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クラシック音楽のひとりごと
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2005/12/05のBlog
[ 19:07 ] [ 近況など ]
stonezさんよりバトンを頂きました。
今の自分の欲望について答えていくようです。さてさて。

Q1.今やりたい事

部屋の片付けです。CDと書籍、何とか片付けないと書斎の機能が低下中です。

Q2.今欲しい物

まとまった休日。出来れば5日くらいまとめて頂戴(^-^)。

Q3.現実的に考えて今買っても良い物

自動車。10年以上乗りましたので、そろそろ替え時かと。妻の許可も出てますしね^^。

Q4.現実的に考えて欲しいし買えるけど買って無い物

ベルティーニのマーラー全集。EMIフランスが発売した5番までの選集を持ってますのでね。ダブリ買いになってしまうし・・・・でも買ってしまいそう(^^ゞ。

Q5.今欲しい物で高くて買えそうに無い物

B&Wのスピーカー、ノーチラス801D。これを駆動するセパレート・アンプと、それに見合うCDプレーヤー。ああ、いくらかかるのか・・・・。

Q6.タダで手に入れたい物

フルマラソンを完走出来る体力。

Q7.恋人から貰いたい物

「恋人」・・・なんて懐かしい言葉ですね。。照れますな。
恋人から貰えるなら何でもエエです。「手編みのセーター」なんて、青春時代を思い出しますなぁ。

Q8.恋人にあげるとしたら

柔らかい優しい音楽が詰まったCD(レコード)をあげます。アルビノーニのオーボエ協奏曲集とか、プッチーニのアリアの管弦楽版・・・・とかどうでしょうね。

Q9.このバトンを5人に回す

ええと・・・・考えてみます。

Q10.このバトンを無視したら?

誰か受け取ってくださいマセマセ(^-^)。
荒れ模様の天気。
強風とともに気温も低下、一気に真冬の様相であります。
伊予路にも風雪注意報が出ております。北の方では大雪でしょうか。

さて、今日はラヴェルの「ボレロ」。
クリュイタンスもミュンシュも、デュトワだってアバドだって良いんですが(というか、それが本筋かなとも思うんですが)・・・・・・・今日は少しゲテモノを。

ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルの演奏。
1996年6月、ムジークフェライン・ザールでの録音。BMG原盤。このCDはBVCC34062~63、マゼールがウィーン・フィルと録音したJ・シュトラウスなどとの2枚組廉価盤。

「ボレロ」を聴くたびに、ラヴェルのオーケストレーションは巧いなぁと思う。小太鼓の単純なリズム、旋律も極めて単純で変化があまりないのだが、オーボエ・ダモーレからサクソフォンまで古今の楽器を織り交ぜて、徐々に盛り上げてゆく、その素晴らしさ。
次から次へと出てくる楽器の音色を味わっているうちに満腹してしまう。
手の込んだフランス料理のよう。
見た目が実に美しく、しかも技巧を凝らした料理で、さらに隠し味が随所にあって、賞味していると「ニヤリ」とさせられるフランス料理。
フルコースでも僅か15分。でも、スゴイ量だなと思う。

ピッコロ2本とホルンとチェレスタの重なる部分など、オルガンの響きを聴いているような錯覚に陥る。不思議な音色。
トランペットに弱音気がついて、そこにフルートが絡んでくるところなど、イヤぁ、巧いもんだなぁ・・・・。

さて、演奏はウィーン・フィルらしく柔らかくふっくらしたもの。
音色もとても美しく輝かしい。

ただし指揮はマゼール。この人は、何か手を加えないと気が済まないんだろうなぁ。
この「ボレロ」、ラストでビックリ。ものすごいテンポ。
ブレーキがかかったような感じ。全く面白い。何度も聴いていると、抱腹絶倒。
「ここまでヤルか?」と云った演奏。

序盤からラストまでとても美しい演奏だけに、最後の最後で落とし穴を仕掛けられたような感じ。でも面白い。

これ、マゼールの嫌いな人はますます嫌いになるんじゃないかと思われます。
お勧めはしません。でも面白いです。

マゼールはセカンド・チョイスの人。
ある曲に親しんでから、同曲異演盤をもう1枚、というときには是非マゼールを。
親しんだ曲が、別物のように聞こえてしまう・・・魔術のような演奏が時々聴けます。

といって、期待して買ってみると、「何じゃ、ちっともおかしくないじゃないか」という演奏もあって・・・・。つまり、「スカ」も結構ある人で・・・・。
いや面白いですな。
2005/12/04のBlog
師走であります。週末と休日、連日の忘年会であります。
酒が飲めないボクはもっぱら同僚や友人の運転手であります。
今治、新居浜、松山・・・・・東へ西へ。オイ、おまえら感謝せえよぉ(^^ゞ。
出てくる料理を味わう楽しみしかボクにはありません・・・。

