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クラシック音楽のひとりごと
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2005/04/10のBlog
午後から少しゆっくり出来た。

休日によく取り出すのはベートーヴェンの「田園」である。
朝から休みの日は、実はそう多くないのだが、指揮者は誰と決めているわけではないのだが、ついつい「田園」を取り出す。
今日は友人に貸していたケンペの全集が戻ってきたのでそれを(^-^)。
原盤はEMIだが、DISKYから廉価盤で出ているもの。5年前くらいに2000円程度で買えたものだったはず。
演奏は、ミュンヘンPO。

1970年代当時のケンペは絶好調だったはず。
ミュンヘンPOとはブラームスの交響曲全集を録音しているし、ブルックナーの4番「ロマンティック」や5番も見事だった。
ドレスデン・シュターツカペレとは、あの名録音、R・シュトラウスの管弦楽曲集を入れている。

ミュンヘンとのベートーヴェン全集は、もう、「安定しているなあ」の一言。
安心して、シンフォニーの世界に身を浸らせることが出来る。
テンポは一貫してイン・テンポだが、決して性急になることはない。
弦のやや渋めの音に、これも同じく渋めの管楽器が絡んでゆくさまは、なかなかよろしい。

最近トシのせいか(^^ゞ、ハデハデの演奏はあまり好みではなくなってきた。
若い頃は、バーンスタインの精気溌剌とした演奏が大好きだったのだが、このごろは、ケンペやブロムシュテット、ハイティンクなど職人肌の指揮者が好みになった。

ケンペの演奏も、ジワジワと効いてくる演奏。
滋味溢れて、傾聴すべき演奏。
決して奇をてらっているわけではないんだが、「なるほどなぁ」と首肯せざるを得ないような演奏。

第1楽章から、もう安定そのもの。嵐の場面だって、阿鼻叫喚よりは腰を落ち着けたフォルティシモ。
終楽章は、まさに神への感謝だ。



神に感謝したら勇気が湧いてきました。
明日からまた新しい1週間。
頑張りましょう(^-^)
[ 09:13 ] [ クラシック音楽その他 ]
今日は休日出勤(×_×;)。
で、通勤の車中でテンシュテット指揮するマーラーの「悲劇的」やワグナーのリングからの管弦楽曲集を聴く。

ここのところ、何かとテンシュテットづいているが、今朝の「悲劇的」もスゴイ。
EMI再発の決定版シリーズの1枚(2枚組)。LIVE盤2300円。
これは、噂に違わぬ凄まじい演奏だ。
第1・2楽章は恐ろしいまでに深刻。
自殺寸前の暗さ。
第3楽章はもっとスゴイ。
こんなに暗い第3楽章は過去にあったろうか?
そして、ハチャメチャな第4楽章。
オケがブンブン振り回されて阿鼻叫喚の様相。

オークションで7番との3枚組輸入盤がしばしば出品されて、しかも、殆ど2万円(!)で落札されるので驚いていたが、なに、確かにスゲエ演奏だった。
これで2300円は安い。
買わざるべからず・・・・(^^)。
7番と2枚買っても4600円でしょ?
5番を合わせてもLIVE盤3組が6000円でおつりが来ます。
これ、おすすめです。

ところで、「悲劇的」も、5番も7番も、終楽章が阿鼻叫喚のもの凄さなのだが、特にスゲエのがティンパニ!
もう、腕も折れよとばかりに「ブッ叩く!」。
音量が凄まじい。
ワグナーのリングより「神々の入場」での雷鳴もスゲエ。
(オケはベルリン・フィルだけどね)

スゴイのよ。まったく、こんなティンパニ、テンシュテットでしか聴けない!
ブッ叩く・・・。強烈ティンパニ。
言語を絶する猛烈さ。いやはや・・・・。



2005/04/09のBlog
エミール・ギレリス。「鋼鉄のピアニスト」。

バックのオイゲン・ヨッフム指揮のベルリンPOも含めて、威風堂々のブラームス。
第1楽章。ホルンの伸びやかな響きが心地よい。ベルリンPOのホルンは、ウィーン・フィルのに比べて若干細身だが、朗々と歌ってくれる。で、そのあとが面白い。ギレリスのピアノがゆったりと入ってくるにもかかわらず、ヨッフムがグイグイと煽り立てる。もう、のっけから熱気ムンムン。

