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木の家づくりに役立つ 草野鉄男建築工房 のブログ
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2008/04/18のBlog
前回は、苗加の家の地盤改良工事~基礎工事の様子を見ていただきました。大工さんの作業所では、番付けが終わりましたので、墨付け~刻みが始まりました。
1枚目の写真は、大工さんが墨付けを行っているところです。差し金(さしがね)と墨指(すみさし=竹のへらみたいなもの)を使って、穴を掘ったり切ったりする場所に墨を付けて(線を書いて)います。
2枚目の写真は、この家のお客様が墨付けも終わりに近づいた頃に、大工さんの作業の様子を見に来られました。
墨付けが終わった構造材には、穴を掘ったり切ったりする場所の線だけでなく、独特の記号と文字がたくさん書いてあり、どこがどうなるのかを理解するのは見ただけでは難しいです。
ただ、何か凄い仕事がしてあるように感じられるようです。この家のお客様は、大工さんの墨付けや刻みは神業のようだった、と言っておられました。
最近の家は、プレカット(機械で墨付けから刻みをすべて行う)された材料がほとんどですが、その墨付けは機械的すぎてプラモデルの部品みたいです。(やはり、家づくりというより工業製品を買うという感じですね。)
墨付けが終わると、大工さんの手刻みが始まります。刻み終わった材料が、3枚目の写真です。
上から5段ほど梁が、積んであります。これらの材料の端っこが継手(つぎて)と呼ばれる部分であり、伝統工法ならではの複雑な形をしていますね。
複雑であるがゆえに、刻むのも大変なのですよ。ですから最近の継手は、刻み易さを優先して簡略化されていますが、でもこの複雑さが伝統工法の特徴である粘り強さにつながるのです。
梁の下(写真でも下の方)に置いてあるは、この家の通し柱で木の白い部分が無く、赤い色をした綺麗な通し柱ですね。
墨付けされた材料は、見ても分からない部分が多いのですが、所定の長さに切られたり穴が開けられていたり、複雑に刻まれた継手・仕口を見ると、わが家が出来上がっていく実感が沸いてきます。
これらの刻まれた材料は、建て方(上棟)で組みあがってしまうと、複雑な継手・仕口が見えなくなりますので、こういう段階でじっくり見ておかれると良いでしょう。
4枚目の写真は、2人の大工さんが2本の大黒柱を刻んでいるところです。
既に一度、刻みの見学をされていたのですが、やはりもう一度見ておきたいと、再度刻みの見学に来られました。その時に、たまたま写真のように大黒柱の刻みをしていたのでした。
その部分を見ることができて、とても喜んでおられました。旦那様が、掘られた穴の中はどうなっているのだろうと、覗き込んでおられます。
この家のお客様、山から構造材が運ばれてきてから刻みまでの間に、4回もわが家の木に会いに来られましたよ。
2008/04/16のBlog
現場報告に、新しい家が加わります。妙川寺の家です。
この家は、建て替えをされますので、まず一番最初に解体工事が始まりました。
以前の解体工事は、重機でいきなりガッチャーンと壊していましたが、家庭のゴミと同じできちんと分別して、処分しなくてはいけなくなりましたので、解体工事も時間がかかるようになりました。
3日もあれば、跡形もなく綺麗に片付けられていた解体工事も、今のやり方だと1週間かかる予定です。
上の写真は、まずガラス・瓦・建材(本物でない木)・トタンなどを手作業で壊して、分別・処分されていく途中の段階です。
それが終わると、残りはほとんど本物の木になり、燃えるものばかりになります。あとは下の写真のように、機械で一気に壊し始めていきました。
こういう古い家は、建材を主として処分するのに大変な物が少ないですが、最近の家は建材をたくさん使っていますので処分が大変です。(その分、解体費用もかかります。)
ところで、この家は築50年だそうです。
ここに建ててから・・・、です。これらの構造材、実はここの前に他の所に建っていたのを移築して建てられた家なのです。(昔なら、当たり前でした。それだけ、木を大切に使ってきたのですね。言いかえれば、それだけ本物の木は長持ちするのです。)
