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2005/02/05のBlog
[ 12:46 ]
[ 中国株 ]
「人民元を切り上げろ!」という満場一致の大合唱。これを聞くにつけ中国の政府が頑固になってゆく様子が目に浮かぶようです。
中国人はプライドの高い国民ですから皆からこういう風に袋叩きにされるとプィっと横を向きたくなるんじゃないでしょうか?。僕は中国がG7の直後に人民元を切り上げる確率は低いと思います。
一方、投資家は既に人民元が切りあがることを半ば予期したスタンスを取ってますから、その日が来るのを今か今かと心待ちにしています。だからこそ今週、G7+旧正月で休場、という普通に考えればリスキーな時期にもかかわらず、みんなロング(買い持ち)のままで週末を迎えているのだと思います。さらに「春節」後は何か良い政策が打ち出される、という幼稚な期待から株を買う奴まで出てくる始末です。ズッコケたらどうすんの?。
僕の考えでは人民銀行が先ず真っ先にやらねばならない事は金利を引き上げることです。(これは世銀も金曜日に発表した報告書で指摘しています。)以前のブログでも書いたかもしれませんが、「アメリカで金利が上がり、でも中国では未だ金利を上げてない」という状況というのが国際間の資本移動に最もストレスが溜まる瞬間なのです。
中国人はプライドの高い国民ですから皆からこういう風に袋叩きにされるとプィっと横を向きたくなるんじゃないでしょうか?。僕は中国がG7の直後に人民元を切り上げる確率は低いと思います。
一方、投資家は既に人民元が切りあがることを半ば予期したスタンスを取ってますから、その日が来るのを今か今かと心待ちにしています。だからこそ今週、G7+旧正月で休場、という普通に考えればリスキーな時期にもかかわらず、みんなロング(買い持ち)のままで週末を迎えているのだと思います。さらに「春節」後は何か良い政策が打ち出される、という幼稚な期待から株を買う奴まで出てくる始末です。ズッコケたらどうすんの?。
僕の考えでは人民銀行が先ず真っ先にやらねばならない事は金利を引き上げることです。(これは世銀も金曜日に発表した報告書で指摘しています。)以前のブログでも書いたかもしれませんが、「アメリカで金利が上がり、でも中国では未だ金利を上げてない」という状況というのが国際間の資本移動に最もストレスが溜まる瞬間なのです。
[ 12:30 ]
[ マクロ・ストラテジー ]
一週間で随分、状況が変わりました。
先週末の時点ではイラクの選挙に対する不安、FOMCミーティングに対する不安、決算に対する不安などが山積みになっていたのですが、今日の時点ではそれらは過去の事になりました。
特にFEDの金利に対するスタンスについてはG7の席上でグリーンスパン議長がアメリカ政府の財政政策面における節度ある態度を評価し、貿易赤字はある程度「自然に」減少の方向へ向かうと表明したことから金利政策面ではもやは突発的な事故に備えることはしないという意思表示がなされたと思います。つまり、FFレートの引き上げはそろそろ終盤(あと50bpから100bp)に近づいてきているという理解に戻して良いという事。
いつも書くように「相場は知ったら、しまい」です。第4四半期の決算は懸念した通りあんまり素晴らしくない数字でしたが、数字さえ出ちゃえばこっちのもの。次の決算を心配するまでには後3ヶ月あります。今のうちに「命の洗濯」しないとね。羽を伸ばそうっと!。
先週末の時点ではイラクの選挙に対する不安、FOMCミーティングに対する不安、決算に対する不安などが山積みになっていたのですが、今日の時点ではそれらは過去の事になりました。
特にFEDの金利に対するスタンスについてはG7の席上でグリーンスパン議長がアメリカ政府の財政政策面における節度ある態度を評価し、貿易赤字はある程度「自然に」減少の方向へ向かうと表明したことから金利政策面ではもやは突発的な事故に備えることはしないという意思表示がなされたと思います。つまり、FFレートの引き上げはそろそろ終盤(あと50bpから100bp)に近づいてきているという理解に戻して良いという事。
いつも書くように「相場は知ったら、しまい」です。第4四半期の決算は懸念した通りあんまり素晴らしくない数字でしたが、数字さえ出ちゃえばこっちのもの。次の決算を心配するまでには後3ヶ月あります。今のうちに「命の洗濯」しないとね。羽を伸ばそうっと!。
[ 12:01 ]
[ 資源 ]
株式投資をする際、「この言葉が出てきたときは要注意だぞ」ということばが幾つかあります。今日紹介する表現は「foreseeable future(見通せる限りの将来)」。
今日、上院エネルギー委員会で専門家による石油市場の見通しに関する議論があり、「中国がアグレッシブに世界中のオイルを買っているから見通せる限りの将来、原油価格は高止まりする」という旨の陳述が相次ぎました。
僕が近年、このforeseeable futureという表現を聞いたのはドットコム・バブルの時、カリフォルニアで電力が不足し、断続的停電が頻発したときです。当時の州知事、グレイ・デービスは電力不足に対応するために電力の買付けに奔走し、結果としてど天井で大型の長期契約を結んでしまい、US$2Billionとも言われる大穴を州財政にあけてしまいました。「おまえはアホか!」の大合唱の中、デービスは淋しくサクラメントを去り、我らがヒーロー、アーノルド・シュワルツネーガー知事の誕生と相成ったわけです。
大体、上院エネルギー委員会の爺さん達が中国の資源漁りを心配しているくらいですからこのトレンドを知らない人間なんて世の中に存在しないと思います。皆が気を揉んで心配していることは心配するに値しません。むしろその逆が恐ろしいのです。(ウソだと思う人はグレイ・デービスに聞いてみるといいと思うヨ。)
今日、上院エネルギー委員会で専門家による石油市場の見通しに関する議論があり、「中国がアグレッシブに世界中のオイルを買っているから見通せる限りの将来、原油価格は高止まりする」という旨の陳述が相次ぎました。
僕が近年、このforeseeable futureという表現を聞いたのはドットコム・バブルの時、カリフォルニアで電力が不足し、断続的停電が頻発したときです。当時の州知事、グレイ・デービスは電力不足に対応するために電力の買付けに奔走し、結果としてど天井で大型の長期契約を結んでしまい、US$2Billionとも言われる大穴を州財政にあけてしまいました。「おまえはアホか!」の大合唱の中、デービスは淋しくサクラメントを去り、我らがヒーロー、アーノルド・シュワルツネーガー知事の誕生と相成ったわけです。
大体、上院エネルギー委員会の爺さん達が中国の資源漁りを心配しているくらいですからこのトレンドを知らない人間なんて世の中に存在しないと思います。皆が気を揉んで心配していることは心配するに値しません。むしろその逆が恐ろしいのです。(ウソだと思う人はグレイ・デービスに聞いてみるといいと思うヨ。)
[ 01:17 ]
[ 台湾株 ]
ブッシュの第二期政権が始動したというので台湾政府の代表がすかさず表敬訪問しました。しかし、ブッシュ政権は台湾のデリゲーションに対して「台湾が中国との関係において対立的な態度を取った場合、アメリカは台湾の肩を持たないよ」という訓示をタレたんだそうです。
去年の暮れの段階で当時国務長官だったコリン・パウエルも「アメリカは台湾を独立国だと認めてないし、台湾に主権(ソブリンティー)が存在するとも思わない」とはっきり公言しています。
つまり、アメリカは台湾と中国が揉め事を起こすことは歓迎しないし、若し、テンションが高まったら台湾は見捨てる、ということをハッキリ意見表明し、両国の建設的な対話を求めているわけです。マダム蒋介石(蒋介石夫人)の時代からアメリカは常に台湾の肩を持ってきたわけで、それがこうもあっさりと梯子を外されると台湾としても立つ瀬が無いでしょう。「もうムキになったって駄目だな」という諦観はむしろ台湾国民の方に顕著に現れていて、去年の暮れの選挙では穏健派が票を伸ばし、両極端の意見の政党は大敗しました。
一方、中国の方でも台湾に対する態度は軟化の様相を示しています。つまり機は熟してきたわけですね。先日のブログで書いた中国から台湾へのチャーター直行便というのはそういう深い意味合いがあるのです。さらに今度は臨時便ではなく、貨物の定期便を就航させようという話が持ち上がっているらしいです。
