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いちカイにヤリ 投資世代(ロシア株、インド株、中国株、ブラジル株、ADR、BRICs)
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2007/11/27のBlog
これがいま、世界に迷惑をかけまくりマンになっているカントリーワイド(CFC)のCEO、アンジェロ・モジロ親分です。

まあ、立志伝中の人、、、と言えないこともないけど、細かいところを見ると結構、汚い経営をしている。例えば最近カントリーワイドの株価が低迷しているわけだけど、すかさず経営陣のストックオプションのストライク価格をリプライスしています。あと顧客がローンを繰上げ返済した場合、わざとその小切手を「紛失」ないしは期限がくるまで「シカト」して、遅延懲課フィーを請求していたんじゃないか?という疑惑も出ています。これ、立件されたらワイヤー&メール・フロード(日本で言う郵便法みないなもの)になると思うんですよね。アメリカの場合、ワイヤー&メール・フロードはめちゃんこ厳しいです。

最近はいままで組んでいたウォール街の若い衆が元気が無いのでアトランタ・フェデラル・ホーム・ローン銀行にぐいっと寄りかかって所謂、「ロー・ドク(ローン審査書類が簡素化された)・ローン」をどんどん買い取らせているらしいです。

アトランタFHLBはまあ田舎の郵便局みたいな雰囲気の公庫ですけど、完全にアンジェロ・モジロの「ゴミ箱」みたいな使われ方をしている、、、。

そこでチャック・シューマー上院議員(NY、民主党)が見るに見かねてFHLBの会長に「ぼんやりしてないでちょっと調べた方がいいぞ」というレターを送ったんだそうです。


ま、今日のNY市場が下げた理由は単純に言えばそういうこと。フレディ(FRE)やファニー(FNM)は今日もちからいっぱい急落しているし、宅建業者のビーザー(BZH)とかはあたかも倒産を織り込みはじめたかのようなあやしい値運び。

あ、中国株への影響は軽微でした。特に小型はカンケー無いって感じ。そりゃそうです。中国株の投資家が懸念しなきゃいけないことはアメリカの消費が駄目になることだけであり、それは先週末の小売データからも安泰であることが確認されています。そうなりゃ後は米国の不動産や金融セクターが荒れる分には利下げが早まるだけですから、かえって好都合。
ビジョンチャイナ・メディア(ティッカー:VISN)はアウトドア広告の企業です。

アウトドア広告というとフォーカス・メディア(FMCN)や最近IPOされたエアメディア(AMCN)が想い起こされますけど、僕はこのビジョンチャイナの方が面白いと思います。 フォーカス・メディアはオフィスビルのロビーなどに設置された液晶TVで広告を流します。エアメディアは空港や飛行機の機内で液晶TVによる広告を流しています。これに対してビジョンチャイナはバスや地下鉄の社内に設置された液晶TVで広告を流しています。現在北京、上海をはじめとする14都市をカバーし、3.3万の液晶TVを運営しています。

バスや地下鉄における広告スポットがオフィスビルのロビーや空港ならびに飛行機の機内などのロケーションより遥かに有利な理由は通勤というファクターです。北京などの都会に住む中国人の45%は通勤にバスを使います。一週間の平均トリップ数は13回、一回の通勤の平均時間は30分です。同社の液晶テレビはバスの中に設置され、ニュース、天気予報、市況ニュースなどを織り交ぜながらCMのスポットをどんどん流してゆきます。アンケート調査では通勤客の90%がこのような社内放送に好感を持っています。これに対してオフィスビルのロビーを通勤客が通過するのはほんの一瞬ですし、飛行機や空港も未だ日常的に利用している人は一部に限られるという問題があります。

ビジョンチャイナはテレビ局からニュースや天気予報などのコンテンツを独占契約で引っ張ってきてワイヤレス放送でリアルタイム放映しています。この利点はダイナミックに広告スポットを次々リニューアルできる点にあります。これに対して業界のリーダーであるフォーカス・メディアはまだVCRに録音したCMをそれぞれのロケーションに出向いてカセットを入れ替えるなどの手間がかかる方法で更新しているのです。これだと一月に一回程度しかスポットを入れ替えることが出来ません。 通勤客がキャプティブ・オーディエンスであること、ニュースや天気予報と織り交ぜながらCMを流すと訴求効果が極めて高いことが実証されていることなどからビジョンチャイナは素晴らしい広告主を獲得しています。

