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2008/07/15のBlog
[ 11:28 ]
[ ウォール街の歴史 ]
ファニー・メイ(FNM)とフレディ・マック(FRE)について、しつこく書きます。
ファニー・メイとフレディ・マックの問題がこれほどまでに大きくなった理由はそもそも両社のバランスシートが余りにも大きすぎるという点にあると思うのです。
もともとファニー・メイは大恐慌の時代に持ち家促進の意図で設立された国の機関でした。その設立趣旨は「低所得者層の人が最初の持ち家を買う夢を叶えてあげよう」というものでした。
しかしアメリカがベトナム戦争の泥沼にはまってゆく頃、国庫への圧迫を軽減するためにファニー・メイは私企業として分離されたのです。それまでは政府の機関だったので若しファニー・メイに何かあった場合、国が尻拭いするのは当たり前だったわけですけど、私企業として再出発し、後に上場会社となった際も、「昔は政府の機関だったわけだから、政府が保証するのは当たり前、、、だよね?」という暗黙の了解はそのまま投資家のココロの中に宿り続けたわけです。
これがインプリシット・ギャランティー(implicit guarantee=言外の保証)と呼ばれるもので、ファニー・メイ債の格付けが決まったり、機関投資家がファニー・メイ債を買うかどうかの判断をする場合、決定的な役割を果たす同社の社債の特徴となったわけです。
するとファニー・メイ自体は民間企業だから、単独の民間企業としてのバランスシートの観点から、本来ならその安全性が精査されるべきなのですが、「国が保証するさ」という暗黙の了解があるからファニメ債の格付け、信頼性は常に同社のバランスシートの実態より背伸びした姿になったわけです。
実は住宅ローンの買取りの仕事などの面でファニー・メイやフレディ・マックは「専売特許」を持っているわけではなく、市中の銀行などと競争する関係にあります。しかしファニー・メイやフレディ・マックにはインプリシット・ギャランティーというアンフェア・アドバンテージがあったわけです。両社がどんどんガリバー的に成長できたひとつの理由はここなんです。
ファニー・メイとフレディ・マックの肥大化に対しては1990年頃から既に危惧の声が上がっていました。グリーンスパン前連銀議長もハッキリと「ファニーとフレディは後々で問題になるよ」と言っていたのを僕は覚えています。そこでお目付け役として米国連邦住宅公社監督局(OFHEO=「オフェロ」と発音します)という機関が設けられました。でもオフェロの監督権限は結構弱くて、「これじゃ取り締まりになってない!」という批判は幾度も出されてきました。
米国議会はファニーとフレディに対する監督を強化し、より厳格な自己資本規制を課すために何度も法改正を試みますが、いずれも最後の最後でバイパルチザン(民主党、共和党の「党のエゴ」から物事を発想すること)的な政治のゲームの対象となり、改革は挫折しました。それとファニーとフレディは政治献金を物凄く遣っていて、ワシントンDCでは顔役的な存在となっています。そのことも改革の鉈を鈍らせるのに大いに効果があった筈です。つまり議会が手をこまねいていたのも今回の問題がこれほどまでに大問題に発展したひとつの理由なのです。
最近ではこれまでファニーやフレディの「投資対象外」とされてきた所謂、「ジャンボ・ローン」への投資も許されるようになり、「貧しい人達の持ち家を促進する」という設立当初の尊い趣旨からは随分外れた活動にも手を染めていました。
今回、財務省が場合によってはファニーやフレディにエクイティー・キャピタルを注入できるように法改正する(=これはもっとシンプルな日本語に翻訳すると、「国有化」ということです)ことを下院に審議させる運びとなり、奇しくも議会は再びファニーとフレディの問題を再考しなければならないといけない立場となりました。しかし90年代には未だ子供だった恐竜は今度は馬鹿でかい図体の怪物になって戻ってきたというわけです。
ファニー・メイとフレディ・マックの問題がこれほどまでに大きくなった理由はそもそも両社のバランスシートが余りにも大きすぎるという点にあると思うのです。
もともとファニー・メイは大恐慌の時代に持ち家促進の意図で設立された国の機関でした。その設立趣旨は「低所得者層の人が最初の持ち家を買う夢を叶えてあげよう」というものでした。
しかしアメリカがベトナム戦争の泥沼にはまってゆく頃、国庫への圧迫を軽減するためにファニー・メイは私企業として分離されたのです。それまでは政府の機関だったので若しファニー・メイに何かあった場合、国が尻拭いするのは当たり前だったわけですけど、私企業として再出発し、後に上場会社となった際も、「昔は政府の機関だったわけだから、政府が保証するのは当たり前、、、だよね?」という暗黙の了解はそのまま投資家のココロの中に宿り続けたわけです。
これがインプリシット・ギャランティー(implicit guarantee=言外の保証)と呼ばれるもので、ファニー・メイ債の格付けが決まったり、機関投資家がファニー・メイ債を買うかどうかの判断をする場合、決定的な役割を果たす同社の社債の特徴となったわけです。
するとファニー・メイ自体は民間企業だから、単独の民間企業としてのバランスシートの観点から、本来ならその安全性が精査されるべきなのですが、「国が保証するさ」という暗黙の了解があるからファニメ債の格付け、信頼性は常に同社のバランスシートの実態より背伸びした姿になったわけです。
実は住宅ローンの買取りの仕事などの面でファニー・メイやフレディ・マックは「専売特許」を持っているわけではなく、市中の銀行などと競争する関係にあります。しかしファニー・メイやフレディ・マックにはインプリシット・ギャランティーというアンフェア・アドバンテージがあったわけです。両社がどんどんガリバー的に成長できたひとつの理由はここなんです。
ファニー・メイとフレディ・マックの肥大化に対しては1990年頃から既に危惧の声が上がっていました。グリーンスパン前連銀議長もハッキリと「ファニーとフレディは後々で問題になるよ」と言っていたのを僕は覚えています。そこでお目付け役として米国連邦住宅公社監督局(OFHEO=「オフェロ」と発音します)という機関が設けられました。でもオフェロの監督権限は結構弱くて、「これじゃ取り締まりになってない!」という批判は幾度も出されてきました。
米国議会はファニーとフレディに対する監督を強化し、より厳格な自己資本規制を課すために何度も法改正を試みますが、いずれも最後の最後でバイパルチザン(民主党、共和党の「党のエゴ」から物事を発想すること)的な政治のゲームの対象となり、改革は挫折しました。それとファニーとフレディは政治献金を物凄く遣っていて、ワシントンDCでは顔役的な存在となっています。そのことも改革の鉈を鈍らせるのに大いに効果があった筈です。つまり議会が手をこまねいていたのも今回の問題がこれほどまでに大問題に発展したひとつの理由なのです。
最近ではこれまでファニーやフレディの「投資対象外」とされてきた所謂、「ジャンボ・ローン」への投資も許されるようになり、「貧しい人達の持ち家を促進する」という設立当初の尊い趣旨からは随分外れた活動にも手を染めていました。
今回、財務省が場合によってはファニーやフレディにエクイティー・キャピタルを注入できるように法改正する(=これはもっとシンプルな日本語に翻訳すると、「国有化」ということです)ことを下院に審議させる運びとなり、奇しくも議会は再びファニーとフレディの問題を再考しなければならないといけない立場となりました。しかし90年代には未だ子供だった恐竜は今度は馬鹿でかい図体の怪物になって戻ってきたというわけです。
2008/07/14のBlog
[ 23:54 ]
[ ゴールド ]
金価格が戻り高値を狙う展開になっています。
思うにいま世界でコモディティー・ブームが来ている理由のひとつは、そもそもBRICsに代表される新興国からので需要云々という以前の問題として先進国、とりわけ米国のマネーが蝕まれているからではないでしょうか?。
マネーに対するコンフィデンス(信認)が毀損すると、一朝一夕にはそれを修復することはできません。
