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クラシック音楽のひとりごと
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2005/09/17のBlog
秋風が爽やか。
月も美しい。冴え冴えとして、眺めていて気持ちいい。

さて、今日はモーツァルトのピアノ・ソナタを。
ピアノはマリア・ジョアオ・ピリス。DENONの名曲全集「マイ・クラシック・ギャラリー」の1枚を先日入手。ピアノソナタの第8番や第11番「トルコ行進曲つき」、第15番などを収めている。いわば、モーツァルトのソナタの有名どころを集めた1枚。1974年のPCM録音(懐かしい言葉!)。すでに30年前になってしまった。ピリスはその後DGに再録音しているので、これは旧盤となる。

ピリスの音が綺麗。
音色は実に透明感溢れるものなのだが、向こうが透けてクッキリと見えてしまう透明感ではなく、やや霞がかった見え方というか、そんな音色(ああ、うまく言えない(^^ゞ・・・)。
コロコロ転がるような音もあれば、ナイフのような切れ味鋭い音もある。フワッと浮遊する音もあれば、感情を抑えて沈潜する音もある。聴いていると、音色が万華鏡のように変化してゆく、不思議なピアノ。そして、それらの音色が、モーツァルトにピッタリなのだから聴き手にはたまらない。

第11番イ長調K331「トルコ行進曲つき」。
第1楽章のアンダンテの落ち着き、楽想・音色の変化が楽しい。変奏曲のそれぞれの性格がきれいに描き分けられ、しかもニュアンスに富んでいる。音はエッジがやや丸く暖かい。
第2楽章のメヌエットもテンポは中庸で、ピリスの穏やかな温かみのある音色が十分に楽しめる。
素晴らしいのは第3楽章のトルコ行進曲。
テンポが遅い。全く遅い。手持ちのケンプやブレンデル、内田光子、バレンボイムなどと比べてみても、とにかく遅い。
そして、暗い!・・・・・。この曲は快活な行進曲だと思っていたが、ピリスが弾くと、哀しみが漂う。涙ぐんでいる行進曲。ここにもモーツァルトの「走る悲しみ」がある。
ああ、そうか。こんな弾き方もあったのかと呆然。しかし、これもモーツァルトだわなぁ。

第8番イ短調K310は第1楽章が面白い。ピアノがスマートで、鋭い。切れ味バッサリという感じで、音もクール。冷たく輝く音と言っても良いかな。それが、また短調のこの曲想に絶妙に合っている。とにかく11番の暖かい音色と全然違うので、思わず「ありゃ、ピアニストが変わったんかいな?」と、ジャケットを調べてしまった。

ピアノの音色が千変万化。面白いことこの上なし。
しかも、素晴らしいモーツァルトの音楽になっている。
ピリス、恐るべし。


ピリスの新盤は未聴なので比較しているわけではありませんが、モーツァルトのピアノ・ソナタに関しては、このピリスの旧盤で十分に楽しめました・・・・・というより今まで聴いた中では最高の部類と言ってもエエでしょう。録音も30年も前のものとは思えない、素晴らしいものです。


ところで、この数日のアダルト系TB攻撃、何とかならんですかね?
ひどい日は10個くらい、TBがつけられてしまいます。
アダルトはやめてくれ~~~。ワシャ、クラシック音楽を聴きたいんじゃ。
2005/09/16のBlog
爽やかな気候になってきました。
秋の冷気が漂う中で、クラシック音楽を聴くのは最高であります。

仕事は、大きな行事を沢山抱えて忙しく、にもかかわらず周囲の動きが鈍いので腹立たしい日々ではあるのですが、まあ、そんな時もあるわいなぁ。
ええ、ええ。構わん、構わん。何とかなるだろうぞい。

さて今日は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番ト長調作品58。
マウリツィオ・ポリーニのピアノ、カール・ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏。1976年、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。ポリーニの1回目のベートーヴェン全集につながった1枚。MG1050というレコード番号の国内盤。
晩年のベームと並んで、若きポリーニがエエ顔してます。演奏も、実ははそんな感じでありました。

第1楽章のアレグロ・モデラート。ベーム/ウィーン・フィルがつくり出す管弦楽はスケールが大きく輝かしい。ヴァイオリンはいつものウィーン・フィルらしく鮮烈で光り輝く明るさ。柔らかく、かつしなやかで、色彩的な弦楽はいつ聴いても素晴らしいなと思う。管楽器も鮮やか。ホルンやオーボエが特に美しい。濃厚で味わい深い、コクがあって舌の上でとろけそうな、そんなホルン・オーボエ。素晴らしい管弦楽。
そのオケの大きさに全く遜色なく、これも圧倒的な音量でピアノが始まる。重厚なのに透明感があって、輝く音色。晴れ渡った青空がどこまでも澄んで抜けてゆくような音色。まさにポリーニの音色。オケと対峙して、全くひけを取らないのはさすが。
ただ聴き進むうちに、ポリーニならもっと豪快に弾けるんじゃないかと思うこともあった。どうもペースがベームにあるような感じなのだ。老匠ベームに遠慮したかな?敬意を表して合わせたのだとしたら、ちょいと残念。
カデンツァは最高。今まで聴いたことがないカデンツァなので、ポリーニ自作かと思ったら、ジャケットにはちゃんとベートーヴェン作と書いてある。どうも、ベートーヴェンの書いたカデンツァは3つあって、そのうち殆ど弾かれないカデンツァをポリニーは用いたらしい。即興的で、音もスカッと抜けて気持ち良く、全くポリーニ自作と言っても良いような、すてきで技巧的なカデンツァだ。

