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クラシック音楽のひとりごと
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2006/05/31のBlog
カエルの合唱が凄まじいのです。
窓を開けてクラシック音楽を聴いていると、いやぁ、うるさいこと。窓を閉めると暑いので、涼しい風を部屋に入れようと思うと、カエルの大合唱も部屋に満ちてくるんですな。
都会の人には理解できない騒音かもしれません。
これぞ初夏の美しい自然の音になるのかな・・・・・・でも音楽を聴くにはうるさいぞい。

さて、今日はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61。
チョン・キョンファのヴァイオリン、キリル・コンドラシン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1979年9月、ウィーン、ソフィエンザールでの録音。DECCA原盤で、デジタル初期の懐かしい録音。LPであります。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、初めて聴いたときから大好きな曲だが、聴かせるのは結構難しい曲なんだろうと思う。
序奏部が長くてなかなかヴァイオリンが出てこないし、第1楽章などヴァイオリンの音階の上り下りが何度も繰り返されるので、危うく退屈しそうなこともある。
尤も、その序奏部がイイ、繰り返される波のようなスケールがイイとは思うのだが、ヴァイオリニストによっては(あるいは指揮者/オケによっては)、つまらなく感じてしまうこともある・・・・・。
ということは、ソリスト・指揮者・オケが一体化していないと上手くいかないということかな・・・・?・・・・・。


さて、その序奏部。
木管のユニゾンが響いた瞬間、ああ、ウィーン・フィルの音だなぁと思う。暖かく輝くように鮮烈な音色。弦楽セクションの音は、もう、ウィーン・フィルでしかやはり聴けない音だなと思う。DECCAの録音も実に素晴らしい。
コンドラシンのテンポはゆったりとして、フレージングも気持ちよい。スケール豊かで、深い息づかいの序奏部。ヴァイオリンが登場する前に、期待でワクワクさせてくれる序奏。さすがだなぁと思う。
そして、チョン・キョンファのヴァイオリンが登場。背筋の伸びた姿勢の良いヴァイオリンだが、慎重に入ってきた感じ。緊張感が聴き手にも伝わる感じ。
音色やテクニックはもうさすがに万全。云うことなし。
カデンツァはクライスラーのもの。鮮やかで技巧的なパッセージが余裕たっぷりに弾かれてゆく。その技巧を感じさせないのは弾きぶりはさすが。ヴァイオリン一本で、この大曲のエッセンスを表現してしまう。
それにしてもクライスラーのカデンツァは素晴らしい。チョン・キョンファが素晴らしいから、そう感じるのかも。

第2楽章は遅いテンポでじっくりと演奏されている。穏やかな感情の表現、というより、敬虔な宗教的感情が流れている演奏。幸福な気持ちの中で、神への感謝を歌っているような・・・・コンドラシンも、チョン・キョンファも祈りの表情・・・(とは言い過ぎか・・・・・)。
チョンのヴァイオリンは、細身で透きとおるような音色。特に高音は、絹糸の光り輝くような鮮やかさ。これだけ綺麗な音色だと、聴いていて生理的な快感だ。

終楽章のロンド、チョンノヴァイオリンはますます美しい。華やかで、微笑みを振りまくようなヴァイオリン。調子もどんどん上がってゆく感じ。
スタジオ録音なのだが、この楽章はライヴ的な感興がある。第1楽章の慎重さに比べて、ここでは、大胆に感情を解放している趣きあり。
管弦楽も終始美しい。輝かしく力強いのに、重くならないのはさすがにウィーン・フィルだと思う。

デジタル初期の録音ですが、あまり硬くないイイ音してます。
さすがにDECCAでありますな。

もうひとつ。
音楽に夢中になっていると、カエルの大合唱が聞こえません。
そんなもんです。

2006/05/30のBlog
曇天続きでありますが、サラッとした快適な空気です。
厚くもなく寒くもなく、音楽を聴くにはエエ季節でありますな。
我が家周辺の田んぼは、田植えの準備完了です。

さて、今日はブラームスの交響曲第4番ホ短調。
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏。
1975年録音のDG盤。ベーム晩年の、当時日本では大人気の全集。
特にこの年は、ベーム/VPOの来日公演が行われただけに(ブラ1の公演は白熱的な素晴らしいステージだった)、このブラームス全集も大絶賛だった。だいたい、当時ベームは神のように崇められていて、出るレコードがどれも賛辞を送られていたものだった。
(このあたりは、日本人特有の敬老精神であって、ヴァントや朝比奈の晩年も同様の現象が起こっていたような気がする・・・・・・)

だった・・・・と書くのは、ベームは今やどんどん忘れ去られていて、若い人たちは、ベームのこと、誰やら分からんのではないかと思うから。
死後の忘れられ方は急速で、今やベームのCDは再発シリーズ物以外ほとんど目につかない。いやはや・・・。