あまり一般の読者の方はご存じないかもしれませんが、アジア各国間の航空貨物というのは例えば「作りかけの半導体」とか電子部品などが多いんです。「半導体のチップはA国で作り、それがちゃんと作動するかのテストはB国で、さらにパッケージングの後、もう一度A国にそのチップを送り、マザーボードに組み込む」なんて風に複雑な動きをするものなのです。従って、貨物の定期便が飛ぶというのは両国の関係に決定的な重要性を持っています。
今、台湾の株式市場を見ると、過去、1年、3年、5年のどの期間をとってもMSCIのインデックスで世界でどん尻のパフォーマンスでした。これは大変、珍しい現象です。この事実だけでも台湾市場は大いに研究するに価します。台湾の「ハイテク不景気」のボトム・サイクルでのEPSに基づいて同市場は11.5倍で取引されています。世界中の投資家が台湾をアンダーウエイトしています。上記のように政治的にもどん底から今後は雪解けへと向かうでしょうし、半導体のシリコン・サイクルも今がボトムです。
銘柄的には何度も書いているAUオプトロニクス(AUO)はチャートを見ても楽勝パターンですし、台湾セミコンダクター(TSM)もこなれてきました。ま、皆さんはチャイナ・プレイと言っても海の向こうの中国大陸の方ばかりに専ら目が向いているのでしょうけど、僕なら台湾の方が遥かにエキサイティングですね。
去年の暮れの段階で当時国務長官だったコリン・パウエルも「アメリカは台湾を独立国だと認めてないし、台湾に主権(ソブリンティー)が存在するとも思わない」とはっきり公言しています。
つまり、アメリカは台湾と中国が揉め事を起こすことは歓迎しないし、若し、テンションが高まったら台湾は見捨てる、ということをハッキリ意見表明し、両国の建設的な対話を求めているわけです。マダム蒋介石(蒋介石夫人)の時代からアメリカは常に台湾の肩を持ってきたわけで、それがこうもあっさりと梯子を外されると台湾としても立つ瀬が無いでしょう。「もうムキになったって駄目だな」という諦観はむしろ台湾国民の方に顕著に現れていて、去年の暮れの選挙では穏健派が票を伸ばし、両極端の意見の政党は大敗しました。
一方、中国の方でも台湾に対する態度は軟化の様相を示しています。つまり機は熟してきたわけですね。先日のブログで書いた中国から台湾へのチャーター直行便というのはそういう深い意味合いがあるのです。さらに今度は臨時便ではなく、貨物の定期便を就航させようという話が持ち上がっているらしいです。
あまり一般の読者の方はご存じないかもしれませんが、アジア各国間の航空貨物というのは例えば「作りかけの半導体」とか電子部品などが多いんです。「半導体のチップはA国で作り、それがちゃんと作動するかのテストはB国で、さらにパッケージングの後、もう一度A国にそのチップを送り、マザーボードに組み込む」なんて風に複雑な動きをするものなのです。従って、貨物の定期便が飛ぶというのは両国の関係に決定的な重要性を持っています。
今、台湾の株式市場を見ると、過去、1年、3年、5年のどの期間をとってもMSCIのインデックスで世界でどん尻のパフォーマンスでした。これは大変、珍しい現象です。この事実だけでも台湾市場は大いに研究するに価します。台湾の「ハイテク不景気」のボトム・サイクルでのEPSに基づいて同市場は11.5倍で取引されています。世界中の投資家が台湾をアンダーウエイトしています。上記のように政治的にもどん底から今後は雪解けへと向かうでしょうし、半導体のシリコン・サイクルも今がボトムです。
銘柄的には何度も書いているAUオプトロニクス(AUO)はチャートを見ても楽勝パターンですし、台湾セミコンダクター(TSM)もこなれてきました。ま、皆さんはチャイナ・プレイと言っても海の向こうの中国大陸の方ばかりに専ら目が向いているのでしょうけど、僕なら台湾の方が遥かにエキサイティングですね。
2005/02/04のBlog
[ 12:08 ]
[ インド株 ]
しかし、そういうエキサイティングな未来像に感服する一方で、僕の心の中には何かひっかかるものもあります。「あのときのレベッカ・マークが渾身を込めて体当たりしても破られなかったインドの壁とは、一体、何だったんだろう?」ってね。
去年の劇的な選挙でソニャ・ガンディー率いるコングレス党が政権を奪取したわけですが、基本的には現在の支配政権はこのコングレス党と数々の小政党が結束したUPAという連合政権です。様々な利害をまとめてゆかねばならない立場から、インド固有のビューロクラシー(官僚制=お役所仕事)を打破するのは大変困難でしょう。また、国家財政の赤字がGDPの10%に達し、政府の対外負債がGDPの75%もあることを考えると立ち遅れているインドのインフラストラクチャーを整備してゆくためには外資導入が是非必要でしょう。ただ、物忘れのひどいウォール街の投資家は兎も角、実業界の人々はダボール発電所の出来事などを忘れていないと思います。
さらに政府所有企業の民営化、インド進出を考えている企業が二の足を踏む原因となっている制約の多い雇用法の改定などを推進しようにも連合政権では意見をまとめるのが困難ですし、地方政府はこれらのイニシャチブに反対するかもしれません。
インドがこのように「外人から提案された改革」や資本主義経済などに懐疑的なのはインドの独立が長いイギリスの植民地時代から、マハトマ・ガンディーの独立運動、ネールの根気強い努力などによってようやく勝ち取られたものだからです。所謂、混合経済を標榜した背景もロシアなどの社会主義、共産主義に見られた理想主義というかロマンチシズムが少なからず影響していた筈です。このように長年の歳月とともに習慣化した態度や価値観は一朝一夕には変わらないのではないでしょうか?。
レベッカの○ァック・ミー・ハイヒールを思い出す度に、今はたまたまインドのそういう「もうひとつの面」が表面化していないだけだという考えが僕の頭をよぎります。
去年の劇的な選挙でソニャ・ガンディー率いるコングレス党が政権を奪取したわけですが、基本的には現在の支配政権はこのコングレス党と数々の小政党が結束したUPAという連合政権です。様々な利害をまとめてゆかねばならない立場から、インド固有のビューロクラシー(官僚制=お役所仕事)を打破するのは大変困難でしょう。また、国家財政の赤字がGDPの10%に達し、政府の対外負債がGDPの75%もあることを考えると立ち遅れているインドのインフラストラクチャーを整備してゆくためには外資導入が是非必要でしょう。ただ、物忘れのひどいウォール街の投資家は兎も角、実業界の人々はダボール発電所の出来事などを忘れていないと思います。
さらに政府所有企業の民営化、インド進出を考えている企業が二の足を踏む原因となっている制約の多い雇用法の改定などを推進しようにも連合政権では意見をまとめるのが困難ですし、地方政府はこれらのイニシャチブに反対するかもしれません。
インドがこのように「外人から提案された改革」や資本主義経済などに懐疑的なのはインドの独立が長いイギリスの植民地時代から、マハトマ・ガンディーの独立運動、ネールの根気強い努力などによってようやく勝ち取られたものだからです。所謂、混合経済を標榜した背景もロシアなどの社会主義、共産主義に見られた理想主義というかロマンチシズムが少なからず影響していた筈です。このように長年の歳月とともに習慣化した態度や価値観は一朝一夕には変わらないのではないでしょうか?。
レベッカの○ァック・ミー・ハイヒールを思い出す度に、今はたまたまインドのそういう「もうひとつの面」が表面化していないだけだという考えが僕の頭をよぎります。
[ 11:50 ]
[ インド株 ]
エンロンがダボール発電所で失敗した理由のもうひとつは建設の最中にインドの選挙があり、政権が交代し、新しく主導権を握ったBJPがこのプロジェクトを支持しなかったことでしょう。去年のインドの選挙でBJPが負け、コングレス党が返り咲いたとき、ウォール街の投資家は「プロ・ビジネスなBJPが去り、ポピュリストのコングレスになったので経営環境が悪化する」と懸念しました。でも僕はBJPが出てきたときの混乱を憶えていますからそういう議論を聞くにつけ、「人の記憶なんて短いものだな」と苦笑を禁じえませんでした。
さて、今日のインド経済、そしてインド株の未来について考えたとき、僕は明るい材料が沢山あると思います。例えば、経済成長が力強いこと、通貨が安定している事、インフレがなんとか収まっていること、経営者のビジネス・コンフィデンスが高いことなどです。
特にインドの企業の経営者は大変優れた経営感覚を持っていると僕は思います。僕は1982年に大学を出てから今日までの殆どを外国で過ごし、色々な国の人とビジネスする機会がありましたが、ビジネスする相手として最も手ごわい相手はインド人でした。
