ニックネーム:   パスワード:
| MyDoblogトップ | Doblogポータル | Doblogガイド | ユーザ登録 | 使い方 | よくある質問 | ツールバー | サポート |
いちカイにヤリ 投資世代(ロシア株、インド株、中国株、ブラジル株、ADR、BRICs)
Blog
[ 総Blog数:2336件 ] [ このMyDoblogをブックマークする ] [ RSS0.91   RSS1.0   RSS2.0 ] [ ATOM ]
2008/04/13のBlog
先ず断っておくと今日ここで書くことはあくまでも僕の妄想、ないしはドタ勘です。だから間違っているかもしれないし、「これが事実だ!」という風に真に受けないで欲しいんです。

実はこのエントリーを書こうか、書くまいか、一晩迷いました。

でもひょっとすると今アメリカの資本市場が巻き込まれている混乱の片鱗を我々が理解する上で一助になるのではないかな?という期待から敢えて書きます。なお、読者の方でもっと詳しい事情を知っている方、仕組みを理解している方が居れば間違いの指摘、助太刀などお願いします。

 * * *

金曜日のジェネラル・エレクトリック(GE)のプロフィット・ウォーニングはちょっと驚愕ものでした。GEという株はそもそも値運びがとてもマイルドな株ですから、一日に3%も上がったり、下がったり普段はしないのです。

それが金曜日は12%近くも下がった。

これはGE株にとって1987年の大暴落以来のボラティリティーになるわけですから、アナリストや投資家の狼狽ぶりもわかろうというものです。

さらにGEはつい最近(3月12日のカンファレンス・コール)まで「ビジネスはOKだよ」と投資家に説明していて、事態がそんなに悪くなっているという様子は全然見せていなかったのです。実際、イメルトCEOも自らの個人口座でGE株を買い増ししたりしていました。

ところが「ベア・スターンズ株が暴落した直後に事態が急速に暗転した」と言うのです。

今回の悪決算の原因の大部分はGEキャピタルが原因です。実際、アナリスト予想と食い違った5億ドルの未達部分は全てベア・スターンズの救済の直後に発生したと昨日のカンファレンス・コールで説明がありました。


でも、おかしいですよね?

ベア・スターンズ株がつるべ落としで暴落していてアメリカの資本市場が麻痺したその過程で問題が雪だるま式に増えていったのなら兎も角、ベア・スターンズが救済された直後に5億ドルの欠損が出たというのは。


この部分を聞いて僕の中に宿るシャーロック・ホームズ的好奇心が駆り立てられたんです。

ベア・スターンズが土壇場でJPモルガンに救済された事は多くの投資家や資本市場参加者に安堵をもたらしたわけですが、その影に隠れて地団駄踏んでいる連中も居ることは余り一般の人は気が付いていません。その連中とはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で会社の倒産する側に賭けていた人たちです。

今、専門家の方に笑われるかと思いますけど、極めて単純化した議論をすれば、CDSというのは倒産保険ですから倒産しなければ無価値になるんです。つまり掛け捨てです。

JPモルガンによる救済の前と後でアメリカの資本市場の何が変わったか?という問題をもう一度自問してみると、今回の事件で「FEDは大型倒産は起きないように断固とした措置を取る」ということが明白になったということです。政府が介入して事前に救済することがわかった以上、もう今後も大型の倒産は無いし、そうなれば倒産保険の価値は無いのです。

憶測でモノを書くのは不謹慎かもしれませんけど、今回のGEキャピタルの一件を見て僕が感じたのは上に説明したような仕組みから、GEキャピタルが用いていたヘッジが逆を突かれた可能性が高いのではないかしら?ということです。

「それならそうと何でちゃんと説明しないの?」

という風に皆さんは思うかも知れません。

でも、ここのところは実はとてもビミョーなのです。なぜならCDSというのは「チョイ悪」商品だからです。

実はCDSはどの監督機関からも監督されていない「抜け道」商品です。商品の性格からすればCDSは「保険」になると思います。実際、CDSは:

「2人の当事者が約束する私的な契約で、その保険の買い手はデフォルトが発生した際、売り手から保険金を得ることを前提に保険プレミアムを売り手に支払う取り決めである」

と定義されています。

でも投資銀行業界の人はCDSが「保険である」と言ったら凄く感情的になってギャアギャア反論してくるんです。僕はかねてから「なぜそんなに意固地になって反論するんだろう?!”#$?」と不思議に思ってきました。でも最近はだんだんそのココロが呑み込めるようになっています。

