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クラシック音楽のひとりごと
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2006/02/17のBlog
ここのところ、実に平凡に職務をこなしております。
遠方への出張もなく、家を空けることもなく、仕事の上での特に大きなトラブルもなく、(小さなトラブルは毎日のように起こり、常に処理に追われていますが(^^ゞ)、呑気にブログを書いて過ごしております。いやはや。

さて、今日もマリナーのCDを聴いてみました。
ボクはこれ、名演奏・名録音と思うんですが・・・・。

それは、メンデルスゾーンの劇音楽「真夏の夜の夢」抜粋盤。

ネヴィル・マリナー指揮フィルハーモニア管、アンブロジアン・シンガーズの演奏。ソプラノはアーリーン・オジェー、メゾ・ソプラノはアン・マレイ。
1983年3月、ロンドン録音のフィリップス盤。CD発売間もなく、デジタル初期の名録音。


メンデルスゾーンは、古典派とロマン派をつなぐ、初期ロマン派としか云いようのない独特の音楽家だとボクは思う。

古典的なスタイリッシュな曲でありながら、時々むせ返るような感情の沸騰がある。ロマン派だわなぁ・・・・。
といって、後期のようなギラギラした管弦楽ではなく、清涼飲料水のような爽やかなオーケストレーションで、聴き手を惹きつける。
旋律は流麗で、時に感傷的なほど美しく、リズムは概して軽やかで、ドロドロしたところがない。

劇付随音楽「真夏の夜の夢」は、そんなメンデルスゾーンの個性が、素晴らしく発揮された名品。
このマリナー盤は、その10曲を演奏した抜粋盤。

1970年代後半から、マリナーは大きなオーケストラを指揮することも多くなり(コンセルトヘボウ管との「惑星」あたりが手始めだったか)、ご当地イギリスのフィルハーモニア管などをしばしば振るようになっていた。

演奏は、それぞれのナンバーが的確に描き分けられ、造形も非常によく整っている端正なものになっている。

「序曲」は快速なテンポで、一陣の風が吹き抜けるような爽やかさ。スカッと気持ちいい演奏。リズムがよく弾んで、軽やか。
ストリングスのしなやかさは、聴いていて全く心地よい。特にヴァイオリンの音色がイイ。フィリップス録音の素晴らしさだとは思うが、柔らかく繊細なこのヴァイオリンの音色を聴いているだけでも快感。

「スケルツォ」や「妖精の行進」は、弱音が特にデリケート。弱音の優しい響きがたまらない。

「夜想曲」のホルンの柔らかく甘い音色も格別。ホルン同士のアンサンブルも美しく、豊かな響きがステージに広がってゆく感じ。途中のクラリネットの音もイイ。これも甘い響き。こんな美しい音を出すんだから、フィルハーモニア管の管楽器は巧いなと思う。

「結婚行進曲」はやや速めのテンポでスッキリ。金管の音が上品で、高貴な人々の結婚式という感じ。アンサンブルが綺麗で、聴きごたえあるトゥッティ。とても美しい。迫力も十分。

二人の女声パートも清楚で美しい歌唱。マリナーの世界にすっかり溶け込んで、柔らかく夢見るような歌唱を聴かせてくれる。


それにしても、素晴らしい録音。
オケの隅々まで見える見通しの良さ、ダイナミック・レンジの広さ、各楽器の解像度の良さ、残響も十分。いやはや、20年も前の録音とは思えない鮮やかさであります。

今聴いても色褪せない名演奏・名録音と思います。
で、どうも廃盤のようなんですが・・・惜しいなぁ。
フィリップスにはレコード・アカデミー賞の名盤、プレヴィン/ウィーン・フィル盤があるからかな?
こちらマリナー盤の方がエエとボクは思うんですが。

2006/02/16のBlog
暖かい朝でした。そして、春の雨。
蕭々と降る雨は、春の息吹でしょう。

さて、最近、オペラを聴くのは抜粋盤ばかり。
長い時間、ステレオの前に坐っていられないのと、聴き始めても途中寝てしまうことが多いのと・・・・・(^^ゞ。

大好きなモーツァルトの歌劇『フィガロの結婚』も抜粋盤で。

ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管とアンブロジアン・オペラ合唱団の演奏。
合唱指揮はジョン・マッカーシー。ハープシコード演奏ジョン・コンスタブルミット。
1985年のフィリップス録音。
発売当時は、録音が良いので話題になったもの。指揮もキャストもやや小粒だが、セカンド・チョイスには良いんじゃないかと云われた演奏。

