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2006/09/12のBlog
[ 02:23 ]
[ 交響曲 ]
この1週間の雨で、本当に涼しくなりました。
クラシック音楽には快適な季節です。
窓を閉め切っていても暑くなく、気分良く聴けます。今日は少し音量を上げてみようか。
今日はモーツァルト。
交響曲第41番ハ長調 K551「ジュピター」。
コリン・デイヴィス指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
堂々としたモーツァルト。
テンポは中庸で、響きはやや厚め。まろやかで薫り高いSKDの響きを堪能できる1枚。
録音も抜群。柔らかく少し渋めのSKDの音を見事にとらえている。フィリップスの録音スタッフの優秀さに加えて、ドレスデンのルカ教会の音響の良さがモノをいっているのだろう。楽器の融け合いが良く、バランスも適切。我が家で聴く中では、最も音がよいジュピター。
デイヴィスの指揮は精力的なものだが、強引にならず、音楽のフォルムは常に端正で凛々しい。カッチリした指揮をしたがる人だと思うのだが、このモーツァルトは、ふくよかで柔らかく、大変聴きやすい音楽に仕上がっている。
尤も、その聴きやすさの功績は、SKDの音にあると思う。
デイヴィスの指揮に敏感に反応し、機能的であるのだが、終始まろやかさを失わない素晴らしい音。響きの余韻も実に美しい。残響がフワッと消えてゆく時の美しさは、SKDならでは。全くかけがえのない音。
第1楽章の着実な歩みは、王者を思わせる。恰幅が良い。そして、「ジュピターは、こうでなくちゃ」と膝を叩きたくなるような絶妙のテンポ。
音楽の運びはどこから見ても正々堂々。ジュピターの風格にふさわしい。
第2楽章はややおそめのテンポで優美きわまりない演奏。アポロン的な美しさ。すっかり晴れ上がった青空。
第3楽章はデイヴィスらしい、メリハリのきいた演奏。SKDはふっくらとした響きで指揮者を支えてゆく。
終楽章は、「ジュピター」の核心。
モーツァルト最後のシンフォニーともなると、聴き手の方も思い入れがある。
デイヴィスの終楽章は、まろやかな音響と有機的なアンサンブルで、胸が熱くなってくる。
ああ、いいジュピターだなぁ。
何度でも聴きたくなるなぁ・・・・。
そんなデイヴィス/SKDのモーツァルトでありました。
クラシック音楽には快適な季節です。
窓を閉め切っていても暑くなく、気分良く聴けます。今日は少し音量を上げてみようか。
今日はモーツァルト。
交響曲第41番ハ長調 K551「ジュピター」。
コリン・デイヴィス指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
堂々としたモーツァルト。
テンポは中庸で、響きはやや厚め。まろやかで薫り高いSKDの響きを堪能できる1枚。
録音も抜群。柔らかく少し渋めのSKDの音を見事にとらえている。フィリップスの録音スタッフの優秀さに加えて、ドレスデンのルカ教会の音響の良さがモノをいっているのだろう。楽器の融け合いが良く、バランスも適切。我が家で聴く中では、最も音がよいジュピター。
デイヴィスの指揮は精力的なものだが、強引にならず、音楽のフォルムは常に端正で凛々しい。カッチリした指揮をしたがる人だと思うのだが、このモーツァルトは、ふくよかで柔らかく、大変聴きやすい音楽に仕上がっている。
尤も、その聴きやすさの功績は、SKDの音にあると思う。
デイヴィスの指揮に敏感に反応し、機能的であるのだが、終始まろやかさを失わない素晴らしい音。響きの余韻も実に美しい。残響がフワッと消えてゆく時の美しさは、SKDならでは。全くかけがえのない音。
第1楽章の着実な歩みは、王者を思わせる。恰幅が良い。そして、「ジュピターは、こうでなくちゃ」と膝を叩きたくなるような絶妙のテンポ。
音楽の運びはどこから見ても正々堂々。ジュピターの風格にふさわしい。
第2楽章はややおそめのテンポで優美きわまりない演奏。アポロン的な美しさ。すっかり晴れ上がった青空。
第3楽章はデイヴィスらしい、メリハリのきいた演奏。SKDはふっくらとした響きで指揮者を支えてゆく。
終楽章は、「ジュピター」の核心。
モーツァルト最後のシンフォニーともなると、聴き手の方も思い入れがある。
デイヴィスの終楽章は、まろやかな音響と有機的なアンサンブルで、胸が熱くなってくる。
ああ、いいジュピターだなぁ。
何度でも聴きたくなるなぁ・・・・。
そんなデイヴィス/SKDのモーツァルトでありました。
2006/09/11のBlog
[ 05:34 ]
[ 交響曲 ]
ぐずついた天気が続きます。
気温が下がって涼しい陽気はエエんですが、カラッとした空気が恋しいですな。
せめてクラシック音楽は、サラッとした音楽を聴きたいなぁ・・・・。
と取り出したのが今日のCDであります。
メンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調作品90「イタリア」。
ゲオルク・ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏。
このコンビなら期待できそう。
第1楽章は快速快適なテンポ。颯爽として軽快な歩みだが、音楽はショルティらしく剛毅なもの。
推進力に溢れて、どんどん前に進んでゆく。強い足取り。
シカゴ響の機能も万全。フーガ風の場面で音楽がひたすらクレッシェンドしてゆくところの緊張感、さすがショルティと思う。
第2楽章は感傷的な旋律が続く。第1楽章はあっという間だったが、この楽章はじっくり味わい深い。
ここでの音楽は感傷的になりがちなのだが、ショルティが振るとその感傷がベタつかない。サラサラとした淡い情感が流れてゆく。初期ロマン派らしい風情だと思う。
シカゴ響のヴァイオリン群がしなやかでつややか。アンサンブルが完璧なので、一本のムチのように強靱ささえ感じる。
第3楽章は優美なメヌエット。
ここでもショルティ/CSOのコンビは、優しさよりもクールさが際だつ。
中間部でリズムを刻む管楽器のアンサンブルの見事さ。ホルンは特に巧い。クールで上品な響きが実にイイ。
(巧いはずだ、グレベンジャーだもの・・・・)
終楽章は青白い炎が燃えるようなサルタレルロ。
オケのアンサンブルは完璧だし、技量は最高だし、もう言うことなし。
音楽は推進力抜群でどんどん盛り上がるのだが、興奮状態・阿鼻叫喚にならないのがショルティならでは。クールな燃焼というべき演奏だろう。
録音は、今の耳で聴くと標準でしょう。
発売当初は優秀録音だったものですが、今聴くと、少し硬いかな。尤も、演奏がカッチリしているので、そういう録音に聞こえるのかもしれませんが。
当時3500円。高価な時代でありました。
CDケースにシール状のタスキを貼って販売しておりました。
今日の写真はそれであります。
気温が下がって涼しい陽気はエエんですが、カラッとした空気が恋しいですな。
せめてクラシック音楽は、サラッとした音楽を聴きたいなぁ・・・・。
と取り出したのが今日のCDであります。
メンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調作品90「イタリア」。
ゲオルク・ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏。
このコンビなら期待できそう。
第1楽章は快速快適なテンポ。颯爽として軽快な歩みだが、音楽はショルティらしく剛毅なもの。
推進力に溢れて、どんどん前に進んでゆく。強い足取り。
シカゴ響の機能も万全。フーガ風の場面で音楽がひたすらクレッシェンドしてゆくところの緊張感、さすがショルティと思う。
第2楽章は感傷的な旋律が続く。第1楽章はあっという間だったが、この楽章はじっくり味わい深い。
ここでの音楽は感傷的になりがちなのだが、ショルティが振るとその感傷がベタつかない。サラサラとした淡い情感が流れてゆく。初期ロマン派らしい風情だと思う。
シカゴ響のヴァイオリン群がしなやかでつややか。アンサンブルが完璧なので、一本のムチのように強靱ささえ感じる。
第3楽章は優美なメヌエット。
ここでもショルティ/CSOのコンビは、優しさよりもクールさが際だつ。
中間部でリズムを刻む管楽器のアンサンブルの見事さ。ホルンは特に巧い。クールで上品な響きが実にイイ。
(巧いはずだ、グレベンジャーだもの・・・・)
終楽章は青白い炎が燃えるようなサルタレルロ。
オケのアンサンブルは完璧だし、技量は最高だし、もう言うことなし。
音楽は推進力抜群でどんどん盛り上がるのだが、興奮状態・阿鼻叫喚にならないのがショルティならでは。クールな燃焼というべき演奏だろう。
録音は、今の耳で聴くと標準でしょう。
発売当初は優秀録音だったものですが、今聴くと、少し硬いかな。尤も、演奏がカッチリしているので、そういう録音に聞こえるのかもしれませんが。
当時3500円。高価な時代でありました。
CDケースにシール状のタスキを貼って販売しておりました。
今日の写真はそれであります。
2006/09/10のBlog
[ 05:02 ]
[ 交響曲 ]
秋に旨いもの。
秋茄子、秋刀魚、梨なら豊水。そしてブラームス。
秋はブラームス。ホンマに秋になると「旨い」・・・・(^^ゞ
これからの季節、ブラームスが聴きたくなる・・・・・・これワタクシだけの季節感でしょうか?