ですから、この構造材は2軒の家として、少なくとも100年以上は使われました。この構造材が育つのにも、何十年もかかっています。育つのにかかった年数(樹齢)よりも、ちゃんと長く使われたことになりますね。(60年かかって育った木の家を20~25年で壊すのは、木の無駄づかいになってしまいます。)
これからここに建てる家の構造材は、天然乾燥を終えて近日中に山から運ばれてきますが、その中の大黒柱や大きな梁は、樹齢80~100年なのです。
昔と同じで、天然乾燥した木を適材適所に製材されていますので、真の丈夫で長持ちする家にふさわしい構造材ですから、その木でまた100年以上大事に使っていただきたいと思います。
さて、妙川寺の本物の木の家は、どんな家でしょうか。このあとの現場報告~完成を、お楽しみに・・・、です。
2008/04/14のBlog
苗加の家、前回は、柱梁の構造材を1本1本見て、どこにどう使うかを決める番付けという作業をご紹介しました。
お客様にも参加していただいて、この家の旦那様・奥様も、大黒柱や梁のどの面をリビング側にしようかなどと、真剣に木材を見ておられましたよね。
番付けが終わると、大工さんが構造材に墨付けをして刻みにとりかかって行くのですが、それをご紹介する前に現場(敷地)の状況を見てみましょう。現場の方では、基礎工事が進められています。
この家では、基礎工事にとりかかる前にまず地盤改良工事を行いました。上の写真が、その様子です。
地盤改良といっても、そのやり方は1種類ではありません。今までに他の家でご紹介したのは、柱状改良という工法でした。
それに対しまして、この家で行ったのは表層改良という工法です。(この2つの違いにつきましては、他の家の柱状改良工事の記事に書いてあります。)
この家の敷地は、地盤としては決して悪くはないのですが、盛土した部分も含め地表面から1mほどを強くするために、表層改良工事を行いました。
地盤は、固いか柔らかいかが一番大事なのですが、地表面からある程度深いところまで、地盤構成は単純なものではありません。
調査結果から分かるいろいろな要素を総合判断して、まず地盤改良が必要かどうか、必要であればその工法や改良深さなどを決定します。
地盤改良が終わると、その上に基礎をつくっていきます。基礎は、べた基礎という形式です。
下の写真は、基礎の中の鉄筋工事が終了してから、べた基礎のスラブ(耐圧盤)のコンクリートが打ち終わって数日後の状況で、スラブ(耐圧盤)の上に、基礎立ち上がりの型枠を組んでいるところです。
地盤や基礎は、建物を支えてくれている一番肝心な部分ですから、しっかりと造りましょうね。
次回は、大工さんの作業所に戻って、墨付け・刻みをご覧いただきます。
2008/04/11のBlog
[ 17:17 ] [ 最近完成した家 ]
東石金の家、洗面を見ていただきましょう。
この家の前々回に、浴室前の脱衣室をご紹介しましたね。普通は脱衣と洗面が一緒になっていることが多いのですが、この家では脱衣室にはなく、どこにあるのでしょう?と書いていた洗面がここにあるのです。
こことは廊下であり、その一部に洗面コーナーが設置してあるという感じです。
この洗面コーナーのすぐ横にトイレもありますし、上記の脱衣室もあるのです。また、キッチンや前回ご紹介した茶の間のすぐ横でもあり、なおかつ2階へ行く階段もすぐ横にあるという位置関係になります。
そういう意味では、どの部屋からも近くて、廊下から脱衣室に入ってということがないので、使いやすい洗面になっています。例えば、子どもが外から帰ってきて、廊下の洗面コーナーで手を洗ったりうがいをしたりしてから、階段で2階へ上がっていくのにも好都合ですね。
廊下の幅を広くゆったりしているので、ここに設置できたとも言えるでしょう。
洗面カウンターの天板は、清潔そうな白いカウンターになっていますね。洗面器も同じ素材でできていて、まったく同じ白色なのでカウンター・洗面器が一体物で造ってあるかのように見えるのです。
カウンターの下は、オープンな収納に。上には、鏡がありますね。鏡は扉になっていて、鏡扉を開けると小物入れがあります。
上の写真だけ見ると、鏡が1枚のように見えると思いますが、鏡扉が3枚になっていて、それぞれ開閉することができるのです。
