字が出てきたらヤバイということを体得しています。だからこの数字を見たときには思わず脂汗が出ました。
大学受験の合格発表に自分の番号が無いのを何度も何度も確かめる受験生のように何度もニュースを読み直してしまいました。
* * *
さて、ある軍隊が連勝に連勝を続けると「おれもあいつらの方に加担した方がオマンマの喰いっぱぐれが無いかな?」式の連中が「援軍」に馳せ参じるわけです。
ところが「なあんだ、こっちの兵隊の方が飯が豪勢だと思って加担したのに、兵糧不足で皆飢えてやがる。」ということになると行列の一番後ろあたりからこっそり離軍するやつが居る。
そのうち腹ペコでちからが出ない時にちょっと敵軍に茶々を入れられると纂を乱して壊走する奴が出てくる、、、。
「れっ? 後ろを振り向いたら、、、、ついてきている筈の兵隊が誰も居ないじゃん?!」
3日前のエントリー、「創造的破壊」で書いた、主要石油株の綻びというのは、従って、纂が乱れるか、乱れないかのギリギリのところなのです。
シェブロン(CVX)で言えば$60.9。
エクソン(XOM)で言えば$64.2。
オイル・サービスのETFである(OIH)で言えば$123.5。
このあたりは壊走が始まるかどうかの決定的ポイントです。
* * *
「でも中国が石油をガブガブ呑み込む需要爆発のストーリーは、昨日と今日では全然変わっていないじゃん?」
それは全くその通り。
全然変わっていません。
でも、或る時点でファンダメンタルズが不変であることが肝心なのではなくて、強気の投資家をなだめ続けることの方が大事になるという話を僕はしているのです。
殆どの投資家は限られた資金をやりくりして投資していますから、「買ったものは売らないと駄目だし、売ったものは買い戻ししないといけないんです。(空売りの場合)」
現実にこれを読んで呉れている皆さんも自分の胸に手をあてて<自分に残されている本当の選択肢>というものを考えてみて下さい。
大半の人は次の行動に移る際、先ず売りから入らないと身動き取れないはずです。
つまり味方が多いということはいつも心強いこととは限らないんです。
或る時点でそれはliability、つまり強気派の最大の弱点になるんです。
2006/09/14のBlog
[ 14:00 ]
[ 相場のテクニック ]
最近、僕が相場に対する考えを変えたらコメント欄に投稿していただく皆さんの声がささくれ立ってきました。
それはそうでしょう。
皆さんだってきっと中国株やBRICs投信のひとつやふたつは持っているだろうし、そこへ僕が穏やかでない暴論を吐くと「カチン」とくるのはよくわかります。
そういう皆さんの声は僕自身の考えた筋道が正しかったのか、間違っていたのかを推し量るリトマス・テストとして、実は結構役に立つんです。
どういう風に使うか?ですか、、、。
それは:
若し自分のコントラリアン的な考えに対して世間が「そうだ、そうだ」と同調した場合 = 多分、自分のその考えは間違っている
若し自分のコントラリアン的な考えに対して世間から轟々の罵声と野次をあびせられたら = 自分が正しいことを確信してよい
* * *
ウォール街の格言に:
「相場は最大限の人数の投資家を、もっともきまりのわるい瞬間に困った状況に陥れる才能をもっている、、、」
というのがあります。
皆が「こうなって欲しくない」と思ったときに限って、不都合なことは起こるんです。
例えば80年代に日本で不動産のバブルが起こったとき、住宅ローンの支払いが自分の代で完了できないほど負担が大きくなってしまったので、「二世代ローン」というのが出ました。皆、「ああ、これで助かった!やっと家が買える。」ということでマイホームをようやく手に入れたわけです。それがド天井。そうやってマイホームを手に入れたひとは住宅価格が下がって欲しくないので弱気の議論には意地になって反発したと思うんです。
ベア・マーケットは希望の坂を転がり落ちてゆくものです。
皆さんが抱いているのは「淡い期待」、ないしは「一縷の望み」であって、ファンダメンタルズを冷徹に分析した「理性の声」ではありません。
「それじゃお前の言うオイル・マーケットのファンダメンタルズとはなんなんだ!」