で、今日はブラームスの交響曲第1番ハ短調作品68。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1987年1月、フィルハーモニーでの録音。DG盤。
カラヤン最後のブラームス全集。
ボクはカラヤン70年代のブラームス全集をLPで聴いていた。流れるように美しく、時に瞑想的なところがあるブラームスだった。磨き上げたようなベルリン・フィルの響きが印象的な演奏もあった。
そのカラヤンがまたもブラームス全集を出す。これが最後のブラームスだろうな。録音はバブル全盛期の1987年だった。これは買うしかないなと思い、大枚3500円をはたいて購ったものだ。
期待に違わぬ素晴らしい出来。カラヤン最高のブラームスと確信した。
録音も極上。管弦楽のの迫力、音の艶、空間への広がり・・・文句なし。
第1楽章からカラヤン入魂の指揮ぶり、BPOも渾身の力強い響き。
豪華絢爛でいてドイツ的な強い音も十分。派手で華やかだけではない、重心の低いいかにもブラームス的な音がスピーカーから飛び出してくる。
なんやかんやと言われつつも、カラヤン/BPOの紡ぎ出す音は、音楽は素晴らしいなと思う。
序奏部など圧倒的な音。そこから浮かび上がる木管のソロがまた極上の響き。しみじみとした(なのに艶やかなんですなぁ)響きはホンマにたまらない。
旋律線はよく流れて、よどみない流麗さ。そして息詰まるような緊張の瞬間もある。このあたりはカラヤンの本領発揮。素晴らしい。
第2楽章から第3楽章は、ストリングスの素晴らしい響きが聴ける。ソロ・ヴァイオリンが美しい。
そして木管の素晴らしさ。特にオーボエがイイ。
テンポはやや速めで、音楽の表情は美麗を極める。細心の彫琢をほどこした音楽。
分かり切っていることなのに、改めてBPOの巧さに感心。
終楽章は堂々、勝利の行進。力強く雄大なホルン。それに続くフルートも見事。弦楽合奏も美しいことこの上ない。
スケールは大きく、管弦楽は逞しい。オケは全く巧い。往年の鉄壁のアンサンブルからすると少し弱いのかな?と思うところもあるが、安心して聴いていられる名演だと思う。
コーダの迫力も圧倒的。絶品の音楽がここにある。
このCDに出会ってから20年。
さて、これ以上のブラームスの1番に、あれからボクは出会ったのかな・・・・ふと考えてしまいました。
秋茄子、秋刀魚、梨なら豊水。そしてブラームス。
秋はブラームス。ホンマに秋になると「旨い」・・・・(^^ゞ
これからの季節、ブラームスが聴きたくなる・・・・・・これワタクシだけの季節感でしょうか?
で、今日はブラームスの交響曲第1番ハ短調作品68。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1987年1月、フィルハーモニーでの録音。DG盤。
カラヤン最後のブラームス全集。
ボクはカラヤン70年代のブラームス全集をLPで聴いていた。流れるように美しく、時に瞑想的なところがあるブラームスだった。磨き上げたようなベルリン・フィルの響きが印象的な演奏もあった。
そのカラヤンがまたもブラームス全集を出す。これが最後のブラームスだろうな。録音はバブル全盛期の1987年だった。これは買うしかないなと思い、大枚3500円をはたいて購ったものだ。
期待に違わぬ素晴らしい出来。カラヤン最高のブラームスと確信した。
録音も極上。管弦楽のの迫力、音の艶、空間への広がり・・・文句なし。
第1楽章からカラヤン入魂の指揮ぶり、BPOも渾身の力強い響き。
豪華絢爛でいてドイツ的な強い音も十分。派手で華やかだけではない、重心の低いいかにもブラームス的な音がスピーカーから飛び出してくる。
なんやかんやと言われつつも、カラヤン/BPOの紡ぎ出す音は、音楽は素晴らしいなと思う。
序奏部など圧倒的な音。そこから浮かび上がる木管のソロがまた極上の響き。しみじみとした(なのに艶やかなんですなぁ)響きはホンマにたまらない。
旋律線はよく流れて、よどみない流麗さ。そして息詰まるような緊張の瞬間もある。このあたりはカラヤンの本領発揮。素晴らしい。
第2楽章から第3楽章は、ストリングスの素晴らしい響きが聴ける。ソロ・ヴァイオリンが美しい。
そして木管の素晴らしさ。特にオーボエがイイ。
テンポはやや速めで、音楽の表情は美麗を極める。細心の彫琢をほどこした音楽。
分かり切っていることなのに、改めてBPOの巧さに感心。
終楽章は堂々、勝利の行進。力強く雄大なホルン。それに続くフルートも見事。弦楽合奏も美しいことこの上ない。
スケールは大きく、管弦楽は逞しい。オケは全く巧い。往年の鉄壁のアンサンブルからすると少し弱いのかな?と思うところもあるが、安心して聴いていられる名演だと思う。
コーダの迫力も圧倒的。絶品の音楽がここにある。
このCDに出会ってから20年。
さて、これ以上のブラームスの1番に、あれからボクは出会ったのかな・・・・ふと考えてしまいました。
2006/09/09のBlog
[ 03:25 ]
[ 交響曲 ]
今日は重陽の節句。菊のお節句です。
観菊にはまだまだ早いですが、確実に秋は来てます。
虫の音を楽しみながらクラシック音楽を聴くことにしましょう。
今日は、ベートーヴェン。
交響曲第6番ヘ長調 作品68「田園」。
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管の演奏。
1957年10月の録音。EMIの超廉価盤クリスマス・ボックス所収の1枚。
第1楽章からさすがクレンペラー、テンポが遅い。非常に遅い。
ヨッフム/LS0盤やアバド/VPO盤なみに遅い。
ボクは「田園」は遅い方が良いと思っている。特に第1楽章と第2楽章は、遅い方がのどかな気分がよく出るのでいいんじゃないかと思う。
しかし、クレンペラーの遅さはちっとものどかではなく、かえって厳格な感じが強い。音楽は暖かくなく(ひんやりと冷たい感触さえする)、表面上はあまり美しくなくサラッとしている。でも、それ以上に造形、構築がスゴイ。クレンペラーのベートーヴェン特有の、音の大建築・大構造物のような交響曲が、この「田園」にもある。
ヴァイオリンは対向配置。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの掛け合いが楽しめる。左右のスピーカーから、美しい旋律の受け渡しが聞こえるのは幸福。
第2楽章もゆったりと遅いテンポ、。確信に満ちた、堂々たる演奏。「田園」はこんなにスケールの大きな交響曲だったのか・・・とクレンペラーに気づかされる。
悠揚迫らぬ大きさの中、木管が美しく歌う。これは綺麗。
第3楽章スケルツォも巨大としか云いようがない演奏。ゆったりと着実な足取りで、腰を据えたらなかなか前に進まない・・・・そんな風情の音楽。
諧謔にはほど遠い堅牢さ。しかし、どこまでもクレンペラーは我が道を行く。これぞクレンペラーの王道。圧倒的な貫禄。
第4楽章の嵐も堂々たる演奏。嵐と云っても音量はあまり上がらない。純音楽的な表現と思う。「コケオドシ」的な「田園」演奏からは最も遠いところにある演奏。