ここのところ瀬戸内の鯛とヒラメの刺身が出てきます。旨いです。
あ、カレイもボツボツ上がっているようで、これも旨いです。

この淡泊で微妙な味わい・・・・ん~~、そうや、今日はモーツァルトを聴こう。

で、取り出したのは交響曲第39番変ホ長調K.543。

コリン・デイヴィス指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1981年10月の録音。クレジットはないが、おそらく、ドレスデンのルカ教会での録音だろう。
当時、SKDを指揮して何枚かデイヴィスがモーツァルトを録音したもの、これをまとめたフィリップスの2CDシリーズの廉価盤。

モーツァルトの39番シンフォニーは、オーボエがない。
オーボエの独特の甲高い響き、時にきつくなる響きがないので、この曲は優美で柔らかい曲になる。「モーツァルトの白鳥の歌」と称される所以だろう。


第1楽章はゆったりとした序奏部で始まる。演奏スタイルは1980年代までの昔ながらの重厚なものなのだが、ドレスデン・シュターツカペレのアンサンブルが緊密でよく融け合っているので、見通しがよい。落ち着いた歩みの中で響くフルートの音色が絶品。涼やかな風のように、オケの中央からこちらに吹いてくる感じ。澄みきった音は、これからの演奏の素晴らしさを予感させるもの。
主部に入っても堂々たる歩み。骨格逞しい演奏になっている。オケの響きは厚いのだが、ヴァイオリン群の音は抜けが良く、至って爽やかに響く。

第2楽章はアンダンテ・コン・モート。デイヴィスはどちらかというと、手管を弄せずに直截的な指揮をする人だと思うのだが、この楽章では繊細で淡い抒情が漂う素晴らしい演奏になっている。特に、短調のトゥッティがフォルテで鳴るときの痛切な響きが素晴らしい。
クラリネット2本とフルートの掛け合いも美しいし、ファゴットのひなびた響きにも微妙なニュアンスが漂う。

第3楽章は至高のメヌエット。精力的な弦楽合奏と、モーツァルトの「白鳥の歌」にふさわしいトリオ。アンサンブルは、さすがにドレスデン・シュターツカペレ、弦楽器も管楽器も見事に融け合って美しい。ヴァイオリンのレガートが艶めかしいくらいに美しい。
そして、クラリネットとフルートのトリオ。優雅で上品で、そこはかとなく哀しさが漂う、これは名品だと思う。いつまでも聴いていたい音楽。ああ、まさに「白鳥の歌」だなぁ。モーツァルトの余命僅かということを、つい考えながら聴いてしまう。

第4楽章、フィナーレはアレグロ。ここでもアンサンブルが見事で、聴き手を幸福にさせる音楽に満ちている。フルートとファゴットの掛け合いも綺麗だし、そこにかぶってくるストリングスの清涼感も実にイイ。テンポはあまり速すぎず、指揮者とオケが一体となって壮麗で、まさに堂々と終曲を迎える。何という安定感。安息を感じる演奏。


録音も最高水準。いつも褒めるが、ホンマに「さすがフィリップス」。
我が家のステレオと実に相性がよろしい。
2005/12/03のBlog
ボクがクラシックを聴き始めたのは1980年代に入ってからでありまして、大学生の頃であります。それまではフォークソングばかり聴いておりました。(ニュー・ミュージックなどという言葉もあったが、今やかえって古くなってしまった。いや、すでに死語か?(^^ゞ)。
田舎の少年、クラシック音楽を聴く環境もなかったんですな。

クラシック音楽を聴き始めた頃、NHKのFM放送には随分お世話になった。
朝6時からは「バロック音楽の楽しみ」、午前8時から11過ぎまで「朝の名曲」「音楽の部屋」、午後1時から3時までまたクラシック番組。4時近くに若手のスタジオライヴ演奏の番組。夜7時20分から延々とクラシックの実況録音の番組(ザルツブルクの音楽祭とか、海外のコンサートをNHKが放送権を得て日本国内で流していた)・・・・。1日8時間以上、NHK-FMの3分の1はクラシック番組だった・・・・・・今思い出しても、黄金時代やなぁ。
FM雑誌も盛んに発行されていた。「週刊FM」、「FMレコパル」、「FMファン」・・・・。(クラシックの記事が充実しているので、ボクは「FMファン」を買っていた)


午前9時からの番組「音楽の部屋」、そのテーマ音楽は今も覚えている。
「パッヘルベルのカノン」。そして、その演奏はジャ・フランソワ・パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団だった。

パイヤールは何度かこの曲を録音しているのだが、これは古い方。1980年代になってデジタル録音したのだが、演奏は断然古い方がよろしい。

古楽器が当たり前となった現在の耳で聴くと、何とロマンティックな演奏かとも思う。ケバイほどの厚化粧と云ってもいいかもしれない。

でもこの演奏がイイんだなぁ。

カノンの開始は、ピチカート。このピチカートがとても品が良くて、落ち着いていて、ゆったりとして心安らぐ。
やがてヴァイオリンが重なってくる。その音色がか細く、とても優しい。柔らかく頬を撫でてゆく感じ。そよ風のようなストリングス。