下の写真は、3枚の鏡扉の真ん中を部分を閉めたままで、左右の2枚の鏡扉を開けた状態です。こうすると、三面鏡として使えます。
真ん中の鏡扉の幅が一番大きくて、左右の鏡扉の幅が小さめになっているわけです。この鏡の裏すべてが収納になっていますから、結構小物が入りますよね。
家の中の機能的な位置に、使いやすくつくられた洗面でした。
2008/04/09のBlog
大工さんの作業所に、この家の構造材が山から運ばれてきて、お客様がわが家の木とご対面したところまでご紹介しました。
あとは、大工さんが構造材に墨付けをし、その後手刻みをしていくのですが、墨付けをする前にもう1つ作業があります。
番付けという作業です。たくさんある柱や梁など1本1本見て、どこにどう使うかを決めていく作業のことです。
お客様に、主要な構造材を見ていただく意味も含めて、この作業に参加していただいています。
決して難しいことではありませんし、本物の木を使って大工さんが手刻みをする家ならでは作業でありますから、家づくりの思い出の1ページなのです。
上の写真は、お子様も含めて家族みんなで、わが家の木を見ておられます。だんな様が、手で触っておられる木がこの家の大黒柱で、その左側にももう1本ありますよ。
手前の大工さんが、図面を使って大黒柱がどう見えるのか、説明しています。もう一人の大工さんが、柱のこの辺からこの辺まで1階に見えてきます、という感じで作業をしているところです。
2本の大黒柱を、和室側・キッチン側とどちらに使うか、その大黒柱の一番綺麗な面を探して、その面をリビング側に向けましょう、と決まったようです。
下の写真は、今度は大きな梁です。リビングの吹抜け廻りに使う大きな梁が4本あって、同じようにその4本をどこにどう使うか決めておられます。
木の色や節を見ることは簡単ですが、木の本末・木のお腹と背中・木の癖も含めて、1本1本見ていくのです。
難しそうと思われるかもしれませんが、大工さんや私が説明させていただくことで、すぐに理解出来る程度の内容です。(他の家の番付けのご紹介で、この辺の解説が少し書いてあります。)
こういう風に、特徴・良さ・違いなど木のことが分かってくると、この作業も面白くなってきます。
最初は、説明を聞くまでみんな似たような木に見えていたのが、だんだん分かってきて下の写真では、だんな様があっちへ行ったりこっちへ行ったりして、梁の1面1面を一生懸命見ておられますね。
番付けが終わって、次は墨付け・手刻みと作業が行われていきますよ。
2008/04/07のBlog
[ 18:11 ] [ 地域情報 ]
1ヶ月ぶりの地域情報です。
建築以外の記事を楽しみにしていらっしゃる方、建築の記事ばかり続いて、申し訳ありません。
久々につかの間の家族サービスのために・・・、ちょうど桜が満開に近づいていましたので、見てまいりました。
富山での開花宣言は、4月2日。その少し前、冬のような寒さに戻っていましたので、開花が遅れるのではないかと思いましたが、開花予報とピッタリ!
そして、4月6日に満開が観測されたと発表がありました。(開花や満開は、富山地方気象台の中にある桜の標本木で観測されます。)
開花も満開も、平年より6日早く、昨年より2~3日遅いそうです。開花から満開まで4日というのは、平年並み。
毎年、多かれ少なかれ桜便りをお届けしていますね。見に行ってきた写真の場所は、昨年もご紹介していますが、富山市の中心部にある桜の名所「松川べり」です。
上の写真が松川で、ご覧のように遊覧船が出ています。この遊覧船は、花見の時だけでなく4~10月の土日祝日に、桜開花中・GW・お盆など。(ただし、晴天時のみ。)
花見以外でも、ここは何度も訪れていますが、遊覧船にはまだ乗ったことがなかったので、子どもと一緒に乗ってきました。
下の写真は、見てお分かりの通り富山城です。そのお堀に面して立派な桜の木が、見事に満開になっていました。
上の写真と下の写真の場所は、遠く離れているのではなく、すぐ近くなのです。下の写真の富山城の向こう(反対)側に、松川が流れているのです。
4月5~6日の2日間、富山は写真のように雲ひとつない青空で絶好の花見日和となり、松川べりに花見客がドッと押し寄せました。
桜の時期に富山にお越しの際には、ぜひ富山城・松川べりにお立ち寄りくださいね。