つまりアメリカでは保険というのは連邦政府ではなく、州政府が規制する商品なんです。ですから個々の保険商品は基本、それぞれの州で承認を得る必要があります。僕がこのルールを初めて知ったのは確か1988年頃にイギリスのタバコの会社BATがファーマーズという損保を買収したときです。買収が完了するのに「1年以上もかかる」とアナリストが言ったので、「へ~っ、呑気な話だね。なんでそんなに時間がかかるの?」と質問したんです。アナリストが答えたのは「BATはタバコの会社だろ?だからアメリカの州政府は保険会社がタバコの会社に買収されるのは厭なんだよ。それで州ごとの審査がとても時間がかかるんだ」ということでした。

さて、投資銀行業界の人がCDSを保険と呼ばない理由は住宅ローン証券などの複合的ないんちきペーパーはその根拠になっている裏打ち資産が複数の州にまたがってチャンポンになっている場合があると思うんです。だからいちいち個々の州の承認とか取ってられないという時間的制約があると思います。

それから保険と言う風に分類されたら、ちゃんとその保険会社が強固なバランスシートをしているか?などの資本面での適格性を問われるかも知れません。レバレッジ・ジャンキーの皆さんからすれば資本面での適格性を問われることはいちばん嫌うことです。

これらの事から投資銀行業界はCDSがそういう州政府からの監視の網にひっかからないよう大変苦労して脱法行為をしてきたわけです。

実はビル・クリントンが大統領の任期が切れる直前に批准した法律に「商品先物近代化法」というのがあります。これは「相対取引のデリバティブ市場を活性化するためにはオーバー・レギュレーションはいけない、だから規制緩和の一環として、CDSはSECやCFTCの管轄外に置こう」という立法なのです。(この立法を起案したテキサスの某有力議員は奥さんがエンロンの重役だったことで有名です。同じ議員がグラス・スティーガル法の撤廃も起案しています。この議員さんは米国の証券法を徹底的に骨抜きにした腕前を買われて、後にUBSの重役になりました。UBSはその後、サブプライム問題で最初に大穴をあけて一躍有名になりましたけど、この議員さんの半生を映画にしたら『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』よりもっと面白い映画になると思うんです。)

そうした一連の経緯でCDSは州政府からも、SECからも、CFTCからも規制されない、「無法地帯商品」になったわけです。僕流に言えば「r/K selection theory」の世界がここに完成したというわけです。

しかし、本来、保険商品であるCDSが、保険商品として規制されないということは極めて大きなモラル・ハザードを生むのです。

保険金殺人を例に出すまでもなく、CDSのような倒産保険を購入する人は倒産すれば保険金が入るわけですから保険をかけていた甲斐があるわけです。この場合、リスクヘッジ目的でCDSを購入するのなら、モラル・ハザードはありません。

でもアンダーライング・アセット、つまりその保険の対象となる資産そのものをロング(=買い持ち)にせず、ただ倒産保険だけを購入(=ネイキッド・ポジション)したとしたら、、、どうでしょう?。

この場合、その会社が潰れたら嬉しいわけです。

つまり倒産保険の購入者は会社が潰れることが好都合だという風になるのです。

実はこの問題はイギリスで損害保険が発達したときに最初に出てきた問題で、1746年に英国議会は「海事保険法」という法律を通過させ、「海難保険を購入する投資家はその船の所有者に限る」ということを決めています。保険金殺人ならぬ、保険金目当てのサボタージを防ぐためです。

話が長くなりました。

ベア・スターンズが救済される直前・直後のマーケットの動きに関して、リーマンのファルドCEOが公聴会に呼ばれて証言した際、「わざとベアが倒産するようにけしかけた不届き者がいる」という旨の証言をしています。

もう僕の言いたい事は皆さんおわかり頂けたと思うんですけど、デフォルト・スワップに類する商品へ投資することは、このように利害矛盾の地雷原に足を踏み入れることに他ならないんです。

正義の味方、清い清い会社であるジェネラル・エレクトリックが、そんな「チョイ悪」なことに手を出していた、、、、なんて事になったら、株主はイメルトCEOの退陣を要求するでしょうね。
2008/04/12のBlog
グローバライゼーションを考える際、我々はつい悪い癖で「過去に今ほど世の中がグローバライズした事は無かった」などと断定しがちです。