インドの経営者は単に利にさといのみでなく、国際感覚、ボトムライン・オリエンテッドな姿勢、ちゃんと決められたルールにのっとってきっちり契約を守りながら、しかしグイグイ押してくること、その時の状況に合わせて臨機応変に対処することなど、僕としては学ぶべきところが山ほどありました。ハッキリ言って日本の経営者の比じゃないです。
今のインドを見ていて僕が「あなどれないな」と思うのは、上記のような好条件に加えて政府がすごくやる気になっている点です。輸入関税の引き下げ、税制改革、付加価値税の導入、補助金の削減、投資促進プログラムの設立、などなど、数え上げればきりがありません。
さて、今日のインド経済、そしてインド株の未来について考えたとき、僕は明るい材料が沢山あると思います。例えば、経済成長が力強いこと、通貨が安定している事、インフレがなんとか収まっていること、経営者のビジネス・コンフィデンスが高いことなどです。
特にインドの企業の経営者は大変優れた経営感覚を持っていると僕は思います。僕は1982年に大学を出てから今日までの殆どを外国で過ごし、色々な国の人とビジネスする機会がありましたが、ビジネスする相手として最も手ごわい相手はインド人でした。
インドの経営者は単に利にさといのみでなく、国際感覚、ボトムライン・オリエンテッドな姿勢、ちゃんと決められたルールにのっとってきっちり契約を守りながら、しかしグイグイ押してくること、その時の状況に合わせて臨機応変に対処することなど、僕としては学ぶべきところが山ほどありました。ハッキリ言って日本の経営者の比じゃないです。
今のインドを見ていて僕が「あなどれないな」と思うのは、上記のような好条件に加えて政府がすごくやる気になっている点です。輸入関税の引き下げ、税制改革、付加価値税の導入、補助金の削減、投資促進プログラムの設立、などなど、数え上げればきりがありません。
[ 10:49 ]
[ インド株 ]
こうしてエンロンは一躍アメリカで最も革新的なエネルギー関連企業になったわけですが、1990年代の中盤に同社は発展途上国に電力などのインフラを提供する事業を展開しました。その目玉的プロジェクトがインドのダボール発電所です。このプロジェクトの総指揮をしたのは一介の秘書から出世街道を登りつめたレベッカ・マークという女性です。彼女は最終的にはエンロンの副会長にまでなりました。長いブロンド・ヘアにボディコンのスーツ、凶器になりそうなくらい踵の高い真っ赤なハイヒール(アメリカ人はそういうセクシーなハイヒールのことを「○ァック・ミー・ハイヒール」と呼びます)といういでたちです。会議などで彼女が壇上から南部なまりで語りかけると男性陣は勿論、女性陣もまるでロックスターを拝むように瞳がハートマークになっていました。
アメリカのキャリア・ウーマンの頂点に立ち、最も凄腕の経営者のひとりと言えるレベッカ・マークですが、このインドのダボール発電所のプロジェクトにはてこずりました。外国資本の進出に対してインドの国民が反感を抱き、工事の遅延、罷業、デモンストレーションが荒れ狂ったわけです。「誰がどれだけ儲けるか」というIRR(インターナル・レート・オブ・リターン)を巡っても激しい議論が交わされました。結局、プロジェクトは頓挫、発電所は後日二束三文で他人の手に渡りました。
アメリカのキャリア・ウーマンの頂点に立ち、最も凄腕の経営者のひとりと言えるレベッカ・マークですが、このインドのダボール発電所のプロジェクトにはてこずりました。外国資本の進出に対してインドの国民が反感を抱き、工事の遅延、罷業、デモンストレーションが荒れ狂ったわけです。「誰がどれだけ儲けるか」というIRR(インターナル・レート・オブ・リターン)を巡っても激しい議論が交わされました。結局、プロジェクトは頓挫、発電所は後日二束三文で他人の手に渡りました。
[ 10:05 ]
[ インド株 ]
今でこそエンロンと聞けば悪徳企業の代表のように皆思ってますが、歴史はそんな単純なもんじゃないですね。
そもそもエンロンという会社が出来た背景は1980年代後半にアメリカのパイプラインの会社が続々と倒産したことから始まります。当時、パイプライン会社は自分が輸送している玉(つまり天然ガスなどの在庫)を上手くヘッジするすべが無く、市場価格の振幅にもろに影響される経営構造でした。それで市況が悪化したときに皆、枕を並べて討ち死にしたわけです。
この苦い経験を生かし、「市況変動に対してヘッジを提供するような会社があればなぁ」というニーズに応えた企業がエンロンだったのです。困っている人の役に立つ商品を提供したわけですからエンロンが地元(ヒューストン)のヒーローになった事は容易に想像できます。僕の家内はヒューストンの出身ですからクリスマスのごとに里帰りし、地方の話題に花が咲くわけですけど、ヒューストニアンがもっとも誇りにしていた地元企業がこのエンロンだったのです。
地元の新聞には「エンロンに出入りしている弁当屋が大成功した」エピソードが出ていました。記事によると「アメリカ広しといえどもクリスマスの日に出勤している民間企業はエンロンくらいのものだ。エンロンのトレーディング・ルームに弁当を届ける仕出屋にクリスマスは無い!」のです。
そもそもエンロンという会社が出来た背景は1980年代後半にアメリカのパイプラインの会社が続々と倒産したことから始まります。当時、パイプライン会社は自分が輸送している玉(つまり天然ガスなどの在庫)を上手くヘッジするすべが無く、市場価格の振幅にもろに影響される経営構造でした。それで市況が悪化したときに皆、枕を並べて討ち死にしたわけです。
この苦い経験を生かし、「市況変動に対してヘッジを提供するような会社があればなぁ」というニーズに応えた企業がエンロンだったのです。困っている人の役に立つ商品を提供したわけですからエンロンが地元(ヒューストン)のヒーローになった事は容易に想像できます。僕の家内はヒューストンの出身ですからクリスマスのごとに里帰りし、地方の話題に花が咲くわけですけど、ヒューストニアンがもっとも誇りにしていた地元企業がこのエンロンだったのです。
地元の新聞には「エンロンに出入りしている弁当屋が大成功した」エピソードが出ていました。記事によると「アメリカ広しといえどもクリスマスの日に出勤している民間企業はエンロンくらいのものだ。エンロンのトレーディング・ルームに弁当を届ける仕出屋にクリスマスは無い!」のです。
[ 00:13 ]
[ タイ株 ]
昔、証券会社に勤めているとき感じたことですが、アホな投資家ほど接待とかそいういう誘いにホイホイ乗ってくるという事。
米国の大手証券会社には「エンタータイメント・デスク」というのがあって、お客さんの接待のアレンジをする役割を果たしています。「USオープンのチケット手配して!」とか「ヤンキースのゲーム、ボックスを取っといて」なんて感じですね。そうやって接待してお客さんに取り入り、株の注文を貰おうという寸法です。
ところがこの接待攻勢、効く客と効かない客が居ます。甘い誘いに乗ってくる客は大体、自分自身はファンドのパフォーマンスが上がってもその恩恵に浴せない、サラリーマン的なファンド・マネージャーですね。ヘッジファンドのジェネラル・パートナー(主宰者)とかは「USオープンのチケットありますよ」なんて電話すると「お前はオレのことをそういう軽い奴だとバカにしているのか?」と逆に怒られたりします。「そんなくだらない話をもってくるくらいなら儲かる株の話を持って来い!」というわけですね。
そんなわけで、「接待の要求度とその客の相場の上手さは反比例する」という法則がアメリカの証券マンには知られています。今、カルパースとかは公務員ですから当然、パフォーマンスが良くても個人の懐は増えません。すると接待とかのひん曲がった役得にどうしても自分の関心が向いちゃうんです。
勿論、数々の証券不祥事の後で業界全体に粛清の嵐が吹きましたから、上に書いたようなことは昔の話です。今はそんなアホな癒着は減っている筈(というかそうであって欲しいですね)。
さて、カルパースがいよいよタイ株式市場を「投資適格国」と認めたようです。タイ市場はこのニュースを好感して約1%弱上昇、716で引けました。タイの国内投資家は「これでガイジン買いが増える」というふうにはしゃいでいます。一方、洗練されたヘッジファンドは「1月この方、タイ市場に対するガイジン買いはBt50bnにも上っていて、過去最高水準である。そこで究極の逆指標であるカルパースのお目見えとなったわけだから、目先は軽くしていかないと駄目だな。」と考えているようです。