2008/04/04のBlog
[ 19:20 ] [ 最近完成した家 ]
今日は、蓮町の家のキッチンをご紹介します。
前回も、キッチンは少し見えていましたが、キッチンを見ていただいたというより、ダイニングキッチンとリビングや板の間・和室とのつながり方について書きました。
今日は改めて、見えていなかったキッチン部分も含めて、ご覧いただきましょう。
上下2枚の写真で、システムキッチンの全体がお分かりいただけると思います。この家のお客様は、こういうシステムキッチンを選ばれました。
上の写真は、リビングから見た状態です。形式としては対面式なのですが、シンクのあるキッチンだけ置くことによって、キッチンとリビングに分けられています。
対面式というと、以前は流し台の裏(リビング側)にカウンターを造り付けて(流し台の裏を隠して)いましたが、最近はこういうタイプも登場してきました。
シンクのあるキッチンの天板を見ていただくと、奥行きの大きなキッチンであるのが分かりますよね。奥行きのあるので、リビング側にもガラス扉のついた棚があります。
また以前なら、流し台の上に吊戸棚を取り付けるのが一般的でしたから、その裏側に壁が必要でしたが、ご覧のように吊戸棚がないことによって、リビングとのつながりがとても開放的になりますね。
この家ではさらに、コンロ(IHヒーター)も後ろの壁側に設置されたので、その上のレンジフードもキッチンとリビングの間に出っ張っていないため、よりスッキリしているのです。(下の写真のように、横から見るとよく分かります。)
上の写真では、シンクのあるキッチンの右側に本物の木でできた収納がありますね。もちろん、構造材や板材と同じ山の木を使って、大工さんに造り付けてもらった収納です。
その収納の右端が、大黒柱の端とあうように、またキッチンと同じ高さになるようにしてあります。
下の写真で、壁側コンロの手前側が空いていますね。ここが、食器棚や冷蔵庫を置くスペースになります。それに、写真中央に木の戸が見えていますが、そこも食品庫的な収納の部屋になっているのです。
この家は、こういう風にキッチンを造られました。リビングと開放的につながる分、その反面リビングからキッチンが丸見えであるともいえます。そういう意味では、こういうタイプは見せるキッチンなのでしょう。
リビングとキッチンのつながり方、シンク・コンロなどのレイアウト、吊戸棚や収納の取り方、すべてその家の奥様の使い方次第です。キッチンは、自分が一番使いやすいように、造って下さいね。
2008/04/02のBlog
[ 14:51 ] [ 東照宮と日光周辺 ]
東照宮シリーズですが、日光山内の輪王寺・二荒山神社・大猷院はすべて紹介を終え、残っているのは東照宮。その東照宮の中でも、奥社のみとなりました。
東照宮本殿の横の新たなゲートで、別料金を払って奥社に向かい、入ってすぐのところに、前回ご紹介した眠り猫があるのでしたね。
眠り猫の後には、上の写真のようにたくさんの石段が目の前に現れてきます。日光山内で、一度にたくさんの階段を登らなければいけないのは、ここだけです。(他は、ほぼフラットか、少しずつ階段を登る程度です。)
登り始める前は、大したことなさそうに見えたのですが、いざ登り始めると、自分の体力の衰えに気付かされることになるのです。息切れをごまかすのに、立ち止まって周りの風景を撮影しながら、何とか登ることができました。
この石段の特徴は、各段すべて一枚岩で造ってあり、手摺部分も石を組んであるのではなく、大きな石から掘り出して造ってあるという、もの凄い技術なのです。
石段は207段あって、最後の方が上の写真です。石段の上に見える鳥居が、銅鳥居(かねのとりい)です。
その先は、東照宮奥社です。鳥居をくぐって石段をもうひと登りすると、まず最初にあるのは奥社拝殿。(下の写真が、そうです。)
建物の大きさは、今まで見た拝殿などに比べて小さいですが、重厚な印象を受けます。
建物全体は、真鍮や銅板で覆ってあり、その上に黒の漆塗り。黒が基調の外観に対して、内部は金箔の柱に極彩色の鳳凰などと豪華な仕様になっています。
さて次回は、東照宮シリーズの最終回。この奥に・・・、いよいよ家康公が眠っておられる場所が登場いたします。お楽しみに!