第2楽章の叙情の表出も美しい。ポリーニの弱音もなかなかイイ。オケはしっとりと聴かせてくれるが、テンポはベームのペースだろう。テンポの落ち着き、リズムの厳格さ、ヴィオラやチェロの峻厳さは、ベームの特長だと思う。

終楽章ロンド・ヴィヴァーチェ。ベームの重厚な管弦楽を背景に、陽気な音でピアノが走り回る。サッパリと屈託ない演奏。快活で俊足な青年の音楽になっている。ジャケット写真のポリーニが若いこと!ベームとの協奏を楽しむ微笑がイイ。カデンツァはここでも素晴らしい。コーダのプレストはポリーニの技巧を持ってすれば何てことはない。ウィーン・フィルは最後まで本当に美しい。

この演奏、ベームの影響が強いベートーヴェンだと思うが、しかし、全体的に青春・青年の音楽になっている。ポリーニのピアノの賜物だ。
この頃のポリーニは実に良かった。
当時から、この演奏には賛否両論あったが、ボクは好きだな。後年のアバドとのものより良いんじゃないかと思う。
2005/09/15のBlog
PCの起動、いよいよ不安定。今日も何度もハングしました。
このエントリーを記している間にも、ハング・・・・・(^^ゞ。
「ピポッ」という起動音が出ると、ホッとする状態であります。やれやれ。


さて、夜になってだいぶ涼しくなってきました。そこで、今日はブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77。
ギドン・クレーメルのヴァイオリン、バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。1982年9月、ウィーンのコンツェルトハウスでのライヴ。国内発売は1983年10月。

クレーメルが1980年に当時の西ドイツに亡命し、フィリップスやDGに盛んに録音し始めた頃の演奏。すでにベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(フィリップス盤)で、シュニトケのカデンツァを用いた衝撃的な演奏が話題になっていたし、同じフィリップスから出たバッハのヴァイオリン協奏曲集は新鮮そのもの、特に2つのヴァイオリンのための協奏曲はクレーメルの2役、多重録音が素晴らしい出来だった。さたにバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータも、切れ味鋭い演奏だった。

そう、クレーメルのヴァイオリンは細身で切れ味鋭い、日本刀を思わせるような音色が特徴に思えた。喩えは悪いが、クレーメルのヴァイオリンは、ルパン三世の石川五右衛門がバッタバッタと切ってゆく姿を彷彿とさせるヴァイオリンじゃないか・・・(^^ゞ。

この演奏でも、濃密で重厚で感情過多のバーンスタイン率いるウィーン・フィルがむせび泣く中で、クレーメルはシャキシャキっとヴァイオリンを弾いてゆく。音は細身で鮮烈、日本刀が光り輝くような響きが素晴らしい。バーンスタインがつくり出すロマンティックな響きと、クレーメルが紡ぎ出す爽快な切れ味の響きは、ある意味では対照的。
協奏曲というよりは競争曲風。
でも、そこが面白い。

第1楽章の開始、オケが提示する主題がとてもロマンティックに響く。これぞバーンスタイン。深刻ぶった表情ではなく、どちらかといえばウィーン・フィルらしい(特に弦楽が!)明るい響きなのだが、バーンスタインの情念に触発されたのか、濃厚な味わいの主題だ。そこへクレーメルのクールで透明なヴァイオリンが入ってくる。オケの響きが明るく暖かいだけに、一層引き立つヴァイオリン。
カデンツァがスゴイ。マックス・レーガーの「前奏曲とフーガニ短調」を使っている。ヨアヒムでもクライスラーでもない、独特の響き。クレーメルの音色と同じで、クールで粘らないが、表情は多彩でニュアンスに富んでいる。初めて聴いたときはビックリしたが、何度も聴き返すうちに、素晴らしいカデンツァに思えてきた。

第2楽章は、やはりウィンナ・オーボエが聴きもの。ほのぼのと素朴で、若々しいオーボエ。ああ、この演奏は青春の響きを持っている演奏なのだと実感した。クレーメルも若かったし、バーンスタインの演奏はいつだって元気いっぱい、晩年まで若々しかった。そして、このレコードを高田馬場のムトウで買って、大事に抱えて家路についたボクも若かったのだ・・・。

終楽章は、バーンスタインの熱気とクレーメルのテクニック爆発の面白さ。伴奏はホットで情念的、ヴァイオリンは技術完璧で知的にクール。よく考えれば、水と油の個性なのに全然違和感なし、かえって素晴らしい協奏曲になっている。クラシック音楽って面白いなぁ。

2005/09/14のBlog
彼岸も近いのに、何たる残暑!。
日中、外にいたので、激しく日焼けしてしまいました。
肌が火照ってなかなか寝付けず、いやはや困ったもんです。

