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2004/12/12のBlog
[ 01:46 ]
[ 中国株 ]
金曜日、中国の保険株が急落しました。直接の原因はゴールドマン・サックス証券が同セクターをダウングレードした為です。特に中国人寿保険株は二つのネガティブな要因を抱えていると思います。
1.バカ売れした利益配当型保険のブーム一巡の可能性
2.ロックアップが切れること
このうち1.に関しては今回、利上げが発表されるまでは銀行に預けるより保険を買うほうが有利だった背景があります。即ち中国では銀行預金の利子収入は20%の税金が課せられることから利上げ前の時点で5年定期(利回り約2.8%)の実効利回りは2.23%程度、これに対して保険商品の最大保障利回りは2.5%と有利だったことが指摘できると思います。でもご承知の通り、人民銀行は今後数回に渡って金利を引き上げると予想されていることから保険商品の相対的魅力が低下する可能性があります。
2.に関しては12月18日に中国人寿保険のIPOの際に締結されたロックアップ契約(既存大株主が場で持ち株を処分しないことを約束した契約)が終了します。今、長江、ハチソンなどの4つの大株主がこのロックアップの対象となっており、株数にして約10億株が新たに市場で売却可能となります。勿論、流動性の限られた中、これらの大株主が乱暴に場で処分するとは考えられませんが、一応、注意する必要があると思います。中国人寿保険に関してはウォーレン・バフェットの会社の人間が企業訪問をかけているという報道もありますが、そういう企業同士の玉の移動というのは考えられないシナリオではないと思います。但しバフェットの趣味から考えて今の割高なPEで中国人寿株を買うというのはヴァリュー・インベスターの面子にかけてもやりたくないと感じるでしょう。
1.バカ売れした利益配当型保険のブーム一巡の可能性
2.ロックアップが切れること
このうち1.に関しては今回、利上げが発表されるまでは銀行に預けるより保険を買うほうが有利だった背景があります。即ち中国では銀行預金の利子収入は20%の税金が課せられることから利上げ前の時点で5年定期(利回り約2.8%)の実効利回りは2.23%程度、これに対して保険商品の最大保障利回りは2.5%と有利だったことが指摘できると思います。でもご承知の通り、人民銀行は今後数回に渡って金利を引き上げると予想されていることから保険商品の相対的魅力が低下する可能性があります。
2.に関しては12月18日に中国人寿保険のIPOの際に締結されたロックアップ契約(既存大株主が場で持ち株を処分しないことを約束した契約)が終了します。今、長江、ハチソンなどの4つの大株主がこのロックアップの対象となっており、株数にして約10億株が新たに市場で売却可能となります。勿論、流動性の限られた中、これらの大株主が乱暴に場で処分するとは考えられませんが、一応、注意する必要があると思います。中国人寿保険に関してはウォーレン・バフェットの会社の人間が企業訪問をかけているという報道もありますが、そういう企業同士の玉の移動というのは考えられないシナリオではないと思います。但しバフェットの趣味から考えて今の割高なPEで中国人寿株を買うというのはヴァリュー・インベスターの面子にかけてもやりたくないと感じるでしょう。
2004/12/11のBlog
[ 23:40 ]
[ 中国株 ]
中国南方航空が中国北方航空および新疆航空を買収する件に関するドキュメントが届きました。350頁の分厚いディスクロージャーです。
一瞥した感じでは今回の買収は「当然、実行すべき」だという事。
先ず、中国北方航空と新疆航空がネットワークに加わることでスケール・メリットが出ます。航空事業というのは典型的な規模のメリットが働くビジネスですから、「大きければ大きい方がよい」と言えるでしょう。具体的なメリットとしては;
1.機材の融通、メインテナンスの共有化などによる効率化
2.予約、発券、マーケティング上の相乗効果
3.乗務員の融通
4.本社機能の統合
などです。今回の買収が中国南方航空の利益に与える影響としてはEPSが36%引き上げられる(アクリーティブ)効果があるそうです。また、中国北方航空は大連などの北部工業地帯を地盤にしていて、一方の新疆航空はウルムチなど西方の内陸部が地盤です。どちらも今後中国が国を挙げててこ入れしてゆく方針が既に打ち出されている地域ですからその恩恵を被ることが予想されます。
中国南方航空の株はPEが東方航空や最近上場したエア・チャイナより割高だという事で最近は敬遠されています。でも今回の買収でEPSが上昇することでアジア全体の航空業界の平均PER(16.2倍)に同社のPERが近づきました。今、中国の乗客成長率が年率で14%程度であること、今後、人民元高で国内購買力が上昇すれば旅行ブームが到来するので、この14%という成長率は楽に維持できるであろうこと、さらに中国の航空業界は規制緩和が他のアジア地域より遅れており、ディスカウンターなどからの攻勢により中国航空会社各社の業績が損なわれる危険性が低いことなどを考慮するともっと割高に買われても不思議はないと感じます。
また、他の中国株の多くのストーリーは無秩序な新規投資による過当競争のリスクを孕んだものが多いのに対し、この業界は極めて秩序だった成長が見込まれます。これも安心出来る要因のひとつでしょう。
ところでアジアの主要航空会社で最もヴァリュエーションが安い株はタイ航空です。PERで7.9倍。確かに南アジア地域は新手のディスカウンターの登場で市場構造が変貌しつつあるとは言え、これは安すぎるのではないでしょうか?。
一瞥した感じでは今回の買収は「当然、実行すべき」だという事。
先ず、中国北方航空と新疆航空がネットワークに加わることでスケール・メリットが出ます。航空事業というのは典型的な規模のメリットが働くビジネスですから、「大きければ大きい方がよい」と言えるでしょう。具体的なメリットとしては;
1.機材の融通、メインテナンスの共有化などによる効率化
2.予約、発券、マーケティング上の相乗効果
3.乗務員の融通
4.本社機能の統合
などです。今回の買収が中国南方航空の利益に与える影響としてはEPSが36%引き上げられる(アクリーティブ)効果があるそうです。また、中国北方航空は大連などの北部工業地帯を地盤にしていて、一方の新疆航空はウルムチなど西方の内陸部が地盤です。どちらも今後中国が国を挙げててこ入れしてゆく方針が既に打ち出されている地域ですからその恩恵を被ることが予想されます。
中国南方航空の株はPEが東方航空や最近上場したエア・チャイナより割高だという事で最近は敬遠されています。でも今回の買収でEPSが上昇することでアジア全体の航空業界の平均PER(16.2倍)に同社のPERが近づきました。今、中国の乗客成長率が年率で14%程度であること、今後、人民元高で国内購買力が上昇すれば旅行ブームが到来するので、この14%という成長率は楽に維持できるであろうこと、さらに中国の航空業界は規制緩和が他のアジア地域より遅れており、ディスカウンターなどからの攻勢により中国航空会社各社の業績が損なわれる危険性が低いことなどを考慮するともっと割高に買われても不思議はないと感じます。
また、他の中国株の多くのストーリーは無秩序な新規投資による過当競争のリスクを孕んだものが多いのに対し、この業界は極めて秩序だった成長が見込まれます。これも安心出来る要因のひとつでしょう。
ところでアジアの主要航空会社で最もヴァリュエーションが安い株はタイ航空です。PERで7.9倍。確かに南アジア地域は新手のディスカウンターの登場で市場構造が変貌しつつあるとは言え、これは安すぎるのではないでしょうか?。
[ 01:28 ]
[ 中東 ]
ドバイの港湾運営会社、ドバイ・ポーツ・インターナショナル(DPI)が米国のCSXから香港のコンテナ港の設備をUS$1.5Billionで買収しました。
香港の新空港からバスに乗って香港に入るたびに思うのは、香港の港湾施設の素晴らしさです。一体、どのくらいの価値があるのかいつも気になっていたのですが、今回のトランスアクションはどうやらブックヴァリューの2倍程度だったらしいです。「成る程、たかが港湾施設とはいえ今をときめく中国の玄関となるとやはりそれだけのプレミアムが要求されるもんなんだなぁ」と納得。僕は昔やっていた仕事の関係で港湾施設を見ると思わずいろいろ考え込んでしまうんですが、香港の設備はピカピカですね。アメリカではロングビーチとかオークランドとかシアトル・タコマとかの設備も見ましたけど、香港の比じゃないです。(当然、日本も勝てない)
このDPIという会社、「なかなかやるな!」と思います。「港湾運営事業というのはサービス業だ!」と宣言しているあたり、アラブ企業のイメージをちょっと超越している気がします。でも、ドバイという土地柄を考えればそれも理解できます。ドバイは石油などの地下資源では周辺の国々には勝てませんが、逆に早くからそれを悟り、中東のシンガポールを目指し、観光、金融、トランスポーテーションなどに注力してきました。このアラブ商人の良い面というのが最大限の形で表現されているのがドバイというところでしょう。(蛇足ながらエミレーツ航空にのってドバイに遊びに行くというのが今、欧州のヘッジファンド・マネージャーの間で流行しています。ことヴァケーションに関しては口の奢った連中ですから、その要求水準に叶ったドバイという土地、今後は観光でも相当イケルという気がします。)
翻って、DPIにコンテナ港を売ったCSXという会社、どうもいけませんなぁ。CSXといえば財務長官ジョン・スノーの出身会社ですが、クラウン・ジュエルであるコンテナ港をあっさり売却なんて思わず「アホかいな?」と言いたくなる。このところの石油高で石炭輸送の需要が高まったりしたので港湾のビジネスは処分したくなったのだと思いますが、いかにも近視眼的経営ですね。
