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クラシック音楽のひとりごと
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2006/08/31のBlog
8月も終わり。朝晩はめっきり涼しくなりました。
夜中や早朝は涼しく快適。
周囲に田んぼがあるおかげですか・・・・・・田舎の有り難さかもしれません、

さて、今日の音楽はメンデルスゾーン。

ヴァイオリン協奏曲ホ短調。
アイザック・スターンのヴァイオリン独奏、小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏。
1981年頃、初期のデジタル録音。

第1楽章。
細身のヴァイオリンが艶やかに響く。馥郁たるロマンの香り。
メンデルスゾーンのロマンは、ソーダ水のように淡く儚く、そして涼やか。その香りは微香性・・・・・とでも云うべきか。
マーラーやR・シュトラウスの後期ロマン派の音楽を聴いてしまうと、メンデルスゾーンの音楽は爽快でアッサリとした(でも味わい深い)ものに聞こえてしまう。
スターンのやや細い音色は、そんなメンデルスゾーンにピッタリ。
小澤/BSOのほの暗い渋い響きは、しっとりと滋味があり。テンポは中庸で、演奏はいたって克明なもの。時折、フッとしなやかで軽い響きが聴けるのは小澤のバトンによるものか。

第2楽章アンダンテ。BSOの作り出す柔らかな響きが素晴らしい。穏やかな表情でスターンをよく支えている。
スターンのヴァイオリンはここでは伸びやかによく歌って屈託がない。音色も大変美しい。これは全くの美音。技巧にも不安なし。やさしく微笑むような風情で、まったくロマンティック。

終楽章、スターンはますます好調。闊達な弾きぶりなのだが、細部もおろそかにせずカッチリと弾いている感じ。
速いパッセージなど、ものの見事な弾きっぷり。
終曲ではオーケストラと一体となって素晴らしいクライマックス。
ああ、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、ホンマにエエ曲やなぁ。

25年前の録音。
デジタル録音だが、さすがに古びてきた感じ。
初期のデジタル録音らしい、やや硬く、詰まり気味の音になっているのが惜しいですな。独奏・伴奏とも素晴らしいだけに、チョイと惜しいです。
2006/08/30のBlog
三男坊がピアノの発表会に弾くとかで、このごろベートーヴェンの「悲愴」第3楽章が響きます。ポツポツ、ゆっくり弾いております。拙いもんです。
「プロの悲愴を聴かせてやろうか」?と言うと、「速過ぎて参考にならん」と云います。
そうだわなぁ・・・・プロのピアニストのようには弾けんわなぁ。
だから、おまえはアマチュアで、彼らはプロなんじゃわいなぁ。

とひとりごちして、取り出したのは中村紘子さんであります。

今日は中村紘子のベートーヴェン・ピアノ名曲集。
CBSソニーの名曲全集からの1枚。
収録曲は「悲愴」、「月光」、「ワルトシュタイン」の3曲。名ソナタ集ですな。

中村紘子といえば、美人女流ピアニストとして一世を風靡したもので・・・・いや、過去形ではない、今も現役であって、日本で最も有名なピアニストだろう。
庄司薫の奥さんでもある。

ボクにとっては、庄司薫がまず先にあって(熱心な読者でありました)、その後にクラシック音楽を聴き始めたので、中村紘子は、名前を知ってはいたが実際にそのピアノを聴くのは大分あとのことだった。

1970年前後の若者を描いた『赤頭巾ちゃん気をつけて』や『白鳥の歌なんか聞こえない』は非常に面白かったし『黒頭巾』も『青髭』も良かった。庄司薫の読者としては、ボクは遅れてきた読者だと思うが(ボクの5歳違いの兄が熱心な読者だった)、この四部作はあの時代の空気が今も伝わる名作だろう。

その奥さんは美人ピアニストというのは知っていたが、中村紘子のショパンやモーツァルト、チャイコフスキーなどは随分後になって聴いた。
綺麗な人なのに、結構ダイナミックにピアノを弾く女性だなぁと思ったものだ。

