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2006/04/08のBlog
[ 05:30 ]
[ 交響曲 ]
週末、久しぶりにゆっくり出来そうかな?
新年度に入って仕事が激増、のんびりクラシック音楽を聴くことが出来ません。
これが辛い・・・・。
仕事が増えるのはエエんです。好きな仕事をさせていただいてますから。
でも、音楽を聴けないのは辛い。のんびりボーッと聴くときの幸せを知ってしまうと、この時間がなくなるのがとても辛いものなんです・・・・。いやはや。
さてさて、先日のウィンナ・ワルツ・コンサートに続いて、ケンペのCDを取り出しました。
ブルックナーの交響曲第5番変ロ長調。
ルドルフ・ケンペ指揮ミュンヘン・フィルの演奏。
録音は、1975年5月。ドイツBASF原盤だが、ボクが持っているのは、スクリベンダムから2枚組で再発されている廉価盤CD。
国内盤のLPは、確かテイチクから出ていた。ケンペ晩年の名演だと思う。
この録音の翌年、ケンペは第4番「ロマンティック」を録って間もなく亡くなった・・・・・1976年のことだった。
もう少し長生きしてくれたらと思う・・・・・。
ミュンヘン・フィルとのベートーヴェン全集やブラームス全集は滋味深い演奏でとても良かったし、ドレスデン・シュターツカペレを振ったR・シュトラウスの管弦楽曲全集などは、今聴いても最高の出来だと思う。
さて、この第5番は1876年の作品。演奏に90分近くかかる巨大な交響曲。
言わば「城塞交響曲」であって(こう云ったのは作曲家の諸井誠だったが)、ケンペの演奏はこの大規模な作品にふさわしい重厚な名演だと思う。
オケはヴァイオリン対向配置なので、この作品のポリフォニー的な面がよく表出されていて、左右のスピーカーに正対して聴いていると、とても面白い。
第1楽章の長い序奏部、ガッチリした構造のこの曲を、ケンペは自然体で穏やかに表現してゆく。金管の音が甘く柔らかく、どぎつくならないのが良い。特にホルンがイイ。右手奥から深々と鳴る。
ミュンヘン・フィルの音色も良い。明るすぎず、暗すぎず、ちょうどよく、ほの甘い音色がすがすがしい。
第2楽章はアダージョ。厳粛で堅牢で、教会の中にいるような錯覚に陥るような音楽。雰囲気は宗教的音楽で、ブルックナーの敬虔な祈りが聴ける。
木管がひなびた味わいで実にイイ。中世の城を思わせるような、古色蒼然とした音楽づくりで、聴いていると歴史の世界に引っ張り込まれそうな気さえする。
中部ヨーロッパの荒涼とした平原、冷涼な空気、平原を渡ってくる風・・・・・そんな音楽。
第3楽章のスケルツォは幻想曲のよう。自由な気分で曲想がコロコロ変わる。ケンペはオケを締めつけずに、自在な指揮ぶり。おそらくオケの自発性に任せているのだろう。この時期のケンペとミュンヘン・フィルの良好な関係がうかがえる演奏だと思う。
そして、いよいよ終楽章。
先行楽章の回想から壮麗なフーガへ、そして終曲の豪壮雄大なコラール。ブルックナーの信仰心がそのまま交響曲になったような音楽。
巨大な「城塞」に、カトリックの信仰が響き渡るような終曲になっている。
ケンペはこのスケール雄大なこの終曲を、堂々と、衒いもなく、きっちり演奏させている。両翼配置のヴァイオリンも、効果バツグンで面白い。
ブルックナーの交響曲第5番は、ブルックナーの全作品の中で最もとっつきにくい交響曲でありました。
第4番「ロマンティック」のような愛嬌があるわけでもなく、7番交響曲のように素敵な旋律に恵まれているわけでもなく・・・・。
しかも長い。ホンマに長い。徹底的に長い・・・。
第1楽章の長大な序奏部で(なかなか展開部に入らない!)、聴くのに参ってしまったことが多かったですな・・・若い頃は。
今は、ゆっくりと時間が取れるときにはしばしば取り出して聴けるようになりました。
トシを取るというのは、こういうことなのかなと思ったりします。
新年度に入って仕事が激増、のんびりクラシック音楽を聴くことが出来ません。
これが辛い・・・・。
仕事が増えるのはエエんです。好きな仕事をさせていただいてますから。
でも、音楽を聴けないのは辛い。のんびりボーッと聴くときの幸せを知ってしまうと、この時間がなくなるのがとても辛いものなんです・・・・。いやはや。
さてさて、先日のウィンナ・ワルツ・コンサートに続いて、ケンペのCDを取り出しました。
ブルックナーの交響曲第5番変ロ長調。
ルドルフ・ケンペ指揮ミュンヘン・フィルの演奏。
録音は、1975年5月。ドイツBASF原盤だが、ボクが持っているのは、スクリベンダムから2枚組で再発されている廉価盤CD。
国内盤のLPは、確かテイチクから出ていた。ケンペ晩年の名演だと思う。
この録音の翌年、ケンペは第4番「ロマンティック」を録って間もなく亡くなった・・・・・1976年のことだった。
もう少し長生きしてくれたらと思う・・・・・。
ミュンヘン・フィルとのベートーヴェン全集やブラームス全集は滋味深い演奏でとても良かったし、ドレスデン・シュターツカペレを振ったR・シュトラウスの管弦楽曲全集などは、今聴いても最高の出来だと思う。
さて、この第5番は1876年の作品。演奏に90分近くかかる巨大な交響曲。
言わば「城塞交響曲」であって(こう云ったのは作曲家の諸井誠だったが)、ケンペの演奏はこの大規模な作品にふさわしい重厚な名演だと思う。
オケはヴァイオリン対向配置なので、この作品のポリフォニー的な面がよく表出されていて、左右のスピーカーに正対して聴いていると、とても面白い。
第1楽章の長い序奏部、ガッチリした構造のこの曲を、ケンペは自然体で穏やかに表現してゆく。金管の音が甘く柔らかく、どぎつくならないのが良い。特にホルンがイイ。右手奥から深々と鳴る。
ミュンヘン・フィルの音色も良い。明るすぎず、暗すぎず、ちょうどよく、ほの甘い音色がすがすがしい。
第2楽章はアダージョ。厳粛で堅牢で、教会の中にいるような錯覚に陥るような音楽。雰囲気は宗教的音楽で、ブルックナーの敬虔な祈りが聴ける。
木管がひなびた味わいで実にイイ。中世の城を思わせるような、古色蒼然とした音楽づくりで、聴いていると歴史の世界に引っ張り込まれそうな気さえする。
中部ヨーロッパの荒涼とした平原、冷涼な空気、平原を渡ってくる風・・・・・そんな音楽。
第3楽章のスケルツォは幻想曲のよう。自由な気分で曲想がコロコロ変わる。ケンペはオケを締めつけずに、自在な指揮ぶり。おそらくオケの自発性に任せているのだろう。この時期のケンペとミュンヘン・フィルの良好な関係がうかがえる演奏だと思う。
そして、いよいよ終楽章。
先行楽章の回想から壮麗なフーガへ、そして終曲の豪壮雄大なコラール。ブルックナーの信仰心がそのまま交響曲になったような音楽。
巨大な「城塞」に、カトリックの信仰が響き渡るような終曲になっている。
ケンペはこのスケール雄大なこの終曲を、堂々と、衒いもなく、きっちり演奏させている。両翼配置のヴァイオリンも、効果バツグンで面白い。
ブルックナーの交響曲第5番は、ブルックナーの全作品の中で最もとっつきにくい交響曲でありました。
第4番「ロマンティック」のような愛嬌があるわけでもなく、7番交響曲のように素敵な旋律に恵まれているわけでもなく・・・・。
しかも長い。ホンマに長い。徹底的に長い・・・。
第1楽章の長大な序奏部で(なかなか展開部に入らない!)、聴くのに参ってしまったことが多かったですな・・・若い頃は。
今は、ゆっくりと時間が取れるときにはしばしば取り出して聴けるようになりました。
トシを取るというのは、こういうことなのかなと思ったりします。
2006/04/07のBlog
[ 05:16 ]
[ 交響曲 ]
桜満開の春です。
春休み中の息子たちは妻と桜の名所・広瀬公園で花見。ボクは仕事。
昼休みに出てこいと誘われたものの、外出できる余裕が全くないのが残念。
この忙しさの中、花びらが舞っております・・・・。やれやれ。
さて、今日はR・シュトラウスのアルプス交響曲。
エリアフ・インバル指揮スイス・ロマンド管弦楽団の演奏。
1996年、ジュネーヴのヴィクトリア・ホールでの録音、DENON原盤。クレスト1000シリーズの1枚。
この10年の録音なので、最新録音と云ってもいいくらい。
スイス・ロマンド管は、かのエルネスト・アンセルメが長期間君臨した楽団で、録音効果抜群の鮮烈な演奏で一世を風靡した。今もDECCAから(日本ではキング・レコードが)発売している。カタログ落ちしないのは、さすがだと思う。確かにフランスものやロシアもの、バレエ音楽などに、素晴らしい録音が多かった。
(ただ、実演ではパッとしなかったとの評もあり。ワタシは聴いていないので何とも云えないが、録音で化粧しているとはよく言われていた・・・・・)
アンセルメ以降は録音が極端に減ってしまい、我が家にはロマンド管のCD・レコードはアンセルメ以外にはなかった。
クレスト1000シリーズで、インバル指揮のR・シュトラウスが沢山出たので、マルワレコードの半額セールもあって買い込んでみた・・・・。
一聴、インバルのDENONでの名作・マーラー全曲シリーズと同様で、素晴らしい録音。
やや細身でしなやか、クールな録音で、特にストリングスが室内楽的に響くのがインバルらしい。色彩は鮮やかで、瑞々しく、シャープ。寒色系ではあるが、聴き疲れしない爽快なサウンド。