コカ・コーラ
蒙牛
マクドナルド
ケンタッキー・フライド・チキン
プロクター&ギャンブル
イケア
キャノン
ヒューレット・パッカード

などがそれです。広告主の所属する分野別では食品・日用品などが全体の20%、医薬品が14%程度となっています。

ビジョンチャイナの車内広告の有効性が知られるようになって広告主はより積極的に同社の媒体を利用するようになっています。それを反映して同社は05年にサービスを開始したのですが今までに既に4回、広告料金を値上げしています。目先の成長はこのような広告料金の値上げに加えて、稼働率の向上、新しい路線の追加、新しい都市への進出、あたらしい媒体への進出などによります。

今回発行株数:1350万株
初値設定:9.5~11.5ドル
ディール後発行済み株式数:6835万株
幹事:クレディスイス、メリル、CIBC、サスケハンナ
ADR対普通株比率: 1対1
2007/11/26のBlog
[ 11:36 ] [ マクロ・ストラテジー ]
感謝祭が終わってアメリカはいよいよクリスマス商戦に突入しました。ショッパー・トラックRCTなどの小売コンサルタントの集計したデータではブラック・フライデーを含む先週末の小売売上は前年同期比+7.2%と確りだったようです。

アメリカの株式市場ならびにBRICsの株式市場は「アメリカがリセッションに入る場合を想定して、、、」という売り物を先週まで浴びてきました。しかしこの滑り出しを見る限りではリセッションのリスクは当初予想されたほどは大きくない感じです。

今年の夏から秋にかけてアメリカのアパレル業界は徹底的に流行を読み間違いました。これが大きくスペシャリティー・リテーラーや百貨店の売上高に響いていた面があります。それは小売のコンサルタントはずっと声高に言ってきたことですけどウォール街はサブプライム問題による消費者のマインドの冷え込みとごっちゃにして理解してしまったわけです。

友人でAGエドワーズに勤めるドン曰く、「いやー参ったよ。今年は未だ感謝祭すら来てないのに、もうクリスマス・セールがはじまっているんだから。」

小売業界はこの秋の売れ行き不振で恐れをなしてブラック・フライデーには:

1.在庫を極力調整する
2.アグレッシブなマークダウンで臨む

という決死の覚悟でした。従って今年のシーズンは売れ残りのリスクは平年より多分少ないと思います。

消費が案外堅調ということになると一度悲観的なシナリオを織り込んだ株式市場の方はもう一度強気のシナリオに修正しなければなりません。

 * * *

サブプライム問題の方に言及しておくと先週末、またLIBORなどの銀行間の信用のコストがティック・アップしていたように思います。僕は債券の人間じゃないのでこれが感謝祭というシーズナルな要因でそうなったのか、或いはサブプライム問題がまだ燻ぶっているためなのかはわかりません。でもこちらの問題の方はまだまだこれからもっと怖い場面を見るでしょうね。

 * * *

すると:

1.消費は悪くないけど
2.金利は下げなきゃいけない

という徹底ドンチャン騒ぎシナリオが至現する確率が高くなっていると思うんです。

2007/11/23のBlog
最近アフリカに関する連載を書いています。

僕にとってアフリカの経済を観察することはとても興味深いテーマなんです。確か数日前のコメント欄である読者の方が「BRICsをはじめとする新興国がいま調子良いのはたんなるラッキーであって、そんなブームはいずれ剥げるんじゃないか?」という旨の意見を述べておられたと思うんです。(自分のブログなのにこのコメントが何処にあるのか見つけられなくなっちゃった、、、コメントされた方の名前を紹介できなくてすみません。)或る意味、アフリカでこれから起こることはそういう疑問に対するひとつの回答を提供すると僕は考えています。

IMFのレポートなどによるとアフリカの経済は今、絶好調でアフリカ全体のGDPは約5.8%で成長しています。これは過去25年で最高です。アフリカ経済がなぜこんなに好調なのかについてはいずれ連載で詳述してゆきますけど、ひとことで言えばコモディティー・ブームとかなり関係があります。実はアフリカとコモディティーとは昔から切っても切り離せない深い関係がありました。(上にリンクを貼った記事では有名な「デューイの卸売物価の54年サイクル」のチャートを掲げておきました。)産業革命で工業コモディティーが急に必要になった欧州の列強がアフリカ大陸をどんどん分割してゆくわけですが、その背景には商品相場高があったんですね。またそれらの植民地が列強の支配を離脱するには欧州における戦争の終結に伴う商品価格の低迷が必要だったんです。