で・・・・・ここのところ、アナログづいております。

今日は懐かしいジェームズ・ゴールウェイのフルート独奏でモーツァルトのフルート協奏曲第1番ト長調K313。管弦楽はルドルフ・バウムガルトナー指揮ルツェルン祝祭管弦楽団。1974年9月、ルツェルンでのアナログ録音。オイロディスク原盤をキング・レコードが国内発売したもの(レコード番号はK15C-9008)。

ジェームズ・ゴールウェイ。天才の呼び声高いフルーティスト。音色は千変万化し、高音は突き抜けるように輝かしく、低音は太く強く、そしてしなやかで柔らかい。
1939年生まれというから、今は66歳。
経歴がスゴイ。20代半ばからロンドン響やロイヤル・フィルの主席を歴任、30歳でベルリン・フィルの首席に奏者の地位を獲得。1975年にはカラヤンの慰留を振り切って、ソロイストの活動へ。「あのカラヤンを袖にした男」なのである。
カラヤンはゴールウェイの音を愛し、BPOとの2度目の交響曲全集の「田園」録音の際に、ゴールウェイをわざわざ呼び寄せて、つまりゴールウェイのスケジュールに合わせて、僅か1日で「田園」を録ってしまったという話もある。第2楽章最後のフルートがゴールウェイだったのかと思いながら聴くのは、感慨深い。)

この録音は1974年、ゴールウェイがBPOの首席であった当時ということになる。

第1楽章から、素晴らしい管弦楽の音。深々として、艶やかな弦のトゥッティが、包み込むように聴き手に迫る。ルツェルン祝祭管弦楽団は、毎年夏の音楽祭のためのアンサンブルのはずだが、その巧いこと。録音も最高。アナログらしい、豊かで濃密な音、特に低音が深く、重厚で、耳に優しい。
そして、ゴールウェイのフルートが登場。爽やかに鳴り渡る高音。美音の固まりから、キラキラと輝く一音一音が飛び散ってゆくよう。左右のスピーカーの外へ、あるいは上方へ、拡散してゆくような高音が、ホンマに綺麗。
低音になると、強くクッキリとしていて太いのだが、弾力性のあるしなやかさも感じられる。
演奏は、技巧の破綻など全くなく、完璧。そして、天衣無縫、自由闊達、悪く言えば「好き放題」な演奏。バックのバウムガルトナー/ルツェルン祝祭管弦楽団が、カッチリとして格調高い、優美で正統的な伴奏を繰り広げているので、その違和感が全く面白い。
カデンツァは聴きごたえ十分。音色も演奏もワクワクするほど自由で、爽快で、明るく輝かしく、そして面白い。

第2楽章はアダージョ・ノン・トロッポ。テンポは、ゆったりとして、管弦楽の優しく美しい響きに酔うのも良し、フルートの美音の饗宴に満腹になるのも良い。ゴールウェイもルツェルン祝祭管弦楽団も好調だ。
11分かかる、この協奏曲で一番長い楽章なのだが、長さを感じない充実した演奏。さすがにモーツァルトの緩徐楽章、味わい深くいつまでも飽きない。

終楽章はロンド。テンポも速くなるが、ゴールウェイのソロはますます好調、自由で伸びやか、明るく微笑んでいるような演奏。こんなに幸福で良いのか、こんなに楽しくていいのかと思ってしまうほど、屈託なく華やかな演奏。


モーツァルトの協奏曲は素晴らしい。、
朝・昼・夜、いつ聴いても素晴らしい。
そういえば季節も選ばないなと・・・思いました。
2005/09/13のBlog
オーケストラ音楽が好きなので、ふだんは室内楽や器楽曲、声楽曲などを聴きません。
レコードもCDもあまり持ってないんですな・・・・。

ただ、秋の夜長には室内楽やピアノ曲が似合います。良いなぁと思います。
今日はPCをモゾモゾ触りながら、シューベルトを取り出してみました。

シューベルトの弦楽五重奏曲ハ長調D956。
これは、実に素晴らしい室内楽曲で、よく聴く。
今日の演奏はフィルハーモニア・クワルテット・ベルリン。1984年11月、西ドイツのジーメンス・ヴィラでの録音。DENONの原盤だが、このCDは輸入廉価盤で購入した。

フィルハーモニア・クワルテット・ベルリンのメンバーは、ヴァイオリンがダニエル・スタブラーヴァとヴァルター・ショーレフィールド、ヴィオラが土屋邦雄、チェロがヤン・ディーセルホルスト。これにベルリン・フィルのエーベルハルト・フィンケがチェロで加わっている。

弦楽五重奏曲ハ長調は、シューベルト唯一の弦楽五重奏曲。最晩年、シューベルトが死ぬ2ヶ月前の作曲。交響曲第9番「グレート」のあとの作品で、規模も大きく、約50分かかる大曲。
普通の弦楽四重奏団にチェロが一本加わる編成で、響きが重厚になり、シンフォニックな広がりを持っている名作。特に一挺のチェロが独奏的に動くので、響きが非常に新鮮。ステレオ空間で云うと、真ん中やや右寄りに和声を刻むチェロがあり、一番右外に、独奏的チェロが活躍する。音量は抑えめで、ヴァイオリンに比べてそんなに目立ちはしないのだが、存在感十分のチェロだ。

