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クラシック音楽のひとりごと
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2005/10/01のBlog
ようやく出張から四国に戻りました。ホッとしました。
やはり四国の田舎はイイ。暖かいし、空気も水も旨い。

いやはや東京は涼しかった。寒かったくらい。久しぶりの東京、人の多さにも酔いました(^^ゞ。


さて、今日の1枚はベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調「運命」。
ジュリーニ指揮ロサンゼルス・フィルの演奏。1981年11月、ロサンゼルスのUCLA、ロイス・ホールでの録音。
ジュリーニはこの録音までに、LAPOと3番「英雄」、6番「田園」を録れており、これが第3作だったと思う。ジュリーニの「運命」初録音ということで、発売当初は随分話題になったものだ。
それにしても懐かしいLP。当時は「運命」1曲でも十分レコード1枚分だった。
今のCDなら、4番か「田園」がカップリングだものなぁ。

演奏は、ジュリーニの良いところが全部出たような秀演で、四半世紀経過した今聴いても最高水準の「運命」が聴ける。
ロサンゼルス・フィルって、こんなに巧いオケだったのか?と思わせるほど、オケもノリノリ。ジュリーニの霊感に打たれたのではないかと思わせる出来だ。

第1楽章、ご存じアレグロ・コン・ブリオ。たたみかけるような迫力はさすがジュリーニ。テンポは速くない。といって、晩年のジュリーニのように遅くはない。「運命」にしては中庸のテンポだと思う。
ジュリーニが引き出すロサンゼルス・フィルの音がイイ。もともと明るく輝かしい(悪く言えば「軽い」(^^ゞ・・・)オケだと思うが、その輝かしさを残したまま、重厚な響きを聴かせてくれる。以前取り上げた「英雄」の録音が1978年、あのときはまだ軽かった。その3年後には、これほどの重厚で迫力あるオーケストラになったことが分かる。
ニューヨークに転じたズービン・メータの後を引き継いで、ジュリーニがLAPOに就任したのが1978年。その3年後、ロスは「ジュリーニの街」になったのだ。
オケの厚い響きが展開する中、ソロも健闘。オーボエの消えゆくソロの何と美しく、寂しいこと。その歌わせ方など、いかにもジュリーニ。カンタービレ。

第2楽章アンダンテ・コン・モート。テンポはここでもゆったり。深々としたフレージング。弦楽器がよく歌うこと!。しかも、気持ちよさそうに歌う。そして独特のレガート奏法。少し引きずる感じの歌なのだが、ちっともイヤミでなく、気品さえ漂うのは、ボクの入れ込みすぎかな?・・・・・・(^^ゞ。他の指揮者なら、イヤラシイ感じのレガートに堕してしまうと思うのだが。
オケの音色はここでもイイ。ピアニシモも美しいが、フォルテでの爆発力も爽快だ。トランペットの朗々とした歌など、ジュリーニならではだろう。

第3楽章はアレグロ。でもそんなに速くない。左手奥からのホルンの咆吼が強烈。ギョッとするほどの凄まじさ。ピアニシモとフォルティシモの対比がクッキリとして、ベートーヴェンの感情の振幅が、聴き手に伝わってくる。ベートーヴェンって喜怒哀楽の激しい人だったんだろうなぁと思わせる演奏。
・・・・という点で、この演奏はたいそうロマンティックとも言えそうだ。

終楽章は、勝利の行進。堂々と王者が歩む、そのテンポはゆったりとして気持ち良い。王者の風格だ。ジュリーニの演奏は緻密な演奏でありながら、スケール雄大。LAPOもよく付いていると思う。巨匠のバトンに触発されて、白熱の演奏。アンサンブルが、んん?と思わせる箇所もあるが、大したキズでもない。名演だなぁ。

ジュリーニのベートーヴェン、この春に再発されたソニー盤で、ミラノ・スカラ座フィルとの演奏もあります。これも、ゆったり・じっくり・超レガート奏法で面白い演奏であります。やりすぎではないか、と思うところもあります。
その点では、ロサンゼルス・フィルとのベートーヴェン3作は、どれもジュリーニ完成期の名演。オケが一生懸命になっているのがビンビン伝わる点で、どれも捨てがたいですな。
2005/09/27のBlog
早朝より出張であります。上着を用意して東京へ・・・・・。
しばらく更新できません。
9月30日深夜帰宅予定です。

ホンマ、涼しくなりました。秋であります。

さて、今日はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番ハ短調「悲愴」。
ピアノ独奏はブルーノ=レオナルド・ゲルバー。
1987年7月、パリのノートルダム・デュ・リバン教会での録音。DENONクレスト1000シリーズからの1枚。

1970年代前半まで大活躍していたゲルバーは、以後10年ほど録音が途絶えるが、このソナタ集はその沈黙を破った復活の1枚。それまで、EMIの廉価盤レーベルだったセラフィムからLPで何枚かベートーヴェンのソナタ集や協奏曲が出ていた。
このCDが1988年に国内発売された当時は、随分話題になったものだ。いよいよ本格的にゲルバーがベートーヴェンを録りはじめた、とレコ芸などでも随分広告が打たれたものだった。