いままた商品相場が高くなっている中でアフリカ大陸に対する先進国の関心は高まっています。しかし独立後のアフリカにおいては所謂ソーシャル・キャピタル(社会資本=治安がしっかりしている、法律が整い人権が守られている、誰もが学校へ通える、安心な飲み水へのアクセスがある、、などなど)の整備が非常に立ち遅れています。そういう場所にまた19世紀末期の列強がそうしたように投資資金が戻り始めているんですね。今回の資金の出し手は、一例を挙げれば中国です。(ペトロチャイナのアフリカへの投資は皆さんもご存知ですよね?)

中国は勿論、いまやっているアフリカへの投資は19世紀の列強によるアフリカの支配とはぜんぜん違う、友好的、相互補助的な投資だと主張しています。(僕も今の段階ではそれは中国の正直な動機だと思います。)中国などからの投資資金を得て、これからアフリカの経済が大きく飛躍するのかも知れない、、、、

安価な投資資本というのは百難を隠します。ドットコム・ブームの際には溢れる投資資金がありとあらゆるスタート・アップ企業に向かったため、投資するに値しないくだらない会社でも暫くは物事が上手く回ってゆきました。アフリカの国の約半分は国家予算の50%が外国からの援助金で賄われています。いまアフリカに投資している国はとても上手いバーゲン・ハンティングをしているのかもしれませんし(その可能性は、、あります)、たんにお金を出せる立場になれた自分の雄姿に惚れ惚れし、「おれがビジネスのやり方を教えてやる」式にアフリカの闇の奥(ハート・オブ・ダークネス)に足を踏み入れようとしているだけなのかも知れません。
月例の『新興国リアルタイム・ネット勉強会』ですが次の要領で開催したいと思います。

日時:12月3日(月曜日)夜8時スタート
申し込み期限:2007年11月27日締め切り
申し込みURL:http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/investment/in03_seminar_online_06.html

今回は以下の事に言及する予定です(内容は一部変更するかもしれません):

1.個別銘柄総点検

(現在言及を予定している銘柄)
シーヌーク(CEO)
チャイナ・レイルウエイ・グループ(上場前)
バイドゥ(BIDU)
グーグル(GOOG)
インフォシス(INFY)
マインドレイ(MR)
スリー・エス(SSRX)
アムジェン(AMGN)
イン・リー(YGE)
サンテック・パワー(STP)
LDKソーラー(LDK)
ザナイン(NCTY)
ネットイーズ(NTES)
フォーカス・メディア(FMCN)
コンゾン(KONG)
チャイナ・モバイル(CHL)
ウルトラペトラル(ULTR)
チャイナ・メディカル(CMED)
ペトロブラス(PBR)
ペトロチャイナ(PTR)
BHPビリトン(BHP)
リオチント(RTP)
CVRD(RIO)
タタ・モータース(TTM)
フォード(F)


2.中国:直通車スキームの遅延、融資規制などが意味すること
3.A株の需給関係について
4.ロシア:選挙について

個別銘柄については楽天証券のADR出来高ランキング上位に登場する銘柄を中心に近況をチェックしてみたいと思います。また問い合わせの多い銘柄の決算の内容と今後へのインプリケーションなども考察したいと思います。

いつものように申し込み時に皆さんからのコメントならびにご質問をお受けします。申し込み時に寄せられたご質問に関しては勉強会の中で一部紹介させていただきます。それと共にこのブログでも回答します。(なるべく全部のご質問に答えようと努力していますが答えられなかった分はご容赦下さい。それから個別銘柄に関するご質問は勉強会の中で上記の銘柄への言及を予定していますのでそれを聞いた後で頂けると幸いです。→交通整理の都合上

勉強会当日もずっとチャットをあけておきますのでどしどしご質問下さい。



PS:なお日頃皆さんから沢山メールを頂きます。ありがとうございます。でもメールの数が多すぎてほとんど目を通さず消去しています。(なぜブログや勉強会の質問を優先してメールの質問には答えないか?というとブログでの回答は他の皆さんにも見て頂けるのでそれだけ効率が良いと思うからです。)ご質問やコメントのある方は恐れ入りますがこのブログか、ないしは勉強会の質問の場でお願いします。
[ 00:08 ] [ マクロ・ストラテジー ]
僕のブログのブックマーク・リストのところにもリンクがありますけど『グラの相場見通し』を書いているnobinobiさんのエントリーはいつもとても勉強になります。最近のエントリー、『資料編②』、『資料編③』も面白いと思いました。

