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クラシック音楽のひとりごと
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2006/05/14のBlog
雨がよく降ります。
梅雨の先走りですね。奄美ではもう梅雨に入ったとのこと。
それにしても肌寒い一日でありました。

輸入盤の価格が昨年くらいから少し上がってきてます。
暴落激安の時代は終わったのかもしれません。HMVやタワーレコードのHPを眺めていても、食指が動かない・・・・・。3枚買えば云々とあるが、値引きした価格が以前よりかなり高いではないかい。欺されんぞい(^^ゞ。

思えば、しかしブリリアントの登場は衝撃でありましたな。
圧倒的な激安価格で、たまげたものでした。今日はその中からの1枚。

ブラームスの交響曲第2番ニ長調作品73。
ヤープ・ファン・ズヴェ-デン指揮オランダ放送管弦楽団の演奏。
1999年録音。ブリリアントの超廉価盤の全集からのもの。

第1楽章はゆったりとした開始。弦楽セクションの響きは幸福感に満ちていて、サウンドはやや渋め。オランダ放送管の音は、ほの暗く落ち着いた響きが特徴と言えそう。ヴィオラなどは慎ましく穏やかで心地よいし、ヴァイオリン群の音色もたいそう美しい。しかもよく揃っている。

ズヴェーデンは、もとコンセルトヘボウ管のコンサート・マスター。シャイーの「シェエラザード」で聴かせてくれたソロ・ヴァイオリンは優美で色っぽい演奏だった。

そんな彼の指揮は、若々しく活気のあるブラームスをつくり出す。主部に入ると、テンポは快活で弾むような感じ。ただし、響きは全編を通して穏やかで慎ましい。コンセルトヘボウ管もそうなのだが、オランダのオーケストラの音は、慎ましいのかな。

ブラームスのこの曲は、楽器の混ぜ合わせが聴きどころなんじゃないかと思う。
ブラームスは原色の音楽を書かなかった。楽器の音が、そのまま飛び出てくるような書き方は極力避けて、他の楽器と一緒にブレンドされた音として聴き手の耳に届くように書いた。ズヴェーデン/オランダ放送管の演奏も、随所にその特徴が出ていると思う。

第2楽章もゆったりとした開始。テンポが遅いと老成円熟した音楽になるのだが、ズヴェーデンの再現するブラームスはとても若々しい。弦楽セクションに芯の強い響きが感じられ、それが演奏全体の覇気に繋がっているように思う。オケの響きが少しこもった感じになっているのが惜しい。もう少し透明感があればなぁ。

第3楽章はのどかな田園風景。木管群のひなびた味わいが実にイイし、ストリングスの穏やかな響きも心地よい。ホルンやクラリネットの音色はたまらなく美しい。
ズヴェーデンの指揮は直截的で、手練手管を施したりしない。清潔な指揮ぶりで好ましい。
今聴いている自室からは、西条ののんびりした田園地帯が広がる。そんな風景とブラームスの2番は実によく似合う。

終楽章は少しテンポが速くなる。オケも逞しく盛り上げてゆく。懸命の弾きっぷり、吹きっぷり。そう上手いオケではないと思うのだが、一生懸命演奏しているのが分かる。こういう演奏は、少々のことがあっても心地よく聴けるものだ。

録音は標準的、もう少し奥行きがあってもイイかなと思いました。
でも、この安さ。文句ありません。新品3枚で1000円なら言うことないです。
尤も、芸術は値段ではかるもんじゃないんでしょうけど・・・・(^^ゞ
2006/05/13のBlog
爽やかな五月。
通勤中に眺める街路樹の緑が綺麗です。
車から見ると、葉の裏がよく見えます。表面は緑濃く、葉の裏は黄緑、薄緑。五月の風にそよぐ緑が実に綺麗になってきました。

(と思ったら、今朝は五月雨。変わりやすい天気なことで・・・・・(^^ゞ・・・)

さて、今日はメンデルスゾーンの交響曲第3番イ短調作品56「スコットランド」。

セミヨン・ビシュコフ指揮ロンドン・フィルの演奏。
1986年12月、ロンドン、トゥーティングでの録音。フィリップス原盤。

中古書店で見つけたもの。丸善書店とフィリップスが組んで発売した名曲全集からの1枚らしい。レギュラー盤と何ら変わらないCDが激安で購入できる幸せ。

ビシュコフは1980年代の半ば、盛んにフィリップスがプッシュしていた指揮者で、このメンデルスゾーンの他にもショスタコーヴィチの5番、チャイコフスキーやビゼーの管弦楽曲などを録音していたのだが、最近、あまり名前を見かけなくなった・・・。

