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クラシック音楽のひとりごと
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2006/11/02のBlog
このブログは、ご覧の通り「クラシック音楽のひとりごと」といいます。CDやレコードで聴くクラシック音楽のブログです。

謂わば、クラシック音楽の絵日記です。

昔々、小学生の頃、夏休みの宿題がありました。「夏休みの友」という課題帳、それから絵日記を書きました。思い出します。
だいたい初めの3日間でイヤになって、8月30日くらいになって慌てて続きを書こうとするんです。あさってには出さなくちゃイカン・・・・バタバタ。
ブログも所詮は絵日記なんですが、提出期限がないというのがエエですね。毎日毎日、のんびり聴いてゆく、そのまんまをメモしてゆくようなもんです。

そんな風に、気楽に書いているわけですが、こうしてコメントまでいただける。トラックバックも頂戴できる。望外の喜びです。有り難い話です。
だからでしょうね、絵日記がイヤにもならず、結構続くものです。
本当に有り難うございます。お世話になります。


さて、今日はモーツァルトのオペラです。
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」。
ヨーゼフ・クリップス指揮ウィーン・フィル、国立歌劇場合唱団の演奏。

Documents というレーベルの10枚組激安BOXセットから。なんと破格の1800円。
他にはベーム/VPOの「コシ・ファン・トゥッテ」にE・クライバーの「フィガロの結婚」、そしてフリッチャイの「魔笛」(これだけモノラル)という、1950年代を代表する名演奏が揃って、この価格・・・・。いやはや、なんとも、凄まじい時代になったものだと思う。
ボクは父クライバーの「フィガロの結婚」はすでに持っていたが、これだけ爆安ならダブり買いも何のその、確信してこのセットを買いましたな。

録音状態もまずます、マスタリングが粗悪なこともないようで、普通にちゃんと聴ける。・・・どころか、1950年代の、往年のDECCAによる名録音のまま。
非常に鮮明で、生き生きとして明瞭明快、弾むようなウィーン・フィルの音をしっかり捉えている。

輝かしく、また匂うようなウィーンの雰囲気が溢れていて、世評の云う「あの頃のVPOは良かった」というのもむべなるかなと思う。

タイトル・ロールのチェーザレ・シエピは、はまり役。なかなか、これ以上のドン・ジョヴァンニにはお目にかかれない。イキでイナセで、スケベで女たらし。こういうイヤラシサを持ったドン・ジョヴァンニ、最近聴いていなかったなぁ。

ドンナ・エルヴィーラは、デラ・カーザ。ドン・オッターヴィオにはデルモータ。この二人も見事な歌唱。文句なしに巧い。しかも雰囲気タップリ。
レポレッロのコレナの歌唱も楽しい。
ギューデン演じるところのツェルリーナ、これはちょっと可愛すぎかな。

ま、しかし、往年の名盤がこうして安価に聴けるのは有り難いことであります。
感謝。感謝。
2006/11/01のBlog
晩秋の見事な月夜。
李白じゃないが、漢詩のような夜空であります。
石鎚山月半輪秋とでも書きたいくらい・・・・・
この風、この月、この清涼感。四国は晩秋を迎えました。

さて、連日ワーグナーを聴いていたら、無性にウィンナ・ワルツを聴きたくなりました。

で、今日はJ.シュトラウスⅡのウィンナ・ワルツです。
演奏はフランツ・ウェルザー=メスト指揮ロンドン・フィル。

ウィーンの演奏ではないけれど、(ないからこそか?)面白い。
若くて、張りがあってピチピチしている。
オケはロンドン・フィル、さほど巧いオケではないはずなのだが、いや全く爽快、軽快、サッパリとして心地よいウィンナ・ワルツが聴ける。

ウェルザー=メストはウィーン生まれの指揮者。
1990年、今は亡きテンシュテットの後任としてロンドン・フィルの音楽監督に就任、このCDはその直後の録音かな?ワタクシと同世代の指揮者なので、頑張って欲しいもの。
当時ウェルザー=メストは30歳、若い若い。
音楽が跳ねるようにピチピチしているわけだ。