そこで観察されているのは米国の輸出統計ですけど、この切り口からだけ物事を見ると米国がどん詰まりの閉塞状況に陥っている構図とはほど遠いですね。

ところで米国の製造業がこんな風に蘇るだけの、地道な努力を彼らがやってきたか?と言えば、、、(僕は米国にずっと住んでいる身ですからアメリカのことはボロクソにこきおろしたくないけど)、、、まあ、あんまり身を削るような努力はしていません。

それじゃ何故、米国の輸出は好調か?と言えば、これは為替に負う部分が大きいです。すると米国の好調の影で逆に苦しんでいる国があると考えるべきです。
2007/11/22のBlog
[ 02:26 ] [ ウォール街の歴史 ]
TTさんからのコメントで:

アメリカは金利引き下げとの引き換えになにか(ドルを守る)代替案を用意しているのか?

という問いかけを頂きました。これはもっともな疑問ですね。

僕の考えでは、究極的にFEDが引き出さないといけないのはアメリカ国民のファイティング・スピリット(闘争心)だと思うんです。ウォール街ではこれのことをアニマル・スピリット(動物の野生)と呼びます。

アニマル・スピリットが萎えると、、、どんなに思慮深い金融政策やセイフティー・ネットや景気刺激策を用意したって景気は悪くなるしドルは安くなるし株も下がる。

だからアニマル・スピリットの火を絶やさないようにすることがゼッタイ必要な条件。
(日銀の人が読んだら怒るだろうけど、、、日本の場合これが消えちゃったんですね)

アニマル・スピリットの尊さ、壊れやすさ、デリケートさ、、、そういうものに対する理解がある限りアメリカは大丈夫です。
フレディマックやファニーメイ債というのはアジアの投資家は腐るほど持っている。僕は債券の人間じゃないので債券の方からの助け舟をお願いしたいのですけど、USトレジャリーにも負けないくらいしこたま食らえ込んでいる筈です。

中国の政府だってメチャクチャ持っていると思いますよ。

 * * *

僕は「だからそういう投資家は損する」と言っているのではありません。
ファニーやフレディは「Too big to fall.」、つまり潰せないということ。
これは単にアメリカ政府だけの問題じゃなくてアジアの政府にとっても由々しい問題なのです。

別の言い方をすれば「皆で協力してガス抜きする方法を考えないと、、、」ということ。
今日たまたまクルマのラジオをつけていたら最近のサブプライム問題に絡んでどういう影響がスモール・ビジネス(中小企業)に出ているかという特集を組んでいました。

そこで或る米国中西部の建設機械のメーカー(従業員100人)の社長サンがインタビューに答えていて:

社長:「いや~、今回のサブプライム問題では宅建業者がどこも青息吐息で誰もウチの建設機械を買ってくれなくなってしまった。こりゃ困る。」

インタビュアー:「それじゃ、レイオフですか?」

社長:「いや、それが、、、実は最近生産ラインをひとつ増やしたんだ。」

インタビュアー:「???」

社長:「というのもね、海外からの引き合いが凄いんだ。今年は通年ベースで前年比140%増。ディーラーからの予約注文がずっと先まで詰まっている。」

インタビュアー:「それって為替?。」

社長:「確かにドル安はラッキー。それにBRICsなどインフラを整備しないといけない国というのはゴマンとある。そりゃ、ウチの製品の性能が良いから海外の顧客がウチの製品を買ってくれているんだと信じたいけど、、、ま、正直言えばこのダブルの恩恵だわな。」

 * * *

皆さんからのコメントやご質問で一番多いのは「アメリカはドル安を容認するのか?、アメリカの経済はそれでぶっ壊れるんじゃないか?」というものです。

上の中小企業の社長のインタビューを見れば分っていただけると思うんですけど、今、アメリカの輸出産業はドル安でルネッサンスを迎えているんです。物事には常にプラスとマイナスという2つの面があることを忘れないように。