第1楽章、アレグロ・マ・ノン・トロッポ。田舎ののんびりした風景を思わせる優しい旋律が何度も出てくる。このメロディが懐かしさを誘うようで、何とも印象深い。演奏も情感に富んでおりながら、折り目正しくよく歌う。弦の響きはやや細め、シャープに録られているが、決して固くならないのはさすがDENON録音だ。約20分かかる長大な楽章だが、だれないのは演奏家の腕だろう。アンサンブルも美しく、いささかの破綻もない。

第2楽章のアダージョ。死期を悟ったような静けさが特徴的。淡々とした旋律が続くのだが、緊張感も持続する楽章。ヴァイオリンもヴィオラも秘かに囁く。時に涙に濡れたような響きを聴かせる。チェロも音量を抑えているが、動きそのものは結構雄弁だ。フィンケのチェロだろうと思う。

第3楽章は一転、活発なスケルツォ。速度はプレストなので、グイグイ前に進んでゆく。元気に弾むような舞曲。交響曲「グレート」の第3楽章とよく似た雰囲気を持っている。途中、抒情的楽想が間に挟まるが、これが哀愁漂うような旋律で、実に美しい。死を目前にしたシューベルトを想起させて、感慨深い。

終楽章はアレグレット。ロンドのような楽章。交響曲の終楽章といっても十分通用する書かれ方だと思う。
微笑んだり、悲しんだり、いろいろな表情を見せる終楽章だが、アンサンブルは緊密で、各楽器がよく歌っている。ここでもチェロは雄弁だ。全体的にテンポは速すぎず、克明に音符を拾ってゆく感じでもある。


これからもっと涼しくなるでしょう。
秋です。
そうすると普段苦手な室内楽を聴く機会も増えそうです。
2005/09/12のBlog
PCの調子が悪い。電源投入後、数分間でハングアップ。マウスもキーボードも、Ctrl+Alt+Delete も受け付けない。
ハードウェア・リセットして、再起動するのだが・・・そのままうまく起動して動き続けることもあれば、「ピポッ」という音さえ発せず、何度も起動を試みる(電源投入を繰り返す)ことも多い。
BIOS画面が立ち上がることも多い。

ショップ系のBTOパソコンなのだが・・・・・・OS(WinXP)の異常ではなく、マザーボードあたりがおかしいのではないかと疑っているのだが、よく分からない。
ボクには手が余る問題・・・・。どこを治せばいいんでしょう・・・・・?(^^ゞ。

というわけで、今日の更新は夜になりました。
恐る恐る入力してます。いつ止まってしまうのか不安であります。いやはや。

で、今日の音楽はヘンデルの合奏協奏曲集作品6。
演奏はコレギウム・アウレウム合奏団。1975年5月、キルヒハイム城糸杉の間。原盤はドイツ・ハルモニア・ムンディ。
ボクがクラシックを聴き始めた頃、国内ではテイチクから廉価盤として発売されていた。

ヘンデルといえば、ボクにとっては「水上の音楽」の作曲家であって、沢山ある声楽作品はメサイア以外は聴いたことがない(^^ゞ。器楽の作品も、実はあまり知らない。「王宮の花火の音楽」といくつかの協奏曲くらい。
そのうち、この合奏協奏曲集作品6はよく聴く。明るくおおらかで、柔らかく爽快なヘンデルらしい名作だと思う。

アーノンクールやリヒター、ピノックなどの演奏も良いが、今日は特におおらかで屈託ない古楽器演奏のコレギウム・アウレウム合奏団で。

このLPは3枚組の1枚。収録曲は、第1番ト長調、第6番ト短調、第5番ニ長調、そして第4番イ短調の4曲。

コレギウム・アウレウム合奏団は22人程度の団体なのに、響きが薄手になることなく、柔らかくしなやかな素晴らしい音を聴かせる。録音会場も、見事な残響で有名なキルヒハイム城糸杉の間(黄金の間)らしく、どこまでも美しく伸びてゆく響きが綺麗。
消えてゆく瞬間の、響きが小さくなるかすかな音色が実に美しいのだ。

演奏は、少しアンサンブルが緩いのかなと思わせるところもあるのだが、いたって健全。だいたいヘンデルの音楽は健康的なのが特徴で、だからこそ心地よいのだが、コレギウム・アウレウム合奏団の演奏は、その明るい健康性が実によく出た演奏。
テンポも中庸、アーティキュレーションも自然で、フレージングもゆったりと大らか。
ヴァイオリンの音色が、やや細めでよく伸びてゆく。
管楽器は闊達で流麗。巧いもんだなぁと思う。

最も良いのは、やはり第6番だろう。有名な第3楽章ミュゼットの穏やかさ、静謐さは心落ち着かせてくれるし、急速な部分での軽やかさはまた録音の良さもあって絶品。

こういう演奏を聴くと、ああ、やはりヘンデルの代表作なんだなぁと思う。
2005/09/11のBlog
かかとの痛みは慢性化しつつあります。
アキレス腱の付け根の部分が痛いので、朝のジョギングは2日に1度にしました。
年齢を考えて、まぁ無理をしないのが大事なことだろうと思います。