2008/03/31のBlog
前回、この家の構造材が天然乾燥を終えて、大工さんの所に運ばれてきたことをご紹介しましたね。
この家のお客様が、お子様も連れて家族揃って、大工さんの作業所に見に来られました。わが家の構造材になってくれる木と、ご対面です。
このお客様も、他の完成した家や現場を見学されたりして、これと同じ山の木は既に見ておられますが、よその家の木を見るのと自分の家の木を見るのとでは大違いです。
やはり、見るまではワクワクドキドキ、貴方の家の構造材ですよと、実物を見ると感動するものです。
これが大黒柱で、あれが通し柱、そして大きな梁から小さな梁がいっぱい。どこまでが、わが家の木ですか?と質問がでましたが、この大工さんの作業所のあちこちじゅうに並べられた木すべてがそうですよ、と聞いてビックリしておられました。
上の写真には、通し柱や長い梁が並べてありますが、そこら辺は前回の記事に書きましたね。
下の写真、左端に積んであるのは、屋根のタルキです。この家では2種類のタルキを使いますが、こちらが大きい方で4寸(12cm)角の太さですから、管柱(通し柱でない一般の柱)と同じです。
写真中央、この家の旦那様が、置いてある木に触っておられます。写真では分かりにくいと思いますが、とても赤い色をした木です。
これは、1階の床下に使うで大引と呼ばれる部材です。土台とはまた違う部材ですが、杉の赤身だけになるよう製材してあるので、赤い色のみの木になるという訳です。
土台に使うのは、桧の赤身のみ、大引は杉の赤身のみ。なぜ赤身なのかについては、このブログの「木の話」などをお読み下さいね。
とにかく、それが木の正しい製材であり使い方、つまり木の適材適所であり、丈夫で長持ちする家にするための重要な部分なのです。
ここに並べられているたくさんの材料に、まず何をするかと言いますと、木を1本1本見てこの家のどこに使うかを決める番付けという作業を行いますよ。
次回は、その様子を。
2008/03/28のBlog
さあ、新しい家の現場報告がスタートします。苗加の家です。
この家の柱・梁といった構造材の天然乾燥が終わり、大工さんの作業小屋に運ばれてきました。
機械に頼る人工乾燥でしたら、1週間や10日間では乾燥を終えますが、天然乾燥ですからもっと月日を要します。
この家の構造材の準備が始まったのは、昨年の暮れ頃からです。家の間取りと空間が決まると、必要な柱・梁を木拾いして、山(林業家)に準備を始めてもらいます。
山(林業家)では、図面と木拾い書を見ながら、たくさんある丸太から適材適所に選別して、必要な大きさに製材します。そして最低3ヶ月間、天然乾燥されるのです。
上の写真で、左側に太い正方形の材料が4本積んであるのが、お分かりいただけますでしょうか。この材料が、この家の通し柱です。太さは、6寸(18cm)角あります。
その隣(右)に、これも4本積んでありますが、この家の吹抜け(この家には、吹抜けがあります。)の廻りに取り付く大きな梁で、大黒柱と同様にこの家の中心の見せ場になり材料と言えます。
そのまた右隣(写真中央より右)に、長い梁が何本も置いてあります。手前から奥まで、ずっと1本の長ーい梁ですよ。こういう長い材料を製材してくれるのも、この山の特徴の一つなのです。
下の写真、これらもこの家の材料ですし、この2枚の写真以外にもまだまだあります。
下の写真の奥の方に、通し柱よりも太い材料が2本積んであるのが見えています。これがこの家の大黒柱で、8寸(24cm)角というとても太い柱です。
ここでご紹介したことは、他の家も同じです。しかし唯一違うことは・・・、木の表情(色味や節や木目など)です。(自然素材の本物の木ですから、当たり前のことです。)
太さや長さは、構造的にどの家も共通なのですが、この家だけの世界中で1本しかない材料なのですね。
最後に、人工乾燥すれば早いのに、時間をかけて天然乾燥する理由は・・・。
人工乾燥すると水分が早く抜けるのですが、木の良い成分(色艶・香り・防腐効果など)まで一緒に抜けてしまうのです。それに対して天然乾燥は、水分は抜けているが木の良い成分がちゃんと残っているからなのですよ。
新しい家の木が運ばれてくると、ワクワクして早く見に行きたくなります。それは、他の家も同じ山の木であっても、いつも同じような構造部材だとしても、世界に1本しかない木だからです。私よりもっとワクワクするのは、この家のお客様でしたね。
この家は、どんな家に出来上がっていくでしょうか。では、このあとの現場報告もお楽しみに!