すると、、、一体、ドル安で困っているのは誰だ?、、、、

それは皆さんがイメージしやすい例で言えば日本や中国の輸出企業です。

するとですよ、そういう時に高通貨政策をすると国内への負担が大きいわけです。為替というのはユニラテラル(当事者の一方だけ)に決まるものではなく、バイラテラル(双方の都合)できまるものです。ドルが安すぎて欧州や日本の製造業が苦しんでいるんであれば欧州や日本もユーロ安や円安の政策を打ち出せば良いだけの事。

たとえばサブプライム絡みの損失の計上ですけど、今、アメリカは酷いことになっているけどそれじゃ日本や欧州の金融機関はそれらのペーパーを持っていないのか?ということになると全然持っていないわけじゃないと思うんです。いや、かなり実は持っている。

でも損をいつ実現するか?という事に対する考え方の違いや会計基準の違い(最近米国では厳格化されたばかりです)から損の実現のタイミングが国際間で違うことがアメリカだけで前倒しで悪いニュースが出ていることのひとつの要因です。

だから欧州や日本で今後この問題が最高潮に達したときにはもうアメリカはアク抜けている可能性だってあるんです。(それは実態経済じゃなくてあくまでも「マーケット的に」ですけど)
2007/11/21のBlog
フレディマック(ティッカー:FRE)の株が急落しました。

フレディマックはファニーメイ(ティッカー:FNM)と並んでアメリカの住宅ローン市場で最も重要なエージェンシー(=イメージ的には「公庫」みたいなもの→正確にはクワザイ・ガバメント・エージェンシーと言って公的機関ではありません)です。特に今みたいにクレジット・マーケットが荒れているときは最後の頼りにされる重要な流動性の出し手です。

そのフレディマックが決算で20億ドルの損を出し、カンファレンス・コールでは配当を半分に減らすと発言しています。これを受けてフレディマックならびにファニーメイの株価は暴落しています。上に掲げたのはフレディの超長期のチャートですけど今日の下げが如何に尋常でないかがおわかり頂けると思います。

このフレディならびにファニーの2社を合計すると1.3兆ドルの資産がバランスシートに載っており、この2社はゼッタイに潰すことのできない企業です。フレディは今後鋭意バランスシートの保全に乗り出すと宣言しており、既に市場では50億ドル程度の優先株発行の観測が出ています。

こういう風に株価が暴落していて、なおかつ配当が半減する会社の大型公募を成功させるためには政府や中央銀行の協力は必須です。何も増資を引き受けた先から大やられすることを承知で株を買うお人よしの機関投資家は居ません。すると現在の米国の住宅市場の状況をなんとかテコ入れする方策と抱き合わせでしかこういう公募は成功しないんです。そういう回りくどい言い方を止めて、ストレートな表現を使えば、ここはFEDが「あうんの呼吸」で大幅利下げをして、フレディの公募で忠誠を示した機関投資家にご褒美を撒き散らさないと駄目なんです。

FFレートはアグレッシブに下がってくる、、、、いや、下がらないとアメリカは大変なことになるでしょう。

これまで僕は「下手すりゃ10回くらい利下げがある」という表現を使ってきましたけど、これはあくまでも毎回25bpという想定のもとでの表現であって、今後50bpとかのザックリ利下げが相次げば10回という表現は適切でないと思うんです。ですからもっと別のターゲットの表現の仕方をすると:

とりあえずFFレートで2%

というのでどうでしょう?。


これからはこのフレディやファニーもそうだけど、銀行もバランスシートのエクイティーをどんどん費消してゆかないと駄目です。そこらじゅうの金融機関のバランスシートが直撃弾を受けて大破する、、、。それは悪いことじゃなくて、良いことなんですね。
これは言ってみれば金融版『バルジ大作戦』です。『バルジ大作戦』というのは戦史上に名をとどめる大戦車戦で、兎に角、派手にドンパチ撃ちまくった戦いです。つまり敵(サブプライムに絡む損)の燃料が全部無くなるまで消耗戦になるわけです。

被弾するだけ被弾して、消耗するだけ消耗してしまえば少なくともクレジット市場におけるサブプライム問題は「出尽くし」ます。 (勿論、実態経済としては長く尾をひきますが。)


(追記)
なお、フレディマックは今回の状況変化に対応して新しいマクロ・シナリオを策定し、その仮定に基づいて資本政策を練っています。フレディの使っている新しいマクロのシナリオとは次のようなものです:

住宅ローンのデフォルト・レート: 3~3.5% 
上のデフォルト・レートに至るのに必要な全米の平均住宅価格下落率: 5~6%
その仮定下での最悪地域(フロリダ、カリフォルニア)の下落率:25~30%

なお、上のシナリオは90年代初頭のカリフォルニアの不動産不況時の約2倍のダメージに相当します。

このシナリオ下でフレディのポートフォリオに入っているローンの焦げ付き額の現在価値は約100~120億ドル程度というソロバンになるのだそうです。

なお、現在のデフォルト・レートは0.51%です。

2007/11/20のBlog
[ 23:59 ] [ 相場のテクニック ]
二番底のテスト、完了したと思います。

もう買っていいよ。



PS:前回(8月7日)二番底確認完了宣言した後、更に相場が下がって失礼しました。
「あれは余計だった」というコメントを頂きましたけど、仰るとおりです。反省しています。
(その割りにはまたおんなじ「二番底」コールを今日、やっているわけだけど、、、笑。)

でも大筋の流れで言えば8月のコールだってあのときに買い始めていないと完全に相場に取り残されていたと思うんです。(ところであのとき「余計だった」って書いた人、儲かってますか、今年?。)
フォーカス・メディア(ティッカー:FMCN)が第3四半期の決算を発表しています。

売上高:1.51億ドル+149.6%、コンセンサスは1.34億ドル
EPS:43セント、コンセンサス43セント

来期のガイダンス
売上高:1.6~1.7億ドル、コンセンサス1.43億ドル
EPS:49セント、コンセンサス49セント

 * * *

(以下はカンファレンス・コールのハイライト)

部門別の売上高は:

デジタル・アウトオブホーム 9470万ドル+66%
ワイヤレス広告 1400万ドル+298%
インターネット広告 4250万ドル+68.5%Seq.

でした。

今期の営業マージンは31.3%と下がっているのですが、買収に絡んだ一時的な要因が少なからず影響しています。そういう買収絡みの要因を除いた営業マージンは大体36%でした。

買収企業がマージン圧迫要因になった第一の理由は買収した企業のうちのひとつがビルボードのビジネスを行っていることと関係しています。現在のビルボードのマージンは25%と低いです。それにもかかわらずビルボードの会社を買収したのは彼らがとても有利なロケーションのビルボード・コンセッションを所有しているからであり、フォーカス・メディアの戦略としては今後これらのビルボードを順次液晶パネルにアップグレードしてゆくことにより効率を上げ、マージンを上げる考えです。若しビルボードの会社を買収しなければそれらのビルボード会社と競争しないといけなくなるので有利な広告塔へのアクセス・コストが高くなるし値引き競争になれば広告料金が低くなります。それなら買収した方が得です。

次に同じく買収したインターネット部門のマージンは20%台と低かったです。今後はクロス・セリングにより広告主を紹介し合い稼働率を上げることによりマージンを上げてゆくつもりです。我々がやっているのはペイ・バイ・パフォーマンスと呼ばれるターゲットを絞ったインターネット広告をやっているわけで、コンテンツのビジネスはやっていません。ウエブ・パブリッシャーと協同してトラフィックを増やすことによってこのビジネス・モデルの収益性は大幅に向上すると考えています。

今期のDSOが前期の70日日から82日に増えたのは別に買収とは関係ないです。

ワイヤレス広告のビジネス・モデルはWVASの業者のビジネス・モデルとは全然違います。フォーカス・メディアは広告を携帯で流して広告主からお金を貰います。これに対してコンゾンなどは消費者からユーザー・フィーを取るわけで、これではチャイナ・モバイルのようなオペレーターには勝てないと思うんです。我々は自動車会社などの広告会社からフィーを貰い、チャイナ・モバイルに場所代を払って広告を流しているのです。現在はこのワイヤレス広告市場は小さいのですが、成長率は物凄く高くなると思います。なおフォーカス・メディアはこの部門を別会社としてIPOする計画を持っています。
[ 06:24 ] [ 相場のテクニック ]
相場は二番底を探りに行っています。

また勇気の要る局面にさしかかってきました。
皆さんもうお気づきだと思いますけど、個別株とかマーケット全体の日々の動きには説明のつくものもあれば、説明のつかないものもあります。それを全てが説明できるという風に考えるのはにんげんの傲慢。