と皆さん仰るでしょう。
それが上のチャートです。
確かに中国の原油の消費は伸びている、、、。
でも最新のBPスタティスティカル・レビューによると中国の石油の需要は:
2004年: 318.9
2005年: 327.3
△(増加分):8.4
△(増加%):2.9%
一方、世界全体の2005年の原油の消費量は:
2004年:3798.6
2005年:3836.8
△(増加分):38.2
△(増加%):1.3%
なんです。(単位はいずれも百万トン)
そもそも中国の需要自体が絶対的に少ない水準なので、中国がひとり気を吐いたところで世界がついて来なければ形勢を逆転できないのです。
今、過去の歴史を紐解くと、世界の原油の生産(つまり供給)が+2%くらい増える年はザラにあります。世界の石油会社が本格的に増産に走ってますから中長期では供給はもっと増えるはず。
逆にアメリカに景気後退が来ると(その確率は日に日に高まっていますが)世界の需要成長率が+0.5%程度に落ちちゃう年なんてザラにあるんです。
そりゃ今まで中国で自転車に乗っていた人達が自動車に乗り換えますから、石油の需要は増えますよ。(そんな議論は僕だって何年も前からしてます。今日に始まったことじゃないんです。今頃、そんな事知らない投資家なんて居るでしょうか?→これが未だ相場に織り込み済みになっていないとしたらオドロキですね。)
僕が苦しんでいるのは、確かに中国は成長しているんだけど、中国が元気なだけでは世界のオイルの需要を継続的に逼迫させることは出来ないという単純だけど覆し難い「小学校の算数」の現実なのです。
(今日のこの議論というのはあと一ヶ月もすればウォール街中が取り上げ始めると思うんです。今日の時点では未だこういうことを正面切ってちゃんと論じている勇気のあるアナリストは居ません。)
需要と、それに刺激されて後からワッと増える設備投資にはタイムラグがあるんです。
われわれは単にその狭間で阿波踊りを踊っているに過ぎません。
今日のブログに書いたルクオイルという会社はつい2003年くらいまでは年間の設備投資に20~28億ドル程度しか投資していなかったんです。それが去年は約40億ドルになり、それを今度の役員会で100億ドルに積みますと言っているんですよ。
良い投資家になろうと思えば(そしてBRICsは市況関連の企業がとても多いので特にそうですけど)景気や商品のサイクルを研究すべきです。
* * *
PS:それからこれは蛇足ですけど、僕が立ち向かっているのは皆さんではありません。
僕が格闘している相手はあくまでマーケットなのです。
それはそうでしょう。
皆さんだってきっと中国株やBRICs投信のひとつやふたつは持っているだろうし、そこへ僕が穏やかでない暴論を吐くと「カチン」とくるのはよくわかります。
そういう皆さんの声は僕自身の考えた筋道が正しかったのか、間違っていたのかを推し量るリトマス・テストとして、実は結構役に立つんです。
どういう風に使うか?ですか、、、。
それは:
若し自分のコントラリアン的な考えに対して世間が「そうだ、そうだ」と同調した場合 = 多分、自分のその考えは間違っている
若し自分のコントラリアン的な考えに対して世間から轟々の罵声と野次をあびせられたら = 自分が正しいことを確信してよい
* * *
ウォール街の格言に:
「相場は最大限の人数の投資家を、もっともきまりのわるい瞬間に困った状況に陥れる才能をもっている、、、」
というのがあります。
皆が「こうなって欲しくない」と思ったときに限って、不都合なことは起こるんです。
例えば80年代に日本で不動産のバブルが起こったとき、住宅ローンの支払いが自分の代で完了できないほど負担が大きくなってしまったので、「二世代ローン」というのが出ました。皆、「ああ、これで助かった!やっと家が買える。」ということでマイホームをようやく手に入れたわけです。それがド天井。そうやってマイホームを手に入れたひとは住宅価格が下がって欲しくないので弱気の議論には意地になって反発したと思うんです。
ベア・マーケットは希望の坂を転がり落ちてゆくものです。
