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クラシック音楽のひとりごと
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2005/08/19のBlog
ボクのリスニングルームは2階にありまして、階下の部屋では退職後悠々自適の父が毎日のように囲碁を打っております。10年前に脳梗塞を患った父は右半身が不自由で外出がままならず、訪れてくれる何人かの友人と碁を打つのが唯一の楽しみ。時々、碁会所のように人が集まることもあります(父が常に家にいるので、客も訪問しやすいんですな)。ですから、休日の午後などは、少々ボリュームを絞って遠慮しつつクラシック音楽を聴きます。それでも、音は真下の囲碁ルームに響きます。
そして、父は言うのです。「今日も、ジャジャジャ ジャーンをしよったのう」と。
(ボクが聴いていたのはマーラーでありますが。)

父はクラシック音楽どころか、音楽そのものに無縁の人であります。楽器などは勿論。カラオケなども歌ったことはないはず。「音楽」は最も父が不得意とする分野であります。その父が、「ジャジャジャ ジャーン」を知っている・・・・・・。
ベートーヴェンの「運命」です。父にとって、クラシック音楽とは何でも「ジャジャジャ ジャーン」なのであります。おそらく、「ジャジャ ジャジャーン」が「運命の」冒頭であることも知らないのではないかと思います。
しかし、そんな父でも断片的に「運命」、ベートーヴェン、「ジャジャジャ ジャーン」という冒頭部を知っている。ヨーロッパから遙か離れた東洋の島国の、そのまた島国の四国の片田舎で育ち、おそらく生涯を終えるであろう父が知っている。
ベートーヴェンはスゴイなと思います。

そして父はカラヤンという人物の名も聞いたことがあるはずです。と言うより、クラシック音楽の指揮者で、カラヤンという名しか知らないでしょう。

ベートーヴェンと同じ謂で、カラヤンもスゴイ。

今日はそんなベートーヴェンとカラヤンに敬意を表して、交響曲第5番ハ短調「運命」を。カラヤンが完成した全集のうち、1970年代のDG盤から。1977年1月、ベルリンのフィルハーモニーでの録音。中古屋で購入したLP8枚組の全集。50ページに及ぶ豪華解説書つき。新品なら18400円だったはずのもの。@2300円×8枚組 でありますな。昔はレコードは高かったんです。しかも名にし負うカラヤンのベートーヴェン。殿様商売でも売れたんでしょう。

で、その1970年代こそ、カラヤン/BPOの全盛期だったろうと思う。
今聴き直すと、このベートーヴェン全集だけでなく他のすべてが素晴らしい録音。

さて、第1楽章、見事なアレグロ・コン・ブリオ。たたみかけるような迫力。ハイスピードなテンポ。現在の流行の演奏に比べて、かなり重厚なのだが十分に爽快。しかも音楽がよく流れて、推進力に溢れている。レガートが美しく非常に流麗、いわば流線形の音楽。マルチ・マイク録音なのだろう、各楽器の音色が美しく録られている(音場は少々不自然なところがあるが)。
第2楽章はヴァイオリン群の音色が聴きもの。金色に輝くような音色。美しく彫り込まれた金細工のような音。輝くような鮮烈な弦とは、こういう音を云うのだろう。
第3楽章のスケルツォは金管の咆吼が凄まじく、またカッコイイ。ハンサムでスタイルの良い演奏。ここでもレガートが特徴的。カラヤンのベートーヴェンはホンマによく流れる。「歌う」というより「流れてゆく」感じ。これはこれで心地よい。
終楽章の盛り上がりも強烈。個々の楽器の音が、全部聞こえるような録音。実際のホールではこういう音はしないだろうなと思いつつも、スピーカーの前で耳にするレコードの音は快感。特にフォルティシモの部分は、麻薬のような媚薬のような美しさ。この流麗さ、この美音、カラヤンのベートーヴェンは癖になる危険を孕む音楽。

カラヤンのベートーヴェンは、60年代の全集も80年代のカラヤン最後の全集も聴きました。で、最もカラヤンらしく流麗で磨き上げた美音、病みつきになるほど悩ましくも美しい演奏は、この1970年代のものではなかったかと思っております。

2005/08/18のBlog
最近、本屋を営む友人が、不景気と読書離れで、本が売れない売れないとぼやいております。
若い人が本を特に読まなくなったように思いますな。
ケータイにあれほど金を使っては、本を買う余裕などないでしょう。
CDはどうかな?もうダウンロードで済ませるようになってしまっているのかな?
クラシック音楽のCDなんて、お先真っ暗な感じもします。
先日も、行きつけのレコード屋を1時間ほど物色したものの、来客はボク一人。
寂しいもんです。

