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いちカイにヤリ 投資世代(ロシア株、インド株、中国株、ブラジル株、ADR、BRICs)
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2008/07/24のBlog
原油の価格はこのところ少し下がりましたけど、ガソリンの値段は右のグラフのように余り下がっていません。

レギュラー・ガソリン(緑)は今$4.026です。高値が$4.114なので実感としてはぜんぜん下がっていないという印象です。

なお、原油(青)は下がっていますから小売マージンは若干改善している模様。

セム・グループという非公開の石油製品販売会社が倒産しました。

ウォール・ストリート・ジャーナルによるとこの会社の倒産が過去10日間、14%に渡る原油価格の下げにかなり寄与しているのだそうです。

同社はオクラホマ州にある企業で火曜日に会社更生法を申請しています。何でも24億ドルの損を原油の先物取引で出したらしいです。

もともと同社は所有しているパイプラインで原油を運搬し、精製業者に販売する事を本業としていますが、「パイプラインで原油を運搬している最中に価格が下落してはたいへんだ」という考えから、先物を売り、ヘッジをするつもりだったらしいです。

ところが原油価格が上昇したのでショートをカバーするために慌てて買いあがったらしいです。結局、マージン・コールに応えることが出来ず、バークレイズ・キャピタルに7月16日にポジションを引き取って貰った、、、そういう展開です。

去年の売上高が147億ドルもあった会社で、パイプラインは延長1200マイル、貯蔵キャパシティーは1500万バレルと言うから、なかなかの規模の会社です。

実際にセム・グループの「踏み上げ」がどのくらい相場を押し上げたのかについては意見が分かれています。また、セム・グループの取引の中には担当トレーダーが許可なく取ったリスクも含まれているという観測も出ています。

バイドゥ(ティッカー:BIDU)が第2四半期の決算を発表しています。

売上高:1.17億ドル(コンセンサス1.13億ドル)
EPS:$1.11(コンセンサス98セント)

ガイダンス
第3四半期売上高:1.32~1.36億ドル(コンセンサス1.353億ドル)

カンファレンス・コール

過去数四半期に渡って大企業がバイドゥの顧客になり始めている。これはバンドルド・プロダクツを提案してゆく場合、プラスだ。

第1四半期の豪雪、5月の大地震などの時期を通じてビジネスは安定している。

今期は「マイ・マーケティング・センター」というサービスを開始した。「マイ・マーケティング・センター」はオンラインで広告主が自分の属する産業の情報やマーケット・トレンドをモニターできるサービスだ。企業の大小にかかわらずこのサービスは全ての顧客に開放してゆく。

中国南部の3箇所に散らばっていた営業事務所を統合した。これは営業活動の管理、効率性の追求のため。

C2Cは計画通り進んでいる。正式サービス開始は今年末を予定している。

バイドゥ・ジャパンは商品開発に注力している。現在までに4つの商品を開始しているが、今後も新しいサービスを随時導入する。

今期売上高の8.03億人民元はガイダンスを上回っており、売上高成長率は+100%を超えた。アクティブ・オンライン・カスタマー数は+41%。アクティブ・オンライン・マーケティング・カスタマー当たり売上高は+42%。トラフィック・アクィジション・コスト(TAC)は1.02億人民元で総売上高の+13%。TACは前期と比較すると若干下がった。これはノーマルなブレの範囲内。TAC以外の営業費用は若干下がった。その主因は通信コストの低下。営業販売管理費は+86%。EBITDAは+110%と売上高成長より早いペース。収益性は改善している。今期の税率は9.7%だった。年初来の平均した税率は8,7%になる。今年後半も大体、このレベルの税率となる。バランスシート上のキャッシュは2.8億ドル。営業キャッシュフローは約4億人民元。設備投資は1.1億人民元。これにはバイドゥ・キャンパスの建設費用が含まれている。