すると暫くはゴールドのような代替資産が注目を浴びると思うのです。
僕が証券の世界に入ったのは1980年代の半ばを過ぎた頃です。最初に勤めた日本の某証券会社の本社のウラに田中貴金属がありました。
当時の上司のOさん:
「むかしはね、毎日田中貴金属の前に行列が出来ていたんだよ。それでさあ、今日はその行列が何メートルあるか?という事を確かめて、お客さんに電話するだけでありがたがられた時代があったのさ。」
僕が生まれて最初に自分で株を買ったのはそのOさんの勧めでカナダのシルバラド・ゴールド・マインズという株でした。当時も所謂、「ペニー・ストック」みたいな、二束三文の株価で、僕の少ない貯金でも容易に買える金額でした。
Oさん:
「騙されたと思って買っておきな。そして暫く伝票を机の引き出しの中に放り込んでおいて、株価を見ないように、、、。」
それからほんの数ヶ月でシルバラドの株は2倍になりました。僕は(こんなボロい儲け話が世の中にあるのか?と思い、ますますシルバラドに強気になったのですが、、、)
Oさん:
「おい、あの株、お前まだ持ってんのか?、持ってるなら売っておけ!」
彼に言われるままに処分したら、ほどなくシルバラドの株価は元の値段まで下がってしまいました。
僕はそれからほどなくアメリカ株に転向し、ニューヨークに移りました。当時、日本の機関投資家の間ではポートフォリオの中に必ずひと銘柄だけは金鉱株を組み入れておくというのは常識でした。その頃までには80年代初頭のインフレは遠い記憶となっていましたけど、ポートフォリオ・マネージャーの基本動作として金鉱株を「捨て金」になっても良いからひとつだけは持っておくという習慣が未だ消えていなかったわけです。
でも長期の金価格の低迷でだんだんポートフォリオの中に金鉱株を残しておく理由付けが苦しくなり、気が付くと金鉱株は機関投資家のポートフォリオの中での居場所が無くなってしまいました。その後は金鉱株に投資する奴は「Gold bug」などと呼ばれて変人扱いされたのです。
それでも90年代初頭までは一応、新しいゴールドの銘柄もIPOされるにはされました。例えばペルーのブエナヴェンチュラ(BVN)などはエキサイティングなストーリーでした。でもカナダのブリエックスがとんでもない詐欺だとわかると、そのあたりを境に金鉱株のエクイティー・ファイナンシングは極めて難しくなったのです。外部ファイナンスが出来ないということは探索の業務も産金会社自社のキャッシュフローの範囲でこなさないといけない事を意味し、当然、こじんまりとした規模での探索しか出来なくなったわけです。
業界の置かれた状況がそんな具合ですから、フレッシュなストーリーというのは稀です。強いて言えば中国の柴金とかアフリカのゴールドコープ(GOLD)くらいが元気が良い程度ですね。
そんな中でモンゴルのオユ・トルゴイ金鉱の権益を所有するアイヴァンホー(IVN)のストーリーは久々にエキサイティングな材料だと思うのです。ストーリー的にはフリーポート(FCX)のグラスバーグを連想させます。そんなわけで、6月に行われたモンゴルの総選挙には注目していたのですが、選挙結果を巡って騒乱が発生するなど、なかなか安心して投資できる環境では無いと思います。
モンゴルは日本海から欧州までの間で唯一の民主主義の国でいままでは穏健に選挙が執り行われてきました。だから選挙結果を巡って、これだけ荒れたというのは正直驚きでした。いちばんびっくりしているのはモンゴル人自身かもしれません。ニューヨーク・タイムズなどの書き方では「お酒に酔った勢いで騒いだら、エスカレートしちゃった」風の解説でした。
モンゴルの鉱山法はいま詰められているところですけど、いずれにせよ明らかなことは野党の案でも与党の案でも外国企業(=アイバンホー+リオチント)の持ち株比率は過半数以下に下がることは間違いないという点です。(これ自体は僕はずっと前から想定してきたことなので、別に悪材料では無いと考えています。)
でもチョッと怖いなと思ったのは選挙の過程で、候補者の一部は「僕が当選した暁には金山の富の一部をゴールド・ノートみたいなカタチで有権者に還元する」というような約束をする候補者が続出しているらしいことです。つまり未だ金が出る前から、その山分け方法を有権者に公約して買票行為をしている、、、。これは結構、怖いことだなと思いました。
早い話、モンゴル政府にはオユ・トルゴイを自力で開発するだけの資金力も技術力もありません。外国の金融機関は実績のあるプロジェクト・マネージャー(=例えばリオチント)が噛んでいないと融資もしないと思うのです。するとモンゴルの政治家は「ガイジンを蹴り出せ!」とか何とか言っているけど、現実問題として外国企業は若しモンゴルという国が「開発でゆく!」という途を選ぶのであれば絶対必要なパートナーだと思うんです。また、「ガイジンを排せ!」と言っている矢先から、「金が出たら、お前にも分け前をやるからさぁ。皆でリッチになろうぜ!」という極めて軽率な約束をしてしまっている、、、。
どこの国でも一緒だな。
思うにいま世界でコモディティー・ブームが来ている理由のひとつは、そもそもBRICsに代表される新興国からので需要云々という以前の問題として先進国、とりわけ米国のマネーが蝕まれているからではないでしょうか?。
マネーに対するコンフィデンス(信認)が毀損すると、一朝一夕にはそれを修復することはできません。
すると暫くはゴールドのような代替資産が注目を浴びると思うのです。
僕が証券の世界に入ったのは1980年代の半ばを過ぎた頃です。最初に勤めた日本の某証券会社の本社のウラに田中貴金属がありました。
当時の上司のOさん:
「むかしはね、毎日田中貴金属の前に行列が出来ていたんだよ。それでさあ、今日はその行列が何メートルあるか?という事を確かめて、お客さんに電話するだけでありがたがられた時代があったのさ。」
僕が生まれて最初に自分で株を買ったのはそのOさんの勧めでカナダのシルバラド・ゴールド・マインズという株でした。当時も所謂、「ペニー・ストック」みたいな、二束三文の株価で、僕の少ない貯金でも容易に買える金額でした。
Oさん:
「騙されたと思って買っておきな。そして暫く伝票を机の引き出しの中に放り込んでおいて、株価を見ないように、、、。」
それからほんの数ヶ月でシルバラドの株は2倍になりました。僕は(こんなボロい儲け話が世の中にあるのか?と思い、ますますシルバラドに強気になったのですが、、、)
Oさん:
「おい、あの株、お前まだ持ってんのか?、持ってるなら売っておけ!」
彼に言われるままに処分したら、ほどなくシルバラドの株価は元の値段まで下がってしまいました。
僕はそれからほどなくアメリカ株に転向し、ニューヨークに移りました。当時、日本の機関投資家の間ではポートフォリオの中に必ずひと銘柄だけは金鉱株を組み入れておくというのは常識でした。その頃までには80年代初頭のインフレは遠い記憶となっていましたけど、ポートフォリオ・マネージャーの基本動作として金鉱株を「捨て金」になっても良いからひとつだけは持っておくという習慣が未だ消えていなかったわけです。
でも長期の金価格の低迷でだんだんポートフォリオの中に金鉱株を残しておく理由付けが苦しくなり、気が付くと金鉱株は機関投資家のポートフォリオの中での居場所が無くなってしまいました。その後は金鉱株に投資する奴は「Gold bug」などと呼ばれて変人扱いされたのです。
それでも90年代初頭までは一応、新しいゴールドの銘柄もIPOされるにはされました。例えばペルーのブエナヴェンチュラ(BVN)などはエキサイティングなストーリーでした。でもカナダのブリエックスがとんでもない詐欺だとわかると、そのあたりを境に金鉱株のエクイティー・ファイナンシングは極めて難しくなったのです。外部ファイナンスが出来ないということは探索の業務も産金会社自社のキャッシュフローの範囲でこなさないといけない事を意味し、当然、こじんまりとした規模での探索しか出来なくなったわけです。
業界の置かれた状況がそんな具合ですから、フレッシュなストーリーというのは稀です。強いて言えば中国の柴金とかアフリカのゴールドコープ(GOLD)くらいが元気が良い程度ですね。