近所の別の本屋(文房具やCDも売っているような、小さいけれど便利だった)が閉店バーゲンしてました。クラシックのCDも少々置いていたんですが、ソニーの1000円盤などは軒並み300円。ダブリ買いに注意しながら(しょっちゅうダブってしまうので・・・(^^ゞ)、10枚ほどゲット。その中の1枚が今日のCDであります。

マーラーの交響曲第1番「巨人」。
若杉弘指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。1986年の録音。原盤はドイツ・エテルナだったと思う。ドレスデン・シュターツカペレの「巨人」は、他にスウィトナーの1962年録音のCDしか聴いたことがない。他にあるのかな?。

ドレスデン・シュターツカペレの音が、DENONなどに比べて、やや明るめで艶やかに聴こえるのは、レーベルの特色か、録音が少々違うのか。もう少し渋めの音だったように思うのだが(DENONやドイツ・シャルプラッテンでは渋め)、エテルナ盤の鮮烈さも悪くない。トランペットやトロンボーンなど、金管の咆吼などキラキラしていて心地よいし、ホルンの音色は、いつも通り甘く太く柔らかい。
アンサンブルも、例によって素晴らしいし、楽器の溶け合いも見事。

この曲はマーラーの青春。
ワルターが言ったように「マーラーのウェルテル」だと思うし、聴き手にとっても青春交響曲だろう。

若杉の採るテンポは、速すぎもせず遅すぎもせず、心地よい。弦は、ドレスデンの柔らかさ、高音はしなやかに伸びてゆくし、木管は柔らかく優しくからみつく。青春の憧憬を十分に表出していると思う。
音楽の表情付けもあまりせず、どちらかというと、淡々と進む。オーケストレーションそのものが良く出来ている(と、ボクは思う)ので、無理な演出を若杉はしていない。
水彩画のような、スッキリとして軽みをもった演奏。さすがに終楽章は壮烈に盛り上がるが・・・・。前の3つの楽章が、アッサリとして特徴的。

いわば「中庸」の演奏。

マーラーこそ後期ロマン派の典型なのだから、もっとドロドロ、表情たっぷりに演奏出来るのだろうが、我が若杉は、「中庸」路線。
「涙節」はないし、「絶叫」もない。
やや薄味かなとも思うが、これが若杉弘のマーラーの特長なのだろう。
オケの特徴を前面に出しながら、ゆったりと焦らず、淡々と演奏させてこの素晴らしさ。
「もっと泣いて欲しい」と若い頃なら思ったかもしれないが、今はこんな演奏がボクは好きです。

2005/08/17のBlog
昼前後に雷雨。激しい雨が1時間ほど降ったので、午後から夕方は涼風が吹き抜けて気持ち良かった。久しぶりの雨だった。このくらい涼しくなれば、初秋を実感できます。
早朝に蜩の鳴き声。窓を開けて寝ているので、肌寒さを感じるようにもなりました。
静かに秋は来ております。

今日はシューマンのピアノ協奏曲。ラドゥ・ルプーのピアノ、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン響の演奏。1973年6月、ロンドンでの録音のDECCA原盤。
キングから発売されていたDECCAのLPが、日本での新会社ロンドン・レコードから発売されるのを記念した廉価盤。と言っても、当時の廉価盤1000~1500円を超えた1800円盤だった。廉価盤というより、ミドル・プライスという価格設定だった。

このレコードは、「千人にひとりのリリシスト」という有名なキャッチ・フレーズでデビューしたルプーの、おそらく最高の名盤。オケもプレヴィンの指揮で、ルプーの繊細で美しいピアノにきれいに寄り添って、見事な「協奏」を聴かせてくれる。

第1楽章の冒頭から、ルプーの弾くピアノの音色にため息が出る。録音はさすがに古びてきたが、澄みきったルプーの音色を伝えてくれる。鋭角的に切れ込んでくる時もあれば、優しく丸みを帯びた音色で歌わせるところもあり、ピアノの音色は、千変万化する。タッチもニュアンス抜群。プレヴィン/ロンドン響も、それに合わせて優しく、時に激しく、素晴らしい伴奏。オーボエの旋律が美しい。歌わせ方が、浪漫的なのだが全く端正でカッコイイ。こういう木管なら、いつまでも聴いていたい。

第2楽章のアンダンテ・グラツィオーソ。甘くはかない青春の香り。憧れの感情が漂う。初めてこのレコードを聴いた学生時代が思い出される。懐かしい。ホンマ、懐かしい。
ルプーのピアノは繊細きわまりなく、特にピアニシモがきれい。この人の特徴は、弱音の繊細さと美しさにあると思うのだが、このあたりがリリシストと云われるゆえんだろうな。ピアノを抒情的に歌わせたら、ルプーは最高のピアニストだと思う。