さて、香港の港湾施設の話が出たので思い出したのですが、先日言及したナインタウンズ(NINE)、その翌日ザラ場$9.40どころまで急落した後、買い手が出現したと見えて急反発、2日で15%も上昇しました。僕は指値が低すぎて買い逃した。トホホ!。
香港の新空港からバスに乗って香港に入るたびに思うのは、香港の港湾施設の素晴らしさです。一体、どのくらいの価値があるのかいつも気になっていたのですが、今回のトランスアクションはどうやらブックヴァリューの2倍程度だったらしいです。「成る程、たかが港湾施設とはいえ今をときめく中国の玄関となるとやはりそれだけのプレミアムが要求されるもんなんだなぁ」と納得。僕は昔やっていた仕事の関係で港湾施設を見ると思わずいろいろ考え込んでしまうんですが、香港の設備はピカピカですね。アメリカではロングビーチとかオークランドとかシアトル・タコマとかの設備も見ましたけど、香港の比じゃないです。(当然、日本も勝てない)
このDPIという会社、「なかなかやるな!」と思います。「港湾運営事業というのはサービス業だ!」と宣言しているあたり、アラブ企業のイメージをちょっと超越している気がします。でも、ドバイという土地柄を考えればそれも理解できます。ドバイは石油などの地下資源では周辺の国々には勝てませんが、逆に早くからそれを悟り、中東のシンガポールを目指し、観光、金融、トランスポーテーションなどに注力してきました。このアラブ商人の良い面というのが最大限の形で表現されているのがドバイというところでしょう。(蛇足ながらエミレーツ航空にのってドバイに遊びに行くというのが今、欧州のヘッジファンド・マネージャーの間で流行しています。ことヴァケーションに関しては口の奢った連中ですから、その要求水準に叶ったドバイという土地、今後は観光でも相当イケルという気がします。)
翻って、DPIにコンテナ港を売ったCSXという会社、どうもいけませんなぁ。CSXといえば財務長官ジョン・スノーの出身会社ですが、クラウン・ジュエルであるコンテナ港をあっさり売却なんて思わず「アホかいな?」と言いたくなる。このところの石油高で石炭輸送の需要が高まったりしたので港湾のビジネスは処分したくなったのだと思いますが、いかにも近視眼的経営ですね。
さて、香港の港湾施設の話が出たので思い出したのですが、先日言及したナインタウンズ(NINE)、その翌日ザラ場$9.40どころまで急落した後、買い手が出現したと見えて急反発、2日で15%も上昇しました。僕は指値が低すぎて買い逃した。トホホ!。
[ 01:04 ]
[ インド株 ]
インフォシス(INFY)はインドを代表するITアウトソーシングの会社です。この会社、既に売り上げ規模はUS$1Billionを超えているのですが、それでも年率46%で売上高が成長しています。世界をぐるっと見回してみてもこれだけの規模でこんなに急成長している会社というのは数えるほどしか見当たりません。
インフォシスは売り上げの殆ど(約90%)を欧米の顧客から上げており、請けて来た契約をインドの廉価で良質なエンジニアによって執行しています。(売り上げの68%に相当する部分はインドでプロセス。)このシンプルかつパワフルなビジネス・モデルはまだまだ成長の余地大であると思われます。
ただし、こと株となると少し注意が必要だと思います。というのは既にインフォシスやウィプロ(WIT)、サティヤム(SAY)らインドのITアウトソース株は相当、PERが高くなってきていますし、ADRで買う場合(個人の方法としてはこれしかないと思います)、現地普通株に対してべらぼうなプレミアムがついているからです。折から、インフォシスとサティヤムの両社はADRの増資を発表してます。これでADRの供給が増えればプレミアムが剥げてくるでしょう。従って、ADR公募後まで待ってから買っても遅くない気がします。
ADRのプレミアムが話題に出たついでに言えば、過去において特にプレミアムが大きかったのが台湾セミコンダクター(TSM)とユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(UMC)の2社です。ところが昨今のハードウエア株安で随分、これらのプレミアムは縮小しました。事実、エマージング・マーケット全体のヴァリュエーションと照らしてこれらの銘柄がこんなに割安に取引されたのははじめてであると言っても過言ではないでしょう。これら銘柄はOECDリーディング・インディケーターと密接な相関性があります。そのリーディング・インディケーターですが今年春に天井をつけてからずっと下降線を辿っています。来年の春には底入れが予想されますからこれを先回りして今から買っても良いでしょう。
インフォシスは売り上げの殆ど(約90%)を欧米の顧客から上げており、請けて来た契約をインドの廉価で良質なエンジニアによって執行しています。(売り上げの68%に相当する部分はインドでプロセス。)このシンプルかつパワフルなビジネス・モデルはまだまだ成長の余地大であると思われます。
ただし、こと株となると少し注意が必要だと思います。というのは既にインフォシスやウィプロ(WIT)、サティヤム(SAY)らインドのITアウトソース株は相当、PERが高くなってきていますし、ADRで買う場合(個人の方法としてはこれしかないと思います)、現地普通株に対してべらぼうなプレミアムがついているからです。折から、インフォシスとサティヤムの両社はADRの増資を発表してます。これでADRの供給が増えればプレミアムが剥げてくるでしょう。従って、ADR公募後まで待ってから買っても遅くない気がします。
ADRのプレミアムが話題に出たついでに言えば、過去において特にプレミアムが大きかったのが台湾セミコンダクター(TSM)とユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(UMC)の2社です。ところが昨今のハードウエア株安で随分、これらのプレミアムは縮小しました。事実、エマージング・マーケット全体のヴァリュエーションと照らしてこれらの銘柄がこんなに割安に取引されたのははじめてであると言っても過言ではないでしょう。これら銘柄はOECDリーディング・インディケーターと密接な相関性があります。そのリーディング・インディケーターですが今年春に天井をつけてからずっと下降線を辿っています。来年の春には底入れが予想されますからこれを先回りして今から買っても良いでしょう。
2004/12/10のBlog
[ 05:58 ]
[ ハイテク株 ]
今日のナスダック市場はプログラマブル・ロジックのザイリンクス(XLNX)およびアルテラ(ALTR)の両社が仲良く昨日引け後にプロフィット・ウォーニングを出したことで軟調に寄り付きました。「在庫調整が完了どころか、一層、見通しが悪化した」というのがその弁。ところがザラ場にナショナル・セミコンダクター(NSM)が「ウチは最悪期は脱した」とコメント、半導体株が慌てて買い戻されました。先日のインテルの在庫調整完了宣言と併せて、一体、誰の話を聞けばよいのか迷ってしまう投資家も多いと思います。
僕の考えではザイリンクスやアルテラの業績が上向かないのはハイテクの需要そのものの問題というよりも「デザイン・ベロシティー」、つまり「どのくらい早いペースでいろいろなハイテクの新製品、新企画が打ち出されているか」に左右されるからで、このところハイテク全般で新しいアイデアが停滞している事が両社の業績の足を引っ張っていると思います。
事実、比較的スタンダード商品で主にヴォリュームとコストで勝負するインテルやナショ・セミが「商品は動いている」と言っているわけですから、実際に商品は動いているのでしょう。
さて、世界のファブレス・セミコンダクター各社の在庫状況を見ると、この第3四半期が在庫のピークで、第4四半期には在庫トレンドが減少に転ずると予想されます。このインフレクション・ポイントが台湾セミコンダクター(TSM)やユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(UMC)、そして中国のSMIなどの半導体ファウンドリー会社の株を買う絶好のエントリー・ポイントである事を指摘しておきます。そしてアドヴァンスト・セミコンダクター(ASX)、シリコンウエア・プレシジョン(SPIL)、アムコア(AMKR)、シンガポール・テスト(STTS)、ASEテスト(ASTSF)などのパッケージング、テスティング業者の株も妙味だと思われます。
日本の個人投資家の中国株、アジア株への投資のビヘイビアを見ると重厚長大企業とか不動産へのシフトが極端で、ハイテクは殆ど顧みられていません。でも長期で見れば僕はアジアのハイテク企業は生き残るけど、鉄鋼とか鉱工業とかは疑問な気がします。これは丁度、日本でも円高前は新日鉄とかNKKとかが幅を利かせたけれども、今、振り返ってみるとソニーとかのハイテク企業の方が生き残った率が高かったのと同じ理由です。(NKKの鋼管部門は今はアルゼンチン企業の子会社!になっている。あのプライド高きNKKマンたちはさぞ無念でしょうね。)
僕の考えではザイリンクスやアルテラの業績が上向かないのはハイテクの需要そのものの問題というよりも「デザイン・ベロシティー」、つまり「どのくらい早いペースでいろいろなハイテクの新製品、新企画が打ち出されているか」に左右されるからで、このところハイテク全般で新しいアイデアが停滞している事が両社の業績の足を引っ張っていると思います。
事実、比較的スタンダード商品で主にヴォリュームとコストで勝負するインテルやナショ・セミが「商品は動いている」と言っているわけですから、実際に商品は動いているのでしょう。