クラシック音楽を聴き始めた頃、ベームは憧れだった。貧乏学生にとって、最高のビッグネームだった。LPも沢山持ってるぞい・・・・。
1960年代のベルリン・フィルとの演奏などはまだ颯爽としていたが、晩年1970年代以降になると、確かに鈍足鈍重な演奏が増えて、今聴くとかなりモサッとしたものが多いかなとも思う・・・・。でもこのブラームス全集などは、ウィーン・フィルの美質が生きて、今なおなかなか聴けるブラームスではないかとボクは思っているのだが・・・・。

さて、その第4番であります。
第1楽章はインテンポ。かなり速く感じる。一気呵成に演奏してしまった感じ。何かから逃げてゆくような雰囲気。むせび泣く弦楽器、木管の悲痛な叫びが印象的。

第2楽章冒頭の木管のアンサンブルが抒情的。ホルン、クラリネット、オーボエがアンサンブルとしても美しいし、ソロの響きも美しい。ああ、ウィーン・フィル。実に情緒纏綿。往年の巨匠たちが演奏したブラームスと同質の響きが、ベームの演奏からも聞こえる。
第1楽章が速かったので、この遅さが(だいぶリズムが衰えている感じだが)しっくりと落ち着くような気がする。弦楽器の合奏は少し緩めなのだが、響きが美しいし、絶え間なく放射される抒情が美しいので許してしまう。ホンマに哀しくも美しい。

第3楽章はオーケストラの響きが迫力があってダイナミック。前2つの楽章に比べて、ベームは大らかにウィーン・フィルを鳴らしている。力ずくではなく、理にかなった音楽の運びはいつものベーム。テンポを落とすところでの木管アンサンブルがイイ。素敵な響きだと思う。

終楽章、始まりの決然とした響きが美しい。VPOならではの魅力に溢れている。テンポは中庸で、変奏曲の大家ブラームスの魅力を堪能できる。

聴き終わって、やはり、イイ演奏だと思いました。
ウィーン・フィルのブラームス交響曲全集、思えば沢山あります。
ジュリーニ、バーンスタイン、バルビローリにケルテス・・・(まだあったかな?)、いずれも個性的な演奏で楽しめますが、ベームのこの全集は、指揮者の存在よりもブラームスそのものを感じさせてくれる演奏でして、ボクは好きです。
2006/05/29のBlog
爽やかな一日でした。午後から曇ったんですが、気持ちいい一日でした。
結局昨日の「ラブストーリー」を3回観て3回泣きました。
ついでに「猟奇的な彼女」を見直したりしてまして、今日はクラシックは少々だけでありました。(ふだんの休日は沢山聴くんですが)。


さて、今日はベートーヴェンの若書き交響曲を。

ベートーヴェンの交響曲第2番ニ長調作品36。
ラファエル・クーベリック指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1974年2月、コンセルトヘボウでの録音。
クーベリックが9つのオーケストラを振り分けて、DGに録音したベートーヴェン全集からの1枚。

ベートーヴェンの第2交響曲は、1802年、ハイリゲンシュタットで書かれた。例の遺書が書かれた場所であり、時期も重なるという。
妙なものだ。この交響曲には、ベートーヴェンの青春の輝き、若々しい活力に満ちていて、死のかけらもない。ベートーヴェンの意志の強さ~のちの第3交響曲につながる~力強さしか見えない。

ちかごろ、この第2交響曲をよく聴く。若い頃は、1番や2番の、ベートーヴェンの若書きは面白くなかったのだが、この頃は、実に面白い。
「英雄」以後には見られなくなった、若さゆえの甘さが見られるからかもしれないし、自分がトシを取って、若い頃を感傷的に思い出すことが多いせいかもしれない・・・う~む・・・・。

さて、演奏はクーベリックらしい格調高い立派なもので、コンセルトヘボウ管の音も(少々フィリップスで聴き慣れたほの暗さとは違うのだが)ふくよかで実に良い。

第1楽章からクーベリックの指揮は精確で克明。作曲者の声がダイレクトに伝わってくる。テンポも実にイイ。速くもなく遅くもなく、聴きやすい穏やかなテンポ。弦楽のふくよかな響きを背景にして、弾むような木管群がチャーミングだなぁ。

第2楽章はラルゲット。弦楽合奏が穏やかな表情で歌い上げてゆく。その、凛とした姿がとても格調高くて折り目正しい。気品の高い歌になっている。安きに流れない(ああ、ボクの人生は安直だったが・・)、向上心に満ちた歌になっている。こういうのは、いかにもベートーヴェン的だなぁと思う。
思わず襟を正してしまう・・・・・(^^ゞ

第3楽章。これはベートーヴェンの交響曲に初めて登場するスケルツォ。正確なリズムの刻みに乗って木管が楽しく踊る。オーボエやホルンの響きが実に良い感じで耳に届く。クーベリックのテンポはここでも中庸で心地よい。