終楽章はピアノとオケの「協奏」が見事。ピアノの美しさも最高潮。デビュー当時のルプーをイギリスでは「真珠をちりばめたように美しい」と評したと言うが、むべなるかな。フォルティシモで輝くような音色は絶品。オケも絶好調で見事なクライマックスをつくってゆく。

あれからシューマンのピアノ協奏曲を何枚も聴いてきましたが、結局この演奏に戻ります。カップリングのグリーグも、これ以上に素晴らしい名演奏。
(グリーグの方がさらに良いかもしれません。だから名盤)

いろいろ聴いてきて、学生時代から愛聴しているこの1枚に戻ります。
不思議な話であります。人間って成長しないもんです。変わらんもんです。

カップリングはグリーグのピアノ協奏曲。これも素晴らしい演奏。
2005/08/16のBlog
暑い日には、何か涼しい音楽をと思い、取り出したのはシベリウスの交響曲第2番ニ長調作品43。
演奏はコリン・デイヴィス指揮ボストン響。
1976年4月、ボストンでの録音。

普段はLPで聴くことが多い。ゆったりとした音でくつろげるから。
今日聴いたのは、グレート・コンポーザーシリーズの中古盤。
デイヴィスとしては1回目のシベリウス全集。2枚組のDUOシリーズで、廉価盤になっている。部屋のどこかにあったはずだが、見つからなかった・・・・・(^^ゞ・・・・


第1楽章、冒頭の弦楽器の和音が渋く、やや暗めの深々とした音色。あぁ、ボストンのシックな響きだなと思いつつ、やがて木管が絡んでくるその旋律線の美しさ。クラリネットとオーボエが何とも綺麗な響き。決して艶やかではないのだが、心に響く。そして、ホルンがステージ奥で、木管にゆったりと答える。木管が手前で、ホルンが奥で心を通わせつつ、見事なアンサンブル。録音も良い。音場が深く、手前に弦が、奥の金管が左右のスピーカーの間に綺麗に並ぶ。

第2楽章は、この交響曲の白眉。フィンランドの冷涼な(荒涼とした、というべきか)空気が部屋に充満する。(暑い日にはホンマ涼しくなりますな。)
ボストンの弦は相変わらず美しい。管楽器も大活躍。第1主題のファゴットの淋しさ、フルートが奏でる対旋律など、もうため息出そう。金管の張りも十分。トランペットが朗々と歌う部分など美しい。どの楽器も、浮き出たようなところがないのもイイ。楽団の一員として、おさまるべき場所で自分の役割をきちんと果たす演奏。こういうのをホンマの自発性というのではないかな。スタンドプレーに走らない、綺麗なアンサンブルが聴ける。

第3楽章では、オーボエがレントで歌うシベリウスらしい美しい旋律が印象的。ここでも音色はやや暗めで渋い。部屋が涼しくなる(^-^)。

終楽章のクライマックスは素晴らしい。クレッシェンド続いて、弦のユニゾンの上を金管が雄大に締めくくってゆく。

デイヴィスとボストン響の録音、シューベルトの交響曲もよかったが、やはり代表作はシベリウスだろう、と思わせる1枚であります。
おそらく、この録音当時より現在の方がさらにシベリウス解釈が進んでいると思うんですが(デイヴィスも他の指揮者も)、ボクの中では忘れがたい1枚でもあります。
2005/08/15のBlog
PC画面の見過ぎか、細かな文字が見えにくくなってきました。
老眼の始まりかもしれません。
若い頃から近眼で困ってきたが、いよいよ老眼も出始めたか・・・・。
我が友人で、視力の良いヤツは、早くから(もう5年も前から)老眼になって新聞が読みにくいと愚痴をこぼしていたことを思い出します。
いやはや、衰えを実感するのは、つらいものですな。


そういう気分の時はブラームスであります(^^ゞ。

今日は交響曲第4番ホ短調作品98。ブラームス晩年、52歳の大傑作。ブラームスはこの作品のあと12年間生きるのに遂に交響曲を作曲しなかったので、これが最後の交響曲になってしまった。
演奏はヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮ロンドン・フィル。1989年録音のEMI盤。

第1楽章、密やかな息づかいで始まる。寂しい感情を内に秘めつつも、ついつい表に出てしまう、そんな演奏。ロンドン・フィルの弦が渋くて良い。チェロの美しい旋律など、むせび泣くようだ。サヴァリッシュの指揮は、感情に流されすぎぬよう手綱を締めながら、きっちりと歌うべきところは歌わせている。構造が崩れないのはさすがだが、もっと泣きじゃくってもイイのになぁとも思う。この辺が、サヴァリッシュの美学だろう。