そんな中でモンゴルのオユ・トルゴイ金鉱の権益を所有するアイヴァンホー(IVN)のストーリーは久々にエキサイティングな材料だと思うのです。ストーリー的にはフリーポート(FCX)のグラスバーグを連想させます。そんなわけで、6月に行われたモンゴルの総選挙には注目していたのですが、選挙結果を巡って騒乱が発生するなど、なかなか安心して投資できる環境では無いと思います。
モンゴルは日本海から欧州までの間で唯一の民主主義の国でいままでは穏健に選挙が執り行われてきました。だから選挙結果を巡って、これだけ荒れたというのは正直驚きでした。いちばんびっくりしているのはモンゴル人自身かもしれません。ニューヨーク・タイムズなどの書き方では「お酒に酔った勢いで騒いだら、エスカレートしちゃった」風の解説でした。
モンゴルの鉱山法はいま詰められているところですけど、いずれにせよ明らかなことは野党の案でも与党の案でも外国企業(=アイバンホー+リオチント)の持ち株比率は過半数以下に下がることは間違いないという点です。(これ自体は僕はずっと前から想定してきたことなので、別に悪材料では無いと考えています。)
でもチョッと怖いなと思ったのは選挙の過程で、候補者の一部は「僕が当選した暁には金山の富の一部をゴールド・ノートみたいなカタチで有権者に還元する」というような約束をする候補者が続出しているらしいことです。つまり未だ金が出る前から、その山分け方法を有権者に公約して買票行為をしている、、、。これは結構、怖いことだなと思いました。
早い話、モンゴル政府にはオユ・トルゴイを自力で開発するだけの資金力も技術力もありません。外国の金融機関は実績のあるプロジェクト・マネージャー(=例えばリオチント)が噛んでいないと融資もしないと思うのです。するとモンゴルの政治家は「ガイジンを蹴り出せ!」とか何とか言っているけど、現実問題として外国企業は若しモンゴルという国が「開発でゆく!」という途を選ぶのであれば絶対必要なパートナーだと思うんです。また、「ガイジンを排せ!」と言っている矢先から、「金が出たら、お前にも分け前をやるからさぁ。皆でリッチになろうぜ!」という極めて軽率な約束をしてしまっている、、、。
どこの国でも一緒だな。
[ 23:10 ]
[ グローバライゼーション ]
ブルームバーグのオンデマンド・ビデオにジム・ロジャーズが出ていて、アメリカ政府がファニーとフレディの救済に動こうとしていることに対してボロクソに貶していました。
「だいいちファニーやフレディの社債や株式を買う投資家は、プロスペクタス(目論見書)を読めばこれらの会社のペーパーが政府の保証つきでないことは明らかだし、バランスシートのおぞましさは一目瞭然だ」
全くジムの言うとおりです。
「それからもう政府の資金を投入してファニーやフレディを救うような構想を勝手に発表しているけど、米国民はそうして欲しいかどうかお伺いを立てられていない。」
つまり民主主義の手続きがちゃんと踏襲されていないことを指摘しています。これも正論。
「ファニメ債とかは中国政府や日本の金融機関もしこたま持っている、、、アメリカ国民の公金を使って、かれらを救済するのはおかしい。」
これも正論。
それから米国の斜陽とか覇権の終焉とかを皆さんご指摘されていますけど、確かにそうなのかもしれません。でもその前に皆さんが心配しないといけないのは若しファニメ債とかに何かあれば「対岸の火事」では済まないということです。
「だいいちファニーやフレディの社債や株式を買う投資家は、プロスペクタス(目論見書)を読めばこれらの会社のペーパーが政府の保証つきでないことは明らかだし、バランスシートのおぞましさは一目瞭然だ」
全くジムの言うとおりです。
「それからもう政府の資金を投入してファニーやフレディを救うような構想を勝手に発表しているけど、米国民はそうして欲しいかどうかお伺いを立てられていない。」
つまり民主主義の手続きがちゃんと踏襲されていないことを指摘しています。これも正論。
「ファニメ債とかは中国政府や日本の金融機関もしこたま持っている、、、アメリカ国民の公金を使って、かれらを救済するのはおかしい。」
これも正論。
それから米国の斜陽とか覇権の終焉とかを皆さんご指摘されていますけど、確かにそうなのかもしれません。でもその前に皆さんが心配しないといけないのは若しファニメ債とかに何かあれば「対岸の火事」では済まないということです。
[ 14:40 ]
[ コミュニティー連絡事項 ]
インドのITアウトソーシング業界に関する新しい記事がUPされています。
[ 13:51 ]
[ コミュニティー連絡事項 ]
2008/07/12のBlog
[ 01:17 ]
[ デジタル・メディア ]
今日このブログへの累計アクセス数が500万ヒットに達しました。アクセスして呉れている皆さん、ありがとうございます。
ほんの遊びのつもりで始めたブログですけど、やはり500万ヒットとなると感慨深いものがあります。改めて「こういうメディアがあるんだよ」と教えていただいた春山さん(『おかねのこねた』)に感謝します。
最近の金融市場で起こっていること、そしてDoblogに代表されるブログ・コミュニティーで起こっていることを見るにつけ、世の中変わりつつあると感じざるを得ません。
まず感じる第一番目の点は総合証券という言葉がだんだん輝きを失っているということ。僕が証券業に身を置いた、1980年代後半から今世紀までの業界のトレンドというのは、いかに金融を巡るもろもろのサービスをひとつの屋根の下に統合するか?というユニバーサル・バンキング化のトレンドでした。その代表的な例がソロモン・ブラザーズや保険のトラベラーズを買収したシティ(C)であり、スイスのプライベート・バンクと投資銀行のウォーバーグ、ワイヤーハウスのペイン・ウエバーを統合したUBS(UBS)であるわけです。
しかしそのシティやUBSは沈む船から家財道具を海に投げ込むように今どんどん部門を売却しようとしています。
強大な資本を背景にすべてを自前で賄い、顧客との関係をロックインするというのは、喩えて言えば昔のIBMのメインフレーム・コンピュータに似たビジネス・モデルです。
ほんの遊びのつもりで始めたブログですけど、やはり500万ヒットとなると感慨深いものがあります。改めて「こういうメディアがあるんだよ」と教えていただいた春山さん(『おかねのこねた』)に感謝します。
最近の金融市場で起こっていること、そしてDoblogに代表されるブログ・コミュニティーで起こっていることを見るにつけ、世の中変わりつつあると感じざるを得ません。
まず感じる第一番目の点は総合証券という言葉がだんだん輝きを失っているということ。僕が証券業に身を置いた、1980年代後半から今世紀までの業界のトレンドというのは、いかに金融を巡るもろもろのサービスをひとつの屋根の下に統合するか?というユニバーサル・バンキング化のトレンドでした。その代表的な例がソロモン・ブラザーズや保険のトラベラーズを買収したシティ(C)であり、スイスのプライベート・バンクと投資銀行のウォーバーグ、ワイヤーハウスのペイン・ウエバーを統合したUBS(UBS)であるわけです。
しかしそのシティやUBSは沈む船から家財道具を海に投げ込むように今どんどん部門を売却しようとしています。
強大な資本を背景にすべてを自前で賄い、顧客との関係をロックインするというのは、喩えて言えば昔のIBMのメインフレーム・コンピュータに似たビジネス・モデルです。
しかし最近はそういう囲い込み的な動きのある反面、証券サービスのアンバンドリング化も進んでいます。それは単にリサーチやトレーディングのようなフロント・オフィス機能にとどまらず、証券取引事務処理に関する余剰キャパシティを有効活用するための、バックオフィス機能の「座敷貸し」にも波及しつつあります。例えばプライム・ブローカレージというのはその一形態だと思うのです。
すると新しい証券サービスはむしろサーバー・スタックのような形態になっているわけです。他の業界は既にどんどんそういう時代の波に呑まれて変貌を遂げてしまったわけですから、むしろ証券業は遅れていると言えるでしょう。
すると新しい証券サービスはむしろサーバー・スタックのような形態になっているわけです。他の業界は既にどんどんそういう時代の波に呑まれて変貌を遂げてしまったわけですから、むしろ証券業は遅れていると言えるでしょう。