でも国際間の資本移動という観点からはこの見解は正しくありません。

実際には:

①1880年~1913年の資本主義が世界を席巻した時代
②1914年~1924年の、第一次大戦復興ブームの時代
③1945年~1950年の、第二次大戦復興ブームの時代
④1980年頃のオイル・ダラーのリサイクルの時代
⑤現代

の5つのピークがあります。規模的には②が最大で、次が①という順です。

①のブームのときはアフリカ大陸の植民地化が急激な速度で進みました。
リンクした記事の一番下のグラフがクロスボーダーの資本取引の状況を示しています。)
国際間の資本移動が活発な時期は金融パニックが多発する時期でもあります。実際、①の期間には実に22回も金融パニックがおこっています。その中でも一番有名なのが1889年のアルゼンチンのベアリング恐慌だと思います。

この時は英国が北米や南米に積極的に投資した時期でもあります。(右のグラフ参照)

アメリカが一流の工業国として成長したのもこの時期です。(右は粗鋼生産のグラフ)




アフリカの分割が完了した直後あたりから列強は軍艦の建造合戦をはじめます。


また兵員の増強も急ピッチでした。

因みに1890年代のロシアの経済成長率は平均すると8%くらいでした。

(なんとなく昨今のBRICsブームを想起させると感じるのは僕だけでしょうか?)



さて、現在の状況を考えるとアメリカだけが突出した超大国であった時代は9・11辺りを境に終焉し、世界は新しいスーパー・パワーが新たに手にした経済力を示威し合う、大競争時代に入りつつある気がします。

ただ①の時代と違う点は、当時は資源を求めて列強がどんどん植民地支配を強めていったわけですけど、今の各国には少なくとも領土的な野心は余り無い(?)点です。

むしろインドにしろ中国にしろ、国内に存在する格差を如何にバランスを取ってゆくか?という点の方が目下は大事な問題かもしれません。

その場合、例えば最近話題になっているお米の価格の高騰など(=それは突き詰めて考えれば「水問題」なのです)が社会の不安定化の引き金になる気がしてなりません。
2008/04/11のBlog
ウーシー・ファーマテック(WX)が急落しています。

僕の考えでは現在マーケティング中の公募増資がいよいよ値決め目前に迫っているので最多需要帯に場で付いている値段を値寄せするためにわざと株価が叩かれているだけで、特に悪い材料は無いと思います。

こういう場合、値決めの後で株価が鋭角的に戻るケースが多いですからここは慌てない方が良いでしょう。
僕は自分が投資するにあたってマーケット・コール(=つまり相場の高い、安いを言い当てること)は重視していません。

もちろん、上手く言い当てられればそれに越したことはないし、下手なところで手を出して損したり、ずっと資金を寝かせる非効率とかも避けられるので、「出来ればマーケット・タイミングに上手くなりたいなぁ」という風な願望は普段抱いています。

でも上手くないものはしょうがないと思うんです。

「当たらないとわかっているなら、なぜ書くんだ!」

というお叱りの声があることは承知しています。

僕が書きたいのは「相場に接するこころ」、つまり投資家のエモーションの問題なのです。漫画はときどきしか登場しませんけど、主にそういう投資家が自暴自棄になっているとき、丁寧な相場を張ることが必要な局面だけに使用しようと思っています。

だからそういう場面が無ければ漫画は出ません。

それから僕の基本的な相場観は強気であり、去年秋以来、相場はずっと右肩下がりですから僕は間違っているわけです。

でも僕は基本、いまの下げ局面は(とりわけBRICsに関しては)新たなベア・マーケットの始まりという風には捉えていません。むしろ単なる一時的な調整だと思っています。特にFEDが政策金利をぐんぐん下げているときというのは思わぬ反騰相場に気をつけないといけないのです。


 * * *

ちょっと絵を解説すると、「Good to Go!」というのは「出動していいよ!」くらいの意味です。8月の安値の飛行機の絵は「スクランブル発進せよ!」です。

「まさか忘れたわけじゃないでしょうね、アタイのこと」というのはA株市場でのロックアップ切れが今後どんどん出てくることを警告したもの。

火星人の絵は中国関連の小型株がNY市場で乱舞したことに警鐘をならすもの。

おんなの人のお尻の絵は「Shooting from the hip」、つまり曲撃ちみたいな買い方をすることに対する警鐘。

体操の写真は「本番で、普段勉強した基本を忘れず、あがらずに買ってください」という絵です。
フォーカス・メディア(ティッカー:FMCN)がプロフィット・ウォーニングしています。