第2楽章はホルンと木管の序奏、この音色が渋くて素晴らしい。朗々と歌うわけではなく、しみじみと後ろ髪を引かれながら、で、つい後ろを振り返ってしまうような響き、演奏。第2主題はチェロ。ここでも低弦部の美しさに聴き惚れてしまう。

第3楽章は、過去の栄光か。トゥッティがよく揃って、心地よい。サヴァリッシュはここでも慎重で、あまり爆発的になることはない。十分に美しい演奏。

終楽章のパッサカリア。人生の酸いも甘いも知り尽くした男の音楽(ブラームスの場合は苦い味が強いのだろうが)。サヴァリッシュはここでも渋く、格調高く、淡々と演奏させる。絶叫しない。腰をくねらせて歌う演歌歌手のような演奏も時々聴くことがあるが、サヴァリッシュ/ロンドンPOはひたすら誠実に、あくまでもスタイリッシュに楽譜を音化してゆく。だからこそ、しみじみとした味わいが出る。人生いろいろなことがあったなぁ・・・・・・・そんな回想の音楽を、美しく仕上げた演奏。

録音がEMIらしく、ボチボチといったところ。あまり鮮烈な録音ではないので、しかも個々の楽器をクローズアップするような録音でもないので、滋味で深々とした音になってブラームス的と言えそう。ホールトーンも十分。
2005/08/14のBlog
お盆休みに入って、田舎は他県ナンバーの自動車が増えております。
週末が重なったので田舎には珍しく渋滞もあったりしまして・・・・・。
OBやOGの盆帰りに合わせたのか、地元高校の芸術文化発表会(もう今年で9回目)が開かれ次男坊もコントラバスを抱えて出演。3年生最後の演奏会でもあり、なかなか感動的。演奏も上手で、特別出演の今久保宏美さんの素晴らしい歌唱も聴けました。満足。


さて、今日は久しぶりに協奏曲を。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61。ヴァイオリンはジャン・ジャック・カントロフ、伴奏はアントニ・ロス・マルバ指揮オランダ室内管。1984年4月、オランダのヴァールス教会で録音。
DENONの名曲全集からの1枚。(カップリングはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲)。中古書店でよく見かけるもの。1枚300円程度で買えることが多い。
結論から言うと、これは掘り出し物。初めて聴いたが、全く素晴らしい演奏で、録音も最高じゃないかと思えた。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、第1楽章の冒頭、序奏部のヴァイオリンが登場する前のオケの演奏がまず聴きものだと思う。最初のティンパニのあと、オーボエとクラリネット、ファゴットが第1主題を歌い出すところ、マルバ/オランダ室内管のつくり出す響きが素晴らしく繊細でなめらか。木管の音も表情も素晴らしい。強弱をつけて、心を揺さぶるような開始。浪漫的な演奏と言えるのかもしれない。ニュアンスに富んで、この管弦楽を聴いているだけで、幸福な気分になる。
やがて、カントロフのソロが登場、この音がまた繊細で美しい。カントロフって、こんなに美音家だったのか見直す思い。音色は明るめで繊細、やや細身。突き刺すような尖った細さではなく、何本か撚った絹糸のように透明感があって、しかも美音。遠くまで伸びるような、続くような、細いにもかかわらず確かな質感のある響き。耳に何とも心地よい。
この音を聴くだけでもイイのだが、フレージングがまた面白い。今まで聴いた演奏とは、印象が違う。
調べてみると、児島新校訂による新ベートーヴェン全集による世界初録音とのこと。フレージングが独特だなと思ったら、今までの版とはかなり異なっているとのこと。なるほど。カデンツァはクライスラーのものを使用。

カントロフの演奏、技術的にも破綻なく、美しく弾く。耽美的にさえ聴こえてくる。
だいたい、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲には、あまりアクロバティックな聴かせどころはないと思う。それよりも、如何にオーケストラと会話するか、協調するか、あるいは競い合うか・・・・が大事なのだろうと思う。この点で、カントロフの演奏は、オケとよく協調して、愉悦感や安らぎを与えてくれる。しかも、豊かなスケールを示しながら高貴な品格さえ漂わせているように思える。名演だなぁ。

第2楽章は、カントロフの美音を生かして、何とも綺麗な演奏。マルバ/オランダ室内管のつくり出す「歌」もイイ。ベートーヴェンが書いた、これは敬虔な祈りの歌だと思うのだが、ヴァイオリンもオケも静謐で、心落ち着く演奏になっている。