すると今の証券会社に求められていることはバランスシートの大きさや自社のオリジナル商品の取り揃えのバラエティーで勝負することではなく、どうやってコラボレーションの輪を広げてゆくか?ということなのかも知れません。
つまりイメージ的には全て自社内で完結している「孤高の」総合証券に対して、多種多様のサービス・プロバイダー(専門知識の供給者)を纏め、緩やかなエコ・システム(共棲環境)を構築しつつある新しいタイプの業者たち、、、という構図になるのかも知れません。
つまりイメージ的には全て自社内で完結している「孤高の」総合証券に対して、多種多様のサービス・プロバイダー(専門知識の供給者)を纏め、緩やかなエコ・システム(共棲環境)を構築しつつある新しいタイプの業者たち、、、という構図になるのかも知れません。
こうした「新旧の戦い」は、例えば投資雑誌ひとつを取っても鮮明に顕れています。
東洋経済などの伝統的経済誌や株式専門新聞などの広告主と、比較的最近登場したマネー/ライフスタイル誌の広告主の顔ぶれは随分違う気がします。
それはどちらが良いとか悪いとかという問題ではなくて、それぞれの陣営の守るべき既得権益の差かも知れません。
僕の昔の友人と話をすると、「最近出てきた、若い人向けのマネー雑誌など、読む気もしない!」と一蹴する人が多いです。でも『イノベーターのジレンマ』を例に出すまでもなく、安価でお手軽なソリューションがスケールアップし、エスタブリッシュメントの牙城に迫るというのはこれまでに幾度となく繰り返されてきたビジネスの世界の常識なのです。
東洋経済などの伝統的経済誌や株式専門新聞などの広告主と、比較的最近登場したマネー/ライフスタイル誌の広告主の顔ぶれは随分違う気がします。
それはどちらが良いとか悪いとかという問題ではなくて、それぞれの陣営の守るべき既得権益の差かも知れません。
僕の昔の友人と話をすると、「最近出てきた、若い人向けのマネー雑誌など、読む気もしない!」と一蹴する人が多いです。でも『イノベーターのジレンマ』を例に出すまでもなく、安価でお手軽なソリューションがスケールアップし、エスタブリッシュメントの牙城に迫るというのはこれまでに幾度となく繰り返されてきたビジネスの世界の常識なのです。
2008/07/11のBlog
[ 22:26 ]
[ アメリカ株 ]
金曜日の寄り付き前です。
ファニー・メイ(ティッカー:FNM)とフレディ・マック(ティッカー:FRE)が寄り前気配でそれぞれ▼45%、▼47.2%と暴落しています。
暴落している理由はNYタイムズが「ファニーとフレディが国有化された場合、それらの株式は無価値になる」という意味の事を書いたからです。
両社が国有化された場合、次に心配しないといけなくなるのはアメリカという国そのもののバランスシートです。なぜならファニーとフレディは巨大なバランスシートをしているのでアンクル・サム(=「親方日の丸」に相当する、米国政府を指す言葉です)の信用の度合いが物凄く変わってくるからです。
それは当然、為替市場などの、株式以外のマーケットにもインパクトを与えるはず。
ファニー・メイ(ティッカー:FNM)とフレディ・マック(ティッカー:FRE)が寄り前気配でそれぞれ▼45%、▼47.2%と暴落しています。
暴落している理由はNYタイムズが「ファニーとフレディが国有化された場合、それらの株式は無価値になる」という意味の事を書いたからです。
両社が国有化された場合、次に心配しないといけなくなるのはアメリカという国そのもののバランスシートです。なぜならファニーとフレディは巨大なバランスシートをしているのでアンクル・サム(=「親方日の丸」に相当する、米国政府を指す言葉です)の信用の度合いが物凄く変わってくるからです。
それは当然、為替市場などの、株式以外のマーケットにもインパクトを与えるはず。
2008/07/10のBlog
[ 23:09 ]
[ アメリカ株 ]
この夏の世界の株安ですが、普段なら急落局面に登場する漫画が今回は登場していません。
それはどうしてか?と言えば、マーケットのセンチメントが陰の極に達するような、クライマックス的な展開が無かったからです。白旗降参(capitulation)が出ない事には相場の反転は無いと考えています。
前回の下げ局面ではベア・スターンズ救済劇がクライマックスでした。今回は何がそういう「恐怖の極点」になるのか、いろいろ考えているのですけど、「たぶん、これかなぁ?」と思っているのがファニー・メイ(FNM)とフレディ・マック(FRE)です。
ファニー・メイとフレディ・マックは住宅ローンの最大の買い手です。銀行は住宅ローンを消費者に組んであげて、融資を実行したとしても、そのローンをずっと自分の銀行のバランスシートに載せつづけるわけではありません。場合によってはそういうローンを「転売」することでお腹を軽くし、さらに別の消費者に対するローンを組めるような余裕を作るわけです。
ファニー・メイやフレディ・マックはそうやって住宅ローンを金融機関から買い取ることで実質的にローンを自由に売り買いできる流通性(marketability)を提供し、また流動性(liquidity)を提供しているわけです。
今は銀行をはじめアメリカの金融機関はどこもバランスシートを圧縮しようとしています。それは資産を処分することで実現するわけですが、そのためには処分される資産を誰かが買ってくれないと困るわけです。その最後の買い手がファニー・メイやフレディ・マックというわけ。
それはどうしてか?と言えば、マーケットのセンチメントが陰の極に達するような、クライマックス的な展開が無かったからです。白旗降参(capitulation)が出ない事には相場の反転は無いと考えています。
前回の下げ局面ではベア・スターンズ救済劇がクライマックスでした。今回は何がそういう「恐怖の極点」になるのか、いろいろ考えているのですけど、「たぶん、これかなぁ?」と思っているのがファニー・メイ(FNM)とフレディ・マック(FRE)です。
ファニー・メイとフレディ・マックは住宅ローンの最大の買い手です。銀行は住宅ローンを消費者に組んであげて、融資を実行したとしても、そのローンをずっと自分の銀行のバランスシートに載せつづけるわけではありません。場合によってはそういうローンを「転売」することでお腹を軽くし、さらに別の消費者に対するローンを組めるような余裕を作るわけです。
ファニー・メイやフレディ・マックはそうやって住宅ローンを金融機関から買い取ることで実質的にローンを自由に売り買いできる流通性(marketability)を提供し、また流動性(liquidity)を提供しているわけです。
今は銀行をはじめアメリカの金融機関はどこもバランスシートを圧縮しようとしています。それは資産を処分することで実現するわけですが、そのためには処分される資産を誰かが買ってくれないと困るわけです。その最後の買い手がファニー・メイやフレディ・マックというわけ。
つまりファニー・メイとフレディ・マックはサブプライム問題を軟着陸させるのに必要な「最後の砦」だということです。そんなに大事な両社なのですが、今週、ファニーとフレディの株価は大荒れ(右のグラフはフレディ)です。
急落の一因はFASB(財務会計基準委員会=アメリカ人は「ファスビー」と呼んでいます)がルールの強化を検討しており、それが若し実施されるとファニーとフレディの2社で合計750億ドルもの増資をしなければいけなくなるという主旨のレポートをリーマン・ブラザーズのアナリストが出したからです。
いまの地合から考えると750億ドルの公募はゼッタイ無理。するとファニーとフレディは
「自己資本不足」に陥るというわけです。
実はファニー・メイとフレディ・マックは米国議会により承認された「政府スポンサーつき企業(GSE)」であり、それがあたかも政府の発行する信用と同じようなステータス(quasi-government status)を両社に賦与しています。