米国の大手証券会社には「エンタータイメント・デスク」というのがあって、お客さんの接待のアレンジをする役割を果たしています。「USオープンのチケット手配して!」とか「ヤンキースのゲーム、ボックスを取っといて」なんて感じですね。そうやって接待してお客さんに取り入り、株の注文を貰おうという寸法です。
ところがこの接待攻勢、効く客と効かない客が居ます。甘い誘いに乗ってくる客は大体、自分自身はファンドのパフォーマンスが上がってもその恩恵に浴せない、サラリーマン的なファンド・マネージャーですね。ヘッジファンドのジェネラル・パートナー(主宰者)とかは「USオープンのチケットありますよ」なんて電話すると「お前はオレのことをそういう軽い奴だとバカにしているのか?」と逆に怒られたりします。「そんなくだらない話をもってくるくらいなら儲かる株の話を持って来い!」というわけですね。
そんなわけで、「接待の要求度とその客の相場の上手さは反比例する」という法則がアメリカの証券マンには知られています。今、カルパースとかは公務員ですから当然、パフォーマンスが良くても個人の懐は増えません。すると接待とかのひん曲がった役得にどうしても自分の関心が向いちゃうんです。
勿論、数々の証券不祥事の後で業界全体に粛清の嵐が吹きましたから、上に書いたようなことは昔の話です。今はそんなアホな癒着は減っている筈(というかそうであって欲しいですね)。
さて、カルパースがいよいよタイ株式市場を「投資適格国」と認めたようです。タイ市場はこのニュースを好感して約1%弱上昇、716で引けました。タイの国内投資家は「これでガイジン買いが増える」というふうにはしゃいでいます。一方、洗練されたヘッジファンドは「1月この方、タイ市場に対するガイジン買いはBt50bnにも上っていて、過去最高水準である。そこで究極の逆指標であるカルパースのお目見えとなったわけだから、目先は軽くしていかないと駄目だな。」と考えているようです。
2005/02/03のBlog
[ 23:39 ]
[ 中国株 ]
昨日、華電国際電力(ファディエン・パワー)がA株市場に上場されました。引け値は前日比+78.97%の4.51元だったそうです。同社株の主取引市場である香港での昨日の取引は+2.13%の2.4香港ドルで引けてます。つまり、A株市場だけで猛然たる買いが展開されたという事。
この理屈は簡単ですね。殆どのA株は香港のそれより大幅なプレミアムが付いています。だから華電国際電力の場合も当然、「それ相応のプレミアムがついて当たり前」という発想法なわけです。本来、まったく同一の商品に二つの値段が付くことを一物二価と言うのですが、昨日一日で華電国際の妥当価値が+78%も上昇したとは僕にはとても考えられません。
市場関係者は「A株市場での上場は大成功」とはしゃいでますが、僕は昨日のこのアクションを見てアメリカの投資家は「オソロシー!やっぱりA株はおっかなくて買えないな。」と確信したと思います。なぜならA株で昨日つけられた76%を超えるプレミアムは需給というか人気だけを背景とした「買いパワー」で支えられているもので、確固たる根拠はないからです。こういうのを英語では「クラップ・シュート(当て推量)」と言います。
勿論、こういうのは中国の特殊な事情ですから今後も是正されないと思います。僕は似たような経験を日本株でしていて、80年代のバブルの頃、日本株をアメリカ人に売る仕事をしていました。その時、アメリカ人はPEで60倍も80倍もする日本株を「日本の国力を考えると当然だ」と図に乗っていた日本人を見て「奴らクレイジーだ!」と言っていました。
先日、日本の或る投信会社がA株市場に投資する投資信託を発表しました。「世界で一番乗りだ」と気炎を上げてるらしいですが、僕に言わせれば「一物二価で絶対お買い得でないものをわざわざ買いに行く日本人の金銭感覚の鈍さがあってこそ実現する商品」という感慨を持ちます。
ま、大陸の投資家にしろ、A株投信を買おうとするオッチョコチョイな日本人投資家にしろ「物の価値」に関する嗅覚を磨くまでにはまだまだ歳月が必要でしょう。グッチやヴィトンのバッグが最初に日本で売り出された時、日本人は喜んで幾らでも払いました。でもソフィスティケートされてくると「飛行機に乗って香港やパリに行って買ったほうが安い」なんて事にみんな気が付いたわけです。いずれA株市場にもこれと同じことが起ります。その際、起る現象というのは「パリや香港で売られているグッチやヴィトンのバッグが東京価格の水準まで上昇して価格訂正が起る」のではなく「東京価格がパリや香港の水準に近づいて価格訂正が起る」のだと思います。つまり、今のA株のプレミアムはいずれ下がるという事。
この理屈は簡単ですね。殆どのA株は香港のそれより大幅なプレミアムが付いています。だから華電国際電力の場合も当然、「それ相応のプレミアムがついて当たり前」という発想法なわけです。本来、まったく同一の商品に二つの値段が付くことを一物二価と言うのですが、昨日一日で華電国際の妥当価値が+78%も上昇したとは僕にはとても考えられません。
市場関係者は「A株市場での上場は大成功」とはしゃいでますが、僕は昨日のこのアクションを見てアメリカの投資家は「オソロシー!やっぱりA株はおっかなくて買えないな。」と確信したと思います。なぜならA株で昨日つけられた76%を超えるプレミアムは需給というか人気だけを背景とした「買いパワー」で支えられているもので、確固たる根拠はないからです。こういうのを英語では「クラップ・シュート(当て推量)」と言います。
勿論、こういうのは中国の特殊な事情ですから今後も是正されないと思います。僕は似たような経験を日本株でしていて、80年代のバブルの頃、日本株をアメリカ人に売る仕事をしていました。その時、アメリカ人はPEで60倍も80倍もする日本株を「日本の国力を考えると当然だ」と図に乗っていた日本人を見て「奴らクレイジーだ!」と言っていました。
先日、日本の或る投信会社がA株市場に投資する投資信託を発表しました。「世界で一番乗りだ」と気炎を上げてるらしいですが、僕に言わせれば「一物二価で絶対お買い得でないものをわざわざ買いに行く日本人の金銭感覚の鈍さがあってこそ実現する商品」という感慨を持ちます。
ま、大陸の投資家にしろ、A株投信を買おうとするオッチョコチョイな日本人投資家にしろ「物の価値」に関する嗅覚を磨くまでにはまだまだ歳月が必要でしょう。グッチやヴィトンのバッグが最初に日本で売り出された時、日本人は喜んで幾らでも払いました。でもソフィスティケートされてくると「飛行機に乗って香港やパリに行って買ったほうが安い」なんて事にみんな気が付いたわけです。いずれA株市場にもこれと同じことが起ります。その際、起る現象というのは「パリや香港で売られているグッチやヴィトンのバッグが東京価格の水準まで上昇して価格訂正が起る」のではなく「東京価格がパリや香港の水準に近づいて価格訂正が起る」のだと思います。つまり、今のA株のプレミアムはいずれ下がるという事。
[ 12:36 ]
[ BRICs ]
[関連したBlog]
Wah_man3さんのブログ、また引用させて頂きます。
日本の超低金利は世界のヘッジファンドにとって「現金引き出し機」みたいな有難い存在でした。つまり、金利コストの安い日本で借りて、より高いリターンが期待できるエマージング市場とかへ投資すればまるで魔法のように儲かったからです。
人間、ちょっと儲かるとすぐ調子に乗るのは個人投資家もヘッジファンドも同じです。上記のように「借りた金で相場を張る」というのはレバレッジを効かせたストラテジーですからちょっと為替や金利が動くと当初の目算が外れることもしばしばあります。投資先のエマージング市場の方に全然ファンダメンタルズの変化がなくても、お金を借りてくる方で異変があると慌てて手仕舞いしないといけない場合も出てくるんですね。
日本で超低金利が維持されてきた理由のひとつはヨタヨタだった日本の銀行にミルク補給をする意味があったと思いますが、Wah_man3さんのブログに書かれているように、そろそろ銀行の方でそういうニーズが減ってきた形跡が出てきました。「日本が金融政策を微調整する可能性」が出てきて実は一番インパクトを受けるのはエマージング・マーケットだと僕は思います。
さて、アメリカに目を転じるとFEDは今日、予想された通り、FFレートを25bp引き上げ、2.5%としました。コメントとしては「measured」というこれまでの表現を変更していません。今回のFOMCミーティングに先立ち、年初から「FEDはタカ派の姿勢を高めたんじゃないか?」という懸念が投資家の間に広がっていましたが、今日のステートメントを読んだ感じでは「通常通りのペースを継続する」という認識に戻して良い気がしました。