第3四半期のガイダンス
売上高で9,05~9.35億人民元。これは+82~+88%成長。オリンピックは長期的にみるとプラスの影響。でも開催期間中はネットを使う時間は減るだろう。


Q&A

Q:南部での中小企業の倒産について

A:輸出企業は確かに苦しい。でもバイドゥのサービスは輸出型企業だけが顧客ではない。

Q:日本について

キーワード・サーチとビデオ・サーチは既にサービスを開始している。このうちキーワード・サーチとブログ・サーチに関しては検索能力のアップを目指している。競争力のある商品にするまでには少し時間がかかる。一部の日本向け商品開発チームを東京から上海にリロケートした。

Q:マイ・マーケティング・センターについて

A:たとえばキーワードでどの言葉が一番サーチ・ボリュームが大きいとか、そういう事がグラフで表示されることにより顧客のマーケティング戦略に役に立てる。

Q:TACと通信コストの低下について

A:通信コストの低下は今後もまだあと少し下がる余地がある。TACについては今期が前期比で始めて下がった。これはバイドゥ・ユニオン・メンバーのボリュームが下がったのではない。また、ペイアウト・レシオを下げたわけでもない。バイドゥ・ユニオンには複雑なペイアウトの数式を用いており、ユニオン・メンバーがどの方式を採用するかでコストが変わってくる。今後はTACは上昇するプレッシャーがある。

Q:売上成長について


A:売上成長はARPUの増加と顧客数の増加の両方からきている。
第1四半期から第2四半期にかけてはトラフィックがよく伸びた。
またマネタイゼーション・アルゴリズムの改善も貢献した。
歴史的にトラフィックの増加とCPCの増加を比べるとトラフィックの増加からくる成長の方が大きかった。CPCは着実に成長している。ミニマム・ビットをバイドゥ側で引き上げる場合はある。


[ 00:28 ] [ コミュニティー連絡事項 ]
日頃から『いちカイにヤリ』を読んで頂いてありがとうございます。

最近このブログを見つけた読者の方もいらっしゃると思うので、ブログをやるにあたって僕が「こうして欲しい」と思っていることについて書きます。

(昔からの読者はよく心得ているとおもいますけど。)

1.コメント大歓迎

どんどん書き込んでください。

2.反対意見はとりわけ重要です

僕の書くこと、考え方に異論のある方は是非書き込みして下さい。

3.読者同士の中傷は駄目です

気軽に、自由にコメントできる雰囲気というのが特に大事だと思うのです。
ひとにはそれぞれの考え方、感じ方があるし、外国株を長くやっている人も居れば、まだ投資を始めたばかりの人も居ます。はじめての人でも安心して書き込みできるような雰囲気作りに協力して下さい。

4.横レスOK

なるべく皆さんのコメントに丁寧にお応えしてゆきたいと思います。でもバタバタしているときはすぐに応えられなかったり、見落とす場合もあります。「こんなことなら、俺でも知っている」という事があればどんどん横レスして頂いて結構です。(みんなで創った方が面白いと思うんです。)


2008/07/23のBlog
「スティーブ・ジョブスの健康状態が良くない」という話題でウォール街は持ちきりです。

うちのかみさんもジョブスのファンですから、僕が「スティーブの健康状態が良くないんだってよ。」と言うと、とたんにプリプリ怒り出しました。

アメリカ人のアイコン(偶像)なのです、彼は。

 * * *

(たいへんだろうな、今は、、、)

そんな事を考えていたら昔の事などを思い出してしまいました。
そこでスティーブに関する記憶の断片を綴ることにします。

僕が未だニューヨークの投資銀行に勤めていたとき、中間管理職研修(AMP、、、って言うのかな?)でスタンフォード・ビジネス・スクールのホーマ・バーラミという先生の講義を受けました。彼女は「企業の危機管理」の専門家で実際の企業のドキュメンタリー・フィルムを教材として使ってケース・スタディーを進めてゆきました。