そうは言っても両社はれっきとした私企業です。するとカタチの上でも、また実際の経営実態としても民間企業そのものというノリで経営されている両社に対して、政府と同じ信用ステータスを許すとモラル・ハザードになるのではないか?という議論がもうかれこれ30年ちかくも蒸し返されているわけです。つまり、政府と同じ信用ステータスを許すことで廉価な資金調達が可能になり、両社はアンフェアな競争優位を持つことで自己資本が脆弱なまま市場占有率を伸ばし、肥大化する、、、そういう懸念です。
実際、米国の住宅ローンの残高のうち、実に半分がファニーないしはフレディによって①所有されているか、ないしは②パッケージ化されているわけです。
「ひょっとして壊れるかもしれないようなものは、遅かれ早かれ壊れる」という考え方を「マーフィーの法則」といいますが、いままさしくファニーとフレディはその法則によって試されているわけです。
急落の一因はFASB(財務会計基準委員会=アメリカ人は「ファスビー」と呼んでいます)がルールの強化を検討しており、それが若し実施されるとファニーとフレディの2社で合計750億ドルもの増資をしなければいけなくなるという主旨のレポートをリーマン・ブラザーズのアナリストが出したからです。
いまの地合から考えると750億ドルの公募はゼッタイ無理。するとファニーとフレディは
「自己資本不足」に陥るというわけです。
実はファニー・メイとフレディ・マックは米国議会により承認された「政府スポンサーつき企業(GSE)」であり、それがあたかも政府の発行する信用と同じようなステータス(quasi-government status)を両社に賦与しています。
そうは言っても両社はれっきとした私企業です。するとカタチの上でも、また実際の経営実態としても民間企業そのものというノリで経営されている両社に対して、政府と同じ信用ステータスを許すとモラル・ハザードになるのではないか?という議論がもうかれこれ30年ちかくも蒸し返されているわけです。つまり、政府と同じ信用ステータスを許すことで廉価な資金調達が可能になり、両社はアンフェアな競争優位を持つことで自己資本が脆弱なまま市場占有率を伸ばし、肥大化する、、、そういう懸念です。
実際、米国の住宅ローンの残高のうち、実に半分がファニーないしはフレディによって①所有されているか、ないしは②パッケージ化されているわけです。
「ひょっとして壊れるかもしれないようなものは、遅かれ早かれ壊れる」という考え方を「マーフィーの法則」といいますが、いままさしくファニーとフレディはその法則によって試されているわけです。
[ 05:22 ]
[ コミュニティー連絡事項 ]
2008/07/09のBlog
[ 09:05 ]
[ コミュニティー連絡事項 ]
『新興国リアルタイム・ネット勉強会』第11回はいよいよ今夜です:
日時:7月9日(水曜日) 夜8時から9時半
今回のテーマ:「妥当PERとは? マルチプルはなぜ伸張したり収縮するのか?」
申し込み期間:6月14(土曜日)~7月3日(木曜日)
申し込み方法:申し込み期間は終了しました
(勉強会は無料ですが楽天証券に口座を開設する必要があります。)
→「この株って、割高なの、それとも未だ大丈夫なの?」、、、株式投資を始めた皆さんは必ずこういう事を疑問に感じたと思います。今回の勉強会では機関投資家が妥当PERを決める際の思考プロセスを分解し、解説します。
日時:7月9日(水曜日) 夜8時から9時半
今回のテーマ:「妥当PERとは? マルチプルはなぜ伸張したり収縮するのか?」
申し込み期間:6月14(土曜日)~7月3日(木曜日)
申し込み方法:申し込み期間は終了しました
(勉強会は無料ですが楽天証券に口座を開設する必要があります。)
→「この株って、割高なの、それとも未だ大丈夫なの?」、、、株式投資を始めた皆さんは必ずこういう事を疑問に感じたと思います。今回の勉強会では機関投資家が妥当PERを決める際の思考プロセスを分解し、解説します。
[ 04:14 ]
[ コミュニティー連絡事項 ]
"いつも為になるお話を聞かせていただきありがとうございます。
先日、NHKドキュメンタリー「激流中国」大行列~13億人の医療~を見ました。
中国では医療でも都会と農村の格差が激しいようであり、農村から北京の病院に多くの人々が集まるようでした。
農村での医療は日本の30年前(或いはそれ以前?)のようでした。
今後、中国の医療には発展の余地が大きいと思われました。
現在、ミンドレイメディカル、3Sバイオを買っております。
これらの株の長期的展望についてもコメントをいただけると幸いです。"
→コメントありがとうございます。マインドレイ(MR)に関しては僕の持ち株の中ではダントツに比重が高いです。3Sバイオは打診買い程度のポジションしかありませんけど、これも買い増しを考えています。
"(1)金利水準との比較でPERをどう評価すべきかについてもご説明いただければありがたいです。
(よく日本は低金利だからPERが高めになってもやむをえないという人が多いので…)"
→ご質問ありがとうございます。金利水準というのは株式の妥当価格を考える上で極めて重要な要因です。なぜなら金利が高ければ、何もリスクを取って株式に投資しなくても銀行にお金を預けるだけで利子がつくからです。つまり株式と金利とは「競争関係にある」という風に考えればわかりやすいでしょう。日本の場合、預金金利がとても低いので「競争はきつくない」と考えるわけです。
この論法をさらに進めれば、「スパイラル的にインフレが昂進すれば株式の価値は大きく毀損する」という論理になるわけで、いまBRICs各国の株式市場が企業業績が良好であるにもかかわらず売られているのはこれが原因です。
こんにちの世界をグルっと見回した場合、同じインフレ圧力があると言っても例えば日本で感じるそれと、インドで感じるそれには大きな隔たりがあります。
日本の場合、食品やお菓子の値段が高騰しているからといって「給与のベースアップを断固要求する!」なんて言っているサラリーマンは少ないと思うんです。なぜなら派遣さんなどが企業の経営戦略にしっかり浸透し、サラリーマンは雇用に不安を抱いているからです。これはむずかしい言葉で言えば「インフレに対する期待はアンカー(投錨)されている」と言い、賃金インフレがおこりにくい状況を差しています。
こういう局面では日銀はどんどん金利を引き上げる必要性を感じないわけですから海外の投資家としては「日本株なら利上げリスクが少ない」と感じるわけです。
実はいまのアメリカも景気が悪いので国民は賃上げに対しては余り期待を抱いていません。むしろスターバックス・コーヒーが売れなくなり、マクドナルドの100円コーヒー(→アメリカの場合は1ドルコーヒーですが)に乗り換えているという、「倹約ブーム」が起こり始めています。だから米国の株式市場も、こと金利面から言う限り、下支えがあると言えるでしょう。
これに比べて欧州はEUパスポートという形で域内の労働市場が比較的近年流動化した関係で賃金に対する国民の期待は日本やアメリカよりもう少し流動的です。このことは賃金インフレにたいする警戒心は欧州の中央銀行の方が高いという風にも言えるでしょう。
これがBRICsなどの新興国となると「賃金は着実に上がる」と考えている国民は先進国より遥かに多いです。
すると順番から言えばBRICsの中央銀行が一番、利上げのプレッシャーを感じているわけです。
先日、NHKドキュメンタリー「激流中国」大行列~13億人の医療~を見ました。
中国では医療でも都会と農村の格差が激しいようであり、農村から北京の病院に多くの人々が集まるようでした。
農村での医療は日本の30年前(或いはそれ以前?)のようでした。
今後、中国の医療には発展の余地が大きいと思われました。
現在、ミンドレイメディカル、3Sバイオを買っております。
これらの株の長期的展望についてもコメントをいただけると幸いです。"
→コメントありがとうございます。マインドレイ(MR)に関しては僕の持ち株の中ではダントツに比重が高いです。3Sバイオは打診買い程度のポジションしかありませんけど、これも買い増しを考えています。
"(1)金利水準との比較でPERをどう評価すべきかについてもご説明いただければありがたいです。
(よく日本は低金利だからPERが高めになってもやむをえないという人が多いので…)"