「こうもり」序曲など、颯爽とした快速テンポだし、劇的な表現もなかなかダイナミックで良い。

「美しく青きドナウ」も良い出来。スパッと活気ある音楽になっている。
楽譜のせいなのか、ウェルザー=メストの指示なのか、ふだん聴いたことのない音が飛び出てきたり、或いは後方でモゾモゾ鳴っているのが面白い。
もちろん、ウィーン的な情緒などは、ちょっとしたルバートからも香ってくるのだが、何より若さが良い。ああ、ホンマに若いってエエなぁ。

「南国のバラ」は、冒頭、覇気に満ちたフォルティシモが良い。そのあとで、優雅なワルツが始まるのだが、ここでも蒼い色気あり。細身の美女が、爽やかな風に髪を揺らしながら目の前を通り過ぎてゆく・・・・ような感じ。

「皇帝円舞曲」は、つややかなストリングスが心地よい。美しい。
あれ?「つややかな」と云えば、ウィーン・フィルの形容句ではないか・・・・でも、これロンドン・フィルだよね。ホンマに綺麗。

録音はEMIなので、標準レベル。
悪くはありません。
しかも、廉価盤。
若いウィンナ・ワルツ、蒼い色気のウィーン情緒・・・・という感じのイイCDでした。
2006/10/31のBlog
今日はワーグナーの舞台祭典神聖劇「パルジファル」の音楽から。

クリスティアン・ティーレマン指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏。
1997年4月、ニュージャージーでの録音。DG原盤のティーレマンによるワーグナー管弦楽曲集から。

「第1幕への前奏曲」は荘厳な金管が良い。この甘く深く鮮やかな響き。素晴らしい。
キリスト教や聖杯伝説等には無縁のワタクシだが、「パルジファル」を聴いていると敬虔な気持ちになるから、音楽の力は不思議なものだ。偉大と云うべきか。ワーグナーの音楽はホンマにスゴイと思う。
媚薬・麻薬的な音楽を作るかと思えば、これほどの宗教的・形而上学的で厳粛な音楽をものにしてしまう・・・・・・ワーグナーの人間性はどうであれ、芸術は魔力かと思う。

ティーレマンはベートーヴェンの5番・7番交響曲でデビューした時には、ビックリした。確信犯的な古色蒼然たる響きをフィルハーモニア管から引き出して、ドイツ伝統の重厚さを表出していた。
このワーグナーもテンポが遅く、深い息づかいでゆったりと演奏してゆく。
ある意味、ドイツ的なアプローチなのだが、何せオケがフィラデルフィア管、明朗で素直な響きがスピーカーからどんどん流れ出てくる。いたって前向きな音楽。
そして、ワーグナーの素晴らしいオーケストレーションを鑑賞できる演奏でもある。

もう1曲収録されている「聖金曜日の不思議」は、パルジファルが聖槍を取り戻して帰った第3幕第1場ラストの音楽。
森の大気が清々しくなって、草花が芳香を放ってゆくさまが、ティーレマンによって穏やかに描かれてゆく。
フィラデルフィア管の木管がイイ。やさしく温かく、ほのかな香りを漂わせながら奏でてゆく、その響きが実にイイ。飾り立てたり、磨き上げたりしているわけではなく、あるがままに美しい響き。そこが良い。

他の収録曲は、「マイスタージンガー」、「ローエングリン」、それに「トリスタンとイゾルデ」という有名どころの管弦楽曲。
フィラデルフィア管の起用が成功して、鮮やかで温かいワーグナーになっていると思う。迫力も十分で、聴きごたえあり。

録音はDGお得意の「4D録音」なのだが、やや音場が人工的な感じ。
個々の楽器の音色にも、少々作為を感じてしまう。
優秀録音だと思うんですが、ちょいと手を加えすぎなんじゃないかな。


さて、月曜日は早々帰宅して、ドラマを観ます。
家族揃って「のだめカンタービレ」。
いやぁ、面白いですねぇ・・・・・・。
2006/10/30のBlog
晩秋のワーグナー特集です・・・いやいや、特集なんてものではなくて、ワーグナーの毒に当たるとついつい聴き続けてしまうだけのことです。
ホンマ、この作曲家は麻薬的な人でありますな。