2008年通年のモバイル広告部門の売り上げガイダンス:

旧:5400~5580万ドル
新:1400~1580万ドル(▼71~75%)

その他の部門のガイダンス:

不変

2008年通年の全社売り上げガイダンス:

旧:9.0~9.3億ドル
新:8.6~8.9億ドル


 * * *

下方修正幅が大きかったので今回のモバイル広告部門の下方修正に便乗する形で他部門のビジネスの減速もこっそり混入させているかな?と思ったのですけど、そういう事は無いようです。




今日のウォール・ストリート・ジャーナルに「コンテナの不足で輸出ブームが脅かされる」という見出しの記事があります。

日本の投資家は「アメリカはサブプライム問題で経済がグチャグチャになっているから、全部駄目だろう」という風に断定する方が多いですけど、それは間違っています。

ドル安でアメリカの輸出部門は今、空前のブームになっているのです。実際、ブーム過ぎてコンテナが不足するくらい好景気なのです。

「それじゃなぜ貿易収支にそれが出ないの?」と皆さん思うかもしれません。その理由は原油をはじめとするコモディティー価格の高騰がひとつの要因だと思います。それに隠れてしまう形でアメリカ製造業のルネッサンスが気付かれずに見過ごされているのです。

 * * *

僕のアメリカに対する考えはこうです:

1.サブプライム問題の金融機関への影響は最も恐ろしい局面は既に過ぎ去った。
2.但し住宅価格自体は今後も長年に渡って復活出来ない。
3.アメリカの消費者は懐がすごく傷んでいる。だから消費は期待できない。
4.それは米国に輸出することで繁栄している国(=例えば中国)は今後きつくなることを意味する。
5.でもアメリカの資産価格は割安感が強いので今後世界の投資家の人気を集める(=一例としてはミレニウム・ファーマシューティカルズ、、、こんなひどい会社でも「買いたい!」という酔狂なガイジンが出てくる、、、そのくらいドルは安いし、アメリカの資産は割安なのです。)

[ 00:36 ] [ 資源 ]
原油価格が高値を更新しているので皆さんから「話が違う、アップデートしてくれ」というリクエストを沢山頂きました。

ありがとうございます。


僕の今の考えを書きます。

結論的には今原油価格が高値を更新しているのは全て投機筋の買いで、この高値更新は実需を凄いスピードで破壊しており、将来の原油のベア相場の谷が一層深くなるタネを蒔いているに等しいと考えています。

もちろん、モメンタムに任せた「エイヤア!」という買い上がり方ですから何処まで上値があるかは僕には言い当てられません。でも今石油のETF(例えばティッカー:OILというのがあります)を買うのは極めて危険だと思います。

その理由を順番に説明します。

先ず今日、シェブロン(CHV)がプロフィット・ウォーニング(悪決算の警告)をしました。その直接の理由は精製部門が儲かっていないということが原因です。インプット・コスト(原油の仕入れコスト)が騰がりすぎて、精製マージンが縮小したのが原因です。

右のグラフは上から全米平均のガソリン価格、真ん中が卸売り価格、一番下が原油価格です。

これを見ると:

1.そもそもガソリン価格と原油価格の差(ディファレンシャル=マージン)が縮小している

2.特に卸売り価格は原油価格と極めて接近している


ということがわかると思います。

「そんなにマージンが縮小したのなら、値上げすりゃ良いじゃん?」

と皆さん思うかも知れません。

値上げはしています。

(僕の住んでいる当たりでも既にレギュラー・ガソリンでガロン当たりUS$3.80近くになっており、僕のSUVを満タンにするとUS$80もかかります。こんな経験は初めてです。)

でもそろそろ消費者は悲鳴を上げており、皆、なるべくクルマを運転しないように心がけています。実際、米国のガソリン需要は過去12週間連続で前年比を下回りました。こんなにコンスタントに最終需要が低迷するのは1991年の景気後退の時以来です。
一方、ガソリンの在庫は現在2.213億バレルで、去年の1.997億バレルより未だ遥かに高い水準です。