さて、その演奏。
第1楽章は雰囲気たっぷりの始まり。ロマンの匂い芳しい。
ヴィオラとチェロの音色がしっとりとして、実に深い響き。ロンドン・フィルってこんなに奥行きのある・陰影のある響きを出すオケだったかなと思いつつ、弦楽セクションに耳を澄ませていると、いや全く実にイイ。フィリップスの録音技術も良いのだろうが、ビシュコフの旋律の歌わせ方が巧いんだろうと、合点がいった。情緒溢れるしみじみとした歌。青春の憧れ、夢、感傷・・・・そんな感情が込められた歌。見事な序奏部だと思う。
主部に入ると、さらに情熱的。ただ、弦楽器はロマン的に歌うのだが、木管は端正な感じで、あまり姿勢を崩さない。少し違和感あり。
それにしてもオケは上手いぞ。ロンドン・フィル、大健闘といったところか。

第2楽章は速めのテンポで颯爽としている。第1楽章とは対照的で、爽快な感じがする。オーケストラのトゥッティが美しい。特に木管が綺麗。フィリップスの録音は前後左右に音場が広く、スケール感も豊かで残響が素晴らしい。それがこのオケの美しさを支えているんだろうな。
楽章後半からは、畳み込んでゆくような迫力がある。

第3楽章は、荒涼たるスコットランドの風景か。ヴァイオリン群の音が穏やかで、やや暗めの音色がこの楽章にふさわしい。優美な旋律、センチメンタルなメロディのオンパレード。これがゆったりと遅いテンポの中で歌われる。もう、泣けと云わんばかりの風情。少々やり過ぎかなと思うほど。

終楽章は一転、快速テンポとなって終曲へと一気に盛り上がる。ビシュコフの指揮はここでも情熱的で、煽るようなところもあるし、直線的なところもある。若さの発露の交響曲と見れば、こういう解釈もありかなと思う。

ロンドン・フィルの演奏がたいそう美しいです。

ビシュコフの指揮は、ギラギラしたところがあって面白いですが、少々アクが強いかもしれませんな。
でも、メンデルスゾーンはロマン派の作曲ですしね。稀代のメロディ・メーカーでもあるわけで、こういう感情的な演奏もエエかなと思いました。
2006/05/12のBlog
今日は古今無双の名曲いきます。
ベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調「運命」。

デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団の演奏。
録音は1997年の3月、チューリッヒ・トーンハレでのもの。ARTE NOVAレーベルの輸入盤。

ジンマンのベートーヴェン全集は大変な話題になったし、しかも激安価格だった。ボクが購入したのは2000年初頭だったと思うが、確か5枚組で2000円程度だったと思う。バーゲン価格とはいえ、いかにも安い。
これがきっかけで、輸入盤が著しく安くなっているのに気づき、CD購入意欲に火がついて、次々とBOXセットを買い漁ってしまった・・・・。

そのため、聴かずに放っているCDが随分ありますな・・・・「持っておくことに意義がある」と思っているとはいえ(半分、開き直りでありますが)、箱物を買いすぎると、どうしても聴かないCDやダブリ買いCDが出てきてしまいます。やれやれ。

さて、その演奏たるや、もう面白いを通り越して、やりすぎ、反則技じゃないかと思えてしまうほど、それまでの演奏と全然違う全集であって、この「運命」もビックリするようなところが随所にあって、実に飽きない。
とにかく面白い。抱腹絶倒とは言わないが、聴いていて「ホンマかいな?」嗤ってしまうことあり。

楽譜は話題になったベーレンライター版。でも、ジンマンの面白さは、楽譜とはあまり関係がないかもしれない。エディションは、以前のギュルケ版とたいそう変わっていることもないらしいし、ジンマンの演奏はおそらく古楽器団体の影響を受けているのだろうとは思うが、どうもそれだけではないだろう。ジンマン自身の解釈が独特なのだろうと思う。
録音はクリアでスッキリ系。どちらかというとブルー系の音づくりで、やや冷たい響きだから、好みが分かれるかもしれない。我が家で響くドレスデン・シュターツカペレやアムステルダム・コンセルトヘボウの音とは対極にある、爽やかなソーダ水のような方向の音。あえて云えば、ロック系の録音かな。
ただ、その音はジンマンの解釈に大変合っていると思う。クリアな空間から、次々に装飾音や強調される楽器が飛び出してくる、これが実に聴き取りやすい。透明感のある音場で、ジンマンの独特なベートーヴェンを満喫できる。

ジンマンの解釈は、快速テンポが基調。推進力に溢れて、グイグイ前進してゆくテンポ。アーティキュレーションが独特で、切れ味鋭い細身の刀でスパッと切って捨ててしまうような指揮ぶり。実にサッパリと爽快。
音の融け合いや楽器間のバランスに気を遣うより、個々の楽器を(ジンマンの解釈の中で)自己主張させるような感じ。
仕上げは端正で、表面はツルッとした音楽づくり。新鮮で若々しい、新緑の季節のような瑞々しさ。