Niklaus Vogelさんからいただいたコメントで、「リエンツィ序曲」が話題になりました。
そういえば、「リエンツィ」全曲はホルライザーが指揮したドレスデン・シュターツカペレ盤があったが、最近、見かけないぞい。
序曲も、様々なワーグナー管弦楽曲集があるけれど、フィルアップしている盤があまりないような気もする・・・・。

ゴソゴソ探した末に見つけたのは、テンシュテット盤。
これはromaniさんにご紹介いただいたCDでありまして、昨年購入したもの。録音も良く、さすがライヴで燃えるテンシュテットらしい演奏であって、胸が熱くなります。

というわけで、今日はワーグナーの「リエンツィ」序曲。
クラウス・テンシュテット指揮ロンドン・フィルの演奏。
1988年5月6日、ロイヤル・フェスティバルホールでの録音。
(他の収録曲も素晴らしい演奏なので、是非、romaniさんのエントリーをご覧下さい

さて、この演奏、テンシュテットの深々としたフレージングと燃え上がるような情熱が聴くものを圧倒する。テンポは、実演だけに伸縮自在な感じ、徐々に演奏が熱くなってゆく様子が分かる。

低弦の響きが重厚で、包み込むような柔らかさ。
トランペットのソロはせっぱ詰まったような緊張感にあふれているし、4本のトランペットのアンサンブルも上手い。
ロンドン・フィルは、生き生きしている。オケ全体がヤル気に満ちていて、ヴァイオリン群など必死に弾いているのが分かる。汗が飛び散りそうな熱演。
リエンツィの雄叫び「聖なる魂の騎士」や、二重唱「慈悲への感謝の歌」のところなどは、とても美しく仕上げている。

ロンドン・フィルって、こんなに巧いオケだったかな・・・?テンシュテットと組んだマーラー全集など、オケの性能はイマイチだったように思う。響きやアンサンブルもあまり美しくなかったと思うのだが、このライヴ盤はまるで別物。素晴らしく上手い。ロンドン・フィルの実力発揮と云うところか。

終結部での壮大な盛り上がりは、いわば熱狂的な演奏。テンシュテットも精力的なら、オケも白熱。

録音もライヴのハンディを越えた素晴らしさ。
テンシュテットはベルリン・フィルとのコンビで、EMIに2枚のワーグナー管弦楽曲集(1枚は指環からの)を録音しているが、録音はイマイチだったように思う。
このCDはエエ音してます。
テンシュテットの「リエンツィ」序曲を聴くなら、こちらを採るべきでしょう。
2006/10/29のBlog
ワーグナーは中毒になります。毎日毎日聴き続けないと気が済まなくなる、麻薬のような作曲家であります。
一度はまると逃れられない・・・・いやはや媚薬のような快感があるんでしょう。
阿漕なワーグナーの浮気にズブズブとはまってしまった女性たちの気分が何となく分かるような・・・・・(分かるはずもないか(^^ゞ)・・・・。
ワーグナーの「毒」であります。

毒ついでに、今日は毒のある指揮者で。
マゼール編曲版の「ニーベルングの指環 管弦楽曲集」。

ロリン・マゼール指揮ベルリン・フィルの演奏。
1987年12月、ベルリンのフィルハーモニーでの録音。テラーク原盤。

CD1枚で「指環」のエッセンスを聴けてしまう、コレは優れものの1枚であって、演奏も実に素晴らしい。それに、マゼールが自身の編曲版のせいか、彼がいつになく真摯で一生懸命、ついでに毒を吐くのをやめて、至極まっとうに指揮をしているのがまたイイ。

録音はテラーク、これまた素晴らしい音。優秀録音で名声を博したテラークが、いよいよヨーロッパのメジャー・オーケストラと録音し始めた頃のもの。ベルリン・フィルでの録音は今も珍しいかもしれないが。
ダイナミックレンジは広大で、個々の楽器も実によく捉えられている。音場も広々としていて、左右奥行きの拡大が実に心地よい。