マーラーの4番で大成功して以来、DENONはワンポイント録音的な、ホールトーンを十分に録る(だから奥行きが広々としている)ものが多いのだが、この録音もその方向にある。聴いていて、オーケストラに包まれるような快感がある。
演奏も素晴らしい。テンポは颯爽としてやや速め。スッキリとした演奏で、いつものインバルらしく知性的な指揮ぶり。
こけおどし的なR・シュトラウスの音楽を端正に演奏してゆく。楽譜に書かれていることをきちんと音にして、変に演出しないのがイイ。
(指揮者があれこれ演出しなくても、作曲者はは演奏効果が上がるように書いてくれている)
スイス・ロマンド管も健闘。イイ音を出している。響きも充実しているし、技術的にも破綻しているところはない。特に管楽器が巧い。木管も金管も安心して聴いていられる。
インバルによって鍛えられたのかもしれない。
この「アルプス交響曲」はスゴイ作品だと思います。夜や日の出、花に滝、牧場の牛や羊、小川や森、霧や雷雨・・・・・R・シュトラウスは、全て音にしてしまっています。聴いていると、確かに花が咲き、日が昇り、霧が立ちこめ、滝が落ち、雨粒が徐々に落ちて大雨になり、大風も吹いて・・・・・もう凄まじいオーケストレーション。天才のワザ。
そして、このインバル盤、商品として素晴らしいのは、トラックやインデックスがポケット・スコアの練習番号と連動していることです。
ボクは楽譜が読めません。ド素人です。
でも、これならスコアを買ってきて、楽しめるかもしれません。
良心的なCDづくりだなぁと感心します。さすがDENON。日本を代表するレーベルであります。
これからも頑張って素晴らしいクラシック音楽のCDを発売し続けて欲しいものです。
DENON、ボクは好きです(^-^)。
春休み中の息子たちは妻と桜の名所・広瀬公園で花見。ボクは仕事。
昼休みに出てこいと誘われたものの、外出できる余裕が全くないのが残念。
この忙しさの中、花びらが舞っております・・・・。やれやれ。
さて、今日はR・シュトラウスのアルプス交響曲。
エリアフ・インバル指揮スイス・ロマンド管弦楽団の演奏。
1996年、ジュネーヴのヴィクトリア・ホールでの録音、DENON原盤。クレスト1000シリーズの1枚。
この10年の録音なので、最新録音と云ってもいいくらい。
スイス・ロマンド管は、かのエルネスト・アンセルメが長期間君臨した楽団で、録音効果抜群の鮮烈な演奏で一世を風靡した。今もDECCAから(日本ではキング・レコードが)発売している。カタログ落ちしないのは、さすがだと思う。確かにフランスものやロシアもの、バレエ音楽などに、素晴らしい録音が多かった。
(ただ、実演ではパッとしなかったとの評もあり。ワタシは聴いていないので何とも云えないが、録音で化粧しているとはよく言われていた・・・・・)
アンセルメ以降は録音が極端に減ってしまい、我が家にはロマンド管のCD・レコードはアンセルメ以外にはなかった。
クレスト1000シリーズで、インバル指揮のR・シュトラウスが沢山出たので、マルワレコードの半額セールもあって買い込んでみた・・・・。
一聴、インバルのDENONでの名作・マーラー全曲シリーズと同様で、素晴らしい録音。
やや細身でしなやか、クールな録音で、特にストリングスが室内楽的に響くのがインバルらしい。色彩は鮮やかで、瑞々しく、シャープ。寒色系ではあるが、聴き疲れしない爽快なサウンド。
マーラーの4番で大成功して以来、DENONはワンポイント録音的な、ホールトーンを十分に録る(だから奥行きが広々としている)ものが多いのだが、この録音もその方向にある。聴いていて、オーケストラに包まれるような快感がある。
演奏も素晴らしい。テンポは颯爽としてやや速め。スッキリとした演奏で、いつものインバルらしく知性的な指揮ぶり。
こけおどし的なR・シュトラウスの音楽を端正に演奏してゆく。楽譜に書かれていることをきちんと音にして、変に演出しないのがイイ。
(指揮者があれこれ演出しなくても、作曲者はは演奏効果が上がるように書いてくれている)
スイス・ロマンド管も健闘。イイ音を出している。響きも充実しているし、技術的にも破綻しているところはない。特に管楽器が巧い。木管も金管も安心して聴いていられる。
インバルによって鍛えられたのかもしれない。
この「アルプス交響曲」はスゴイ作品だと思います。夜や日の出、花に滝、牧場の牛や羊、小川や森、霧や雷雨・・・・・R・シュトラウスは、全て音にしてしまっています。聴いていると、確かに花が咲き、日が昇り、霧が立ちこめ、滝が落ち、雨粒が徐々に落ちて大雨になり、大風も吹いて・・・・・もう凄まじいオーケストレーション。天才のワザ。
そして、このインバル盤、商品として素晴らしいのは、トラックやインデックスがポケット・スコアの練習番号と連動していることです。
ボクは楽譜が読めません。ド素人です。
でも、これならスコアを買ってきて、楽しめるかもしれません。
良心的なCDづくりだなぁと感心します。さすがDENON。日本を代表するレーベルであります。
これからも頑張って素晴らしいクラシック音楽のCDを発売し続けて欲しいものです。
DENON、ボクは好きです(^-^)。
2006/04/06のBlog
[ 03:47 ]
[ 交響曲 ]
若いから出来る演奏ってのがあるように思います。
このオケだから出来る演奏ってのもあるような気がします。
今日はそんな演奏を。
マーラーの交響曲第9番ニ長調。
ジェームズ・レヴァイン指揮フィラデルフィア管の演奏。
若きレヴァインとカラフルなサウンドのフィラデルフィア管・・・・・幸福な出逢いであります、
1979年の1月2・3日、フィラデルフィアのスコティッシュ・ライト・カテドラルでの録音。
(1月2日といえば、日本では三が日・・・。アメリカでは新年早々の録音の仕事など関係ないんだろうか・・・。)
このとき、レヴァインは35歳、将来を嘱望された最も若手の指揮者だった。『レコ芸』の特集で「未来の巨匠は?」などとやると、決まってレヴァインが最上位だったなぁ・・・・。
さて、演奏は若々しいレヴァインそのまま、明るく色彩的なマーラーとなった。
第1楽章からとにかく美しい、ひたすら美しいマーラーが聴ける。屈託ない演奏で、音楽は淀みなくよく流れる。もう少し屈折していたり、音楽が軋んでいる方がイイのかなとも思うのだが、レヴァインのマーラーは、これはこれで美しい。レヴァインの解釈が、アッケラカンとした音響を目指しているのかもしれない。
死への恐怖とか生への執着だの、人生の煩悶からは少し遠いような気もするが、なにしろ、美音の洪水。フィラデルフィア管の機能を最高度に発揮して、徹底的に磨き上げたマーラーになっているので、存在感は十分にあると思う。
録音も鮮やかなもので、シルキータッチのフィラデルフィアの弦楽合奏が味わえる。
第2楽章はさらに色彩的。とてもカラフル。
決して原色ではないし、派手な音響でもないのだが、聴いているとニュアンスに富んでいて、多彩な響きが全く楽しい。強弱のメリハリも十分、クッキリした演奏になっている。ぼんやりとした演奏ではなく、ハッキリと隈取りをつけた、ある意味では決然とした演奏になっている。これはこれで清々しいと思う。若きレヴァインの若武者ぶりとでも云おうか・・・。
第3楽章はロンド・ブルレスケ。フィラデルフィア管のアンサンブルが鉄壁。ホンマに巧いオケやなぁ・・・。
オケの機能というか、巧さはシカゴに匹敵するし、弦の魅力はフィラデルフィア管の方が上だろう。
マーラー的なメルヘンを感じさせる色彩的な演奏。リズムもよく弾んで心地よい。コーダでの突進も強烈。強いアッチェランドをかけて猛進してゆくのがスゴイ。
終楽章は熾烈な弦楽合奏。マーラーは、弱音の中に強い緊張感を孕んでいる希有の音楽を書いた。レヴァイン/フィラデルフィア管は、弱音を徹底的に磨いて、削って、研ぎ澄ましたように美しく弾く。細身の鋭さを持ちながら、そこはシルキータッチの弦、暖かみさえ感じさせる素晴らしい演奏。
このアダージョは約30分。本当にきれいでエエ音楽やなぁ・・・・・と改めて思わせられる演奏。
録音からすでに四半世紀。
もうレヴァインも還暦を過ぎて、今や巨匠の貫禄です。
この録音は、若きレヴァインの最も成功した演奏の一つだと思います。
特に、フィラデルフィア管の起用が成功してます。両者の幸福な邂逅です。
音が美しい。
マーラーの「死への恐怖」は薄いかもしれませんが、マーラーが構想したであろう管弦楽の美しさは最高度に満たしている演奏と思います。
マーラーの9番、イイ演奏がホンマに多いですなぁ。
このオケだから出来る演奏ってのもあるような気がします。
今日はそんな演奏を。
マーラーの交響曲第9番ニ長調。
ジェームズ・レヴァイン指揮フィラデルフィア管の演奏。
若きレヴァインとカラフルなサウンドのフィラデルフィア管・・・・・幸福な出逢いであります、
1979年の1月2・3日、フィラデルフィアのスコティッシュ・ライト・カテドラルでの録音。
(1月2日といえば、日本では三が日・・・。アメリカでは新年早々の録音の仕事など関係ないんだろうか・・・。)
このとき、レヴァインは35歳、将来を嘱望された最も若手の指揮者だった。『レコ芸』の特集で「未来の巨匠は?」などとやると、決まってレヴァインが最上位だったなぁ・・・・。