1㎞6分というのんびりペース。30分で5㎞。
なかなか「風」にはなれませんが、秋を迎えた田園風景の中を走るのは気持ちいいもんです。早場米の収穫を終えた田んぼもあれば、ようやく稲穂が垂れ始めた田んぼもあり、のどかなものです。草むらではコオロギの大合唱。気温も少しずつ下がって、爽快な汗をかけます。
そのあとのシャワーがホンマに気持ち良く、朝飯がまた美味い。これを幸福と言わず何という・・・・・。

さて、今日聴きたくなったのはドヴォルザークの弦楽セレナードホ長調作品22。
田舎の初秋の風景にピッタリの音楽じゃないかなと、走りながら考えていた(。

演奏はコリン・デイヴィス指揮バイエルン放送響のフィリップス盤。
1987年1月、ミュンヘンのヘラクレス・ザールでの録音。

第1楽章モデラート。憧れを込めた旋律が、ゆったりと響く。しなやかで優美な旋律が、耳に心地よい。バイエルン放送響の技術がモノをいって、素晴らしいアンサンブル。よく歌い、良く弾む。録音も良く、響きは豊麗でシンフォニック。デイヴィスの指揮は正統的で格調高い。演出の臭みがないのは、いつものデイヴィスだ。

第2楽章はワルツ。哀愁漂う、メランコリックなワルツ。この旋律など、稀代のメロディ・メーカーだったドヴォルザークの面目躍如だと思う。もの悲しく、田園風でもあり、遙か遠いもの・気高いものに憧れる心情が吐露されているように思えるのは、ちょいと入れ込みすぎかな(^^ゞ。
デイヴィスの採るテンポは中庸。ただ、時々揺らしつつ、デイヴィスには珍しく表情をつけてゆく。中間部の穏やかな楽想は全く美しい。

第3楽章ヴィヴァーチェは、快活なスケルツォ。バイエルン放送響の弦楽セクションの巧さが引き立つ。アンサンブルは完璧だし、輝かしい音色で爽快な演奏だ。しかも、推進力に満ちているので、こちらも心が晴れ晴れとしてくる。楽章後半でチェロやコントラバスが活躍して、重厚な迫力を醸し出す。

第4楽章ラルゲット、ここでもドヴォルザークの憧憬が聴ける。ゆっくりとたっぷりと想いを歌い上げる楽章。チェロの歌にヴァイオリンが重なって、フーガ風に響くところなど絶品。デイヴィスの指揮はここでも正攻法、男性的なたくましささえ漂う。同時に、男の哀しみのような感情も伝わってくる。このあたりが、この演奏の白眉だと思う。

終楽章はアレグロ・ヴィヴァーチェ。バイエルン放送響はますます好調。明るく活気溢れる弦楽アンサンブルが前へ前へ走ってゆく。音色は輝かしく、音楽は奔流のように部屋中に満ちて、非常に心地よい。内声部を支えるヴィオラの動きも細やかで渋い。

窓から秋風が入ってくる頃、ドヴォルザークのメロディはホンマに気持ち良い。
2005/09/10のBlog
レコード・プレーヤーの修理が完了してからは、アナログ・レコードばかり聴いている。
カートリッジ廻りが原因だったので、手持ちのものを調べながら、それぞれの音色の違いを楽しんで・・・。
今日のカートリッジはAudio-technicaのAT33E。MC型の傑作、20年物(古いなぁ・・・・(^^ゞ・・・)。
明るく繊細な音色に特徴があり、時にはキラキラと輝かしい音を、時には鮮烈に切れ込んでくる音を聴かせてくれるので、愛用してきた。

さぁ、何を聴こうかなとレコード棚を眺めていたら目に付いたのが今日の1枚。
ミカラ・ペトリのバロック・リコーダー協奏曲集。
リコーダーの音は、明るく爽やかで、響きが自然で、特に消えてゆくときの余韻が素晴らしい。それを楽しもうと思ったわけだ。

というのは、もっともらしい理由で、実はこのレコード、20年前に秋葉原の石丸電気で「ジャケット買い」した1枚・・・・(^^ゞ。
ジャケットを見ながら綺麗な女性だなあと、手に取ると、マルチェルロのオーボエ協奏曲をリコーダーで演奏しているのが分かった。こんな美しい女性が吹くなら、さぞや音色も美しいのではないかと、アホな短絡思考ではあるが、結果的には正解。見事な演奏であり、素晴らしい録音だった。

この当時、フィリップスのデジタル録音は絶好調。自然で美しい余韻を持つ、当時「ヨーロッパ・トーン」と賞賛された録音。ホールの響き、オケの立体感・奥行き感、個々の楽器の響きをトータルに捉えた名録音。

ジャケットのエンジとシルバーのラインが、当時のボクには良い録音の印のように思えたものだ。

さて、このペトリのリコーダー協奏曲集。
伴奏はケネス・シリート指揮アカデミー室内管。チェンバロはアラン・カクストン。
1984年6月、ロンドンのヘンリー・ウッド・ホールでの録音。輸入盤で石丸価格1680円。
収録曲は全部で4曲。