さて、世界のファブレス・セミコンダクター各社の在庫状況を見ると、この第3四半期が在庫のピークで、第4四半期には在庫トレンドが減少に転ずると予想されます。このインフレクション・ポイントが台湾セミコンダクター(TSM)やユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(UMC)、そして中国のSMIなどの半導体ファウンドリー会社の株を買う絶好のエントリー・ポイントである事を指摘しておきます。そしてアドヴァンスト・セミコンダクター(ASX)、シリコンウエア・プレシジョン(SPIL)、アムコア(AMKR)、シンガポール・テスト(STTS)、ASEテスト(ASTSF)などのパッケージング、テスティング業者の株も妙味だと思われます。
日本の個人投資家の中国株、アジア株への投資のビヘイビアを見ると重厚長大企業とか不動産へのシフトが極端で、ハイテクは殆ど顧みられていません。でも長期で見れば僕はアジアのハイテク企業は生き残るけど、鉄鋼とか鉱工業とかは疑問な気がします。これは丁度、日本でも円高前は新日鉄とかNKKとかが幅を利かせたけれども、今、振り返ってみるとソニーとかのハイテク企業の方が生き残った率が高かったのと同じ理由です。(NKKの鋼管部門は今はアルゼンチン企業の子会社!になっている。あのプライド高きNKKマンたちはさぞ無念でしょうね。)
[ 03:40 ]
[ 相場のテクニック ]
これ、常識ですね。
そもそも市況産業の経営者が株を出すときというのは業績がピークになって、株価が最高値の時ときまっていますから、そんなときに株を買うのはおっちょこちょいです。
でも証券会社の立場からするとIPOより重厚長大産業の株の公募増資のほうが遥かにオイシイ。アナリストも3年に一度か5年に一度しか巡ってこないこのチャンスに幹事獲得を逃すとクビになってしまいます。だから本当はもっともアブナイ時なのに皆「業績がいいから買いましょう!」の大合唱になるわけです。
ウォール街の格言で「公募増資は発行体が資金が必要なときに実行するのではなく、株に対する需要があるときにやるものだ」というのがあります。これをインベストメント・バンカーはお百度参りをしながら企業の経営者の頭に叩き込むわけですね。
最近、市況産業の公募とかIPOが米国でも多くなってきました。今日は石油パイプライン向けのポンプを作っている老舗、ドレッサーが上場書類を提出しています。この会社、ハリバートンが1998年に買収(とんでもないお荷物を背負い込んだということで当時ハリバートンの社長をしていた現米国副大統領のディック・チェイニーはウォール街の笑いものになった経緯があります)した後、お荷物であるということでスピンオフされた会社です(ドレッサーの傘下だったエンジニアリング会社のKBRだけはハリバートンが依然キープしています)。
こんなぼろ会社(ちょっと仮目論見書を眺めた感じでは、相変わらず業績は低迷したまま)がすました顔してまたIPOに出てくるくらいですから昨今の市況関連株ブームはそろそろ下車する時が来ている気がします。
そもそも市況産業の経営者が株を出すときというのは業績がピークになって、株価が最高値の時ときまっていますから、そんなときに株を買うのはおっちょこちょいです。
でも証券会社の立場からするとIPOより重厚長大産業の株の公募増資のほうが遥かにオイシイ。アナリストも3年に一度か5年に一度しか巡ってこないこのチャンスに幹事獲得を逃すとクビになってしまいます。だから本当はもっともアブナイ時なのに皆「業績がいいから買いましょう!」の大合唱になるわけです。
ウォール街の格言で「公募増資は発行体が資金が必要なときに実行するのではなく、株に対する需要があるときにやるものだ」というのがあります。これをインベストメント・バンカーはお百度参りをしながら企業の経営者の頭に叩き込むわけですね。
最近、市況産業の公募とかIPOが米国でも多くなってきました。今日は石油パイプライン向けのポンプを作っている老舗、ドレッサーが上場書類を提出しています。この会社、ハリバートンが1998年に買収(とんでもないお荷物を背負い込んだということで当時ハリバートンの社長をしていた現米国副大統領のディック・チェイニーはウォール街の笑いものになった経緯があります)した後、お荷物であるということでスピンオフされた会社です(ドレッサーの傘下だったエンジニアリング会社のKBRだけはハリバートンが依然キープしています)。
こんなぼろ会社(ちょっと仮目論見書を眺めた感じでは、相変わらず業績は低迷したまま)がすました顔してまたIPOに出てくるくらいですから昨今の市況関連株ブームはそろそろ下車する時が来ている気がします。
2004/12/09のBlog
[ 10:47 ]
[ IPO ]
今、買い出動のタイミングをてぐすねひいて待っているのが、この株。
ナインタウンズ(NINE)は12月3日にNasdaqに上場された中国のソフトウエア企業です。同社は輸出入・通関書類のオンライン化ソフトウエアを販売しています。
中国には外国資本の参加を受けた企業が全部で47万社あり、その多くが中国からモノを輸出したり、逆に中国へモノを輸入する業務に携わっているそうです。このところ、WTO加盟とか、テロリスト対策で輸出入業務にまつわる届出事項が増えたりなど、いろいろな要因が重なって、ペーパーによる書類処理は限界に来ています。
ナインタウンズはこの事務をオンライン化することでこれまで2日以上かかっていた届出作業を30分で完了させるというソリューションを提供しています。なかなか将来性のありそうなビジネスですね。同社の顧客は現在8万社、まだまだ成長余地は大きそうです。
さて、ファンダメンタルズですが、今年1月から9月までの3四半期の売り上げは約US$16Million、同期間のEPSは40セントです。IPO後のバランスシート上のネット・キャッシュは約2ドルといったところでしょうか?。
同社株は11ドルで値決め後、3日の上場初日は14ドル超までザラ場買い進まれました。しかし、主幹事のJPモルガンのディールにしばしばありがちなのですが買い物が続かずその後毎日陰線を引いています。7日にはとうとう公募価格を割込み、今日(8日)は一時10ドルを割込みました。
IPO後の相場の持ってゆき方に関しては主幹事証券によっていろいろなクセがあり、それをよく見極めて出動かけないととんでもない損を被ったりしますが、JPモルガンの場合、公募価格を割ったら無理に買い支えず、下値でナチュラル・バイヤーが出現するのを待ちます。そこでフリッパー(IPOに応募しておきながら、すぐに売り抜ける目先筋)の売り物をスウィープしたら、後は売り物が薄くなって軽くなったところを自在に煽ってゆく、そういうアプローチを好みます。
今回もそのパターンを踏襲する格好になったわけですが、10ドル割れの水準はそろそろ買いのタイミングを窺う準備に入るべき水準でしょう。これはゴールドマンのディールなのですが、最近ではハッチソン・テレコム(HTX)がほぼ似たような株価の足取りを辿りました。ハッチソン・テレコムの場合、上場後13立会いでコツンと底打ち、下げ幅的には公募価格からマイナス15%という水準で反転しています。ナインタウンズの場合、未だ4日目ですから出動するにはちょっと早い気がします。水準的には9.3ドルあたりが妥当かなと思います。大体、上場してから一ヶ月経つと所謂クウヮイエット・ピリオド明けで各証券が推奨を始めることが出来ます。それを先回りして買い物が入りますから遅くとも上場後20日程度までにはポジションを建てるというのが定石でしょう。
ナインタウンズ(NINE)は12月3日にNasdaqに上場された中国のソフトウエア企業です。同社は輸出入・通関書類のオンライン化ソフトウエアを販売しています。
中国には外国資本の参加を受けた企業が全部で47万社あり、その多くが中国からモノを輸出したり、逆に中国へモノを輸入する業務に携わっているそうです。このところ、WTO加盟とか、テロリスト対策で輸出入業務にまつわる届出事項が増えたりなど、いろいろな要因が重なって、ペーパーによる書類処理は限界に来ています。
ナインタウンズはこの事務をオンライン化することでこれまで2日以上かかっていた届出作業を30分で完了させるというソリューションを提供しています。なかなか将来性のありそうなビジネスですね。同社の顧客は現在8万社、まだまだ成長余地は大きそうです。
さて、ファンダメンタルズですが、今年1月から9月までの3四半期の売り上げは約US$16Million、同期間のEPSは40セントです。IPO後のバランスシート上のネット・キャッシュは約2ドルといったところでしょうか?。
同社株は11ドルで値決め後、3日の上場初日は14ドル超までザラ場買い進まれました。しかし、主幹事のJPモルガンのディールにしばしばありがちなのですが買い物が続かずその後毎日陰線を引いています。7日にはとうとう公募価格を割込み、今日(8日)は一時10ドルを割込みました。
IPO後の相場の持ってゆき方に関しては主幹事証券によっていろいろなクセがあり、それをよく見極めて出動かけないととんでもない損を被ったりしますが、JPモルガンの場合、公募価格を割ったら無理に買い支えず、下値でナチュラル・バイヤーが出現するのを待ちます。そこでフリッパー(IPOに応募しておきながら、すぐに売り抜ける目先筋)の売り物をスウィープしたら、後は売り物が薄くなって軽くなったところを自在に煽ってゆく、そういうアプローチを好みます。
今回もそのパターンを踏襲する格好になったわけですが、10ドル割れの水準はそろそろ買いのタイミングを窺う準備に入るべき水準でしょう。これはゴールドマンのディールなのですが、最近ではハッチソン・テレコム(HTX)がほぼ似たような株価の足取りを辿りました。ハッチソン・テレコムの場合、上場後13立会いでコツンと底打ち、下げ幅的には公募価格からマイナス15%という水準で反転しています。ナインタウンズの場合、未だ4日目ですから出動するにはちょっと早い気がします。水準的には9.3ドルあたりが妥当かなと思います。大体、上場してから一ヶ月経つと所謂クウヮイエット・ピリオド明けで各証券が推奨を始めることが出来ます。それを先回りして買い物が入りますから遅くとも上場後20日程度までにはポジションを建てるというのが定石でしょう。