第1楽章のオーボエの装飾音は個人技なのか、ジンマンの解釈なのか・・・・。反則技のような面白さ。
第2楽章のティンパニの強打、その目立ち方も面白い。
終楽章では著しい金管の咆吼。クローズアップ。ここでもティンパニの音が生々しく、硬い音を響かせて面白い。


いやぁ、面白い。久しぶりに取り出してみて、やはり面白かった。
この全集、全曲面白いんですが、さて毎日聴くにはどうかなぁ・・・。
毎日の「ご飯」に飽きたら、ジンマンを。
時に変わった料理を喰うのもエエでしょう。
少しゲテモノ臭いかな・・・・・・(^^ゞ。
2006/05/11のBlog
生誕250周年。世間はモーツァルトのブームだそうで・・・。
その最たるものか、大型連休には、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2006が東京国際フォーラムで開催されていたとのこと。
ネットの世界でも、あれに行った、これは良かったと、様々な評が見えました。

都会に住んでいる人は羨ましいです。
どうも、四国の片田舎に住んでいると、その状況がピンと来ないんですなぁ・・・。
連休だったのだから、足を運べなくもなかったんですが、仕事の関係でおいそれとは行けませんしね。
う~ん・・・・都会と地方の格差は、経済的なものだけでなく、文化的な事業でも確実に拡大しているんでしょう。


というのを口実に致しましてね。
ついつい「モーツァルト大全集」を某オークションで落札しました。(「ついつい」も口実です)。例の、ブリリアント170枚組です。15000円ですから1枚100円もしない。

なんというご時世か。ネット通販やオークションだけは、都会と地方の格差がありませんな。これで当分の間、楽しめそうです。
(この際、リンデン/アムステルダムの交響曲集の何枚かがダブっていても、この値段なら許しちゃう(^^ゞ)

「つまみ聴き」しながら、ビックリ。
素晴らしい録音の目白押しであります。特に良かったのはピアノ協奏曲とピアノ・ソナタ。セレナード集も結構イケルし、リンデンの交響曲集は十分によろしい。
録音がイイです。1990年代のものが多く、奥行きが深く臨場感十分、そして残響がとても柔らかい。これは聴きやすい。いわゆる、コンサート・プレゼンスが素晴らしい。

で、つまみ聴きが止まらなくなってしまいまして・・・。
とうとう全曲聴いてしまったのが「魔笛」。

チャールズ・マッケラス指揮スコットランド室内管弦楽団と合唱団の演奏。テラーク原盤をライセンス契約してのもの。

録音はイイし、演奏も古楽器的な颯爽としたもので、何しろ配役が良く、しかもそれぞれの歌手の出来が大変良い。

少し記してみると・・・・。
パミーナ;バーバラ・ヘンドリックス
タミーノ;ジェリー・ハドリー
パパゲーノ;トーマス・アレン
ザラストロ;ロバート・ロイド
夜の女王;ジューン・アンダーソン
パパゲーナ;ウルリケ・シュタインスキー
弁者;トフリート・ホーニック

パパゲーナのシュタインスキーはよく知らないが、あとは有名な歌手ばかり。
有名だけでなく、例えば、ハドリーのタミーノは若々しく溌剌として何より声がイイし、ヘンドリックスは相変わらず綺麗な高音だし(低音の地声が少し汚れているが)、ザラストロは貫禄の名唱。
夜の女王が特に良い。「魔笛」は他の歌手が良くても、夜の女王がスカスカだと台無しになってしまうと思うのだが、このアンダーソンという歌手はとてもイイ。グルベローヴァ並みとまでは云わないが、若々しくしかも芯の強さのある夜の女王になっている。コロラトゥーラも非常に美しい。

マッケラスの指揮は颯爽として気持ちいいし、スコットランド室内管がまた鋭敏に反応してさらに気持ちいいです。

大全集170枚、全部聴けるかどうかは分かりませんが、事典のような聴き方が出来そうです。未収録のものも幾つかあるようですが、ボクらトーシローには十分な曲数。
当分楽しめそうであります。

ん~~~。
でも、やはり、都会の人は羨ましいです。
エエなぁ、ホンマに。羨ましいなぁ。
2006/05/10のBlog
気温が上昇、蒸し暑いくらいでありました。
つい数日前まで、「今年は暑くなるのが遅いですね」などと挨拶を交わしていたのに、いや、今日は不快指数の高い一日でした。

昨日と今日、出張(研修会)でお勉強。久しぶりの勉強会だが、これを頑張っておかないと、4月から変わった仕事に対応できない。
勉強好かんのに・・・・・しゃあないのぉ。

でも音楽は好きです。さて、今日はモーツァルト。
この人の音楽を聴くと、気分が晴れますな。

で、取り出したのは、ピアノ協奏曲第26番ニ長調K.537「戴冠式」。

ダニエル・バレンボイムの弾き振り、イギリス室内管の演奏。
1974年5月、ロンドンのアビーロード・スタジオでの録音。EMI原盤。
バレンボイムはこの後TELDECにベルリン・フィルの弾き振りで全集録音しているので、これは旧全集ということになる。