1 マルチェルロ:リコーダー協奏曲ニ短調(原曲はオーボエ協奏曲)
2 ヴィヴァルディ:リコーダー協奏曲ハ長調RV444
3 テレマン:リコーダー協奏曲ヘ長調
4 ノード:リコーダー協奏曲ト長調Op17-5

ペトリのリコーダーの明るく弾むような音色が全く綺麗。技巧も完璧。
緩徐楽章の、低音部でのやや太い響きから、急速楽章では明るく、天井に突き抜けるような爽快な響きまで、音色や響き方の変化を味わうのは全く楽しい。ホンマにニュアンスに富んでいる。
マルチェルロの原曲はオーボエ協奏曲にもかかわらず、リコーダーで吹いて全然違和感がないのは、ペトリの音楽性だろう。第2楽章のあの有名な旋律、リコーダーの軽やかな響きがかえって哀愁を誘い、雰囲気に満ちている。
B面の2曲はあまり知らない曲なのだが、緩・急の楽章をそれぞれ変化をつけて描いているので、親しみやすい。ノードという作曲家はよく知らないが。綺麗な旋律で、気持ち良く聴けた。

調べてみると、リコーダーの技巧は実は奥深く、道遠いとのこと。

小中学校の時に習っている楽器であるし(ボクももちろん持っていたし、実は音楽の時間ではクラスで一番得意だった・・・今は昔^^;)、「簡単に吹くことが出来る」のは間違いないだろう。もちろん、音が鳴るだけなのだが。
フルートやオーボエ、クラリネットなどの木管は、こうはいかない。音を出すのに四苦八苦だ。
リコーダーなら口にくわえて息を吹き込めば、普通に鳴る。音が出る。
しかし、リコーダーであっても技術的に完成され、カッチリとした演奏をする為には、他の楽器と同様に練習と熟達が必要。
「入り口は広く易しく、しかし奥は深い」のが、リコーダーの習得らしい。

それにしても、LPの音の柔らかさ穏やかさ。
しばらく、レトロを楽しんで行こうと思います。
2005/09/09のBlog
毎日のようにアダルト系のトラックバックをつけられて困惑しております。
更新して1時間ほどに、2本ずつ・・・・・(^^ゞ。困ったもんです。
今日はどうなることやら・・・・・・・・。

レコード・プレーヤーの修理が完了。カートリッジ廻りの接触不良とのことで、大事に至らずに済んで良かった・・・・。
早速、アナログ・レコードをならすことに・・・・・・・今日は愛聴してきた1枚。

「秋はブラームス」ということで、交響曲第1番ハ短調を。
カール・ベームとウィーン・フィルの来日公演LIVE盤4枚組(DG)からの1枚。
国内のみの限定発売と謳っており、4枚組9200円はきつかったが無理して購った記憶がある。1983年11月の発売だから、もう22年前のことだ。
タスキにこうある。
「今も語り継がれているあの伝説的名演、ついにレコード化!」
確かに名演のオン・パレード。ベートーヴェンもシューベルトもモーツァルトも凄まじい名演。なかんずく、このブラームスがスゴイ!今も、ボクのベスト・ワンである。
ただし、音は貧しい。1975年のNHKホールでの実況(FM放送で生中継したらしい)録音のレコード化だから仕方ないとはいえ、何とかならないかとも思う。

第1楽章の冒頭から、スケール雄大な演奏。音響の貧しいNHKホールにもかかわらず、オケが艶やかによく鳴っているのが分かる。どっしりとした盤石の安定感、王者の風格とも言うべき演奏。テンポは遅い。ゆったりと、堂々としたブラームス。

第2楽章の叙情も素晴らしい。ホルンの深々とした音色は、おそらくローラント・ベルガーだろう。太々として雄大な音が何とも言えない。オーボエもフルートも、味わい深く、しかもよく歌う。特にオーボエの懐かしいような哀しいような響きは、この楽章の白眉だと思う。そして、ラストのヴァイオリン・ソロ。この少し太めの朗々としたソロは、コンサート・マスターの今は亡きゲルハルト・ヘッツェル。ブラ1最高のソロだと思う。

第3楽章でも木管が活躍するのだが、弦のトゥッティが聴きごたえがある。厚みもあるし、鮮やかで爽やかな音色。ウィーン・フィルの弦の素晴らしさ、特に第1・2のヴァイオリンが本当に美しい。実演で聴けたなら、どれほど素晴らしかったことか。

そして終楽章。この盛り上がりが強烈なので、今もブラ1の最高の名演とボクは思う。
序奏部を経て、あの歓喜の旋律が出る直前のホルン!どこまでも音が届くのではないかと思わせるほど、音が大きく太く、しかも朗々と歌うホルン!最高のウィンナホルンと断言してもエエんじゃないか。
歓喜の旋律の、誠実さ・真摯さはいかにもベームらしいし、終曲へ向かって徐々に感興が高まってゆくのがビンビン聴き手に伝わってくるのも嬉しい。
ついに、壮大な結末へ。ものすごい盛り上がり。テンポもグッと落として雄大なスケールをつくり出す。この終曲のところは、この演奏に限る。多くの指揮者を全く寄せつけない「実演のベーム」の面目躍如。ボクにとっては最高の名演だ。