→ご質問ありがとうございます。金利水準というのは株式の妥当価格を考える上で極めて重要な要因です。なぜなら金利が高ければ、何もリスクを取って株式に投資しなくても銀行にお金を預けるだけで利子がつくからです。つまり株式と金利とは「競争関係にある」という風に考えればわかりやすいでしょう。日本の場合、預金金利がとても低いので「競争はきつくない」と考えるわけです。
この論法をさらに進めれば、「スパイラル的にインフレが昂進すれば株式の価値は大きく毀損する」という論理になるわけで、いまBRICs各国の株式市場が企業業績が良好であるにもかかわらず売られているのはこれが原因です。
こんにちの世界をグルっと見回した場合、同じインフレ圧力があると言っても例えば日本で感じるそれと、インドで感じるそれには大きな隔たりがあります。
日本の場合、食品やお菓子の値段が高騰しているからといって「給与のベースアップを断固要求する!」なんて言っているサラリーマンは少ないと思うんです。なぜなら派遣さんなどが企業の経営戦略にしっかり浸透し、サラリーマンは雇用に不安を抱いているからです。これはむずかしい言葉で言えば「インフレに対する期待はアンカー(投錨)されている」と言い、賃金インフレがおこりにくい状況を差しています。
こういう局面では日銀はどんどん金利を引き上げる必要性を感じないわけですから海外の投資家としては「日本株なら利上げリスクが少ない」と感じるわけです。
実はいまのアメリカも景気が悪いので国民は賃上げに対しては余り期待を抱いていません。むしろスターバックス・コーヒーが売れなくなり、マクドナルドの100円コーヒー(→アメリカの場合は1ドルコーヒーですが)に乗り換えているという、「倹約ブーム」が起こり始めています。だから米国の株式市場も、こと金利面から言う限り、下支えがあると言えるでしょう。
これに比べて欧州はEUパスポートという形で域内の労働市場が比較的近年流動化した関係で賃金に対する国民の期待は日本やアメリカよりもう少し流動的です。このことは賃金インフレにたいする警戒心は欧州の中央銀行の方が高いという風にも言えるでしょう。
これがBRICsなどの新興国となると「賃金は着実に上がる」と考えている国民は先進国より遥かに多いです。
すると順番から言えばBRICsの中央銀行が一番、利上げのプレッシャーを感じているわけです。
[ 03:46 ]
[ コミュニティー連絡事項 ]
6月29日のセミナーで言及されたTCMの現状について、分析をお願いします。
→ご質問ありがとうございます。セミナー当日にも断った通り、トンジタンは値動きも荒っぽいし、原材料の供給にも不安があります。だからハイ・リスクの投資対象です。さらに今年上半期に豪雪、地震などいろんな災いが降りかかり、工場が停止に追い込まれたりしました。このため足元の業績は良くありません。また経営者が同社株を非公開化しようとした試みが失敗したのも投資家の信認を損なう原因となりました。
僕の考えはこうです。
1.確かに売上高の3分の2を「シェンリン・グーバオ」ひとつに依存しているのは怖い。
2.その「シェンリン・グーバオ」の原料となっているイカリソウの供給が「精力絶倫剤」として乱獲されたため、脅かされているのは良くない。
と思います。その反面:
3.骨粗しょう症に対して処方できる薬としては中国では圧倒的にこの「シェンリン・グーバオ」がポピュラーであり、政府の公認薬リストに載っている、薬価払い戻しの効く数少ない選択肢である
という事から、同薬に対する中・長期での需要が消えてなくなる心配は余り無いと思うのです。従ってトンジタンがイカリソウのプランテーションによる安定供給を実現すれば同社の業績見通しは最小限の経営努力ですぐに立ち直ると考えています。
今後も新興国はのびるのか?どの分野が有望でしょうか?
→いまはインフレなど不透明要因がきわめて多いマーケットになっていますし、これからこれまでの「勝ち組」だったセクターが、ローテーションで入れ替わる可能性もあります。そんなわけで今のマーケットというのは過去5年くらいでいちばん難しい局面でしょうね。こういうときは物色の矛先をどんどん広げるのではなく、一番大きな市場の一番大きな銘柄で割安なものなどに限定し、手堅くやる方が怪我が少ないと思います。
"北京オリンピックまで50日を切りましたが、
それまでに大相場は有りそうですか?"
→ご質問ありがとうございます。オリンピック前にこれほど相場が悪いというシナリオは正直言って僕は予想していませんでした。でも僕が本当に恐れていたのはオリンピックまでに乱痴気騒ぎをやりすぎて、折角のBRICs相場が「夭折」してしまうことの方だったのです。その意味では「おたのしみが先に延ばされた」という点では安堵を感じています。PERで40倍とかで買われていたA株市場を別にすれば、H株やレッドチップの中国株はピーク時でもそんなにクレージーなPERをつけていませんでした。だからそれらについて「バブルが弾けた」という形容をするのは僕には受け入れられない表現です。
"年後半の『新興国』の相場を考えると。
しばらく現状のスタンスがつづき、秋過ぎから上がってくると見ています。
いかがでしょうか?"
→若しインフレが今後昂進しないのであればそろそろ反発があってもおかしくない水準ではあります。
中国の五輪銘柄と言われていたものの現状と見通し
→僕が挙げた銘柄の中ではソーフー(SOHU)は降りました。次の決算が良くて、もう一段高を逃すリスクは存在すると思います。でももう十分取れたので強欲になってもしょうがないと思うのです。その他の五輪、内需関連はぜんぜん鳴かず飛ばずですから引き続き保有しています。
→ご質問ありがとうございます。セミナー当日にも断った通り、トンジタンは値動きも荒っぽいし、原材料の供給にも不安があります。だからハイ・リスクの投資対象です。さらに今年上半期に豪雪、地震などいろんな災いが降りかかり、工場が停止に追い込まれたりしました。このため足元の業績は良くありません。また経営者が同社株を非公開化しようとした試みが失敗したのも投資家の信認を損なう原因となりました。
僕の考えはこうです。
1.確かに売上高の3分の2を「シェンリン・グーバオ」ひとつに依存しているのは怖い。
2.その「シェンリン・グーバオ」の原料となっているイカリソウの供給が「精力絶倫剤」として乱獲されたため、脅かされているのは良くない。
と思います。その反面:
3.骨粗しょう症に対して処方できる薬としては中国では圧倒的にこの「シェンリン・グーバオ」がポピュラーであり、政府の公認薬リストに載っている、薬価払い戻しの効く数少ない選択肢である
という事から、同薬に対する中・長期での需要が消えてなくなる心配は余り無いと思うのです。従ってトンジタンがイカリソウのプランテーションによる安定供給を実現すれば同社の業績見通しは最小限の経営努力ですぐに立ち直ると考えています。
今後も新興国はのびるのか?どの分野が有望でしょうか?
→いまはインフレなど不透明要因がきわめて多いマーケットになっていますし、これからこれまでの「勝ち組」だったセクターが、ローテーションで入れ替わる可能性もあります。そんなわけで今のマーケットというのは過去5年くらいでいちばん難しい局面でしょうね。こういうときは物色の矛先をどんどん広げるのではなく、一番大きな市場の一番大きな銘柄で割安なものなどに限定し、手堅くやる方が怪我が少ないと思います。
"北京オリンピックまで50日を切りましたが、
それまでに大相場は有りそうですか?"
→ご質問ありがとうございます。オリンピック前にこれほど相場が悪いというシナリオは正直言って僕は予想していませんでした。でも僕が本当に恐れていたのはオリンピックまでに乱痴気騒ぎをやりすぎて、折角のBRICs相場が「夭折」してしまうことの方だったのです。その意味では「おたのしみが先に延ばされた」という点では安堵を感じています。PERで40倍とかで買われていたA株市場を別にすれば、H株やレッドチップの中国株はピーク時でもそんなにクレージーなPERをつけていませんでした。だからそれらについて「バブルが弾けた」という形容をするのは僕には受け入れられない表現です。
"年後半の『新興国』の相場を考えると。
しばらく現状のスタンスがつづき、秋過ぎから上がってくると見ています。
いかがでしょうか?"