第1楽章。さすがに少し録音が古くなったかなという印象。30年前の録音だから仕方ないかな。オケの音は気合いが入っているんだが、やや、こもり気味なのが残念。リズム感は良く、しなやかな序奏部になっている。
バレンボイムのピアノが入ってくると、フワッと安らかな気持ちが湧き上がってくる。光が射し込んでくるような感じ。
左右のスピーカーの間の空気というか、空間というか、その色が変わってしまう感じ。光沢を増すというか、淡いピンク色のようになる。ピアノだけでここまで雰囲気を変えてしまうのだから、バレンボイムはスゴイと思う。
独奏ピアノはコロコロとよく転がって、響きも透明感があってとても美しい。

カデンツァはバレンボイム自身の作。「フィガロの結婚」のフレーズが入ってきたりして大胆、面白い。このカデンツァを聴けるだけでも価値ありと見た。

第2楽章は、少し霞がかった空の穏やかさ。優しい気持ちになれる楽章。ピアノは優美でロココ調、オケの響きは滑らかで心地よい。ピアノの強弱のつけ方や音色がデリカシーに富んでいて、多彩に変化してゆく。バレンボイムのワザに感心することしきり。

終楽章のアレグレットは活気に富んで素晴らしい終曲。五月の緑葉が風にざわめくような雰囲気、新鮮な空気を聴き手に送ってくるような演奏。
バレンボイムのピアノは終始、多彩なニュアンスで聴き手を楽しませてくれる。ロンドだけでも、色づけがどんどん変化してゆく。万華鏡のような演奏。


TELDECでの再録音、20番以降を持っています。
オケはなるほどベルリン・フィルで素晴らしいですし、バレンボイムのピアノはさらに円熟度を増してます。
ただ、この「戴冠式」については、EMI盤の方がニュアンス多彩で優れているように思います。
天賦の才能が迸るような演奏だと思うからです。
2006/05/09のBlog
連休明けの週始めは雨でした・・・・・。

雨の日はショパンを聴きたくなります。

「雨音はショパンの調べ」という歌をヒットさせたのは往年の美人モデル小林麻美でしたが(古いなぁ(^^ゞ・・・この人はとても美人だったが歌は下手だった)、雨の日には不思議とショパンが聴きたくなるんです。

「雨だれ」という名曲があるからかな?。
若い頃、雨の日には家にこもって、ちょうどその時代にショパンに凝っていたからかな?。(そういえば、トシのせいか最近あまりショパンを聴かなくなった・・・・)

雨の日のショパン。

今日は前奏曲集を。ウラディーミル・アシュケナージの独奏。
1970年代のアナログ録音なのだが、DECCAの録音なので非常にクリアで、今でも十分現役盤で通用する美しいピアノが聴ける。
懐かしい2枚組のLPのあるのだが、今日は買い直したCDで。

アシュケナージのピアノは、いつもの、蒼く透明度の高い音色で、クリスタルの輝きをふりまく。もちろん、曲によってニュアンスを変えてゆくので単調にはならない。さすがだなと思う。

第6番のロ短調などは素晴らしいバラードになっていし、第7番の可憐さもイイ。
第7番といえば、ボクはこの曲は「太田胃散」のテーマ曲とばかり思っていたのだが(^^ゞ、アシュケナージの弾くこのテーマ、ルバートが適度にかかって大変粋な演奏になっている。

そして15番の「雨だれ」。やはり、この演奏がアシュケナージ盤の白眉だと思う。素晴らしく綺麗なピアノ。ファンとしては、このアシュケナージの音色はいつ聴いてもたまらない。低温の伸びも素晴らしいし、ピアニシモの繊細さも良い。

16番の目眩くピアニズムなど、「雨だれ」以降の曲も、愛らしく、またしみじみとした、時に情熱的な演奏が続く。

アシュケナージはショパンの曲をすべて録音しているが、中でもこの「前奏曲集」は素晴らしい出来だと思う。


五月の雨は、やさしい雨であります。
瀟々と降りますが、寂しいことはないですな。
2006/05/08のBlog
大型連休が終わります・・・。
休み癖がついてしまって、仕事に行きたくないですなぁ・・・・・。
何かサボる理由がないものか・・・・・というのは嘘です。マジメに仕事行きます。

この連休はブルックナーをよく聴きました。
今日は最後の交響曲。

ブルックナーの交響曲第9番ニ短調。
カール・シューリヒト指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。
1961年の録音。ボクが所持しているのはEMIの輸入盤。