このベートーヴェンの名曲集も最近聴いたもの。

「悲愴」が面白い。
第1楽章は、テンポがよく動き、ルバートもあって、「おや?」と思うことしきり。ショパンのようなベートーヴェンと云ったら言い過ぎかな。ダイナミクスは幅広く、結構豪快な弾き方。
第2楽章になると一転、グッとテンポを落とし、太めの音でゴツゴツとした感じで弾いてゆく。ベートーヴェンの繊細さよりも、重厚さを表に出している感じ。
第3楽章も軽いルバート(テンポの伸縮かな?)がかかる演奏。中村紘子独特の世界。面白い。
ピアノの音色は綺麗で、技巧も安定。細かなパッセージの音が粒立ちがよく、美しく磨き上げられている。エエ音。
終曲での盛り上がりは一級品。音は壮大、ダイナミックレンジが広い。

「月光」や「ワルトシュタイン」も方向は同じ。
克明で端正な演奏の中にも、中村紘子独自の解釈が聴ける。
表情豊かなのが素晴らしい。

面白いベートーヴェンであります。
ただ、ついついショパン風に聞こえてしまうのは、クラシック音楽を聴き始めた頃、中村紘子のショパンに親しんだ影響でしょうか(^^ゞ。
2006/08/29のBlog
我が家の高校生2人は今日から新学期。
最近は9月1日が始業式という高校が減ってます。休みを減らして勉強させようという魂胆なんでしょうが、それなら昔通り土曜日に授業すればエエのになぁと思います。
始業式を早めたり、長期休業に入るのを遅らせたり、いろんなことをしてますが、昔のように土曜日にきちんと半日授業をすれば何てことないのにねぇ・・・・・とワタシは思うんですがね・・(^^ゞ・・・文部省が(今は文科省か)やろうって云ったことで成功したことは今も昔も一つもないわけで・・・・う~~ん。。。。

で、クラシック音楽であります。
今日はJ・S・バッハの管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1069。

マックス・ポンマー指揮ライプツィヒ新バッハ合奏団の演奏。
録音は1980年。
カプリッチョ原盤の「ライプツィヒ・バッハ・エディション」からの2枚組。
これは、管弦楽作品集、声楽作品集、室内楽作品集が入った激安セットだった。

マックス・ポンマー/ライプツィヒ新バッハ合奏団といえば、1980年代前半、新鮮な解釈とドイツ風の渋い音で、なかなか人気があったものだが、その後、ピリオド楽器でのバロック演奏が全盛になると、新盤は出なくなったように思う。

ピリオド楽器全盛になると、テンポが速いためだろう、バッハの管弦楽組曲全集などもCD1枚で収まる演奏が出てきた。ERATOのコープマン盤などは1枚で十分に収録できる。LP時代は2枚組が当たり前だったので、何か有り難みがなくなったような妙な気分ではありますな。

さて、このポンマー盤。
独特のアーティキュレーションが時々耳に付くくらいで、きわめてオーソドックスな演奏。
ただ、発売当時は斬新な解釈で話題になった。バロック演奏法研究の最先端を行っているとすこぶる評判が良かった。ピッチも現代風で、現代楽器を用いた最も前衛的な演奏だった。
・・・・・はずなのだが、ピリオド楽器のバッハを沢山聴いてしまうと、今や古風で伝統的な演奏になってしまったような気がする。不思議なものだ。こちらの耳が時代とともに変わってしまった・・・・・。

全曲の中では、第3番がとても面白い。
装飾音もふんだんにあって、普通の楽譜とはちょっと違うのかな。聴いたことのない音が飛び出してくる。

序曲はティンパニが大活躍。堂々と豊かに鳴らしていて、聴いていて胸のすく思い。奏者は気分よくブッ叩いているんだろうなぁ。
おなじみの名曲「エア」は、やや速めのテンポ設定でサラッとした演奏。弦楽合奏は綺麗で、非常に心地よい。こと弦楽合奏に関しては、現代楽器の方がふっくらと気分が良いわいなぁ。
通奏低音も上品で清潔。これも好演。