第3楽章のロンド。ヴァイオリンの美音が軽やかに弾み、爽快。オケの音も素晴らしい。DENONの録音がまた最高なので、躍動しながらどんどん高みに登っていけるような演奏になっている。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲といえば、名盤も数多いが、このカントロフ盤、この美音この録音、十分に名盤の価値有りと見ました。
2005/08/13のBlog
猛暑は続きます。雨が降りません。
隣の香川県では早明浦ダムの渇水で、取水制限も始まったようです。
去年は洪水、今年は渇水。いやはや、自然の猛威であります。

十数年ぶりに旧友に再会。出張のついでとはいえ、わざわざ西条まで来てくれました。
大学時代の彼は主将、ボクは連盟委員。
逢うのは、どの友人の結婚式以来だったかなと、互いに思い出せないほど久しぶりでありました。昔話から、今の境遇まで話題は尽きません。
再会を約して松山空港まで見送りました。
学生時代の友人というのはイイもんです。気を遣わず、好きなことが言えますな。


さて、今日はシューベルトの若番交響曲を。
ベーム/BPOで交響曲第2番変ロ長調D125。
録音は1971年。ベームが晩年にさしかかろうとする時期の録音で、シューベルト交響曲全集からの1枚。
シューベルト17歳の頃の作品。若々しく青春の息吹を感じさせる曲、といってもシューベルトのこと、完成度は高いなと思う。天才はいくつの時でも天才なのだ。年齢など関係ないんやなぁ。

シューベルトの交響曲、最近はピリオド楽器の隆盛・流行で、速くスッキリとした演奏が殆ど。このベーム/BPOの演奏を聴くと、時の流れを実感せざるを得ない。
今から34年前の録音、古楽器はバロック演奏にとどまっていた時代のものだから、この演奏を今の耳で聴くとスケールが大きく浪漫的。
ただベームの指揮だから、テンポは常に正鵠。揺れたりはしない。表情付けもあまりないので、どちらかというと誠実・厳粛な感じの演奏。
録音が結構よい。鮮烈と云うことではなく、ベルリン・フィルの重厚な音がよく録られていると思う。弦が渋く、ややくすんだ感じで響くので、ドレスデン・シュターツカペレの音のような錯覚に陥ったほど。エエ音してる。

第1楽章のラルゴの序奏部、ベームはゆったりとしたテンポで開始。着実に進んでゆく印象。やがて、アレグロ・ヴィヴァーチェになるのだが、響きはさすがにこの時代のもの、厚みがあってしっとりとした味わい(現代の演奏なら、もっとサラサラとながすだろう)。
第2楽章は、この交響曲で最も旋律の美しい部分。可愛らしいメロディが変奏曲形式で移ろいゆくさまは美しい。室内楽のように始まるときのヴァイオリンの響きは特に綺麗。
第3楽章はメヌエットなのだが、シューベルトの溢れる情感がたぎるような曲。さすがBPO、弦と管のバランスがほどよく、迫力のある響きをつくりながらシューベルトの感情を伝える。ベームの指揮は古典的。情念に突き動かされることなく、ここでも正確なテンポを刻んでゆく。結果的に格調高い楽章になった。ベームがモーツァルトの交響曲を指揮したときも同じような印象を持ったが。
終楽章はもっと軽やかに進んでもイイかな・・・・と思って聴いていたが、やはりベームの指揮だもんね。このくらい「しっかりと」演奏するのも悪くないか。


ベームのシューベルト全集、どの曲もベームの誠実さ・謹厳さが伝わってくる名録音だと思います。未完成やグレートは、もちろんさすがの演奏。若書きの若番交響曲も、しっかりとした演奏でボクは好きです。
2005/08/12のBlog
マリナー指揮するアカデミー室内管のチャイコフスキーの交響曲全集(レーベルはカプリッチョ)、HMVのバーゲンで激安だったのでついついGET。
1800円で6曲が揃って、しかも管弦楽曲もいくつかフィルアップされている、コスト・パフォーマンス抜群の全集・・・・。
(ただし、HMVのサイトでは酷評されていたが^^・・・・ )

芸術にコスト・パフォーマンス云々とは真摯なクラシック・ファンに怒られそうだが、CDも立派な「商品」だからねぇ。価格が安いのはエエことであります。

マリナーのCDは夥しいほど市販されている。この人、カラヤンに匹敵する(凌駕したのかな?)くらい録音が多い指揮者。何でも録れちゃう。

バロックから古典派、ロマン派から近現代まで広大なレパートリー。しかも、何でもそつなく仕上げちゃう職人芸。マリナーのCD、1960年代後半にはドキッとする演奏が多かったが(ヴィヴァルディの四季とか、バッハの管弦楽組曲とか・・)、1970年代後半から現在までは、人間が丸くなったのか、見た目が美しい(聴いた耳に心地よい、と言うべきか)、仕上げの綺麗な演奏が増えた。