それに乗って、ギレリスの豪快なピアノが炸裂。ピアノ1台で、正々堂々とベルリン・フィルと渡り合うのがスゴイ。

第2楽章も同様。ぐんぐんと前のめり気味に進んでゆくのが面白い。

第3楽章は、男の浪漫。男の詩情だ。決して女々しくない、包容力のある叙情が響き渡る。
ブラームスはそもそも女々しい音楽を書いたと思うんだが、この二人の演奏は、ガッツ溢れる男の歌だ。チェロのカンタービレなど、若干ゴツゴツしているが、なぁに、少しばかり固くたっていいじゃないか。男は背中でものを言うのだ(^^ゞ。

第4楽章は、ブラームスのイタリアへの憧れ。南国への慕情。爽やかに、この男たちが浪漫を歌い上げて爽快。

グレート・ピアノスト シリーズの1枚。
HMVのバーゲン(3年半前に1日だけ「全商品半額バーゲン」という奇蹟のような日があったんだなぁ・・・それで買いました。バカ安で(^^ゞ・・・・・)
2005/04/07のBlog
ものすごい熱気。LIVE盤らしい壮大な盛り上がり、スケール感。

一時廃盤だったが、EMIの「決定盤シリーズ」のひとつで、1300円の廉価盤で再発された。
早速購入して、まず我が家のステレオで聴き、驚愕した。
その熱が冷めやらぬまま、カーステレオにて通勤で聴いている。

スゴイ・凄まじいの一言。
どのフレーズも「生きている」!
うねる、火照る、たゆたう、わめく・・・・。
あらゆる強烈な表現が盛り込まれた、大変な1枚。
今まで自分はマーラー5番の何を聴いていたのかと、自問せざるを得ない1枚。
他の指揮者では聞こえてこなかったフレーズが各所で炸裂する。
「あぁ、マーラーはここではこんな風に書いていたのだ。こう楽器を鳴らせたかったのだ」と、聴きながらいちいち合点が行くような1枚。

淡々と進むところなど全くなし。
聴きながら(聴いたあとも!)非常に疲れる1枚。

テンシュテットのマーラーは、スタジオ録音の全集で聴いてきたが、やはり世評通り、LIVEはスゴイ。
感動というか、呆然とする1枚。

ただし、ロンドン・フィルの演奏は巧くない。悪いけれど、下手。
決して美しい音楽を響かせたりはしない。

艶麗な管弦楽、艶っぽいマーラーのオーケストレーションは味わえない1枚。


いやはや、とにかくスゴイ。
これだけの演奏、他には聴けません。
そして、何回も聴けません。壮絶です。

2005/04/05のBlog
ルプーの弾く「皇帝」を取り出した。(メータ指揮イスラエルPO)。
録音は1979年、テルアヴィヴにて。

「1000人に1人のリリシスト」・・・・。懐かしいコピーだ。
ルプーがデッカに元気に録音して活躍していた1970年代、このコピーは盛んに使われたものだ。
いわく、「抒情的」。ルプーのピアノは抒情性にその特徴があった。

まず音色。繊細を極める音色。弱音が特に素晴らしい。弱音がさらに弱まって、消えてゆくあたりが特に良い。
それからテンポ。落ち着いて、妙な癖がなく、一聴淡々と聞こえるが、無限のニュアンスが宿る。

だから、このCDの聴きものは第2・3楽章の弱音部。緩徐楽章の秘かなため息のような響き。終楽章のロンドの永遠性。
いいなあ。ルプーの演奏は清らかで繊細。ふわっと天空に消えてゆくピアノの弱音。
デリカシーの固まりだなぁ。
自分にはないだけに、特にカッコ良くきこえるのだ(^^ゞ

バックはメータ指揮のイスラエルPO。弦の音色が良い。金管と木管はイマイチかな。
メータの指揮は精力的というよりは、柔らかめでルプーに合わせていると思う。
ただ、マッチョなメータとしては、精一杯な感じも。ルプーのデリカシーに、ややついて行きかねるところも見られるかな(^^ゞ
2005/04/03のBlog
ブログを書くようになってから、昔良く聴いたCDを取り出すようになった。

夕暮れ時に取り出したのはドヴォルザークのスラヴ舞曲集。
アンタル・ドラティ指揮のロイヤル・フィル盤だ。
録音は1983年。デッカの輸入盤で、確か廉価盤だったはず。
もう10年以上前に購入したものだが、1500円以上はしたと思う。


演奏はもうドラティらしく表情豊かに色彩感溢れる指揮ぶり。
どの旋律も親しみやすく、緩急の対比も楽しく、強弱の起伏も強調されて色彩も豊か。申し分ない指揮である。

このころ、ドラティはストラヴィンスキーの春の祭典・火の鳥・ペトルーシュカをデトロイト響と(デッカ)、バルトークの管弦楽のための協奏曲やスメタナのわが祖国をセルトヘボウ管(フィリップス)に録音するなど、実に元気に活躍していた。