同じメンバーでの「ブランデンブルク協奏曲」もこのセットは所収しております。
これもなかなか個性的な演奏で楽しめました。
2006/08/28のBlog
ブログ「クラシック音楽のひとりごと」です。
最近はクラシック音楽の「たれながし」のようになってきましたが、お読みいただきありがとうございます。


今日は、ドヴォルザーク 交響曲第8番ト長調 op.88 。
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管の演奏。
1984年10月の録音。DECCA盤。

この演奏はスッキリ、男性的、淡麗辛口のドヴォルザーク。
ボヘミアの香りはしない。感傷的なノスタルジーの匂いもしない。
都会的な感じ。
そして、ひたすら純粋に「交響曲」としてのこの曲の姿を提示するような演奏。

クリーヴランド管は巧い。ホンマに巧い。マゼール時代よりあきらかに上だろう。ひょっとするとセル時代に匹敵するんじゃないかと思う瞬間もある。
切れ味抜群、ズンズン踏み込んでゆく演奏ぶりで、颯爽としている。
楽器がまたよく鳴っている。気持ちいいくらい鳴り響く。

惜しいのは録音。
DECCAにしては、ややデッド。我が家で聴くと、瑞々しさにやや欠けるのと、デジタル録音特有の音の硬さがある。惜しいな。
ただ、マゼールのブラームス全集やCBSによる夥しいセルの録音も、デッドな感じがするので、これはクリーヴランド管の本拠地セヴェランス・ホールの音響の特徴か。
はたまた、我が家とクリーヴランド管の相性か。う~む。

ドホナーニの解釈はオーソドックス。
前半2つの楽章はガッチリした見事なシンフォニー。
第3楽章になると流麗で優雅な音楽を作ってゆくが、情に溺れるようなことはない。ドヴォルザークのメロディ・メーカーとしての才能が伝わってくる。
第4楽章は金管の輝かしさと自信みなぎる低弦の力強さがイイ。オケ全体も力感に満ちてコーダの突進など素晴らしい迫力。


これは男臭いドヴォルザーク。
スマートでダンディ。
とてもカッコイイ。
こんなに格好良く演奏されると、ドヴォルザークも照れてしまうのではないか?・・・・・そんなCDですな。
2006/08/27のBlog
日中の気温は35度近くまで上がっていますが、朝晩は涼しくなりました。
蝉の声より虫の音が大きくなっています。
夏も終わり。

そこで今日は夏の名残を。
リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」。

キリル・コンドラシン指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
ヴァイオリン・ソロはコンマスのヘルマン・クレバース。
1979年6月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤。
懐かしいLPであります。ジャケットも斬新で美しかった。

クレッバースのソロが美しい。
細身で透き通るような清らかな音色で、上品しかも端正。ああ、最高のソロ・・・・・と絶賛したい。

オーケストラも素晴らしい。すべての音が生きていて、キラキラと輝いて生命力に富んでいる。
コンドラシンに触発されて、コンセルトヘボウ管がヤル気満々で演奏している。
もちろん天下のACO。ヤル気を、上品でエレガントなあのコンセルトヘボウの響きで包み込んで、音楽のフォルムが崩れないのはさすが。

録音は極上。最高。
数あるフィリップスのコンセルトヘボウ録音の中でも屈指の出来映えと思う。これに匹敵する録音は・・・・ハイティンクのマーラー再録音シリーズ(4番と7番)、マリナーの「惑星」、デイヴィスの「春の祭典」くらいか。
名録音中の名録音とこれも絶賛したい。
木管と弦の掛け合いの美しさ。管楽器のソロ。オケ全体の中での融け合い。どれをとっても云うことはない素晴らしさ。