カノンだから、あとは楽器が加わって、旋律が少し変化して、徐々に盛り上がってゆくだけの・・・・・いわば単純な音楽なのだが、ホンマに心が洗われて、どんどん気持ちが落ち着いてゆく。
シンプルで全く美しい旋律。寄せては返す波のように聴き手を包み込む。
ラストは暖かく盛り上がり、いつしか精神が浄化されてゆく・・・・。

全曲で7分10秒。ボクが知る限り、最も遅いパッヘルベルのカノン。
この遅さに慣れてしまうと、他の演奏は速すぎて、素っ気なく聞こえてくる。
古楽器団体の演奏は、概して速く、サッサと終わってしまう(速いところが、古楽器演奏の良さなのだろうが)。あのコレギウム・アウレウムも速かった。

「アダージョ・カラヤン」で話題になったが、カラヤンなども速すぎる。
ミュンヒンガーやバウムガルトナーあたりが結構ゆったりしていて良い。
ということは、往年の(古いタイプの)演奏がボクには相性がよいということか。

大好きな曲であり、思い出の音楽。
パイヤールの演奏を聴くたびに、クラシック音楽を聴き始めた頃、夢中になってステレオの前に座り、大学をサボってエア・チェックにいそしんだ頃を思い出します。
素直に、謙虚に、むさぼるようにクラシックを聴いていた頃。
素晴らしい音楽に飢えていた頃、ガツガツと音楽を吸収していた頃。

曲のレパートリーとレコード・CD所蔵枚数はあの当時と比較して、天文学的に増えました。
でも、態度はいい加減になってきちゃいました・・・・・(^^ゞ
もっとマジメに聴かにゃぁ・・・と思うのであります。
2005/12/02のBlog
昨日、久しぶりに職場でレクリエーション。
バレーボールだったのだが、ふだん使わない筋肉を使ったんでしょうな、これも久しぶりに筋肉痛。ジョギングとは違う筋肉らしく、腕や肩、脇腹が痛い・・・。
おそらく明日の方がもっと痛い・・・・・・・。若い頃は、翌日痛くてあとはケロッとしていたものだが、トシを取ると、翌々日ほど痛くなる・・・・・・ううむ。

さて、それとは無関係に、晴れやかな交響曲を。

モーツァルトの交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」。

ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団の演奏。
録音はミュンヘンのヘラクレス・ザール、1980年6月8日の1日のみのテイクらしい。(ライナー・ノートによればこの翌日に「ハフナー」、10日に39番を録音しているようだ)。
モーツアルト後期交響曲集として3枚組で発売され、名盤として誉れ高いもの。
演奏スタイルは、今の耳で聴くと、もうかなり古くなっているのだろうが、古楽器がイマイチ好きになれないボクには、安心して、心落ち着いて聴ける最高のスタイル。
オケの配置は、いわゆるヴァイオリンの対向配置。弦の音がきれいに溶け合い、得も言われぬ味わいを醸し出す。部屋中にバイエルン放送響の、南ドイツ風の柔らかくやや明るい弦の音が充満してくるのは、実に心地よい。

第1楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェ。クーベリックの開始は実に堂々としている。モーツァルト最後のシンフォニー、しかも最高の名曲の開始にふさわしいたたずまい。「ジュピター」は、こうでなくちゃ。セカセカした演奏では、味わいが薄れるように思う。
クーベリックのテンポはやや遅めか。その分、個々の楽器がどんな風に弾いているのかが聴き取れて面白い。オケのアンサンブルはもう完璧で、両翼配置の気持ちよい融け合いに酔いそう・・・・・(^^ゞ。

第2楽章のアンダンテ・カンタービレ。テンポは中庸で、慎ましい歌が上品でイイ。特に楽器の数が少なくなるところでの流れるような演奏は、美しい貴婦人の風情。素晴らしいアンダンテだし、品の良いカンタービレ。イタリア系の指揮者が振ると、もろに「カンタービレ」になるのだが(例えばアバドやムーティ)、クーベリックの演奏は、内声部の動きも充実していて、旋律線が上滑りにならないのがエエなぁ。

第3楽章メヌエット。モーツァルトの書いた最後のメヌエット。クーベリックの演奏は、ここでは重厚に聴かせる。軽くない、堂々としたメヌエット。オーボエやフルートの音色が特にいい。ストリングスの強さと、木管の柔らかさとが対照的。でも、いや、だからこそ、素晴らしいモーツァルトのアンサンブル。手兵バイエルン放送響を振るクーベリックの心も気持ちよかったことだろうな。