現在のアメリカに於ける銀行の融資条件が割合借り易いこと、クレジット・スプレッドが狭いこと、株式市場がしっかりしていること、などから考えてアメリカ国内には金利引き上げペースを緩める理由はありません。従って、「通常通りのペースを継続する」という意味はあと少なくとも50bpから100bpくらいFFレートが引き上げられる、という事です。
問題は日本やアメリカでこうした微調整がなされるのは日本経済、アメリカ経済にとっては楽勝でこなせるハードルだと思うのですが、一部エマージング各国にとっては目先自国の金融システムにストレスが加わる危険を孕んでいるという点です。
例えば中国の人民銀行の金利操作の回数はFEDの小刻みなやり方にくらべると回数が少なく、一回のアクションで市場に与える「シグナル効果」は米国のそれよりかなり大きいと実感します。今年の中国の利上げはせいぜい1回か2回でしょうが、それがどのタイミングで来るのかというのは中国の株式市場にとって結構大事な問題のように僕は思います。今のように「アメリカで引き上げが済んで、次は中国の番?」なんて皆の目線が集中しているときというのは投資する方としては実に厭なフィーリングですね。なんだか落ち着かないです。
それから先日のCOPOM議事録が乱暴なくらい過激だったブラジルに関しては賃金などの「上がりだしたら一番タチの悪い」項目でインフレが噴出してますから「思いっきりブレーキを踏む」危険があります。エマージング・マーケットの専門家じゃなくてジェネラリストのファンドがブラジル株を目いっぱい買っているのも僕としては不気味。
一方、政府の年間インフレ・ターゲットを早くも大幅に上方修正する必要が出てきたように見受けられるロシアも要注意でしょう。幸い、ロシアの場合はここ数ヶ月、ユコスをめぐるドタバタで欧米投資家はアンダー・ウエイトになっているのが救いですね。
Wah_man3さんのブログ、また引用させて頂きます。
日本の超低金利は世界のヘッジファンドにとって「現金引き出し機」みたいな有難い存在でした。つまり、金利コストの安い日本で借りて、より高いリターンが期待できるエマージング市場とかへ投資すればまるで魔法のように儲かったからです。
人間、ちょっと儲かるとすぐ調子に乗るのは個人投資家もヘッジファンドも同じです。上記のように「借りた金で相場を張る」というのはレバレッジを効かせたストラテジーですからちょっと為替や金利が動くと当初の目算が外れることもしばしばあります。投資先のエマージング市場の方に全然ファンダメンタルズの変化がなくても、お金を借りてくる方で異変があると慌てて手仕舞いしないといけない場合も出てくるんですね。
日本で超低金利が維持されてきた理由のひとつはヨタヨタだった日本の銀行にミルク補給をする意味があったと思いますが、Wah_man3さんのブログに書かれているように、そろそろ銀行の方でそういうニーズが減ってきた形跡が出てきました。「日本が金融政策を微調整する可能性」が出てきて実は一番インパクトを受けるのはエマージング・マーケットだと僕は思います。
さて、アメリカに目を転じるとFEDは今日、予想された通り、FFレートを25bp引き上げ、2.5%としました。コメントとしては「measured」というこれまでの表現を変更していません。今回のFOMCミーティングに先立ち、年初から「FEDはタカ派の姿勢を高めたんじゃないか?」という懸念が投資家の間に広がっていましたが、今日のステートメントを読んだ感じでは「通常通りのペースを継続する」という認識に戻して良い気がしました。
現在のアメリカに於ける銀行の融資条件が割合借り易いこと、クレジット・スプレッドが狭いこと、株式市場がしっかりしていること、などから考えてアメリカ国内には金利引き上げペースを緩める理由はありません。従って、「通常通りのペースを継続する」という意味はあと少なくとも50bpから100bpくらいFFレートが引き上げられる、という事です。
問題は日本やアメリカでこうした微調整がなされるのは日本経済、アメリカ経済にとっては楽勝でこなせるハードルだと思うのですが、一部エマージング各国にとっては目先自国の金融システムにストレスが加わる危険を孕んでいるという点です。
例えば中国の人民銀行の金利操作の回数はFEDの小刻みなやり方にくらべると回数が少なく、一回のアクションで市場に与える「シグナル効果」は米国のそれよりかなり大きいと実感します。今年の中国の利上げはせいぜい1回か2回でしょうが、それがどのタイミングで来るのかというのは中国の株式市場にとって結構大事な問題のように僕は思います。今のように「アメリカで引き上げが済んで、次は中国の番?」なんて皆の目線が集中しているときというのは投資する方としては実に厭なフィーリングですね。なんだか落ち着かないです。
それから先日のCOPOM議事録が乱暴なくらい過激だったブラジルに関しては賃金などの「上がりだしたら一番タチの悪い」項目でインフレが噴出してますから「思いっきりブレーキを踏む」危険があります。エマージング・マーケットの専門家じゃなくてジェネラリストのファンドがブラジル株を目いっぱい買っているのも僕としては不気味。
一方、政府の年間インフレ・ターゲットを早くも大幅に上方修正する必要が出てきたように見受けられるロシアも要注意でしょう。幸い、ロシアの場合はここ数ヶ月、ユコスをめぐるドタバタで欧米投資家はアンダー・ウエイトになっているのが救いですね。
2005/02/02のBlog
[ 09:05 ]
[ ロシア株 ]
今日、ロシアのユガンスクに対して中国石油天然気(CNPC)がUS$6Billion の「出資」をするというニュースが出ました。前から噂されていたディールです。この取引、どういう中身なのかきっちり理解する必要があると思ったのでこのブログを書きます。
先ず、中国石油天然気(ペトロチャイナの親会社です)は複数の中国の政府系銀行にUS$6Billion の「預金」をします。これを中国の政府系銀行団がロシアの政府系銀行、ユネシェコノムバンクに預け、それがユガンスクに貸し出されるようです。
このUS$6Billionと引き換えにCNPCは向こう10年にわたって352Million bblの石油の供給を受ける(この部分は既に以前に発表されています)という事です。
取引の性格からするとこれは「出資」ではなく「前払い金(Advance)」だと僕は思います。また、向こう10年にわたる石油供給契約というのはユガンスクの前のオーナー、ユコスとCNPCとの間にも存在したので全く新しい契約というよりは昔の契約がユコスの倒産で履行できなくなったのを「差し替えた」と考えるべきでしょう。
それでは何が新しい要素かというと、キャッシュ・オン・デリバリー(そのとき払い)ではなく、「全額前払い」というのが新しいだけです。しかもこれまではCNPCの帳簿に直接この取引が記載されていたであろうものが、今度は両方の当事者の政府系銀行を噛ませてありますから貸借関係が表面に出ない形になっているわけです。(僕の定義ではこういうのを「飛ばし」と言うんです。)
なぜCNPCが直接、ユガンスクと取引できないかというと、ユガンスクはロシア政府が力ずくでユコスから取り上げ、入札にかけたので、ユコスはその競売を阻止するためにヒューストンの裁判所に駆け込みました。従って、西側の銀行は裁判沙汰になっている案件には融資できないので皆、手を引いたのです。CNPCも子会社のペトロチャイナ(PTR)がNY市場に上場されていますから、直接ユガンスクと取引するとヤバイわけですね。
中国とロシアの政府系銀行を噛ませてあるからCNPCは直接このディールに手を染めてないと主張したいのでしょうが、僕の考えではこれだけ大規模の「簿外の貸借関係」があればアメリカの証券法で開示義務が発生すると思います。
それから気になるのはユガンスクが現在のオーナーであるロスネフチに渡った経緯ですが、手付金のUS$1.7Billion が入札時にバイカル・ファイナンスによって支払われたのみで、US$9Billionを超える買収代金はまだ決済されてないそうです。こういうのを兜町ことばでは「鉄砲」といいます。皆さんのわかりやすいように株で喩えれば「受け渡し未済」という事ですね。それにしてもこんなどでかい鉄砲撃つなんて太い輩です。
それでは誰がこの代金を立て替えているのか?という事ですが、これが実はロシア中央銀行ではないかと僕は思います。なぜなら1月7日の時点でUS$124Billion あったリザーブ(準備金)が1月21日にはUS$118Billionに減っているからです。
要は企業も政府もみんなグルで隠蔽しているという事。