配役は、なかなか豪華。タイトル・ロールのフィガロはホセ・ファン・ダム、伯爵にルッジェーロ・ライモンディ、伯爵夫人は名花ルチア・ポップ、スザンナにバーバラ・ヘンドリックス、ケルビーノは重量級でアグネス・バルツァ。脇役陣もなかなかの歌唱を聴かせてくれる。バジリオ(アルドン・ボールディン)やマルチェリーナ(フェリシティ・パルマー)、バルトロ(ロバート・ロイド)など巧いもんだ。

マリナーの指揮は、全体的にリズムがよく弾んでしなやか、軽やか。大変スマートな指揮と云えると思う。
序曲は快速なテンポで、颯爽としている。強弱の幅が大きく(録音が良いのでダイナミックレンジが大きい)、スポーツの後の爽快感が味わえる演奏。
アリアやレチタティーヴォでの、きびきびとした伴奏は気持ちよい。次はどんな歌唱になるのかな、と聴き手をワクワクさせる伴奏とでも云おうか。


ポップの伯爵夫人!これはもうボクはポップファンなので、彼女の歌唱は何でも好き。
彼女の伯爵夫人は若々しい。結婚して何年も過ぎてしまった年増・熟女ではない。大変若く魅力的な伯爵夫人を演じきって、大変素晴らしい。
声の張り、艶、輝き、気品など、どれをとっても素敵な伯爵夫人。惚れ惚れするような高音の伸びは、ポップでしか聴けない(と、断言してしまう。ファンだから(^^ゞ)

ライモンディの伯爵が良い味。この歌手についてはいろいろと好みが分かれるようだが、、威厳のあるところや、狡猾なのだが気の弱いところなど、表現の幅は広いと思う。声も張りがあって若々しさが漂う。

ヘンドリックスのスザンナは、声質が綺麗で可憐。頭の回転が速く、可愛らしいスザンナにピッタリだと思う。

ファン・ダムのフィガロは、少し軽めの声。綺麗なのだが、ちょいと軽いかなと感じる。アンサンブルになると、この声が生きてくるように思う。このフィガロも若い。

バルツァのケルビーノももちろん素晴らしい。バルツァの全盛期じゃないか?強い声・。鋭い声と、細く、か弱い声はうまく使い分けて、見事なケルビーノ。少年というより、青年に近いケルビーノだと思うが、青年じゃなけりゃ他の女性たちがクラッとこないものね非常にハンサムな美青年という感じかな。

マルチェリーナやバジリオ、バルトロも巧く、楽しめるハイライト盤であります。
カラヤンやベーム、ジュリーニのフィガロはさすがに重量級。マリナーの演奏は、軽く(軽量級というわけではないのだが)、若々しく「青春のフィガロ」になっているのが良いんです。それぞれの歌手の、のびやかな歌唱も聴き応えあります。
抜粋盤で十分楽しめます。いかがですか?
2006/02/15のBlog
暖かい一日でありました。3月の陽気かな。
このまま暖かくなってくれると良いんですが・・・・・。

では、今日は暖かい協奏曲でも・・・・・。

モーツァルト作曲、フルートとハープのための協奏曲ハ長調 K.299。

カール・ミュンヒンガー指揮ウィーン・フィルの演奏。 ハープがフーベルト・イェリネク、フルートはウェルナー・トリップ。
1962年録音のDECCA盤(カップリングはクラリネット協奏曲。プリンツのクラリネット)。
懐かしいLP。
最近またアナログ熱が復活してゴソゴソと古いLPを取り出しては、ターンテーブルに載せ、ブラシで軽くクルッとクリーニング。冬場は静電気が盛大だということを思い出すなぁ。
TRIOのKP880Dは、まだ元気に回ってくれるし、カートリッジはDENONの103(針、換えなくちゃなぁと思いつつ)、やや太めのトロっとした音を響かせてくる。MC型なので繊細ではあるのだが、あまり細かなところにこだわらず大らかに鳴ってくれるのがイイ。

さて、このミュンヒンガー盤の演奏、これぞウィーン・スタイルと言いたくなるような、ふくよかで柔らかく、暖かみのあるモーツァルトになっている。
録音がまた暖かくほんのりとしたイイ雰囲気。
切れ込みがあるとか、豪快であるとか、細部までよく録れているとか・・・そういうわけではないのだが、実に聴きやすい録音。ちっとも古ぼけていない。さすがDECCA、とても42年も昔のものとは思えない鮮やかさ。

ステージ左で、トリップのフルートがツヤツヤと輝くように鳴る。トリップが高音のパッセージを軽やかに吹くと、キラキラとフルートが輝いて、その光りがこぼれてくるのが見えるような感じ。もちろん錯覚なのだが、ソファーに深々と腰掛けてくつろいでいると、その燦めきが分かるように聴こえてくる。