さて、演奏は若々しいレヴァインそのまま、明るく色彩的なマーラーとなった。
第1楽章からとにかく美しい、ひたすら美しいマーラーが聴ける。屈託ない演奏で、音楽は淀みなくよく流れる。もう少し屈折していたり、音楽が軋んでいる方がイイのかなとも思うのだが、レヴァインのマーラーは、これはこれで美しい。レヴァインの解釈が、アッケラカンとした音響を目指しているのかもしれない。
死への恐怖とか生への執着だの、人生の煩悶からは少し遠いような気もするが、なにしろ、美音の洪水。フィラデルフィア管の機能を最高度に発揮して、徹底的に磨き上げたマーラーになっているので、存在感は十分にあると思う。
録音も鮮やかなもので、シルキータッチのフィラデルフィアの弦楽合奏が味わえる。
第2楽章はさらに色彩的。とてもカラフル。
決して原色ではないし、派手な音響でもないのだが、聴いているとニュアンスに富んでいて、多彩な響きが全く楽しい。強弱のメリハリも十分、クッキリした演奏になっている。ぼんやりとした演奏ではなく、ハッキリと隈取りをつけた、ある意味では決然とした演奏になっている。これはこれで清々しいと思う。若きレヴァインの若武者ぶりとでも云おうか・・・。
第3楽章はロンド・ブルレスケ。フィラデルフィア管のアンサンブルが鉄壁。ホンマに巧いオケやなぁ・・・。
オケの機能というか、巧さはシカゴに匹敵するし、弦の魅力はフィラデルフィア管の方が上だろう。
マーラー的なメルヘンを感じさせる色彩的な演奏。リズムもよく弾んで心地よい。コーダでの突進も強烈。強いアッチェランドをかけて猛進してゆくのがスゴイ。
終楽章は熾烈な弦楽合奏。マーラーは、弱音の中に強い緊張感を孕んでいる希有の音楽を書いた。レヴァイン/フィラデルフィア管は、弱音を徹底的に磨いて、削って、研ぎ澄ましたように美しく弾く。細身の鋭さを持ちながら、そこはシルキータッチの弦、暖かみさえ感じさせる素晴らしい演奏。
このアダージョは約30分。本当にきれいでエエ音楽やなぁ・・・・・と改めて思わせられる演奏。
録音からすでに四半世紀。
もうレヴァインも還暦を過ぎて、今や巨匠の貫禄です。
この録音は、若きレヴァインの最も成功した演奏の一つだと思います。
特に、フィラデルフィア管の起用が成功してます。両者の幸福な邂逅です。
音が美しい。
マーラーの「死への恐怖」は薄いかもしれませんが、マーラーが構想したであろう管弦楽の美しさは最高度に満たしている演奏と思います。
マーラーの9番、イイ演奏がホンマに多いですなぁ。
2006/04/05のBlog
[ 05:13 ]
[ 協奏曲 ]
天気予報通り、午後から雨。
満開になった桜が散らねばエエが・・・と思うほど強い雨でありました。
花の色は移りにけりな・・・といいつつも、週末に花見の予定なのでもう少し持って欲しいもの。
でも、散る花も綺麗なもんです。ああ、ロマンティック・・・・・。
という気分で今日は最も清冽なロマン溢れるヴァイオリン協奏曲を聴こう。
そうなると、やはりメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64・・・であります。
今日はアンネ=ゾフィー・ムターのヴァイオリン、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏で。
1980年9月録音のDG盤。LPで発売されたときはブルッフの協奏曲とのカップリングだったが、このCDではブラームスの協奏曲(これも素晴らしい演奏)との組み合わせになっている。
録音当時、ムターは17歳。カラヤンお気に入りの美少女ヴァイオリニストで、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、そしてこのメンデルスゾーンと、次々に共演していた。ムターが世界的な人気ヴァイオリニストになったのは、このカラヤンとの共演(レコードの売り上げ)が大きかっただろうと思う。
第1楽章はゆっくりとしたテンポで始まる。管弦楽のスケールがとても大きい。メンデルスゾーンの書いた、ロマンに溢れ夢見るような旋律を、カラヤンはじっくりと充実した響きで展開してゆく。
ムターのヴァイオリンは清潔で研ぎ澄まされた美音、しかもデリカシーに満ちている。若々しい表現が素晴らしい。
聴いていると、手折れば散る、とでも云いたいほど可憐な表現もあるが、時に肉厚でドキッとするほど妖艶なところもある。全く多彩な表現・・・・、なかなかやるもんだなぁ。テクニックはしっかりしていて、特に再現部を導くカデンツァは聴きもの。しっとりと大人の息づかい。
第2楽章はカラヤン/BPOのバックがイイ。情感のこもった美しい伴奏。オケの音がひたすら美しい。孫を包み込む老爺の思いやり、優しさが伝わってくるかのよう。
尤も、カラヤン自身は、ムターの引き立て役に終始しようなどと思っているはずもなく、きっと自分も目立とうと思って振っているに違いないのだが、メンデルスゾーンの書法がそうなっているのか、出てくる音楽は愛情たっぷりの表現になっているのが面白い。
そんな中でしっとりと歌うムター、さぞや気持ちよかっただろうと思う。聴いていてすがすがしくなるフレージング、テンポ。
終楽章もゆっくりしたテンポ。速くなりすぎず、じっくりとした表現を積み重ねてゆく感じ。メンデルスゾーンの音楽はホンマに美しいなぁと実感できる表現。
ムターのテクニックはここでも素晴らしい。速いパッセージでも粒立ちのよい音になって出てくる。清潔で清新、覇気もみなぎる快活さだが、表層の上っ面だけで終わらす、踏み込みがしっかりしている感じ。これもカラヤン/BPOのオケの厚みが利いているせいかもしれない。
デジタル初期の録音ですが、あまり硬くならず、今聴いても十分に美しいです。
ムターはもちろん素晴らしいんですが、カラヤンの合わせもの、やっぱり巧いです。
満開になった桜が散らねばエエが・・・と思うほど強い雨でありました。
花の色は移りにけりな・・・といいつつも、週末に花見の予定なのでもう少し持って欲しいもの。
でも、散る花も綺麗なもんです。ああ、ロマンティック・・・・・。
という気分で今日は最も清冽なロマン溢れるヴァイオリン協奏曲を聴こう。
そうなると、やはりメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64・・・であります。
今日はアンネ=ゾフィー・ムターのヴァイオリン、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏で。
1980年9月録音のDG盤。LPで発売されたときはブルッフの協奏曲とのカップリングだったが、このCDではブラームスの協奏曲(これも素晴らしい演奏)との組み合わせになっている。
録音当時、ムターは17歳。カラヤンお気に入りの美少女ヴァイオリニストで、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、そしてこのメンデルスゾーンと、次々に共演していた。ムターが世界的な人気ヴァイオリニストになったのは、このカラヤンとの共演(レコードの売り上げ)が大きかっただろうと思う。
第1楽章はゆっくりとしたテンポで始まる。管弦楽のスケールがとても大きい。メンデルスゾーンの書いた、ロマンに溢れ夢見るような旋律を、カラヤンはじっくりと充実した響きで展開してゆく。
ムターのヴァイオリンは清潔で研ぎ澄まされた美音、しかもデリカシーに満ちている。若々しい表現が素晴らしい。
聴いていると、手折れば散る、とでも云いたいほど可憐な表現もあるが、時に肉厚でドキッとするほど妖艶なところもある。全く多彩な表現・・・・、なかなかやるもんだなぁ。テクニックはしっかりしていて、特に再現部を導くカデンツァは聴きもの。しっとりと大人の息づかい。
第2楽章はカラヤン/BPOのバックがイイ。情感のこもった美しい伴奏。オケの音がひたすら美しい。孫を包み込む老爺の思いやり、優しさが伝わってくるかのよう。
尤も、カラヤン自身は、ムターの引き立て役に終始しようなどと思っているはずもなく、きっと自分も目立とうと思って振っているに違いないのだが、メンデルスゾーンの書法がそうなっているのか、出てくる音楽は愛情たっぷりの表現になっているのが面白い。
そんな中でしっとりと歌うムター、さぞや気持ちよかっただろうと思う。聴いていてすがすがしくなるフレージング、テンポ。
終楽章もゆっくりしたテンポ。速くなりすぎず、じっくりとした表現を積み重ねてゆく感じ。メンデルスゾーンの音楽はホンマに美しいなぁと実感できる表現。
ムターのテクニックはここでも素晴らしい。速いパッセージでも粒立ちのよい音になって出てくる。清潔で清新、覇気もみなぎる快活さだが、表層の上っ面だけで終わらす、踏み込みがしっかりしている感じ。これもカラヤン/BPOのオケの厚みが利いているせいかもしれない。
デジタル初期の録音ですが、あまり硬くならず、今聴いても十分に美しいです。
ムターはもちろん素晴らしいんですが、カラヤンの合わせもの、やっぱり巧いです。
2006/04/04のBlog
[ 05:13 ]
[ 交響曲 ]
新年度に入って、仕事内容が変わりました。
トシを取ると仕事が増えます。責任が増えます。神経を使うことが増えます。