こうした状況の中で米国の石油会社は今、製油所を休止し始めています。なぜなら精製しても儲からないし、これ以上値上げしても売れないからです。

つまりアメリカは「もう原油は持って来ないで呉れ」と言っているわけです。

すると早晩、湾岸諸国などから輸出される原油はだぶついてくると思うわけです。


PS:商品の市場は住宅ローン市場同様、1990年代後半に大幅な規制緩和があり、所謂、「エンロン・ループホール」と呼ばれる「私設取引所」(=勝手にマーケット・メイクして良い)が大繁盛しました。電力のホールセール市場やインターネットのBandwidthトレーディングはエンロンが「開拓」したものですけど、それと酷似した「いんちきペーパー」市場が今、他の工業コモディティーで隆盛を誇っていると聞いています。インドのPノーツ市場が急に緊縮したように、証券会社の信用をバックにイシューされているコモディティー・ノーツのたぐいは急に流動性が無くなる危険があるのではないでしょうか?。
2008/04/09のBlog
数ある米国のマネー番組の中でも一番品が無いのがCNBCの『MAD MONEY』でしょうね。

この番組のホストはジム・クレーマーです。

例によって陳腐なジョークを連発して、意味不明のことをぎゃあぎゃあがなりたてているわけですけど、番組で取り上げる銘柄についてちゃんとした取材チーム(いわばバイサイド・アナリストですか?)をジムが持っていることは視聴者には余り知られていないと思うんです。

これまでにジムが取り上げた銘柄はメチェル(MTL)とウイン・ビル・ダン(WBD)です。

ウイン・ビル・ダンはジムによるとネスレないしはコカ・コーラから買収される可能性がある(最近、WBDのライバル、レベディンスキーはペプシコに買われました)ことに加えて、ロシアでは最近、少子化対策で国が子作り奨励政策をしていることもベビー・フード部門を持つWBDにとってはプラスです。

それから牛乳の仕入れコストが13%下がっているというのは初耳でした。
2008/04/08のBlog
アグリア(GRO)に良くないニュースが出ました。

COOのフランク・スーが4月1日付で退社するのだそうです。
彼は農協との関係をまとめていた人で、同社のキー・パーソンのひとりです。

但し彼はアグリアの子会社、プリマライツⅢアグリカルチャー・デベロップメンツ社(アグリアの中国国内の営業主体)の会長の肩書きは今後も維持するそうです。

このニュースとあわせて同社は2007年の会計監査が遅延しており6月30日の期限までに20-Fを提出できないリスクがあると発表しています。同時に以前に示した去年の第4四半期ならびに今年の第1四半期のガイダンスを撤回すると発表しています。

 * * *

今のところわかっているのはこれだけです。

去年の第4四半期の決算の発表がやけに遅延しているので「ちょっとおかしいな」と思ったのですけどはやり何か問題があるようですね。会社側のリリース、ないしはカンファレンス・コールなどでの事情説明を聞いてみたいと思います。


 * * *


(追記)

6-Kがファイルされたので少し状況がわかりました。

先ずCOOの退社と公認会計士が決算が〆られない問題は別々の問題ではなく、繋がっていると思います。

COOの退社の理由は僕流に平たく言えば「現場の苦労に対して上がそれ相応の報酬で報いなかったので辞めた」という感じです。

アグリアは所謂、ホールディング・カンパニー(=持ち株会社)構造になっていてNYに上場されているアグリア(GRO)がそのホールディング・カンパニー、その下で実際に事業の主体となっている企業がプリマライツⅢアグリカルチャー・デベロプメント社(=略してPⅢAD)です。書簡のやりとりから判断するとPⅢADは社内では「山西省チーム」というニックネームで呼ばれているようです。

さて、トウモロコシの種子を生産したり、羊の冷凍精子を生産したり、農家に対してそれを配達、販売するのは全てPⅢADがやっており、その山西省チームのボスが今回辞めるフランク・スーCOOです。彼の下にミンシー・ザン氏らの実務メンバーがいるようですけど、その山西省のチームは「自分たちの貢献に比べて報酬が余りに少なすぎる」ということを主張し、アグリアの株主で、共同CEOの会社であるBCL社から1800万ドルの報酬を山西省チームに支払って欲しいと要求したらしいです。

アグリアの重役会はこれに対して半額の900万ドルは認めたものの残りについては検討中という風に宙ぶらりんになっているようです。これにしびれを切らせたCOOがCOOの立場から辞任したというわけ。