終楽章フィナーレはモルト・アレグロ。古今東西のクラシック音楽の中で、最高のフィナーレの一つ。
クラシックを聴き始めた頃、自分の気分がどんどん高揚してゆくこの楽章だけを何度も繰り返して聴いたものだ。フーガの魅力にとりつかれたんですなぁ。(と、こういう形式を「フーガ」ということはあとあと知ったわけなのだが・・・・)
クーベリック/バイエルン放送響の「力」が充満する楽章。ヴァイオリンを初めとした弦の、やや明るくしかも落ち着いた響き。管楽器の達者な技術と柔らかい音色。オケと指揮者が一体となって、どんどん上昇してゆくフィナーレ。プラトンの云う「イデア」的な解決がここにある。

ああ、エエ音楽を聴いたなぁ・・・・。ホンマにクラシックってエエなぁ。
毎度、エントリーの最後に、お決まりのフレーズだが、いやホンマに、こんな音楽を聴いていると、人生ってエエなぁと思います。
2005/12/01のBlog
12月。師走であります。慌ただしくなります。
だいぶ冷え込んできました。銀杏も真っ黄色に。
日の落ちるのも早くなって・・・・。

寒くなってくると聴きたくなる曲がありますな。

今日はチャイコフスキーの交響曲第6番ロ短調「悲愴」。
カルロ・マリア・ジュリーニの指揮、ロサンゼルス・フィルの演奏。1980年11月、ロスのシュライン・オーディトリアムでの録音。国内発売は1981年12月のDG盤。最近、ユニヴァーサルの巨匠シリーズで再発売された。

これは、懐かしい演奏。ジュリーニらしく歌に満ちた爽快な名演だった。
この当時、ジュリーニ/LAPOは絶好調。ベートーヴェンの「運命」、ブラームスの2番、シューマンの「ライン」と矢継ぎ早に録音・発売され、そのすべてが名演奏だったのだから、スゴイ。「運命」はこの間エントリーしたが、「ライン」やブラ2も、ホンマにいつでも書いてみたい名演奏であります。

さて、今日は「悲愴」であって・・・・・・。

第1楽章の開始、じっくりとゆったりと始まる。重々しくならない開始。
オケがアメリカ西海岸のオケだからというわけではないのだが、サラッとした明るいチャイコフスキーであり、「悲愴」になっている。鬱々として暗い感情が渦巻く楽章のはずが、あまり暗さを感じさせず、かえって爽やかさを漂わせるのは、ジュリーニの個性だろう。テンポはやや遅めで安定している。

第2楽章アレグロ・コン・グラツィア。泣いているような、微笑んでいるような楽章なのだが、ここでもジュリーニの歌が素晴らしい。弦のユニゾンが特に美しく、背後で鳴る管楽器も品がよい。以前のロスPOだったらバリバリ鳴らすところだが、慎ましく吹いているのがとても好ましい。

第3楽章のアレグロ・モルト・ヴィヴァーチェは、響きがスッキリしているのが特徴。管楽器はよく鳴るが、ノーテンキにバリバリ鳴らしたりしない。それぞれの楽器がよく分離して、響きが濁らないのがイイ。録音のせいかもしれないが、そのスッキリ感が、爽快さを漂わせるのだと思う。

第4楽章フィナーレはやや遅めのテンポだが、後年のジュリーニの重さはない。ゆったりと美しいアダージョが聴ける。哀しさの極みのような旋律なのだが、第1楽章同様で、「悲愴」にならない。
特にストリングスが美しい。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが旋律を受け渡ししながら、長いメロディを奏でてゆくところなど、ものすごく精妙で最高のできばえだと思う。新しい交響曲が今生まれたような新鮮さも感じられるのは、ロスPOの好演もあるが、やはりジュリーニ指揮の賜物だろう。

今思えば、この指揮者とこのオケ、とても良いコンビだったんだなぁ・・・・。
奥さんの病気とはいえ、ジュリーニが早くにロサンゼルスを去ってしまったのは、残念なことだった。

録音はデジタル初期。この時期のDG録音は、ややペタッとした感じで平面的。
もう少し奥行きがあれば良いんだが・・・・・特にこの演奏では弦と管のバランスが素晴らしいので、もう少し奥行きのある音で聴いてみたいものだと・・・やや贅沢な感想でありました(^^ゞ。
2005/11/30のBlog
月末で大忙し。もうすぐ12月。今年もはやあとひと月。
やれやれ、トシを取ると月日が全くはやく過ぎ去ります。

そして、トシを取ると過去のレコードばかり取り出しておりまして・・・・・(^^ゞ

今日は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番ト長調作品58。
フリードリヒ・グルダのピアノ、ホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。1971年、ウィーンのソフィエンザールでのDECCA録音。
LPの番号はK15C9034、キングから1980年10月に発売されてた廉価盤。懐かしいレコードであります。このレコードが刷り込みとなって、ベートーヴェンのピアノ協奏曲と言えば、「皇帝」よりこの4番の方が好きだし、ピアニストのグルダも指揮者のシュタインも大好きになった。