この演奏も精力的だし、もともとショウ・ピース的な曲を振らせたら実に上手い指揮者だから、もう、安心して身をゆだねて聴けた。

惜しむらくは、ロイヤル・フィルの音色がイマイチだなぁ。無色透明というか、艶やかさがあるわけでもなく、なびた魅力や渋さがあるわけでもなく、何か、オケとして聴き手に迫ってくる魅力がないんだよねぇ。聴き手として少し欲張りすぎかな?(^^ゞ

久しぶりに休みが取れた。
今朝はモーツァルトの交響曲第39番から。先日購入したジュリーニのソニー廉価盤シリーズの1枚。演奏はベルリンPO。

序奏から徹底的に遅い。ゆったりとしたジュリーニ独特のテンポで進む。王者の威容で、あたりを睥睨するように進んでゆく。弦も管もたっぷりと歌う。「こんな遅くて、最後まで持つんかいな?」と心配になるような第1楽章。
第2楽章になると、そのゆったり感が快感になってくる。レガート奏法、ここに極まれり。ジュリーニのレガートは、気品と優美さに満ちている。懐に抱かれて、安心して眠りにつけるような、そんなレガート。王者の風格というか、貴婦人の艶麗さというか・・・。もう、絶妙のレガートだ。

(レガートといえば、カラヤン。しかし、カラヤンのは時に下卑たものになるような気がする。お節介ババア、というか、大きなお世話というか、そんなレガートになる。と言いつつ、カラヤンも大好きなのだが・・・・・・(^^ゞ・・・)

第3楽章のメヌエット。舞曲と言うよりは、王者の行進。堂々として、あたりを寄せ付けない貫禄。トリオでのクラリネットの美しさ・はかなさは、これこそ、モーツァルトの白鳥の歌だ。メヌエットの威容さに圧倒されて気づきにくいが、このクラリネットの演奏は絶品。
終楽章も遅い。ベルリンPO、スゲエ。最後までこのテンポで持たせてしまう。ジュリーニの指揮も勿論スゴイのだが、これに最後まで応じることが出来るベルリンPOこそ、実はスゴイのじゃないかと思った次第。

カップリングは協奏交響曲の297の方。シェレンベルガーのオーボエが良い。クレジットによれば、クラリネットは首席のブラントホーファー。上手い。交響曲第39番のクラリネットも彼かもしれない。音色は同じだった。

1250円で日曜の朝。至福の境地(^-^)。
2005/04/02のBlog
桜がだいぶ咲き始めたが、天気は花曇り。少し肌寒い。午後から雨模様。
そんな時に取り出したのはシューマンの交響曲第1番「春」。
演奏はズービン・メータ指揮ウィーン・フィル。
1976年アナログ録音のデッカ盤だ。

このころのメータは良かった。グラマラスで音楽に張りや勢いがあって、グイグイと前に進んでゆく若々しさがあった。どんな曲を指揮しても、清心で活気がある演奏になった。
このシューマンの交響曲全集はデッカの廉価盤2枚組。
購入したのはもう10年以上前なので、輸入盤で廉価盤といえども2500円くらいしたと思う。
メータのシューマンは大学生の頃エア・チェック(この言葉を知らない若い人が増えているかも?「FMのエア・チェック」なんて死語と化しているんではないかいなぁ?(^^ゞ・・・)したテープで聴いていた。テープはTDKのAD。「突き抜ける高音」というコピーでノーマル・ポジションのカセットテープとしては当時の代表的な製品。

で、演奏もウィーン・フィルの持ち味を遺憾なく発揮させたもの。まさに、「突き抜ける高音」にふさわしくVPOの弦が輝くばかりの高音を響かせる。
うっとりするような美音!デッカらしい艶やかな録音も素晴らしい!
(VPOの音は、やはりデッカ録音で聴くのが良いなぁ・・・エエ音やもんなぁ・・・・)

メータの指揮は第1楽章からイン・テンポでグイグイ進んでゆく。勿論、ショルティのような重戦車の驀進的なテンポではなく、若々しく弾むようなテンポというか、春への希望・青春の憧憬に満ちたテンポというべきかな。
あくまでも、溌剌として喜ばしい指揮。
第2楽章でもメータのシェイプするリズムは心地よい。第3楽章のスケルツォなど、舞曲のノリで胸がときめく。ソファーに深々と腰掛けて聴いていたが、思わず腰を浮かして背中が揺れ出すほど。
圧巻は終楽章。コーダ直前で響くホルンの深々とした音!この音は、おそらく名手ローラント・ベルガーだと思うが、もう圧倒的な存在感。周囲を振り払う威容で、堂々と結末へ向かってゆく。