会計監査が出来ないというのはこれだけ多くの社員報酬が支払われるか、支払われないかが宙ぶらりんになっているので費用や利益が確定できないからです。

なお、この報酬はアグリアの本体決算に与える影響としてはノン・キャッシュかつノン・ダイリューティブ(=EPS希釈原因にならない)です。

 * * *

僕の感想

1.先ず今回の辞任が担当者の横領や不正会計などでは無い点に安堵を覚えます。

2.また、会計の〆め方がわからないなどのコンピタンスの問題でない点もホッとしました。

3.それを断った上で現場部隊と経営企画側との間で大きな溝があり、それを上手く調整できなかった経営陣には失望するし、PⅢDAが今後アグリアに対して非協力的になれば実質的にリプレースメントを探すのはたいへん困難だと思います。
お米の価格が急騰しています。

タイ米の卸売り価格はついにトン当たりUS$1000の大台に乗せたようです。(右のチャートはちょっと古いです。)



米相場が急騰している第一の理由はそもそも近年世界のお米のストック(備蓄)が80年代前半の頃の水準まで下がっていて、ショックに対する準備が出来ていないことが挙げられると思います。(右グラフ参照)

折り悪く去年はバングラデシュでサイクロンがありお米が大被害を受けました。これにベトナムでの疫病の発生が重なったことから逼迫間が出たわけです。
これを受けてベトナムやインドやエジプトはお米の輸出を禁止すると発表しています。

香港はお米の9割をタイランドからの輸入に頼っています。

右のグラフにあるようにタイランドは世界最大のお米の輸出国です。

一部にはタイランドの農家がお米を出し渋りしており、それが価格高騰に一役買っているという観測もあります。タイ政府は「当面、お米を禁輸にする考えは無い」としています。

お米の価格高騰は暴動など社会不安の原因になりやすいです。実際、輸入に一番依存しているフィリピンではピリピリした雰囲気になっています。

しかし中期的な視点から見ると世界の米の生産の伸びは(ごく最近を除いては)順調であり、米不足が慢性化するとは一概に決め付けられないと思います。

実際、出し渋りされているタイランドの米が市場に出回り、来年以降の作付けが増えれば逼迫した状況は一転して解消する可能性もあります。

確実に言えることはタイランドの貿易収支にとってこれはプラス材料だということです。
2008/04/07のBlog
『ダイヤモンド・ザイ・オンライン』に新しい記事がUPされました。

特に世界の投資家が何故これまで「欧州の経済は強いぞ」と感じてきたのか?そのいきさつに関する部分の説明を読んでいただければ嬉しいです。
ヒラリー・クリントン候補の選挙参謀がまた交代します。

ヒラリー候補は予備選挙の戦局が有利でないことを理由にテキサスとオハイオの予備選挙の前に参謀をマーク・ペンに入れ替えたばかりでしたけど、そのペンを首にしないといけない事件が発生しました。

マーク・ペンはワシントンの政治コンサルタントですが、彼のクライアントのひとりがコロンビア政府であり、自由貿易協定調印を促進するためにロビイング活動を委託されていました。

ヒラリー候補はこのコロンビアとの自由貿易協定に反対の立場を取っています。そのヒラリー陣営の選挙参謀自らがコロンビア政府側について活動しているのはどう考えてもおかしい気がします。

さらに先週、コロンビアの代表が訪米したときに打ち合わせのミーティングにペン氏自らが出席したということで自由貿易に関する討論が選挙戦で交わされている真っ最中に「一体、ヒラリー陣営は何をやっているのだ?」という有権者の声が上がったわけです。

コロンビアのウリベ政権はつい3月の中ごろにお隣のエクアドルにコマンド部隊を派兵し、コロンビア政府に反対するFARCと呼ばれる反政府運動の運動家たちを掃討する電撃作戦を実施し、エクアドルとベネズエラの両方の政府から強い非難を浴びたばかりです。

コロンビア政府はアメリカ政府からバックアップされており、このコネクションにマーク・ペンも一役買っているのではないか?という印象をアメリカの有権者は持ち始めています。だからクリントン選挙事務所の参謀が南米での代理戦争のフィクサーをやっているというのではシャレにならないのです。

今週のヒラリーのこの問題に対する対応は極めて重要だと思います。若し世論をなだめることが出来なければヒラリーの大統領候補に指名される野望は挫折する可能性もあると思います。

(PS:書き忘れましたけどマーク・ペンは「傭兵」の会社、ブラック・ウォーターのコンサルタントでもあります。)
[ 00:11 ] [ マクロ・ストラテジー ]
以前にも書いたことですけど僕の今の相場観を繰り返しておくと:

1.ドルは中期的にブル局面に入る
2.先進国の株の中ではアメリカ株が欧州株より選好される
3.商品価格は下落する
4.BRICsには強気(順番としてはインド、中国、ロシア、最後がブラジル)
5.とりわけオリンピック恩恵銘柄は今素直に買っておけばウハウハ儲かる→SOHU、EDU、HMIN、ZNHなどなど

と言う風に考えています。

この考え方でとりわけ重要なのは当面の間は欧州で起こる事の方がアメリカの動向より重要だということです。

先日の勉強会でも少し説明しましたが、この理由のひとつは欧州の中央銀行の反射神経が米国のFRBより鈍い点が少なからず影響しています。
FEDは景気が後退すると見ると即、行動に移します。この一方でECBは常にタイミングが遅れるのです。これをクルマの乗り心地に喩えるとFEDはBMWであり、ECBはキャデラックなわけです

大抵の投資家はキャデラックのフニャフニャとした乗り心地を「景気が強い」という風に勘違いしていますけど、今の欧州経済は慣性の法則、ないしは惰性で強いように見えるだけで、実際にはもう利下げを始めないといけない時期に来ていると思います。

(なお「欧州では生産性の向上が見られ、これが欧州経済の巡航速度をチョッと切り上げた」という風に見るエコノミストとか居ますけど、僕はその考えには大反対です。過去5年のEU圏の平均GDP成長率は年率1.8%で、これは日本のそれに近いです。ちなみに米国は2.6%です。だから欧州が「強くなった」というのは詭弁に近いと思って居ます。)

そのことを政策金利のサイクルで見てみましょう。先ず米国のFEDは右の図のように04年の春から利上げを開始しました(赤線)。一方、ECBがようやく利上げに転じたのはFEDにまるまる1年半以上も遅れた2006年からです(青線)。

金利の引き上げ幅はどうでしょうか?米国のFFレートは2006年第2四半期に5.25%でピークをつけるまでに合計4.25%も引き上げられました。一方、欧州の利上げ幅は通算で2%です。つまりECBはFEDより動き出すのが遅かったし、動きも緩慢だということです。

さて、米国では去年の半ばからFFレートが相次いで利下げされ、これまでに通算3%も下げられました。この一方でECBは政策金利を4%に据え置いたままで未だ利下げに動いていません。これは何を意味するのでしょうか?

私の考えではこれは欧州が今後、米国に追従する形で景気後退を見ることを示唆していると思うんです。米国のFEDは既にザックリ政策金利を下げて、後は時間をかけて低金利が実態経済に効き目を表すのを待つ局面に入っています。つまり今後の利下げ幅は大きくないということです。

これと対照的にECBの状況は喩えて言うならば、そろそろ夏休みが終わろうとしているのに、夏休みの宿題に未だ全然手をつけていないのと同じです。つまりこれから慌てるのはECBの方だということです。欧州が金利を下げ始めればユーロの相対的な魅力は下がり、ドルの相対的な魅力は上がります。

商品価格はこれまでドル安を理由に買い進まれてきたわけですからドルが反発すると下がります。


そういうと皆さんは「でもアメリカはサブプライム問題でボロボロだし、今回の一連の救済措置で政府が金融機関に代わって自らのバランスシートを危険に晒し流動性の提供を始めている、、、」という風に反論されるかもしれません。

僕も当然、それは承知しています。

ただ、米国が財政の健全性を損なうのを十分承知の上で、それより「誰がボスであるかを世界に知らしめる」ことの方が大事だと考えはじめたのは例の9・11の直後からです。これは以前から何度も書いていますけどケネディー暗殺の後で米国の財政の采配が大きく変わった(=つまり緩慢になった)のと酷似しているし、ドルにとっては悪い材料でした。実際、巨視的に見てドル安局面が始まったのはちょうどその頃に遡るのです。

でも今はアメリカの国民はアタマを冷やし始めています。次の大統領が誰になっても、イラク戦争への継続的で高水準な支出は国民が認めないと思うのです。その意味ではドル安の局面は入り口や半ばではなくて、最終局面に来ていると考えるべきでしょう。