[ 02:07 ]
[ 中国株 ]
ゴールドマン・サックスがウォルマートの株式をダウングレードしました。ウォルマートが余りに巨大になった為、新規出店しても既存のウォルマートと喰い合いになってしまうというのがその主な理由です。換言すればウォルマートはアメリカ国内ではそろそろ飽和点に達したということでしょう。(生鮮食料品とかに進出しようとする試みはその顕われだと思います。)
さて、ウォルマートは中国にとって上得意のお客さんです。つまり、ウォルマートの「集中購買、超低価格の追及」とう戦略は事実上、中国製品以外では勝負にならないというマーケット・ダイナミズムを生み、これが自然に米国の小売市場における中国製品のマーケット・シェアを押し上げるのに寄与してきたからです。ターゲットとか他の小売業も当然、ウォルマートに対抗するために中国製へのシフトを行います。いまどき中国にソーシングを頼らない米国企業なんて存在するでしょうか?。
でもこのシンプルかつパワフルなビジネス・モデルはそろそろ一巡してきている気がします。あまりに中国製のぺネトレーションが高まったため、今後中国が米国市場から成長を搾り出そうとすると、マーケット・シェア・ゲインではなく、他の分野にブランチアウトしてゆく必要がありそうです。しかし、他の分野と簡単に言いますが、資本集約的産業の場合、これまでの中国企業の経営では要求されなかった新しいスキル・セットが必要とされる気がします。
つまり、中国の「成長の質(クウォリティー・オブ・グロース)」が今後問題になるのではないでしょうか?。確かに中国は現在重工業を中心に多大の先行投資中ですから国内景気は良いように見えます。でも玩具の場合絶対中国製しか競争にならないと思いますが、果たして中国の鉄鋼や自動車が国際競争力があるでしょうか?。これは今後よく見極めてゆくべき点だという気がします。
さて、ウォルマートは中国にとって上得意のお客さんです。つまり、ウォルマートの「集中購買、超低価格の追及」とう戦略は事実上、中国製品以外では勝負にならないというマーケット・ダイナミズムを生み、これが自然に米国の小売市場における中国製品のマーケット・シェアを押し上げるのに寄与してきたからです。ターゲットとか他の小売業も当然、ウォルマートに対抗するために中国製へのシフトを行います。いまどき中国にソーシングを頼らない米国企業なんて存在するでしょうか?。
でもこのシンプルかつパワフルなビジネス・モデルはそろそろ一巡してきている気がします。あまりに中国製のぺネトレーションが高まったため、今後中国が米国市場から成長を搾り出そうとすると、マーケット・シェア・ゲインではなく、他の分野にブランチアウトしてゆく必要がありそうです。しかし、他の分野と簡単に言いますが、資本集約的産業の場合、これまでの中国企業の経営では要求されなかった新しいスキル・セットが必要とされる気がします。
つまり、中国の「成長の質(クウォリティー・オブ・グロース)」が今後問題になるのではないでしょうか?。確かに中国は現在重工業を中心に多大の先行投資中ですから国内景気は良いように見えます。でも玩具の場合絶対中国製しか競争にならないと思いますが、果たして中国の鉄鋼や自動車が国際競争力があるでしょうか?。これは今後よく見極めてゆくべき点だという気がします。
[ 01:16 ]
[ ロシア株 ]
ロシアで第二位の携帯電話のオペレーター、ヴィンペル(VIP)に対して未払い法人税の請求がなされたというニュースがきっかけでロシア株が急落しました。追徴額自体はたいして大きくないですが、パターンがユコスの時と似ているのが投資家の不安を駆り立てているのだと思います。
ヴィンペルはアルファ・グループというロシア最大級のプライベートバンクによって支配されていて、その総帥はミハイル・フリードマンです。フリードマンはロシアを代表する豪商(オリガルヒ)のひとりで国際金融の世界での知名度は高いです。
投資家が今日のニュースをとりわけ深刻に受け止めた理由はこれまでユコスのケースはあくまでもプーチン大統領とユコスのミハイル・ハダルコフスキーとの間の争いであって、プーチン大統領は他のロシア企業には締め付けを強化しない、という根拠の希薄な希望的展望を欧米の機関投資家はずっと持っていたからです。(これってナチが猛威を振るい始めたドイツで「いつか事態は好転する」と楽観していた一部のユダヤ人のメンタリティーと相通じるものがありますね。)
ところがここへきてロシアの税務当局はTNK-BP、シブネフチなどの企業に対して次々追徴税を請求しました。事がウォール街の人気株であるヴィンペルに及んで、鈍感な米国の投資家も「こりゃ様子がちがうぞ」とはじめて気付いたという訳。
ロシア政府の歳入のシステムは日本や米国のそれと比べてベースが狭く、エネルギーなどへの依存が高いと思います。また、ロシア企業は脱税というか節税に大変熱心な企業が多く、政府が業を煮やしている感が否めません。一般論で言って、そういうガヴァナビリティーの限界が政府をして人目を惹くアクションに走らせているのではないでしょうか?。
いずれにせよ欧米の投資家がロシア株に与えているリスク・プレミアムは低すぎる気がします。今後、同国の株式市場のPEマルチプルが下がるのは必至でしょう。
ヴィンペルはアルファ・グループというロシア最大級のプライベートバンクによって支配されていて、その総帥はミハイル・フリードマンです。フリードマンはロシアを代表する豪商(オリガルヒ)のひとりで国際金融の世界での知名度は高いです。
投資家が今日のニュースをとりわけ深刻に受け止めた理由はこれまでユコスのケースはあくまでもプーチン大統領とユコスのミハイル・ハダルコフスキーとの間の争いであって、プーチン大統領は他のロシア企業には締め付けを強化しない、という根拠の希薄な希望的展望を欧米の機関投資家はずっと持っていたからです。(これってナチが猛威を振るい始めたドイツで「いつか事態は好転する」と楽観していた一部のユダヤ人のメンタリティーと相通じるものがありますね。)
ところがここへきてロシアの税務当局はTNK-BP、シブネフチなどの企業に対して次々追徴税を請求しました。事がウォール街の人気株であるヴィンペルに及んで、鈍感な米国の投資家も「こりゃ様子がちがうぞ」とはじめて気付いたという訳。
ロシア政府の歳入のシステムは日本や米国のそれと比べてベースが狭く、エネルギーなどへの依存が高いと思います。また、ロシア企業は脱税というか節税に大変熱心な企業が多く、政府が業を煮やしている感が否めません。一般論で言って、そういうガヴァナビリティーの限界が政府をして人目を惹くアクションに走らせているのではないでしょうか?。
いずれにせよ欧米の投資家がロシア株に与えているリスク・プレミアムは低すぎる気がします。今後、同国の株式市場のPEマルチプルが下がるのは必至でしょう。
2004/12/08のBlog
[ 22:17 ]
[ 中国株 ]
H株指数がロール・オーバー(反落)しつつあります。
香港市場で今週、来週とIPOラッシュなのが直接の原因でしょう。香港の場合、個人投資家は応募倍率を考慮にいれて、多目にデマンドを入れると、その分だけ口座にキャッシュがないといけないというルールがあります。つまり倍率10倍!なんて喜んでいるわけですが、市場全体から言うとそれだけのキャッシュを捻出するため、なにか売却しないといけないわけです。IPOが調達予定金額の何倍もの資金を一時的に市場から吸い上げてしまう理由はここにあると僕は思います。
実際、値決めがあり、アロケーションが判明すると新規公開株を貰い損ねた投資家はキャッシュが余ることになるわけですから、「なんだつまらん。そいじゃまた株を買うか」なんて感じで資金を株式市場に戻すわけですね。大型IPOの上場直後に市場全体が上昇する事が多いのはこのためです。
さて、今回もそのシナリオからすると来週までがもっとも辛い場面で、需給的にはその後好転することが考えられます。ただ、問題点としては石油価格、商品価格が下落しつつありますからH株指数は上値が重いかもしれないという事。なぜならH株指数はペトロチャイナをはじめとして石油株、石油化学株などの比重が大きく、「ヘビー・シクリカル指数」と呼んでもおかしくないからです。
あと細かいことを言えば最近、ニューヨーク市場にFXIという中国株のETFが上場されました。これでヘッジファンドなどが簡単に中国株のショートを振れるようになったことを付記しておきます。(これまで中国株は空売りの借株が大変困難でした。FXIは借株の心配が無い上、ダウンティックでもショートできる)
1989年だったと記憶していますが、それまで日本株をショートするのは海外の投資家にとっては大変難しかったのが、ソシエテ・ジェネラルとかの欧米の金融機関がこぞって「日経プット・オプション」などの商品を出した頃を思い出します。欧米の投資家はこのチャンスに飛びつきました。日経平均をド天井でショートして大金持ちが続出したことは言うまでもありません。
香港市場で今週、来週とIPOラッシュなのが直接の原因でしょう。香港の場合、個人投資家は応募倍率を考慮にいれて、多目にデマンドを入れると、その分だけ口座にキャッシュがないといけないというルールがあります。つまり倍率10倍!なんて喜んでいるわけですが、市場全体から言うとそれだけのキャッシュを捻出するため、なにか売却しないといけないわけです。IPOが調達予定金額の何倍もの資金を一時的に市場から吸い上げてしまう理由はここにあると僕は思います。
実際、値決めがあり、アロケーションが判明すると新規公開株を貰い損ねた投資家はキャッシュが余ることになるわけですから、「なんだつまらん。そいじゃまた株を買うか」なんて感じで資金を株式市場に戻すわけですね。大型IPOの上場直後に市場全体が上昇する事が多いのはこのためです。