皆さんが抱いているのは「淡い期待」、ないしは「一縷の望み」であって、ファンダメンタルズを冷徹に分析した「理性の声」ではありません。
「それじゃお前の言うオイル・マーケットのファンダメンタルズとはなんなんだ!」
と皆さん仰るでしょう。
それが上のチャートです。
確かに中国の原油の消費は伸びている、、、。
でも最新のBPスタティスティカル・レビューによると中国の石油の需要は:
2004年: 318.9
2005年: 327.3
△(増加分):8.4
△(増加%):2.9%
一方、世界全体の2005年の原油の消費量は:
2004年:3798.6
2005年:3836.8
△(増加分):38.2
△(増加%):1.3%
なんです。(単位はいずれも百万トン)
そもそも中国の需要自体が絶対的に少ない水準なので、中国がひとり気を吐いたところで世界がついて来なければ形勢を逆転できないのです。
今、過去の歴史を紐解くと、世界の原油の生産(つまり供給)が+2%くらい増える年はザラにあります。世界の石油会社が本格的に増産に走ってますから中長期では供給はもっと増えるはず。
逆にアメリカに景気後退が来ると(その確率は日に日に高まっていますが)世界の需要成長率が+0.5%程度に落ちちゃう年なんてザラにあるんです。
そりゃ今まで中国で自転車に乗っていた人達が自動車に乗り換えますから、石油の需要は増えますよ。(そんな議論は僕だって何年も前からしてます。今日に始まったことじゃないんです。今頃、そんな事知らない投資家なんて居るでしょうか?→これが未だ相場に織り込み済みになっていないとしたらオドロキですね。)
僕が苦しんでいるのは、確かに中国は成長しているんだけど、中国が元気なだけでは世界のオイルの需要を継続的に逼迫させることは出来ないという単純だけど覆し難い「小学校の算数」の現実なのです。
(今日のこの議論というのはあと一ヶ月もすればウォール街中が取り上げ始めると思うんです。今日の時点では未だこういうことを正面切ってちゃんと論じている勇気のあるアナリストは居ません。)
需要と、それに刺激されて後からワッと増える設備投資にはタイムラグがあるんです。
われわれは単にその狭間で阿波踊りを踊っているに過ぎません。
今日のブログに書いたルクオイルという会社はつい2003年くらいまでは年間の設備投資に20~28億ドル程度しか投資していなかったんです。それが去年は約40億ドルになり、それを今度の役員会で100億ドルに積みますと言っているんですよ。
良い投資家になろうと思えば(そしてBRICsは市況関連の企業がとても多いので特にそうですけど)景気や商品のサイクルを研究すべきです。
* * *
PS:それからこれは蛇足ですけど、僕が立ち向かっているのは皆さんではありません。
僕が格闘している相手はあくまでマーケットなのです。
[ 06:03 ]
[ 中国株 ]
[関連したBlog]
「ギャッ!」
今日+17%。
特に材料はアリマセン。
多分、買い切らないといけない注文があったんだと思う。
僕ならこういう買い方をしたブローカーは出入り禁止にします。
(尤も発注した投資家の執行条件の設定が悪かったんだろうけど。)
「ギャッ!」

今日+17%。
特に材料はアリマセン。
多分、買い切らないといけない注文があったんだと思う。
僕ならこういう買い方をしたブローカーは出入り禁止にします。
(尤も発注した投資家の執行条件の設定が悪かったんだろうけど。)
[ 03:20 ]
[ ロシア株 ]
ルクオイルの取締役会が「向こう10年にわたって1000億ドルの設備投資をする」ことを承認しました。年間100億ドルに相当する金額です。
ちょっと待ってください。
今、現在のルクオイルの年間設備投資額は40億ドルなんです。
いきなり今の設備投資額の倍以上の金額を一体、どうやって使うの?。
(案の定、具体的な使途については一切明らかにされていない、、、)
この年間100億ドルという金額はロシアの全石油会社の去年の設備投資額にほぼ匹敵します。
(右のチャートを参照してください。Y軸の単位は10億ドルです。但しこの中からはシブネフチが抜けていますから本当はもう少し大きい数字になると思います。)