その右手にイェリネクのハープ。このハープの音色が、実に上品。洗練されていて、上質の布地にくるまれているような暖かみが味わえる。しかも、表面は暖かく柔らかいのに、中は芯が詰まっているような音。

バックを支える管弦楽がまた実に良い。ミュンヒンガーの指揮するウィーン・フィルが柔軟に輝かしい音色でしっかり支えてゆく。テンポは中庸だし、雑な弾き方・吹き方がいっさいなく、ニュアンスに富んだ響き方。特に弦の出来が良い。
時に輝かしく、時にしみじみと滋味溢れる響きは、他の演奏ではなかなか聴けないんじゃないかな。


第1楽章アレグロと終楽章のロンドは、ギャラントで光り輝くような至福の音楽。何とモーツァルトは心が浮き立つような、優しく微笑む、楽しい音楽を書いたのだろう。
白眉は第2楽章、8分20秒のアンダンティーノ。映画「アマデウス」で使われた音楽など、最高の美しさ。アナログ盤なので、音がとても柔らかく、やや太く、ふっくらと響いてくるのが心地よい。至福の境地。

LP盤の番号はSLC8023、ジャケット裏の解説は小林利之。これによれば、カデンツァはカール・ロシュナーのものを使用しているとのこと。(カール・ロシュナーって誰やろ?)
小林さんの解説がとても読みやすく詳しいのも、このLPのエエところであります。
2006/02/14のBlog
トリノ・オリンピック、日本選手はなかなか調子が出ないようであります。
しかし、日本人の半分くらいは縁のないスポーツ種目であって、競技人口(裾野の広さ)を考えれば、よく頑張っているんじゃないかと思います。男子スピード・スケート500mもメダルに届かずって(期待はずれのようにマスコミは云うが)、我が四国にスケートリンクはいったいいくつあるのか・・・・愛媛県には多分松山に小さいのが一つあるだけ。スキーのジャンプ台なんてあるはずもなく(日本中探してもそうはないはずで)、そんな競技環境の中で、日本選手はよく頑張ってますな。

さて、トリノ・オリンピックにちなんで、今日もイタリアであります。

今日は、メンデルスゾーンの交響曲を。
第4番イ長調の「イタリア」。

ジョージ・セル指揮クリーヴランド管の演奏。1967年1月の録音。CBSソニー原盤。
CD番号はFDCA324とあり、ソニーから出ているクラシック名曲全集に収められているものらしい。古本屋で購入したもの。

音質は正規盤と変わらないようで、例によってCBSによるセル/クリーヴランド管の録音らしく、あまり良くはない(^^ゞ。
演奏は素晴らしいのに、録音で損している感じ。残響音が不十分で(直接音が多いのだ)、音の潤いが不足するのがいかにも残念。やや乾いた感じの音。もったいないなぁ。
個々の楽器はよく録られていて(多分、マルチマイクだろう。かなり多めのマイク・セッティングかも?)、直接音がどんどん前に出てくるので、セルの演奏の個性は実によく分かる録音でもある。ステージの奥行きは深くないが、左右の広がりは十分。

演奏は、一口で云うと、恐るべきアンサンブル、合奏の極致。
完璧なアンサンブルが第1楽章から堂々と現れる。

テンポは快速、推進力に溢れている。その速さの中で、一糸乱れぬアンサンブルがスゴイ。そして、あちらこちらで、どんな風に弾いているのか、吹いているのか見えるような演奏。
注意深く耳を澄ましていると、あっちでこんなこと、こっちでこんなこと・・・・・もう随所に聴きどころがある。内声部がクッキリと鮮やかに聴こえてる。

表情づけは淡泊。あまり演出臭がない。
サッサと進んでいる感じ。
でも、よく聴いていると、スピーカーの左の奥で第2ヴァイオリンがモゾっと和音を刻んでいたり、右手ではチェロがコソッと低音を奥ゆかしく響かせていたり・・・・芸が細かい。
木管も慎ましく鳴っている(鳴らせている?)。普通はストリングスのトゥッティで聞こえないところで、クラリネットやフルートが響いているのが分かる。

これ、セルがすべての楽器をバランスよく鳴らせて、しかも厳しく合奏を鍛えてきた現れなのかなぁと思う。

「イタリア」は30分程度の曲なので、すぐに終わります。
退屈せずに聴けます。

特にセルの演奏は、すぐに終わります。
テンポが速いだけでなく、聴いていると、「おお!」とか「おお?」とか思うところが多く、あっという間に終わってしまう感じがします。
クリーヴランド管のメンバーたちが、変わったことをしているわけではありません。全体的には、とっても普通の演奏であります。
でも、中身がスゴイ・・・・。