100点満点で、平均点80点以上のCDばかり。秀才的指揮者なんだろうな。
我が家にも沢山マリナーのCDあり、どれも素晴らしい。
以前にも書いたホルストの「惑星」は、今もボクのエヴァー・グリーンであります。

(ただ、120点の演奏はないなぁ。時々大爆発する指揮者もいるが、マリナーはそういうタイプではないのだろう。)

で早速、交響曲第4番ヘ短調作品36を聴いてみる。
この交響曲は、彼の交響曲の中で最も情熱的でダイナミックな(金管などスゴイよなぁ)ものだとおもうのだが、さて、アカデミー室内管ではどうなんだろう。

アカデミー室内管、アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ(英語で書くのは面倒^^;)、略してASMF。室内管弦楽団なのに、スケール大きい演奏。普通の大編成のオケに比べても遜色ない。増員しているのだろうが、十分にチャイコフスキーのオーケストレーションを味わえる。
録音も1991年なので、十分すぎるほど美しい。ただ、室内管の録音の特徴なのか、音がスピーカーの前に出てくる感じで、「ホールトーンを味わいながら雰囲気を楽しむ」という録音ではない。ただ、各楽器は美しく録られており、木管など、ふるいつきたくなるくらい綺麗。

第1楽章のホルンの最強奏、カッコイイ。もう少しガッツがあってもいいなと思うのだが、よく聴いてゆくと、これがマリナーのやり方なのだと納得。金管の大咆吼を目指すのではなく、エレガントにこの交響曲を仕上げようという意図が聴こえてくる。弦も管も華々しくなるのだが、「美しく」鳴る。音が混濁しないし、変にテンポが揺れることもない。きちんとした演奏。
第2楽章は、いつ聴いても泣けるアンダンテ。オーボエが美しい。テンポも速すぎず、ネトネト粘りすぎず、心地よいもの。チャイコフスキーの説明文「仕事に疲れ果てた者が一人家の中に座っているときの憂鬱な感情」という標題からあれこれ想像してしまうが、ここでは音楽そのものの美しさが伝わる。オケも巧い。
第3楽章のピチカート。よく揃って安定。金管のピアニシモがデリケートで綺麗。こういう表情はマリナー、さすがに巧いなぁと思う。
第4楽章の爆発、強烈な終曲まで一気に聴けた。ASMF、確かに巧いのだが、終楽章だけはもう少し雄大にハデハデしくやってくれてもいいんじゃないかと思った。これはボクの好みの問題か。演奏の仕上げはエレガントで美しかった。全体的に上品なこの演奏、終楽章も阿鼻叫喚にしないのがマリナーの美学なのだろう。

ということで、演奏も録音も一級品。仕上げの綺麗な工芸品という感じ。
あ、そういえば、この演奏はちっともロシア臭くないです。
だから、もっとドロドロ、爆発系の演奏が好きな人には向かないだろうなぁ・・・・でも、そういう人はこういうCDを買うことはないか(^^ゞ。
2005/08/11のBlog
朝のジョギング30分。1キロ6分のペースなので約5キロといったところか。
汗でビショビショになるのは気持ち悪いのだが、そのあとのシャワーは爽快。
涼やかな気分で出勤できます。

今日も田園地帯を走ったのですが、稲の緑がどんどん濃くなってきています。
お盆前のこの時期、最も暑い季節。緑も深くなります。
真夏の田舎の風景であります。
この濃さ、深さを過ぎると収穫の秋まで一直線。
畦道からは、秋の虫の音が聞こえます。
抜ける秋はもうすぐそこまで・・・・・・。

そんな風景の中、今日聴くのは、ブラームスの交響曲第2番。
カラヤン/ベルリン・フィルのブラームスのシンフォニーには沢山の録音があるのだが、これは最後のもので、1986年6月の録音。
カラヤンのブラームスは、70年代に録音した、研磨に研磨を重ねて鏡面のように仕上げたような演奏も好きなのだが、最後の全集は、フッと力が抜けたような余裕があって、大好き。(1番など、もう絶品としか言いようがないスケール雄大な名演だと思うのだが、あまり褒める人はいないかな・・・(^^ゞ・・)