そこで我々に与えられた課題がスティーブ・ジョブスがアップルを追い出されてから創業したネクストという会社のエピソードだったのです。ネクストは新製品の発表の期日までに製品が完成せず、スティーブが幹部を招集して社員を吊るし上げている光景が流されました。

ぶち切れるジョブス、、、。

結局その講義では「ジョブスが如何に経営者としてやってはいけないことをしでかしたか」という事を次々に指摘するセッションになりました。確かにドキュメンタリーの捉えたジョブスは「鬼」そのもの、、、。

 * * *

それから暫くして僕はサンフランシスコのブティック証券会社に就職する話が出て、何度かニューヨークとサンフランの間を往復しました。そんなフライトの中で、業績低迷中のアップルにターン・アラウンド・アーチスト乗り込んだアメリオ新CEOが社長就任記者会見を済ました足で乗り込んできました。

(これって、、、ちょっと、、、、違うよなぁ)

スティーブという「魂」を失って、空箱になってしまったアップル、、、
僕はどん底の頃のアップルに何度か足を運びましたけど、クーパチーノの新築されたアップルの本社は「がら~ん」としてひとけがありませんでした。

 * * *

一方、スティーブの方は当時はピクサーというコンピューター・グラフィックスの会社の社長さんをやっていて、ウチの証券会社(幹事でした)にもデモ用の小品を上映しにやってきました。(未だ「TOY STORY」が出る前のことです。)

当時のピクサーはリッチモンドという、シェブロンの精油所のあるガラの悪い(失礼)場所にありました。スティーブは確かホンダのNSXに乗っていたと思います。

「感情移入できるようなプロダクトを創らないと駄目だ。」

彼は会うたびにそう言っていました。

当時のジョブスはアップルでもネクストでも失敗し、普通のにんげんなら萎れていてもおかしくない状況だったわけですが、ジョブスはそんな敗北主義のかけらも感じさせませんでした。

英語には:

Keep your chin up!

という表現がありますけど、まさしくそういう感じを受けました。
それから暫くしてスティーブは請われてアップルの暫定的CEOとして古巣に戻り、『iMac』をヒットさせます。

彼は自ら新製品のデザインなどに深く関与し、途中で意匠を大幅に変更したり、最後の最後まで新製品のスペックを極秘にするなど、パブリシティー面でも最大限の効果を常に狙っていました。(その関係で部品が不足したり、在庫が払底したりなどのアクシデントも多く、投資家としては泣かされました。)

最近は僕はシリコン・バレーとは疎遠になりましたから、今でもジョブスがHands onに新製品開発に関与しているのかどうかは知りません。

でもスティーブのことだから、ぜったいウルサイ事言っているに違いないでしょう。


スティーブが第一線を退いた後もアップルは「感情移入出来るプロダクト」を創り続けることができるのでしょうか?。

インドの与党、UPA(United Progressive Alliance統一進歩同盟)は野党から出された不信任投票(No-confidence vote)に勝ち、政権を維持することが決まりました。

これでUPAとその連合政権の中核を成すコングレス党は米国との間で詰めている原発交渉を進める時間を買うことが出来ました

但し、米国は11月には大統領選挙があるし、それまでに米国議会が原発協定を批准出来る見込みは低いです。すると米国側の審議は来年1月に持ち越される可能性が強いです。

一方、インドでは来年は議会の総選挙があります。これに向けてコングレス党はラウル・ガンジーにももっと中心になって活躍してもらうように地方回りをさせて「後継者育成中」です。

(写真はラウル・ガンジーのお母様で、現在のコングレス党の党首であるソニア・ガンジーの若い頃のお姿。)


PS:インド株ですか?。原油価格がどんどん下がるようならインド株は急反発すると思います。先導役はICICI銀行(IBN→右のチャート)HDFC銀行(HDB)でしょうね。

僕のこれまでのスタンスは「インドのインフラ関係と銀行株は避ける」というものでしたけど、銀行株はもう買い始めてOKだと思います。インフラ関係は引き続き敬遠。


PPS:僕がいま好きな市場を順番に言うと:

1.インド
2.中国
3.(ずっと下がって)ロシア
4.(避けたい)ブラジル

です。(『日経マネー』8月号のアンケートで答えた順序と不動。)

2008/07/22のBlog
[ 23:58 ] [ マクロ・ストラテジー ]
「ベア・マーケットが完成するためにはすべてのセクターが巻き込まれる必要があるんだ。だから最後まで踏ん張っていたセクターが、がっくり膝をついて崩れ落ちるまで、アク抜けは無い。」

これは僕の昔の上司が良く口にした言葉です。

こんにちの相場にあてはめれば、さしずめ原油とか鉄鋼とかが「最後まで踏ん張っていたセクター」に相当するのだと思います。

その原油や鉄鋼がここへきて崩れはじめていますから、ベア・マーケットの完成近しといったところだと思うんです。

現在の中国の鉄鋼業界は東京オリンピック直後の日本の鉄鋼業界と同様の過剰設備を抱えています。「オリンピック景気」が去った後に山陽特殊製鋼が倒産し、それが『華麗なる一族』の映画になった話は以前の講演会で紹介しましたが、いまの世界の鉄鋼業界は当時と同じ危険を孕んでいると僕は睨んでいます。


とりあえず僕が目をつけている銘柄AKスチール(AKS)です。これはこの水準から軽く半値になると思っています。

[ 23:22 ] [ コミュニティー連絡事項 ]
『MONEY JAPAN』9月号の新興国に関する記事(たぶん42頁あたりだと思います)に他のコメンテーターに混じって僕も引用されています。
『ダイヤモンドZAiオンライン』に原油安をどうプレイするか?に関する新しい記事が載っています。
銘柄的にはコパ(CPA)ラン(LFL)に言及しています。
『ダイヤモンドZAi』に春山さんとの対談の記事が出ています。



【グローバル編】
市場の裏側を大胆に解き明かす
混迷の世界経済
どうする?投資戦略

というものものしいタイトルですけど、とりわけ読んで欲しい部分は春山さんが「アメリカのクレジット・カード会社における業績暗転が米国経済の足をひっぱる」(そういう言い方じゃなかったかな?)と指摘している点です。

昨日、アメリカン・エクスプレス(AXP)の決算でクレジット・カード負債の内容が凄いスピードで劣化していることがわかりました。これは1990年代初頭に「もう少しのところでシティバンクが倒産する」ところまで追い詰められる原因になった、あの当時の展開と酷似しているのです。


マカオ関連株に関する新しい記事をUPしておきました。

アメリカン・エクスプレス(AXP)が第2四半期決算を発表しています:

EPS:56セント(コンセンサス83セント)
売上高:74.8億ドル(コンセンサス76億ドル)

2Q決算は6億ドルのクレジット・カード焦げ付きに対する引当金の追加を含んでいます。

さらに証券化カード・ローンのマーク・ツー・マーケット・チャージ1.36億ドルも含まれて居ます。

「6月は経済減速の悪影響が一段と強まった」というのが会社側のコメント。

「それを鑑み、これまでの4~6%のEPS成長というガイダンスはもはや達成できない見通し。」

「景気の悪影響はスーパー・プライム・カードメンバーにすら波及している。」

「最近アメックスに乗り換えてきた新規のカードメンバーにおいても損金の発生確率は高い。」

「第2四半期におけるロール・レートは急激に悪化した」

「ロール・レートというのは【30日以内の遅延】から【30日~60日の遅延】に延滞期間が延びる顧客の比率であり、将来の損金計上のアーリー・インディケーターである。」

「クレジットのインディケーターは我々の想像を絶する規模で悪化した。1月のカンファレンス・コールのときに想定していたあらゆるマクロ経済の悪化シナリオよりも早いペースで事態が暗転している。」

「普通ならFICOスコアの低い顧客層が一番悪くなるのが早いが、今回はFICOで650~750くらいの顧客層にも遅延が波及している。裕福層も購買活動を大幅に切り詰めている。