演奏は非の打ち所がないくらい。欲を云えば、もう少し深い息づかいが欲しいか。
(息づかいこそ、ワーグナーの根幹かもしれないのだが)
いわば、現代的な高機能のワーグナー。オケにスキがなく、指揮は完璧、アンサンブルも極上。音は美しく磨かれて、聴いていて心地よいことこの上ない。
しかも、音がとぎれることなくラストまで一気に流れてゆくマゼールの編曲が素晴らしく、滔々とした音の洪水に身を浸す快感もある。

冒頭のライン川の描写はなんと清澄なこと。
ドンナーの「雷鳴」も凄まじい迫力。だいたい、ベルリン・フィルのティンパニは迫力満点。この音こそ、ワーグナーのカミナリだと思う。

「ワルキューレの騎行」の圧倒的な音。テンポが速く、グイグイ進んでゆく。畳みかけてくるような迫力がイイ。強靱な演奏。
「森のささやき」の清々しさもベルリン・フィルならでは。涼しい風が吹いてくるよう。

四国の田舎では、晩秋の風景になりつつあります。
刈り取りも終わってすっかり黄色くなった田んぼに囲まれて聴くワーグナーも、なかなかエエもんです。
2006/10/28のBlog
今日もワーグナーを聴いています。

ワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲。
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏。
1978年から80年にかけて録音されたベーム/VPOのワーグナー管弦楽曲集から。
コレ、LPでは2枚分売だったものだが、CD時代になって再発編集されて、1枚もので有り難くも聴けるようになった。
ジャケットのワーグナーの横顔が気に入っております。ワーグナーは悪漢だけれど(流行の「チョイわるオヤジ」どころではない、大ワルなオヤジだ)、この顔はイイなぁと思う。作曲家の顔だな。

ワーグナーの書いた序曲は、彼の歌劇・楽劇のエッセンス。
ボクは初めオペラが好きではなかったので(日本人には言葉の障害が大きい。何を言っているか分からないと、聴くのが辛かったものだ・・・)、ワーグナーは管弦楽作曲家だった。
素晴らしい序曲・前奏曲の数々。オケも良く鳴るし、聴き終えた後、爽快なカタルシスを味わえる。「タンホイザー」序曲や、「マイスタージンガー」前奏曲など、最高の管弦楽だと思う。そして何より、これらの序曲を沢山聴いたおかげで、ワーグナーの歌劇を聴くことに抵抗感がなくなった。だって、序曲の中の旋律(動機というべきか)が頻出するから。聴きながら「ココも序曲にあった、あそこも序曲の一節だ」などと思っているうちに、ワーグナーの楽劇を「聴く」のが楽しくなった。
(オペラは本来「観る」ものなのだろうが、「聴く」だけでも結構楽しい。長旅で聴くオペラはエエもんです。)

さて、ベームの「タンホイザー」序曲。

ベームのテンポはやや遅め。ゆったりと開始される。
冒頭の管楽器のアンサンブルの味わいは格別で、しっとりと濡れたような聴感が心地よい。ウィーン・フィルらしい音と云うべきだろうか。
ストリングスも綺麗。美麗。
輝かしく張りがあって、色気さえ漂う。キラキラと艶やかに輝く一瞬があって、ドキドキするほど。
「巡礼の合唱」のところでの盛り上がりは感動的。
ヴァイオリンのソロやクラリネットのソロなども、デリカシーに富んでいて美しいことこの上なし。このあたりは、ベームの指揮というより、ウィーン・フィルの個性が際だって、そこが素晴らしいのだろうと思う。

録音が残念。
オンマイク気味で残響に乏しく、空間的な広がりにやや欠けているようです。
音楽は素晴らしいのに、録音のスケール感が不足しているんです。
惜しいなぁ。ひょっとして、CDへのリマスタリングに失敗しているのかな。