グルダの弾くピアノはベーゼンドルファーのインペリアルだったはず。
低音はホンマに豊かで柔らかく、ずっしりと重みを持って聴き手に迫ってくる。
高音は軽やかで輝くようになるのだが、少し丸みを帯びてミルク色に輝く感じの音色。透明感としっとりとした肌触りを併せもつ素晴らしい高音。グルダのソロのところなど、この音が部屋中に満ちるのだから、もう幸福の極み。たまりませんなぁ。

バックのオケも素晴らしい。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番・・・・・・ふつうはソフトな管弦楽伴奏が多いのだが、シュタインの指揮は剛毅で、フォルティシモなどビックリするほど音量が大きい。DECCAの録音効果のためだけではないとボクは思う。ウィーン・フィルだから、響きそのものはゴツゴツしてはいないのだが、指揮者はゴツゴツとドイツ精神を発揮するかのような指揮ぶり。第3楽章のラストの方、ロンドの再現部でのオーケストラのトゥッティなど、ビックリする。でも、効果バツグン。ベートーヴェンだものね、いくら4番だからといって優美だけじゃダメだよな。このくらい、ガッツある伴奏だと、ピアニストもヤル気が出るだろうなぁ。

楽器の音色も素晴らしく、特にホルンやオーボエはいかにもウィーン・フィルの音。ややきつめの、尖った感じの音色など、聴いていて「あぁ、ウィーン・フィル!」と叫んでしまいそう(^-^)。
現代のウィーン・フィルの録音だと、こういうオーボエの音色が聴けないように思う。今は、もう少し甘く柔らかく録っている。DECCA録音は今も素晴らしいとは思うが、1960年代から1980年代のDECCAは、他のレーベルの冠絶して名録音を次々に発売してくれた、その良さがこのレコードにはある。

それにしてもグルダのピアノ。第1楽章から自由自在に弾きまくって、則を越えない素晴らしさ。音色は先に書いたようにベーゼンドルファーの魅力に満ちているし(しかも名にし負うDECCA録音だ)、速いパッセージの目も眩むようなテクニックも最高。目も眩むというより、グルダの指が最高速で回転すると、一つひとつの音が粒立って、キラキラと輝きながらこぼれるような感じ。
第1楽章と第3楽章では、その魅力を満喫できる。
時に激しく、時に優美にピアノが響き、剛毅な(時に柔和な)オーケストラと丁々発止と向かい合う。これぞ協奏曲。

第2楽章では一転。遅く、ゆっくりとたゆたうピアノを楽しめる。憂愁の情感もたっぷり。弱音がソフィエンザールの天井に届いて静かに消えてゆく美しさ。これも最高。
ウィーン・フィルの低弦の迫力も楽しめるし、実にいい音で録音されている。


聴き始めて25年。
1年に2~3回は聴くので、さぁ、もう何回聴いたのかな。
いまだに飽きないボクの名盤であります。

2005/11/29のBlog
秋から冬、クラシック音楽の鑑賞には良い季節であります。
ステレオの前に座る時間が長くなります。イイ音楽を聴いてエエ気分になって、ウトウトするのは最高の気分ですな。王侯貴族もかくありなん・・・・(^^ゞ

しかし、Doblogの重さよ。日中・夜間はもちろん、早朝も重くなってきました。
これ、いよいよ移転を考えなくちゃならない、ってことかもしれません。
ご覧いただいている方にはご迷惑をかけております。申し訳ありません。
(アダルト系のTBの多さにも辟易しております)


さて、今日は、ベートーヴェンの交響曲第7番イ長調作品90。
チャールズ・マッケラス指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルの演奏。1992年6月、リヴァプールのフィルハーモニック・ホールでの録音。EMI原盤で、全集はCD5枚組。

この全集は、ベーレンライター版を最も早く使用したと思われる演奏。
のちに、ジンマン/チューリッヒ・トーンハレ管の全集が超廉価発売と相まって大評判となったが、マッケラス盤の方がその過激なスタイルでの演奏として早かったように思う。
まぁとにかく速い。快速。
どんどん進んでいって36分程度で終わってしまう。
リズムが沸きたつようで、弾みまくる快適さ。バッカス万歳。まさに「舞踏の聖化」。
オケは二管編成で、爽快な響き。古楽器かなと思うほど、響きが透明で、ホールを突き抜けるようなスッキリ感がある。でも、少人数の「現代オケ」。
そして、いわゆるヴァイオリンの対向配置。これが効果バツグンなのだ。