アップルが第3四半期の決算を発表しています:

EPS:$1.19(コンセンサス$1.08)
売上高:74.6億ドル(コンセンサス73.7億ドル)

第4四半期ガイダンス
EPS:$1.00(コンセンサス$1.24)
売上高:78億ドル(コンセンサス83.2億ドル)

 * * *

今期グロス・マージンは34.8%。(ガイダンスは32.9%)
今期のマック出荷台数:249.6万台。 +41%(ユニット・ベース)
今期のアイポッド販売台数:1101.1万台。+12%(ユニット・ベース)
今期のアイフォン販売台数:71.7万台(ガイダンスは70万台、去年は27万台)

第4四半期のアイフォンの販売予想は過去最高を想定。グロス・マージンは31.5%を想定。バック・ツー・スクール・キャンペーンでASPが下落することを予期。アイポッド・シャッフルの価格引下げ。アイフォンは売れても会計上すぐには売上計上しないため、来期のインパクトは大きくない。

スティーブ・ジョブスの健康に関してはプライベートなことであり、スティーブがアップルを離れる計画は無い。


これまでETFの無かったタイランドに最近、ETFが出来ました。

iShares MSCI Thailand Investable Market Index (THD)

がそれです。

ハッキリ言って出来高は薄いです。

心もとない。

でも今まではタイと言えばクローズド・エンドのタイ・ファンド(TTF)、タイ・キャピタル・ファンド(TF)くらいしか選択肢が無かったので、ETFの登場は嬉しいですね。

またイスラエルにもETFが出来ています。

iShares MSCI Israel Investable Market Index (EIS)

こちらの方も薄い。

あと酔狂な人は湾岸諸国(クウェート、カタール、UAEなど)のETFで:

WisdomTree Middle East Dividend Fund(GULF)

というのも出ました。

似たようなファンドでは:

PowerShares MENA Frontier Countries Portfolio(PMNA)

というのもあります。

さらにもっと辺境が好きな人は:

Market Vectors Africa Index ETF (AFK)

というのもあります。これはダウ・ジョーンズのアフリカ・タイタンズ50指数(ナイジェリア、南ア、エジプト、モロッコ、赤道ギニアなどの市場をカバー)をトラックするのだそうです。

僕ですか?タイランドとイスラエルには興味があります。後はパス。
[ 01:05 ] [ 相場のテクニック ]
米国の株式市場は年末にラリーするケースが多いことが知られています。

その中でも右のグラフに掲げられた各セクターはとりわけ季節性が高いことで知られています。ここで言う「平均リターン」はグラフ中、それぞれのセクターの季節性が始まる時期から終わりまでの期間にそのセクターを保有した場合の過去5年の平均リターンです。

例えば「通信セクターに関しては9月末に買い建てして、1月中頃に手仕舞えば平均して21.2%儲かった」という風に読むわけです。

通信では:
iShares S&P Global Telecommunications (IXP)

市況株では:
Select Sector SPDR Materials (XLB)

ハイテクでは:
Select Sector SPDR Technology (XLK)

インターネットでは:
Merrill Lynch Internet HOLDRS(HHH)

素材では:
Vanguard Materials VIPERs (VAW)

不動産では:
iShares Cohen & Steers Realty Majors (ICF)

半導体では:
iShares Goldman Sachs Semiconductor (IGW)

というETFがあります。
2008/07/21のBlog
スイスの製薬会社、ロッシュがアメリカのバイオテクノロジー大手、ジェネンテック(DNA)を買収すると発表しました。

ロッシュの提示している値段は89ドルですが、プリ・マーケットではジェネンテックの株価は96ドルにつっかけています。

ジェネンテックは世界のバイオテクノロジーの企業の中でも最もR&Dの生産性が高い企業だと看做されています。

ロッシュは既にジェネンテックの56%株式を1990年代前半に取得しており、ジェネンテックの開発する新薬の米国国外での販売権を獲得、ロッシュの業績に大きく貢献してきました。