コンドラシンの指揮はメリハリをつけて色彩的にシェエラザードを描き出す。
表現意欲に富んでおり、各楽章の性格を見事に描き分ける。迫力も十分。ロシア風の土臭さと、西欧の洗練とを高次元で融合、止揚させた名演。

いやはや古今無双の銘盤であって、クラシック音楽ファンの多くがこの演奏を聴いていることだろう。
人口に膾炙した名演奏。

どこを聴いても素晴らしいのだが、個人的には第3楽章の懐かしささえ漂わせる静かな演奏が感慨深い。
シルクロードからアラビアの草原に思いを馳せるような演奏。
ああ、ノスタルジー。

先日、新居浜のタワーレコードで輸入盤の新品CD、しかもリマスター盤が1200円で売っていました。
この名盤がこの価格・・・・・何という・・・。
2006/08/26のBlog
水金地火木土天海冥・・・・ではなくなるそうな・・・。
冥王星が惑星でなくなると、ほぉ、なるほどホルストの時代に戻る訳か。

ホルストの作曲が1915年、冥王星の発見が1930年。
「惑星」のライナーノートには必ず書かれていたことだった。
この記述が不要になるんですな・・・・・。
(ありゃ?「冥王星」加筆譜があったし、CDもあったんじゃないか?・・・あれはどうなるんやろうか・・・・・・)

というわけで、今日はホルストの「惑星」。

初演の栄を担うサー・エードリアン・ボールトの指揮、ロンドン・フィルの演奏。
1978年、キングズウェイ・ホールとアビーロード・スタジオでの録音。EMI盤。
懐かしいLPであります。

世に広く知られた無双の名盤。
ボールトのこの「惑星」を聴いて(ボールトには同曲異演盤が多数ある)、ボクは「惑星」の真価を知ったように思う。
「惑星」ブームの先鞭をつけたのはカラヤン/VPOのDECCA盤だとは思うが、1970年代から80年代に多数出現した「惑星」録音の中で、最も感動的な1枚だった。
初演者ボールトならではの、(だかららこそ、か)、今聴いても涙ものの演奏。

「火星」の雄大なスケール。ボールトのテンポは慌てず騒がず、どっしりと横綱相撲の貫禄。アンプのボリュームを上げても、決して騒々しくならないのはさすが。
LPOも好演。ホルストは我らが音楽だと云わんばかりの、懸命の演奏。音の鮮度が高く(録音の善し悪しを越えている)、特にストリングスの音色が良い。
技術的には少し怪しいかなと思われるところもあるが、そんな聴き手の気持ちを吹き飛ばす頑張りがイイ。

「金星」は室内楽的なアンサンブルが聴きもの。管楽器がイイのだが、特にホルンは美しい。
ソロ・ヴァイオリンのデリケートな響きも、しみじみと味わい深い。懐かしさがこみ上げてくるような美しい旋律を、頬を撫でるような感触で優しく弾いてくれる。
ボールトのテンポは、中庸そのもの。英国の老紳士の品格か。

「水星」はスケルツォ。この組曲の中の、間奏曲に当たるものだろう。フルートのソロが伸びやかで綺麗なのが印象的。

「木星」はこの曲の白眉。「惑星」の中核を為す曲。本当に素晴らしい曲だと思う。ポピュラーになってヒットするわけだ。ボクは大好きで、この曲だけ単独に取り出して聴くことも多い。
ボールト盤でもヤマ場はここにある。圧倒的な名演と思う。
オーケストラの迫力、スケール感、旋律の歌わせ方の美しさ・・・・どれを取っても文句なく素晴らしい。ボールトのテンポはやや遅め。じっくりと腰を据えて、この名曲を描き尽くす。民謡風の盛り上がってゆくあたり、ここぞというところで、グッとテンポを落としてタメを作る・・・・最高だと思う。