「形而上学的」などという、もう、とうに使わなくなってしまった言葉を思い出してしまった・・・・(^^ゞ。
終楽章の感謝の歌。穏やかなテンポに乗って、この大交響曲の締めくくりが厳かに進んでゆく。その感謝の歌が、個人的なものよりも普遍的なものを感じさせるのが、この演奏の凄さかもしれない・・・。
ああ、クレンペラーはデカイ。ものすごくデカイ。
そういう音楽をする人なのだろう。
録音からほぼ50年。
音は貧しいです。硬いですし、カサつくところもあります。
EMIなので、あまり期待していないとはいえ、もう少しエエ音で録音できなかったんでしょうかね・・。
しかし、音楽の大きさは素晴らしいです。大きな大きな「田園」であります。
観菊にはまだまだ早いですが、確実に秋は来てます。
虫の音を楽しみながらクラシック音楽を聴くことにしましょう。
今日は、ベートーヴェン。
交響曲第6番ヘ長調 作品68「田園」。
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管の演奏。
1957年10月の録音。EMIの超廉価盤クリスマス・ボックス所収の1枚。
第1楽章からさすがクレンペラー、テンポが遅い。非常に遅い。
ヨッフム/LS0盤やアバド/VPO盤なみに遅い。
ボクは「田園」は遅い方が良いと思っている。特に第1楽章と第2楽章は、遅い方がのどかな気分がよく出るのでいいんじゃないかと思う。
しかし、クレンペラーの遅さはちっとものどかではなく、かえって厳格な感じが強い。音楽は暖かくなく(ひんやりと冷たい感触さえする)、表面上はあまり美しくなくサラッとしている。でも、それ以上に造形、構築がスゴイ。クレンペラーのベートーヴェン特有の、音の大建築・大構造物のような交響曲が、この「田園」にもある。
ヴァイオリンは対向配置。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの掛け合いが楽しめる。左右のスピーカーから、美しい旋律の受け渡しが聞こえるのは幸福。
第2楽章もゆったりと遅いテンポ、。確信に満ちた、堂々たる演奏。「田園」はこんなにスケールの大きな交響曲だったのか・・・とクレンペラーに気づかされる。
悠揚迫らぬ大きさの中、木管が美しく歌う。これは綺麗。
第3楽章スケルツォも巨大としか云いようがない演奏。ゆったりと着実な足取りで、腰を据えたらなかなか前に進まない・・・・そんな風情の音楽。
諧謔にはほど遠い堅牢さ。しかし、どこまでもクレンペラーは我が道を行く。これぞクレンペラーの王道。圧倒的な貫禄。
第4楽章の嵐も堂々たる演奏。嵐と云っても音量はあまり上がらない。純音楽的な表現と思う。「コケオドシ」的な「田園」演奏からは最も遠いところにある演奏。
「形而上学的」などという、もう、とうに使わなくなってしまった言葉を思い出してしまった・・・・(^^ゞ。
終楽章の感謝の歌。穏やかなテンポに乗って、この大交響曲の締めくくりが厳かに進んでゆく。その感謝の歌が、個人的なものよりも普遍的なものを感じさせるのが、この演奏の凄さかもしれない・・・。
ああ、クレンペラーはデカイ。ものすごくデカイ。
そういう音楽をする人なのだろう。
録音からほぼ50年。
音は貧しいです。硬いですし、カサつくところもあります。
EMIなので、あまり期待していないとはいえ、もう少しエエ音で録音できなかったんでしょうかね・・。
しかし、音楽の大きさは素晴らしいです。大きな大きな「田園」であります。
2006/09/08のBlog
[ 04:39 ]
[ 協奏曲 ]
秋の長雨です。
おかげで朝晩がめっきり涼しくなりました。窓を閉めて寝ないと朝方は寒いくらい。
こういう季節、ピアノの響きが一層冴えるような気がします。
そこで今日はショパン。
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11。
中村紘子のピアノ独奏、アナトール・フィストラーリ指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1984年の録音、CBSソニー原盤。
第1楽章、フィストラーリ/LSOの序奏が素晴らしい。
濃厚で深い味わい、熟成された管弦楽の響き。録音が抜群なせいもあるのだろうが、実によく鳴るオーケストラ。ショパンでこれほどの伴奏は、あまり聴けないんじゃないか。
謂わば噎せ返るようなロマンの香り。ショパンの若きロマンとは少し違うような気もするが、こんなに立派な管弦楽をショパンの協奏曲から聴けるのは嬉しい。
このCDのメインはもちろん中村紘子であって、フィストラーリは雇われマダムのようなものだったんじゃじゃいかとボクは勘ぐっているのだが、いやいやどうして、これは素晴らしい伴奏。フィストラーリ、侮るべからず。
中村紘子も絶好調。彼女はまことショパン弾きなんだわい。
飛んで、跳ねて、輝いて、そして歌って。もう縦横無尽のピアノ。思う存分中村は弾いている。尤も、勝手気まま・奔放な演奏にならないのは中村の分別・品格だろうなぁ。
オケとの一体感も素晴らしい。
中村が、哀愁漂うショパンの美しい旋律を詠唱すると、フィストラーリが意識的にテンポを落として抒情的にオケを歌わせる。この呼吸の合い方(フィストラーリの合わせ方)が聴いていると実にイイ。
中村のピアノはスタインウェイ。迫力のある重厚な低音に、キラキラとしなやかな高音。とても綺麗な音色。
録音が素晴らしいこともあるんでしょうが、これは中村のベストフォームかもしれません。
どの楽章も素晴らしい出来ですが、あえて言えば第1楽章。
オケの雄弁さ、ピアノの美しさ、そして協奏曲としての一体感。
文句なしに素晴らしい演奏だと思いました。
・・・・と書きながら、ソニーのMUSIC SHOPを眺めていたら、中村紘子のこんな言葉が・・・・・・。
「演奏家は誰しも、その心の奥深くに”秘蔵の曲”をしまい込んでいるに違いない。その曲のことを想っただけで、ふと胸がいっぱいになるような、自分の過ぎ去った日々のなかで何ものにもかえ難い価値をもって光り輝いているような、本当に特別な1曲を。私の場合、その1曲こそ、このショパンのピアノ協奏曲第1番に他ならない。」(中村紘子)
ああ、ホンマ、中村紘子さんのピアノは美しいです。
おかげで朝晩がめっきり涼しくなりました。窓を閉めて寝ないと朝方は寒いくらい。
こういう季節、ピアノの響きが一層冴えるような気がします。
そこで今日はショパン。
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11。
中村紘子のピアノ独奏、アナトール・フィストラーリ指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1984年の録音、CBSソニー原盤。
第1楽章、フィストラーリ/LSOの序奏が素晴らしい。
濃厚で深い味わい、熟成された管弦楽の響き。録音が抜群なせいもあるのだろうが、実によく鳴るオーケストラ。ショパンでこれほどの伴奏は、あまり聴けないんじゃないか。