ゲルバーの音は、重厚なのだが高音がよく伸びて独特の艶がある。輝かしい音色、というものではなく、白磁のような落ち着いた輝き、しっとりと濡れたような音色が特徴だと思う。フォルティシモがカツンと響くときの、その音色がホンマに美しい。
教会での録音効果だろうが、残響音も綺麗で臨場感がある。ピアノの録音としては、最高レベルにあるんじゃないか。さすがDENON。この当時のDENON録音はすべて素晴らしく、安心して聴けるレーベルだった。(今は元気ないぞ)。

第1楽章グラーヴェ。荘重に、重厚に始まる。ピアノの音色が美しい。テンポはそんなに速くないが、グイッという推進力がある。聴覚の異常に悩む前のベートーヴェンのロマン性があふれたこの第1楽章を、ゲルバーは、潤いと輝きに満ちた音で弾ききる。青春期の悩みやもの悲しさがよく表出された演奏だと思う。

第2楽章はアダージョ・カンタービレ。ベートーヴェンのピアノ・ソナタの中でも最も美しい旋律を持つ緩徐楽章。ゲルバーはここでも安定したテンポ、そして落ち着いた音色で、ベートーヴェンの若きロマンを聴かせてくれる。素晴らしい歌。。
さらに、弱音での繊細な音。ゲルバーの音色が微妙に変化するのを、耳をそばだてて聴くのは楽しい。このピアニシモを捉えきった録音も素晴らしい。

終楽章はロンド・アレグロ。4分20秒で一気に終曲へ。時々、ゲルバーのタッチが重く、ドスンといった感じで響く。その響きが、ベートーヴェン的というか、ドイツ的とでもいうか、聴き手が納得できる音。エエ音やなぁと思う。これぞ、ベートーヴェンの音やで。

10月中旬、DENONから、ゲルバーのベートーヴェンのソナタ集が1枚1500円で再発されるそうな。う~ん・・・・・欲しい。この音で聴けるのなら全部欲しいなぁ・・・・。
2005/09/26のBlog
明日から東京へ出張であります。久しぶりの東京ですがショップ探索は出来そうもありません。どうも仕事が忙しそうで、余裕なしですな。残念。
帰宅は金曜の深夜になる予定で、日程もきつそうです。
半袖のポロシャツで大丈夫でしょうかね?・・・東京はだいぶ冷え込んだかな?

さて、今日はベートーヴェンの交響曲第7番イ長調作品92。
クリスティアン・ティーレマン指揮フィルハーモニア管の演奏。1996年7月、ロンドンのゴスペル・オークという教会での録音。

オケの配置が昔のタイプ。クーベリックやクレンペラーと同様の、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが指揮者の両側に来るいわゆる両翼配置。これが演奏効果バツグン。聴いていて面白いこと、この上なし。

それに録音も面白い。教会での録音なので、残響が豊かで、エコーがだいぶ聞こえる。エコーのため音が繋がってしまうところもあって、お団子状態の箇所もちらほら。しかし、ゆったりとくつろいで聴くにはこのくらいの残響もイイんじゃないかな。(もっとも、くつろいで聴くことが出来ないほど、ティーレマンの指揮は厳しく古風で、聴き手に迫ってくる)

第1楽章の冒頭から「オオっ?」と思わせる開始。堂々とゆっくりと、スケールのデカイ開始。もったいぶった、と言ってもいいような始まり。昔の巨匠たちのベートーヴェンはこんな感じだった。ちっとも現代的でないベト7。その印象はヴィヴァーチェに入ってからも変わらない。テンポが微妙に揺れて、残響も多いのでスケール感が大きい。響きも極めてドイツ的。低音がぐんぐん張り出してきて、音色もやや渋めでくすんだ感じの音色。初めて聴いたときには、ジャケットのオケを確認してしまった。フィルハーモニア管は普段から、指揮者の要求に応じて変化できる、柔軟性に富んだ録音オケだと思うが、音色そのものはもっとキラキラしたところがある。しかし、ティーレマンが振ると、ドイツとしか言いようがない音がする。1950年代から1960年代初期のベルリン・フィルがこんな音だったと思う。カラヤンがDGに録音した最初のベートーヴェン全集が、こんな音だったから。

第2楽章のアレグレット。ここでもオケのつくり出す音は重厚だ。音色は渋くやや暗め。ヴァイオリンの音色も意味深く悲痛な感情を伝える。テンポはやや遅め。主旋律がよく聞こえるし、木管の処理も手際よいなと思った。

第3楽章のプレストからティーレマンの指揮の特徴がさらに発揮されてゆく。テンポが揺れるし、楽器が浮き立つ。ティンパニの強打も気持ち良い。基本的なテンポは遅いのだが、ぐんぐん速くなってゆくところもあり面白い。ただ、だからオケが軽くなることがないのは、ティーレマンが目指すのが往年の巨匠風の演奏だからか?