初めから終曲まで、一気呵成に持って行ってしまう。トロくさいところなど、まるでなし。
そもそも7番シンフォニーには「ゆっくり」のところがない。痛切で哀愁を帯びた旋律と表情を持つ第2楽章も、緩徐楽章ではなく、「アレグレット」なのだから。

第1楽章からまさに快速テンポ、。緩んだり甘くなったりせず、辛口の表情づけでどんどん進んでゆく。フレージングも短く、アーティキュレーションもぶった切る感じ。セカセカした感じがせず、颯爽とした印象を受けるのは、オケが巧いせいか。ロイヤル・リヴァプール・フィル、侮りがたし。対向配置の効果バツグン。左右のスピーカーから交互に会話するヴァイオリンを楽しめる。

第2楽章は、今まで濃厚な表情づけの演奏を聴いてきたので、初めてこのマッケラス盤を聴いたときには、やや素っ気ない印象を受けた。でも、全曲を見通すと、ここで弛緩するわけにはいかないのだ。サラサラした抒情が流れて、慎ましく哀しみの感情が語られる。
第3楽章から俄然盛り上がり、終楽章まで上昇カーブを描く。テンポはどんどん速くなってゆく感じ。ヴァイオリンの対向配置がここでも効いている。非常に面白い。ティンパニの荒々しい音も良い。響きは最後まで爽快、やや明るく屈託ない演奏でもある。


別にHMVの回し者ではありませんが・・・・(^^ゞ、HMVのクラシックの通販ページでバーゲン価格になっていました。
安いなぁ・・・・・・。
少人数オケの爽快な響きを楽しめるこの演奏、お勧めであります。
ジンマン盤を楽しめた人には、マッケラス盤も楽しめるでしょう。ただ、ジンマンのような即興(スタンド・プレー?)はありません。


2005/11/28のBlog
出張で松山へ。桜三里を車で走ると、いやはや、ホンマに今年は紅葉が遅い。
山間部でようやく色づき始めたところ。
例年より3週間ほど遅いのではなかろうか。
もう少し気温が下がらないと、綺麗な紅葉にはなりそうもありませんな。


さて、ここのところ、マーラーづいております。
今日は交響曲第4番ト長調。

演奏はガリー・ベルティーニ指揮のケルン放送交響楽団。ソプラノ独唱はルチア・ポップ。1987年11月、ケルンでの録音。EMIフランスの廉価盤(1番から5番までの選集)で購入。
最近、「大地の歌」や10番までを含む全集が発売されて、購入するかどうか思案中。
ベルティーニの6番以降は聴いたことがないので、是非聴いてみたい。しかも輸入盤なら11枚組で7,000円程度の廉価盤。「大地の歌」や9番は世評高いしなぁ・・・・。
この選集も、名演揃い。「復活」も3番も良かった。それだけに全集欲しいなぁ。でも、ダブってしまうしなぁ・・・・・。
ダブリ買いの時は、職場の同僚(コイツはまさに盤鬼!)にでもやるか・・・・。

さて第4番ト長調。

第1楽章から、響きが素晴らしい。オケがよく鳴るし、見通しが大変良い。微細なところまで精密に演奏している。細部にこだわりつつ、スケールは小さくならずに、マーラーの管弦楽曲法の秘術が見えてくるような演奏。そして、大変に「美しい」。
音が綺麗で、造形も美しい。これがベルティーニのマーラーの持ち味のような気がする。録音も良い。EMIなのに、よく鳴る(^^ゞ。調べてみると、東芝のスタッフが現地に飛んで録音に関わったという。なるほど。ならば良いはずだ・・・。

第2楽章では、悪魔的なヴァイオリンが聴きものなのだが、醜悪な姿の悪魔ではなく、大変にスタイルの良い悪魔になっている。非常に音が綺麗で、本来、軋むような音でもベルティーニにかかると美しくなってしまう。不思議な指揮者やなぁ・・・。この人、ナマ演奏を聴いたことがないので偉そうなことは云えないが、耽美主義者ではなかろうか・・・。

第3楽章のポコ・アダージョ「平安に満ちて」・・・。何度聴いても、心が洗われる。いつまでも続いて欲しい安らかな音楽。ベルティーニの演奏では、これがまた、極上の美で迫ってくる。ストリングスのアンサンブルは精妙を極め、ため息が出るほど美しい。

そして終楽章のルチア・ポップ!この透きとおった、爽やかで上品なソプラノは、なかなか聴けるものではない。ポップの独唱はテンシュテット盤でも聴けるが、ベルティーニの演奏で聴く方が数段美しい。(テンシュテット盤でもポップの声は変わらないのだが、オケがあまり綺麗ではない。テンシュテットは音楽の美しさにはあまり関心がないような指揮をする人だとボクは思う)。独唱の間の管弦楽も素晴らしい。じっくり聴かせる音楽になっている。