致し方ありません。こんなボクに給料をくれるんですから・・・。
有り難いと思わなくちゃ。
さて、今日はブラームスの交響曲第4番ホ短調作品98。
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1981年10月、ウィーンのムジークフェラインザールでのライヴ録音。
このころのバーンスタインのレコードはほとんどが実況録音盤で、「ライヴで燃えるバーンスタイン」がセールス・ポイントだった。会場のノイズはきれいに除かれており(バーンスタインのうなり声は時々入ってしまうが)、鑑賞に差し支えることはなかった。今聴いても、なかなか良い録音だと思う。
同じライヴでのバーンスタインのベートーヴェン交響曲全集は、やや低音を強調しすぎているところが気になったが、このブラームス全集は自然な録音だと思う。
第1楽章アレグロ・ノン・トロッポ。弦楽器の芯のある、靱い響きが心地よい。オケが左右のスピーカー一杯に広がり、ビオラやチェロ・コンバスの動き、刻みがよく分かる。ヴァイオリンの主旋律はもちろんだが、内声部が実によく聞こえる。
音に情念がこもっている感じ。戸惑い、躊躇、後悔、望郷・・・・・そんな感情がうねりながら音化されているような・・・・。奥の方で響くホルンの表現は、怒りの日のようでもある。
中盤以降も弦楽器群の芯のある響きが続き、この楽章独特の「迷い」、「女々しさ」的な表現より、怒りのような表情づけ。
すすり泣くよりも、憤怒の表現といった感じ。
第2楽章アンダンテ・モデラート。管楽器が混じり合いながらつくり出す、ブラームス独特の渋い響きがイイ。落ち着いた、滋味深い表現。バーンスタインにしては、実に渋い。
何色も絵の具を混ぜ合わせて、浮わつかない、しっとりとした色づけをしたような音楽になっている。第1楽章での怒りの矛を収め、ここでは遅いテンポでじっくりと歌ってゆく。ゆったりと、滔々と流れる大河のような音楽。楽章終盤では、止まってしまうのではないかとさえ思われる超スロー・テンポ。情感がしみじみと湧いてくる。
フレージングには粘りがあって、このあたりが、バーンスタイン得意のマーラー的な表現に聞こえてしまうところだろう。
第3楽章は一転、迫力ある表現。VPOの音は、ここでは明るく輝かしく鳴る。解放されたような響き。音がどんどん飛びだしてきて、楽器が相互に重なり合いながら、前に出てくる感じ。リズムはよく弾んで、快活。
第4楽章はまた遅いテンポ。ティンパニの響きは意味深いし、各楽器の表情づけも濃厚。こってりした響き。ダイナミック・レンジは広大で、ピアニシモからフォルティシモの音量の幅がデカイ。
この楽章でも、ブラームス特有の哀愁ではなく、バーンスタインは憤怒の表現を作っているように聞こえる。哀しみより、怒気を含んだ表現。
VPOの弦楽器群は繊細でしっとりした響き、フォルティシモでの厚みも十分。
管楽器も美しい。クラリネットやホルンなど、ため息が出るような名人芸を聴かせてくれる。
特筆すべきはフルート。この楽章の中ほど、弦のピアニシモをバックにソロを吹くところ、賽の河原を独り行くような、無常の響きでゾクッとさせられる・・・。
買ってからもう20数年。懐かしいレコードです。
今聴いても新鮮な魅力があります。
ブラームスでこんな表現が出来るのか・・・・・バーンスタインはスゴイ指揮者でした。
トシを取ると仕事が増えます。責任が増えます。神経を使うことが増えます。
致し方ありません。こんなボクに給料をくれるんですから・・・。
有り難いと思わなくちゃ。
さて、今日はブラームスの交響曲第4番ホ短調作品98。
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1981年10月、ウィーンのムジークフェラインザールでのライヴ録音。
このころのバーンスタインのレコードはほとんどが実況録音盤で、「ライヴで燃えるバーンスタイン」がセールス・ポイントだった。会場のノイズはきれいに除かれており(バーンスタインのうなり声は時々入ってしまうが)、鑑賞に差し支えることはなかった。今聴いても、なかなか良い録音だと思う。
同じライヴでのバーンスタインのベートーヴェン交響曲全集は、やや低音を強調しすぎているところが気になったが、このブラームス全集は自然な録音だと思う。
第1楽章アレグロ・ノン・トロッポ。弦楽器の芯のある、靱い響きが心地よい。オケが左右のスピーカー一杯に広がり、ビオラやチェロ・コンバスの動き、刻みがよく分かる。ヴァイオリンの主旋律はもちろんだが、内声部が実によく聞こえる。
音に情念がこもっている感じ。戸惑い、躊躇、後悔、望郷・・・・・そんな感情がうねりながら音化されているような・・・・。奥の方で響くホルンの表現は、怒りの日のようでもある。
中盤以降も弦楽器群の芯のある響きが続き、この楽章独特の「迷い」、「女々しさ」的な表現より、怒りのような表情づけ。
すすり泣くよりも、憤怒の表現といった感じ。
第2楽章アンダンテ・モデラート。管楽器が混じり合いながらつくり出す、ブラームス独特の渋い響きがイイ。落ち着いた、滋味深い表現。バーンスタインにしては、実に渋い。
何色も絵の具を混ぜ合わせて、浮わつかない、しっとりとした色づけをしたような音楽になっている。第1楽章での怒りの矛を収め、ここでは遅いテンポでじっくりと歌ってゆく。ゆったりと、滔々と流れる大河のような音楽。楽章終盤では、止まってしまうのではないかとさえ思われる超スロー・テンポ。情感がしみじみと湧いてくる。
フレージングには粘りがあって、このあたりが、バーンスタイン得意のマーラー的な表現に聞こえてしまうところだろう。
第3楽章は一転、迫力ある表現。VPOの音は、ここでは明るく輝かしく鳴る。解放されたような響き。音がどんどん飛びだしてきて、楽器が相互に重なり合いながら、前に出てくる感じ。リズムはよく弾んで、快活。
第4楽章はまた遅いテンポ。ティンパニの響きは意味深いし、各楽器の表情づけも濃厚。こってりした響き。ダイナミック・レンジは広大で、ピアニシモからフォルティシモの音量の幅がデカイ。
この楽章でも、ブラームス特有の哀愁ではなく、バーンスタインは憤怒の表現を作っているように聞こえる。哀しみより、怒気を含んだ表現。
VPOの弦楽器群は繊細でしっとりした響き、フォルティシモでの厚みも十分。
管楽器も美しい。クラリネットやホルンなど、ため息が出るような名人芸を聴かせてくれる。
特筆すべきはフルート。この楽章の中ほど、弦のピアニシモをバックにソロを吹くところ、賽の河原を独り行くような、無常の響きでゾクッとさせられる・・・。
買ってからもう20数年。懐かしいレコードです。
今聴いても新鮮な魅力があります。
ブラームスでこんな表現が出来るのか・・・・・バーンスタインはスゴイ指揮者でした。
2006/04/03のBlog
[ 02:02 ]
[ 交響曲 ]
前線の通過でしょうか、雨の前後に強風。
春の嵐でありました。開花し始めた桜が散らなければエエんですが。
今日は、ベルリオーズの幻想交響曲。
チョン・ミュンフン指揮パリ・バスティーユ管弦楽団の演奏。
1993年10月、パリでの録音。
チョン・ミュンフン/バスティーユ管の演奏は、どれも素晴らしい。我が家には、この「幻想」と、「シェエラザード」、サン=サーンスのオルガン交響曲、そしてビゼーのアルルの女・カルメン組曲があるが、いずれも名演。
政治的な背景があると聞くが、かえすがえすも、チョン・ミュンフンがパリ・バスティーユ管を去ったのは残念だった。
そのくらい、この幻想交響曲はスゴイ。
第1楽章「夢-情熱」。
弱音の中にも、すさまじい熱気を孕んだ序奏部。テンポはゆったりと進んでゆく。この遅さがイイ。ニュアンスに富んだピチカートが耳に心地よいし、、遠くから響いてくるようなホルンが甘い音色で奏するのも良い。ヴァイオリンの艶やかな響きも素晴らしく、黄昏の茜さすような色合いが美しい。
録音は当時DGが盛んに用いていた「4D録音」。効果のほどは、我が家では分からないが、前後左右の広がりが大きくスケール豊かな音場。楽器の音色が乾いたような感じがするのは、4D録音によるものではなく、フランス独特の軽さ・明るさから来るものだろう。
主部に入るとテンポは速め。推進力が加わって、管弦楽はさらに緊張感と熱気を孕んで、各楽器が前に出てくる感じ。自己主張と云ってもいいかな。非常にメリハリの利いた演奏になっている。アクセントも随所にあって、時々エキセントリックなところも見られが、いかにも、この破天荒な交響曲にふさわしい。
ラストのティンパニは強烈。雷鳴のような打撃でビックリ。
第2楽章「舞踏会」。
キラキラと光がこぼれ落ちてくるようなワルツ。コルネットの装飾音が何ともきらびやかで、さらに魅力を引き出している。それに、抜群に巧い。そして、コルネットに呼応して、弦楽器が黄金色に輝きはじめる。
今までいろいろな幻想」を聴いてきたが、こんなに魅惑的なワルツ楽章は初めて。圧倒的なワルツ。衝撃的ですらある(と書いたら、褒め過ぎか・・・・・(^^ゞ・・・)
第3楽章「野の情景」。
柔らかく静かなストリングスを背景に、管楽器のデリケートな響きが楽しめるところ。ここでも、チョン・ミュンフンの指揮は洗練されていて、しかも精妙。フランスのオケってこんなにアンサンブルが良かったかな?