 * * *

今回のロッシュによるジェネンテック買収は「強い企業による、強い企業の買収」であり、他の製薬会社は先行するロッシュに「水をあけられる」格好になります。

また、今回の買収金額ですがざっと見て450億ドル程度です。ロッシュが既にジェネンテックの56%株式を持っているからこそ支払える金額だけど、若し仮にロッシュがぜんぜんジェネンテックのタネ玉を持っていなかったとすれば買収総額は900億ドルにものぼり、他の製薬会社の手が出る金額ではありません。

ジェネンテックが非公開化された後はジェネンテックの投資家に450億ドルのキャッシュが転がり込むわけで、これをバイオテクノロジーのセクターに再投資しようとすると他のバイオの株価を押し上げる効果があると思います。その見地から、例えばバイオジェン・アイデック(BIIB)などは「希少価値」が上がると思います。

[ 02:13 ] [ ウォール街の歴史 ]
昔、投資銀行に勤めていた頃、僕の上司が口癖のように言っていた言葉があります。

「投資銀行の金儲けの仕方というのは突き詰めて言えば二通りしかないんだ。つまりアタマを使うか、さもなければレバレッジを使うかだ。賢い奴は知恵を使って利益を生み出すけど、それが出来ない奴はバランスシートに働いてもらう以外に無いのさ。」

この忠告は妙に僕のアタマにこびりついて今でも離れることはありません。

当時僕が勤めていたのはイギリスの会社でしたが、スイスの銀行と合併して、どんどんバランスシートを使って利益を生み出す方向へ傾倒していく過程にありました。
要するにコモディタイズされたアイデアしか生み出せない会社になっていたのです。
だからファンディング・コストの低さを頼って利益を捻出する以外に方法が無かったのです。

そんな折、西海岸のブティック投資銀行のバランスシートやROEを見たときには正直、肝を潰しました。

(こいつら、、、なんでこんなに儲かってんの?)

兎に角、バランスシートにぜんぜんレバがかかってないのです。

どうしてそんなに旨味のある商売が出来るのか?、それが知りたい一心でそうしたブティック投資銀行のひとつに転職しました。

転職してみると僕の疑問はすぐに氷解しました。彼らがハイ・マージンな仕事をしている理由は、専門性の高い、リッチなコンテンツの引き受け案件を世の中の機関投資家に噛み砕いて説明することで報酬を受けていたことによります。

ドットコム・ブームというのはインターネットという当時としては全く新しいコンセプトが世の中に導入されたという意味でウォール街の関係者にとっても最初は不案内な事が多かったです。HARMSと呼ばれた西海岸を中心とするブティック証券が注目を集めた理由は、彼らがそういうフロンティア的な案件にとりわけ明るかったからに他なりません。

でもドットコム・ブームが弾けるとともにネットだとかゲノムだとか、そういうリッチなコンテンツの投資銀行ビジネスも激減してしまいました。

従って2000年以降のウォール街というのは「どれだけ大胆にバランスシートを肥大させるか」のチキン・ゲームになってしまったのです。(それを「うんこの輪切り作業」に喩えたら、読者の皆さんから少なからぬ反発がありました。)

その結果、投資銀行や機関投資家の背負い込んだリスク・ポジション自体がとても大きくなり、ちょうど故障したジャンボ・ジェットのパイロットが緊急着陸できる場所を血眼になって探すような、絶望的な状況に陥ってしまったわけです。

現在のファニー・メイ(FNM)とフレディ・マック(FRE)を軟着陸させる作業はその「最後の賭け」と言うことも出来るでしょう。

現在の時点ではこれらのエージェンシーの軟着陸が成功するかどうかは予断を許さないと思っています。でもその成否にかかわらず、今後、確実なことがあります。それはバランスシートを肥大化することで利益を捻出してきた、投資銀行の在り方というものは今後軌道修正せざるを得ないということです。