第4楽章は躍動する生命感が素晴らしい。生き生きと弾むリズムだが、乱痴気騒ぎにならない節度ある表現。新しい楽想が次から次へと生まれてくる快感。見事なロンド・ソナタ形式だと思う。
コーダに向かって堂々の行進。貫禄たっぷりの演奏になった。


録音は、高音を持ち上げ気味。もう少ししっとりとした落ち着きが欲しい感じ。
(国内盤のせいかな?)
ACOにしては少しキャンつくような音。
ホールトーンは良いのだが、さすがに30年以上経過して音が古くなった感もあり・・・・ですな。
2006/05/28のBlog
ベートーヴェンのピアノ・ソナタを2日続きのエントリーです。
それには訳がありまして・・・・。

「ラブストーリー」という韓国映画(DVD)を子供が借りてきたので、一緒に観てました。

冒頭から、パッヘルベルのカノン。しかも、演奏はパイヤール!
「いやぁエエ映画やなぁ、これパッヘルベルのカノンや。パイヤールという名演奏やで」としたり顔で解説していたら、煙たがられました・・・・(^^ゞ。

だいたい、パッヘルベルのカノンの最初の部分で、パイヤールはピチカートで演らせるんです。それが効果バツグンだし、テンポが遅いので情感高まるんですな。
そういった曲を使うんだから、これ、ええセンスしている監督なんやろうなぁ・・・・などと観ておりました、もう、ボクが観る久しぶりの純愛映画でありまして、最高でありました。涙を絞られました。

後半からもう、泣くわ泣くわ。滂沱たる涙。
トシを取ると、涙腺がもろくなるんです。いやぁ泣けましたなぁ。
ここで筋は書きませんが、とても真剣な青春の映画でありまして、昔の日本の若者(・・・・つまり今やオジサンとなったワレワレ)を見るようでありました。

その中でヒロインの女学生が発表会でピアノを弾きます。
それがベートーヴェンの「悲愴」第2楽章。

これも良かった。いかにも女学生(だって髪が三つ編みなんだから・・・・もう、それだけでオジサンにはたまらない(^^ゞ)。

少しテンポが遅く、たどたどしいのがまた可愛らしい。一音一音、心を込めて真剣に弾いているのが分かる(映像があるのでそう見えるのかもしれないが)。

こういう聴き方をしてしまうのが、クラシック音楽好きのサガでありまして(パイヤールと気づいてしまうともう嬉しくなってしまうのもアホなサガだわなぁ)、ついでに今日はそういうわけでベートーヴェンの「悲愴」を取り出してしまうわけです。

では改めて・・・(^^ゞ。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番ヘ短調op.13「悲愴」。
ウラディーミル・アシュケナージのピアノ独奏。
1980年のDECCA録音。
アシュケナージがピアニストとして全盛期にあった頃の録音。(全盛期だった・・と書くのは寂しいが)

ピアノの音が、いつものアシュケナージ。クリスタルガラスのような燦めきと透明感、やや冷たい感触とブルー系の爽快さを併せもった、アシュケナージ独特の音色。
瑞々しい清冽な音を聴くたびに、ああ、ピアノというのはなんと美しい音を出すのかと思う。

テンポはやや速め、サラッと弾いてゆく感じ。その軽さと、曲そのものが低音を響かせるところでの重量感と・・・アンバランスなところも面白い。

今日のお楽しみ、聴きものの第2楽章は、歌に溢れて、滑らかに流れるような見事さ。ベートーヴェンの感傷が一杯詰まった素晴らしい音楽。(今日は映画を観た後の、オジサンの感傷も詰まっております)
音色良し、録音良し。
ああ、イイ音楽やなぁと、つくづく思うわけです。


この「ラブストーリー」という映画、沢山出てくる雨のシーンが素敵です。
とてもきれいな雨です。
今日のジャケット写真は、この映画のワンシーン。

ああ、こういう雨なら、そしてあの若さなら・・雨の多いこの季節も楽しめますな。
2006/05/27のBlog
バックハウスという名ピアニスト・・・・。
ボクがクラシック音楽を聴き始めた頃には既に亡くなっていたので、よくは知らんのです。
でも、長いことクラシックを聴いていると、徐々に手元に集まってくるものですな。特にさすがベートーヴェンは定評があっただけに(と本やライナーを読むと書いてある)、素晴らしい演奏が多い。男らしいというか(最近、なんとか「らしい」というのは使ったらイカンそうだが)、内面の強さというか、にじみ出てくる男の哀愁というか・・・・そういったたぐいの演奏が実にイイ。

今日はそのバックハウスのベートーヴェンを。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第26番変ホ長調 作品81a「告別」。
ウィルヘルム・バックハウスのピアノ独奏。
1961年11月の録音。DECCA盤。

この作品は、当時ベートーヴェンのスポンサーであったルドルフ大公への徹底した奉献曲で、あとからニックネームのつくことが多いベートーヴェン作品には珍しく、初めから「告別」という標題がついていたという。そう長くない15分程度の曲だが、味わい深い佳品だと思う。