終楽章は両翼配置のヴァイオリンの掛け合いが全く面白い。適度な残響をともなうので、効果は十分。聴いていて楽しい。テンポはさらに揺れて、終結部前からコーダへのアッチェランドは圧巻だし、切れ味爽快。身を乗り出す感じで聴けた。

カップリングは交響曲第5番「運命」。これも、巨匠風のスケールで、ドイツ的重厚さを前面に押し出した演奏。
ティーレマンは同世代の指揮者なので、若々しい指揮をするのかと思っていたら見事に裏切られました。そういえば、バレンボイムがベルリン・シュターツカペレを振ったベートーヴェンも、ドイツ的重戦車風の演奏だった。

ピリオド楽器全盛の今、こんな演奏もエエなぁと思いました。
2005/09/25のBlog
台風の影響か、四国でも風強し。
おかげで、少し涼しくなった。有り難い。
行きつけのレコードショップ「マルワレコード」は新居浜にあります。
半額セールは本日までなので、最後の出撃をしようかと企んでおります(^^ゞ。

さて、最近購入したCDは、1960年代録音のDECCA盤が多い。いずれも廉価盤、キングの1000円盤シリーズであります。

その殆どが優秀録音で驚きますね。現役盤で十分通用する見事な録音。鮮烈で、瑞々しい音。各楽器の特徴がきちんと捉えられている。ホールトーンや徐々に消えてゆく残響も大変美しい。

我が家のスピーカーは同軸タイプ。音場が広く、定位がよいのが特徴で、柔らかく余韻気豊かに鳴るので(そのかわり鮮烈に切れ込んでゆくスピーカーではない)、比較的古い録音でも、それなりに雰囲気を出してくれる。フィリップスの録音など、相性がよいのではないかと思う。

しかし、1960年代のDECCA録音はホンマに素晴らしい。
我がスピーカーの苦手な「切れ込み」も表現できているのではないかと思える。
圧倒的に素晴らしいものもある。


今日はストラヴィンスキーのバレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年改訂版)。
演奏は、ズービン・メータ指揮ロサンゼルス室内アンサンブル、ピアノはシブリー・ボイス。1967年7月の録音。
メータはロサンゼルス・フィルの音楽監督になったのは1963年のことだから、その初期の頃の録音になる。

メータの指揮は覇気があって、グイグイと推進力に富んでいる。土俗的で、少々乱暴なところもあるが、若々しく意気盛ん。
燃えさかる炎を思わせるほど情熱的でもあるし、リズムも強烈。それでいて、じっくり聴かせるべきところはしっかりと歌い込む。聴かせ上手な演奏だなぁと思う。

ソロ・パートもクッキリと演奏されて、どんな風に吹いているのか、弾いているのか大変分かりやすいの。

第1場の「謝肉祭の日」の民謡風(歌謡風)の部分など、巧いなぁと思う。2場以降の不協和音のところも、録音が素晴らしく、ドキドキするほど鮮やか。

ピアノの音が細身で硬質。切れ味鋭く乾いた音でカツンと響くのが心地よい。カラッとクリアな音で、舞台音楽といった感じがする。カリフォルニアの乾いた空気、サラッとした肌触りを象徴するような音。この音を捉えきった録音が、だから素晴らしい。

メータはのちに再録音しているが、このロサンゼルス・フィルとの演奏が最も元気があって鮮烈だったのではないかと思う。後年のものは、少々おとなしい感じがする。

カップリングは「春の祭典」。こちらも素晴らしい。「超」がつく名演。そして、メータのいくつかある「ハルサイ」の中でも最高の名演。

この60年代のメータ、今はどこに行ってしまったのだろう・・・・・?
2005/09/24のBlog
9月後半の連休突入。
少々仕事で職場に顔を出さざるを得ないのだが、少しはのんびり出来るかな?
27日からの東京出張を控えて、慌ただしい気分。

今日は、ショパンのピアノ協奏曲第2番ヘ短調。
ウラディーミル・アシュケナージのピアノ、デイヴィッド・ジンマン指揮ロンドン響の演奏。1965年1月録音のDECCA盤。もう40年前の録音になる。
当時アシュケナージ27歳。ジンマンは28歳。二人とも若い演奏家であり指揮者であったころ。

第1楽章マエストーソ。「荘厳に」と指示された堂々たる楽章。
ショパンのピアノ協奏曲は、2曲とも第1楽章の序奏が長く、これが面白くなかったり、オケの技量が悪かったりすると興味が半減してしまう。
ジンマンは溌剌とした若さを発揮していて気持ち良い。颯爽としていてリズム感がよく、オケが生き生きと弾むようだ。きびきびとしたアーティキュレーションで、推進力もある。ロンドン響は若い指揮者によくついており好演。高揚するところ、沈潜するところを鮮やかに弾きわけて、素晴らしい序奏となった。