→若しインフレが今後昂進しないのであればそろそろ反発があってもおかしくない水準ではあります。
中国の五輪銘柄と言われていたものの現状と見通し
→僕が挙げた銘柄の中ではソーフー(SOHU)は降りました。次の決算が良くて、もう一段高を逃すリスクは存在すると思います。でももう十分取れたので強欲になってもしょうがないと思うのです。その他の五輪、内需関連はぜんぜん鳴かず飛ばずですから引き続き保有しています。
[ 03:25 ]
[ コミュニティー連絡事項 ]
"いつもありがとうございます。
今回はTTMについて。
ジャガーを買収したあたりを最後にこのセミナーで俎上に上ることもなくなりましたが、
最近の下落も含めて、コメントお願いいたします。"
→欧米の投資家はこの買収を徹底的に嫌っていますね(笑)。
確かに今はアメリカでクルマがぜんぜん売れなくなってきていますから、この時期にインド国外市場へ出てゆくことの愚を主張したい気持ちはわかります。でもタタのこの「逆張り」作戦は僕は好きです。なぜならジャガー・ランドローバーのディーラー網は素晴らしいディストリビューション・チャンネルで、これをいちから自力で構築することは不可能に近いと思うからです。またジャガーの方は新製品のサイクルがこれからキックインするという事、既に必要なリストラは済ませてあるということなどが指摘できます。つまりタタはそういう荒治療が全部済んだ後のジャガーを、景気が悪化した局面で「拾った」格好になっているわけです。
もちろん、株としてのTTMが出直る為にはインド国内の金利が現在の引き上げ局面を脱し、横ばいないしは下がってくることが必要となります。それにはまだ暫く時間がかかるでしょうね。
今回のタタ・モータースの下げは同社固有の経営戦略的ミスというよりは、インドの内需企業全般が経験している試練なのです。それが証拠にICICI銀行(IBN)などの金融機関の株も下がっています。
"STV、どうも値動きが冴えません。
もう少し持ってみるつもりですが、以下の不安が思い浮かびました。
中国では、薄型テレビもネットも急速に普及している途上だと思うのですが、
ネットは今後も拡大する一方、テレビは、デジタル化=有料化が逆に利用者離れを起こすのでは?
という懸念を投資家が感じているのかも・・・。
日本では、最近、テレビ離れの論評等が目立つようになってきたと感じています。
この点について、どうお考えですか?"
→ご質問ありがとうございます。STVの過去の決算を見ると決算自体はきわめてソツなくこなしています。危なっかしい部分は少なくとも僕は気付きませんでした。もちろん、リスクの大きい新規事業展開に向けた先行投資の積み増しなどの懸念材料はあります。しかし全体から見れば、それだけで当社株が売り込まれるのはおかしい気がします。忘れてならないのは同社の顧客は無数の地方ケーブルTV会社であり、その大半は「お役所」的な経営だということです。いま中国政府が国策としてそれらの企業のケーブル網のデジタル化をプッシュしているわけですから、景気に関係なくそれらの企業は時代の流れに従うと僕は考えています。一部投資家はSTVのライバル社が値引きによりビジネスを獲得しようとしている点を懸念しています。確かにSTVの実際の売上はスマート・カードの販売に拠るわけで、スマート・カードというもの自体がコモディティーを連想しますから「すわ価格競争か」と不安な気持ちになるのは頷けます。でも需要は旺盛で、STVはこの市場の約半分を支配するガリバー企業なわけで、過去にもスマート・カードの平均販売価格は極めて安定的に推移してきました。すると値引き云々というのは食い込めていない零細業者の苦肉の策なのであって、そんな企業は値引きしたってやっぱりビジネスを拡大することは出来ないと思うのです。
今回はTTMについて。
ジャガーを買収したあたりを最後にこのセミナーで俎上に上ることもなくなりましたが、
最近の下落も含めて、コメントお願いいたします。"
→欧米の投資家はこの買収を徹底的に嫌っていますね(笑)。
確かに今はアメリカでクルマがぜんぜん売れなくなってきていますから、この時期にインド国外市場へ出てゆくことの愚を主張したい気持ちはわかります。でもタタのこの「逆張り」作戦は僕は好きです。なぜならジャガー・ランドローバーのディーラー網は素晴らしいディストリビューション・チャンネルで、これをいちから自力で構築することは不可能に近いと思うからです。またジャガーの方は新製品のサイクルがこれからキックインするという事、既に必要なリストラは済ませてあるということなどが指摘できます。つまりタタはそういう荒治療が全部済んだ後のジャガーを、景気が悪化した局面で「拾った」格好になっているわけです。
もちろん、株としてのTTMが出直る為にはインド国内の金利が現在の引き上げ局面を脱し、横ばいないしは下がってくることが必要となります。それにはまだ暫く時間がかかるでしょうね。
今回のタタ・モータースの下げは同社固有の経営戦略的ミスというよりは、インドの内需企業全般が経験している試練なのです。それが証拠にICICI銀行(IBN)などの金融機関の株も下がっています。
"STV、どうも値動きが冴えません。
もう少し持ってみるつもりですが、以下の不安が思い浮かびました。
中国では、薄型テレビもネットも急速に普及している途上だと思うのですが、
ネットは今後も拡大する一方、テレビは、デジタル化=有料化が逆に利用者離れを起こすのでは?
という懸念を投資家が感じているのかも・・・。
日本では、最近、テレビ離れの論評等が目立つようになってきたと感じています。
この点について、どうお考えですか?"
→ご質問ありがとうございます。STVの過去の決算を見ると決算自体はきわめてソツなくこなしています。危なっかしい部分は少なくとも僕は気付きませんでした。もちろん、リスクの大きい新規事業展開に向けた先行投資の積み増しなどの懸念材料はあります。しかし全体から見れば、それだけで当社株が売り込まれるのはおかしい気がします。忘れてならないのは同社の顧客は無数の地方ケーブルTV会社であり、その大半は「お役所」的な経営だということです。いま中国政府が国策としてそれらの企業のケーブル網のデジタル化をプッシュしているわけですから、景気に関係なくそれらの企業は時代の流れに従うと僕は考えています。一部投資家はSTVのライバル社が値引きによりビジネスを獲得しようとしている点を懸念しています。確かにSTVの実際の売上はスマート・カードの販売に拠るわけで、スマート・カードというもの自体がコモディティーを連想しますから「すわ価格競争か」と不安な気持ちになるのは頷けます。でも需要は旺盛で、STVはこの市場の約半分を支配するガリバー企業なわけで、過去にもスマート・カードの平均販売価格は極めて安定的に推移してきました。すると値引き云々というのは食い込めていない零細業者の苦肉の策なのであって、そんな企業は値引きしたってやっぱりビジネスを拡大することは出来ないと思うのです。
[ 02:55 ]
[ コミュニティー連絡事項 ]
"コストプッシュなインフレが株式市場に与える影響というのを
過去の事例を交えて解説して頂ければ幸いです。"
→こと新興国に限定すればコストプッシュによるインフレに悩まされたことは今回が実は初めてなのです。
もちろん、1970年代にコストプッシュ・インフレはありました。でもその当時の新興国市場は今とは似ても似つかぬ存在で、乳幼児と高校生くらいマーケットの規模やグローバル・エコノミーの中での存在感が違います。
そういう意味では我々は未曾有の経験をしているわけです。
90年代の個別の新興国の経験したインフレは自国通貨の急落による輸入品の急騰などによるインフレであり、今回のケースとはだいぶ内容が違います。
僕の当初の考えでは今回のようなコストプッシュ・インフレの方が新興国にとっては「組し易い」のではないか?と睨んだわけです。実際は今回も新興国各国は結構、苦しんでいます。最近何度かいろいろなところで書いていますけど、今は踏みとどまれるかどうかのぎりぎりの線だと思います。70%くらいの確率でインフレ・ピークアウト→ソフトランディングというシナリオが至現すると考えています。ただ、残りの30%(=ランナウェー・インフレーション→荒治療的引き締め→リセッション)のシナリオは株式市場にとってたいへん怖いシナリオです。だから予断は許されないと思います。