この演奏、まず45年も昔の録音とは思えない、鮮明なピアノが素晴らしい。DECCAの録音技術の優秀性を思わずにはいられない。

バックハウスのピアノはとても清潔な音色で、しかも音の芯が太い。
高音はキラキラと輝くし、低音はどっしりと充実していて、いずれも耳に快い。
そして逞しい。男性的なんだなぁ。
弱々しくないというか、背筋が伸びてスクッと立つ偉丈夫のような演奏。筋骨隆々のマッチョマンという訳ではなく、精神的な、内面的な充実感・偉丈夫を感じさせる演奏であって、その点で非常に男臭い。

どちらかというとゴツゴツした感じで曲が進んでゆく。近頃はやりの流麗感はない。
尤も、ゴツゴツした理由は、高齢のためにテクニックが衰えているせいなのかもしれないが・・・・。
(でも聴いている感じでは、老醜を感じさせない見事なピアノではある)

第1楽章「告別」の、アダージョからアレグロに移ってゆくときの構成感は見事。
第2楽章「不在」は、メロディアスな楽章ではないのだが、聴いているとふと心落ち着く懐の深さ、包容力。ベートーヴェンの指示通り、エスプレッシーヴォなピアノだと思う。
第3楽章「再開」は壮絶なフォルティシモが聴きもの。微動だにしない安定感、豪快な打鍵。独墺の昔気質のオッサンの、頑固な演奏とでも云うべきかな。声はしわがれているが、まだまだ若いモンには負けんぞよ、という演奏。大変立派であって、これが本場物というものかと素直に思ってしまう。

伝統というか、正統というか・・・・。
こういうベートーヴェンも、エエもんです。
2006/05/26のBlog
ここのところ激務が続いております。7時半に出勤(これはいつものことでありますが)、帰路につくのが夜の9時・・・・。
ふだんダラダラ仕事をしているので、こういう日々が続くと、労働基礎体力があまりない怠け者にはこたえますな。やれやれ。

でも、音楽を聴く体力はあるんです。疲れたこういう日に限って、大曲を聴きたくなったりします。

で・・・・・マーラーの交響曲第2番「復活」。

ギルバート・キャプラン指揮ウィーン・フィルの演奏。
ソプラノはラトニア・ムーア、アルトがナージャ・マイケル、合唱はいつものウィーン楽友協会合唱団。
2002年、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。DG原盤。

キャプランは、ストコフスキーの「復活」を聴いて大感動、いつか自分で指揮してやろうと努力を続けたアマチュア。「復活」のみプロ級という指揮者だが、この演奏はボクにとってはなかなか聴きごたえがあった。ウィーン・フィルを起用しての録音がモノを云ったんじゃないかと思う。
尤も、使用しているのがキャプランが関わった新校訂版の楽譜で、どうせウィーンで初演するならキャプランに指揮してもらおうということで録音が実現したものらしい。キャプランにとっては再録音ということになる(1回目はロンドン響とやっているはず)。

さて、第1楽章からオケの響きが柔らかい。冒頭などは激しい音楽のはずなのに、荒々しい音が出てこないのはウィーン・フィルだからかな。たっぷりと余裕のある鳴り方だし、キャプランの棒の運びもセカセカしていないので、聴き手にとっては実に心地よい。
中間部での旋律の歌わせ方など、堂に入ったもの。マーラーの繊細で傷つきやすい音楽をとても美しく聴かせてくれる。青春の響きというか、若者の憧れや苦悩が溢れてくる素晴らしい音楽だと思う。
もちろん劇性も十分。迫力あるフォルティシモでは、オケのパワーが部屋中一杯に満たされるオーディオ的快感もある。

第2楽章も落ち着いた歩み。情感のこもった歌。ちょいとした「間」にも思い入れが感じられる演奏。弦楽器の分散音が丁寧な弾きっぷりだし、木管もイイ音を出している。優しい音色にウットリしてしまう楽章。

第3楽章もゆったりしたテンポで大らかな流れ。ここでも深い想いが込められている。遅いところでの管弦楽は清澄で、とても清々しい。
マーラーはホンマに綺麗な音楽を書いたなぁ・・・・。ウィーン・フィルが演ると、これがまた実に綺麗で、部屋の空気まできれいになっていくような気がする。

第4楽章のアルト、プレーンでクセのない歌唱。テンポは遅く。情感がこもる。ドロドロした情感ではなくて、キャプランのこの曲を愛するがゆえの情というべきか。
長い間この曲を慈しんできた愛情が、しみじみと伝わってくる。素晴らしい表現だと思う。

終楽章は圧倒的な終曲。ここでもテンポは遅く、十分に聴き手を楽しませてくれる。ここぞと云うところでの、テンポの落とし方や歌い廻しは、長年の経験によるものか(この指揮者、こと「復活」にかけては並の指揮者以上に振った回数が多いはず)。
合唱も独唱も見事に融合してゆくし、何しろオケの響きが輝かしく、素晴らしい。