さて、今回もそのシナリオからすると来週までがもっとも辛い場面で、需給的にはその後好転することが考えられます。ただ、問題点としては石油価格、商品価格が下落しつつありますからH株指数は上値が重いかもしれないという事。なぜならH株指数はペトロチャイナをはじめとして石油株、石油化学株などの比重が大きく、「ヘビー・シクリカル指数」と呼んでもおかしくないからです。
あと細かいことを言えば最近、ニューヨーク市場にFXIという中国株のETFが上場されました。これでヘッジファンドなどが簡単に中国株のショートを振れるようになったことを付記しておきます。(これまで中国株は空売りの借株が大変困難でした。FXIは借株の心配が無い上、ダウンティックでもショートできる)
1989年だったと記憶していますが、それまで日本株をショートするのは海外の投資家にとっては大変難しかったのが、ソシエテ・ジェネラルとかの欧米の金融機関がこぞって「日経プット・オプション」などの商品を出した頃を思い出します。欧米の投資家はこのチャンスに飛びつきました。日経平均をド天井でショートして大金持ちが続出したことは言うまでもありません。
[ 21:52 ]
[ 資源 ]
中国航空油料集団のデリバティブによる損失が話題になっていますが、投資家の観点から言えば相場の転換点でこのような「事件」が起こるというのが相場の常であるという事でしょう。
なんでも石油価格に対して弱気の賭けをした同社がブル相場にもっていかれ、雪だるま式に損が膨らんだということです。その後、石油価格が下落の過程にある今、このニュースは「あるひとつのバブルが弾けたことの確認」の意味があるように思います。そして、強気局面が大きかっただけに、現在突入している、揺れ戻しの弱気局面も生半可ではない事を覚悟する必要があると改めて感じます。
まあ、僕のしろうと考えでは石油の価格は$30台の前半か、或いはもっとザックリ調整して$28くらいにまで下げないとアクが抜けないのではないでしょうか?。
ヘッジファンド・マネージャーのかなりの数が今回の弱気局面で、オイルフィールド・サービスとか小型石油株にロングで乗りたいと考えています。まだまだ懲りてないですね。
「弱気相場は希望のスロープを転げ落ちる。」とはウォール街の有名な格言。
なんでも石油価格に対して弱気の賭けをした同社がブル相場にもっていかれ、雪だるま式に損が膨らんだということです。その後、石油価格が下落の過程にある今、このニュースは「あるひとつのバブルが弾けたことの確認」の意味があるように思います。そして、強気局面が大きかっただけに、現在突入している、揺れ戻しの弱気局面も生半可ではない事を覚悟する必要があると改めて感じます。
まあ、僕のしろうと考えでは石油の価格は$30台の前半か、或いはもっとザックリ調整して$28くらいにまで下げないとアクが抜けないのではないでしょうか?。
ヘッジファンド・マネージャーのかなりの数が今回の弱気局面で、オイルフィールド・サービスとか小型石油株にロングで乗りたいと考えています。まだまだ懲りてないですね。
「弱気相場は希望のスロープを転げ落ちる。」とはウォール街の有名な格言。
2004/12/07のBlog
[ 07:14 ]
[ ナイジェリア ]
社会人になりたての頃、プラント関係の仕事で世界中を走り回った。砂漠だろうが、極貧国だろうが仕事があればどこへでも飛ぶ。折からオイル・ショック直後でプラント・ブームの真っ最中だった。僕の上司達はすでに何本ものプロジェクトをこなしていて、それぞれ武勇伝のひとつやふたつは持っていた。
そんな連中が久しぶりに東京に集合するとナイジェリアの話になる。「ナイジェリアってとこはねぇ、フレデリック・フォーサイスの『戦争の犬たち』を地で行くとんでもないところなんだよ。」
『戦争の犬たち』は或るアフリカの小国に大量のプラチナが埋蔵されていることを知ったイギリスの鉱山会社の社長が傭兵(つまり戦争の犬たち)を雇って政府転覆を企てる話(ナイジェリアで1966年に勃発したビアフラ戦争がモデルになっている)である。
「銀行のひとつや現金輸送車をやるなんてのは簡単すぎる。そこへゆくとひとつの共和国を倒すってのはちょっとセンスがいいと思わないかい?。」(鉱山会社社長/『戦争の犬たち』より)
今日、インターネットでナイジェリアの石油労働者のストの記事を読んで、『戦争の犬たち』を思い出した。ナイジェリアが直面している問題というのは本質的には30年前に書かれたこの小説の描くところとなんら変わらないのである。つまり、先進国の石油メジャーによる搾取(その中心になっているのはロイヤル・ダッチ)、それに加えて「レヴェニュー・シェアリング」と呼ばれる石油開発契約がナイジェリア内の人種間対立、地域間対立、腐敗、貧困の増加などを助長しているのだ。その結果、昨今の石油高の恩恵をナイジェリアの国民は殆ど享受できなかった。
ではなぜナイジェリアが重要かと言うと、同国は原油の輸出では世界第5位、イラクを凌いで、ほぼクウェートと肩を並べている。生産量は日産200万バレルだ。欧米の機関投資家はナイジェリア情勢に疎い人が多いが、案外、落とし穴はこんなところにあるのではないだろうか?。
「ひと暴れして来い!」と叫んで戦争の犬たちを放つ (シェイクスピア)
そんな連中が久しぶりに東京に集合するとナイジェリアの話になる。「ナイジェリアってとこはねぇ、フレデリック・フォーサイスの『戦争の犬たち』を地で行くとんでもないところなんだよ。」
『戦争の犬たち』は或るアフリカの小国に大量のプラチナが埋蔵されていることを知ったイギリスの鉱山会社の社長が傭兵(つまり戦争の犬たち)を雇って政府転覆を企てる話(ナイジェリアで1966年に勃発したビアフラ戦争がモデルになっている)である。
「銀行のひとつや現金輸送車をやるなんてのは簡単すぎる。そこへゆくとひとつの共和国を倒すってのはちょっとセンスがいいと思わないかい?。」(鉱山会社社長/『戦争の犬たち』より)
今日、インターネットでナイジェリアの石油労働者のストの記事を読んで、『戦争の犬たち』を思い出した。ナイジェリアが直面している問題というのは本質的には30年前に書かれたこの小説の描くところとなんら変わらないのである。つまり、先進国の石油メジャーによる搾取(その中心になっているのはロイヤル・ダッチ)、それに加えて「レヴェニュー・シェアリング」と呼ばれる石油開発契約がナイジェリア内の人種間対立、地域間対立、腐敗、貧困の増加などを助長しているのだ。その結果、昨今の石油高の恩恵をナイジェリアの国民は殆ど享受できなかった。
ではなぜナイジェリアが重要かと言うと、同国は原油の輸出では世界第5位、イラクを凌いで、ほぼクウェートと肩を並べている。生産量は日産200万バレルだ。欧米の機関投資家はナイジェリア情勢に疎い人が多いが、案外、落とし穴はこんなところにあるのではないだろうか?。
「ひと暴れして来い!」と叫んで戦争の犬たちを放つ (シェイクスピア)
2004/12/06のBlog
[ 03:32 ]
[ 中国株 ]
人民元の切り上げを見越して、海外在住の華僑を中心に米ドルを中国に送金し人民元に転ずるというのが流行しています。その人民元は銀行に預けるのではなく、直接、友人、知人を通じて零細企業への融資にまわされているそうです。この利点は銀行に預けるより高利で貸し付けられること、さらに所謂アングラ・マネーですから利子所得を申告し、納税することを忌避できることなどでしょう。
この「縁故融資」が今の中国の中小企業の成長を後押ししていることは言うまでもありません。ただ、経済政策の面から見ると政府が金利政策を通じてマクロ・コントロールをするのがより困難になるという点が指摘できると思います。結果、皆が同じ方向に向いて走り出すような無駄な投資を抑制するのが一層難しくなると思います。今は中国にむけてお金がどんどん飛び込んでいる状況ですから無駄な投資、愚かな投資も馬脚を顕すことなく回転していっています。しかし、資本コストが安いときというのは一番馬鹿げた間違いを起こしやすい時でもありますから、注意する必要があるでしょう。
日本の商売をしている人のメンタリティーとしては資金繰りが苦しい時、万難を排してでも銀行の融資はきっちり返すという傾向がありますが、中国の場合、友人、知人からの縁故融資の返済が最も大事で、銀行への返済は最後というケースが多いそうです。この結果、中国の銀行の不良資産はすでに危険なレベルまで積みあがっており、このリストラなくしては中国経済が次ぎのステージにグレードアップすることは困難な段階に来ていると思われます。最近、中国の銀行各行で大幅な経営陣の入れ替えなどがあったのはこれが一因でしょう。日本の場合も金融サービス業の未熟さが経済のアキレス腱になりましたが、中国の金融サービス業は日本のそれに輪をかけて脆弱です。
玩具の製造などの軽工業における中国の競争力の強さは今更、僕が指摘するまでもないですが、これが全ての産業にあてはまると考えると大間違いでしょう(例えば中国のアルミ産業は国際的に全く競争力がない)。特に、中国企業がより付加価値の高い産業、或いは商品を作るため、先行投資し、「ヴァリュー・チェインを遡る」ことを試みれば試みるほど、中国の持っている根本的な強味である安価な労働力というコンセプトから離れていってしまいます。現在のようにヤミ融資が無秩序な事業投資を助長するという構図はドットコム・バブルのとき、シリコンヴァレーで見られた「粗製濫造」のメンタリティーにかなり近いですね。投資家はこの点に注意しながら中国への投資を考えるべきと感じます。
この「縁故融資」が今の中国の中小企業の成長を後押ししていることは言うまでもありません。ただ、経済政策の面から見ると政府が金利政策を通じてマクロ・コントロールをするのがより困難になるという点が指摘できると思います。結果、皆が同じ方向に向いて走り出すような無駄な投資を抑制するのが一層難しくなると思います。今は中国にむけてお金がどんどん飛び込んでいる状況ですから無駄な投資、愚かな投資も馬脚を顕すことなく回転していっています。しかし、資本コストが安いときというのは一番馬鹿げた間違いを起こしやすい時でもありますから、注意する必要があるでしょう。