シューマンの交響曲第1番、大好きで、これまでに多くの指揮者を聴いた。
CD時代になってからは、交響曲全集は2枚組で収まるから、安いでしょ?ツイ買っちゃう(^^ゞ。バーンスタイン、ハイティンク、マリナー、ムーティ、ジンマン、サヴァリッシュ、クーベリック、スウィトナー・・・・どの指揮者も良いんだけれど(特にハイティンクとバーンスタインは、メータと違う良さがあって良く聴く)、メータのは、最も青春の憧憬が感じられるのが良い。クラシック音楽に親しみ始めた頃、一番初めに聴いたシューマンの交響曲だからとも思うし(つまり「刷り込み」)、当時を思うノスタルジーがそう思わせるのかもしれないが・・・いやはや、メータの演奏は、ボクを幸福にさせてくれる。
そこがメータの良いところ(良かったところ・・・と過去形で書くべきか・・・?(^^ゞ・・・)
2005/04/01のBlog
4月1日。ようやく暖かくなった。
風はまだ冷たいような気もするが、日差しはだいぶ強くなった。
桜の開花宣言も相次いでいるが、我が家の周辺ではもう一息といった感じである。

さて、春になると聴きたくなる曲がある。
早春なら、シューマンの交響曲第1番「春」。
そして今の時期なら、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番だ。

特に良いのは第1楽章。
ゆったりと静かに始まるピアノのカデンツァ。春の息吹にふさわしい音楽だと思う。
そして、管弦楽の序奏部、木管楽器がヴァイオリンに絡んでゆくところなど美しさの極みだ。
こういう曲になると、オーケストラはウィーン・フィルがよい。ウィンナ・オーボエのややきつめの響き、ウィンナ・ホルンのふくよかな響きが弦楽やピアノの前に出たり、時には慎ましく控えたり・・・。
いつも「あぁ、良いオーケストラだなぁ」と思ってしまう。

アシュケナージのピアノの音色、大好き。クリスタルガラスの透明さと、羽毛のような柔らかさを兼ね備えた響き、音色。
たまらない。
この盤は、伴奏のメータ/ウィーン・フィルも最高。メータが太い筆を使って、グイッ・・・グイッ・・・・と管弦楽を引っ張って、繊細なアシュケナージのピアノを際だたせている。終楽章のロンド、ピアノがコロコロと軽やかに踊るように転げてゆくさまは、何と表現していいのか分からない。可憐、キュート、飛翔、きらびやか。

LPの全集が輸入盤で発売されたとき、すぐに石丸電気に買いに行ったことを覚えている。この4番だけはCDで買い直した(カップリングは2番)。
録音は1983年。デッカらしい、鮮烈であり、個々の楽器の音が素晴らしくよく録れている。これは春の名盤である。
四国は低温注意報。昨日の雪・雨で路面が凍結、6時半、明るくなってからジョグを開始してよかった。暗いうちだと、滑っていたろうな。この歳で転倒は大けがになりかねない(^^ゞ
いつもの周回コースで帰りは河口を見ながら。石鎚山、日本晴れ。冠雪の絶景、目に焼き付けながら気持ちよく1時間を走り終えた。

午前中はゆっくりとクラシック。
シャイーのマーラーの続きを。今朝は第3番を全曲。
録音、スゴイ。低音がうなるように響く。大太鼓、ティンパニ、シンバルなどくっきりと鳴る(シャイーが鳴らすよう指示しているんだろうな)。
第1楽章は、ゆったりと進んでゆく。このテンポは僕にはピッタリ。3番で、速い第1楽章はピンと来ない(ショルティ/CSOなどめちゃくちゃ上手いけれど、速くてイマイチだもんな)。
第2楽章は木管のソロがクリアそのもの。森の中に遊ぶ錯覚に陥る。
メゾ・ソプラノの独唱や少年合唱はまずまずの出来だし、聴かせどころではシャイーがふっと抜くようにテンポを落とすのが効果的。
感動の終楽章。ゆったりと至福の時が流れる。
昨日も聴いたけれど、今朝の感動の方が深い。いつまでも続いて欲しいと思いました。
録音はデッカらしく各楽器をよく捉えてクリアに鳴らす方向。フィリップス録音の、あの深々としたホールトーンは味わえません。
僕はハイティンク/ACOの、安定感に沈み込むような録音が好きなんですが、シャイーのはシャイーで好きになれそう。
わがタンノイも、機嫌良く鳴ってます。