2008/03/21のBlog
[ 17:31 ] [ 最近完成した家 ]
今日は、東石金の家の茶の間をご紹介します。この家では、茶の間という昔風の部屋の名称にしましたが、普通の家でいうリビングです。
今はもう、ほとんど使われなくなってしまった茶の間ですが、でも何か趣を感じさせる言葉ですよね。一家団欒というイメージに、ピッタリだと思いませんか?
リビングはタタミ敷きで、茶の間に卓袱台(ちゃぶだい)を置いて、みんなでご飯を食べるような・・・、というこの家のお客様のご要望をそのままに、茶の間という部屋の名称にさせていただきました。
茶の間の奥に、前々回ご紹介したキッチンが見えています。キッチン側から引戸が見えていて、その戸を全開し向こうにある部屋とつないで使う・・・、と書いていた部屋がこの茶の間だったのです。
茶の間は8帖の広さがありますが、上の写真のようにキッチン側だけでなく、茶の間の左右にある引戸も開けた状態にすると、8帖どころではないとても広々とした部屋になるのですよ。
この家も、1~2階のほとんどに床暖房してあります(タタミの下も)ので、冬だからといって戸を閉める必要もなく、ほとんどは上の写真のように開放して使っておられます。
下の写真は、卓袱台ではありませんが、家の構造材から床・天井などの板と同じ山の木で造ったテーブルです。
上の写真を撮影した完成時には、ありませんでした。しばらくしてから、やはり同じ山の木でテーブルを・・・と、木を山に注文して大工さんに造ってもらわれました。
これ以外に、書斎の机なども同じようにして造ってもらったことは、以前にも紹介しましたが、今現在お子様用の本棚兼ランドセル入れを造る計画中です。
それは、家を建てるときだけでなく、その後に置く家具なども、いろいろ考えておられるということですね。
見た目の色やデザインもそうですが、有害物質のことや環境に優しい材料を使うことにこだわっておられるお客様なのです。
タタミが敷いてあって、本物の木のテーブルを囲んで食事をしたり、一家団欒の時間を過ごしておられる・・・、茶の間でした。
2008/03/18のBlog
[ 17:51 ] [ 地震の話・地震情報 ]
久々に、地震のお話です。今日は、震源と震央について。
地震に関する雑学的な話ですが、興味のある方はお読み下さいね。
震源は、誰でも耳にされたことがあると思いますが、震央は聞きなれない言葉です。
震源とは想像されている通り、地震が発生した地点を指し、地面の中(深さはそれぞれ)にあるのは当然ですね。そして、地点の真上になる地表部分を、震央と呼んでいます。
ですから地震が発生した時、震央の被害がとても大きくなるように思えるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。実際にも、震央と被害の大きかった中心とは、一致しないことも多いのです。
それは、被害の度合いが地盤の性質などの影響を受けるから、と言えます。したがって、地盤の弱い地域では、震央から離れていても地震の被害が大きくなることもあるのです。
1995年に起きた阪神大震災も、震源は明石海峡でしたが、地震を起こした震源断層は神戸の芦屋市付近まで延びていたため、震源から30kmほど離れていた東灘区で被害が大きかったことも、その一例です。
写真は、能登半島地震の時の門前町道下地区です。地盤の弱い地域であったために、被害が大きくなってしまったのもこの地震の特徴でした。
自分の家の地域は、地盤がどうなのか? を知っておくのも大事なことですね。
そのうえで、きちんと地震対策をしておきましょう!
2008/03/14のBlog
前回、トイレをご紹介した蓮町の家です。
今日は、またリビングの方に戻ってきて、リビング横のダイニングキッチンから眺めてみましょう。
以前は、リビングから板の間・和室方向やキッチン方向を見ていた写真を見ていただきましたが、ダイニングキッチンから眺めるとこんな感じです。
キッチンの向こうに、分厚い板で造ったテーブルが置いてありますが、そこがリビングの中心であり、そのまた向こうに板の間・和室と並んでいます。
上の写真と下の写真の違いは・・・、板の間と和室の境の戸が開放されているか、閉められているかの違いですね。
写真であっても、向こうまで見えているのと、戸が閉まっているのとでは、広さの感覚が違うことがお分かりいただけますでしょうか。
以前にも書いていますが、上の写真のようにすべて開放するとLDK+板の間・和室全部あわせて34帖の広さになり、下の写真のように閉じると20帖のLDKになるのです。
実際には、リビングの上が吹抜けになっていますので、またその分よけいに広く感じるLDKなのですよ。
どちらの写真もシステムキッチンが見えていますので、女性の方はそちらの方が気になるのでは?