謂わば噎せ返るようなロマンの香り。ショパンの若きロマンとは少し違うような気もするが、こんなに立派な管弦楽をショパンの協奏曲から聴けるのは嬉しい。
このCDのメインはもちろん中村紘子であって、フィストラーリは雇われマダムのようなものだったんじゃじゃいかとボクは勘ぐっているのだが、いやいやどうして、これは素晴らしい伴奏。フィストラーリ、侮るべからず。
中村紘子も絶好調。彼女はまことショパン弾きなんだわい。
飛んで、跳ねて、輝いて、そして歌って。もう縦横無尽のピアノ。思う存分中村は弾いている。尤も、勝手気まま・奔放な演奏にならないのは中村の分別・品格だろうなぁ。
オケとの一体感も素晴らしい。
中村が、哀愁漂うショパンの美しい旋律を詠唱すると、フィストラーリが意識的にテンポを落として抒情的にオケを歌わせる。この呼吸の合い方(フィストラーリの合わせ方)が聴いていると実にイイ。
中村のピアノはスタインウェイ。迫力のある重厚な低音に、キラキラとしなやかな高音。とても綺麗な音色。
録音が素晴らしいこともあるんでしょうが、これは中村のベストフォームかもしれません。
どの楽章も素晴らしい出来ですが、あえて言えば第1楽章。
オケの雄弁さ、ピアノの美しさ、そして協奏曲としての一体感。
文句なしに素晴らしい演奏だと思いました。
・・・・と書きながら、ソニーのMUSIC SHOPを眺めていたら、中村紘子のこんな言葉が・・・・・・。
「演奏家は誰しも、その心の奥深くに”秘蔵の曲”をしまい込んでいるに違いない。その曲のことを想っただけで、ふと胸がいっぱいになるような、自分の過ぎ去った日々のなかで何ものにもかえ難い価値をもって光り輝いているような、本当に特別な1曲を。私の場合、その1曲こそ、このショパンのピアノ協奏曲第1番に他ならない。」(中村紘子)
ああ、ホンマ、中村紘子さんのピアノは美しいです。
2006/09/07のBlog
[ 05:43 ]
[ 交響曲 ]
当地では高校の運動会の季節です。
殆どの高校が9月上旬に実施します。センター入試(共通一次)が1月に行われる影響で、学校行事が前倒しになってしまったんですな。昔は10月の爽やかな季節の中で運動会をやってたもんです。
息子たちの運動会、一昨日からの雨で順延が続いてますが、さて、今日の天気も心配ですな。
さて、今日は久しぶりにベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調「合唱」を。
これも久しぶり、ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団・ウェストミンスター合唱団の演奏で。
(ただし、第4楽章は合唱の録音もあって、ニューヨーク・フィルを起用している)
CD初期の時代に購入したもの。
録音は上々。この録音に立ち会ったジョン・マックルーア自身がリミックスしたもので、LP時代とは全く別物の素晴らしい音になっている。
ステージの奥行き深く、高さもある。音の切れ込みも十分。ワルターらしい柔和な表情やストリングスの柔らかさはLPとは比較にならない。
ボクの持つCDは75DC604~606という初期の3枚組廉価盤(といっても1枚2500円もしたのだが!)、確かに音は良い。
第1楽章、ワルターにしては緊迫感に富んだ演奏。
というよりベートーヴェンの曲そのものが切羽詰まったものなのだろう。
格調高い出だしなのだが、惜しいのはコロンビア響のアンサンブルが弱体なこと。弦楽セクションなどは随分強い音を出して迫力あるのだが、合奏がゆるいのは惜しい。
第2楽章スケルツォは暖かい演奏。
ワルターらしく微笑んでいるような演奏で、諧謔曲という感じはしない。中間部での変奏のところなどは、その最たるもので、とても穏やかなスケルツォとなった。これが生ぬるいと感じる人も多いんだろうが、ワルターはこうでなくちゃ。
アンサンブルは弱いものの、ここの奏者は巧そうな感じ。特に、この楽章で目立つティンパニはなかなか達者。
第3楽章。ああ、ワルターのアダージョ。
誰が演奏したって静謐で美しい曲想ではあるのだが、やはり、この穏やかな演奏はワルターならでは。アンサンブルの緩さが、かえって、遙か遠い世界への想いを表出しているような、憧れのようなものを表しているような・・・・独特の味わいを醸し出している。
いつまでも終わって欲しくない演奏。
淡々としているようで、沢山のことを語りかけてくれるような演奏。
終楽章は堂々たる演奏。
テンポは遅く、風格豊かな演奏ぶり。
歌手はいずれも好演と思う。特にバリトンのウィリアム・ウィルダーマンは立派。4人の歌唱はよく揃って美しい声のアンサンブルを聴かせてくれる。
終曲の盛り上がりは当然だが、その中に、品の良さ・落ち着き・微笑を感じるのはワルターのイイところ。
ワルターのベートーヴェン、本領は偶数番号の交響曲にあると思いますが、久しぶりに取り出した「合唱つき」も悪くありません。
さすが老練の大家であります。
そういえば、LP時代は、ワルターかカラヤンかベームか・・・ここらあたりをレコード店では勧められたように思います。
昔の話ですが。
殆どの高校が9月上旬に実施します。センター入試(共通一次)が1月に行われる影響で、学校行事が前倒しになってしまったんですな。昔は10月の爽やかな季節の中で運動会をやってたもんです。
息子たちの運動会、一昨日からの雨で順延が続いてますが、さて、今日の天気も心配ですな。
さて、今日は久しぶりにベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調「合唱」を。
これも久しぶり、ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団・ウェストミンスター合唱団の演奏で。
(ただし、第4楽章は合唱の録音もあって、ニューヨーク・フィルを起用している)
CD初期の時代に購入したもの。
録音は上々。この録音に立ち会ったジョン・マックルーア自身がリミックスしたもので、LP時代とは全く別物の素晴らしい音になっている。
ステージの奥行き深く、高さもある。音の切れ込みも十分。ワルターらしい柔和な表情やストリングスの柔らかさはLPとは比較にならない。
ボクの持つCDは75DC604~606という初期の3枚組廉価盤(といっても1枚2500円もしたのだが!)、確かに音は良い。
第1楽章、ワルターにしては緊迫感に富んだ演奏。
というよりベートーヴェンの曲そのものが切羽詰まったものなのだろう。
格調高い出だしなのだが、惜しいのはコロンビア響のアンサンブルが弱体なこと。弦楽セクションなどは随分強い音を出して迫力あるのだが、合奏がゆるいのは惜しい。
第2楽章スケルツォは暖かい演奏。
ワルターらしく微笑んでいるような演奏で、諧謔曲という感じはしない。中間部での変奏のところなどは、その最たるもので、とても穏やかなスケルツォとなった。これが生ぬるいと感じる人も多いんだろうが、ワルターはこうでなくちゃ。