2006/10/27のBlog
昨日からワーグナーづいています。
秋の夜長にワーグナーの楽劇を・・・・・と云いたいところですが、ここのところ帰宅が遅いので、せいぜいクラシック音楽を聴けるのは1時間くらい。
これじゃ、ワーグナーは聴けません。

そういうときに、ハイライト盤はエエですね。
今日取り出したのは、ユニヴァーサルから出ているPANORAMAシリーズ2枚組のワーグナー。
PANORAMAシリーズは、国内発売当初2000円だったのが、今は1500円に値下げされて、1枚あたりの単価は750円。多分、国内盤としては最安部類だと思うのだが、コレものすごくお買い得。(別にワタシはユニヴァーサルの回し者ではないが)
ラフマニノフやチャイコフスキーにはリヒテルの協奏曲が入っているし、ベートーヴェンに至ってはバーンスタインの第九やミサ・ソレムニスという、LP時代を懐かしむ世代にとっては涙が零れるような名盤が1枚750円。オペラのハイライトものも、良い演奏が目白押し。ついつい買っちゃう(^^ゞ。

さて、その中から「ワーグナー オペラ名場面集」を取り出して聴いたのは「ローエングリン」。

ワーグナーの歌劇「ローエングリン」から。
クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィル、同合唱団の演奏。
1991年11月のライヴ録音。
アバドのワーグナーは新しいと思っていたが、すでに15年前のものになったか。

第1幕への前奏曲。
精妙きわまりない演奏。ライヴなのに極めて精密。そして、静謐清浄な弦楽合奏。水面がキラキラ光るような響き。しかも瑞々しく清涼。ああ、エエ音やなぁ。こんな綺麗な音楽を、あの悪漢ワーグナーが書いたのかと思うと、芸術の魔性にゾッとする。
中盤で徐々にクレッシェンドしてゆくところ、キラキラした音楽に色彩が加わって、虹色に変化してゆくのも、実に素晴らしい。
アバドの指揮は優等生的で(と云うより、アバドはエリート、俊才、優等生そのものか)、ワーグナーの毒とか陰影とか淫靡なところとは無縁な感じなのだが、これだけ精密な演奏で聴くのも、悪くない。

「エルザの夢」。ソプラノはチェリル・スチューダー。透明感があってイイ声。あの頃彼女は絶好調だったなぁ。(今はどうしているのかな)

「婚礼の合唱」は聴き慣れた曲だが、アバド/VPOの演奏はとても新鮮。爽やかで涼やか、良い演奏だと思う。これはやはり名曲やなぁ。オケの音も素晴らしいし、合唱も上手。

「遙かな国に」を歌うのはタイトルロール、ジークフリート・イェルザレム。彼の歌唱は気品があってボクは好き。聖杯の王の息子にして白鳥の騎士。胸のすくような歌唱。

以上21分。
ハイライトの中のハイライトだと思うんですが、慌ただしい中で「ローエングリン」を「ちょい聴き」してしまいました。(少し罪悪感あり(^^ゞ)
この後、シノーポリの「タンホイザー」、ヨッフムの「マイスタージンガー」が続きます。
2006/10/26のBlog
秋の夜長はオペラがエエですね。
ひところ、オペラに凝った時期がありました。CDが出始めた頃です。
LPに比べて、扱いが便利で枚数が少ないCDのオペラ組物を買うたびに、CD時代の恩恵を感じておりました。
ただし、価格はベラボウでしたが(^^ゞ。

この頃、オペラをゆっくり聴く時間が取れずに、また聴いていても途中で飽きてしまうので、「つまみ聴き」ばかり。アカンなぁ・・・・久しぶりに取り出してみるか。

そこで、今日はワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲。
(前奏曲で止まってしまいました・・・・・(^^ゞ)

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1970年11月~12月、ドレスデンのルカ教会での録音。EMI原盤。
カラヤンにはEMIに「ワーグナー管弦楽曲集」があって、それも素晴らしい演奏なのだが、「マイスタージンガー」前奏曲だけは、こちら全曲盤の演奏の方が気に入っている。