聴きもののコーラングレの寂しい響きはもちろん素晴らしいが、そこにフルートが絡んでくると、光りが当たってさらに陰影が増すようになる。ホルンやクラリネットも、甘く少し明るく、フワッと軽く響いてくるのもイイ。
第4楽章「断頭台への行進」。
ティンパニが迫力十分。金管の響きも明るく、冴え冴えとしている。ダイナミック・レンジは広大。ものすごい音量で迫ってくる。しかし、下品な感じにならないのはさすが。響きはあくまでも洗練されていて、カッコイイ。
第5楽章「ワルプルギスの夜の夢」。
オケの盛り上がりの中で響いてくる鐘の音が良い。明るいのに深みを帯びた感じで響いてくる。コル・レーニョ奏法の不気味さも実にイイ。
終末に向かって、オケはさらに盛り上がり、て圧倒的なクライマックスをつくりだす。金管楽器群の音が最高。
これ、スタジオ録音のはずですが、全くライヴのような熱気に満ちてます。
これほど熱に浮かれたようなオケの響きを聴ける演奏、そうはないと思います。
幻想交響曲」という、曲そのものが熱に浮かれているのに、さらにそれを上回るオケ全体の熱さ。プレイヤーまでが熱に浮かれているんです。
オケをここまで熱くさせる・・・・・チョン・ミュンフンは天才やなぁと思います。
ジャケットも素敵です。素晴らしい!
春の嵐でありました。開花し始めた桜が散らなければエエんですが。
今日は、ベルリオーズの幻想交響曲。
チョン・ミュンフン指揮パリ・バスティーユ管弦楽団の演奏。
1993年10月、パリでの録音。
チョン・ミュンフン/バスティーユ管の演奏は、どれも素晴らしい。我が家には、この「幻想」と、「シェエラザード」、サン=サーンスのオルガン交響曲、そしてビゼーのアルルの女・カルメン組曲があるが、いずれも名演。
政治的な背景があると聞くが、かえすがえすも、チョン・ミュンフンがパリ・バスティーユ管を去ったのは残念だった。
そのくらい、この幻想交響曲はスゴイ。
第1楽章「夢-情熱」。
弱音の中にも、すさまじい熱気を孕んだ序奏部。テンポはゆったりと進んでゆく。この遅さがイイ。ニュアンスに富んだピチカートが耳に心地よいし、、遠くから響いてくるようなホルンが甘い音色で奏するのも良い。ヴァイオリンの艶やかな響きも素晴らしく、黄昏の茜さすような色合いが美しい。
録音は当時DGが盛んに用いていた「4D録音」。効果のほどは、我が家では分からないが、前後左右の広がりが大きくスケール豊かな音場。楽器の音色が乾いたような感じがするのは、4D録音によるものではなく、フランス独特の軽さ・明るさから来るものだろう。
主部に入るとテンポは速め。推進力が加わって、管弦楽はさらに緊張感と熱気を孕んで、各楽器が前に出てくる感じ。自己主張と云ってもいいかな。非常にメリハリの利いた演奏になっている。アクセントも随所にあって、時々エキセントリックなところも見られが、いかにも、この破天荒な交響曲にふさわしい。
ラストのティンパニは強烈。雷鳴のような打撃でビックリ。
第2楽章「舞踏会」。
キラキラと光がこぼれ落ちてくるようなワルツ。コルネットの装飾音が何ともきらびやかで、さらに魅力を引き出している。それに、抜群に巧い。そして、コルネットに呼応して、弦楽器が黄金色に輝きはじめる。
今までいろいろな幻想」を聴いてきたが、こんなに魅惑的なワルツ楽章は初めて。圧倒的なワルツ。衝撃的ですらある(と書いたら、褒め過ぎか・・・・・(^^ゞ・・・)
第3楽章「野の情景」。
柔らかく静かなストリングスを背景に、管楽器のデリケートな響きが楽しめるところ。ここでも、チョン・ミュンフンの指揮は洗練されていて、しかも精妙。フランスのオケってこんなにアンサンブルが良かったかな?
聴きもののコーラングレの寂しい響きはもちろん素晴らしいが、そこにフルートが絡んでくると、光りが当たってさらに陰影が増すようになる。ホルンやクラリネットも、甘く少し明るく、フワッと軽く響いてくるのもイイ。
第4楽章「断頭台への行進」。
ティンパニが迫力十分。金管の響きも明るく、冴え冴えとしている。ダイナミック・レンジは広大。ものすごい音量で迫ってくる。しかし、下品な感じにならないのはさすが。響きはあくまでも洗練されていて、カッコイイ。
第5楽章「ワルプルギスの夜の夢」。
オケの盛り上がりの中で響いてくる鐘の音が良い。明るいのに深みを帯びた感じで響いてくる。コル・レーニョ奏法の不気味さも実にイイ。
終末に向かって、オケはさらに盛り上がり、て圧倒的なクライマックスをつくりだす。金管楽器群の音が最高。
これ、スタジオ録音のはずですが、全くライヴのような熱気に満ちてます。
これほど熱に浮かれたようなオケの響きを聴ける演奏、そうはないと思います。
幻想交響曲」という、曲そのものが熱に浮かれているのに、さらにそれを上回るオケ全体の熱さ。プレイヤーまでが熱に浮かれているんです。
オケをここまで熱くさせる・・・・・チョン・ミュンフンは天才やなぁと思います。
ジャケットも素敵です。素晴らしい!
2006/04/02のBlog
[ 04:09 ]
[ 管弦楽曲 ]
風が冷たく、四月に入った気がしませんな・・・・・。
テレビでは皇居・千鳥ヶ淵の満開の桜が出ていましたが、この温暖な瀬戸内の桜は、まだ二分咲き程度・・・・もう少し開花してくれないと、暖かい気持ちになれんぞ・・。
ヒートアイランド、温暖化の影響で都会の桜の方が早いのか・・・・・・。う~む。
さて、今日はウィンナ・ワルツ・コンサートを。
ルドルフ・ケンペ指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
録音は1972年、ルカ教会。
このCDは、ドレスデン・シュターツカペレ創立425周年を記念して1972年に制作されたアルバム。DENONのクレスト1000シリーズの1枚。全部で6曲を収録している。
1 喜歌劇「こうもり」序曲(ヨハン・シュトラウスII世)
2 ワルツ「ウィーンの森の物語」(ヨハン・シュトラウスII世)
3 ポルカ「浮気心」(ヨハン・シュトラウスII世)
4 ワルツ「天体の音楽」(ヨーゼフ・シュトラウス)
5 喜歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」序曲(スッペ)
6 ワルツ「金と銀」(レハール)
ケンペのウィンナ・ワルツは、ウィーンの演奏とはまた違って、味わい深いものが多い。このCDの収録曲はいずれもケンペ得意のものだろう、自在な演奏で巧いもんだなぁと感心しきりだった。
「こうもり」序曲。
ドレスデン・シュターツカペレの柔らかいストリングスが素晴らしい。ふっくらとした響きに耳洗われる思い。ケンペの振るワルツは、正々堂々、クラシック音楽としてのJ・シュトラウス。格調高い演奏に花を添えるのがSKDの音色だと思う。
ウィーン・フィルのような鮮やかさはないものの、それを上回る、各楽器が融合したふくよかさ、アンサンブルの自在さ。
ドレスデンは当時、東ドイツに属しているのだが、何のことはない、地図を開けてみればドレスデンとウィーンは程近いところにある。ハプスブルク帝国時代ならば、隣町のようなものだろう。違和感なく、ドレスデンのワルツを楽しめるのは、そんなことによるのかもしれない。
曲はラストに向かうところで一気にテンポが加速、壮大に盛り上がるのがカッコイイ。
「ウィーンの森の物語」
序奏が格調高く、爽快な名演。やがてテンポが遅くなってメイン主題の登場、管楽器の響き合体編デリケートで味わい深い。
そして、チターの響き!繊細でニュアンス豊かなチターの音色が素晴らしい。聴き惚れてしまう。演奏はカール・ヤンチク。ストリングスの柔らかな音は、この曲でもとてもイイ。
「金と銀」はケンペ得意の曲だそうな。ボクにとっては小学校の給食時間の音楽で、懐かしさがこみ上げてくる名曲。
ケンペが振ると、元気ハツラツ、スケールは大きく、微笑みに満ちた演奏になる。適度なルバートやパーカッションの強調などは、ケンペならではか。
ピアニシモのデリケートな弦に、ハープがかぶってくるところなど、高貴な感じさえする。
後半になるとスケールはさらに拡大、大河の流れのように、ゆったり感が強くなる。
テンポはやや速めなのに、ゆったりした感じに聞こえるのは、フレージングの自然さによるのだろう。安心して身を任せられる「金と銀」。
「天体の音楽」は優しく暖かい音楽づくり。ストリングスは柔らかく、軽やかに弾む。羽毛の肌触りのような感触もステキ。フワッと浮遊するようなストリングス。
ケンペの指揮は余裕たっぷりで、楽しんで棒を振っている様子が見えるような感じです。ドレスデン・シュターツカペレの面々も見事に、自在に、反応しております。
イキでイナセで柔らかい、そんなウィンナ・ワルツ・コンサートでありました。
テレビでは皇居・千鳥ヶ淵の満開の桜が出ていましたが、この温暖な瀬戸内の桜は、まだ二分咲き程度・・・・もう少し開花してくれないと、暖かい気持ちになれんぞ・・。
ヒートアイランド、温暖化の影響で都会の桜の方が早いのか・・・・・・。う~む。
さて、今日はウィンナ・ワルツ・コンサートを。
ルドルフ・ケンペ指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
録音は1972年、ルカ教会。