日本の商売をしている人のメンタリティーとしては資金繰りが苦しい時、万難を排してでも銀行の融資はきっちり返すという傾向がありますが、中国の場合、友人、知人からの縁故融資の返済が最も大事で、銀行への返済は最後というケースが多いそうです。この結果、中国の銀行の不良資産はすでに危険なレベルまで積みあがっており、このリストラなくしては中国経済が次ぎのステージにグレードアップすることは困難な段階に来ていると思われます。最近、中国の銀行各行で大幅な経営陣の入れ替えなどがあったのはこれが一因でしょう。日本の場合も金融サービス業の未熟さが経済のアキレス腱になりましたが、中国の金融サービス業は日本のそれに輪をかけて脆弱です。
玩具の製造などの軽工業における中国の競争力の強さは今更、僕が指摘するまでもないですが、これが全ての産業にあてはまると考えると大間違いでしょう(例えば中国のアルミ産業は国際的に全く競争力がない)。特に、中国企業がより付加価値の高い産業、或いは商品を作るため、先行投資し、「ヴァリュー・チェインを遡る」ことを試みれば試みるほど、中国の持っている根本的な強味である安価な労働力というコンセプトから離れていってしまいます。現在のようにヤミ融資が無秩序な事業投資を助長するという構図はドットコム・バブルのとき、シリコンヴァレーで見られた「粗製濫造」のメンタリティーにかなり近いですね。投資家はこの点に注意しながら中国への投資を考えるべきと感じます。
[ 02:35 ]
[ マクロ・ストラテジー ]
11月のレヴュー
先月の相場のテーマとしてはドル安が挙げられると思います。新ブッシュ政権は双子の赤字に対して抜本的な対策を講ずる気配は全然見られません。所謂、コンペティティブ・デヴァリュエーション(他国より強引に自国通貨を弱気誘導する)という安直な措置でお茶を濁しているわけです。これを受けて金価格は堅調に推移しました。一方、米国に対するハイテク輸出に依存度の高いアジアの各国(日本、韓国、台湾など)市場は上値の重い展開でした。この地域の輸出サイクルはどうやらピークをつけてしまったように見受けられます。
一方、主にブラジルなどの素材輸出に依存している各国の市場は相変わらず好調でした。しかし、その中にあっても一部地域で成長に翳りが見えてきているのが目を引きます。具体的にはロシアのマクロ経済指標が鈍化を示唆しています。例えば11月の購買者指数では49.8と去年の1月以来の低い数字が出ました。証券会社各社もロシアの成長率予想を引き下げ始めています。
さて、ブラジルですが目下経済は絶好調といったところでしょう。第3四半期のGDP成長は5.3%と、過去8年で最高でした。また、これまで足踏み気味だった事業投資が活発化してきています。
中国では素材価格の高騰が輸入のペースを抑える現象が出ています。通関統計では殆どの素材の輸入ペースが鈍化傾向を見せました。この中で相変わらず堅調を維持しているのが消費セクターです。10月の小売売上高は14%成長と、過去5ヶ月で最も早いペースでした。
今後の見通し
過去、米国の債券市場で利回り曲線がフラットニングした際、エマージング・マーケットに対する資金の流れが段々悪くなり、これが発展途上国において借り換えの困難などの問題に発展するケースが多々ありました。現在、米国の金利構造はそういうフラットニングの局面にありますから、これがエマージング・マーケットに悪影響を与えるかどうか検証して見る価値はあると思います。
結論から言ってしまえば、今回は発展途上国各国が流動性の枯渇に苦しむ危険性は低い気がします。その理由は、ここ1年あまり、先進国の機関投資家からエマージング市場に対するポートフォリオ投資の資金流入はそれほど度を越した水準ではなく、所謂「ホットマネー」はあまり見られません。次に、途上国の財政の借り入れ依存度は遥かに下がっていることも指摘できます。特にアジアの新興国は外貨準備が唸るように積みあがっていますから、これがクッションの働きをすると考えられます。これらのことから考えて、今のエマージング各国が危機に瀕する可能性はかなり低い気がします。
これを断った上で敢えて指摘すれば、次の各市場は過熱気味の傾向をみせており、要注意といえるでしょう。
1.ブラジルやロシアの株式市場
2.中国の人民元預金
特にロシアの場合、抜本的な経済構造、さらに企業経営の改善が全くされないままに昨今の石油ブームで景気が浮揚され、あたかもロシア経済そのものが世界の「一流」の仲間入りしたような幻想が生まれました。しかし、その実態は旧態依然としたものです。このところ石油価格が下げに転じていますから、金メッキが剥げる局面もそう遠くないと思われます。これに対してブラジルのマクロ指標がまだ商品市場の減速を感じさせない理由は単純にブラジルが地理的に素材商品の大消費地、つまり中国や米国から遠く離れているからだと僕は考えます。
12月の最も魅力ある投資対象
1.アジアのハイテク企業 (例:ASEテスト、ナムタイ・エレクトロニクスなど)
2.中国のドットコム株 (例:ネットイーズ、コンゾンなど)
3.タイの大型株 (例:サイアム・コマーシャル銀行、タイ航空など)
12月の最も危ない投資対象
1.海運株(グローバルに)
2.鉄鋼株(グローバルに)
3.石油株(グローバルに)
4.南アフリカ株
5.ロシア株
先月の相場のテーマとしてはドル安が挙げられると思います。新ブッシュ政権は双子の赤字に対して抜本的な対策を講ずる気配は全然見られません。所謂、コンペティティブ・デヴァリュエーション(他国より強引に自国通貨を弱気誘導する)という安直な措置でお茶を濁しているわけです。これを受けて金価格は堅調に推移しました。一方、米国に対するハイテク輸出に依存度の高いアジアの各国(日本、韓国、台湾など)市場は上値の重い展開でした。この地域の輸出サイクルはどうやらピークをつけてしまったように見受けられます。
一方、主にブラジルなどの素材輸出に依存している各国の市場は相変わらず好調でした。しかし、その中にあっても一部地域で成長に翳りが見えてきているのが目を引きます。具体的にはロシアのマクロ経済指標が鈍化を示唆しています。例えば11月の購買者指数では49.8と去年の1月以来の低い数字が出ました。証券会社各社もロシアの成長率予想を引き下げ始めています。
さて、ブラジルですが目下経済は絶好調といったところでしょう。第3四半期のGDP成長は5.3%と、過去8年で最高でした。また、これまで足踏み気味だった事業投資が活発化してきています。
中国では素材価格の高騰が輸入のペースを抑える現象が出ています。通関統計では殆どの素材の輸入ペースが鈍化傾向を見せました。この中で相変わらず堅調を維持しているのが消費セクターです。10月の小売売上高は14%成長と、過去5ヶ月で最も早いペースでした。
今後の見通し
過去、米国の債券市場で利回り曲線がフラットニングした際、エマージング・マーケットに対する資金の流れが段々悪くなり、これが発展途上国において借り換えの困難などの問題に発展するケースが多々ありました。現在、米国の金利構造はそういうフラットニングの局面にありますから、これがエマージング・マーケットに悪影響を与えるかどうか検証して見る価値はあると思います。
結論から言ってしまえば、今回は発展途上国各国が流動性の枯渇に苦しむ危険性は低い気がします。その理由は、ここ1年あまり、先進国の機関投資家からエマージング市場に対するポートフォリオ投資の資金流入はそれほど度を越した水準ではなく、所謂「ホットマネー」はあまり見られません。次に、途上国の財政の借り入れ依存度は遥かに下がっていることも指摘できます。特にアジアの新興国は外貨準備が唸るように積みあがっていますから、これがクッションの働きをすると考えられます。これらのことから考えて、今のエマージング各国が危機に瀕する可能性はかなり低い気がします。
これを断った上で敢えて指摘すれば、次の各市場は過熱気味の傾向をみせており、要注意といえるでしょう。
1.ブラジルやロシアの株式市場
2.中国の人民元預金
特にロシアの場合、抜本的な経済構造、さらに企業経営の改善が全くされないままに昨今の石油ブームで景気が浮揚され、あたかもロシア経済そのものが世界の「一流」の仲間入りしたような幻想が生まれました。しかし、その実態は旧態依然としたものです。このところ石油価格が下げに転じていますから、金メッキが剥げる局面もそう遠くないと思われます。これに対してブラジルのマクロ指標がまだ商品市場の減速を感じさせない理由は単純にブラジルが地理的に素材商品の大消費地、つまり中国や米国から遠く離れているからだと僕は考えます。
12月の最も魅力ある投資対象
1.アジアのハイテク企業 (例:ASEテスト、ナムタイ・エレクトロニクスなど)
2.中国のドットコム株 (例:ネットイーズ、コンゾンなど)
3.タイの大型株 (例:サイアム・コマーシャル銀行、タイ航空など)
12月の最も危ない投資対象
1.海運株(グローバルに)
2.鉄鋼株(グローバルに)
3.石油株(グローバルに)
4.南アフリカ株
5.ロシア株
2004/12/05のBlog
[ 03:38 ]
[ マクロ・ストラテジー ]
僕が脱サラしたとき心に誓ったのは「自分の好き放題、面白い相場を張るぞ!」という事に尽きます。
機関投資家相手の仕事をしていたときに幻滅させられたことは、市場参加者の殆どがベンチマーキングという慣習に縛られていたことでしょう。ベンチマーキングとは、例えば「日経平均より勝つ」という目標のことです。
さて、サラリーマンとしてはそういう目標を与えられた場合、常套手段としてまずベンチマーク(つまり指数)構成銘柄を調べ、それを模倣するポートフォリオを組みます。そこから、「この銘柄は外す、この銘柄はもっと買い増す」という味付けをしてゆくわけです。このアプローチの問題点は、例えば或る年、「相場が悪くて日経平均はマイナス、A投信のパフォーマンスもマイナスだったけれど、日経平均ほどはヤラレなかった」とします。この場合、ファンド・マネージャーは指数に勝ったので多分、褒められると思うんですね。A投信の受益者の痛みがファンド・マネージャーには伝わらないという意味で、これは経済学でいう費用の外部化がおこっていると言えるでしょう。