この「ベーム/ウィーン・フィル NHKライヴ"75 」。ベートーヴェンの交響曲第7番やモーツァルトのジュピター、シューベルトは未完成にグレートなど、多くの名演を収めております。曲が終わるやいなや、感動した観客のブラボーと拍手の嵐。いかに、当時、ベームが愛されていたかが分かります。

2005/09/08のBlog
台風が去りました。
大雨でいくつかの河川が増水しております。
小さな川が決壊して、少々水が出た地域もあり、被害ゼロというわけではなかったようです。

台風一過、昼から快晴。黄昏時、西にかかる三日月の美しさは格別。
秋になりました。だいぶ涼しくなりました。
いよいよクラシック音楽の季節であります。

秋になると聴きたい曲があります。
以前に取り上げたボロディンの弦楽四重奏曲第2番などはその最たるもの。秋の夜にふさわしい哀愁のノクターンがたまらない。
モーツァルトだとピアノ協奏曲イ長調K488の第2楽章。これも秋の物思い。これは葉が色づいてくる頃に聴きたい。

そして、ブラームス! 
ブラームスはどの曲でもイイ。秋から冬、せいぜい春の初めまでの作曲家だ。
涼しくなって、やがて寒くなって、春まだ浅い頃の暖かさまで・・・・・・がブラームスの季節だと思っている。
何とまあ日本人的な聴き方なんだろうが、クラシック音楽に親しみ始めた頃から、この印象は変わらない。

で、今日はブラームスの交響曲第3番ヘ長調作品90。ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏。ああ、もう40年も前になってしまった、1964年10月の録音。CBSソニーが出している全集盤からの1枚。

ブラームスの3番シンフォニー、4つの交響曲の中では、最も早くに親しんだ曲だった。第3楽章のポコ・アレグレットが、映画音楽に使われていたこともあって、BGMとして聴いたことがあったし、なによりその旋律が哀愁きわまりない美しさ。クラシックを聴き始めた頃、アルビノーニのアダージョやマルチェルロのオーボエ協奏曲などとともに、とりこになった音楽の一つだった。

第1楽章はアレグロ・コン・ブリオ。勇壮な開始。しかし、ブラームスは、ベートーヴェンのように肩をいからせたりしない。どこかに慎ましさを残し、後ろを振り返るのがブラームス流。このあたりの、一種のためらいがこの楽章の良さだろうと思う。
セル/クリーヴランド管は、もう上手いなんてものじゃなく、ボクら素人でもヴァイオリン群の音が細く感じられるほど「綺麗に揃っている」のが分かる凄さ。
金管も木管も余裕綽々で吹いているのだが、それを感じさせないのが、かえって凄みを漂わせている・・・。

第2楽章、アンダンテ。この楽章も、「アダージョ・カラヤン」などに採られている曲で、非常に美しい。
カラヤンが振るとムード音楽的・化粧の濃い酒場の女性風になるのだが、セルの棒だと、気品が漂うというか、澄まし顔というか、ある意味飾り気がないというか、そんな感じ。でも、ブラームスが書いたのは、本当はこういう音楽なんだという説得力がある。

お待ちかねの第3楽章、ここでもセルは、妙な演出をせずに、ただひたすらブラームスの抒情を音にしてゆく。テンポは中庸。弦楽も管楽器も美しい。クラリネットもオーボエもホルンもフルートも、哀愁を込めてよく歌う。ただ、セルの指揮だとその哀しさに気品あり。愁嘆場にならないのが良い。ホルンの響きが絶品。

終楽章はダイナミクスが広く、ピアニシモの繊細さからフォルティシモの爆発まで、メリハリのついた指揮。オケは終結に向かって一糸乱れず突き進んでゆく。爽快な終楽章になっている。


セル/クリーヴランド管の鉄壁のアンサンブルを実感できる1枚。
このアンサンブルの素晴らしさは、以前によく「ヴァイオリンがコンマスの1本に聞こえる」とまで称された。(と、こんな表現だったかな?)。

録音はさすがに40年前のもの、ちょいと苦しくなってきたかな。
ただ、セルのベートーヴェン全集よりよい音がします、我が家のシステムでは。
2005/09/07のBlog
台風通過中。風雨激しいので、久しぶりに自室の雨戸を閉めた。
九州では大きな被害が出ている模様。
住宅浸水は、昨年、当地が何度も痛い目に遭っているので、ホンマ同情する。
伊予路東部地方は、その大水害の教訓があり、早くから準備が(心の準備も)出来ていた。雨も昨年ほど降っていないので、特に被害はなさそう。

さて、閉め切った部屋で聴くは、モーツァルト最後のピアノ協奏曲、第27番変ロ長調K595。
ルドルフ・ゼルキンのピアノ、伴奏はアバド指揮ロンドン響。
1983年3月、ロンドンのキングスウェイ・ホールでの録音。ゼルキン晩年の演奏。

ジャケットのゼルキンの表情が何ともいえず良い。
この録音当時、ゼルキンは80歳。ビルトゥオーゾが歳をとって、幸福な老年を迎えている表情。
自分も老人になったら、こんな顔で日々を過ごしたいと思う。エエ顔で老境を迎えたいものだ。