練達の芸であります。

2006/02/13のBlog
トリノ・オリンピック開幕。

スピード・スケートや女子フィギア・スケートなど有望な競技もあるそうで、マスコミ記事もなかなか賑わっております。
オジサン的に言わせてもらえば、フィギアの可愛らしい女の子たちには是非頑張って欲しいものですな。ウチにはとうとう娘が生まれませんでしたので、安藤美姫さんなど、娘に欲しいと思ったりします(真央ちゃんでもいいのだが・・・・ガハハ(^^ゞ)。


イタリアでのオリンピック、では、今日はチャイコフスキーの「イタリア奇想曲」を。

シャルル・デュトワ指揮モントリオール響の演奏。1985年10月録音のDECCA盤。
デュトワ/モントリオールSOのコンビによるチャイコフスキー5枚組からの1枚。カップリングは交響曲第4番と1812年。

このイタリア奇想曲は、イタリア的な陽気な民謡旋律は次々に現れて、大変楽しい曲。輝かしく明るい響きが心地よい活気ある音楽。
チャイコフスキーというと、哀愁を含んだ旋律と重厚なオーケストレーション、と思うのだが、このイタリア奇想曲は、ちょいと毛色が違う。チャイコフスキー的(北方的とでもいうか)な憂愁ではなく、南国的・軽快な熱狂と言いたい音楽が展開する。

響きの明るさなら、デュトワ/モントリオールが最も得意とするところ。
主題となる各旋律のメドレーを、表情豊かに描き分けて、リズムもよく弾んで実に快適。
オーケストレーションは、さすがチャイコフスキー、非常に色彩的なのだが、その色彩感にさらに隈取りを加えて、色をクッキリと引き立たせる腕前は、デュトワの独壇場か。光り輝くような色彩感は、全くデュトワならではと思う。

モントリオール響の響きは、軽く明るい、よく云われるように「フランス的なオケ」なのだが、アンサンブルは緊密。フランスのオケにつきものの、やや緩めのアンサンブルではない。各奏者の技術は最高だし、合奏もピシッと決まっているので、心地よいことこの上ない。

カッコイイのは、第2部以降。コルネットやホルンの響きが素晴らしい。録音も良い。ふくよかで明るく爽快に響く。ヴァイオリン群のテクニックもさすが。相当速いパッセージなのに、一糸乱れぬ見事さ。しかもリズムがスマートにシェイプされて、心が浮き立ってくる。快感。

いつもながらDECCAの録音が素晴らしい。クッキリと鮮やかにオーケストラが展開する。
細部までよく聞こえるし、響きが混濁しない。
デュトワ/モントリオール響の録音は、残響も綺麗で実に聴きやすい。

20年前の録音になったが、今も最高レベルの録音と思います。
2006/02/12のBlog
ベートーヴェンの交響曲第6番ヘ長調「田園」。

ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響曲楽団の演奏。
1958年1月録音のCBSソニー原盤。
50年近く前の録音になってしまったが、今も変わらず<決定盤>との評価が高い。


休日になると、ベートーヴェンの「田園」が聴きたくなる。特に午前中、朝食のあと。

ゆっくりアンプのスイッチを入れて、CDプレーヤーのトレイを引き出す。
(昔は、LPとスタイラスをサッとクリーニングし、レコードをターンテーブルに載せるのが儀式だった)。
さて、今日は誰の「田園」を聴こうかななどと考えながら、レコード棚を眺めるのは、ある意味非常に幸せなことなんだろうなと思う。

「田園」を聴くと幸福になる。

初めの2つの楽章が幸福な気分に包まれているし、終楽章など神への感謝、永遠の浄福のような趣があるから。
第2楽章まで聴くこともあるし、終楽章だけ聴くこともある。
そのたびに、ああ、ベートーヴェンは何と美しい音楽を書いたのかと感動する。

今日聴いたワルター盤は、昔からの定番。
1981年だったか、CD発売直前だったと思う、ソニーがワルター/コロンビア響の録音当時のミキサーだったジョン・マックルーアを引っ張り出してリミックス、ワルターの遺産と称して1500円盤(まとまったワルターのシリーズとしては初めての廉価盤だった)で発売したのを購入したのが、この「田園」を聴いた最初だったと思う。

あれから25年、光陰矢のごとし。しかし、この「田園」を聴く感動は今も変わらない。

第1楽章の颯爽としたテンポ、その中からこぼれてくるワルター独特の優しさ、暖かさ。コロンビア響の音色がまた艶やかで暖かい。響きが少し薄いのは残念だが(これは録音のせいかもしれない)、優美な表情は忘れがたい。