読者の中には「でも政府同士が了解してやっていることだからこのディールは瓦解しない」と考える人も多いでしょう。本当にそうでしょうか?。
例えば、ペトロチャイナの大株主の一人はウォーレン・バフェットです。かれは清廉潔白であることを何よりも重んずる人ですから今回のディールは怒り心頭に達しているに違いありません。若し、きちんとした開示が米国の証券取引委員会にペトロチャイナから出されないのならウォーレン・バフェットはペトロチャイナ株を場で処分すると思います。また、サルベイン・オックスレー法の精神からするとCNPCのやっていることは明らかにアメリカのルールに違反しますから、その法的な煩わしさが厭になったらペトロチャイナはNY市場での上場を廃止することだってあながち無いとは言えないんじゃないでしょうか?。
先ず、中国石油天然気(ペトロチャイナの親会社です)は複数の中国の政府系銀行にUS$6Billion の「預金」をします。これを中国の政府系銀行団がロシアの政府系銀行、ユネシェコノムバンクに預け、それがユガンスクに貸し出されるようです。
このUS$6Billionと引き換えにCNPCは向こう10年にわたって352Million bblの石油の供給を受ける(この部分は既に以前に発表されています)という事です。
取引の性格からするとこれは「出資」ではなく「前払い金(Advance)」だと僕は思います。また、向こう10年にわたる石油供給契約というのはユガンスクの前のオーナー、ユコスとCNPCとの間にも存在したので全く新しい契約というよりは昔の契約がユコスの倒産で履行できなくなったのを「差し替えた」と考えるべきでしょう。
それでは何が新しい要素かというと、キャッシュ・オン・デリバリー(そのとき払い)ではなく、「全額前払い」というのが新しいだけです。しかもこれまではCNPCの帳簿に直接この取引が記載されていたであろうものが、今度は両方の当事者の政府系銀行を噛ませてありますから貸借関係が表面に出ない形になっているわけです。(僕の定義ではこういうのを「飛ばし」と言うんです。)
なぜCNPCが直接、ユガンスクと取引できないかというと、ユガンスクはロシア政府が力ずくでユコスから取り上げ、入札にかけたので、ユコスはその競売を阻止するためにヒューストンの裁判所に駆け込みました。従って、西側の銀行は裁判沙汰になっている案件には融資できないので皆、手を引いたのです。CNPCも子会社のペトロチャイナ(PTR)がNY市場に上場されていますから、直接ユガンスクと取引するとヤバイわけですね。
中国とロシアの政府系銀行を噛ませてあるからCNPCは直接このディールに手を染めてないと主張したいのでしょうが、僕の考えではこれだけ大規模の「簿外の貸借関係」があればアメリカの証券法で開示義務が発生すると思います。
それから気になるのはユガンスクが現在のオーナーであるロスネフチに渡った経緯ですが、手付金のUS$1.7Billion が入札時にバイカル・ファイナンスによって支払われたのみで、US$9Billionを超える買収代金はまだ決済されてないそうです。こういうのを兜町ことばでは「鉄砲」といいます。皆さんのわかりやすいように株で喩えれば「受け渡し未済」という事ですね。それにしてもこんなどでかい鉄砲撃つなんて太い輩です。
それでは誰がこの代金を立て替えているのか?という事ですが、これが実はロシア中央銀行ではないかと僕は思います。なぜなら1月7日の時点でUS$124Billion あったリザーブ(準備金)が1月21日にはUS$118Billionに減っているからです。
要は企業も政府もみんなグルで隠蔽しているという事。
読者の中には「でも政府同士が了解してやっていることだからこのディールは瓦解しない」と考える人も多いでしょう。本当にそうでしょうか?。
例えば、ペトロチャイナの大株主の一人はウォーレン・バフェットです。かれは清廉潔白であることを何よりも重んずる人ですから今回のディールは怒り心頭に達しているに違いありません。若し、きちんとした開示が米国の証券取引委員会にペトロチャイナから出されないのならウォーレン・バフェットはペトロチャイナ株を場で処分すると思います。また、サルベイン・オックスレー法の精神からするとCNPCのやっていることは明らかにアメリカのルールに違反しますから、その法的な煩わしさが厭になったらペトロチャイナはNY市場での上場を廃止することだってあながち無いとは言えないんじゃないでしょうか?。
[ 01:02 ]
[ インド株 ]
インドの石油業界紙によるとインドの国営石油会社ONGCが去年の11月から試掘していた西部オフショアの油井がドライ(石油が無いこと)であることが判明したそうです。ベルフォード・ドルフィンという最新鋭のリグを使ったこの試掘、今回で8回目ですが今のところ全部ペケ。
ま、油田開発は「水もの」で、相当筋の良い業者でも成功確率は25%ですから統計的にはONGCの「不運」も予定範囲のうちなんでしょう。僕が問題にしたいのは結果じゃなくて態度(というより準備かな?)の方です。
先ず、ディープ・ウォーターの経験が浅いにも関わらず、アメリカなどの経験豊富な業者と組まず、独自でやろうとしている判断の甘さ、それから採算性とかの詰めが甘く、低いハードル・レートでもってところ構わず「ここ掘れワンワン」。聞くところではこれまでの失敗でUS$400Millionがドブに捨てられた計算だそうです。このONGC、去年、鳴り物入りでIPOした会社ですが、その時、株主が拠出した資金の1割以上ももう費消した計算です。さらにエクアドルにUS$2.5Billionかけて精油所を建設したり(そんなケッタイな事してどうすんねん?)、果てはロシアのロスネフチにUS$6Billion貸すとか言っているわけでお人よしにもほどがあります。あーあ、やっぱインド株買うならインフォシス(INFY)とか今は凹んじゃってるけど基本、経営者のしっかりしているドクター・レディーズ(RDY)とか、そういう連中にしとけば良かった。
投資家をバカにしてんの?。
ま、油田開発は「水もの」で、相当筋の良い業者でも成功確率は25%ですから統計的にはONGCの「不運」も予定範囲のうちなんでしょう。僕が問題にしたいのは結果じゃなくて態度(というより準備かな?)の方です。
先ず、ディープ・ウォーターの経験が浅いにも関わらず、アメリカなどの経験豊富な業者と組まず、独自でやろうとしている判断の甘さ、それから採算性とかの詰めが甘く、低いハードル・レートでもってところ構わず「ここ掘れワンワン」。聞くところではこれまでの失敗でUS$400Millionがドブに捨てられた計算だそうです。このONGC、去年、鳴り物入りでIPOした会社ですが、その時、株主が拠出した資金の1割以上ももう費消した計算です。さらにエクアドルにUS$2.5Billionかけて精油所を建設したり(そんなケッタイな事してどうすんねん?)、果てはロシアのロスネフチにUS$6Billion貸すとか言っているわけでお人よしにもほどがあります。あーあ、やっぱインド株買うならインフォシス(INFY)とか今は凹んじゃってるけど基本、経営者のしっかりしているドクター・レディーズ(RDY)とか、そういう連中にしとけば良かった。
投資家をバカにしてんの?。
[ 00:15 ]
[ アメリカ株 ]
起業の参入障壁が下がったため、今、アメリカの証券会社でちょっと腕に自信のあるセールスマンならさっさとヘッジファンドを作って独立するでしょうし、顧客に信用置かれているセールスマンならさっさと自分のファイナンシャル・プランナーの会社を興して独立します。
巨大投資銀行、巨大商業銀行は「プライベート・バンキング」とか称して顧客の繋ぎ止め、優秀なセールスマンの繋ぎ止めに躍起ですが、今の賢い消費者は「隠れたコスト」やコンフリクト・オブ・インタレストに大変敏感です。それでもこれら巨大金融機関のリテール部門はホールセール(機関投資家向け)部門の体たらくに比べればまだマシでしょう。機関投資家向けの部門はサードマーケットなどの執行サービスの発達、インターネットでリサーチが取れるようになったことなどで全く存在意義がなくなりました。むしろ、投資家とアナリストの間に立ちはだかって、ゲートキーパー(門番)の役目をするネガティブな存在です。SOHOかどこかのトレンディーなクラブのバウンサーよろしく、わざと投資家がアナリストにアクセスしにくくすることで自分の存在意義を誇示しようとする淋しい連中ですね。もっと勉強して下さい。