アンサンブルは弱いものの、ここの奏者は巧そうな感じ。特に、この楽章で目立つティンパニはなかなか達者。
第3楽章。ああ、ワルターのアダージョ。
誰が演奏したって静謐で美しい曲想ではあるのだが、やはり、この穏やかな演奏はワルターならでは。アンサンブルの緩さが、かえって、遙か遠い世界への想いを表出しているような、憧れのようなものを表しているような・・・・独特の味わいを醸し出している。
いつまでも終わって欲しくない演奏。
淡々としているようで、沢山のことを語りかけてくれるような演奏。
終楽章は堂々たる演奏。
テンポは遅く、風格豊かな演奏ぶり。
歌手はいずれも好演と思う。特にバリトンのウィリアム・ウィルダーマンは立派。4人の歌唱はよく揃って美しい声のアンサンブルを聴かせてくれる。
終曲の盛り上がりは当然だが、その中に、品の良さ・落ち着き・微笑を感じるのはワルターのイイところ。
ワルターのベートーヴェン、本領は偶数番号の交響曲にあると思いますが、久しぶりに取り出した「合唱つき」も悪くありません。
さすが老練の大家であります。
そういえば、LP時代は、ワルターかカラヤンかベームか・・・ここらあたりをレコード店では勧められたように思います。
昔の話ですが。
2006/09/06のBlog
[ 02:13 ]
[ 室内楽曲 ]
最近はまたLPづいてます。
CD時代になって、A面、B面とひっくり返すのが面倒になってしまったワタクシは不精者でありますが、時折取り出すLPは、柔らかく太く、懐かしい音がします。
針の音、パチパチ・ノイズは昔ながらであって、サーフィス・ノイズも相変わらず。
カッティングのせいか、カートリッジのせいか、中央の定位が良くないLPもありますが、それも今となってはご愛敬ですかな・・・・・・。尤も、我が家にあるLPは殆どが廉価盤なので、そのせいかもしれませんが(^^ゞ。
で、今日は自分には珍しく室内楽を。
シューベルトのピアノ五重奏曲イ長調 D.667「ます」
ピアノ演奏はアルフレート・ブレンデル、クリーヴランド弦楽四重奏団団員の演奏。
1977年録音のフィリップス盤。
作曲家22歳の時の作品。
全編、愉悦に満ちて、明るく朗らかで美しい旋律が続く。
シューベルト特有の「暗鬱」なところを取り去って、微笑だけで作曲されたような名品。
これはブレンデルのピアノが楽しめる演奏。
知的で端正、スタイリッシュで練りに練ったピアノ演奏。熟成した芳醇な香りが漂うような、美しいシューベルト。しかもその上に即興的な軽さも加わるのが素晴らしい。
録音夥しいブレンデルだが、シューベルトを弾くときが最高なんじゃないかとボクは思う。就中この「ます」などはスゴイ名演と思う。
クリーヴランドSQが若々しく、しなやかな演奏でブレンデルと音楽する喜びを分かち合う。この演奏、録音も良いので、弦楽器の艶やかな音色を楽しめる。
アナログ時代の最優秀録音の一つと思う。今は、廉価盤化されて、1000円で買えてしまう良き時代。
どの楽章もシューベルトの音楽を楽しむ、共感に満ちた演奏で、ふるいつきたくなるような魅力に溢れている。
あえて言えば、第4楽章の「ます」の部分がやはり最も楽しめる。
ピアノと弦楽が有機体のようにピッタリと合った、素晴らしいアンサンブル。
時折こぼれてくるソロの美しさ。宝石の輝きのような美しさ。
1978年度のレコード・アカデミー大賞を受賞した名盤であります。
(と云っても、当時、まさかこれが「大賞」とはナンボナンデモおかしいんじゃないかという意見が、選んだ当事者の中にもあったような気はしますが・・・・)
録音から30年、今も立派に現役盤として残っています。
ブレンデルはクリーヴランドSQと再録音しているはずですが(未聴です)、この楽しさ、この喜びは十分に価値ある演奏と思います。
CD時代になって、A面、B面とひっくり返すのが面倒になってしまったワタクシは不精者でありますが、時折取り出すLPは、柔らかく太く、懐かしい音がします。
針の音、パチパチ・ノイズは昔ながらであって、サーフィス・ノイズも相変わらず。
カッティングのせいか、カートリッジのせいか、中央の定位が良くないLPもありますが、それも今となってはご愛敬ですかな・・・・・・。尤も、我が家にあるLPは殆どが廉価盤なので、そのせいかもしれませんが(^^ゞ。
で、今日は自分には珍しく室内楽を。
シューベルトのピアノ五重奏曲イ長調 D.667「ます」
ピアノ演奏はアルフレート・ブレンデル、クリーヴランド弦楽四重奏団団員の演奏。
1977年録音のフィリップス盤。
作曲家22歳の時の作品。
全編、愉悦に満ちて、明るく朗らかで美しい旋律が続く。
シューベルト特有の「暗鬱」なところを取り去って、微笑だけで作曲されたような名品。
これはブレンデルのピアノが楽しめる演奏。
知的で端正、スタイリッシュで練りに練ったピアノ演奏。熟成した芳醇な香りが漂うような、美しいシューベルト。しかもその上に即興的な軽さも加わるのが素晴らしい。
録音夥しいブレンデルだが、シューベルトを弾くときが最高なんじゃないかとボクは思う。就中この「ます」などはスゴイ名演と思う。
クリーヴランドSQが若々しく、しなやかな演奏でブレンデルと音楽する喜びを分かち合う。この演奏、録音も良いので、弦楽器の艶やかな音色を楽しめる。
アナログ時代の最優秀録音の一つと思う。今は、廉価盤化されて、1000円で買えてしまう良き時代。
どの楽章もシューベルトの音楽を楽しむ、共感に満ちた演奏で、ふるいつきたくなるような魅力に溢れている。
あえて言えば、第4楽章の「ます」の部分がやはり最も楽しめる。
ピアノと弦楽が有機体のようにピッタリと合った、素晴らしいアンサンブル。
時折こぼれてくるソロの美しさ。宝石の輝きのような美しさ。
1978年度のレコード・アカデミー大賞を受賞した名盤であります。
(と云っても、当時、まさかこれが「大賞」とはナンボナンデモおかしいんじゃないかという意見が、選んだ当事者の中にもあったような気はしますが・・・・)
録音から30年、今も立派に現役盤として残っています。
ブレンデルはクリーヴランドSQと再録音しているはずですが(未聴です)、この楽しさ、この喜びは十分に価値ある演奏と思います。
2006/09/05のBlog
[ 05:57 ]
[ 交響曲 ]
9月の声を聞いた途端、夜が早くなってきました。
この間まで夜8時頃まで明るかったのに、今は6時半には夜になってきてます。
秋です。
今日はベルリオーズの幻想交響曲 作品14。
コリン・デイヴィス指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
1974年1月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス原盤。
デイヴィスにはウィーン・フィルとの演奏もあって、こちらACOとの共演盤は旧録音になる。この録音前にもロンドン響とだったか、デイヴィスは「幻想」を録音しているから、よほど好きなのだろう。
「ベルリオーズのスペシャリスト」とは、専属レーベルのフィリップスがよく云っていたものだ。