勿論、ルクオイルの40億ドルという設備投資額は数年前に比べればかなり成長しています。さらに同社の先行投資の戦略はロシア企業の中では特にコンサーバティブでした。ですからある程度の設備投資の積み増しというのは当然だし、好ましくもあります。
ただ、それも程度問題で、いきなり倍増というのはどう考えたって非現実的。
* * *
昔、ドットコム・バブルが華やかなりし頃、やはり設備投資ブームがあったんです。
キャリアー各社は競争のように大型設備投資計画をぶち上げて、その度ごとに通信機器メーカーのセクターが興奮に包まれました。
みんなルンルン。
でもある日、「これってちょっと違うよねぇ?」
という理性の声が天から降ってきて、、、、
「れっ? !@#$%^&」
気がついたらネットワーク株は爆下げ、、、、。
* * *
ちょっと待ってください。
今、現在のルクオイルの年間設備投資額は40億ドルなんです。
いきなり今の設備投資額の倍以上の金額を一体、どうやって使うの?。
(案の定、具体的な使途については一切明らかにされていない、、、)
この年間100億ドルという金額はロシアの全石油会社の去年の設備投資額にほぼ匹敵します。
(右のチャートを参照してください。Y軸の単位は10億ドルです。但しこの中からはシブネフチが抜けていますから本当はもう少し大きい数字になると思います。)
勿論、ルクオイルの40億ドルという設備投資額は数年前に比べればかなり成長しています。さらに同社の先行投資の戦略はロシア企業の中では特にコンサーバティブでした。ですからある程度の設備投資の積み増しというのは当然だし、好ましくもあります。
ただ、それも程度問題で、いきなり倍増というのはどう考えたって非現実的。
* * *
昔、ドットコム・バブルが華やかなりし頃、やはり設備投資ブームがあったんです。
キャリアー各社は競争のように大型設備投資計画をぶち上げて、その度ごとに通信機器メーカーのセクターが興奮に包まれました。
みんなルンルン。

でもある日、「これってちょっと違うよねぇ?」
という理性の声が天から降ってきて、、、、
「れっ? !@#$%^&」

気がついたらネットワーク株は爆下げ、、、、。
* * *
僕は社会人になりたての頃、2年ほどクウェートで過ごしました。
世界最大級の製油所の建設工事現場を這い回っていたのです。
思えばその頃の僕は大学を出たばかりで右も左も全然わかっていなかった。
当然、経済のサイクルというものにもまるっきり理解が無かったのです。
毎日のように下げる原油価格を見て:
「なんで下げるんだろう?、不思議だな。」
砂漠に沈む夕日に向かって祈りを捧げるオバQ(アラブ人は白装束だから、皆、勝手にそう呼んでいたんです)を見ながら毎日、同じことを考えました。
ま、それは兎も角、そういう経験してますから年間100億ドルという金額がいかに「使いでのある」金額か?というのは僕にはハッキリ体感出来ます。
* * *
ルクオイルの「1000億ドル設備投資!」の声を聞いて「なんかヘンだぞ」と思わないのはやっぱり皆の脳味噌がフヤけてしまって真っ直ぐに物事を考えられなくなっているからでしょう。
石油株の「床が抜ける」のは時間の問題です。
世界最大級の製油所の建設工事現場を這い回っていたのです。
思えばその頃の僕は大学を出たばかりで右も左も全然わかっていなかった。
当然、経済のサイクルというものにもまるっきり理解が無かったのです。
毎日のように下げる原油価格を見て:
「なんで下げるんだろう?、不思議だな。」
砂漠に沈む夕日に向かって祈りを捧げるオバQ(アラブ人は白装束だから、皆、勝手にそう呼んでいたんです)を見ながら毎日、同じことを考えました。
ま、それは兎も角、そういう経験してますから年間100億ドルという金額がいかに「使いでのある」金額か?というのは僕にはハッキリ体感出来ます。
* * *
ルクオイルの「1000億ドル設備投資!」の声を聞いて「なんかヘンだぞ」と思わないのはやっぱり皆の脳味噌がフヤけてしまって真っ直ぐに物事を考えられなくなっているからでしょう。
石油株の「床が抜ける」のは時間の問題です。
2006/09/13のBlog
[ 01:37 ]
[ マクロ・ストラテジー ]