アシュケナージのピアノも、すこぶる若々しく気持ち良い。アシュケナージのピアニストとしての全盛期は1970年代ではなかったかと思うのだが、もうすでにこの録音当時に彼の本領は発揮されていた。

以前にも書いたように、アシュケナージのピアノは、美しく鮮烈で爽快。どこまでも透明。ピアノがクリスタル・グラスのように光り輝く。硬質の燦めき。

ショパンのピアノ協奏曲は青春の協奏曲だと思う。
その青春の若々しさ、瑞々しさ、ためらい、憧れ、煩悶、怯えなど・・・・、アシュケナージのピアノは、鮮やかに表出する。

第2楽章のラルゲット。ショパンが書いた最も美しい旋律の一つ。
ボクは若い頃、何度も何度も繰り返し聴いたものだ。今でも、この楽章だけ聴くことも多い。
デリケートで、強く触ったら壊れてしまいそうな、美しくもはかないメロディ。これをアシュケナージの綺麗な音色で聴くのは格別だ。ジンマンもオケを爽やかに歌わせて、それを美しくサポートする。見事な協奏だと思う。

終楽章アレグロ・ヴィヴァーチェは、アシュケナージのピアニスティックな響きが炸裂する。技量は最高、オケも軽やかに弾んで気持ち良いくらい。

録音は、40年前のものとは思えないほど素晴らしい。さすがDECCA。
アシュケナージのピアノを余すところなく捉えていると言ってもいい。

このCD、カップリングは同じショパンのピアノ協奏曲第1番ホ短調。アシュケナージの弾き振りでオケはベルリン・ドイツ交響楽団。1997年の録音なのに、あまりパッとしない。1965年録音の2番とあまり変わらない感じがする。演奏も、今ひとつと思われた。

アシュケナージはピアニストではなく、「指揮者」になってしまったようだ。残念。

2005/09/23のBlog
連休を前に、職場の若い士とアサヒ・ビール園でしゃぶしゃぶ食い放題。
若い連中がよく喰う。ホンマに底抜け。
肉はバクバク喰らう、ビールは浴びるほど呑む、アイスクリームは何皿も平らげる・・・・・。大したモンだなぁ。
同じペースで付き合っていたら、今朝は胸焼け(^^ゞ。
若いってイイですね。


さて、今日はブルックナーの交響曲第7番ホ長調。
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮チェコ・フィルの演奏。1967年3月、プラハ芸術家の家での録音。DENONクレスト1000シリーズからの1枚。

この交響曲で好きなのは、前半2つの楽章。全曲で70分ほどかかるうち、前の2楽章で47分ほどになる。
旋律が美しい。ブルックナーの全交響曲の中で、最も美しいと思う。しかも、雄大なスケールでテンポもゆったり。大河に身をゆだねるような安心感を味わえる。

マタチッチ/チェコ・フィルの演奏が、悠揚迫らぬゆっくりとしたテンポで、フレージングもゆったりとしている。決してセカセカしない。大らかに、また豪快に管弦楽を鳴らし、時にハッとするほど繊細な表情を見せるのも素晴らしい。
オケの技量は完璧とは言い難いし、少しアンサンブルが乱れるような箇所も(特に第1楽章)あるのだが、金管の咆吼は凄まじく、木管はしみじみとした音色を聴かせてくれる。

何より弦が良い。輝かしくはないのだが、底光りするようなしっとりした音色。やや濡れたような音色がしみじみとして味わい深い。チェコ・フィルの演奏では、ノイマンの指揮する「新世界」など、ドヴォルザークを愛聴してきたが、こんなに素敵なオケだったのかなと見直してしまった。これがマタチッチの功績なのか。ウィーン・フィルでもベルリン・フィルでもない、素晴らしい音!・・・・ブルックナーではこの2つのメジャー・オーケストラの演奏が多く今までよく聴いてきたが、チェコ・フィルの演奏はまた実に素晴らしく個性的。

録音も、今から30年近く前にもかかわらず、デジタル現役盤と比べて遜色ない素晴らしい出来。ホールトーンも豊かだし、個々の楽器もよく捉えられていて、音がどんどん前に出てくる。弦の音色などホンマに綺麗。チェコ・フィルの音、こんなに良かったんかいなと、ボクの中では評価激変。これ、ホンマにええオケですなぁ・・・・。

さて、聴きどころ第1楽章のアレグロ・モデラート。スケール雄大、すべてのものを呑み込んでしまうような大きさ。冒頭のテンポは非常に遅く、深々とした息づかいがたまらない。弦も管もよく鳴っている。美しい旋律が、聴き手の心を浄化させてくれるよう。
第2楽章のアダージョ。敬虔な祈りの楽章。ここも、非常にゆっくりと音楽が進んでゆく。作曲家の指示通り、「荘厳な」音楽だ。弦楽器が飛び切り美しい。ヴァイオリンが、シルクタッチの柔らかさ・しっとり感で、音楽を紡いでゆく。これを聴くのはまったく快感。そして、知らず知らず、ブルックナーの宗教的な世界に連れて行かれる・・・。
後半2つの楽章、マタチッチはグイグイと迫力ある演奏を展開して、一気に終曲まで持って行く。やや無骨ながら、これもまた野人ブルックナーの姿だろう。