2002年の最新録音であります。
素晴らしい音です。家庭で聴ける音としては、最高の部類に属すると思います。
このCD、中古盤屋でゴロゴロ転がってました。2枚組で1000円程度でしょ。
世評はどうだったのか知りませんが、あまり人気なかったのかな?
ボクは良い演奏だと思いました。ウィーン・フィルの音が良すぎて、あまりキャプランが前に出てくる演奏じゃありませんが。
中古なら、お買い得だと思います。
2006/05/25のBlog
初夏の爽やかな一日でありました。
日中は汗ばむほどの陽気。いよいよ夏であります。

そこで、今日はR・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」。
短絡的なCDの選び方ですが、まあいいでしょ。
久しぶりに原色のオーケストレーションを楽しみましょう。

演奏はロリン・マゼール指揮ベルリン・フィル。
ヴァイオリン・ソロはコンサートマスターのレオン・シュピーラー。
1985年録音のDG盤。

これはマゼール渾身の「シェエラザード」。力の入った交響的な立派な演奏。
やはり、「シェエラザード」はイイ。
この演奏の良いところは、ヴァイオリン・ソロが素晴らしいこと。レオン・シュピーラーのソロは、思い入れの強いネットリとした響きから、細く艶やかにどこまでも伸びてゆく響きまで、大変幅が広く実に聴きごたえがある。このソロをクッキリと捉えた録音も素晴らしい。低音の太い強さ、高音が伸びてやがて消えてゆくところ、倍音の美しさなど、文句なしの好録音。

第1楽章はゆったりペース。大変遅い。描かれる大海原がとても広く感じるスケールの大きさ。
ベルリン・フィルがとにかく巧い。最上級のアンサンブルに、個々の楽器がもうメチャクチャに巧い。いくらでもスピードを出せる大排気量のクルマが、一般道を悠々と普通の速度で走っているような感じ。余裕しゃくしゃくのオーケストラ。
マゼールの採るテンポは遅いのだが、鈍重にならないし、表現が濃厚になりすぎたり重くならないのはマゼールの趣味だろう。どっしりしているのに、くどくない。純音楽的な表現だと思う。

第2楽章。シュピーラーのソロ、ヴァイオリンの音がちょうど良い「太さ」。強くもなく弱くなりすぎもしない。イイ音。ヌルッとした質感もある。
この楽章、木管のソロが抜群で、ファゴットもオーボエも上品でスタイリッシュ。なのに、音楽は冷たくなく、かえって情感がそこはかとなく漂ってくる風情。さすがマゼール。
半ば過ぎからはマゼールらしい独特のアクセント、デフォルメが見えるがやり過ぎてはいない。シンフォニックな表現と思う。

第3楽章は輝きに満ちた表現。厚みのあるストリングスが素晴らしい響きだし、テンポもやや遅めで心地よい。ヴィオラの生暖かい音などとてもイイ。と思ったら、ホルンもトロンボーンも生暖かい音を出している。この温度感が何とも云えない。
ヴァイオリン群がツヤツヤしている。ヴァイオリンのアンサンブルの時、キラキラと光りがこぼれてくるような瞬間があるが、これはこのCDでしか聴けない香しさ。

終楽章も急ぎすぎずじっくり腰を落とした演奏。金柑が相変わらず巧いし、弦楽器とのバランスも良い。ラストの破滅、終曲のはかなさも情感があって良い。

「シェエラザード」は、オーケストラのための協奏曲のような曲だが、マゼールは、ソロの楽器を浮き立たせて気持ちよく奏させている。聴いていて実に楽しい。ホンマ、マゼールは聴かせ上手だなぁと思う。

ボクは「シェエラザード」好きです。
何枚も購入しては飽きることがありません。
このマゼール盤は、その中でも聴く頻度が高いです。
名盤やなぁと思います。
2006/05/24のBlog
ブリリアントの激安モーツァルト大全集をコツコツと聴いています。

コツコツというと地道にマジメに聴いているようだが、なんのことはない、適当にその時の気分で取り出しているまで。
何しろこの大全集は、最新の(ついこの間の!)録音もあれば、1970年代初頭のものもあって、録音の出来はマチマチ。ただ、全体的に聴きやすい録音が揃っていて、あまり弦楽器がカサつくようなものはないようだ。
(弦がカサつくと、鑑賞していてシンドイもんです)

今日はディヴェルティメント第17番ニ長調K334。
演奏家は初耳。
フロリアン・ヘイエリック指揮マンハイム・プファルツ選帝侯室内管弦楽団。
いやはや、大変に長い名前の演奏団体。このDoblogでは、タイトルが書ききれませんでした(^^ゞ。
2002年の録音と云うからまさに最新盤。