う~~~ん・・・・・7,000円、工面しなければなるまいなぁ・・・・。
2005/11/27のBlog
元旦の飛行機は安い・・・・。松山~羽田が片道10800円だそうで、それなら今年の冬は帰省しようと、息子2人を含めて3人分を購入。(ふだんは25000円でしょ?)
三男坊は何度も合唱で東京に行っているし、今年は高校のお受験だから妻と留守番。帰りはのんびり新幹線と瀬戸大橋線で良いわけだし、正月だから混んでもいないだろう・・・・。御茶ノ水のディスク・ユニオンは正月何日から営業するんだ?・・・・と気になる我がサガが情けないが・・・・・(^^ゞ。

さてさて、今日はベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調「英雄」。

演奏は、レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィル。1978年2月、ウィーンのムジークフェライン・ザールでのライブ録音。

大学生の頃、昼飯を抜いて金を工面して、初めて買ったベートーヴェン全集からの1枚。LP8枚組16,000円、大学生協で買うと2割引で12,800円也。LPの箱を持って帰るのも重かったが、演奏も素晴らしくすべてボクには重かった。その後CDで全集を買い直したが、今も大切に聴いているベートーヴェンであります。

全集の発売は1980年4月。クラシック音楽を聴き始めて間もない頃、道案内は音楽之友社の『レコード芸術』だった。その『レコ芸』などが主催するレコード・アカデミー賞の、これは大賞を獲得した名盤(と、当時はTBSの「レコード大賞」のようにワクワクしながらアカデミー賞を楽しみにしていたし、バーンスタインの全集が大賞を取ったというのは我がことのように嬉しかったことを覚えている・・・・・^^)。

第1楽章アレグロ・コン・ブリオ。バーンスタインの指揮は冒頭の和音から熱気に溢れ、グイグイ前に進んでゆく。見事な「コン・ブリオ」だと思う。オケもバーンスタインに触発されて大変に熱い。弦楽群が激しくリズムを刻みながら、作曲者の怒りにも似た感情を爆発させてゆく。歩みは堂々としているのだが、重くならない。若々しく、燃える情熱をたぎらせた演奏。

第2楽章の葬送行進曲も堂々たる歩み。テンポはじっくりと落ち着いていて、あたりを払う威厳さえ伴う。強奏でのホルンの咆吼が凄まじい。猛烈な音。右手奥の方から、嵐が吹き上がるような音で、睥睨する。英雄の哀しみ、激情とでも云うべきか、バーンスタインの演奏は実に劇的。演出というより、バーンスタイン自身がこの葬送行進曲にのめり込んでいる感じ。ベートーヴェンの魂が憑依しているような感じさえすると云ったら、言い過ぎかな・・・・(^^ゞ。

第3楽章のスケルツォも第1楽章と同じく推進力に満ちた名演。管楽器の音色が、さすがウィーン・フィル、とても美しい。弦楽器の艶やかさもいつも通り。ライヴ録音のハンデを感じさせないDGの録音も見事だと思う。アナログ録音の最末期、素晴らしい臨場感の録音になっている。

終楽章フィナーレはアレグロ・モルト。速い。目眩くような変奏曲。ウィーン・フィルのソロの名人芸を楽しめるし、ストリングスの輝かしさも味わえる。バーンスタインの指揮は弾むよう。愉悦に満ちた素晴らしい終楽章だと思う。


低音が強調された録音でもあります。重厚な音です。
ただ、ドイツ的な重厚さと云うより、バスの強調の上に、輝かしいウィーン・フィルの音が乗っかっているという感じの録音。
ホンマにライブかいな?と思わせる名録音だとボクは思います。
2005/11/26のBlog
来年はモーツァルト生誕250年だそうな。
レコード雑誌などでボツボツそんな広告を見かけるようになったが、没後200年の時のような大騒ぎにはなっていないようです。あのときは、騒々しかった・・・・と言いつつ、実はだいぶ買い込んだんですが・・・・(^^ゞ。
その誕生日1月27日は、ボクと妻の結婚記念日でもあります。大雪の日でありました。この記念日は、当然毎年やって来ますので、もちろん毎年「○周年」と祝うのであります・・・・・・。

さて、そういうわけで今日は、モーツァルト。
協奏交響曲変ホ長調K.297b。
ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団の演奏。1983年7月、ロンドンでのフィリップス録音。
独奏者がスゴイ。フルートがオーレル・ニコレ、オーボエはハインツ・ホリガー、ホルンはヘルマン・バウマン、バスーンがクラウス・トゥーネマン。錚々たるメンバーやなぁ。

従来の演奏はクラリネットだったものを、コンピュータ分析によってフルートに代えているのと、オケ・パートもオリジナルに近い形に復元している・・・・ということらしい。K.297bそのものも、真作なのか贋作なのか問題だったはず。
しかし、素人のボクにとってはその辺はどうでもよろしい。そんなことを遙かに超えた、この作品は名作であるし、しかもこの演奏は美演だから(^-^)。