第2楽章の木管の表情も同様、優しさに満ちてほんのりと暖かい。微笑みながら演奏している様子が伝わるし、何よりワルターとともに演奏できる喜びに満ちている。木管の会話、それに絡むストリングスの何としなやかなこと。その爽やかさ、しなやかさ・・・・これが最晩年の老人の指揮する音楽か、と思う。

第3楽章の舞曲は快速で快感、4楽章の嵐の描写はダイナミック。

そして、感謝・慰謝の終楽章がやってくる。いつまでも続いて欲しい、終わって欲しくないと思わせる感動的な歌が部屋一杯に響く。テンポも中庸、ややテヌート気味に引っ張るところなど全く綺麗。
終曲ラスト5分の美しさは、他の演奏からではちょっと聴けない、奇跡的美しさ・・・・と云ったら褒め過ぎかな。でも「最高の田園」がここにはありますな。


休日の「田園」。
ああ、リフレッシュ。クラシック音楽は、ホンマ素晴らしいと思います。
何度救われたか分かりません。
2006/02/11のBlog
元巨人軍監督の藤田元司さんが亡くなりました。
当地、伊予西条は藤田さんの故郷。出身は隣町の新居浜ですが、西条高校での大活躍が、のちの藤田さんの球歴の原点でした。
当時はノーコンの剛球投手。「四球を4つ出す前に、三振を3つ取れば零点や」というピッチャーだったそうです。(と、西条のオールド・ファンたる父は言っております)
地元の愛媛新聞は、その訃報に大きく記事を割いております。愛媛や西条の野球熱を支えた野球人の一人でありました。僕等夫婦の結婚披露宴には主賓でおいで下さいました。増上寺での葬儀、地元からも多数参列します。西条の野球を支えた方々が弔辞を読まれます。・・・・・ご冥福をお祈りします。


さて、クラシック音楽のブログは、やはりクラシック音楽の話題を。

今日は、ストラヴィンスキーのバレエ「春の祭典」。

コリン・デイヴィス指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
(買い直したCDでは、ロイヤル・コンセルトヘボウ管の表記になっている)。
1976年11月15日、コンセルトヘボウでの録音。データを見る限り、わずか1日のテイクのようだが、ホンマかいな(この演奏は、後半部でライヴのように白熱するのだが、このことが要因になっているのかもしれない・・・)。

1978年度「レコードアカデミー賞」を受賞した名盤中の名盤。
長いことLPで愛聴してきた。

超優秀録音!
素晴らしい録音であって、このLPを聴いてから、ボクはフィリップスの録音陣のレベルの高さを実感したし、以後、全幅の信頼を置くようになった。
本拠地のコンセルトヘボウということもあるのだろうが、オケの奥行き、残響、各楽器の定位、コンサートホールの中央S席で聴いているような臨場感・・・・・・、もう完璧に近い、スゴイ録音。アナログ録音最盛期の最高レベルの録音。
(DGやEMIやCBSソニーと比較して、フィリップス録音はボクと非常に相性が良いのだろうと思います。ボクはフィリップスのような録音が好きなのであります)

演奏も極上。
アンサンブルは緊密このうえない。というより、合わせている感じがないのに、合ってしまうような演奏・・・・とでも云おうか。
管楽器のレベルの高さ。例の冒頭のファゴットのハイトーン。詰まったような、しかし甘い音が柔らかさをたたえつつ響くところなど、危うさの微塵もなく、安定した、いかにもコンセルトヘボウ管の音。
テンポは中庸。速過ぎず遅すぎず、ちょうど良い。

第1部はスタイリッシュに仕上がっている(打楽器などは強烈だが、荒々しく野卑な感じはしない)のだが、第2部からはグイグイ盛り上がって、ストラヴィンスキーらしい熱狂が聴ける。ただ、アンサンブルが素晴らしいので、荒れ狂うような演奏にはならない。ティンパニなどはそれでも迫力十分だし、金管の咆吼も、超優秀録音のおかげで、大変リアル。

聴き終わったときの満足感が、他の「ハルサイ」と違います。
素晴らしい名演。感動します。

ジャケットは、フィリップス・スーパー1000シリーズのCDのもの。
LP初出時と同じジャケットであります。
(ボクが聴いているLPは、デイヴィスのストラヴィンスキー三部作の3枚組廉価盤ボックスであります。昔はこんなセットがよくボーナス・シーズンに出ましたね)