巨大投資銀行、巨大商業銀行は「プライベート・バンキング」とか称して顧客の繋ぎ止め、優秀なセールスマンの繋ぎ止めに躍起ですが、今の賢い消費者は「隠れたコスト」やコンフリクト・オブ・インタレストに大変敏感です。それでもこれら巨大金融機関のリテール部門はホールセール(機関投資家向け)部門の体たらくに比べればまだマシでしょう。機関投資家向けの部門はサードマーケットなどの執行サービスの発達、インターネットでリサーチが取れるようになったことなどで全く存在意義がなくなりました。むしろ、投資家とアナリストの間に立ちはだかって、ゲートキーパー(門番)の役目をするネガティブな存在です。SOHOかどこかのトレンディーなクラブのバウンサーよろしく、わざと投資家がアナリストにアクセスしにくくすることで自分の存在意義を誇示しようとする淋しい連中ですね。もっと勉強して下さい。
[ 00:01 ]
[ アメリカ株 ]
もうひとつの大きな変化は先述したコネクティビティー、カストディー、月報作成能力などのバックオフィス業務がインターネットの登場や業界の過剰設備により、完全にコモディティー化したことでしょう。この為、余剰キャパシティーを外部に「切り売り」というか「また貸し」する金融機関の数は激増しています。或る意味、ヘッジファンドのプライム・ブローカレージ部門なんてその典型ですね。
これらの結果、マット君などのファイナンシャル・プランナーにとってアメリカン・エクスプレスという「のれん」の庇護下で商売するメリットは皆無になったのです。今、それらのファイナンシャル・プランナーはお客さんを連れて続々独立しています。そして、例えば同じく余剰キャパシティーで困っているチャールズ・シュワッブの「アドバイザー向けインフラ提供サービス」を使い、自分のヴァーチャル・ファイナンシャル・インスティチューションを作り上げているのです。このトレンドが如何に重要かはチャールズ・シュワッブが近年はじめたファイナンシャル・プランナー向けのコンファレンスにゆけばすぐわかります。一昔前ならクリントン元大統領はシリコン・ヴァレーのハイテク投資銀行、ロバートソン・スティーブンスの投資コンファレンスなどでスピーチしたものですが、今、彼はシュワッブのコンファレンスでスピーチしています。
これらの結果、マット君などのファイナンシャル・プランナーにとってアメリカン・エクスプレスという「のれん」の庇護下で商売するメリットは皆無になったのです。今、それらのファイナンシャル・プランナーはお客さんを連れて続々独立しています。そして、例えば同じく余剰キャパシティーで困っているチャールズ・シュワッブの「アドバイザー向けインフラ提供サービス」を使い、自分のヴァーチャル・ファイナンシャル・インスティチューションを作り上げているのです。このトレンドが如何に重要かはチャールズ・シュワッブが近年はじめたファイナンシャル・プランナー向けのコンファレンスにゆけばすぐわかります。一昔前ならクリントン元大統領はシリコン・ヴァレーのハイテク投資銀行、ロバートソン・スティーブンスの投資コンファレンスなどでスピーチしたものですが、今、彼はシュワッブのコンファレンスでスピーチしています。
2005/02/01のBlog
[ 23:44 ]
[ アメリカ株 ]
マット君が作ってくれたビジュアルな図解に溢れた「家計診断レポート」はアメリカン・エクスプレス社のコンピュータ・システムを駆使して作成したんでしょうし、提案された保険商品、投信、株式などを紡ぎ合わせてひとつのポートフォリオを構築するためにはアメリカン・エクスプレスがヴァラエティーに富んだ商品を持っていることが必要になります。また、それらの商品の発注、口座の維持管理には本社との通信インフラ、つまりコネクティビティー、さらにカストディー、月報作成能力などが要求されます。
ほんの一昔前までは上記のような事は巨大金融機関でした出来なかったんですね。ところが、この巨大金融機関のヘゲモニーを揺るがす大きな変化が近年起りました。そのひとつはエリオット・スピッツァーの金融機関に対する訴求に代表される、コンシュマー・アクティビズムでしょう。つまり、どんな商品でも傘下にあると、それが顧客にとってベストでなくても(例えばパフォーマンスの悪い投信を抱えているなど)それを押し付けるなんて事が起りうるわけです。所謂、コンフリクト・オブ・インタレスト(利害衝突)ですね。そこで最近では自分のグループ内の商品を後回しにしてでも外部の、ベストの商品を推薦するという動きが出てます。また、それぞれの商品に隠された「隠れフィー」や「隠れコスト」も次々に暴かれています。
ほんの一昔前までは上記のような事は巨大金融機関でした出来なかったんですね。ところが、この巨大金融機関のヘゲモニーを揺るがす大きな変化が近年起りました。そのひとつはエリオット・スピッツァーの金融機関に対する訴求に代表される、コンシュマー・アクティビズムでしょう。つまり、どんな商品でも傘下にあると、それが顧客にとってベストでなくても(例えばパフォーマンスの悪い投信を抱えているなど)それを押し付けるなんて事が起りうるわけです。所謂、コンフリクト・オブ・インタレスト(利害衝突)ですね。そこで最近では自分のグループ内の商品を後回しにしてでも外部の、ベストの商品を推薦するという動きが出てます。また、それぞれの商品に隠された「隠れフィー」や「隠れコスト」も次々に暴かれています。
[ 23:22 ]
[ アメリカ株 ]
こういう僕も実はAEFSのお客さんなのです。「ヘッジファンド・マネージャーがなんでファイナンシャル・プランナーを使うの?」と思う方も居るでしょうが、この二つの分野というのは似ているようで似てないのです。ヘッジファンド・マネージャーの仕事は「外を見る」、つまり世界で起っていることを観察する部分が大きいですが、ファイナンシャル・プランナーは人生のライフサイクルを通じて家計の収入予測ならびに支出予測からベストの資金計画、金融商品選択、タックス・プランニング、相続などに関してアドバイスしてゆく仕事です。つまり、あくまで本人の「お財布の中身」の現実から目を離さないようにしないといけないのです。
僕がAEFSを使っている理由は別にアメリカン・エクスプレスのブランドに惚れたわけでも、彼らのミューチャル・ファンド(お粗末!)の商品の取り揃えに惹かれたわけでもありません。マット君というファイナンシャル・プランナー個人の能力と人柄に惹かれたからであります。最初にミーティングしたとき、彼はうちの収入、家族構成、支出などはもちろんのこと、遺言はどうなってるとか税金効率はどうなっているとか、生命保険はどうなっているとか、兎に角あらゆる角度から家計の長期的リスクを診断し、厚さ5cmくらいの黒いバインダーにぎっしり詰まった「家計診断レポート」をまとめて呉れました。それを見るといろいろなリスクや将来の資金ニーズから照らして、どういうミックスでそれぞれの金融商品を買ってゆかないといけないのか一目瞭然です。(折角、彼が細心の注意を払って仕上げてくれたウチの”家計戦略”は僕がヘッジファンドをはじめたのでグチャグチャに崩れてしまいました。)
僕がAEFSを使っている理由は別にアメリカン・エクスプレスのブランドに惚れたわけでも、彼らのミューチャル・ファンド(お粗末!)の商品の取り揃えに惹かれたわけでもありません。マット君というファイナンシャル・プランナー個人の能力と人柄に惹かれたからであります。最初にミーティングしたとき、彼はうちの収入、家族構成、支出などはもちろんのこと、遺言はどうなってるとか税金効率はどうなっているとか、生命保険はどうなっているとか、兎に角あらゆる角度から家計の長期的リスクを診断し、厚さ5cmくらいの黒いバインダーにぎっしり詰まった「家計診断レポート」をまとめて呉れました。それを見るといろいろなリスクや将来の資金ニーズから照らして、どういうミックスでそれぞれの金融商品を買ってゆかないといけないのか一目瞭然です。(折角、彼が細心の注意を払って仕上げてくれたウチの”家計戦略”は僕がヘッジファンドをはじめたのでグチャグチャに崩れてしまいました。)
[ 22:50 ]
[ アメリカ株 ]
米国の金利環境というのは1982年以来、基本的にずっと金融機関にとってフォローの風でした。また、デモグラフィー、産業構造の変化、イノベーションなど、いろいろなファクターが全てプラスに働き、米国の金融サービス産業は世界的にみても突出したガリバーのような存在になったと言えるでしょう。
でも僕はそれらのメガ・ファイナンシャル・インスティチューションが太平の眠りから揺り起こされる日が近いと思います。ちょうど大きくなりすぎた恐竜が食べ物が無くなって飢え死にするような日のことです。
今日、アメリカン・エクスプレス(AXP)がファイナンシャル・プランナーの集団であるアメリカン・エクスプレス・ファイナンシャル・サービス(AEFS)をスピンオフすると発表しました。遅すぎる決定ですね。3年くらい前にやっておくべき事だったのではないでしょうか?。