このCDは、ドレスデン・シュターツカペレ創立425周年を記念して1972年に制作されたアルバム。DENONのクレスト1000シリーズの1枚。全部で6曲を収録している。
1 喜歌劇「こうもり」序曲(ヨハン・シュトラウスII世)
2 ワルツ「ウィーンの森の物語」(ヨハン・シュトラウスII世)
3 ポルカ「浮気心」(ヨハン・シュトラウスII世)
4 ワルツ「天体の音楽」(ヨーゼフ・シュトラウス)
5 喜歌劇「ウィーンの朝・昼・晩」序曲(スッペ)
6 ワルツ「金と銀」(レハール)
ケンペのウィンナ・ワルツは、ウィーンの演奏とはまた違って、味わい深いものが多い。このCDの収録曲はいずれもケンペ得意のものだろう、自在な演奏で巧いもんだなぁと感心しきりだった。
「こうもり」序曲。
ドレスデン・シュターツカペレの柔らかいストリングスが素晴らしい。ふっくらとした響きに耳洗われる思い。ケンペの振るワルツは、正々堂々、クラシック音楽としてのJ・シュトラウス。格調高い演奏に花を添えるのがSKDの音色だと思う。
ウィーン・フィルのような鮮やかさはないものの、それを上回る、各楽器が融合したふくよかさ、アンサンブルの自在さ。
ドレスデンは当時、東ドイツに属しているのだが、何のことはない、地図を開けてみればドレスデンとウィーンは程近いところにある。ハプスブルク帝国時代ならば、隣町のようなものだろう。違和感なく、ドレスデンのワルツを楽しめるのは、そんなことによるのかもしれない。
曲はラストに向かうところで一気にテンポが加速、壮大に盛り上がるのがカッコイイ。
「ウィーンの森の物語」
序奏が格調高く、爽快な名演。やがてテンポが遅くなってメイン主題の登場、管楽器の響き合体編デリケートで味わい深い。
そして、チターの響き!繊細でニュアンス豊かなチターの音色が素晴らしい。聴き惚れてしまう。演奏はカール・ヤンチク。ストリングスの柔らかな音は、この曲でもとてもイイ。
「金と銀」はケンペ得意の曲だそうな。ボクにとっては小学校の給食時間の音楽で、懐かしさがこみ上げてくる名曲。
ケンペが振ると、元気ハツラツ、スケールは大きく、微笑みに満ちた演奏になる。適度なルバートやパーカッションの強調などは、ケンペならではか。
ピアニシモのデリケートな弦に、ハープがかぶってくるところなど、高貴な感じさえする。
後半になるとスケールはさらに拡大、大河の流れのように、ゆったり感が強くなる。
テンポはやや速めなのに、ゆったりした感じに聞こえるのは、フレージングの自然さによるのだろう。安心して身を任せられる「金と銀」。
「天体の音楽」は優しく暖かい音楽づくり。ストリングスは柔らかく、軽やかに弾む。羽毛の肌触りのような感触もステキ。フワッと浮遊するようなストリングス。
ケンペの指揮は余裕たっぷりで、楽しんで棒を振っている様子が見えるような感じです。ドレスデン・シュターツカペレの面々も見事に、自在に、反応しております。
イキでイナセで柔らかい、そんなウィンナ・ワルツ・コンサートでありました。
2006/04/01のBlog
[ 03:35 ]
[ 交響曲 ]
春は名のみの 風の寒さや ・・・・・
四月というのに、まあ寒いこと。「花冷え」というんでしょうが、風が冷たい一日でした。
ただ日中の陽光はまさに春。冠雪の石鎚山が空の青さに映えて、絶景でありました。
桜の開花がペースダウンして、この終末は2分咲きまでいくかどうか。
お花見は来週末にしようと思います・・・・・。
さて、今日は活気ある曲を。
ベートーヴェンの交響曲第7番イ長調作品92。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
録音は1975年2月、ドレスデンのルカ教会。ドイツ・シャルプラッテンの原盤だろうが、ブリリアントの激安廉価盤で購入。
7枚組1万円のLP全集を愛聴してきたが、CDの便利さに昨今の激安価格、思わず手に取っておりましたな。
第1楽章、序奏部から、もうドレスデン・シュターツカペレ(SKD)の素晴らしい響きに身を浸すことが出来る。
ああ、この音。
練り絹のような、しっとりとした質感の弦楽セクションに、よく融け合う木管群。序奏部の堂々としたテンポで進んでゆく安定感、そして、この音色。ここを聴くだけで、安心感で一杯になる。
主部に入ると、迫力は十分だし、ゆったりめのテンポ充足感があってイイ。最近の演奏、特に古楽器団体の演奏は速すぎる。ベートーヴェンのアレグロの中にある、しみじみとした味わい深さを伝えてくれない。その点、ブロムシュテットのこの盤石の演奏は全く素晴らしい。
トゥッティでのアンサンブルの美しさは極上。これ以上、美しいものがあるかとさえ思わせられる演奏。
第2楽章。ここでもしっとりとした弦楽セクションの音色が魅力的。ヴィオラやチェロなど、低音部を支える楽器も好調で、オケ全体の響きがとても落ち着いている。テンポは中庸。
この楽章は悲痛な楽想のアレグレットなのだが、あまり「哀しみ」は立ちのぼってこない。それより、サラサラした柔らかい情感が響いてくる感じ。SKDのよく融け合ったサウンドのせいだろうか。
第3楽章もテンポはやや遅めで、堅牢な音楽づくり。喚き散らすような演奏になりがちなこの楽章を、ブロムシュテットは堂々たる音楽にしてゆく。木管のアンサンブルが素晴らしい。フルートなど、全曲に渡って非常に深い息づかいで、とても綺麗。木管の息の長さはこのオケの特徴かもしれない。
終楽章になると、ブロムシュテットは一転、熱気を孕んだ指揮ぶり。推進力が増してグイグイ音楽が進んでゆく。オケ全体の音量が上がった感じさえする迫力。
特にティンパニの音が生き生きとしてリズム感抜群。おそらく楽器は皮張り、バチは硬めなのだろう、非常に芯のある音でオケを支えている。このティンパニの響きを聴くのは快感。
コーダに向かってオケが突進してゆく。テンポが徐々に速くなって壮大に盛り上がってゆく。この楽章はホンマに激烈。温厚な演奏が多いブロムシュテットが、狂ったように驀進する。そしてものすごいクライマックス・・・。
いやぁ、この4楽章はホンマに面白い。
録音は標準レベルか。
奥行きはそう深くなく、ステージの広がりもそうはない。
ただ、個々の楽器はよく捉えられていると思います。特にティンパニの音はこのオケ独特の芯のある響きでエエですぞ。
四月というのに、まあ寒いこと。「花冷え」というんでしょうが、風が冷たい一日でした。
ただ日中の陽光はまさに春。冠雪の石鎚山が空の青さに映えて、絶景でありました。
桜の開花がペースダウンして、この終末は2分咲きまでいくかどうか。
お花見は来週末にしようと思います・・・・・。
さて、今日は活気ある曲を。
ベートーヴェンの交響曲第7番イ長調作品92。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
録音は1975年2月、ドレスデンのルカ教会。ドイツ・シャルプラッテンの原盤だろうが、ブリリアントの激安廉価盤で購入。
7枚組1万円のLP全集を愛聴してきたが、CDの便利さに昨今の激安価格、思わず手に取っておりましたな。
第1楽章、序奏部から、もうドレスデン・シュターツカペレ(SKD)の素晴らしい響きに身を浸すことが出来る。
ああ、この音。
練り絹のような、しっとりとした質感の弦楽セクションに、よく融け合う木管群。序奏部の堂々としたテンポで進んでゆく安定感、そして、この音色。ここを聴くだけで、安心感で一杯になる。
主部に入ると、迫力は十分だし、ゆったりめのテンポ充足感があってイイ。最近の演奏、特に古楽器団体の演奏は速すぎる。ベートーヴェンのアレグロの中にある、しみじみとした味わい深さを伝えてくれない。その点、ブロムシュテットのこの盤石の演奏は全く素晴らしい。
トゥッティでのアンサンブルの美しさは極上。これ以上、美しいものがあるかとさえ思わせられる演奏。
第2楽章。ここでもしっとりとした弦楽セクションの音色が魅力的。ヴィオラやチェロなど、低音部を支える楽器も好調で、オケ全体の響きがとても落ち着いている。テンポは中庸。
この楽章は悲痛な楽想のアレグレットなのだが、あまり「哀しみ」は立ちのぼってこない。それより、サラサラした柔らかい情感が響いてくる感じ。SKDのよく融け合ったサウンドのせいだろうか。
第3楽章もテンポはやや遅めで、堅牢な音楽づくり。喚き散らすような演奏になりがちなこの楽章を、ブロムシュテットは堂々たる音楽にしてゆく。木管のアンサンブルが素晴らしい。フルートなど、全曲に渡って非常に深い息づかいで、とても綺麗。木管の息の長さはこのオケの特徴かもしれない。
終楽章になると、ブロムシュテットは一転、熱気を孕んだ指揮ぶり。推進力が増してグイグイ音楽が進んでゆく。オケ全体の音量が上がった感じさえする迫力。
特にティンパニの音が生き生きとしてリズム感抜群。おそらく楽器は皮張り、バチは硬めなのだろう、非常に芯のある音でオケを支えている。このティンパニの響きを聴くのは快感。
コーダに向かってオケが突進してゆく。テンポが徐々に速くなって壮大に盛り上がってゆく。この楽章はホンマに激烈。温厚な演奏が多いブロムシュテットが、狂ったように驀進する。そしてものすごいクライマックス・・・。
いやぁ、この4楽章はホンマに面白い。
録音は標準レベルか。
奥行きはそう深くなく、ステージの広がりもそうはない。
ただ、個々の楽器はよく捉えられていると思います。特にティンパニの音はこのオケ独特の芯のある響きでエエですぞ。