さて、その演奏であります。
第1楽章、序奏部の弦楽合奏のピアニシモが美しい。かすかな響き、その余韻が全く美しい。ホールが素晴らしいのだろうが、これほど綺麗なピアニシモは、そうざらにはないだろう。
デイヴィスの指揮は深い楽譜の読みに裏付けされた自信に満ちて、コンセルトヘボウ管を引っ張ってゆく。特に弱音部での緊張感が素晴らしい。大音量のところよりも遙かに迫力がある。
第2楽章はコルネットつき。オブリガード・ソロは効果抜群。尤も前面に出て目立つわけではない。あくまで品はよい。実にイイ音を出している。
この楽章全体に落ち着きがあり、優美なワルツになっている。
第3楽章は穏やかな表情の野の風景。眠りを誘われるような風情がたまらない。コーラングレのソロはどこまでも美しく、時に天国的に響く。
第4楽章から音量がどんどん上がって迫力満点。楽器が実に気持ちよく鳴っている。しかもバランスが崩れない。
金管の輝かしさ、ファゴットの不気味さ、低弦セクションの迫力、どれを取ってもベスト・パフォーマンス。コンセルトヘボウ管の機能全開。なおかつ、上品さが失われないのは響きの落ち着き、ホールの余韻の賜物か。さすが、アムステルダム・コンセルトヘボウ。妖しく恐ろしくドロドロしたこの楽章の、しかし、則を越えない見事さ。
終楽章はコンセルトヘボウ管の金管の威力を楽しめる。アンサンブルも素晴らしい。鐘の音も不気味さがよく出ているし、終曲の迫力は圧巻。
何しろ、すべての楽器が巧く、そしてよく融け合う。抜群の音響効果もイイ。
録音極上です。
すでに30年以上経過したのに、この鮮度、この音響。
さすがフィリップスと賞賛しておきましょう。
この間まで夜8時頃まで明るかったのに、今は6時半には夜になってきてます。
秋です。
今日はベルリオーズの幻想交響曲 作品14。
コリン・デイヴィス指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
1974年1月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス原盤。
デイヴィスにはウィーン・フィルとの演奏もあって、こちらACOとの共演盤は旧録音になる。この録音前にもロンドン響とだったか、デイヴィスは「幻想」を録音しているから、よほど好きなのだろう。
「ベルリオーズのスペシャリスト」とは、専属レーベルのフィリップスがよく云っていたものだ。
さて、その演奏であります。
第1楽章、序奏部の弦楽合奏のピアニシモが美しい。かすかな響き、その余韻が全く美しい。ホールが素晴らしいのだろうが、これほど綺麗なピアニシモは、そうざらにはないだろう。
デイヴィスの指揮は深い楽譜の読みに裏付けされた自信に満ちて、コンセルトヘボウ管を引っ張ってゆく。特に弱音部での緊張感が素晴らしい。大音量のところよりも遙かに迫力がある。
第2楽章はコルネットつき。オブリガード・ソロは効果抜群。尤も前面に出て目立つわけではない。あくまで品はよい。実にイイ音を出している。
この楽章全体に落ち着きがあり、優美なワルツになっている。
第3楽章は穏やかな表情の野の風景。眠りを誘われるような風情がたまらない。コーラングレのソロはどこまでも美しく、時に天国的に響く。
第4楽章から音量がどんどん上がって迫力満点。楽器が実に気持ちよく鳴っている。しかもバランスが崩れない。
金管の輝かしさ、ファゴットの不気味さ、低弦セクションの迫力、どれを取ってもベスト・パフォーマンス。コンセルトヘボウ管の機能全開。なおかつ、上品さが失われないのは響きの落ち着き、ホールの余韻の賜物か。さすが、アムステルダム・コンセルトヘボウ。妖しく恐ろしくドロドロしたこの楽章の、しかし、則を越えない見事さ。
終楽章はコンセルトヘボウ管の金管の威力を楽しめる。アンサンブルも素晴らしい。鐘の音も不気味さがよく出ているし、終曲の迫力は圧巻。
何しろ、すべての楽器が巧く、そしてよく融け合う。抜群の音響効果もイイ。
録音極上です。
すでに30年以上経過したのに、この鮮度、この音響。
さすがフィリップスと賞賛しておきましょう。
2006/09/04のBlog
[ 02:29 ]
[ 交響曲 ]
爽やかな秋の陽気になりつつあります。
日中でも涼しい風が田舎に吹き始めました。
クラシック音楽の季節です。
今日はシューマンの交響曲第3番変ホ長調「ライン」。
ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団の演奏。
1978年、ミュンヘンのヘルクレスザールでの録音。
LPであります。
シューマンの「ライン」は秋の交響曲。
ライン川の流れを下りながら、秋の収穫とその喜び、豊作の祭りなどを思わせるような曲想が続く名曲。ドイツ国民の賛歌のような感じさえするので、ボクは大好き。
中でもこのクーベリック盤は鮮烈。
第1楽章の冒頭部分が鳴り響いた瞬間、ああ、クーベリック!
鮮やかなのにハデハデにならない響き。すべての楽器を鳴らそうとする誠実な指揮ぶり。フガート(と云うんでしょうか・・)の部分など、とても綺麗。ハッとする美しさ。
時折粘るようなところもあるのは面白い。
ヴァイオリンの両翼配置も効果的。楽器がよく融け合って、バイエルン放送響の音がとてもまろやかになっている。
第2楽章はラインの水面。光を反射させながら、キラキラと輝く川面。船が行き来するたびに波が生まれて、岸辺に寄せてくる。
そんな揺らぎが楽しい演奏。
第3楽章の静謐。落ち着いたたたずまいはクーベリックならでは。背筋がピンと伸びた、品格漂う演奏。音楽の表面は柔らかく優しいのだが、中身は芯が通って強靱。重厚感もある。
オケは大変に巧い。アンサンブルも鉄壁。ドイツ最高のオケではないかと・・・・思ってしまう(BPOがあるのを知っていても。・・・・)。
ヴァイオリンの掛け合いが、ここでも楽しい。
終楽章は緊迫感あり。
ストリングスがピンと張った糸のよう。しなやかだが、強い糸という感じ。遠くで響くホルンの音がイイ。
クーベリックがバイエルン放送響を振って、名演盤を連発していた時代の録音。
CBSソニーでは、モーツァルトの後期交響曲やブルックナーの3番・4番とともに、このシューマンの交響曲全集が忘れがたい録音です。オルフェオにはブラームスの交響曲全集や「我が祖国」がありました。
クーベリック晩年の充実期だったんでしょう。
日中でも涼しい風が田舎に吹き始めました。
クラシック音楽の季節です。
今日はシューマンの交響曲第3番変ホ長調「ライン」。
ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団の演奏。
1978年、ミュンヘンのヘルクレスザールでの録音。
LPであります。
シューマンの「ライン」は秋の交響曲。
ライン川の流れを下りながら、秋の収穫とその喜び、豊作の祭りなどを思わせるような曲想が続く名曲。ドイツ国民の賛歌のような感じさえするので、ボクは大好き。
中でもこのクーベリック盤は鮮烈。
第1楽章の冒頭部分が鳴り響いた瞬間、ああ、クーベリック!