AEFSはその昔はIDS(インベスターズ・ダイヴァーシファイド・サービス)と呼ばれる運用、資産管理会社でした。毛並みの良い会社です。金融コングロマリットを目指すアメリカン・エクスプレスがIDSを買収した当時の世間の風潮というのは、例えば小売のシアーズ・ローバックが証券会社のディーン・ウィッターを傘下に持っていたり、エンジニアリング会社のべクテルがブティック投資銀行(とはいえ昔はプレステージの高かった)ディロン・リードを支配していたような時代です。兎に角、シナジーとかを深く考えずに誰もが金融サービス会社を傘下に持ちたがる時代だったのです。その中ではアメックスのIDS買収は成功した方でしょう。
成功した理由はIDSがちゃんとした運用力を持っていたことと、今のファイナンシャル・プランナーの先駆けとなる、ちゃんと教育された営業隊が居たからだと思います。
でも僕はそれらのメガ・ファイナンシャル・インスティチューションが太平の眠りから揺り起こされる日が近いと思います。ちょうど大きくなりすぎた恐竜が食べ物が無くなって飢え死にするような日のことです。
今日、アメリカン・エクスプレス(AXP)がファイナンシャル・プランナーの集団であるアメリカン・エクスプレス・ファイナンシャル・サービス(AEFS)をスピンオフすると発表しました。遅すぎる決定ですね。3年くらい前にやっておくべき事だったのではないでしょうか?。
AEFSはその昔はIDS(インベスターズ・ダイヴァーシファイド・サービス)と呼ばれる運用、資産管理会社でした。毛並みの良い会社です。金融コングロマリットを目指すアメリカン・エクスプレスがIDSを買収した当時の世間の風潮というのは、例えば小売のシアーズ・ローバックが証券会社のディーン・ウィッターを傘下に持っていたり、エンジニアリング会社のべクテルがブティック投資銀行(とはいえ昔はプレステージの高かった)ディロン・リードを支配していたような時代です。兎に角、シナジーとかを深く考えずに誰もが金融サービス会社を傘下に持ちたがる時代だったのです。その中ではアメックスのIDS買収は成功した方でしょう。
成功した理由はIDSがちゃんとした運用力を持っていたことと、今のファイナンシャル・プランナーの先駆けとなる、ちゃんと教育された営業隊が居たからだと思います。
[ 13:31 ]
[ 資源 ]
有名なウォール街の格言に「蝶ネクタイの言う事は聞くな」というのがあります。日本では会社で蝶ネクタイをする人は居ませんが、ウォール街にはまだこういうシーラカンスみたいな輩が居るんです。
時々、IPOする会社の社長が蝶ネクタイの愛用者だったりするんですが、そういうとき、「社長、大変言いにくいんですが、ロードショウの時は普通のネクタイに変えてください」とお願いするするのは引き受け主幹事の法人マンの仕事です。(僕もこの厭な役をやらされたことがあります。)
これ程、蝶ネクタイは「ご法度」だと判っていながら敢えて蝶ネクタイを止めない連中も当然居るわけです。例えば、ジム・ロジャーズ。
ヘッジファンドの大先輩、ジム・ロジャーズに僕のような虫けらが物申す立場に無いことは重々理解ってマス。でもジムが超然として蝶ネクタイをしてテレビに出てくるというのは①彼は今は自分のへそくりを転がしているだけで、ファンド・レイジングする必要が全然ない、②ときどきコロンビアのビジネス・スクールで教壇に立ち(今でもやってんのかなァ?)女学生にチョッカイを出す、③テレビに出て彼の世界観、ウンチクをたれると同時に自分の書いた本の宣伝をやる、という程度のことしかやってないからです。つまりバリバリの現役ではないという事。
だからこそ彼の場合、「あ、今日は人前にでるので蝶ネクタイをしちゃ駄目だな」というビジネス上の健全なジャッジメント(状況判断)と「オレはファッショナブルで金持ちなんだぜ!」というエゴでは後者が勝っちゃうんでしょうね。日本中の投資家が彼のご神託を一語も漏らさず有難く拝聴しているのを見ると僕はなんだか淋しくなります。ウォール街にはもっと相場が上手くて、もっと真剣に勝負していて、もっとお客さんのお金を大切にしているファンド・マネージャーは沢山居ます。
ジム・ロジャーズが「2004年後半に中国株は暴落する」と言っていたのを覚えている人、居ますか?(確かにA株やB株はボロボロでしたが、こんなの誰が見たって悪いのは明白。この場合、彼はH株のことを言っていたのだと思います。)
最近、かれはコモディティーに関する本を書き上げたので、それのプロモーションに余念がないです。「コモディティーは向こう15年ブル相場が続く」というのが彼の持論。僕も基本的にはコモディティーにはブルですが、こういう単純化された議論を真に受けて、細かい相場の機微に注意を払わないと大損する人も出てくるんじゃないでしょうか?。
時々、IPOする会社の社長が蝶ネクタイの愛用者だったりするんですが、そういうとき、「社長、大変言いにくいんですが、ロードショウの時は普通のネクタイに変えてください」とお願いするするのは引き受け主幹事の法人マンの仕事です。(僕もこの厭な役をやらされたことがあります。)
これ程、蝶ネクタイは「ご法度」だと判っていながら敢えて蝶ネクタイを止めない連中も当然居るわけです。例えば、ジム・ロジャーズ。
ヘッジファンドの大先輩、ジム・ロジャーズに僕のような虫けらが物申す立場に無いことは重々理解ってマス。でもジムが超然として蝶ネクタイをしてテレビに出てくるというのは①彼は今は自分のへそくりを転がしているだけで、ファンド・レイジングする必要が全然ない、②ときどきコロンビアのビジネス・スクールで教壇に立ち(今でもやってんのかなァ?)女学生にチョッカイを出す、③テレビに出て彼の世界観、ウンチクをたれると同時に自分の書いた本の宣伝をやる、という程度のことしかやってないからです。つまりバリバリの現役ではないという事。
だからこそ彼の場合、「あ、今日は人前にでるので蝶ネクタイをしちゃ駄目だな」というビジネス上の健全なジャッジメント(状況判断)と「オレはファッショナブルで金持ちなんだぜ!」というエゴでは後者が勝っちゃうんでしょうね。日本中の投資家が彼のご神託を一語も漏らさず有難く拝聴しているのを見ると僕はなんだか淋しくなります。ウォール街にはもっと相場が上手くて、もっと真剣に勝負していて、もっとお客さんのお金を大切にしているファンド・マネージャーは沢山居ます。
ジム・ロジャーズが「2004年後半に中国株は暴落する」と言っていたのを覚えている人、居ますか?(確かにA株やB株はボロボロでしたが、こんなの誰が見たって悪いのは明白。この場合、彼はH株のことを言っていたのだと思います。)
最近、かれはコモディティーに関する本を書き上げたので、それのプロモーションに余念がないです。「コモディティーは向こう15年ブル相場が続く」というのが彼の持論。僕も基本的にはコモディティーにはブルですが、こういう単純化された議論を真に受けて、細かい相場の機微に注意を払わないと大損する人も出てくるんじゃないでしょうか?。
[ 12:28 ]
[ 中東 ]
民主主義がきちんと機能するには公正な選挙が行われるだけでは足りません。
社会不安が続くようだと折角成功裡に終わったイラクの選挙も後が続かなくなるでしょう。イラクには今、全然雇用がありません。通貨は健全でないし、インフレが荒れ狂っています。これで住民が黙ってると思いますか?
幸いイラクにはイッパツで雇用を創造し、福利厚生を整え、インフレを抑える切り札があります。それは石油。
そもそも米国からの要請に応えて世界各国が治安維持のための軍隊をイラクに送った理由のひとつは、今、恩を売っておいて将来ちゃんと石油開発のディールに加えてもらうという魂胆があることなど中学生でも知ってます。
イラクの石油は確認埋蔵量で115Billion BBL(世界の10%)、ところが現在の生産量
社会不安が続くようだと折角成功裡に終わったイラクの選挙も後が続かなくなるでしょう。イラクには今、全然雇用がありません。通貨は健全でないし、インフレが荒れ狂っています。これで住民が黙ってると思いますか?
幸いイラクにはイッパツで雇用を創造し、福利厚生を整え、インフレを抑える切り札があります。それは石油。
そもそも米国からの要請に応えて世界各国が治安維持のための軍隊をイラクに送った理由のひとつは、今、恩を売っておいて将来ちゃんと石油開発のディールに加えてもらうという魂胆があることなど中学生でも知ってます。
イラクの石油は確認埋蔵量で115Billion BBL(世界の10%)、ところが現在の生産量