第1楽章、ゼルキンとアバドの採るテンポは、やや遅め。ゆったりと余裕のある管弦楽が、静かに歌い始める。モーツァルトの、もう現世には欲望がなくなったかのようなシンプルで静謐な音楽。ロンドン響の音が優しく漂うように美しい。これはアバドの指揮の賜物だろう。
長調の爽やかさを保ちつつも時に哀しげに響く。モーツァルトの真髄がこの協奏曲の開始、管弦楽の響きにあるんじゃないかと、聴くたびに思う。
さて、ゼルキンのピアノが登場。音がとても美しい。大げさでなく、そんなに色彩的な派手さはないのだが、耳に心地よく響く美しさ。ほのかに温かく、繊細なニュアンスに富んだ音色。
録音のせいだろうか、管弦楽はスッキリとした音に録られているのだが、ピアノにはややエコーがかかる感じ。マイクを少し離してセッティングしたのかもしれない。ただ、このピアノの響きが何とも綺麗。ゼルキンが時に施す品の良い装飾音が、たいそう綺麗に響くのだ。一瞬、キラッと閃くような装飾音なのだが、全く印象的。

第2楽章のラルゲット。磨き抜かれた美しいピアノは、ここでも変わらない。ゼルキンはこの緩徐楽章の一音一音を慈しむように弾いてゆく。誠実で上品なピアノ。派手さはないし、色づけもないのだが、慎ましい穏やかな重いが伝わってくる演奏。アバド/ロンドン響の伴奏もよく歌って美しく、ゼルキンをしっかりサポートしてゆく。こういう合わせ方、いつ聴いてもアバドは上手い。

終楽章は、永遠に続くようなロンド。急がず慌てず、ゼルキンのピアノは着実な足取り。時に歌い、時に沈潜し、ピアノは様々な表情を見せる。
モーツァルト最後のピアノ協奏曲だという思い入れでこちらが聴いているせいかもしれないが、白鳥が飛び立つ姿を連想させるロンド。

後ろ髪を引かれながら、しかし、時は過ぎてゆく。美しいものは壊れてしまう。去る者は逝ってしまう。
ゼルキンのピアノから、そんな感情が伝わるのは、思いこみが少し激しいかな・・・・・。でも、それほど、ゼルキンのピアノは美しい。

この演奏、名人が晩年に到達した境地を示す名演だと思います。そして、名人自身が白鳥となってゆく・・・・そんな演奏でありました。
2005/09/06のBlog
大学の後輩達が、遂に宿願の全国制覇!
朗報でありました。
雨中の激闘を制しての、優勝まですべて完勝だったとのこと。
ようやった。ホンマに頑張ったなぁ。嬉しいなぁ。わが恩師・大監督の笑顔が目に浮かぶ・・・・・。

大型台風が接近中であります。昨年の水害を思うと、恐ろしくなります。我が家は被害を受けなかったのですが、当地はホンマに大変でありました。雨戸を全部閉めて、備えております。

さて、そういうもろもろのことに関係なく・・・(^^ゞ、今日はドヴォルザークの交響曲第8番ト長調。
オトマール・スウィトナー指揮シュターツカペレ・ベルリンの演奏。1977年7月の録音。ドイツ・シャルプラッテンから出ていた廉価盤CD(1000円盤のはしりだった)。

第1楽章、序奏部の、深々としたチェロの音が素晴らしく、期待を持たせる開始。と思ったら、一気に加速、急激なテンポ。速い。この曲、こんなに速かったかなと記憶をたぐったが、思い出せない。演奏時間をいちいち確認したわけではないが、手持ちのドヴォ8ではおそらく最速。コーダの部分など、煽りに煽ってゆく激烈なテンポ。スウィトナーといえば、正統的で格調高い指揮者だと思っていたが(モーツァルトは速かったが、ベートーヴェンやシューベルトなど中庸のテンポで落ち着きもり非常に良かった)、この第1楽章はグイグイ進んでゆく。そうか、これ、アレグロ・コン・ブリオだった。

第2楽章は一転、ゆっくりと運んでゆく。アダージョだから当然か(^^ゞ。弦楽の音色が甘く穏やかで心地よい。ヴァイオリンはやや細めに聴こえる。金管群も活躍、ホルンのソロなど大変上手いし、音色も甘く落ち着いていてイイ。録音の加減もあるのだろうか、決して鮮烈であるとか、派手であるとか、そんなオーケストラの音ではないのだが、馥郁とした香りが漂ってくる演奏。

第3楽章。この楽章は、ドヴォルザークの個性丸出し。前の2つの楽章が、ブラームス的なつくりを感じさせるのだが、この楽章からドヴォルザークの無類のメロディ・メーカーぶりが発揮される。しなやかなヴァイオリンに、懐かしい響きを醸し出すチェロがとても良い。木管や金管の音もよく融けあって、この民謡風舞曲風の楽章を美しく彩ってゆく。スウィトナーの指揮はリズムがよく弾んで心地よいし、歌うべきところは、しっかり歌って期待を裏切らない。

終楽章、スウィトナーの指揮ぶりは、遅いところは遅く、速いところは速く、メリハリ