2008/04/06のBlog
[ 02:31 ] [ マクロ・ストラテジー ]
NYタイムズのフロイド・ノリスの書く記事はいつ読んでも勉強になります。

フロイド・ノリスはIMFの最新の『WEO』レポートにおける不動産市場の調査に焦点を当てて欧州における住宅ローン市場の急拡大は米国のそれに劣らない勢いだったことを指摘しています。

オランダ、デンマーク、英国、オーストラリアの各国はGDPに占める住宅ローン残高の割合が米国より高い(右のグラフ参照)し、とりわけオーストラリア、アイルランド、オランダ、スペインなどは1990年当時に比べて余りに急ピッチで住宅ローン市場が拡大しており、放埓な融資が横行していたに違いないことを暗示しています。

次にズッコケるのがどこか?は明白ですね。
世界の貯蓄ならびに投資は2003年頃に最低の水準にまで落ち込みました。

投資が振るわない理由はそもそも元手になる貯蓄が払底していたからです。
でも貯蓄が低迷した理由をよく見てみると先進国がその原因だったことがわかります。一方、新興国(とりわけ中国、産油国、東アジア)ではぐんぐん貯蓄が伸びています。


出典:WEO、OECD
[ 01:30 ] [ マクロ・ストラテジー ]
世界の生産性の向上

90年代の半ばから90年代末にかけては米国における生産性の向上が世界全体の数字の改善を牽引しました。しかし今は主にエマージング・マーケットにおける生産性の改善が世界全体の数字の改善に寄与しています。
そのエマージング・マーケットの生産性向上をもう少し詳しく地域別で見たのがこのグラフです。中国が常にトップであることは当然として、その他の新興国もまんべんなく生産性の向上に貢献してきていることがわかります。

出典:WEO2008年4月・世銀WDI
2008/04/01のBlog
[ 04:52 ] [ マクロ・ストラテジー ]
僕は日頃、投資の問題で疑問が出たら家内に相談することにしています。

家内はビジネス・スクールを出たわけでもないし投資理論を勉強したわけでもありません。だからギョーカイ人にありがちな紋切り型の発想に囚われずにフレッシュな視点から投資の問題を斬れる才能があるのです。

僕:「サブプライム問題って、、、知ってる?」

家内:「ああ、あのインチキ・ペーパーをババ抜きするゲームで投資銀行なんかが大損してる問題でしょ。」

僕:「うん、まあ、そんなところだね。」

僕:「ある日、或るバンカーが気付くんだ、、、いままで信用力が悪いことを理由に融資を受けられなかった借り手に対して、住宅ローンを組んであげて、それを束にして転売し、さらにデフォルト保険のお化粧を施せば、、、、新しいビジネス・チャンスが面白いように広がるってことにね。」

家内:「それってロバート・マッカーサーとE.O.ウィルソンの『島の生物地理学』の世界じゃん?」

僕:「何それ?」

家内:「ある島に移入種が入ったとするわね、その種がその島の環境条件にきわめて適応性が高ければ、その新参者は凄い勢いで繁殖する、、、」

僕:「CDOと同じだね」

家内:「そう。その場合、この新しい種は生物体として高等であったり、他の生物体より強い必要は無いわけ。」

僕:「と言うと?」

家内:「例えばネズミとか、虫とか、雑草とか、バクテリアとかウイルスでも良いわけ。これらの小生物は生物学の r/K selection theory では r に分類される生き物よ。」

僕:「それじゃ r に属するその新しい移入種が繁栄する強さの秘密ってのは、、どこにあるわけ?」

家内:「多分、ライフ・サイクルが短いということだと思う。たとえばネズミなら4週間で子供を産めるようになるわ。つまり再生産がはじまるわけ。」

僕:「なるほどね。」

家内:「だからライフ・サイクルのヴェロシティーの高い生物体ほど新しいチャンスに接して華々しく成功する。」

僕:「r/K selection theoryで言う K ってのは、じゃあ何なの?」

家内:「Kってのは例えば象とか人間とか鯨よ。」

僕:「なるほど」

家内:「Kに属する動物はケンカさせたら r より強いわよ。」

僕:「だろうね。」

家内:「だから限られた食物を奪い合うような状況では K は強いわ。でも K の弱点というのは例えば地球に隕石がぶち当たったりして気象が変化したりすると駄目なの。それは生命体の寿命が長いから急激に変わる外部環境に対して進化することで対応できないからね。」

僕:「なるほど。」

家内:「CDOなんかのデリバティブが出てきた状況というのは、だから言ってみれば隔離された島に新しい種が持ち込まれて