日本では初出からカタログ落ちしたことがないのではないかと思われる、ド定盤。
シューリヒトのこの9番と8番は、いつまでも聴き続けたい名盤だと思う。

さすがに45年も前の録音なので、古ぼけてきている。高音の抜けがイマイチで、詰まった感じがするし、全体的にダイナミックレンジが狭い。
ピアニシモがあまり弱くなく、フォルティシモの大爆発が強烈になりすぎないところは、録音のせいなのか(この時代の技術的限界なのか)、シューリヒトの演奏の特徴なのかよく分からないが、独特の雰囲気のブルックナーになっている。品が良く端正で、素っ気ないようなところも見られるブルックナー・・・・・。

第1楽章、冒頭は飄々と棒を振っているような雰囲気で、幾分素っ気ないところもある。あまり勿体ぶったところがない。サラッとした感じ。
シューリヒトは、適度にルバートさせていて、その音の伸び縮みが何とも云えず味わい深い。巨匠の芸かな。
テンポそのものは中庸からやや速め。VPOの各楽器が過不足なく十分に鳴っている印象なのが、楽章後半に向かって徐々に熱を帯びてゆく感じになる。

第2楽章スケルツォの初めのところ、弦のピチカートが各パートに受け渡されてゆくあたり、ニュアンスに富んでいて面白い。中間部のヴァイオリンの繊細な響きも実にイイし、そこに木管が艶やかに絡んでゆくところなどは、ああ、これこそウィーン・フィルだなぁと思う。
全体的に木管が活躍していて、オーボエやフルート、クラリネットがソロを吹くところはいかにも諧謔的で楽しめる。力まず、入れ込まず、自然に出てくる芸・・・・・・・・この辺がシューリヒトのワザなのだろうか。
スケルツォの主題は激烈な表現で、一気呵成に盛り上げてゆく。その反面、中間部では、息を抜いて、テンポの落として、表情豊かに奏してゆく。こういうところもシューリヒト盤の良いところ。

そして感動の終楽章。
楽章の始まりはサラッとした入り方。音楽はモコモコせずに、淡々と流れてゆく。思い入れがあまりないのが、かえって音楽の深さを伝えてくれるように思う。ブルックナーの敬虔な想いが音楽の底に流れているような、そんな感じ。
中間部からは表情が多彩になってゆく。荒々しく盛り上がるところもあれば、一転、教会での厳粛な祈りの音楽になったり、あるいは沈思黙考するような響きになったり・・・・様々な音楽が聞こえてくる。
そして感動的なラスト。シューリヒトの音楽はどんどん遅くなって、コーダの部分など、涙なしには聴けない。遙か高みから語りかけられているような孤高の表現。
ああ、スゴイ音楽だなぁ・・・・・。

これ、未完成の曲なんですが、ボクにはもうこれで十分です。
3楽章で完結しているように思います。
ここまでで、もう立派な作品だと思います。「テ・デウム」は不要です。


VPOのアンサンブルも上手いです。技術的に上手いというより、ブルックナーを知り尽くした余裕を感じさせる巧さ。俺たちの音楽だと云わんばかりの演奏に聞こえます。
1960年代の初頭、このころのVPOは良かったとの世評をよく見ますが、むべなるかなと思います。

2006/05/07のBlog
大型連休はのんびりブルックナーを聴いております。
休日は大曲が聴けてイイですねぇ。

今日はブルックナーの交響曲第8番ハ短調。

エドゥアルド・ファン・ベイヌム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
1955年6月、コンセルトヘボウでの録音。ボクが持っているのは、フィリップスの輸入盤で、5・7・8・9番の4枚組。この8番はモノラル録音だが、まずまずの音で聴ける。
第1楽章、モノラル録音のせいか、例のブルックナーの原始霧の開始が、とても厳粛に聞こえる。
ベイヌムの良いところは、呼吸の自然さ。
心安まり、落ち着くフレージング。テンポは少し速めなのだが、深々とした音楽に感じるのは、ベイヌムのゆったりしたフレージングによるものだと思う。
コンセルトヘボウ管に全幅の信頼を寄せ、ひたひたとクレッシェンドしてゆくところなど、実に素晴らしい音楽になっている。指揮ぶりは実に堅実、音楽の内部は充実しきって中身が一杯詰まっている感じ。表面は飾り気がないし、モノラル録音の貧しい音の中から、ベイヌムの気概とオケの情熱とが、こちらビンビン伝わってくる。
もう少し良い音で聴けたらどんなに素晴らしいか・・・というのは無い物ねだりかな。

第2楽章は速いテンポ。男性的で雄渾なスケルツォ。音が逞しく燃えさかる。フォルティシモは圧倒的だし、ピアニシモは胸に迫る静謐さ。これは男のロマンか。
ホルンや木管群の響きは切ないくらいだし、中間部の柔らかく弦が奏でているところにハープやフルートが絡んでくるところなど絶品だなぁ・・・。

第3楽章のアダージョは一転、淡々と進んでゆく。弦楽セクションの繊細な動きを見せ、優しく頬を撫でるようなヴァイオリン群の響きが心地よい。徐々にクレッシェンドしてやがて大爆発する金管群も絶妙。オケの大音響は、もうブルックナー的としか云いようがない偉大な音楽。安らぎと爆発の同居、ああ、これぞブルックナー。