室内管らしく少人数の楽器が、それぞれクリアな音で捉えられている上出来の録音。
奥行きや高さ十分で、特にヴァイオリンの倍音成分が美しい。
ホルンの響きも暖かみのある上品さ。極上の音ですな。ヴァイオリンと重なり合うところなど、実にエエ音がする。

この団体のこと、全く知らないので、予想でしか云えないのだが、おそらくマンハイムの団体なのでピリオド楽器や奏法なのだろう。

演奏は、もう大変爽やかで快速、スカッと抜けるような爽快感が実に気持ちいい。
アンサンブルもエエし、リズムも生き生きと弾んで、大変心地よいモーツァルト。
若々しく、時に微笑み、時に嘆き(でも大泣きはしないのがエエんですな)、モーツァルトの青春が燦めくような演奏になっている。

有名な第3楽章のメヌエットなど、もう、速い速い。サッサと進んでしまってあっけないくらい。でも、本来、メヌエットは快活な舞曲だわなぁ。今までの演奏が重かったんじゃないのかと思えるほど、このヘイエリック/マンハイム・プファルツ選帝侯室内管の演奏はキマッテる。実にカッコイイ、メヌエットに仕上がっている。


切れ味の良い清涼飲料、シャクシャクと歯触りの良い新鮮なサラダ。
そんな感じの演奏でありました。
緑の季節に、これは気持ちいいもんです。
2006/05/23のBlog
初夏の風が心地よい季節であります。
ああ、シューベルトが聴きたい。爽やかな交響曲を聴きたい。それも、ウィーン・フィルで聴きたい。
今日は仕事中そんなことばかり考えておりました。
(それにしても、今日は忙しかった・・・・・月曜日はいつも大変なんです(^^ゞ・・・)

で、帰宅してゴソゴソ、シューベルトの交響曲全集を探しながら、そういえばウィーン・フィルのシューベルト全集はあったんかいなと気づいた。
シュタインのはバンベルクやし、ブロムシュテットとデイヴィスのはドレスデン・シュターツカペレ、カラヤンとベームはベルリン・フィルだわい。ふんふん、ケルテスとムーティしか我が家にはないぞい。(ほかにウィーン・フィルのシューベルト全集はあるんかな?)


さあ、シューベルトの交響曲第2番変ロ長調 D.125。
リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルの演奏。
1993年1月、ムジークフェラインザールでの録音。EMIの廉価盤。

第1楽章はラルゴ~アレグロ・ヴィヴァーチェ。
プレイ・ボタンを押すと、ああ、ウィーン・フィルの音。
輝かしく色気がある弦楽器。そしてムーティの指揮だからよく歌うし、しかもスタイリッシュ。指揮者の風貌のようなカッコイイ開始。
主部に入ると、これが颯爽と痛快な音楽になる。特に第1ヴァイオリンがイイ。全く軽快でシャープ。聴いていると身体が弾んでくるようなドライブ感がたまらない。
メロディもシューベルトらしく美しく清潔。ホンマ、シューベルトの旋律は清潔なのが良い。

第2楽章アンダンテ。これは変奏曲楽章で、しかもこれまたメロディが清らかで美しい緩徐楽章。
ウィーン・フィルの響きはデリケートで極上の美しさ。これぞシューベルトと云いたくなる繊細さ。傷つきやすい多感な青年の、これは音楽だろう。
ムーティはこのあたりウィーン・フィルの自発性に任せている感じ。彼の往時の強引さは影を潜め、今や大人の指揮ぶり。
それにしても、シューベルトの変奏曲はきれい。即興曲のような一筆書きの流麗さ。

第3楽章はアレグロ・ヴィヴァーチェ。
ここはトリオなのだが、シューベルトの手にかかると、歌心満点の魅力的なトリオになる。短調の切迫感は、劇的表現の得意なムーティならでは。その迫力の中にも、清冽な歌が満ちているのがシューベルト。
弱音ではデリカシーに満ちた表現で切ないほど。ウィーン・フィルの極上のアンサンブルがそれを支えている。

終楽章は一気のプレスト。リズムがよく弾んで、踊り出したくなるような、まるで舞曲のような表現(・・・って、実際、これは舞曲か)。弦楽器のアンサンブルはよく揃って見事なもの。それに呼応する木管がまたよく歌って、味わい深い。


若書きの爽やかなシューベルトであります。
爽快な空気が部屋に流れ込んでくるようなムーティの快演・・・・と書こうとしたら、本当に夏の涼風が・・・・。

良い季節になりました。
2006/05/22のBlog
初夏の風が爽やかな一日。
エエ天気でした。気持ちよかったですね。

で、今日は、夏になれば聴きたくなる音楽を。
(ナニ、いつだって聴きたいのだが、夏には一層ふさわしい音楽ということであって・・・・)

マーラーの交響曲第3番ニ短調であります。

ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルの演奏。メゾ・ソプラノはアグネス・バルツァ。1985年4月、ムジークフェラインザールでの録音。SONY原盤。