「土星」の重厚さ、怪しさ。
「天王星」の遅いテンポ、迫力。
「海王星」のコーラスが遙か彼方に消えてゆく崇高さ。

ああ、きりがありません。
素晴らしい演奏。

ボールト盤を聴かずに「惑星」を語るなかれ・・・・

と言ってみたいくらいです。
2006/08/25のBlog
日が暮れるのが早くなってきました。
そういえば、日の出も遅くなってます。

今日は涼しい夜風を部屋に入れつつ、バロックでも・・・・・・。

選んだのは、ヘンデルの合奏協奏曲作品6。

アイオナ・ブラウン指揮アカデミー室内管の演奏。
1994年8月、ヘンリーウッド・ホールでの録音。
ヘンスラー原盤だが、ブリリアントがマリナー指揮の「水上の音楽」などと激安セットで販売しているもの。

声楽曲やオペラをそんなに聴かない自分にとって、ヘンデルの最高傑作は「水上の音楽」であり、次はこの合奏協奏曲作品6であります。

バッハの謹厳・勤勉に対して、ヘンデルの音楽は明朗で闊達、大らかで伸びやかなところがイイ。自然な息づかいで、窮屈なところがあまり感じられない音楽。気持ちいい。
第5番からの4曲が入ったこのCDを聴いても、その特徴は明らかだ。

アイオナ・ブラウン/アカデミー室内管の演奏は、テンポが中庸で、美しい響きのヘンデルが聴ける。ブラウンはマリナーの後を受けてアカデミー室内管の音楽監督になった女性ヴァイオリニストで(それまでは、コンサート・ミストレスだった)、恐らくこのCDでも弾き振りだろう。スピーカー左手のヴァイオリン群は生き生き溌剌、爽快な弾きっぷり。

ヴァイオリンのソロはとても美しい。しなやかで細身の音が天空に上ってゆく。
管楽器とのバランスも良く、ホンマに耳に心地よい。

第6番は有名なミュゼットを含むので、シロウト受けする曲だと思う。初めて聴いたのはもう25年前かな。今もボクは大好き。
もちろん、作品6の中で一番優れている曲だとも思う。見事な構成、堂々と恰幅の良い音楽。
第1楽章などは荘重な雰囲気さえ漂う。

そして、ミュゼットの美しさ。
ブラウン/アカデミー室内管で聴くと、軽快でべたべたしないのが良い。
サラッと肌に涼しく爽やかな感触。
風呂上がりに涼しい風に当たったときのような気持ちよい演奏になっている。


録音も上々。とても聴きやすい音になっております。
この協奏曲集コレギウム・アウレウム合奏団やリヒター/ミュンヘン・バッハ管、ピノック/イングリッシュ・コンソートなどの名演奏もあります。
どれも素晴らしい演奏なのは、この作品が優れている証拠かもしれませんな。
2006/08/24のBlog
処暑であります。
暑さがおさまってきますと、クラシック音楽に良い季節であります。
涼しい夜風が入ってくるようにもなりました。

さて、今日は爽やかなバロック名曲集を。

ルドルフ・バウムガルトナー指揮ルツェルン弦楽合奏団の演奏。
1970年代後半の録音でオイロディスク原盤を日本のDENONが編集して発売したもの。

こういうアルバムは入門者用と云われるが、なぁに、このトシになってもよく聴くもんです。

特にパッヘルベルのカノンなら、いつ聴いてもエエなぁと思う。
パイヤールの旧盤がとりわけ雰囲気豊かで一番良いのだが、2番手はこのバウムガルトナーだ。
DENON盤は再録音盤にあたり、旧盤はDGから出ていた。LP時代はMGWナンバーのグラモフォン・スペシャルの廉価盤で、これは随分世話になったものだ。
清潔で格調高く、勤勉真面目なドイツ風の演奏なのだが、中身はとてもしなやか。特に変わったことはしていないし、アレンジも普通なのだが、だからこそそくそくと迫ってくる感銘がある。