往々にして思わぬ方へと転がってゆくからこそ相場が面白いのだし、奥が深いのです。

さて、BRICsです。
いまマーケットは売られているけど、、、それじゃそんなにBRICsの中身は悪くなったの?。

僕はそうは思いません。

物事というのは見る人の立場や経験によって解釈が大きく変わってくるものです。
例えば最近中国から矢継ぎ早に出たニュースは僕に言わせれば全て長期ではポジティブ。

その一例として銀行の融資の絞込みですけど、あれは良い政策です。
そうでなくても中国の銀行というのは普段から企業とか不動産とかそういう大口の借り手への依存度が高すぎます。それも集中豪雨的に融資する。今回の指導は「不動産融資とか証券担保融資とか、そういう安直な方法で業績を伸ばそうとするな」という言わば「親心」ですからこれが悪い筈がありません。

次に直通車ですけど、あれをそのまま放置してH株が上昇することでA株に鞘寄せしたところで株式を一本化していたら、後々まで禍根を残していたと思うんです。それは株式のスポンサーシップ(=こつこつと安定株主を積み上げてゆくこと)という基本動作を全然無視したやり方だから。

QDIIで許される香港部分が全体の30%でキャップされたのもプルーデントなアセット・アロケーションの考え方から言えば当たり前だし、もっと小さくてすら良い。


まあこういう感じで誰も中国の相場をぶっ壊そうと思って色んな指導を出してくるわけではないと思うんです。むしろ「欲深い豚」になっていたのは我々投資家の方なんです。その理不尽なエクスペクテーションを挫かれたからといって、それを相場のせいにしたり、どこかの中央銀行のせいにしたり、投資銀行のせいにしたり、空売り筋のせいにするのは、まあ、はっきり言って見苦しい。

いつもの繰り返しになりますけど、我々が今、向き合わないといけないのは自分自身です。
2007/11/19のBlog
最近中国の銀行監督当局が融資残高の総量規制をしている点は市場に漏れ伝わっていましたが、週末のニュースでは「年末の融資残高が10月31日のそれを上回らないように」という指導をしていることが確認されました。ここで具体的に「10月31日の数字を上回るな」と示しているところが新しい部分です。

これまで中国のマネー・グロースならびにクレジット・グロースから判断した当局の手綱捌きは「ちょっと緩めだな」と僕は常々感じていたのですけど、それに対する訂正が入ったわけです。

もっとも第4四半期はローン需要がシーズナルに弱い時期なのでこの「10月31日のローン残高を越えないように」という指導は比較的達成しやすい気もします。

むしろ大事なのはこのニュースのもつアナウンスメント効果でしょうね。これと併せておおっぴらに証券投資融資を行っていた深センの銀行に行政指導が入ったというニュースもあり、「見せしめ」効果はてきめん。

当面はこれらの措置がどのくらい株式市場にインパクトを与えるかを見極めたいところです。


(追記)
なおブルームバーグでは早くも中国当局は「10月31日の時点での融資残高」など具体的なターゲットを示して規制した事実を否定しています。
2007/11/18のBlog
[ 17:23 ] [ マクロ・ストラテジー ]
タイランドは勉強会でも言及したようにマクロ政策的には極めて手堅くやっています。また金利政策が緩めに転換している最中なのでマーケット・タイミングとしてもスウィート・スポットに差し掛かっています。今回の選挙で軍政から「民主主義」に戻れば投資家も出動しやすいでしょう。タイムリーなマーケット。
シンガポールは「ハコモノ」主導型の成長戦略でグロースの「質」の劣化が著しいです。輸出産業は朽ちかけている、、、。いま好況のシッピング・サービスなどの業種が暗転すればバブルが弾ける可能性があります。放埓な金融政策。過去に何度も経済をハードランディングさせているトラックレコードの悪い国。
米国では僕の言った通り「金融機関のバランスシートが試される展開」になっています。これは良いことです。突如として銀行各行が競うようにライトオフを発表しています。案外早くに「逃げを打つ経営」から「アニマル・スピリットで困難に体当たりする経営」に変わりつつある。このCan do精神がアメリカの侮れないところ。どこかの国とは大違い。
日本。Dead on the water.
[ 16:57 ] [ マクロ・ストラテジー ]
カンタンに各国の近況を振り返ります。