1980年代はマーラー・ブーム。特に日本がバブル経済に踊っていた時期に、そのブームは頂点に達した感があった。当時CDの価格は高かったが、2枚組でも平気で買えるほどカネが余っていたのかもしれない。
レコード会社はこぞってマーラーを録音、世に出していたが、わがSONYはマゼール/VPOで発売、やがて全集になった。これは貴重な録音であって、おそらく今のところ唯一のウィーン・フィルによるマーラー・全集ではないかと思われる。


さて、演奏はマゼール独特のもので、アクが強いというか個性的というか、マゼール臭がプンプン匂うもの。これ、マゼール嫌いな人には、とても我慢できないんじゃないかという気がする。ボクはマゼール好きなのだが、1時間40分に及びこの長大な交響曲を聴いていると、何度も「オイオイ(^^ゞ」というところがあって、まあしかし、面白いことは大変面白い演奏。

第1楽章の序奏部など、堂々として、あえていえば勿体ぶった演奏。8本のホルンの斉奏が大変ゆっくりで物々しいほど。
マゼールの、この曲に関してのテンポは終始一貫遅い。全編聴き終わるとこの遅さが納得できるのだが、初めはビックリする。
じっくり歌い込んでゆく感もあるし、丁寧な仕上げでもあるのだが、情念がこもっていると云うよりは、猟奇的・怪奇的な感じさえする。音楽はマーラーの素晴らしいオーケストレーションを味わえるし、何せオケはウィーン・フィルだから美しいことこの上ない。豪華絢爛な演奏でもあって、耳は十分に楽しめる。

第2楽章は、「牧場の花が私に語ること」・・・という雰囲気がよく出ている演奏。抒情的な歌が続く。テンポはここでも非常に遅く、止まってしまうのではないかとハラハラするところもある。オケは緊張するだろうなぁ、この遅さ。
マゼールらしいというべきか。実にエグイ演奏ではある。

第3楽章は動物と小鳥がいっぱい。森の中に彷徨いこんで、動物の声や鳥のさえずりが部屋を満たしてゆくような感じ。木管群の柔らかさは、さすがウィーン・フィルと言いたい。遠くで鳴り響くトランペットの持続音が素晴らしく甘い音色。そして、何よりポストホルン!。ああ、エエ音やなぁ・・・・・。ウットリするほど。

第4楽章から声楽付き。女声はアグネス・バルツァ。鋭くよくとおる声。この頃のバルツァは絶好調だった。ただ、柔らかなウィーン・フィルの響きと研ぎ澄まされたナイフのように切れ味鋭いバルツァの声とは、少々違和感あり。
合唱は美しいし軽やかでクリーミー。女声合唱も少年合唱も大変よろしい出来だと思う。

そして、終楽章。最高の終曲。ここでもテンポは遅く、時に止まりそうなのだが、あまりの曲の美しさで、それが気にならない。
ティンパニの響きは豪放、ストリングスの響きは繊細で耽美的。
マゼールの趣味丸出しの第3でありました。
2006/05/21のBlog
午後からもう最高の五月晴れ。
久しぶりの青空だったですね。
四国の田園では、この空を待っていたかのように、一斉に農作業が始まりました。
田んぼへの水引きです。我が家の前の田んぼにも水が入りました。

さて、ブリリアントのモーツァルト大全集、ポツポツ聴いております。

今日はピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482。
デレク・ハンのピアノ独奏、、ポール・フリーマン指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏。録音は1993年。

第1楽章、聴きやすい音。フィルハーモニア管は機能性に優れたオーケストラだと思う。あまり個性的ではないが、巧い職人オケだなぁと思う。フリーマンの指揮はキビキビしていて気持ちよい。金管の音を際だたせて、この曲の祝典的な側面を明らかにしているような伴奏。メリハリのある指揮。ときおりアクセントをきかせて、聴いていると、「お?」と思うところがある。
デレク・ハンというピアニストはよく知らないのだが、全体的に誠実な弾きぶり。
この誠実さがエエんですな。モーツァルトの音楽は、あれこれカッコつけて面白く演奏することも出来ると思うのだが(そういう演奏はそれなりに楽しいんだが)、何回もCDで聴いていると飽きちゃう・・・・。即興的な演奏は、文字通り1度きりの即興だから面白いので、何度も繰り返し聴ける媒体のCDだと飽きてしまうんですな。
その点、ハンのピアノは真摯な演奏。なんの変哲もない、ひたむきに、マジメに弾いてゆく演奏。その誠実さがかえって滋味溢れるしみじみとした美しさを生んでイイ演奏になっている。
録音のせいか、オケの音に比べて、ピアノの音が小さい。その控えめな音が、センスの良さを感じさせてくれる。カデンツァも大声ではないが閃きに満ちていて好ましい。