この家のお客様は、こういうシステムキッチンを選ばれました。
でもこの写真では、システムキッチンにシンクはありますが、コンロがありませんよね。実は、写真の左側にあるのです。
キッチンに関しましては、次回にまた違う写真でよーく見ていただくことにしましょう。
では、次回をお楽しみに!
2008/03/11のBlog
[ 15:34 ] [ 東照宮と日光周辺 ]
今日は、東照宮シリーズ。大猷院の最終回となってしまいました。その最終回に登場するのが、皇嘉門です。
その前に・・・。前回は、大猷院の拝殿と本殿をご紹介しました。その拝殿・本殿の周りの回廊の塀が上の写真です。
外に出て、拝殿と本殿の外観とともに、この回廊の塀を見ながら進んでいきます。
この回廊は、鳩づくしの回廊と呼ばれていて、欄間部分に百態百様の鳩が彫られているのが見ものです。ちょっと足を止めて、ご覧になってみて下さい。
本殿回廊を出ると・・・。
あれっ、今までの東照宮シリーズの中にはなかった様な門が見えてきました。(下の写真)
パッと見ると、竜宮城の門のような感じでもあり、中国風でエキゾチックなことから、別名竜宮門とも呼ばれているのですが、正式には皇嘉門と言います。
実際に、今までの他の門と違い、中国・明朝の建築様式で竜宮造りがしてあります。
外側上部が、大猷院の基調である黒と金で、下部はまばゆい白さの漆喰壁になっていて、内側はろう色をしていて、またその天井には竜宮門と呼ばれるにふさわしい、あでやかな天女の絵が描いてあるそうです。
ただし、この門は立ち入り禁止のフェンスから見ることができるだけで、中に入ることはできません。
この門の向こうに何があるかと言いますと、大猷院の奥院(家光公の墓所)があるのです。残念ながら、そこは非公開となっています。
さて、これで東照宮シリーズの中の大猷院をすべて見終わりました。
あとは、東照宮のみとなりました。東照宮も残りわずかですが、お楽しみに!
2008/03/07のBlog
[ 17:17 ] [ 最近完成した家 ]
前回は、キッチンをご覧いただきました東石金の家です。今日は、脱衣室をご紹介しましょう。
シンプルな脱衣室ですね。これが、本当の脱衣室と言えます。
写真の右端はちょうど木の縦枠部分で切れていますが、そのすぐ右側には、浴室のドアがあるのです。(この家の浴室は、ユニットバスです。)
ここでは、お風呂のための服を脱いだり着たりと、洗濯機が置くスペースのある部屋にされました。
普通なら、ここで顔を洗ったりする洗面カウンターや洗面化粧台も、ここに設置するパターンが多いのですが、その場合のいわゆる洗面脱衣室に対して、洗面の無い本当の脱衣室だということです。
広さはタタミ2枚分ありますが、洗面がないのでその分広いです。写真では、まだ洗濯機を置いていない状態なので、余計に広く感じました。
この部屋も、天井が斜めになっています。以前にご紹介した、物置や子供室でも天井について書いていますが、屋根の野地板をそのまま見せています。
デザインとして見せる目的だけでなく、木が調湿してくれるからです。それは、脱衣室だからではなく、うちじゅうがそうなのですが。
でもやはり脱衣室なので、お風呂上りの時にたくさんの湿気が発生しますが、換気扇を回して湿気を排出する必要がないほどです。床板に天井板(野地板)・柱梁などが、呼吸をしてくれますので。
こういう部屋は一般的に家の北側にあって、湿度が高い状態になりやすい部屋ですから、洗濯機や置いてある物の後ろにカビが生えたりしますよね。
本物の木の家では、そんな心配はありません。これも、住まい手・家そのものにも良い働きをしてくれている本物の木の効果の一つなのです。
そうそう、この家の顔を洗ったりする洗面はどこに? いずれ登場してきますので、お楽しみに!