TTさんからとても大事なご指摘を受けました。
ありがとうございます。
「要は素材や資源に関しての変調を問題にしているのであって、それだからBRICsは駄目というのは議論の飛躍では?」
というご指摘です。
その通りです。
議論に飛躍があるんです。
そこで右のグラフを見ていただきたいんですけど、これを見ると資源(エネルギー=赤色)や素材(黄色)がBRICsの時価総額の少なからぬ部分を構成していることがお分かりいただけると思うんです。
もし、素材や石油の下げでBRICsファンドとかのパフォーマンスが悪くなって、投信の解約が殺到した場合、勿論、理論上はファンダメンタルズの悪くなるだろうと予想される素材や石油だけを売ればいいんですけど、エマージング市場というのは流動性が限られていますからもし突然の解約が来たらなりふりかまわず、、、なんてシナリオも無いとは言えないと思うんです。
(注:ここに掲示したチャートは3月のものですから古いです。それと中国はインデックスの構成銘柄がこれ以降変更になっていて金融の比率が大幅に増えました。でも何せ手計算でやっているものですから、今はチョッと時間が無くて最新のデータでなくてごめんなさい。)
ありがとうございます。
「要は素材や資源に関しての変調を問題にしているのであって、それだからBRICsは駄目というのは議論の飛躍では?」
というご指摘です。
その通りです。
議論に飛躍があるんです。
そこで右のグラフを見ていただきたいんですけど、これを見ると資源(エネルギー=赤色)や素材(黄色)がBRICsの時価総額の少なからぬ部分を構成していることがお分かりいただけると思うんです。
もし、素材や石油の下げでBRICsファンドとかのパフォーマンスが悪くなって、投信の解約が殺到した場合、勿論、理論上はファンダメンタルズの悪くなるだろうと予想される素材や石油だけを売ればいいんですけど、エマージング市場というのは流動性が限られていますからもし突然の解約が来たらなりふりかまわず、、、なんてシナリオも無いとは言えないと思うんです。
(注:ここに掲示したチャートは3月のものですから古いです。それと中国はインデックスの構成銘柄がこれ以降変更になっていて金融の比率が大幅に増えました。でも何せ手計算でやっているものですから、今はチョッと時間が無くて最新のデータでなくてごめんなさい。)
[ 00:57 ]
[ マクロ・ストラテジー ]
僕が今ここに書くことは来年の第2四半期くらいになってから心配すればよいことだと思います。でも「遠くに見える雨雲」にチラッと目を配っておくことも必要かと思い、敢て今、書きます。
僕がこれまでBRICsに関して強気だった根拠のひとつは各国の貿易収支、経常収支などが大変堅調に推移していて、通貨の面で全く心配する必要が無かったからなんです。
普通、エマージング・マーケットに投資していて「ぶっ殺される」シナリオというのは景気が悪くなった上に通貨危機に見舞われるという、「弱り目に祟り目」の展開になったときです。そういう局面では「あっ!」と思った瞬間に自分の投資資金が半減する、なんて恐怖のシナリオが平気で起こります。
幸い右のグラフを見ていただければわかると思うんですけど、BRICsの貿易収支は好調です(インドだけはチョッと特殊ですけど)。
でもアメリカの経済がスローダウンした場合、貿易収支の数字が悪くなるんです。
「そんなの、前にもアメリカの景気が悪いときはあったんじゃないの?」
と仰るかもしれません。
そうです。でも今回はちょっと違う面もあります。
それは過去数年の好況で、BRICs各国がお金を持っているという点です。
昔はオケラだったので外国製品をガンガン買うことは出来ませんでした。
でも今は皆金持ってますから設備投資や消費の隆盛で少々米国の景気がわるくなってもBRICsの輸入は減速しないと思うんです。
すると貿易収支のトレンドは悪化する、、、。
特に注意すべきはロシアでしょう。
なぜならロシアの収入は原油価格にダイレクトにリンクしているからです。
すると、原油価格が安いというシナリオの下では例えば右のグラフで言えば:
①天にまで昇っていた貿易収支の数字が、