続いてバッハの名曲。
「主よ、人の望の喜びよ」に管弦楽組曲第3番の「エア」、いずれも綺麗な弦楽合奏。心落ち着く、懐かしさがこみ上げてくる曲。バウムガルトナー/ルツェルンのコンビで聴くと、これがまた実に美しい音楽になる。

次は「アルビノーニのアダージョ」。
これもバウムガルトナーのDG盤でさんざん聴いてきたので、彼の解釈・アレンジは刷り込み状態。
ヴァイオリンの低音が太く柔らかく響くのがとても心地よい。あまり悲劇的にならず、淡々とした感じの演奏も良い。オルガンはエドゥアルト・カウフマン、ヴァイオリン独奏はグナール・ラルセンス。達者な奏者だ。

そしてグルックの「精霊の踊り」。
このアルバムの良いところ、オーレル・ニコレのフルートが聴けるのは嬉しい。しかも、バウムガルトナー/ルツェルンのバックが清潔で美しいアンサンブルで支えるのだから、全く聴き手としては有り難い。名演奏。
ニコレのフルートはいつものとおり、真摯。フルートという楽器の良さをすべて引き出そうという真剣な(ある意味では禁欲的な)演奏ぶりが伝わってくるのは、感動的。
小曲なのに、この立派さ、この素晴らしさ。
大好きなこの曲の、最高の演奏(と断言してしまおう~。


このアルバムにはヨセフ・スークのヴァイオリン独奏が聴けるヴィヴァルディも入ってます。
「調和の霊感」第6番イ短調、たぶんこの曲集の中で一番有名な曲。
これがまた何ともプレーンで清涼な演奏。

ああ、小曲集なのにこの贅沢さ。
ささやかな幸福を実感する時であります。
2006/08/23のBlog
今日はシューマンのピアノ協奏曲イ短調。

アルトゥール・ルービンシュタインのピアノ。
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団の演奏。

古本屋に行く楽しみは、この頃は本探しよりもCDかもしれない。
CDを扱う本屋が増えたと思う。
古本はBOOK-OFFの進出のおかげで、価格は激安になったが、どの店も似たり寄ったりの品揃えであまり面白くはない(もっとも、新刊で売れる本が中古市場に流れているわけだから、似たり寄ったりの源流は新刊にあるのだろう)。
まあ、1冊100円というのは実に助かるのだが。

ボクが学生の頃の古本屋は個性的で、この店は文学に強いとか、あの店は歴史と法律が専門だとか、こっちの店はアダルト専門なので入るのに勇気が要るだの・・・・多様で面白かったもんだが、今はどこも画一化されてきているようでもあるな。

最近はもっぱら探すのは中古CD。250円~500円の値段なら都心の中古盤屋(ディスク・ユニオンとかね)と変わらない、かえって安かったりするのでなかなか楽しい。

今日聴いているシューマンも300円。
CBSソニーの名曲全集からの1枚で、解説も何もない、名画のジャケットのつくりも何となくとってつけたような感じ。
これ、もともとRCA原盤。1967年ころの録音。

音はさすがに古びたかな。仕方ないな。
高域がやや詰まった感じで、ピアノのスコーンという音の抜けもイマイチ。

演奏はさすがにルービンシュタイン。一世を風靡したグランドマナーは健在だし、シューマンにしては大らかすぎるかもしれないが、技巧は完璧で、ニュアンス多彩な音色も素晴らしい。

ジュリーニのバックも正調真摯だが、ルービンシュタインにやや押され気味。
この時期のジュリーニを聴いていると、後年、あの遅いテンポと雄大なスケールの大指揮者になることが想像できない。ジュリーニはまだ若い。溌剌としているが、ルービンシュタインという巨匠には遠慮気味。
ただ、この若さが、シューマンのロマンには合うようにも思えた。