行きつけのCDショップのバーゲン購入の、これは1枚でありました。
この3連休も出撃の予定であります。
2005/09/22のBlog
9月下旬を迎え、長男が大学の後期授業開始に備えて帰阪しました。学生の夏休みはホンマに長いもんです。2カ月は要らんだろうに。全く羨ましい(^^ゞ。

風呂場のリフォームで使用不能に。で、次男・三男に家内を連れて近くの「武丈の湯」へ。1人400円は安い。最近は、「ちょいと豪華な銭湯」が近辺に多く出来ており、サウナ好きのボクにとっては好都合であります。
露天風呂も、大変気持ち良く、秋の冷気を楽しんできました。

さて、今日は、ドヴォルザークの最も有名な弦楽四重奏曲。
第12番ヘ長調「アメリカ」。
ドヴォルザーク52歳の1839年、滞在中のアメリカ・アイオワ州で数日の間に書き上げられた名曲。あの「新世界」の直後でもあった。作曲家にとって、何と実り豊かなときだったのだろう。

このクヮルテットのCDには名演が多いのだが、今日、手にしたのはイタリア弦楽四重奏団の演奏。1968年録音のフィリップス盤。
以前取り上げたボロディンの弦楽四重奏曲第2番のA面がこの「アメリカ」だった。
録音の鮮度はだいぶ落ちてきたが、鑑賞には十分に耐えられる。

さて、これはイタリアSQらしい、歌に満ちた演奏。
第1楽章のアレグロ・マ・ノン・トロッポ。チェロが太々とした歌を奏でるのだが、その音の美しさ、骨っぽさ、たくましさに今後の展開がどうなるかとワクワクさせてくれる。第1ヴァイオリンの音はやや細めで、非常に美しい。よく歌う。旋律の美しいところは、飛び切りのカンタービレ。第2ヴァイオリンもヴィオラも一級品だと思うが、アンサンブルの緊密さよりも、各自の歌を優先した感じもする。勇壮なメロディの中にも、作曲家の望郷の歌が聞こえてくる。

第2楽章はレント。どの楽器も哀愁の歌に満ちて、おそらくこの演奏の白眉だろう。チェロの沈潜した音は、故郷が切々と思い出される心情の吐露か。2つのヴァイオリンもセンチメンタルな感情を露わにしつつ、故郷の思い出を朗々と歌ってゆく。
響きがことのほか美しい。細く、幾分頼りない感じもするのだが、よく伸びて左右のスピーカーの空間にフッと消えてゆく。何とも美しい。そして、よく整ったレガートがその歌をさらに強調してゆく。ああ、エエ演奏やなぁと思う。

第3楽章はモルト・ヴィヴァーチェ。スケルツォだ。よく弾む快活な音楽。どの楽器も楽しそうに奏でてゆく。第2楽章の痛切な歌に比べて、ここではスカッと空が青く晴れ上がったような演奏を展開してゆく。ヴァイオリンの細かな動きが面白い。

終楽章フィナーレ。指示はヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ。明るく爽快な光を放射するような演奏。新大陸の陽光か、イタリアSQらしい地中海的な明るさとでも言うべきか。心弾むような演奏で、終曲間近ではどんどん盛り上がって、聴き手の興奮を誘う。名演だなぁ。

チェコ、ボヘミアの団体ではないので、いわゆる「本場物」ではありません。
でも、イタリアSQらしく、歌謡性に満ちた演奏でボクは大好きであります。
そもそもドヴォルザークは、旋律美の作曲家、大変なメロディ・メーカーですから、「歌う演奏」が良いのではないかと思っています。
ファースト・チョイスにはならないかもしれませんが。2枚目としては、このイタリアSQの演奏は(カップリングがボロディンでもあるので)、お勧めであります。
2005/09/21のBlog
行きつけのレコードショップが9月決算ということで、旧譜の半額バーゲンを始めた。
CDは再販制度があるんじゃなかったかな?新品の半額セールなど可能なんかいなぁ?・・・・と思いつつ、店主に尋ねると、昨年9月以前に発売された(つまり1年以上前の)商品は全部半額で良いという。ナント!・・・・。

普段から買うのは廉価盤がメインなのだが、1000円盤はたった500円で買えちゃう。ワンコインCDだ。レギュラー盤でも1400円だ。普段の廉価盤価格ではないか。

嬉しい。いいぞ。ナンボでも買えるなぁ。よっしゃ、どんどん買っちゃえ・・・・・(^^ゞ。

土曜日に20枚ほど購って、我慢できずにまた店を訪れ一昨日には30枚ほど結局購入。バーゲンは25日までなので、もう一度くらいは行ってしまいそう・・・・やれやれ。


そこで手に入れた1枚が今日のCD。
ムソルグスキー(ラヴェル編曲)の「展覧会の絵」。
演奏はエルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団。1959年の録音。