そういえば、1980年前後には、「ハルサイ」ブームがありました。
DGではアバド/ロンドン響、DECCAにはメータ/ロスPO、ドラティ/デトロイトSO、CBSソニーにはブーレーズ/クリーヴランド管、EMIにはムーティ/フィラデルフィア管、フィリップスに小沢/ボストン響・・・まだまだあったような気がしますが、どれも個性的で録音もまず優秀でありました。
あの熱気、懐かしいですな・・・・・(と言うより、ボク自身に熱気があったのかな?(^^ゞ・・・・)
2006/02/10のBlog
職場に植えている紅梅はまだ咲きません。
つぼみはかなり膨らんで今にも咲きそうなんですが、今年はかなり遅れているようです。
伊予路には今日も雪が舞いました。「舞う」で済んでいるのがまだ南国でありまして、「積もる」地域の方々はホンマに大変な冬であることでしょう。


さて、今日はJ・S・バッハのブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050。

演奏はネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管。1980年のフィリップス録音で、マリナーとしては2度目の録音になる。

チェンバロ協奏曲とも云うべきこの5番の演奏、ソリストも豪華絢爛。
ヴァイオリン独奏はヘンリク・シェリング、フルートはジャン・ピエール・ランパル。そしてチェンバロはジョージ・マルコム。
いやはや、そうそうたるメンバー。

ヴァイオリンのシェリングが中央やや左側、フルートのランパルが右手に位置して、中央の右手前方にマルコムのチェンバロが座っている。

アカデミー室内管のアンサンブルは、いつも通り洗練されていて、爽快な演奏を展開する。マリナーの指揮もキビキビとして気持ちよいもの。

ソロがそのバックを得て、生き生きとプレイを楽しんでいる。
なんとなく、ジャズの名プレーヤーの即興演奏を楽しんでいるような臨場感。
古楽器の演奏になれてしまった今の耳で聴くと、かえってこれが新鮮。

大家のインター・プレイが炸裂して、マリナーの指揮もそれを楽しんでいるようだ。

第1楽章の終盤、マルコムのソロが最高だ。水際だった演奏を楽しめる。装飾音を適度に交えながら、何と生き生きとしていることか。快速演奏を楽しんでいる感じがする。目を閉じて聴いていると、シェリングやランパルが目配せしながら、マルコムのソロを見守っている感じが伝わってくる・・・・。

ランパルのフルートが歌ってくれるのが第2楽章。素敵な音色で、ゆっくりと哀愁に富んだ旋律を響き渡らせる。よく伸びたフルート・ソロ、残響音の素晴らしさ。

負けじとシェリングが美音で応じるのがまた実にイイ。シェリングのヴァイオリンはやや太めの音でじっくりと会話する。
マルコムのチェンバロと、ランパルのフルートと、シェリングのヴァイオリンと・・・緊密な会話とともに三者三様の音色が十分に楽しめる第2楽章となった。

第3楽章はワクワク、ドキドキ、胸はずむ終曲。ソロの3人はさらに乗ってくるし、バックのアカデミー室内管もサッパリ・スッキリとした演奏を展開する。

バックはあっさり系、ソロは重量級の面白い取り合わせでありました。
でも、それでも「バッハ」になってしまうのだから、やはり「音楽の父」であります。
いや、面白く聴けました。
楽しい演奏はエエもんです。
2006/02/09のBlog
今日は、クラシックのCDをめぐる哀しい話です。

また、近所の馴染みのショップが閉店します。
「マルワレコード」。

この店は、新居浜・西条で真面目にクラシック音楽を扱ってくれる数少ないレコード・ショップでした。しかし、この3月末で、新居浜店・西条店とも店を閉めるそうです。
2月1日から「閉店バーゲン」が始まりました。

クラシック音楽どころか、他のジャンルのCDの売り上げも激減しているそうです。
売れ筋のCDは限られているし、そもそも若者がCDを買わなくなってきているらしいし(レンタルで済ませているのか、あるいはケータイなどに金がかかりすぎて、余裕がないのか。そういえば、若い士は本も読まなくなっているそうじゃないか)、郊外型の大型書店でもCDを売るようになっているし(クラシック音楽などお義理で置いているとしか思えないほど貧相だが)、・・・・・など、諸般の理由が重なったらしいのだが、何とも寂しいことではある。

あぁ、もう少し買ってあげれば良かったなぁ。でも、国内盤は高いしなぁ・・・・・輸入盤のあの廉価を知ってしまうと、国内盤はよう買わんなぁ。

マルワレコードのバーゲンでは、せめて罪滅ぼしをと、沢山買ってしまおうと思っております。


今日のCDは、その大量購入の1枚。
エリー・アメリングのシューベルト歌曲集。
ソプラノはエリー・アメリング、ピアノ伴奏はダルトン・ボールドウィン、ルドルフ・ヤンセン。