上に掲げたグラフはジム・グラントによる、2007年末の時点での各社のエクイティーを1とした場合のレバレッジを示したものです。

これは「俺たちには新しいものを創造するだけの才能が無い」という事を世間に宣伝しているような、恥ずかしいバランスシートだと思います。


"Leverage," as the laying-on of debt is known in the trade, is the Hamburger Helper of finance.(ジム・グラント)


ウォール街の出直りにはまだまだ時間がかかるでしょうね。
[ 00:17 ] [ オフ ]
去年アメリカのケーブル・チャンネル、AMCで放映されたドラマ・シリーズ、『MAD MEN』のファースト・シーズンがDVDで発売されました。

『MAD MEN』は1960年代のマジソン・アヴェニューを舞台にしています。

そもそもこの「マジソン・アヴェニュー」という言葉自体が今では死語ですよね。

ニューヨークのマジソン・アヴェニューには広告代理店が沢山本社を構えていたことから、広告業界を指して「マジソン・アヴェニュー」と呼ぶことが一般化したというわけです。

『MAD MEN』はオトナの満足できる、味わい深いドラマです。

(細部の作り込みのきめの細かさは驚嘆するほどです。小道具や衣装、役者の会話のひとつひとつが時代考証的に完璧です。)

このドラマ・シリーズは好評だった『ソプラノス』の作者かつエグゼクティブ・ディレクターを勤めたマシュー・ワイナーが7年間暖め続けてきた作品です。
1960年代の米国の広告業界というのは当時のアメリカで、いや、ひょっとすると世界で最も華麗な職場だったのかも知れません。当時、学生の間ではマーケティングを専攻するのが流行っていたし、最も優秀で個性のある学生がマジソン・アヴェニューに就職したものです。

昼のランチにマティーニを3杯ひっかけて、会社のタイピストと片っ端から寝て、オフィスでは煙草の煙が絶えることが無い、、、『MAD MEN』を観るにつけ、そのセクシャルなテンションの高さに驚かされます。

そういうswagger(=肩で風を切って歩くこと)が当時のマジソン・アヴェニューにはありました。


しかし、現在のマジソン・アヴェニューには昔の栄華のかけらもありません。

最近のアメリカのデキる学生は皆、ファイナンスを専攻してマジソン・アヴェニューならぬウォール・ストリートを目指します。つまり60年代や70年代がアドバタイジングの時代であったとするなら80年代以降こんにちに至るまではファイナンスの時代だったのです。


マジソン・アヴェニューの地位が低下したのは色々な理由が考えられると思います。

先ず「マスコミ」という言葉に代表されるような大衆商品を大量に消費する経済が終焉したという点が大きいと思います。それに代わって人々の関心はマネーに移ってゆきました。持てる者と持たざる者との格差が広がり、最大公約数的なターゲットに的を絞ったマーケティング自体が余り意味をなさなくなってしまったわけです。

またケーブル・チャンネルの登場に象徴される媒体の拡散も昔の「3大ネットワーク」の寡占構造を崩し、ヒエラルキー的なメディアの支配を難しくしました。

(実際、この『MAD MEN』自体もケーブルというニッチ市場向けに企画されたドラマ・シリーズだからこそ、これほどまでに「尖った」内容に出来たわけで、喫煙のシーンなどはメジャーなネットワークではこんにちでは放映出来ません。)

最近ではインターネットの登場でTV、ラジオ、新聞、雑誌、本などのメディアは相対的に地位低下してきていると思います。とりわけ広告の有効性は下がりつつあり、人々は知人や友人の口コミやネット上の匿名の評価情報(例えばアマゾンのレビュー)などを頼りに購買意思決定を下すことが一般化しました。

このように現代が広告マンやマスコミ・マンにとって極めて苦しい時代だからこそ、『MAD MAN』に深い郷愁を覚えるのだと思うのです。
2008/07/18のBlog
フレディ(FRE)の株価ですが、ここからは基本的には下を見ています。