さて、ジュリーニは1970年代中盤から圧倒的なスケールの名演をレコードの刻んでゆくんですが(例のDGの9番交響曲シリーズなど)、いつ化けたんでしょうね。


残暑であります。
しかし、日中の蝉時雨よりも朝晩の虫の音の方が大きいようです。
夏の終わりです。
2006/08/22のBlog
久しぶりにLPを取り出して聴いてます。
今も大事にLPを残しているんですが、タスキを眺めているとなかなか面白いですな。
CDのタスキは邪魔くさいので捨ててしまいますが、LPのはそのまんまにしてあります。(LPのは、逆にはずす方が面倒くさいので・・・・・・(^^ゞ)

今日聴いているのはベートーヴェンの交響曲第4番。
カルロス・クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団の演奏。
1982年5月、カール・ベームの追悼コンサートのライヴ録音。
オルフェオ原盤のLPだが、国内ではフィリップスが発売したもの。

1枚1曲で2500円!
発売直後にボクは購入しているのだが、今となっては何という高価な設定。それでもクライバーなら売れるんだろうなぁ。

タスキのコピーがふるっている。(ジャケット写真で読めますかいな?)

曰く「ここでカルロス火を吹いた!」・・・・・。

カルロスが火を吹く・・・・カルロスは火を吹くのか?・・・・ふ~む、火を吹く・・・・火を吹く・・。

ボクの中で、カルロス・クライバーは大道芸人か、ゴジラか・・・・のように思えてきた。

火を吹いたあと、カルロスはどうするんだ?
大皿でも廻すのか?
東京タワーを破壊するのか?・・・・・(^^ゞ
んなわけないわいなぁ。

それにしても凄いコピー。
これ以前にアルゲリッチ/コンドラシンのチャイコフスキー・ピアノ協奏曲ライヴ盤で「その時、ピアノは火を吹いた」・・・・見事なタスキの文句をフィリップスは作っていたのだが・・・。
(「その時歴史が動いた」という某国営放送の番組より20年前の名コピー。この番組タイトルは、アルゲリッチ盤のタスキをパクったんじゃないかと、ボクは開始当時思ったものだが)

このLPは二番煎じもいいところ・・・・やれやれ。
いやはや、ナンボなんでも、カルロスが火を吹いてはイカンだろう。

でも、オケは火を吹く迫力であります。

このレコードはは大ベストセラーになって、今もベートーヴェンの交響曲第4番を語るときには落とせない演奏になっているようだ。
世評絶賛。今さら書くことはアリマヘン。

凄まじいスピード感。
ジェットコースターに乗っているような陶酔。
強烈なリズム、グラインドしているようなオケの演奏ぶり。
ピアニシモとフォルティシモの劇的な対比。
麻薬的な快感あり。

クライバーの特徴を挙げればキリがありません。
久しぶりに聴いて大変面白かったですな。
そう、クライバーの演奏はたいそう面白いんです。
でも、あまり感銘が持続しないところもあるように思えます。
2006/08/21のBlog
残暑厳しき折・・・・と云いつつ、確実に秋が来ています。
朝のジョギング中、今年初めて虫の音を聞きました。
コオロギです。草むらから、数匹の合唱。
これからもっと盛大になるでしょう、

さて今日はラヴェル。
「ダフニスとクロエ」第2組曲。

シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団の演奏。
1980年の録音。このCDは、デュトワ/モントリオールのラヴェル管弦楽曲集だが、「ダフニスとクロエ」には全曲盤があって、それがDECCA専属になったこのコンビの日本デビュー盤だったかな。
この全曲盤の方は、日本のロンドン・レコードの宣伝効果もあって、非常に売れたし、世評も高かったことを覚えている。


この曲を初めて聴いたとき、ラヴェルが音の魔術師であることを実感した。

大自然の夜明け、緑の空気、朝露に濡れた草花、あちこちで響く鳥の鳴き声、やがて涼しい風が吹き始め、新しい生命が誕生する・・・・・。

聴いているとそんなイメージが膨らんでゆく。
耳を澄まして聴いていると、朝霧が薄くなって、太陽が昇るその動き、風の音、鳥の声がホンマに聞こえる。
オーケストラから、これほどの描写を引き出すラヴェルの凄さ。