②スト~ンと大地まで重力の法則で落ちてくる状況で、
欧米の投資家が引き続きルーブルとか或いはブラジル・リアルに対してカムファタブルで居られるか?という問題なんです。
PS:なお、僕はインドに関しては心配していません。なぜならインドは既に貿易収支の数字が悪く、投資家達がそのアンカムファタブルな現実というものになんとか折り合いをつけて、「それでもインドを買う」という葛藤の決断を下しているからです。
これと対照的にルーブルについては投資家にこれまでそういう葛藤の局面が無かった、、、、そこのところが試練だと思うわけです。
僕がこれまでBRICsに関して強気だった根拠のひとつは各国の貿易収支、経常収支などが大変堅調に推移していて、通貨の面で全く心配する必要が無かったからなんです。
普通、エマージング・マーケットに投資していて「ぶっ殺される」シナリオというのは景気が悪くなった上に通貨危機に見舞われるという、「弱り目に祟り目」の展開になったときです。そういう局面では「あっ!」と思った瞬間に自分の投資資金が半減する、なんて恐怖のシナリオが平気で起こります。
幸い右のグラフを見ていただければわかると思うんですけど、BRICsの貿易収支は好調です(インドだけはチョッと特殊ですけど)。
でもアメリカの経済がスローダウンした場合、貿易収支の数字が悪くなるんです。
「そんなの、前にもアメリカの景気が悪いときはあったんじゃないの?」
と仰るかもしれません。
そうです。でも今回はちょっと違う面もあります。
それは過去数年の好況で、BRICs各国がお金を持っているという点です。
昔はオケラだったので外国製品をガンガン買うことは出来ませんでした。
でも今は皆金持ってますから設備投資や消費の隆盛で少々米国の景気がわるくなってもBRICsの輸入は減速しないと思うんです。
すると貿易収支のトレンドは悪化する、、、。
特に注意すべきはロシアでしょう。
なぜならロシアの収入は原油価格にダイレクトにリンクしているからです。
すると、原油価格が安いというシナリオの下では例えば右のグラフで言えば:
①天にまで昇っていた貿易収支の数字が、
②スト~ンと大地まで重力の法則で落ちてくる状況で、
欧米の投資家が引き続きルーブルとか或いはブラジル・リアルに対してカムファタブルで居られるか?という問題なんです。
PS:なお、僕はインドに関しては心配していません。なぜならインドは既に貿易収支の数字が悪く、投資家達がそのアンカムファタブルな現実というものになんとか折り合いをつけて、「それでもインドを買う」という葛藤の決断を下しているからです。
これと対照的にルーブルについては投資家にこれまでそういう葛藤の局面が無かった、、、、そこのところが試練だと思うわけです。
2006/09/12のBlog
[ 20:45 ]
[ 相場のテクニック ]
昨日のマーケットに対する僕の相場観を読んで「なんでこんなにいい加減にコロコロ考えを変えることが出来んの?」とご立腹された方が多かったみたいです。
皆さんの癪に障ったらごめんなさい。
でも、誤解しないで下さい。
僕が相場を動かしているわけじゃないんです。
相場が勝手に動いていて、僕はそれを僕なりに日誌(ジャーナル)として綴っているだけです。
ジャーナルの語源は確かフランス語で、そのまた昔に遡るとラテン語から来ているんだと思うんですけど、要はジャーニー、つまり旅路と同じ語源です。
だから例えば「ウォール・ストリート・ジャーナル」と言えばウォール街でおこる日々の顛末の日誌、、、、それくらいの意味なんです。
ですからその日その日に起こった相場のすべった
皆さんの癪に障ったらごめんなさい。
でも、誤解しないで下さい。
僕が相場を動かしているわけじゃないんです。
相場が勝手に動いていて、僕はそれを僕なりに日誌(ジャーナル)として綴っているだけです。
ジャーナルの語源は確かフランス語で、そのまた昔に遡るとラテン語から来ているんだと思うんですけど、要はジャーニー、つまり旅路と同じ語源です。
だから例えば「ウォール・ストリート・ジャーナル」と言えばウォール街でおこる日々の顛末の日誌、、、、それくらいの意味なんです。
ですからその日その日に起こった相場のすべった