先ずロシアですけど12月2日にデュマ(下院)の選挙があります。大方の予想では統一ロシア党が80%程度の得票率で圧勝するとされています。実際、そうなると思います。プーチン大統領は彼の所属政党である統一ロシアへの圧倒的支持を「プーチンを首相にしろ」という世論の反映だと解釈すると言っています。これが実現すればロシアの「2008年問題」、つまりプーチン後をどうするか?という問題が解決するのでロシアの株式市場にとっては強気材料です。なお今回の選挙に関しては国際選挙監視機関がロシアでの選挙監視活動を断念したということを発表しています。ビザが下りないなどの問題があったようです。公正な選挙が行われなかったのではないか?という疑惑が出ると株式市場のセンチメントに悪影響があるかもしれません。目下の一押し。
インドはこのところ好調です。ただ、それは現地株の話。輸出企業、消費循環企業などが多いADRの方はハッキリ言って冴えません。これはインドの現在の好況な業種がインフラ関連、素材関連のようなセクターに偏っていることも影響しています。インド政府の金融政策はきつめの誘導をしています。これを反映して自動車などビッグ・ティケット・アイテムの売れ行きは鈍化しています。これはほぼインド中銀の狙い通りの効果。引き続き強気で良い市場。
ブラジルも堅調に推移しています。ペトロブラスの大型油田発見など、個別の強気材料が株式市場の牽引車となっています。確りのパフォーマンスにもかかわらずブラジル市場はまだまだ安いです。引き続き強気でOK。
中国は直通車のスキームの導入に対して慎重論が出ています。これを受けて株式市場もロール・オーバーしています。マクロ経済の誘導は実は言われているほどはきつめではないと思います。マネー・サプライ統計や信用創造統計を見ると「ホンネとしては中国は経済を減速させたくないのでは?」と思わせるものがあります。マクロ・コントロールの「質(クウォリティー)」は他のBRICs各国より劣っている、、、。
ただ株式市場的には過熱感が取れたのでOK。
2007/11/17のBlog
IPOの話を続けます。右の図をもう一度見ていただきたいのですが、人気化するIPOが続けば続くほど「俺にも買わせろ」式の投資家が押しかけてきます。するとデマンドのテールがどんどん長くなることはこれまでに説明しました。

それと同時にコアになる機関投資家(青の矢印)に対するアロケーションは減るし、十分な株がコア投資家に行き渡りません。

するとIPOの値決め後、もし何かの拍子でアフター・マーケットの株価が崩れたりすると青の楕円で囲った小口機関投資家(ヘッジファンドなどの足の速い資金が多い)は慌ててぶん投げるわけです。そういう風にすぐ売り逃げる筋を業界用語ではフリッパーと言います。

それを数少ないコア投資家が買い支えることになるわけですからこれはもうどうしても売り物を消化しきれない、、、。

末期のIPOが値崩れするとき、ダメージが大きくなるにはこのような事情があるのです。
2007/11/16のBlog
中国株は予定通り二番底を取りに行く展開になっています。

この前つけた安値を維持できるかどうか?、これを見極めてゆかねばならない、、、。
僕の考えでは「底抜け」になってしまうリスクは低いと思います。

今週末から来週にかけて、凄く怖い場面があると思うけど、そこがオリンピック前の最後の買い場になるでしょう。

あ、それから中国株はストック・ピッカーズ・マーケットになるような気がするんです。
思いつくままに銘柄を挙げると:

エイコーン(ATV)
CNインシュアー(CISG)
アグリア(GRO)
ウーシー(WX)
チャイデジ(STV)
ザナイン(NCTY)
チャイナ・メディカル(CMED)
マインドレイ(MR)
スリー・エス(SSRX)
フキ(FUQI)
ロングトップ(LFT)

あたりではないでしょうか?。
ザナイン(NCTY)が第3四半期決算を発表しています。

売上高: 4220万ドル +35%(コンセンサス①ファースト・コール4000万ドル、②ロイター4300万ドル)
EPS:17セント (コンセンサス①ファースト・コール21セント、②ロイター23セント)

売上高の内訳: サブスクライバー売上高3720万ドル、アイテム売上高430万ドル。
全社PCU:98.5万人

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今期の決算は『WoW』のエクステンション・パック、『バーニング・クルセード』を約20日分含んでいます。しかし期の大半はこの新製品待ちの状態だったので、「過渡期の四半期だった」と言う事ができると思います。