ボクは楽譜も読めず楽典も知らないドシロウトだが、この音楽のスゴイことは分かる・・・・・というか、ドシロウトにも理解させてしまうラヴェルはスゴイと思う。

そして演奏するモントリオール交響楽団の巧さ!
初めて聴いたときから、もうメチャクチャに上手い・・・・・らしい。

・・・らしいと云うのは、当時、知り合いの高校の音楽教師が、「オーケストラを聴くなら、何よりデュトワ/モントリオールがエエぞ」と云っているから。
この友人はファゴットの名手で、武蔵野音大在学中からN響のエキストラに呼ばれていたほどの腕達者だが、この友人をしてどのオケよりもメチャクチャに上手いと言わしめるのだから間違いないのだろう。・・・・と思ったものだ。

今聴いても本当に素晴らしい演奏。
一人一人が上手く、しかもオケの中に綺麗に溶けあって、豊穣な音楽を作ってゆく。
音は暖色系、例えは悪いがピンク色の響き。甘く柔らかく、透明感もある響き。

モントリオール響は、デュトワとはもう別れてしまったらしいが、残念なこと。
かけがえのないコンビであったと思いますな。


録音も抜群。我が家のターンベリーで聴く臨場感の素晴らしいこと。
DECCA録音はやはり最高であります。
2006/08/20のBlog
台風一過と云いながら、まだまだ暑い日々が続きます。

暑いさなかのワーグナー。
夏はバイロイト音楽祭、ワーグナーの季節。今年もバイロイト音楽祭に多くの日本人が詣でていることだろう。

ボクの友人は、15年前にバイロイト詣でを果たしている。オーディオ評論家・金子英男氏と一緒のツアーだったそうな。
まあ、木の椅子が尻に痛いことを盛んに語ってくれたが、その音楽は本場物、別格に素晴らしかったそうで感激もひとしおであったらしい。

エエなぁ。羨ましいなぁ。いつか行ってみたいもんやなぁ。

で、今日はワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」ハイライト。
マレク・ヤノフスキ指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
DENONのクレスト1000シリーズからの1枚、1980~1983年の録音。

曲目はハイライト盤お馴染みのもの。
○「ラインの黄金」~虹のかけ橋 ~ ワルハラ城への神々の入場
○「ワルキューレ」~ワルキューレの騎行/魔の炎の音楽
○「ジークフリート」~森のささやき
○「神々のたそがれ」~夜明けとジークフリートのラインへの旅/ジークフリートの葬送行進曲/終曲-ブリュンヒルデの自己犠牲

歌手は素晴らしい。ルチア・ポップ、ペーター・シュライアー、ルネ・コロ、テーオ・アダム等、錚々たるメンバー。

このCDは、デジタル録音初の指環全曲盤としてDENONが独シャルプラッテンと協力して完成させたものだったと思う。発売当時は随分話題になったと思うが、今は海外盤でかなり安価に購入できるはず。

ドレスデン・シュターツカペレの音でワーグナーのエッセンスを聴けるのは有り難い。世評は、スケールが小さいとか薄味とか、あまりよろしくなかったと思うが、我が家では実にエエ音、立派なワーグナーとして響く。

アダムとコロ、二人の主役歌手が素晴らしく良いし、女声陣も粒ぞろい。我が愛しのルチア・ポップもチョイ役(ヴォークリンデ)で出ているのも嬉しい。

ヤノフスキのつくるワーグナーは、テンポが中庸で勿体ぶったところがない。厚みとか悠揚迫らぬスケールとかには無縁の演奏だが、すこぶる丁寧でカッチリした演奏だと思う。
何よりSKDの音が素晴らしい。
練り絹のような弦楽セクションに、爽快に鳴り響く金管群。しかも個々の楽器が程良くブレンドされて聴き手を幸福にさせる音楽。

ああ、DENONの録音はやはり最高でありますな。
いつも褒めてますが。