終楽章の表現は激烈。コンセルトヘボウ管のパワーが冒頭から炸裂し、強烈なアクセントを聴かせてくれる。ティンパニの豪打もスゴイ。壮麗な大伽藍のような(って、決まってブルックナーで云われる表現だが、ホンマにそんな感じの終楽章であります)凄まじいフォルティシモであり、スケール感。
コンセルトヘボウ管が、ここまで溜めていたパワーを一気に解放したかのような迫力。
音を割ったホルンの咆吼など、ものすごい。男性的な逞しさに貫かれた終楽章。


ベイヌムという指揮者、詳しくは知りません。
演奏から思うに、大変男らしい人だったんじゃないかと思います。
以前に聴いたブラームスの1番でも、男らしい気概を感じました。

人生、意気に感ずると、こういうブルックナーになるのかもしれませんな。

2006/05/06のBlog
ブルックナーの7番交響曲は、ゆったりと始まる音楽。休日の午前中にくつろげるときによく聴きます。特に初めの2つの楽章はエエですなぁ。

そこで、今日はブルックナーの交響曲第7番ホ長調。
ジュゼッペ・シノーポリの指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1991年9月、ドレスデンのルカ教会での録音、DG盤。

シノーポリはボクにとって非常にカッコイイ指揮者。特に大曲を振らせると実にカッコイイ。曲全体の構造を解きほぐして、見通し良く聴かせてくれるだけでなく、曲の細部のつくりをえぐり出してドキッとさせてくれるから。
時に冷静に、時に情熱的に煽り立て・・・情意のバランスが抜群なのがまた良い。

さて、シノーポリのブルックナーは、オケがドレスデン・シュターツカペレなので、これがまた例によって美しい音楽をゆったりと聴かせてくれる。

オケの音色は、やや明るい。これはDGの特徴かもしれない。シノーポリとのCDが全体的にそうだし、レヴァインとの「新世界」なども同傾向の音だった。ルカ教会での録音なので、楽器の溶け合いはいつものSKDなのだが、他のレーベルより艶やかな音に聞こえる。フィリップスやBMGでのデイヴィスのモーツァルト・シリーズや、DENONでのブロムシュテット指揮の録音などと比べると、輝くような感じの音になっている。

ただ、ストリングスのアンサンブルや、全楽器の大合奏では、まさにSKDの音であって、その深々とした味わいと自然な音はやはり最高だなと思う。
この音でブルックナーを聴けるのは幸福だなぁ。

さて、演奏であります。

第1楽章のアレグロ・モデラート。シノーポリが振ると、野人ブルックナーの音楽が洗練されて美しくなる。楽器のバランスが程良く、アンサンブルも完璧。冒頭の部分など、ブルックナーが見ただろうアルプス山脈の威容が徐々に現れてくるような雄大さ。テンポは中庸。アレグロというほどでなないかな。ゆったり感があってイイ。

第2楽章アダージョ。クラシック音楽を聴き始めた大学生の頃、先輩から「ブルックナーを聴くならこの楽章だ」と教えられた名旋律。いつ聴いても素晴らしいアダージョ。
(尤も、ブルックナー最高のアダージョは第8番のそれだと、今は思うが・・・・)
シノーポリのアダージョはやや速めで颯爽と進む。仕上げが滑らかでカッコイイ。しなやかに旋律が流れてゆく。
ブル7をスケール雄大にやるなら、第1・2楽章でゆったりしたテンポを採るのだろうが、シノーポリはそうはしない。あくまで爽快な表情、スタイリッシュな曲作り。妙な思い入れのない、純音楽的な演奏と云えるかもしれない。

第3楽章になると、いよいよオケのパワーが炸裂。SKDの金管の迫力はさすが。その音が絶叫にならず、紳士的な佇まいなのは、SKDならではだろう。まろやかな音は相変わらず。シノーポリの指揮は少し神経質で、分析的な感じだが、SKDのまろやかさがそれを補っているような気がする。

終楽章の聴きものは、コラール風の第2主題。テンポはここでもやや速めだが、とても美しい音楽に仕上げている。コーダまで荘重な音楽が展開して、素晴らしい締めくくり。


シノーポリのブルックナーは他に4番と8番を聴いてます。
この2つの名曲も、シノーポリのCDで聴くと実にカッコイイんです。
マーラーもそうでしたが、大曲を実にスタイル良く仕上げる名人だったように思います。


さて、連休後半は好天続きであります。
緑が気持ちいい季節になりました。
2006/05/05のBlog
連休後半を迎えて体調は最悪。絶不調。
どうも風邪を引いたみたいで(職場でうつされたか?)、鼻水とくしゃみは出るわ、身体はだるいわ・・・・外出もせず、たまっている仕事もせず、ひたすらゴロゴロしてました。
こういう連休もありかなと思いつつ、音楽はふだんと変わらず聴いております。