録音が全く素晴らしい出来。ホンマに今から46年も前の録音なんかいなと、何度もジャケット裏を見てしまった。
先日取り上げた「コッペリア」が1957年録音、この2年前だったのだが、比較にならないほど「展覧会の絵」は素晴らしい。切れ込みが深く、音も鮮烈。管楽器は輝かしく、弦楽は濡れたような色気がある。さすが、DECCAである。

演奏は、至ってアンセルメらしい、スタイリッシュでエレガントなもの。品があって、クールなのだ。この「展覧会の絵」は、演奏の仕方ではドロドロ、ハデハデに出来る曲ではないかと思うのだが(それが可能なのは、ラヴェルの編曲が素晴らしいからだと思うのだが)、アンセルメは冷静に、しっかりと演奏してゆく。熱くなったり、興奮したりするような音楽にはしないのが、アンセルメ流なのだ。

冒頭のプレリュードのトランペットが輝かしくツヤツヤしている。滅茶苦茶うまいというほどではないが、安心して聴けるし、何より音色が明るくて良い。
「古城」の哀愁、「テュイルリー公園」での子供たちの動きもカッコ良く決まっている。「ブイドロ」の荘重なところも巧いなぁと思う。アンサンブルはすこしゆるいかな。

ラヴェルの管弦楽はもちろんスゴイと思う。彼の音楽は、「スイスの時計職人のよう」と評されたのだったか?アンセルメは、そんな精緻で知的なラヴェルのオーケストレーションを見事に解析して聴き手に示してくれていると思う。何度も書くが、録音が素晴らしく(ホンマに46年前のものか?ついこの間のものに聞こえる・・・・)、アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団の演奏も明晰きわまりないので、曲の隅々まで「見える」のだ・・・・・。

後半の「カタコンブ」から、「キエフの大門」まで一気に盛り上がってゆく。
最後は、オルガンまで加わる(楽譜にはなかったらしいのだが)!。
壮大・華麗・豪華絢爛と評したいエンディング。
ダイナミック・レンジが広いので、ラストではボリュームを落とさないと部屋が揺れ始める。危険でありました・・・・(^^ゞ

実はこの演奏、昔、FM放送をエアチェックして、カセットテープで聴いていたが、デッキが壊れてからしばらくテープを聴いていなかった。久しぶりでありました。
なるほど、改めて聴いてもこの演奏はスゴイ。
昔から超定番と謳われてきただけのことはある。

そのCDが500円で手元にあるわけです(^-^)。
また買い出しに行ってしまいそうであります。
2005/09/20のBlog
中秋の名月。
東の空から見事な月が昇ってくる。やがて、南天に冴え冴えと輝く。
風も涼しくなって、まこと秋の名月を眺めるのにふさわしい。

クラシック音楽鑑賞にも読書にも適した季節が、ようやくやってきた。

そこで今日は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」。
懐かしいウィルヘルム・ケンプのピアノ。
1960年5月、ドイツのハノーヴァーでの録音。今からもう半世紀前のDG盤。

ケンプは、ドイツ最長老のピアニスト。
クラシック音楽聴き始めた若い頃。ベートーヴェンについて、よくバックハウスと比較したものだ。
バックハウスは剛毅豪快で古典的、ケンプは浪漫的で詩人の味わい。
バックハウスの技術は完璧で、ケンプは技術的には難があるもののそれを補って余りあるポエジーが素晴らしかった。

別にどちらかを贔屓にしたことはないのだが、今夜の月を観て、ケンプがふさわしいと思ったまで。

さて、第1楽章、アダージョ・ソステヌート。ケンプの弾くピアノはロマンティックで詩情あふれるもの。特に演出するわけでもなく、淡々と弾いているようなのだが、滋味深い演奏というか、しみじみと情趣のある演奏というか。
ゆったりとしたテンポで、音色そのものは冴えているのだが、おそらくペダルを多用しているのだろう、ピアノの残響が夢見るように美しい。これほど上品で、清らかな第1楽章はあまりないのではないか。

第2楽章のアレグレット。心地よくピアノが弾む。気持ち良いつくり。
ピアノの音は冴えてホンマに美しい。録音も残響たっぷりで、味わい深い。

第3楽章はプレスト・アジタート。さすがに速いパッセージでは、「ケンプ、大丈夫か?」という瞬間があるのだが、破綻はしていない。それよりも、ふとテンポが遅くなる部分での哀愁、抒情が素晴らしい。この辺が、ケンプの美点だと思うし、この情感を聴きたくてボクはケンプのCDを取り出すのだ。