さて、その2番であります。
第1楽章の冒頭、スケール雄大な、ゆったりとしたテンポで始まる。カラヤンの交響曲演奏のテンポは概して速いのだが、これはゆっくりでイイなぁと思う。この悠揚迫らぬテンポの中で、ホルンが深々として素晴らしい響き。ヴァイオリンの響きも磨き上げた鮮烈さ。木管の歌がまた良い。
オケが巧いだけじゃなくて、よく歌う。しかも、こちらを気持ち良くさせてくれる歌。このあたりが、「カラヤンは演出が巧み」と称されたゆえんだろうか。
第2楽章は、弦の活躍が聴きもの。素晴らしい旋律が続くのだが、その旋律美にブラームスは酔わせてくれない。すぐに展開したり、変奏したり・・・・ああ、もっとこの旋律を聴きたいよと思うのだが、はぐらかしてしまう(照れているように)のがブラームス流。そんなブラームスのしみじみとした「歌」が聴けるのでこの楽章は大好きなのだが、カラヤン/BPOの演奏では、ヴィオラやチェロが綺麗。木管やヴァイオリンの歌を支えつつ、きちんと刻みながら歌っているのが良い。
第3楽章は、オーボエ、クラリネット、フルートなどの管楽器の巧さを楽しめる。ベルリン・フィルだから・・・とは書きたくないのだが、この巧さ、なにをか言わんや・・・・・・(^^ゞ。
第4楽章は、壮大に盛り上がるところあり、ゴージャスな響きに酔いしれるところあり、カラヤンの術中にはまるというか、BPOの素晴らしさに引き込まれるというか、素晴らしい演奏で文句なし。

ちょいとブラームスにしては(しかも2番交響曲にしては)、派手な響き過ぎるかなとも思うが、この響き、やはりエエです。
もう少しドイツ的な深々と渋い音色の方が・・・・なんて言いません。
カラヤンはやはりカラヤンなんです。
2005/08/10のBlog
次男が吹奏楽部でコントラバスを弾いております。
次男以外は女子ばかりという部で(何と、ハーレムではないか!)、楽器も少なく、自分にはなかなか回ってこないのでバスに落ち着いたらしいんですな。
高校のコンクールが松山市民会館でありましたので、休暇を取って家内と二人で出かけました。どうも、息子は聴きに来て欲しかったらしく、まんざらでもない表情。

演目は課題曲と自由曲。自由曲はオルフの「カルミナ・ブラーナ」編曲版。なかなかダイナミックでイイ演奏でした。ナマで聴く管楽器の音は、自宅のオーディオ装置で聴くより、やはり良いものであります。

いくつかの高校の演奏を聴きましたが、中でもR・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を演奏したところがありました。これは巧かった。指揮は顧問の先生(女性であります)なんだろうが、なかなか堂に入っていて、演奏も逞しく輝かしく立派なものでありました。これ、難しい曲なんじゃなかろうかと思うんですがね、きょうびの高校生は大したもんです。

で、それに刺激されて早速帰宅してからゴソゴソCDを探しました。
手にあたったのは、この1枚。
ドラティ指揮デトロイト響の演奏。DECCA原盤で1980年の録音。
ユニヴァーサル系の通販名曲全集からのものだろう、中古で400円くらいだったか。
金蒸着の豪華盤(ゴールドCDは音が良いとかで、15年前くらい盛んに出されたわなぁ)。

金蒸着の効果はどうか分からないが、演奏はスッキリと見通しの良いもの。
複雑で多重的に楽器が絡んでいるR・シュトラウスの作品は、いろいろな楽器が相互にかぶってしまって、モコモコした響きになりがちなのだが、このCDはスカッと爽やかに音が抜けている。

録音も演奏もイイのだろう。
まず、デトロイトのオケが巧い。そして、DECCA録音も最高レベル(アナログ時代最後の時期)、素晴らしいオーケストラ音楽が聴ける。

R・シュトラウスの音楽は、金管が巧くないとちっとも良くないと思うが、ドラティ/デトロイト響の金管群は、非常に巧い。技術もそうだが、アンサンブルがまた巧い。響かせどころ、抑えどころが絶妙のバランス。これ、ドラティの指揮の賜物だろうと思う。
ドラティ、大編成の管弦楽を振らせたら、上手かったものなぁ。
(ストラヴィンスキーの三大バレエ(DECCA)やバルトークのオケコン(フィリップス)など、今もよく取り出しては聴いているのだが。)

金管に隠れがちなのだが、弦楽もしっとり艶やかで美しい。

フィルアップは「ドン・ファン」と「ツァラトゥストラはかく語りき」。これも抜けの良いスッキリした演奏。
この響きを聴くのは快感であります。
2005/08/09のBlog
今朝、出張のためにバタバタして更新できず。
帰路、車を飛ばしながら初秋の風を感じておりました。
涼しい風はイイもんです。
ただ帰宅してみれば、相変わらずの猛暑・・・・・・・(^^ゞ。