さらに多くのファンド・マネージャーがベンチマーキングを採用することで指数構成銘柄が一層買われ、結果として投資妙味が薄れるという危惧もあります。今、先進国の株式市場は大体、経済の成長率とそうかけ離れたリターンは期待できないわけですから、例えば日本の場合、均して見て0%~4%くらいしか成長してません。にもかかわらず二桁を超える投資成果を期待するのは虫がいい気がします。ファンド・マネージャー自身では二桁を超える投資チャンスに気付いていても「それは僕の仕事じゃないから」といってパスするケースなど多いはずです。
さて、僕が「面白い」と考える投資対象はたとえばこんな例です。今年、産油国は石油高でどこも潤いました。クウェートとかの株式市場は活況だったと聞いています。これなど誰でも考えつくチャンスですけど、実行に移した人は居ないでしょう。ドバイあたりでは人口島のリゾートが開発されていると聞きます。そのコンドミニアムとか多分、よく売れているでしょうね。さらに僕が証券会社の引き受け担当者ならUAEのエミレーツ航空(今、世界で最もサービスが良いと言われている)を東証に誘致する仕事なんて面白いかもしれません。ウォール街やシティでは宗教上の抵抗からなかなか上場したがらないと思いますから。
機関投資家相手の仕事をしていたときに幻滅させられたことは、市場参加者の殆どがベンチマーキングという慣習に縛られていたことでしょう。ベンチマーキングとは、例えば「日経平均より勝つ」という目標のことです。
さて、サラリーマンとしてはそういう目標を与えられた場合、常套手段としてまずベンチマーク(つまり指数)構成銘柄を調べ、それを模倣するポートフォリオを組みます。そこから、「この銘柄は外す、この銘柄はもっと買い増す」という味付けをしてゆくわけです。このアプローチの問題点は、例えば或る年、「相場が悪くて日経平均はマイナス、A投信のパフォーマンスもマイナスだったけれど、日経平均ほどはヤラレなかった」とします。この場合、ファンド・マネージャーは指数に勝ったので多分、褒められると思うんですね。A投信の受益者の痛みがファンド・マネージャーには伝わらないという意味で、これは経済学でいう費用の外部化がおこっていると言えるでしょう。
さらに多くのファンド・マネージャーがベンチマーキングを採用することで指数構成銘柄が一層買われ、結果として投資妙味が薄れるという危惧もあります。今、先進国の株式市場は大体、経済の成長率とそうかけ離れたリターンは期待できないわけですから、例えば日本の場合、均して見て0%~4%くらいしか成長してません。にもかかわらず二桁を超える投資成果を期待するのは虫がいい気がします。ファンド・マネージャー自身では二桁を超える投資チャンスに気付いていても「それは僕の仕事じゃないから」といってパスするケースなど多いはずです。
さて、僕が「面白い」と考える投資対象はたとえばこんな例です。今年、産油国は石油高でどこも潤いました。クウェートとかの株式市場は活況だったと聞いています。これなど誰でも考えつくチャンスですけど、実行に移した人は居ないでしょう。ドバイあたりでは人口島のリゾートが開発されていると聞きます。そのコンドミニアムとか多分、よく売れているでしょうね。さらに僕が証券会社の引き受け担当者ならUAEのエミレーツ航空(今、世界で最もサービスが良いと言われている)を東証に誘致する仕事なんて面白いかもしれません。ウォール街やシティでは宗教上の抵抗からなかなか上場したがらないと思いますから。
2004/12/04のBlog
[ 08:00 ]
[ 相場のテクニック ]
もう10年以上も昔の話。僕が未だ或る投資銀行に勤めていたとき、フランスの自動車会社(ルノーだったかプジョーだったか、とんと思い出せない)の社長さんが会社に寄った。そこで金融法人担当セールスマン全員を揃えて株式部の会議室で所謂、ブラウン・バッグ・ランチをすることになった。
その社長さんは「うちの業績は絶好調、なのにPEは一桁台だ。皆うちの株をどんどん推奨して呉れたまえ!。」といった。その時、営業成績ナンバーワンのセールスマンが「社長さん、そりゃ違う!。あんたの会社の株のPEが一桁台になったからこそ、今が利食い時なんですよ。」
座がしらけたことは言うまでも無い。居合わせたインベストメント・バンカー(大体、発行会社にゴマすりばかりしている)が慌てて「まあまあ、、、」なんてなだめていたが営業部員の殆どは革張りの椅子をくるりと窓の方に向けてしまい、タイムズ・スクウェアからワールド・トレード・センターに連なるダウンタウンの見事な眺望を楽しんでいるフリ。気まずい沈黙の流れる中、遠くでマンハッタン特有のパトカーのサイレンが鳴っていたのが今でも思い出される。まだ新米だった僕はその時の異様な雰囲気に呑まれてしまった。無視された社長さんはカンカンに怒って帰っていった事は言うまでも無い。
さて、この株価論争、言うまでもなくセールスマンの言っている事の方が正しい。自動車産業、鉄鋼業、重化学工業、製紙業などのヘビー・シクリカル株は一般論で言ってPEが無限大に大きい時に買い、PEが一桁台になったときは売り時なのです。その理由はそれら産業は収益のレバレッジが非常に高いため、好況時には凄いスピードでEPSが伸びるから。実際、株価上昇のペースよりもっと速く収益が伸びるので株価が上がっているにもかかわらずPEは下がるのです。
その社長さんは「うちの業績は絶好調、なのにPEは一桁台だ。皆うちの株をどんどん推奨して呉れたまえ!。」といった。その時、営業成績ナンバーワンのセールスマンが「社長さん、そりゃ違う!。あんたの会社の株のPEが一桁台になったからこそ、今が利食い時なんですよ。」
座がしらけたことは言うまでも無い。居合わせたインベストメント・バンカー(大体、発行会社にゴマすりばかりしている)が慌てて「まあまあ、、、」なんてなだめていたが営業部員の殆どは革張りの椅子をくるりと窓の方に向けてしまい、タイムズ・スクウェアからワールド・トレード・センターに連なるダウンタウンの見事な眺望を楽しんでいるフリ。気まずい沈黙の流れる中、遠くでマンハッタン特有のパトカーのサイレンが鳴っていたのが今でも思い出される。まだ新米だった僕はその時の異様な雰囲気に呑まれてしまった。無視された社長さんはカンカンに怒って帰っていった事は言うまでも無い。
さて、この株価論争、言うまでもなくセールスマンの言っている事の方が正しい。自動車産業、鉄鋼業、重化学工業、製紙業などのヘビー・シクリカル株は一般論で言ってPEが無限大に大きい時に買い、PEが一桁台になったときは売り時なのです。その理由はそれら産業は収益のレバレッジが非常に高いため、好況時には凄いスピードでEPSが伸びるから。実際、株価上昇のペースよりもっと速く収益が伸びるので株価が上がっているにもかかわらずPEは下がるのです。
2004/12/03のBlog
[ 08:06 ]
[ オンライン・ゲーム ]
今のヴィデオ・ゲーム業界の抱えている問題は端的に言って「グラフィック・プロセッサーのパワー・アップが即、売り上げ増につながらない」という事でしょう。ソニーとか莫大な先行投資を行って「セル・テクノロジー」を謳いあげていますが、果たしてどうなることやら。
僕に言わせればヴィデオ・ゲーム業界の未来というのはもう明確に見えています。それはオンライン・ゲームの方向でしょう。アメリカではこのオンライン・ゲーム、全然定着していないので未だ世間の認識は低いです。でも中国、韓国などでは既に大ブレイク中。
昔、エレクトロニック・アーツ社の人とオンライン戦略についていろいろ話し合いましたが、その当時、会社側は「シムズ・オンライン」に期待していたようです。(こりゃアカン、と思った。)大体、新しいものに飛びつくのはオタクっぽいマニアと決まっています。シムズなんて女の子とかフツーの人がプレイするもんでしょ?。案の定、「シムズ・オンライン」は全く期待はずれ。
そこへゆくとアジアのオンライン・ゲームはトラクションが全然違った。これはやはり「三国志」とかに慣れ親しんだ国民性がメディーバル・ファンタジー的テーマとよく合っているからでしょう。それとこれまでオンライン・ゲームの大部分を製作してきた韓国はつい最近まで日本のメディア、エンターテイメントなどに対して自国の文化の保護の観点から厳しい輸入規制がありました。これが独自のコンテンツを作るのに寄与したかもしれません。
ソニーを始めとするコンソル・メーカーがチップのパワー・アップにばかり腐心している間に消費者は新しい楽しみ方を求めて離れて行っちゃってるわけです。この現象はクリスチャンセンが「イノベーターズ・ディレンマ」で指摘した淘汰過程そのものと言えるでしょう。
問題はオンライン・ゲームは「作りっぱなし、売りっぱなし」ではなく、ホストして常時「交通整理」する必要があり、この実際にサイトを運営するという作業から次にウケるゲームを作るときのヒントがいろいろ得られるという事でしょう。つまり、早くからこの事業に参戦していなければ、後からノウハウを得ようと思ってもなかなかキャッチアップ出来ないという事です。ファースト・ムーヴァー・アドヴァンテージ(懐かしい言葉!)がもろ出る業種ですね。更に言えば既存のゲーム・メーカーはコンソルを何台売って幾らとか、そういうハードウエアで喰ってゆくメンタリティーから脱却出来てないですね。
さて銘柄ですが最大手シャンダ(SNDA)のビジネス・エクセキューションがやはり最高ですね。「オンライン・ゲーム業界の未来」といった大局に立ったヴィジョンも他社より数段、上のような気がします。また、昔のシスコを彷彿とさせる、買収で足らないものをどんどん補ってゆくスピード感も他社を圧倒していると思います。