昨日の引け後にウォール・ストリート・ジャーナルが「フレディ・マックは100億ドル相当の増資を検討している」という記事が出ていました。

僕が面白いなと思ったのはその記事に採用されなかった、WSJの記者とフレディのCEOとのインタビューのサマリー(=オンライン版WSJで読めます)です。

この「活字にならなかった」インタビューの方が、明日の第1面を飾る上記の記事よりフレディの置かれている現在の微妙な立場をよくあらわしていると思うんです。

そのインタビュー・サマリーを引用すると:

On the slow progress of Freddie's talks with the SEC over plans to register its common stock with the agency:
普通株の増資に関する目論見書をSECに申請するにあたって、フレディとSECとの間での話し合いが遅々として進んでいないことに関して、、、

"The issues involve interpretations and disclosures of financial data. I'm not aware of any differences over accounting principles."
「それは財務データの解釈ならびにディスクロージャーの問題であって、会計原則を巡る意見の食い違いではないと思う。」

On why Freddie delayed its plan to raise capital pending resolution of its discussions with the SEC:
SECとの協議が一段落するまでフレディが増資を遅らせることにした理由について、、、

"I decided I had to follow the advice of the lawyers."
「それは我々の顧問弁護士のアドバイスに従う必要があると判断したからだ。」

上のやりとりを読んで僕が感じた第一番目の点は5月にファニー・メイは74億ドルの増資を実行したのにフレディ・マックは増資しなかったんですけど、それがフレディが「場味を見ながら相場が悪いので増資を見送った」という事ではなくて、SECとの間で悶着があったということがこのインタビューからわかるということです。

僕は証券法専門の弁護士ではありませんから理解が間違っているかもしれませんけど、普通なら増資をしたいと思う企業は先ずSECに申請書類を提出し、それに対してSECがOPINION(SEC所見)を公表し、会社側に訂正、明確化ないし補足が必要であればそれを促すという方法が採られると思うのです。

それがそうなっていないということは:

1.フレディの財務内容が刻々と変わりすぎていて、(例えばデリンクウェンシーなどの)経営内容に関するデータの正確さに深刻な疑問が発生している可能性

とか

2.リスク・ファクターに関する詳述をどのようにすれば適切か?という点でフレディとSECの間で大きく意見が食い違った可能性

などが考えられると思うんです。


いずれにせよ、ファニーのように5月に株価が$25ドル以上していたとき資金調達するのと、今のようにそこから半値以下になった状態で増資を試みるのとでは既存株主の利益の希釈化には大きな違いが出ます。

今日のJPモルガンの決算(サブプライムのみならずプライム・ローンにまで劣化が広がってきている様子がよく顕れていました)を見ていても感じるのですが、今は手をこまねいている場合ではないと思うのです。

フレディの場合、2.15兆ドルの資産に対して自己資本(コア・キャピタル)は383億ドル、つまり1.8%しかありません。

最後に若し増資するという場合ですけど、SECの空売り規制との関係でショートが振りにくくなっているご時勢に公募してもヘッジファンドは公募の玉は買わないと思うんです。





[ 03:38 ] [ 相場のテクニック ]
「売り安心」

「買い安心」

ダラダラ下がっているからそれに追い討ちをかけるように空を振り、着実に値を切り上げているからそれにエスカレーター式に乗る、、、

それがモメンタム・インベスティングの極意なわけですけど、ここ数日、モメンタム・ランドには嵐が吹き荒れています。

先ず安心し切って空を振っていたファニーやフレディで担がれ、下がるはずの無い原油が下がり、そうかと思えばラクショーだったメチェルペトロブラスポタッシュモンサントまでもが怪しい動きに、、、

まあ当たり前ですよね。

たかが肥料の株にPERで50倍も払うなんて、、、。
世間は「14倍か7倍か?」という議論をしているときにですよ。

このへんの株には一切ヴァリューを感じません。