さて、今日はブルックナーの交響曲第5番変ロ長調。

オイゲン・ヨッフム指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1980年2月~3月、ドレスデンのルカ教会での録音。
ヨッフムにとって2度目のブルックナー全集からの1枚。EMI原盤。

ここ最近、輸入盤がまた値上がりしているようだが、この9枚組のEMIクリスマス・ボックス・セットが出た頃は激安時代で、多分、3500円もしなかったはず・・・・。
このSKDとの全集、LPでも持っているのだが、CDの便利さに慣れてしまって(つまり、LPを何度も取り替え・ひっくり返すのが面倒くさくなったので)、ついつい購入してしまったもの。音は明らかにLPの方が柔らかく聴きやすいのだが(そのかわり少しボケている感じもするが)、機械が便利になると人間は横着になるものでありますな・・・・(^^ゞ。

さて、演奏はヨッフムにしてはあまり煽らない(この人のブルックナーは曲によってはアジ演説のように煽るんです)、格調高い正統派ブルックナーの5番になっている。

第1楽章の序奏部から、ドレスデン・シュターツカペレの音が何とも云えずに良い。壮大なフォルティシモでも全く崩れないアンサンブルの堅牢さ、深い響き。優しく、懐かしく包み込むような、言わば母性的な温かさ。金管の大爆発や弦楽のフルボリュームでの合奏にもかかわらず、まろやかで美しさを保つ余裕。
この余裕こそ、ブルックナーの壮大なシンフォニーにふさわしい。
ヨッフムの指揮は堅実そのもので、真剣にブルックナーに向き合ってきた年輪を感じさせる演奏。充実感たっぷり。
テンポは中庸からやや速めの部類になるのかな。ヨッフムのブルックナーは、概して少し速め。21分かかる長大な第1楽章だが、心地よく聴かせてくれた。

第2楽章のアダージョは懐古的。古戦場の跡のような雰囲気。昔の戦士の墓碑銘のような楽章。冒頭の弦のピチカートの静謐は味わい深い。
対向旋律がよく聞こえる演奏。響きは柔らかく厚みがあって、音楽が内部までよく詰まってはち切れんばかりに充実している演奏だと思う。歩みは堂々として、妙な細工もなく、ブルックナーの自然な吐息がもれてくるようなアダージョ。
この楽章ラストの壮大な盛り上がり、雄大なスケール感も聴きものだと思う。

第3楽章のスケルツォは武骨なタッチ。野人ブルックナーらしい演奏と云うべきかな。昼間部のトリオは牧歌的な素朴さで、飾り気のない表現。
後半になると響きは豪快になり、グングン迫力が増してゆく。テンポも幾分速くなっているように感じる盛り上がり。

終楽章はフーガの処理が変化に富んで素晴らしい。
ブルックナーらしいと言えばらしいのだが、若干ミリタリー調のところがあって惜しいかな。
終結部へと、どんどん音楽が盛り上がってゆくのはさすがにヨッフム。少し煽りつつ(この人にしては、あまり煽らないのだが)、感動的なラストを迎える。
ああ、壮大な城塞交響曲。
ブルックナーの、これは最高傑作かもしれないと思わせる雄大さ。やはり、ヨッフムは素晴らしい。

25年前の録音で、しかもEMI・・・・。
あまり良くないのかとの先入観は禁物、なかなかエエ音してます。
素晴らしいドレスデン・シュターツカペレのサウンドが聴けます。
ラストは感動的。録音の善し悪しを越えます。
2006/05/04のBlog
甍の波と雲の波 重なる波の中空を
橘薫る朝風に 高く泳ぐや 鯉のぼり

伊予の田舎では、青空の中を元気よく鯉のぼりが泳いでおります。昔に比べてその数が減りましたが(少子化が進んでいる・・・・)、端午の節句を前にした五月晴れの中、男の子の健やかな成長を祈る親たちの願いが高く舞っております。

さて、今日はブルックナーの交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」。
リッカルド・ムーティ指揮ベルリン・フィルの演奏。
録音は1985年、ベルリンのダーレム教会にて。ベルリン・フィルの教会録音は1980年代以降としては珍しいんじゃないかな。EMI原盤。
ムーティのこの演奏、新しいブルックナーと思っていたら、なんのことはない、もう20年以上も経過してしまったことになる。

第1楽章から、楽器がよく融け合ってクリーミーに響く。これがベルリン・フィルかいな?と思うほど柔らかくまろやかな音。教会録音のせいでもあるのか、深々として包み込まれるような音に快感。
ムーティの指揮はメリハリがきいて面白い。盛り上がるところはアッチェランドをかけ、静かなところではテンポをグッと落としてゆったりと音楽を運んでゆく。しかも細部の彫琢は見事なもので、オケのアンサンブルも完璧。ベルリン・フィルだから当たり前かもしれないが、これは相当ハイレベルのブルックナーだと思う。
ストリングスが美しい。金管を包み込むような絹衣のような弦。これほどベルリン・フィルの弦が美しい演奏、そうはない。EMIの録音はいつも通り、そんなに良くはないので、これは明らかにムーティのバトンの冴えだろう。
ラストのホルンの大合奏は壮大な音楽。カタルシス。