2006/03/31のBlog
[ 03:25 ]
[ 交響曲 ]
行きつけの新居浜、西条の両マルワレコード、とうとう閉店します。
3月末を以て店じまい。
良心的にクラシックを置いてくれている数少ないショップでしたが、これで新居浜のタワーレコード以外には、近辺にまともなショップがなくなりました。
寂しい、実に寂しい話です。
ボクはショップの棚を物色するのが好きです。LP時代から(LPの頃は棚ではなく「エサ箱」と云ってましたが)、あのワクワクする気持ちが好きです。「何かエエの、ないかなぁ・・・・」・・・・気持ちが踊って来ます。(これを家人はビョーキと云うのです)
同僚とともに、マルワの店主に挨拶がてら、何枚か購入してきました。
(何枚も・・・・か?(^^ゞ)
シノーポリのCDを何枚か入手したのです。今日はその一枚を。
チャイコフスキーの交響曲第5番ホ短調 作品64。
ジュゼッペ・シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏。
1992年1月、ロンドン、オールセインツ教会での録音。
第1楽章、序奏部は濃厚な表情づけで、ものものしい開始。
主部に入るとテンポは颯爽として、速め。リズムは克明になってゆく。
ストリングスを歌わせるところでは、雰囲気豊かで情感たっぷり、濃い味付けになる。このあたりはいかにもシノーポリだなぁと思う。
管楽器が特に綺麗に聞こえる。フィルハーモニア管の金管は、明るく甘く、大変上手。
第2楽章は聴きもの。導入部の弦楽合奏がしみじみとした情感を訴えてくる。そこに滑り込んでくるホルンが甘い響きでとてもイイ。嫋々とした歌を聴かせる。その後のオーボエも、鼻にかかるような高音で切々と歌い上げてゆく・・・。このあたり、チャイコフスキーのオーケストレーションの巧さとともに、シノーポリの演出の巧みさを味わえるところ。
表面の仕上げはスタイリッシュなのだが、中身は情念で滾っている、熱く燃えている。そんな第2楽章。
終結部での壮大な盛り上がりも実にイイ。
第3楽章のワルツは流麗で、磨き上げられた鏡面のような感じ。ここでも情感がにじみ出てくる。木管が味わい深い演奏で、巧いなぁと思う・・・特にファゴットが良い。
テンポは速めで、ヴァイオリンなどは大変だろうと思う。
第4楽章。
序奏部はじっくりと細部までこだわった音楽づくり。木管のヴィブラートが上品だし、ヴィオラなども目立ちはしないものの、一生懸命刻んでいる。
主部は俄然速めのテンポで、うねるような演奏になってゆく。強弱のつけ方が独特。
フィナーレでは壮大な盛り上がり。フィルハーモニア管の能力全開で、凄まじいクライマックス。シノーポリは聴かせ上手だわい・・・・。
イイ指揮に当たると、フィルハーモニア管の演奏はとても良くなります。
シノーポリとのコンビはマーラー全集を白眉として、非常に相性が良かったのだろうと思います。
このチャイコフスキーも、ホームラン性の当たりだと思います。
録音は広々とした空間を感じさせるもの。
前後左右にスケール感豊かで、教会録音の良さが出ております。
音そのものは、カラッとしていると云うか、少し乾いていると云うか・・・そんな感じ。クラシック音楽は、もう少ししっとりと濡れている方が聴き疲れしないんですが。
このCDの音は、録音エンジニアの好みかな・・・。
3月末を以て店じまい。
良心的にクラシックを置いてくれている数少ないショップでしたが、これで新居浜のタワーレコード以外には、近辺にまともなショップがなくなりました。
寂しい、実に寂しい話です。
ボクはショップの棚を物色するのが好きです。LP時代から(LPの頃は棚ではなく「エサ箱」と云ってましたが)、あのワクワクする気持ちが好きです。「何かエエの、ないかなぁ・・・・」・・・・気持ちが踊って来ます。(これを家人はビョーキと云うのです)
同僚とともに、マルワの店主に挨拶がてら、何枚か購入してきました。
(何枚も・・・・か?(^^ゞ)
シノーポリのCDを何枚か入手したのです。今日はその一枚を。
チャイコフスキーの交響曲第5番ホ短調 作品64。
ジュゼッペ・シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏。
1992年1月、ロンドン、オールセインツ教会での録音。
第1楽章、序奏部は濃厚な表情づけで、ものものしい開始。
主部に入るとテンポは颯爽として、速め。リズムは克明になってゆく。
ストリングスを歌わせるところでは、雰囲気豊かで情感たっぷり、濃い味付けになる。このあたりはいかにもシノーポリだなぁと思う。
管楽器が特に綺麗に聞こえる。フィルハーモニア管の金管は、明るく甘く、大変上手。
第2楽章は聴きもの。導入部の弦楽合奏がしみじみとした情感を訴えてくる。そこに滑り込んでくるホルンが甘い響きでとてもイイ。嫋々とした歌を聴かせる。その後のオーボエも、鼻にかかるような高音で切々と歌い上げてゆく・・・。このあたり、チャイコフスキーのオーケストレーションの巧さとともに、シノーポリの演出の巧みさを味わえるところ。
表面の仕上げはスタイリッシュなのだが、中身は情念で滾っている、熱く燃えている。そんな第2楽章。
終結部での壮大な盛り上がりも実にイイ。
第3楽章のワルツは流麗で、磨き上げられた鏡面のような感じ。ここでも情感がにじみ出てくる。木管が味わい深い演奏で、巧いなぁと思う・・・特にファゴットが良い。
テンポは速めで、ヴァイオリンなどは大変だろうと思う。
第4楽章。
序奏部はじっくりと細部までこだわった音楽づくり。木管のヴィブラートが上品だし、ヴィオラなども目立ちはしないものの、一生懸命刻んでいる。
主部は俄然速めのテンポで、うねるような演奏になってゆく。強弱のつけ方が独特。
フィナーレでは壮大な盛り上がり。フィルハーモニア管の能力全開で、凄まじいクライマックス。シノーポリは聴かせ上手だわい・・・・。
イイ指揮に当たると、フィルハーモニア管の演奏はとても良くなります。
シノーポリとのコンビはマーラー全集を白眉として、非常に相性が良かったのだろうと思います。
このチャイコフスキーも、ホームラン性の当たりだと思います。
録音は広々とした空間を感じさせるもの。
前後左右にスケール感豊かで、教会録音の良さが出ております。
音そのものは、カラッとしていると云うか、少し乾いていると云うか・・・そんな感じ。クラシック音楽は、もう少ししっとりと濡れている方が聴き疲れしないんですが。
このCDの音は、録音エンジニアの好みかな・・・。
2006/03/30のBlog
[ 03:53 ]
[ 協奏曲 ]
この数日、やや身体がだるい・・・・少し走りすぎたか、ジョギングの量を減らすべきかと考えておりましたら・・・どうも「花粉」が怪しい・・・・。
ボクは花粉症ではないんです。アレルギーもありません。
しかしまあ・・・・職場の目の前に広がる四国山地・・・その杉花粉の飛散が凄まじいんですな。もう真っ白に霞んでしまうくらい、ものすごい量。花粉症には、ある日突然、そうなってしまうとはよく聞きますのでね、心配してます。
周囲には花粉症の人、沢山います。あれ、大変そうです・・・・・。
さて、そんなこととは一切関係なく、今日はモーツァルトです。
モーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466。
クララ・ハスキルのピアノ、イーゴリ・マルケヴィチ指揮コンセール・ラムルー管弦楽団の演奏。
1960年、ハスキルが亡くなる直前の録音で、発売当初から名演の誉れ高い演奏。
第1楽章、重い序奏から始まる。アクセントが強く、フォルテを強調する管弦楽。スケールも大きい。モーツァルトにしては雄大すぎるかなと思うくらい。木管はもう少しファイトという感じだが、ティンパニなどはかなり強く叩いている。ドン・ジョヴァンニのようなデモーニッシュな開始。
ハスキルのピアノが加わると、光が射し込んでくるように音楽の色が変わる。とにかくピアノの音色が綺麗。色で例えれば、真っ白なピアノ。そのなかに、モーツァルトの情念が宿っている感じ。コロコロと良く回転するピアノの、一つひとつの響きというか、それぞれの音符というか・・・がとても美しい。それとともにオケがますます迫力を増してゆく。
まるでベートーヴェンのように聞こえてしまうほど力強いオケの音も印象的。もともとこの曲は劇的に書かれているのだとは思うが、それにしても、マルケヴィチの指揮は実に重厚。そして暗い。
ニュアンスや繊細さよりも、迫力・劇性を前面に押し出した管弦楽になっている。
第2楽章はロマンツェ。ハスキルのピアノは、清楚で可憐、芳しい花のような演奏。
この楽章、ゆったりとしたテンポでクッキリとハスキルは弾いてゆく。打鍵も克明。
長調の緩徐楽章なのに、聴いているの哀しく感じられるようなピアノ。高貴で孤高の趣き。
中間部での劇的表現は、このハスキル盤以外ではなかなか聴けない。マルケヴィチ/ラムルー管の演奏も激烈を極める。
終楽章にはいると悲愴美がさらに際だってくる。ラムルー管の低音の強調とティンパニの強打は凄まじい迫力を生み出している。
ハスキルのピアノはここでも哀しいほどに美しい。年齢を感じさせない、爽やかな色気さえ漂う。
この演奏の3週間後、ハスキルはブリュッセルで倒れ、そして逝った・・・。