録音は45年前のものだけに、さすがに古びた感じが否めない。残響多いのが特徴。
ピアノの芯がクッキリしてはいないのだが、非常に雰囲気にある録音と言える。
もう少し「カツン」という響きがあればいいのだが、それはケンプには無い物ねだりかもしれないな。
2005/09/19のBlog
4年前に、1カ月ほどオーストラリアに出張したことがあった。
メルボルンおよび郊外のバララット、シドニーでの研修がメインで、なかなか自由な時間が取れなかったが、数少ない夜間自由行動の機会に、メルボルンでは「ボエーム」を観ることが出来た。当日券だったので、2階席しか残っていなかったが、ゆったりと楽しめた。空席も結構あったことを憶えている。日本円で4000円程度だったか、安い値段で観られるもんだわい、と感心した。

シドニーではあの著名なオペラ・ハウスへ。やはり当日券を申し込んだが、もうほとんど無いという。演目はドリーブのバレエ「コッペリア」。「バレエなど人気があるんかいな?」と思ったが(自分は興味が殆どないので)、まあ仕方がない、どうしても欲しいと言ったところ、「最悪の席しかないが構わないか?」と、念を押された(・・・らしい。というのは、英語がよく分からないので、あとで思い返せば、やめておけということだったようだ(^^ゞ・・・)。これも値段は3000円程度。安いなぁ。

しかし、席に座って驚いた。まさに、最悪の席。ステージ左上方の3階席。幕が開いているのに、その幕でステージが半分見えない!これじゃあ、半分しか楽しめんわいなと思いつつ、入場料が半額に近いほど安かったのも、むべなるかなと思ったものだ・・・・・・。

逆に、客席はよく見えた(^^ゞ。満席だった。着飾った男女で一杯だった。子供も多かったが、これも身綺麗にして観ていた。
なるほど、豪州では(おそらく、欧米でも同じだろう)、バレエが非常に人気があるんだなと思った次第。

前振りが長くなった。舞台は半分しか見えなかったが、音楽は充実していた。バレエ音楽は、じつは踊りと一緒に観ると楽しいことが実感できた。

今日は、そのドリーブのバレエ音楽「コッペリア」(抜粋盤)を。指揮はエルネスト・アンセルメ、スイス・ロマンド管弦楽団の演奏。録音は今から50年近く前の1957年1月、ステレオ初期の頃のDECCA盤。国内盤では1000円盤として出ている。カップリングは同じドリーブの「シルヴィア」抜粋。

アンセルメの指揮が溌剌として楽しい。シドニーでの舞台を彷彿とさせる明快で華麗な演奏。このCDでは2曲目の「アンダンテ~ワルツ」が素晴らしい。これは有名な曲だが、アンセルメの指揮で聴くと、何とも流麗で上品。うっとりとするほど管弦楽も巧い。
スイス・ロマンド管は実演で聴くと大したことなかったと、何かの本で読んだことがあるが、この演奏は巧い。弦はカラッと明るく、時にシルキー・タッチの繊細さ。管楽器も弾けるような軽さと明るさを持っていて、聴いていて心が弾み、気分がよい。

ドリーブのバレエは(舞台の半分しか見えなかったのだが)、本当に楽しかった。踊りも素晴らしいが、演技も愉快で大笑いできるほど、ユーモアに満ちていた。
その面白さ・楽しさが、アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団のつくりだす音楽だけで伝わってくる。名演だなあと思う。

アンセルメは、こういうバレエ音楽や、情景描写の音楽がホンマに巧いなと思う。
DECCAの指揮者なら、このタイプは今ならデュトワなのだろうけれど、アンセルメの上品さ・演出の巧さは、デュトワより上ではなかろうか。
録音も、今から50年前というのがちょっと信じられないくらい鮮明。高音がやや詰まった感じがするのは仕方なし。DECCAの録音って、エエですなあ。

2005/09/18のBlog
朝晩の涼しいこと。日中はまだ30度まで気温が上昇するが、クラシック音楽鑑賞に良い季節になりました。
が、しかし。このDoblog、アダルト系のトラックバック攻撃が激しすぎるのではないか?
何とかならんのか・・・(`_´)。更新するたびに、10件近いTBが付いてくる。
ワシャ、腹が立っとります・・・・・。


と、ブツブツ言っていても仕方ないので、口直しに今日は甘い歌唱を。
キリ・テ・カナワが歌うプッチーニのアリア集。伴奏はジョン・プリッチャード指揮ロンドン・フィル。1981年録音のCBS盤。新宿の伊勢丹近く、コタニというレコード屋で「ジャケット買い」(^^ゞ・・・した1枚。
いや、この頃のキリ・テ・カナワはホンマに綺麗だった。歌も素晴らしいが、容姿も他の歌手に比べて図抜けて美しかった。このとき、彼女は30代の後半。匂うような色香が何とも言えなかった。
このプッチーニは、実はレコードのB面で、A面にはヴェルディのアリア集がいくつか収録されている。
ただ、ボクにとって思い出深いのは、断然プッチーニ。

ボクはこのLPで、プッチーニの、たっぷり砂糖を使ったケーキのように甘く、また身を切られるように切なく哀しい、そんなアリアの楽しみを知ることができた。また旋律美に満ちた素晴らしい管弦楽を知ることが出来た。
まだ学生だった頃。