第2楽章は一転、静謐そのもの。深い森を逍遙するような演奏。深々としたフレージングが気持ちよい。アーティキュレーションも的確で、音楽が美しく息づいている。
弱音器を付けた弦楽器が、ことのほか美しい。さやさやと吹く風のような繊細なボウイング。これは美音だなぁ。ヴァイオリンからフルート。オーボエ、ホルンへと旋律が受け渡されてゆくところなど、最高の美しさ。

第3楽章は狩りのスケルツォ。快活な音楽だが、ムーティはあまり速いテンポを採らない。3連符が続く金管のアンサンブルが楽しい。ときおりの咆吼も美しい。楽器が実によく融け合って、暖かいのがイイ。

終楽章は、またテンポの変化が楽しめる。フォルティシモでも壮大な盛り上がり。高まるオケのパワー。見事な設計だと思う。そしてピアニシモに流れる静かな感情。沈潜してゆく想いが、美しく繊細な音になって耳に届く。
ベルリン・フィルのオケのまろやかさがここでも素晴らしい。フォルティシモでもクリーミーな音が持続するんだから。
大団円では素晴らしい音響。若武者、騎虎の勢い。素晴らしい「ロマンティック」。


ムーティのブルックナーは、このCD以外には6番があっただけでしょうか。
これほどの「ロマンティック」をやるんだから、5番や7・8・9番を是非このコンビで聴いてみたいと思いますが・・・・。この録音からもう20年。ムーティはもうやる気はないかな・・・・。
2006/05/03のBlog
昨日は夜中から午前中にかけて、Doblogに記事をアップできませんでした。
サーバの不調かな?
閲覧は出来るのに、アップが出来ないというのは初めてでありました。
久しぶりにDoblogのトラブルでした。
・・・・・しっかりしてくれよぉ・・・・・・・と云っておきましょ。

で、気を取り直して今日はベートーヴェンを。
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 作品37。

マレイ・ペライアのピアノ、ベルナルト・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管の演奏。録音は1985年1月。CBSソニー原盤。
このCDは廉価盤で出ている全集からの1枚。

第1楽章の序奏部が素晴らしい。これから始まる協奏曲への期待が膨らむ。
ソニーの録音はややオンマイク気味ではあるが、美しく録られている。ただ、フィリップスの録音で聴かれる残響やスケール感にはやや乏しく、こぢんまりまとまっている感じの録音。非常に綺麗ではあるが、フィリップス盤を聴き慣れていると、すこしスケールが小さく感じられるところがある。
ハイティンクの指揮はいつものとおり柔軟でしなやか。「さぁ、みんな、ペライアのために一丁やったろうやないか」という雰囲気が伝わってくる。

ペライアのピアノは適度な装飾音をつけて、大変軽やか。
特に高音がこの人は綺麗。弾みながらキラキラと光りがこぼれるような音色で弾いてくれる。
出だしは、ピアノの響きが丸みを帯びて、モーツァルト的な感じ。ベートーヴェンの3番協奏曲といえば悲愴感漂う演奏も多いのだが、ペライアは決然とした雰囲気ではなく、柔らかく軽やかに弾いてゆく。本当に美しい音色。
今、音色の綺麗なピアニストをあげろと言われたら、五本の指には入るだろうなぁ。

第1楽章を通じてオケの響きは立派。カデンツァも激しいが、繊細な響きはトータルで変わらない。


第2楽章はとても抒情的な歌。ベートーヴェンは、こんなにもロマンティストで抒情的な人間だったんだと見直してしまうような音楽であり、ペライアの演奏。
丹誠込めて引き上げてゆくピアノ。バックのハイティンク/RCOがまた涙がこぼれるほど優しく美しく支える。こんなに美しいストリングス、木管の優しい響き。ハイティンク以外に、さてどんな指揮者が出来るのかな・・・・と探してみても、なかなか思いつかない・・・。
楽章半ばから、回想録風の演奏になる。過去を懐かしむ、昔に思いを馳せるようなピアノの響きがたまらない。
ペライアのピアノは今の季節のような、さ緑の輝くときにこそふさわしい。

終楽章はピアノと管弦楽が一体感をさらに強めて進んでゆく。徐々に白熱化する協奏。テンポはちょうどよい安定感で、聴いていてホッとする。ペライアのピアノはじっくりと弾き上げてゆく。特に左手がよく利いていて、立体感のあるピアノが素晴らしい。

ああ、イイ音楽。イイ演奏。
特に第2楽章がよかったですな。
もう一度繰り返して聴きたくなりました。