鮮やかなのにハデハデにならない響き。すべての楽器を鳴らそうとする誠実な指揮ぶり。フガート(と云うんでしょうか・・)の部分など、とても綺麗。ハッとする美しさ。
時折粘るようなところもあるのは面白い。
ヴァイオリンの両翼配置も効果的。楽器がよく融け合って、バイエルン放送響の音がとてもまろやかになっている。
第2楽章はラインの水面。光を反射させながら、キラキラと輝く川面。船が行き来するたびに波が生まれて、岸辺に寄せてくる。
そんな揺らぎが楽しい演奏。
第3楽章の静謐。落ち着いたたたずまいはクーベリックならでは。背筋がピンと伸びた、品格漂う演奏。音楽の表面は柔らかく優しいのだが、中身は芯が通って強靱。重厚感もある。
オケは大変に巧い。アンサンブルも鉄壁。ドイツ最高のオケではないかと・・・・思ってしまう(BPOがあるのを知っていても。・・・・)。
ヴァイオリンの掛け合いが、ここでも楽しい。
終楽章は緊迫感あり。
ストリングスがピンと張った糸のよう。しなやかだが、強い糸という感じ。遠くで響くホルンの音がイイ。
クーベリックがバイエルン放送響を振って、名演盤を連発していた時代の録音。
CBSソニーでは、モーツァルトの後期交響曲やブルックナーの3番・4番とともに、このシューマンの交響曲全集が忘れがたい録音です。オルフェオにはブラームスの交響曲全集や「我が祖国」がありました。
クーベリック晩年の充実期だったんでしょう。
2006/09/03のBlog
[ 03:53 ]
[ 協奏曲 ]
朝晩は、急に秋めいてきました。
涼しくなると、秋になると聴きたくなるのがブラームス。
秋も半ばから晩秋がブラームスにふさわしいんですが、今日は先取りしましょう。
で、ブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品77。
ヘンリク・シェリングのヴァイオリン独奏、/ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
1973年、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤のLP。
「よき曲、よき演奏、よき録音」・・・・これは野村あらえびすが云った名盤の条件だったと思うが、ボクにとって、このレコードはまさに名曲の名演奏、名録音。
初めて買ったブラームスのヴァイオリン協奏曲のLPレコード。ベートーヴェンとの2枚組で3000円、フィリップスの廉価盤シリーズを数寄屋橋の「ハンター」で中古盤1400円(だったと思う)で買ったのだった。
以来、ブラームスのヴァイオリン協奏曲というと、この演奏が基準になってしまうほど、これは刷り込みになった・・・。
(学生当時は本当に貧乏で、廻り友人たちも貧乏で、また通う大学も貧乏人が集まる大学であったので気楽なものだったのだが、レコードを買うために早く就職したいと思ったものだった(^^ゞ・・・・。)
シェリングのヴァイオリンがとにかく絶品。
ノーブルで、端正で、背筋がピンと伸びていて、清新まで研ぎ澄まされている清冽な音。瑞々しく濡れたような音。美音であるだけでなく、演奏態度も真摯で誠実、潔癖な弾き方で、じっくりと丹念に音楽を積み重ねてゆく・・・・。
オーケストラがまた最高。
アムステルダム・コンセルトヘボウの充実した響き。ブラームスにふさわしい中身が詰まった響き。そして深々としたホールトーン。やや暗いしっとりと柔らかい音。
そして指揮のハイティンクもシェリング同様に誠実で清潔。ひたすら作曲者に奉仕しようとする指揮ぶりで、見事な伴奏だと思う。
ハイティンクはこの録音の頃から協奏曲も巧くなったような気がする。
全編が聴きどころ。
第1楽章の充実。はち切れんばかりに中身が詰まった演奏。
第2楽章の息づかい。木管のゆったりと味わい深い歌。情感漂うヴァイオリン。
終楽章の熱狂。尤も、シェリングが弾くと単なる馬鹿騒ぎにならず、終始品が良いのだが。
アナログ録音で、とても聴きやすい音であります。
いつまでも残したい演奏。多分今も現役盤でしょう。
涼しくなると、秋になると聴きたくなるのがブラームス。
秋も半ばから晩秋がブラームスにふさわしいんですが、今日は先取りしましょう。
で、ブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品77。
ヘンリク・シェリングのヴァイオリン独奏、/ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
1973年、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤のLP。
「よき曲、よき演奏、よき録音」・・・・これは野村あらえびすが云った名盤の条件だったと思うが、ボクにとって、このレコードはまさに名曲の名演奏、名録音。
初めて買ったブラームスのヴァイオリン協奏曲のLPレコード。ベートーヴェンとの2枚組で3000円、フィリップスの廉価盤シリーズを数寄屋橋の「ハンター」で中古盤1400円(だったと思う)で買ったのだった。
以来、ブラームスのヴァイオリン協奏曲というと、この演奏が基準になってしまうほど、これは刷り込みになった・・・。
(学生当時は本当に貧乏で、廻り友人たちも貧乏で、また通う大学も貧乏人が集まる大学であったので気楽なものだったのだが、レコードを買うために早く就職したいと思ったものだった(^^ゞ・・・・。)
シェリングのヴァイオリンがとにかく絶品。
ノーブルで、端正で、背筋がピンと伸びていて、清新まで研ぎ澄まされている清冽な音。瑞々しく濡れたような音。美音であるだけでなく、演奏態度も真摯で誠実、潔癖な弾き方で、じっくりと丹念に音楽を積み重ねてゆく・・・・。
オーケストラがまた最高。
アムステルダム・コンセルトヘボウの充実した響き。ブラームスにふさわしい中身が詰まった響き。そして深々としたホールトーン。やや暗いしっとりと柔らかい音。
そして指揮のハイティンクもシェリング同様に誠実で清潔。ひたすら作曲者に奉仕しようとする指揮ぶりで、見事な伴奏だと思う。
ハイティンクはこの録音の頃から協奏曲も巧くなったような気がする。
全編が聴きどころ。
第1楽章の充実。はち切れんばかりに中身が詰まった演奏。
第2楽章の息づかい。木管のゆったりと味わい深い歌。情感漂うヴァイオリン。
終楽章の熱狂。尤も、シェリングが弾くと単なる馬鹿騒ぎにならず、終始品が良いのだが。
アナログ録音で、とても聴きやすい音であります。
いつまでも残したい演奏。多分今も現役盤でしょう。
2006/09/02のBlog
[ 03:55 ]
[ 交響曲 ]
涼しい一日でした。
9月に入って、秋を思わせる涼風。窓を開けて寝ていると寒いくらい。
予報によれば残暑はまだ続くらしいんですが、徐々に秋めいてゆくんでしょう。
クラシック音楽にはエエ季節です。
さて、今日は名曲中の名曲を。
交響曲第9番ホ短調 作品95「新世界より」。
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏。
1962年4月16日、ニューヨークでの録音。ソニーの2枚組廉価盤LP。(カップリングはチャイコフスキーの「悲愴」だった)。
抜群に面白い第1楽章。
一気呵成、勇猛果敢。静かな序奏部を過ぎると、猛烈なダッシュが始まる。
速い、速い。凄まじいテンポ。
ジェットコースターに乗っているような感じ。猛スピードで、周囲の風景がどんどん飛んでゆくような錯覚。
オーケストラの荒さなど何のその。指揮で大切なのは情熱だ、といわんばかりの演奏。
バーンスタインの飛び散る汗が見える。曲の細部へのこだわりとか仕上げの美しさとか、お構いなし。ゴールに向けて一気に駆け抜けようとする(ボールを持って突進するアメリカン・フットボールのような)演奏。
このスピード感は聴き手の感覚を刺激して、やがて麻痺させる。いやはやスゴイ。疾走するドライブ感は圧倒的。
だから、第2楽章の望郷の歌が際だつ。
遅いテンポ。時に止まりそうなほど。バーンスタインは切々とノスタルジーを歌い上げてゆく。後年のDGへの再録音盤(イスラエル・フィル)ほどの異常な遅さではないが、夥しい「新世界」録音の中では、かなり遅い部類になるんじゃなかろうか。
第3楽章では、第1楽章の生気が戻ってくる。速いテンポでグイグイ進んでゆく。よく聴いているとアンサンブルなど「あれれ?」という部分もあるのだが、演奏の勢いがそれを忘れさせる。即興的な面白さは十分。ティンパニの迫力もイイ。
終楽章は一転、貫禄のフィナーレ。
テンポは普通に戻る(それでも少し速いか?)。ここまで奔放にやってきたバーンスタインが、この曲の結論を出すかのように居住まいを正して格調高く演奏させてゆく。前の3楽章とは違って、ややよそ行きのような感じ。この対比も面白い。