このアリア集を聴くと、その当時の生活、学生街の雑踏、大教室のざわめき、ゼミのレジュメを書くのに通った図書館の本の匂い・・・・いろいろなことが思い出される。
キリ・テ・カナワのプッチーニのアリアは、ボクを過去に連れ戻す・・・・。

そのB面の曲目は7曲。

1.「妖精ヴィルリ」~もしも私が小さい花ならば
2.「トスカ」~歌に生き,恋に生き
3.「つばめ」~ドレッタのすばらしい夢
4.「ボエーム」~私が町を歩くと(ムゼッタのワルツ)
5.「マノン・レスコー」~華やかに着飾っても
6.「ジャンニ・スキッキ」~私のお父さん
7.「蝶々夫人」~ある晴れた日に


テ・カナワの全盛期の録音。この当時、彼女の録音が次から次へ発売されており、実演でも相当忙しかったのではないかと思われるほど、時に掠れるような声になっているのがチョイと惜しいのだが、それでも、キリの「クリーミー・ヴォイス」は十分に味わえる。
特に高音の伸びが美しい。
トスカのように情熱的で重みのあるアリアより、妖精ヴィルリやジャンニ・スキッキのアリアのような、明朗で軽やかな方が向いているように思う。

特に素晴らしいのは、ムゼッタのワルツ!
化粧の厚い、けばけばしい美女なのだが、実はハートは純真なところがあるムゼッタの雰囲気がよく出て、まさに名唱。
ボエームが好き。中でもミミとムゼッタのアリアが好きなのだが、ムゼッタのワルツに関しては今でもこのテ・カナワがボクにとってはベストであります。
2005/09/17のBlog
秋風が爽やか。
月も美しい。冴え冴えとして、眺めていて気持ちいい。

さて、今日はモーツァルトのピアノ・ソナタを。
ピアノはマリア・ジョアオ・ピリス。DENONの名曲全集「マイ・クラシック・ギャラリー」の1枚を先日入手。ピアノソナタの第8番や第11番「トルコ行進曲つき」、第15番などを収めている。いわば、モーツァルトのソナタの有名どころを集めた1枚。1974年のPCM録音(懐かしい言葉!)。すでに30年前になってしまった。ピリスはその後DGに再録音しているので、これは旧盤となる。

ピリスの音が綺麗。
音色は実に透明感溢れるものなのだが、向こうが透けてクッキリと見えてしまう透明感ではなく、やや霞がかった見え方というか、そんな音色(ああ、うまく言えない(^^ゞ・・・)。
コロコロ転がるような音もあれば、ナイフのような切れ味鋭い音もある。フワッと浮遊する音もあれば、感情を抑えて沈潜する音もある。聴いていると、音色が万華鏡のように変化してゆく、不思議なピアノ。そして、それらの音色が、モーツァルトにピッタリなのだから聴き手にはたまらない。

第11番イ長調K331「トルコ行進曲つき」。
第1楽章のアンダンテの落ち着き、楽想・音色の変化が楽しい。変奏曲のそれぞれの性格がきれいに描き分けられ、しかもニュアンスに富んでいる。音はエッジがやや丸く暖かい。
第2楽章のメヌエットもテンポは中庸で、ピリスの穏やかな温かみのある音色が十分に楽しめる。
素晴らしいのは第3楽章のトルコ行進曲。
テンポが遅い。全く遅い。手持ちのケンプやブレンデル、内田光子、バレンボイムなどと比べてみても、とにかく遅い。
そして、暗い!・・・・・。この曲は快活な行進曲だと思っていたが、ピリスが弾くと、哀しみが漂う。涙ぐんでいる行進曲。ここにもモーツァルトの「走る悲しみ」がある。
ああ、そうか。こんな弾き方もあったのかと呆然。しかし、これもモーツァルトだわなぁ。

第8番イ短調K310は第1楽章が面白い。ピアノがスマートで、鋭い。切れ味バッサリという感じで、音もクール。冷たく輝く音と言っても良いかな。それが、また短調のこの曲想に絶妙に合っている。とにかく11番の暖かい音色と全然違うので、思わず「ありゃ、ピアニストが変わったんかいな?」と、ジャケットを調べてしまった。

ピアノの音色が千変万化。面白いことこの上なし。
しかも、素晴らしいモーツァルトの音楽になっている。
ピリス、恐るべし。


ピリスの新盤は未聴なので比較しているわけではありませんが、モーツァルトのピアノ・ソナタに関しては、このピリスの旧盤で十分に楽しめました・・・・・というより今まで聴いた中では最高の部類と言ってもエエでしょう。録音も30年も前のものとは思えない、素晴らしいものです。


ところで、この数日のアダルト系TB攻撃、何とかならんですかね?
ひどい日は10個くらい、TBがつけられてしまいます。
アダルトはやめてくれ~~~。ワシャ、クラシック音楽を聴きたいんじゃ。