GRO,IVNの今後の見通しについてお話して欲しいです。
→ご質問ありがとうございます。
GROはようやく去年の第4四半期と今年の第1四半期の決算が発表されました。でもこれでセーフと決まったわけではありません。SECに10-kを提出しないといけないからです。これが書類不備で突き返されるリスクは未だ存在すると思います。それから決算の内容の方ですけど羊の冷凍精子の加工装置の据付が遅延し、業績が急に悪化しました。いままでのプロセス装置では単位時間内に処理できる能力に限界があり、それを最新鋭の設備にアップグレードしたわけですけど、これがきちんと作動するのかどうかに関しては少し不透明感を感じました。会社側は据付遅延による上半期の売上減は下半期で全部取り戻せると強気の発言をしています。でも全てが下半期に偏っている点に危惧を感じます。
IVNについては待望のモンゴルの選挙が実施され、野党が勝ったわけですけど、その後、デモなどが起こって騒然としたムードになっています。選挙の公約を読んだ限りでは与党、野党ともにIVNのオユ・トルゴイの所有権は50%以下に下げるようなニュアンスですね。これは僕が予想していたシナリオと大体同じです。両陣営とも開発に対して「ノー」とは言っていない様子。
いずれにせよモンゴルの政情は安心して投資できるような雰囲気でないことは確かですね。
単純に同じセクターのPERを比べることに意味はあるのでしょうか。
→ご質問ありがとうございます。僕は:
①各国別のPERと、
②いろんな国のセクターを横断的に見た場合のセクター間のPERの比較
という2つの見地から、どういうバリュエーションの決め方をすればよいのかを定期的にチェックしています。結論を言えば今の段階ではセクターPERの方が遥かに重要だと思います。別の言い方をすればA国の素材企業とB国の素材企業を比較することは意味があるけど、例えばロシアの石油株のPE(大体、9倍程度です)をロシアの日用品のPER(大体、30倍くらいです)と比較してどうのこうのというのは意味が無いということです。
過去の事例を交えて解説して頂ければ幸いです。"
→こと新興国に限定すればコストプッシュによるインフレに悩まされたことは今回が実は初めてなのです。
もちろん、1970年代にコストプッシュ・インフレはありました。でもその当時の新興国市場は今とは似ても似つかぬ存在で、乳幼児と高校生くらいマーケットの規模やグローバル・エコノミーの中での存在感が違います。
そういう意味では我々は未曾有の経験をしているわけです。
90年代の個別の新興国の経験したインフレは自国通貨の急落による輸入品の急騰などによるインフレであり、今回のケースとはだいぶ内容が違います。
僕の当初の考えでは今回のようなコストプッシュ・インフレの方が新興国にとっては「組し易い」のではないか?と睨んだわけです。実際は今回も新興国各国は結構、苦しんでいます。最近何度かいろいろなところで書いていますけど、今は踏みとどまれるかどうかのぎりぎりの線だと思います。70%くらいの確率でインフレ・ピークアウト→ソフトランディングというシナリオが至現すると考えています。ただ、残りの30%(=ランナウェー・インフレーション→荒治療的引き締め→リセッション)のシナリオは株式市場にとってたいへん怖いシナリオです。だから予断は許されないと思います。
GRO,IVNの今後の見通しについてお話して欲しいです。
→ご質問ありがとうございます。
GROはようやく去年の第4四半期と今年の第1四半期の決算が発表されました。でもこれでセーフと決まったわけではありません。SECに10-kを提出しないといけないからです。これが書類不備で突き返されるリスクは未だ存在すると思います。それから決算の内容の方ですけど羊の冷凍精子の加工装置の据付が遅延し、業績が急に悪化しました。いままでのプロセス装置では単位時間内に処理できる能力に限界があり、それを最新鋭の設備にアップグレードしたわけですけど、これがきちんと作動するのかどうかに関しては少し不透明感を感じました。会社側は据付遅延による上半期の売上減は下半期で全部取り戻せると強気の発言をしています。でも全てが下半期に偏っている点に危惧を感じます。
IVNについては待望のモンゴルの選挙が実施され、野党が勝ったわけですけど、その後、デモなどが起こって騒然としたムードになっています。選挙の公約を読んだ限りでは与党、野党ともにIVNのオユ・トルゴイの所有権は50%以下に下げるようなニュアンスですね。これは僕が予想していたシナリオと大体同じです。両陣営とも開発に対して「ノー」とは言っていない様子。
いずれにせよモンゴルの政情は安心して投資できるような雰囲気でないことは確かですね。
単純に同じセクターのPERを比べることに意味はあるのでしょうか。
→ご質問ありがとうございます。僕は:
①各国別のPERと、
②いろんな国のセクターを横断的に見た場合のセクター間のPERの比較
という2つの見地から、どういうバリュエーションの決め方をすればよいのかを定期的にチェックしています。結論を言えば今の段階ではセクターPERの方が遥かに重要だと思います。別の言い方をすればA国の素材企業とB国の素材企業を比較することは意味があるけど、例えばロシアの石油株のPE(大体、9倍程度です)をロシアの日用品のPER(大体、30倍くらいです)と比較してどうのこうのというのは意味が無いということです。
[ 02:18 ]
[ 中国株 ]
セルサイドの人から聞いた情報ですけど6月の中国の消費者物価指数(CPI)は+7.1%なのだそうです。コンセンサスは+7.3%。
すると過去3ヶ月の推移は:
4月 +8.5%
5月 +7.7%
6月 +7.1%
となり、なんとなく峠を越えたような感じになります。
なお6月のCPIの正式発表は18日だそうです。
(セカンド・ソースから確認を取っていませんけど、このセールスマンはしっかりした人だし、過去にこの手の情報は正確だったので敢えて書きました。)
すると過去3ヶ月の推移は:
4月 +8.5%
5月 +7.7%
6月 +7.1%
となり、なんとなく峠を越えたような感じになります。
なお6月のCPIの正式発表は18日だそうです。
(セカンド・ソースから確認を取っていませんけど、このセールスマンはしっかりした人だし、過去にこの手の情報は正確だったので敢えて書きました。)
2008/07/08のBlog
[ 00:11 ]
[ オフ ]
先週日本に出張している際、本屋さんで目に付いた本を数冊買い込みました。その中の一冊が『投資信託にだまされるな』です。
この本に書かれている事は既に全部知っていたので、改めて買い込む必要は無かったのですけど、この本の記述の簡潔さ、わかりやすさにすっかり感心し、わかりやすい文章を書く秘密(僕にとりわけ欠けている部分!)を研究する目的で買うことにしました。
それから平易でとっつきやすい本なので見落としがちなのですが、本書に書かれていることは証券会社、銀行、投信投資顧問会社など、投資信託で甘い汁を吸っている企業の立場からすると投資家に知られてしまうと商売がやりにくくなることばかりです。つまり「静かに過激な」本と言えるでしょう。
勇気ある本だと思いました。
この本に書かれている事は既に全部知っていたので、改めて買い込む必要は無かったのですけど、この本の記述の簡潔さ、わかりやすさにすっかり感心し、わかりやすい文章を書く秘密(僕にとりわけ欠けている部分!)を研究する目的で買うことにしました。
それから平易でとっつきやすい本なので見落としがちなのですが、本書に書かれていることは証券会社、銀行、投信投資顧問会社など、投資信託で甘い汁を吸っている企業の立場からすると投資家に知られてしまうと商売がやりにくくなることばかりです。つまり「静かに過激な」本と言えるでしょう。
勇気ある本だと思いました。
2008/07/07のBlog
[ 17:51 ]
[ コミュニティー連絡事項 ]
『ダイヤモンド・ザイ・オンライン』に新しい記事がUPされました。
[ 17:19 ]
[ 相場のテクニック ]