ここのところ、ジュリーニを聴くことが多い。
今夜はシューベルトの交響曲第9番「グレート」。シカゴ響を振った70年代の録音。ドイツ・グラモフォンの銘盤シリーズで1200円(安いなぁ・・・LPで持っているのを、つい買い直してしまった・・・(^^ゞ。。。)。

ジュリーニらしく、全編、歌に満ちた名盤だ。シカゴ響の金管が断然素晴らしい。圧倒的でさえある。上手い、上手すぎる。ホルンのグレヴェンジャー、トランペットのハーゼスは勿論だが、トロンボーンもメチャクチャ上手い。だいたいこの曲はトロンボーンが活躍するのだが(だからかなり疲労すると思うのだが)、始めから終わりまで、弛緩すること全くなし。スゴイ。
弦も見事だし、録音も良い。70年代末、アナログ録音としては完成された最高レベルにあると思う。

特筆すべきは第1楽章の序奏部から主部に入るあたり。他の指揮者が殆どアッチェランドをかけてゆくのに比べて、ジュリーニは、ただクレッシェンドするだけ。テンポは殆ど揺れない。かえって遅くなるくらい。
序奏部がジュリーニとしては素っ気なく入ってくるだけに、主部への部分で、アッチェランドせずに、じっくり腰を落として、チェロに歌わせるのはいかにもジュリーニの面目躍如!やはり、ジュリーニは彼なりの王道をゆくのだ。ここのところを、アッチェランドしないのはケルテス/VPOの演奏くらいのものだと思う。

グレートは大好きで、今までワルター、カラヤン、ベーム、セル、バーンスタイン、ブロムシュテット、テンシュテット、ハイティンク、シュタイン、ディヴィス、レヴァイン、スウィトナー、ショルティ、マリナー、ムーティ、インマゼール・・・・・ついつい購入してしまうのだが、ジュリーニに匹敵するCDはない。
ジュリーニは1980年代末に、SONYレーベルにバイエルン放送響とライヴ録音しているのだが、シカゴ響との録音に比べて、やや弛緩する。歌い回しやテンポ設定は殆ど変わらないのだが、細部まで緊張感に満ちているのはシカゴの方。

買うなら断然シカゴ響盤である。しかも1200円。
ホント、CDって安くなりましたねぇ・・・・(^^ゞ、
2005/03/31のBlog
デュトワの指揮はいつもエレガンスに溢れている。
上品で艶やか。感情が激するようなこともない。細部まで綺麗に磨かれて、時に鋭利な刃物のような切れ味もある。

ビゼーのカルメン/アルルの女組曲は、その最たるものだ。
カルメンの第3幕への前奏曲は最高の聴きもの。
ティモシー・ハッチンズの絶妙なフルート!
そのバックをデュトワの指揮するモントリオール管が艶やかに気品溢れる演奏で支えている。
品が良いというか、趣味が良いというか・・・・。
この演奏には、涼やかな初夏の風が吹き抜けてゆくような、爽やかさがある。
5月中旬、梅雨時にはまだ早い、若干春の冷気を残すような冷涼な風が吹き渡ることがある。そんな風が、この演奏には漂う。
アルルの女組曲では同じくハッチンズのフルートで「メヌエット」がスゴイ。
ここでも、デュトワは上品に激することなく、しかし、あっさりではない、聴かせどころをこころえて絶妙と言うしかない演奏を繰り広げてゆく。

3年前にオーストラリアのメルボルンとバララットを仕事の研修で訪れたことがある。
休日には郊外のワイナリー巡りに出かけ、ブドウ畑の空気を満喫した。
時は12月。南半球の初夏のことであった。
そのワインヤードで忽然と耳に響いたのが、ビゼーのこの2曲であった。
不思議な体験だった。
ブドウ畑をわたってくる風が、ビゼーのあのフルートの音になった。
初夏の快晴。しかし日本のように暑くない。空気は乾燥し、爽やかな風が頬を撫でてゆく。
その時に、あのフルートの音が響いたのだ。

帰国してからもしばしばこのCDを取り出す。
他にもマリナーや小沢やチョン・ミュン・フン、カラヤンの録音を楽しむことも多い。
でも、やはり最後にとっておきの演奏として襟を正して聴くのはハッチンズのフルート。録音多いデュトワの、これは最高の名盤であるとボクは思う。