第1楽章のアレグロから、もうウットリしてしまうほど美しい演奏。それぞれのソロが蕩けるように綺麗で、しかも巧い。複数の楽器が絡み合う場面が何度も出てくるのだが、全く、ため息が出るほど美しいアンサンブル。悦びに満ちた演奏というのは、こういうのを言うんじゃないか。ソリストたちお互いが、微笑みながら演奏しているのが聴き手に伝わるアレグロ。

第2楽章のアダージョが、これまた絶美、至高の美しさ。(と、チョイと大げさだが、そう書いてしまいたくなるほど綺麗なんだから、もう仕方がない)。フィリップスの録音が良いのだろう、それぞれの楽器が持ち味を十分に出した音色で、しかも統一感のある音響に仕上がっている。演奏も良ければ録音も素晴らしい、見事な音場空間。2つのスピーカーの間に、4人のソリストが楽しくえんそうしている姿が見えてきそうな感じ。

第3楽章はアンダンティーノ・コン・ヴァリアッツィオーネ。主題と十の変奏曲。
ニコレのフルートは清涼感たっぷりでかつ格調高く、ホリガーのオーボエはやや細身の音色で透明感があるし、艶も十分。
バウマンのホルンは奥ゆかしく、時には野太く、荒々しくならずに、包み込むような豊かさで響く。トゥーネマンのバスーンは、ニュアンス豊かで、オシャレでユーモアもある。4人4色なのだが、均整の取れた統一感の中で演奏しているのが良い。時に、即興的なところもあって心憎いばかり。

マリナーの指揮も最高(と褒めてしまう^^)。4人のプレイを十分に引き出しつつ、アンサンブル完璧なバックだもの。

聴いているだけでウキウキしてくるような演奏。
いつまでも大切にしたい名盤であります。
録音も最高。フィリップスさすが。
2005/11/25のBlog
今年の銀杏、黄色く色づくのがどうも遅いようです。
職場近くに多くの銀杏があるんですが、落ち葉になるのが今年は遅い・・・・。
例年なら、掃除が大変なのに・・・・暖冬、地球温暖化なんでしょうかね・・・。
もう12月が近いのに、緑の葉も多く、チョイとボクは心配しております。

さて、今日は定盤、懐かしい名盤を。
シューベルトの交響曲第9番ハ長調D.944「グレート」。
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団の演奏。1959年1月、ハリウッドでの録音、CBS盤。

録音当時のプロデューサー、ジョン・マックルーアが、1980年代初頭に、オリジナルのマルチ・チャンネル・テープから新しくトラック・ダウンしたマスターでCD化されて話題になったもの。今から46年も前の録音なので、さすがにヒス・ノイズは大きいのだが、素晴らしい音になっている。リミックスが成功した例だと思う。特に。ヒス・ノイズを触らずに、当時のオケの音を再現させようとした意図が良かったのだろう。


ワルターの音楽は、とにかく、暖かく優しい。
肌触りが柔らかくぬくもりがあって、哀しいところでも微笑んでいるような演奏。
「深く切れ込んでゆく」とか「鋭く迫る」ような演奏とは無縁の、どちらかというと、ほのぼの系の演奏。激情に駆られたりしないのだ。

このシューベルトも、そんなワルターの魅力全開の素晴らしい演奏になっている。

第1楽章序奏部の、実にゆったりしたテンポ。遅い、とにかく遅い。そのゆっくりした歩みの中で、おおらかな歌が響く。ホルンの豊かな歌が印象的。木管もひなびた音色で、歌い上げてゆく。最強奏でも、音楽が崩れないのはさすが。コロンビア響も、響きがやや薄手だが健闘している。
主部の手前でアッチェランドがかかって、豪快で堂々とした音楽に変化してゆく。しかし、そこはワルター、いたずらに大げさな音楽にせず、「歌心」を込めて演奏させてゆく。

第2楽章のアンダンテ・コン・モート。木管の「歌」がこの楽章を貫いてゆく。響きも良い。オーボエやクラリネットの懐かしい響きが何とも云えない。バックの弦楽の刻みにさえ歌があるのだから、たまらない。肌触りも柔らかく、時にむせかえるようなロマンの息吹を感じる楽章になっている。

第3楽章はスケルツォ。速度記号はアレグロ・ヴィヴァーチェだが、そんなに速くない。リズムもあるが、ワルターの歌がやはり素晴らしい。ストリングスが、時にうねるように「歌」を紡いでゆく。テンポが微妙に揺れるし、フレージングも少しずつ変化する。これは巨匠の芸か。

終楽章もアレグロ・ヴィヴァーチェ。金管の咆吼が盛り上がり十分なのだが、ハデハデにならないのはワルターの趣味だろう。ワルターの棒について、オーケストラも精一杯演奏しているのが分かる。こういう演奏はエエなぁ。