そんな想いをめぐらせながら聴いていると、さらにこのピアノの音色が哀しく聞こえる。混じりっ気なしの白いピアノ。高貴な女性に頬を愛撫されているような感触のピアノ。
木管とピアノが対話するところなど、これ至高の美しさ・・・。
録音からすでに45年。しかし、そう思えないほど鮮明な音であります。
演奏も録音も、低音の強調が特徴でしょうか。
ハスキルのピアノが、こんなに美しく録られていれば不満はありません。
名盤の誉れ高いのもむべなるかな。
「良き曲、よき演奏、良き録音」・・・・野村あらえびすの言葉を思い出しました。
素晴らしいCDです。
ボクは花粉症ではないんです。アレルギーもありません。
しかしまあ・・・・職場の目の前に広がる四国山地・・・その杉花粉の飛散が凄まじいんですな。もう真っ白に霞んでしまうくらい、ものすごい量。花粉症には、ある日突然、そうなってしまうとはよく聞きますのでね、心配してます。
周囲には花粉症の人、沢山います。あれ、大変そうです・・・・・。
さて、そんなこととは一切関係なく、今日はモーツァルトです。
モーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466。
クララ・ハスキルのピアノ、イーゴリ・マルケヴィチ指揮コンセール・ラムルー管弦楽団の演奏。
1960年、ハスキルが亡くなる直前の録音で、発売当初から名演の誉れ高い演奏。
第1楽章、重い序奏から始まる。アクセントが強く、フォルテを強調する管弦楽。スケールも大きい。モーツァルトにしては雄大すぎるかなと思うくらい。木管はもう少しファイトという感じだが、ティンパニなどはかなり強く叩いている。ドン・ジョヴァンニのようなデモーニッシュな開始。
ハスキルのピアノが加わると、光が射し込んでくるように音楽の色が変わる。とにかくピアノの音色が綺麗。色で例えれば、真っ白なピアノ。そのなかに、モーツァルトの情念が宿っている感じ。コロコロと良く回転するピアノの、一つひとつの響きというか、それぞれの音符というか・・・がとても美しい。それとともにオケがますます迫力を増してゆく。
まるでベートーヴェンのように聞こえてしまうほど力強いオケの音も印象的。もともとこの曲は劇的に書かれているのだとは思うが、それにしても、マルケヴィチの指揮は実に重厚。そして暗い。
ニュアンスや繊細さよりも、迫力・劇性を前面に押し出した管弦楽になっている。
第2楽章はロマンツェ。ハスキルのピアノは、清楚で可憐、芳しい花のような演奏。
この楽章、ゆったりとしたテンポでクッキリとハスキルは弾いてゆく。打鍵も克明。
長調の緩徐楽章なのに、聴いているの哀しく感じられるようなピアノ。高貴で孤高の趣き。
中間部での劇的表現は、このハスキル盤以外ではなかなか聴けない。マルケヴィチ/ラムルー管の演奏も激烈を極める。
終楽章にはいると悲愴美がさらに際だってくる。ラムルー管の低音の強調とティンパニの強打は凄まじい迫力を生み出している。
ハスキルのピアノはここでも哀しいほどに美しい。年齢を感じさせない、爽やかな色気さえ漂う。
この演奏の3週間後、ハスキルはブリュッセルで倒れ、そして逝った・・・。
そんな想いをめぐらせながら聴いていると、さらにこのピアノの音色が哀しく聞こえる。混じりっ気なしの白いピアノ。高貴な女性に頬を愛撫されているような感触のピアノ。
木管とピアノが対話するところなど、これ至高の美しさ・・・。
録音からすでに45年。しかし、そう思えないほど鮮明な音であります。
演奏も録音も、低音の強調が特徴でしょうか。
ハスキルのピアノが、こんなに美しく録られていれば不満はありません。
名盤の誉れ高いのもむべなるかな。
「良き曲、よき演奏、良き録音」・・・・野村あらえびすの言葉を思い出しました。
素晴らしいCDです。
2006/03/29のBlog
[ 01:18 ]
[ 管弦楽曲 ]
この春初めての鶯を聞きました。
気温も上昇してきて、早朝のジョギングには実に気持ちいい季節になりました。
ランニング・ジャケットもベストも着ずに、もう長袖Tシャツ一枚で十分ですな。
肌寒く感じるのは、走り始めの5分くらい。それを過ぎるともうポカポカ、30分のジョグでかなり汗をかきます。
いつものコース、西条ひうち球場の桜はまだですが、今日は鶯が啼いておりました。
いい鳴き声。思わず振り返って姿を見つけようとしましたが、鳴き声が聞こえるだけ。
でもエエ気分でした。
着実に春は来てます。
そこで、今日はディーリアスの「春初めてのカッコウを聞いて」。
鶯はクラシック音楽にはないですな。
でもカッコウならあります。それも飛びきり美しい音楽。
触ると壊れてしまいそうなデリケートな音楽。
ストリングスが本当に柔らかく優しく繊細。
春の霞のような、フワリとした感じや、モヤッとした感じが伝わってくる。
そのストリングスを背景に、木管がカッコウの鳴き声を秘かに吹いてゆく。
これも、繊細に、ヒソヒソ声のように響かせて。
ディーリアスの音楽は、ホンマに優しい。
内省的で、はにかみを含んだような音楽。
微笑んでいても、大声で笑ったりしない。
涙を流しても、大声で泣いたりはしない。
静謐に、淡々と音楽は流れてゆく・・・・。
今日の演奏はネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管。
1986年4月、ロンドンのヘンリー・ウッド・ホールでの録音。我が家にあるのは輸入盤だが、日本では「マリナー/ノスタルジック・コンサート」というタイトルで発売されたもの。ジャケットが美しいのでついつい購入してしまった1枚。
ディーリアスの「春初めてのカッコウを聞いて」や、ヴォーン・ウィリアムズの「グリーンスリーヴズによる幻想曲」、サティの「ジムノペディ第1番」や「第3番」も収録。特にサティはゆっくりしたテンポで、ジワッと思いがこみ上げてくる名演。
さらにバーバーの「弦楽のためのアダージョ」、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ第5番」、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」、カントルーブの「オーベルニュの歌・バイレロ」も雰囲気豊かな演奏で楽しめる。
今は、マリナーの他のCDから演奏を色々集めた編集盤が出ているようであります。
こういう曲を振らせたらマリナーは巧いもんです。
録音もフィリップスの暖かく残響豊かなもの。
しっとりと味わえる小品集です。
最近はこういうCDが少なくなりました・・・・・。
気温も上昇してきて、早朝のジョギングには実に気持ちいい季節になりました。
ランニング・ジャケットもベストも着ずに、もう長袖Tシャツ一枚で十分ですな。
肌寒く感じるのは、走り始めの5分くらい。それを過ぎるともうポカポカ、30分のジョグでかなり汗をかきます。
いつものコース、西条ひうち球場の桜はまだですが、今日は鶯が啼いておりました。
いい鳴き声。思わず振り返って姿を見つけようとしましたが、鳴き声が聞こえるだけ。
でもエエ気分でした。
着実に春は来てます。
そこで、今日はディーリアスの「春初めてのカッコウを聞いて」。
鶯はクラシック音楽にはないですな。
でもカッコウならあります。それも飛びきり美しい音楽。
触ると壊れてしまいそうなデリケートな音楽。
ストリングスが本当に柔らかく優しく繊細。
春の霞のような、フワリとした感じや、モヤッとした感じが伝わってくる。
そのストリングスを背景に、木管がカッコウの鳴き声を秘かに吹いてゆく。
これも、繊細に、ヒソヒソ声のように響かせて。
ディーリアスの音楽は、ホンマに優しい。
内省的で、はにかみを含んだような音楽。
微笑んでいても、大声で笑ったりしない。
涙を流しても、大声で泣いたりはしない。
静謐に、淡々と音楽は流れてゆく・・・・。
今日の演奏はネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管。
1986年4月、ロンドンのヘンリー・ウッド・ホールでの録音。我が家にあるのは輸入盤だが、日本では「マリナー/ノスタルジック・コンサート」というタイトルで発売されたもの。ジャケットが美しいのでついつい購入してしまった1枚。
ディーリアスの「春初めてのカッコウを聞いて」や、ヴォーン・ウィリアムズの「グリーンスリーヴズによる幻想曲」、サティの「ジムノペディ第1番」や「第3番」も収録。特にサティはゆっくりしたテンポで、ジワッと思いがこみ上げてくる名演。
さらにバーバーの「弦楽のためのアダージョ」、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ第5番」、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」、カントルーブの「オーベルニュの歌・バイレロ」も雰囲気豊かな演奏で楽しめる。
今は、マリナーの他のCDから演奏を色々集めた編集盤が出ているようであります。
こういう曲を振らせたらマリナーは巧いもんです。
録音もフィリップスの暖かく残響豊かなもの。
しっとりと味わえる小品集です。
最近はこういうCDが少なくなりました・・・・・。
2006/03/28のBlog
[ 04:27 ]
[ 管弦楽曲 ]