ふくよかで優しい声の持ち主、アメリングは、いつ聴いても素晴らしい。
このCDは録音も素晴らしく、目の前でアメリングが歌ってくれるようだ。
ボールドウィンのピアノが中央やや左に、アメリングがやや右に定位する。ピアノの音色もアメリングの声に合わせているかのように、暖かく優しい音色で録られている。

いずれ名曲揃いなのだが、特に素晴らしいのは(好きなこともあるのだが)、「ます」、「夕映えの中で」、「野ばら」、「ロザムンデのロマンス」、「糸を紡ぐグレートヒェン」、「アヴェ・マリア」、「音楽に寄せて」、「春へのあこがれ」、「子守歌」。


「アヴェ・マリア」や「音楽に寄せて」など、しみじみと泣けます。
ああ、エエ歌やなぁ。涙出ます。

シューベルトの名曲をこれだけ網羅して、1000円。
(バーゲンだから500円!)
値段のことを云いたくはないが、しかし、この名演がこんな価格で購入できることこそボクらリスナーの幸福であり、CDショップの不幸なのかもしれません・・・・。

マルワレコード、軍資金を貯めて、また買いに行きます。

2006/02/08のBlog
氷雨でした。冷え込みました。
なかなか気温は上がりません。
困ったもんです。

さて、今日は懐かしいLPを取り出してみた。

ドヴォルザークの交響曲第9番ホ短調「新世界より」。
カルロ・、マリア・ジュリーニ指揮シカゴ響の演奏。1977年4月、シカゴのオーケストラ・ホールでの録音。DG盤。
ジュリーニは、のちにコンセルトヘボウ管とCBSソニーに「新世界」を録音しているので、これは旧録音になる。

1970年代後半、ジュリーニ絶頂期の録音。炸裂するシカゴ響の名人芸が聴きものだし、ジュリーニがいよいよ巨匠風の演奏を展開しはじめる頃の演奏でもある。

スケール雄大で、テンポは遅く、じっくりとドヴォルザークの旋律を歌い上げる。
ジュリーニらしい、旋律を引き伸ばした歌。

第2楽章、イングリッシュ・ホルンの切々とした歌。
弱音器をつけたヴァイオリンが、静かに、しかし緊張感を持って奏でる歌。響きの透明さを失わずに、しかし歌を忘れないアンサンブルが素晴らしい。

第1楽章の冒頭のゆったりとしたテンポ。
悠揚迫らぬテンポの中から、徐々にドヴォルザークが作り上げた最高のシンフォニーが姿を現してくる・・・・・その生成の響きが何とも素晴らしく、見事な造形だと思う。
しかも、気品があって格調高い・・・・。ジュリーニが「巨匠」であることを示すものだと思う。

第3楽章の木管の掛け合い、弦楽器の掛け合いも見事だし、ティンパニの強打も迫力満点。ティンパニの響きの素晴らしいこと!

終楽章の壮大な盛り上がりも見事。オケが抜群に巧い。アンサンブルは完璧だし、木管・金管とも安定度抜群。そして、ジュリーニの指揮で聴くシカゴ響の弦楽アンサンブルの優秀さ、繊細な響きがまた美しいこと。
金管の咆吼は、いつものシカゴらしく気分爽快。どれだけ大音量で吹いても、崩れないのだから、やはりシカゴは世界最強か。
ショルティの棒で響くゴージャスで剛毅なシカゴ響とはまた違う、柔らかく繊細な響きも聴ける。

ジュリーニ/シカゴ響の「新世界」。
おそらく、考えられる最高の「新世界」がここにあります。
指揮者よし、オケよし、録音も(アナログ最盛期で)よし。

録音から30年近く経過してなお、新鮮さを失わない、素晴らしい演奏だと思います。
2006/02/07のBlog
何が「春」なもんですか。
真冬に逆戻りです。

四国は雪でした。午後には、降りしきる雪で窓の外は真っ白であります。
積もりはしませんでしたが、いやはや寒い日でありました。

さて、こんな日は部屋を暖めて、LPでも聴こう・・・・・と取り出したのは、ブラームスの交響曲第2番ニ長調作品73。
ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送響の演奏。1983年の4月から5月にかけてミュンヘンのヘルクレスザールで行われた。ブラームス生誕150年記念演奏会のライヴ・レコーディング。LP4枚組の1枚。
当時は西ドイツの新興レーベルであった「オルフェオ」から発売されて、話題になった全集だった。カートン・ボックスの裏面には、独テルデック社によるDMM(ダイレクト・メタル・マスタリング)のシールが貼ってある。懐かしいLPである。