次にネットイーズ(NTES)が続いているわけですが、この会社も今のところオンライン事業では大きなミスはありません。韓国にNCソフトという銘柄があって、「リネージュ」が米国でも発売された経緯から米国の機関投資家にもある程度知られていますが、これはADRが無いのでパス。
ずっと格が落ちてどん尻をフーフー言いながら走っている銘柄がウエブゼン(WZEN)です。四半期決算もこれまで一度たりともスッキリ出してきたためしがない、「MU」一本に依存している、経営者の内紛が伝えられているなど、問題点は山積みですが、株価は嘘のような割安に放置されています。ヴァリュー・インベスターなら無視できない水準でしょう。それとこれは僕のドタ勘ですが、たとえたったひとつでも「MU」のようなブロックバスターを世に出した経験というのは案外貴重なのではないでしょうか?。特にゲームの世界は「続編」という形で一度成功した商品は何度もリニューアルできますから。
僕に言わせればヴィデオ・ゲーム業界の未来というのはもう明確に見えています。それはオンライン・ゲームの方向でしょう。アメリカではこのオンライン・ゲーム、全然定着していないので未だ世間の認識は低いです。でも中国、韓国などでは既に大ブレイク中。
昔、エレクトロニック・アーツ社の人とオンライン戦略についていろいろ話し合いましたが、その当時、会社側は「シムズ・オンライン」に期待していたようです。(こりゃアカン、と思った。)大体、新しいものに飛びつくのはオタクっぽいマニアと決まっています。シムズなんて女の子とかフツーの人がプレイするもんでしょ?。案の定、「シムズ・オンライン」は全く期待はずれ。
そこへゆくとアジアのオンライン・ゲームはトラクションが全然違った。これはやはり「三国志」とかに慣れ親しんだ国民性がメディーバル・ファンタジー的テーマとよく合っているからでしょう。それとこれまでオンライン・ゲームの大部分を製作してきた韓国はつい最近まで日本のメディア、エンターテイメントなどに対して自国の文化の保護の観点から厳しい輸入規制がありました。これが独自のコンテンツを作るのに寄与したかもしれません。
ソニーを始めとするコンソル・メーカーがチップのパワー・アップにばかり腐心している間に消費者は新しい楽しみ方を求めて離れて行っちゃってるわけです。この現象はクリスチャンセンが「イノベーターズ・ディレンマ」で指摘した淘汰過程そのものと言えるでしょう。
問題はオンライン・ゲームは「作りっぱなし、売りっぱなし」ではなく、ホストして常時「交通整理」する必要があり、この実際にサイトを運営するという作業から次にウケるゲームを作るときのヒントがいろいろ得られるという事でしょう。つまり、早くからこの事業に参戦していなければ、後からノウハウを得ようと思ってもなかなかキャッチアップ出来ないという事です。ファースト・ムーヴァー・アドヴァンテージ(懐かしい言葉!)がもろ出る業種ですね。更に言えば既存のゲーム・メーカーはコンソルを何台売って幾らとか、そういうハードウエアで喰ってゆくメンタリティーから脱却出来てないですね。
さて銘柄ですが最大手シャンダ(SNDA)のビジネス・エクセキューションがやはり最高ですね。「オンライン・ゲーム業界の未来」といった大局に立ったヴィジョンも他社より数段、上のような気がします。また、昔のシスコを彷彿とさせる、買収で足らないものをどんどん補ってゆくスピード感も他社を圧倒していると思います。
次にネットイーズ(NTES)が続いているわけですが、この会社も今のところオンライン事業では大きなミスはありません。韓国にNCソフトという銘柄があって、「リネージュ」が米国でも発売された経緯から米国の機関投資家にもある程度知られていますが、これはADRが無いのでパス。
ずっと格が落ちてどん尻をフーフー言いながら走っている銘柄がウエブゼン(WZEN)です。四半期決算もこれまで一度たりともスッキリ出してきたためしがない、「MU」一本に依存している、経営者の内紛が伝えられているなど、問題点は山積みですが、株価は嘘のような割安に放置されています。ヴァリュー・インベスターなら無視できない水準でしょう。それとこれは僕のドタ勘ですが、たとえたったひとつでも「MU」のようなブロックバスターを世に出した経験というのは案外貴重なのではないでしょうか?。特にゲームの世界は「続編」という形で一度成功した商品は何度もリニューアルできますから。
[ 02:34 ]
[ マクロ・ストラテジー ]
僕が高校生の頃、輸出の尖兵として日本経済を担っていたのは商社でした。「毎日が日曜日」という経済戦争の犠牲者を描いたちょっと悲しい小説とかありましたよね。
今の中国にとってそういう海外進出の「斬り込み隊長」になっているのは実は中国企業ではなくて、ウォルマートなんです。ウォルマートが「最も安い仕入れ元から買う」というマーケット・ダイナミズムをがっちり世界経済の構造の中に組み込んでしまったことが、中国に皆がラブコールを送らざるを得ないひとつの理由でしょう。
つまり、こういうとなんですが今の中国企業は日本が高度成長期にあれこれ工夫を尽くして血の出るような努力でもって市場を開拓していったのとは若干異なる展開で世界に羽ばたいたというわけです。
ま、それは兎も角、僕が言いたいのは「ウォルマートで売られていない類の商品」でも中国が欧米市場をガッチリ押さえられるかどうか、この点には細心の注意を払った方が良い、という事。
なぜこんなことを言うかというと、中国はこのところこれまで主に軽工業から稼いだ外貨を再投資する際、重工業とか、所謂、「ウォルマートに置かれていない商品分野」に動員しているんですね。その投資パターンはより資本集約的な産業へと傾斜していってます。ところが資本集約的産業における経営の采配で最も重要と思われるキャピタル・ディシプリン(どれだけ節度をもって投資計画を立てられるか)については中国ははっきり言って落第点です。
今、中国は固定資産投資ブームの真っ只中ですが、その投資の内容は「固定資産ブームから来る需要を満たすための固定資産への投資」が多いです。例えば高層ビル建設に必要なH型鋼を作るため、鉄鋼産業に投資するなどがその例です。勿論、中国国内の需要に応えるための生産規模を維持するのなら問題は無いわけですが、明らかに輸出市場にベイルアウトして貰う必要のある無秩序な投資も散見されます。
これが僕が一切、中国のシクリカル株に手を出していない理由です。日本では今でも「鉄が足らない」とか言って鉄鋼株がチヤホヤされているようですが、もう旬は過ぎたという気がします。
今の中国にとってそういう海外進出の「斬り込み隊長」になっているのは実は中国企業ではなくて、ウォルマートなんです。ウォルマートが「最も安い仕入れ元から買う」というマーケット・ダイナミズムをがっちり世界経済の構造の中に組み込んでしまったことが、中国に皆がラブコールを送らざるを得ないひとつの理由でしょう。
つまり、こういうとなんですが今の中国企業は日本が高度成長期にあれこれ工夫を尽くして血の出るような努力でもって市場を開拓していったのとは若干異なる展開で世界に羽ばたいたというわけです。
ま、それは兎も角、僕が言いたいのは「ウォルマートで売られていない類の商品」でも中国が欧米市場をガッチリ押さえられるかどうか、この点には細心の注意を払った方が良い、という事。
なぜこんなことを言うかというと、中国はこのところこれまで主に軽工業から稼いだ外貨を再投資する際、重工業とか、所謂、「ウォルマートに置かれていない商品分野」に動員しているんですね。その投資パターンはより資本集約的な産業へと傾斜していってます。ところが資本集約的産業における経営の采配で最も重要と思われるキャピタル・ディシプリン(どれだけ節度をもって投資計画を立てられるか)については中国ははっきり言って落第点です。
今、中国は固定資産投資ブームの真っ只中ですが、その投資の内容は「固定資産ブームから来る需要を満たすための固定資産への投資」が多いです。例えば高層ビル建設に必要なH型鋼を作るため、鉄鋼産業に投資するなどがその例です。勿論、中国国内の需要に応えるための生産規模を維持するのなら問題は無いわけですが、明らかに輸出市場にベイルアウトして貰う必要のある無秩序な投資も散見されます。
これが僕が一切、中国のシクリカル株に手を出していない理由です。日本では今でも「鉄が足らない」とか言って鉄鋼株がチヤホヤされているようですが、もう旬は過ぎたという気がします。
[ 01:40 ]
[ ロシア株 ]
僕が今、保有しているロシア株はウイン・ビル・ダン(WBD)の一銘柄のみ。ところがこの株、Dogなんだよねェ。ロシアにしては珍しく、ちゃんと工場の設備をリニューアルしたり、プロの管理者を外国のライバル企業からひっぱったりと地味な経営努力を続けているのですが、同社の製品(ジュースと乳製品です)の売れ行きはイマイチぱっとしない。
或るNYのファミリー・オフィス(富豪の財産の面倒を見るファイナンシャル・サービス業)のアナリストがたまたまロシア人で、その人のところにセールスに行ったとき、「げげつ!お前、こんな銘柄いれてんの?ここのジュース、オレ愛飲してんだよね!」と言って、NYではどこで手に入るか教えてくれた(もう忘れたけど)。その彼によると「ウイン・ビル・ダンは味も一番、経営者の見識もいいんだけど、こういうコツコツ努力するタイプの銘柄ってロシアでは人気ないんだよねぇ。」
それは言われなくてもわかってマス。
或るNYのファミリー・オフィス(富豪の財産の面倒を見るファイナンシャル・サービス業)のアナリストがたまたまロシア人で、その人のところにセールスに行ったとき、「げげつ!お前、こんな銘柄いれてんの?ここのジュース、オレ愛飲してんだよね!」と言って、NYではどこで手に入るか教えてくれた(もう忘れたけど)。その彼によると「ウイン・ビル・ダンは味も一番、経営者の見識もいいんだけど、こういうコツコツ努力するタイプの銘柄ってロシアでは人気ないんだよねぇ。」
それは言われなくてもわかってマス。