ラストは壮大な盛り上がり。精気溌剌、ヤンキーの終曲。
久しぶりに、懐かしいLPを聴きました。
ボクが購入した2枚目の「新世界」であります。それまではカラヤン/BPOのDG盤(1964年録音の旧盤)ばかり聴いてました。
このバーンスタインの「新世界」を聴いて、指揮者によってこれほど演奏は違ってくるものかと感動したことを思い出します。
同曲異演盤の面白さを知ったわけです。クラシック音楽は「聴き比べ」が楽しい。音楽そのものも楽しいが、違った演奏で聴くとまた楽しい・・・・。その楽しみを知らしめてくれた記念すべき一枚であります。
ライナーノートによれば、1日だけのテイクのようです。「新世界」を一日で収録してしまう・・・・ライヴ的な即興性に富んだ演奏でありました。
面白い演奏ではあります。お薦め盤です。
9月に入って、秋を思わせる涼風。窓を開けて寝ていると寒いくらい。
予報によれば残暑はまだ続くらしいんですが、徐々に秋めいてゆくんでしょう。
クラシック音楽にはエエ季節です。
さて、今日は名曲中の名曲を。
交響曲第9番ホ短調 作品95「新世界より」。
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏。
1962年4月16日、ニューヨークでの録音。ソニーの2枚組廉価盤LP。(カップリングはチャイコフスキーの「悲愴」だった)。
抜群に面白い第1楽章。
一気呵成、勇猛果敢。静かな序奏部を過ぎると、猛烈なダッシュが始まる。
速い、速い。凄まじいテンポ。
ジェットコースターに乗っているような感じ。猛スピードで、周囲の風景がどんどん飛んでゆくような錯覚。
オーケストラの荒さなど何のその。指揮で大切なのは情熱だ、といわんばかりの演奏。
バーンスタインの飛び散る汗が見える。曲の細部へのこだわりとか仕上げの美しさとか、お構いなし。ゴールに向けて一気に駆け抜けようとする(ボールを持って突進するアメリカン・フットボールのような)演奏。
このスピード感は聴き手の感覚を刺激して、やがて麻痺させる。いやはやスゴイ。疾走するドライブ感は圧倒的。
だから、第2楽章の望郷の歌が際だつ。
遅いテンポ。時に止まりそうなほど。バーンスタインは切々とノスタルジーを歌い上げてゆく。後年のDGへの再録音盤(イスラエル・フィル)ほどの異常な遅さではないが、夥しい「新世界」録音の中では、かなり遅い部類になるんじゃなかろうか。
第3楽章では、第1楽章の生気が戻ってくる。速いテンポでグイグイ進んでゆく。よく聴いているとアンサンブルなど「あれれ?」という部分もあるのだが、演奏の勢いがそれを忘れさせる。即興的な面白さは十分。ティンパニの迫力もイイ。
終楽章は一転、貫禄のフィナーレ。
テンポは普通に戻る(それでも少し速いか?)。ここまで奔放にやってきたバーンスタインが、この曲の結論を出すかのように居住まいを正して格調高く演奏させてゆく。前の3楽章とは違って、ややよそ行きのような感じ。この対比も面白い。
ラストは壮大な盛り上がり。精気溌剌、ヤンキーの終曲。
久しぶりに、懐かしいLPを聴きました。
ボクが購入した2枚目の「新世界」であります。それまではカラヤン/BPOのDG盤(1964年録音の旧盤)ばかり聴いてました。
このバーンスタインの「新世界」を聴いて、指揮者によってこれほど演奏は違ってくるものかと感動したことを思い出します。
同曲異演盤の面白さを知ったわけです。クラシック音楽は「聴き比べ」が楽しい。音楽そのものも楽しいが、違った演奏で聴くとまた楽しい・・・・。その楽しみを知らしめてくれた記念すべき一枚であります。
ライナーノートによれば、1日だけのテイクのようです。「新世界」を一日で収録してしまう・・・・ライヴ的な即興性に富んだ演奏でありました。
面白い演奏ではあります。お薦め盤です。
2006/09/01のBlog
[ 05:08 ]
[ 交響曲 ]
9月になりました。
夜来の雨で気温がだいぶ下がってきました。窓を開けて寝ていると寒いくらい。
長期予報によると、今年の残暑は長く、秋も「暖秋」らしいんですが、今日の気温くらいが過ごしやすく、クラシック音楽鑑賞にもエエですね。
さて、今日はチャイコフスキーの交響曲第5番ホ短調 Op.64。
リッカルド・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏。
1978年7月、キングズウェイホールでの録音。EMIの原盤だが、Brilliant Classicsがライセンス契約、激安販売している全集から。
1970年代、フィラデルフィア管の音楽監督就任以前、フィルハーモニア管を振っていたムーティの、いわば若武者時代の貴重な録音。
ムーティらしく輝かしいカンタービレ、沸き立つようなリズム、イタリア歌劇のような劇性に富んだチャイコフスキー。
ムーティが振ると、好むと好まざるとに関わらず、音楽はカンタービレになる。特に若い頃のムーティはそれが顕著で、だからこそ魅力があった。
(最近のムーティは、何か老成してしまって面白くないぞ・・・という気もする)
第1楽章から実によく歌う演奏。
テンポは速めで颯爽とした感じ、一気呵成に仕上げてしまう大胆さもある。遅いところでのじっくりとした歌は非常に美しい。
第2楽章はたっぷりとした歌。
冒頭のホルンのソロは、テンポが遅いこともあってとても綺麗。これに重なってくる木管群も見事な演奏。弦楽セクションでは、チェロのカンタービレが美しい。ムーティらしい楽章と云えるかもしれない。
第3楽章のワルツも美しいが、もう一工夫あってもイイかなという気もする。
終楽章は輝くばかりの演奏。金管はバリバリ鳴るし、オケ全体にも活気がある。鮮やかで爽快な演奏が続く。このあたりはいかにもムーティ。
終曲の盛り上がりの鮮やかさはムーティならば当然だが、そこに至る過程で、オーケストラがどんどん熱気を帯びてゆくさまは、聴いていて快感でもある。
ムーティ、若き日の快演です。
1970年代のフィラデルフィア以前の活気ある演奏。
若者の熱気は、いつ聴いてもエエもんです。
このDoblog、妙なトラックバックはなくなったんですが(主としてアダルト系ですな)、最近はコメント欄にアダルト系書き込みが増えています。
だいたい日に3件。困ったもんです。
そういうのは公然と書き込むのではなく、コソコソっと個人的に教えてもらいたいもんですな・・・・・・ガハハ。
夜来の雨で気温がだいぶ下がってきました。窓を開けて寝ていると寒いくらい。
長期予報によると、今年の残暑は長く、秋も「暖秋」らしいんですが、今日の気温くらいが過ごしやすく、クラシック音楽鑑賞にもエエですね。
さて、今日はチャイコフスキーの交響曲第5番ホ短調 Op.64。
リッカルド・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏。
1978年7月、キングズウェイホールでの録音。EMIの原盤だが、Brilliant Classicsがライセンス契約、激安販売している全集から。
1970年代、フィラデルフィア管の音楽監督就任以前、フィルハーモニア管を振っていたムーティの、いわば若武者時代の貴重な録音。
ムーティらしく輝かしいカンタービレ、沸き立つようなリズム、イタリア歌劇のような劇性に富んだチャイコフスキー。
ムーティが振ると、好むと好まざるとに関わらず、音楽はカンタービレになる。特に若い頃のムーティはそれが顕著で、だからこそ魅力があった。
(最近のムーティは、何か老成してしまって面白くないぞ・・・という気もする)
第1楽章から実によく歌う演奏。
テンポは速めで颯爽とした感じ、一気呵成に仕上げてしまう大胆さもある。遅いところでのじっくりとした歌は非常に美しい。
第2楽章はたっぷりとした歌。
冒頭のホルンのソロは、テンポが遅いこともあってとても綺麗。これに重なってくる木管群も見事な演奏。弦楽セクションでは、チェロのカンタービレが美しい。ムーティらしい楽章と云えるかもしれない。
第3楽章のワルツも美しいが、もう一工夫あってもイイかなという気もする。
終楽章は輝くばかりの演奏。金管はバリバリ鳴るし、オケ全体にも活気がある。鮮やかで爽快な演奏が続く。このあたりはいかにもムーティ。
終曲の盛り上がりの鮮やかさはムーティならば当然だが、そこに至る過程で、オーケストラがどんどん熱気を帯びてゆくさまは、聴いていて快感でもある。
ムーティ、若き日の快演です。
1970年代のフィラデルフィア以前の活気ある演奏。
若者の熱気は、いつ聴いてもエエもんです。
このDoblog、妙なトラックバックはなくなったんですが(主としてアダルト系ですな)、最近はコメント欄にアダルト系書き込みが増えています。
だいたい日に3件。困ったもんです。
そういうのは公然と書き込むのではなく、コソコソっと個人的に教えてもらいたいもんですな・・・・・・ガハハ。