クーベリックのブラームス全集は、1950年代中頃にウィーン・フィルとの録音があるので、これが2度目になると思う。
この全集は、60歳代後半から録音が減りつつあったクーベリックの一気の録音だったので歓迎されたと思う。ただ、演奏評は芳しくなかったかもしれない(あまり記憶がない)。

ブラームスの交響曲第2番といえば、彼の「田園交響曲」とも云えるくらい、素朴な味わいが魅力。クーベリックは、この交響曲の田舎っぽいところ、草の匂いのするところを、しみじみと表出して見事だと思う。

第1楽章のストリングスの音色、慎ましくあまり派手にならないのがイイ。ライヴ特有のホール・トーンも美しい。アナログ・レコードの暖かさか、ヘルクレスザールの残響が全く美しい。
ヴァイオリンは例によって両翼配置、楽器の分離より、全体の響き・融け合いを楽しむ録音になっている。背後で響く金管のコクのある響きも実に良い。ホルンなど、得も言われぬ響き。

第2楽章や第3楽章では木管の響きが綺麗。フルートやオーボエのこだまするような音。決して洗練されていない(だから田舎っぽく、草むらの自然さがある)のがイイ。ややくすんだ音色で音楽をつくってゆく感じ。どちらかというと、室内楽的な構築だと思う。

終楽章になると、さすがに音楽が白熱してくる。徐々にテンポが上がって(アッチェランド気味)、終曲は大きく盛り上がってゆく。金管が時々音を外すのはご愛敬、それもライヴらしくて、聴いていて楽しい。それまでの3楽章のアンサンブルが見事だったので、終楽章の乱れが耳についてしまうが、キズってほどのこともなし。
い。

クーベリックのブラームスは、洗練されすぎていないのがエエようです。素朴な味わいと滋味豊かな響き。大人の音楽とでも云いましょうかね。
手兵のバイエルン放送響の巧さが目立ちます。
作為のない、自然な音楽であります。
そんなに燃え上がっていないのも、このブラームスの2番にはふさわしいようで・・・・。
2006/02/06のBlog
暦の上では春というものの、まだまだ寒いですなぁ。
梅の香がようやく漂いはじめたんですが・・・・・気温は低いです。

さあ、「春」の曲でも思ったんですが、冬の景色が残っていますしねぇ・・・。

なんて考えつつ、取り出したのはシューマンの交響曲第1番変ロ長調作品38「春」。
この交響曲は大好き。というか、ボクはシューマンの交響曲が好きで、ついつい交響曲全集を買ってしまう・・(^^ゞ。2枚組で安いこともあるんだが・・・。

今日の演奏は、ベルナルド・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管。
1983年2月、アムステルダムでの録音。ハイティンク/ACOのシューマン全集からの1枚。

シューマンなら、ウィーン・フィルやベルリン・フィルの演奏もイイし、シノーポリやサヴァリッシュが振ったドレスデン・シュターツカペレの演奏も溌剌として素晴らしい。
けれど、今日はまだ寒い春先・・・・。
こんな日には、コンセルトヘボウ管の、ややくすんだ、ほの暗い音色が似合うと思って取り出してみた。


第1楽章の立派な開始。堂々としているが、重厚すぎることはなく、これから始まる若々しいシンフォニーの開始を、クッキリと提示してゆく。
金管の響きが優しく上品。野卑な響きにならず、慎ましく端正な音色を保ってゆくのは、コンセルトヘボウ管のオケの持ち味であるとともに、ハイティンクの個性でもあるだろう。

第2楽章の、ライン川がゆっくりと流れるような、オケ全体から醸し出される柔らかさ。弦の優しく落ち着いた渋い音色が、この流れにピッタリしている。
フワッと流麗な演奏になっているのはハイティンクの指示だろう。途中、中央のやや奥で響く木管群がデリケートで美しい。

第3楽章スケルツォはモルト・ヴィヴァーチェ。少しリズムが重いが、コンセルトヘボウ管はよく鳴っていると思う。ブレンドされた響きが聴いていて実に気持ち良い。このまま、この響きの中でまどろんでしまいたいくらい。木管のひなびた味わいもまた興趣をそそる。

活気に満ちた終楽章。ヴァイオリンの刻みがしっかりしていて、職人的。テンポはいつものハイティンク、中庸、速過ぎも遅すぎもしない。しっかり歩みを進めてゆく。
推進力よりも、楽譜を克明に忠実に音化してゆくことに心を砕いている感じがする。いつもハイティンクは誠実だわなぁ。

録音はフィリップスらしく残響音が十分で、ホンマに心地よい録音。
コンセルトヘボウ管の、柔らかくやや暗めの音色が、実に美しく録られております。
極上ですな。