第2楽章は悲愴感漂う。オケの音が包み込むような柔らかさ。少し大きめの音量でオケの響きに身を浸すのは快感。
ハンのピアノはエッジが丸く、乳白色系の音色で、優しく柔らかな響きがイイ。カツーンというブルー系・透明度の高い音ではなく、暖かく弾力のある柔らかい音がハンの特徴かと思う。この音色が、モーツァルトにはしっくり来る。
テンポはゆったり、ふっくらとして、とても聴きやすい。

終楽章になってもハンのピアノは堅実で端正そのもの。
このロンドはあまたあるモーツァルトのピアノ協奏曲中、最も愉悦に富んだものだが、ハンのピアノで聴くと、その悦びがしっとりと長く続く感じ。飽きの来ない、淡々としているのに味わい深い・・・・良いピアニストやなぁと思う。

ピアニシモでの力の抜き方、フォルテでのペダルなど、結構細かく色々やってくれているが、基本的には穏やかで控えめな表情がよろしい。

フリーマンの指揮は、時々変わったアクセントだなぁと思うところがあるが、まずは無難な指揮ぶり。ハンのピアノをこれも穏やかな表情でしっかり支えております。


ジャケット写真は例の「大全集」ですので今日は載せません。
代わりに、田植えの準備がすんだ田舎の風景をどうぞ。
二階の自室から一望する四国山地と水田であります。 
2006/05/20のBlog
週末も雨模様の天気でありますな。
今週は、ジョギングがままならないんです。走ろうかなと思うと降ってくる天気で困ります。なあに、少々の雨なら走れなくもないんですが、我慢して歯を食いしばって走るのはどうもジョギングらしくないので・・・・。無理して走るのは、長続きしません。
ただ、食事は美味しいので、体重が増えます。
ん、やっぱり走ろうかな・・・・。

というわけで、早朝の更新に戻しました。朝の方がサクサクのようです。

さて今日はバッハ。
J・S・バッハの管弦楽組曲第1番ハ長調 BWV1066。

ラ・ストラヴァガンツァ・ケルンの演奏。
録音は1994年6月、ケルンのドイツ放送ゼンデザールにて。DENONのクレスト1000シリーズで購入したもの。この全集には、第2番で有田正広がフラウト・トラヴェルソで参加している。

ラ・ストラヴァガンツァ・ケルンは、ドイツのケルンで1988年に結成された気鋭の古楽器団体。プレーヤーは国際的、世界各国から集まっている。リーダーはアンドルー・マンゼ、イギリスのバロック・ヴァイオリンの名手で、様々な古楽器アンサンブルのリーダーとして活躍している。

さて第1楽章の序曲。
ヴァイオリンの音色がブルー系で清々しい。透きとおった響きで、瑞々しく清潔な音はとても気持ちよい。アンサンブルも緊密で、ストリングスに一本筋が通っている感じ。マンゼのリーダーシップの賜物かな。
テンポは快速。リズムは溌剌としてよく弾み、音楽が沸きたつように生まれ来る感じ。安らぎよりも活気溢れる音楽づくりで、青春の息吹のような爽やかな序曲になっている。
スピーカー右手で吹いている木管群が素朴な味わい。特にファゴットが渋い音色で好ましい。オーボエは鼻をつくような甘い響き。これもなかなかイイ。あまり目立たないのだが、よく聴いているとチェンバロは結構饒舌に演奏しているのが面白い。

第2楽章はクーラント。アクセントのつけ方、クレッシェンドの盛り上げ方が独特で面白い。ここでも音楽は清潔。

第3楽章はガボット。音楽がよく弾んで、スキップで走り出すような快活さ。古楽器アンサンブルらしい快適な速度で、生気に満ちている。
こういうのを聴いていると、僕の好きなコレギウム・アウレウムやリヒター、バウムガルトナー、パイヤールなどは、随分昔の演奏、ああ遠くなってしまったなと感じる。
(と言いつつ、その昔の演奏がボクは好きなんだが・・・・・)

第4楽章はフォルラーヌは流麗な音楽づくり。強弱も旋律の流れも優美なもんだ。
第5楽章のメヌエットでは弱音部がイイ。弦楽器の倍音がことのほか美しく、優しく空間に溶けてゆく。オーボエとヴァイオリンが同じ旋律を奏するところでは、その厚み・柔らかさが格別の味わい。
第6楽章ブレーは、昼間部での木管アンサンブルが聴きもの。息のあった合奏で、合わせる楽しみ、音楽する愉悦が伝わってくる。
終楽章は、寄せては返す波のようなストリングスが素晴らしい。強弱のニュアンスが多彩で、味わい深い。

テンポは元気ハツラツ、楽器は素朴でひなびた味わい。楽しめるバッハであります。
録音は、さすがDENON。古楽器のしなやかさ、弦の細身の響きをしっかり捉えた音づくり。ブルー系の透明度の高い録音で、特に倍音成分が美しいですな。