さて、今日はシューマンの交響曲第3番変ホ長調「ライン」。演奏はハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管。1981年の録音、このあと全集魔ハイティンクはシューマンのそれを完成させた。

シューマンの交響曲、1番が「春」なら3番「ライン」は秋のシンフォニーだと思う。
シューマンがライン河畔のデュッセルドルフに居を移したことがきっかけとなって、作曲された交響曲だという。
確かに第2楽章など、ラインの滔々とした流れを思わせる出来だと思うし、終楽章などラインの秋、収穫の祭典を思わせるつくり。

演奏の仕方によっては、派手に、浪漫的に、濃厚な表情付けでやることも可能な曲だと思うが、そこは、ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管、渋く格調高くまとめ上げる。

いつもながらの、コンセルトヘボウの音。弦はほの暗く柔らかく響き、管楽器はホール全体によく融けて金属的に鳴ることはない。耳に馴染みやすく、長い時間聴いても疲れない、安心して身を任せられる音。

第1楽章、序奏部なしの堂々たる開始。輝かしい始まり方で、エネルギーに満ちている(といっても、コンセルトヘボウらしく、ギンギンに鳴ることはない)。

第2楽章スケルツォはラインの流れ。ゆっくりと大河は悠久の時を越えて流れてゆく。引用されているのはドイツの民謡「ぶどう酒の国ライン」というらしい。ハイティンクはじっくりとそのレントラー風の旋律を歌い上げてゆく。美しい。

第3楽章と4楽章の繊細な弦のユニゾン。シューマンの歌心が充満する。静謐なところも良し、激情的なところも良し。ハイティンクの指揮はいつも克明。しっかりとその特徴を描き出す。

終楽章は、収穫の祭典。金管のファンファーレ風のところでは思い切ってオケを解き放って思う存分吹かせている感じ。ホルンの甘く、やや暗く深々とした音色が素晴らしい。きゃんつかない金管の素晴らしさと弦のシルクタッチの響きに感激しつつ終曲。


もっと激しくロマンティックな演奏でこの曲を聴きたいときには、それにふさわしい指揮者がおります。爆演系の指揮者がおります。
でも、最近は格調高く、曲そのもの、本質を聴かせてくれる演奏が好みになりました。
トシのせいですかな?
ハイティンク、今やボクの中で切り札的指揮者になっております。
[ 05:20 ] [ 近況など ]
伊勢路の旅も暑かったですな。伊勢神宮にもお参りしましたが、もう暑いの何のって・・・・ほうほうの体で引き上げて、冷房の中で「伊勢うどん」を食いました。
今は日本中、どこも暑いのでしょうな。
写真は伊勢神宮・内宮入り口の鳥居であります。

さてさて昨日、大変お世話になっております、みー太さんから「イメージバトン」なるモノを頂戴致しました。

さてその内容は、(以下、頂いたものをコピペ) 
① 受け取った人が、キーワードからイメージするものを思い浮かべて 
② 他の3人につなげる。 
③ あと、紹介された人へのメッセージもつけるとです。(←熊本弁か?)

そして、これまでのイメージの流れは、

森→癒し→清流→魚釣り→湾→船→長旅→世界一周→飛行船→高所恐怖症→電話BOX

① みー太さんから、頂いたキーワードは、
電話BOX 
② ボクがイメージしたことは、
懐かしいなぁ、電話BOX・・・・。最近、入っていないな。電話は自宅や職場の電話か、携帯ですからねぇ。見かけなくなりましたなぁ。
でも・・・・。昔はよく入りましたね。BOXだけではなく、公衆電話そのものをよく使いました。赤電話、ピンク電話、黄色いのもありましたな。10円玉を何個か用意して。1個だけ入れると、通話の開始音がするので、何個か投入してから番号を回した(押すのではなく、回した。プッシュ・ホンじゃ亡かったからね、昔は)。
そう、何個か握りしめて、よくかけたもんですな・・・・・・・。
そこで・・・・。

「10円玉」

で、いかがでしょうか。
 
③ みー太さんへのメッセージ。
毎日暑いです。猛暑です。暦の上では秋ですが、まだまだ暑いです。
仕事も季節も、いやはや
「残暑お見舞い申し上げます」
暑くてクタクタになりますが、頑張りましょう。
四国の田舎では、日が暮れると秋の虫の音が聞こえ始めています。もう秋です。
マジメに仕事しすぎないよう、適度に力を抜きながら、クラシック音楽を聴きましょうや。
 
④ 次にバトンをお渡しする3名様。
友人・知り合いが多くありませんので、ご遠慮させてくださいね。
他のどなたかが繋げて下さるでしょう。