オケがドレスデン・シュターツカペレだから。

何ともふっくらした柔らかい響き。大きな翼を広げた鳥の羽毛、これに包まれたような錯覚に陥るほど心地よい柔らかさ。穏やかで心地よい、そして素朴さを併せもつこのオケの響きは、ワーグナーにまこと相応しいと思う。

カラヤンの指揮は精力的で精密を極めている感じなのだが、ドレスデン・シュターツカペレが、その鋭さを、優しくまろやかな演奏にしてしまう。そこがイイ。

テンポは速めで、もう少し遅めの方がスケールが大きくなって良いのにと思うのだが、これこそカラヤンのテンポでもある。しかも細部まで磨き上げて、全く美麗なワーグナー。中世の歌合戦の素朴さと云うより、近代建築のスマートさ。

これから始まる楽劇への期待でワクワクさせてくれる名演。
木管のアンサンブルは実に見事で、音色も美しい。
渋い金管もイイ。キラキラ脂ぎっていない、黒光りするような、ややくすんだ音が何しろ上品で、上質の漆器を見ているような感じ。
終結部の盛り上がりも見事で、豪壮豪快、これぞワーグナーと言いたくなる。

そして第1幕へ。合唱の開始。
素晴らしい合唱。聴いているこちらが敬虔な気持ちになってしまう。
この響き、この歌。
しかもオケは天下の銘器。
しばらく、このまま聴き続けましょう。
2006/10/25のBlog
今日はモーツァルトのピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503。

ダニエル・バレンボイムのピアノ独奏、オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管の演奏。
1967年3月の録音。EMI原盤だが、フィリップスの「20世紀の偉大なるピアニスト」2枚組シリーズの1枚。

これは、職場の同僚で盤鬼・盤友から一聴を勧められた1枚。「とにかくスゴイから聴け」と。どうも、後年のバレンボイムの弾き振り、イギリス室内管盤やベルリン・フィル盤より「比べもんにならん。はるかにエエぞ」とのことらしい。
なるほど、では聴いてみようかと・・・・・。

第1楽章・・・・
ああ、クレンペラーの伴奏!
速い、冷たい、素っ気ない。
細かなところにはこだわらず、サッサと進んでしまう。

しかし、音楽の運びは雄大。後方で力強く鳴らすティンパニなど、押し出し十分。アクセントの付け方や、強弱のコントラストはクレンペラーそのもの。巨大な伴奏であって、じっくり聴いていると巨像のような重厚さ。
テンポは速い。速いのにスケールが大きく重厚という不思議さ。
(ふつうは、ゆっくりテンポを落とすことでスケールを獲得するのに、クレンペラーは別格か・・・・)

バレンボイムのピアノは、若々しく溌剌としている。音色も綺麗。響きが混濁しないことでは、この人は無類のピアニストだなぁと思う。
カデンツァはバレンボイムの自作。センスあふれる佳品。

バレンボイムは1942年生まれ。この時わずか24歳。若い才能が巨人(巨像か)指揮者の作り出す大きな音楽の中で、跳ねるように振る舞う。
この若々しい躍動感が素晴らしい。

第2楽章アンダンテも独特のクレンペラー節。テンポは適度に伸縮して面白い。ピアニストに合わせてやるというより、ピアニストがクレンペラーの作り出す音楽の後をついて行く感じ。
オケのアンサンブルは今一歩。ピッチが不揃いなところも散見されるし、管楽器はもう少しファイト!という感じ。ただ、ピアニストとの呼吸はよく合っている。

終楽章はアレグレット。
バレンボイムのピアノは闊達そのもの。ニュー・フィルハーモニア管もこの楽章は好調、ソロと一体化した見事な伴奏を聴かせる。

なるほど、わが盤友が推奨するとおり、スケールの大きなハ長調協奏曲でありました。
特に曲のギャラントな雰囲気が、クレンペラーのスケール感にマッチしているように思いました。

録音は残念ながら、EMIの古さ・かさつきが惜しいです。
でも、鑑賞には十分でしょう。

実はこのCD、バルビローリとの共演でブラームスの1番協奏曲も聴けます。
これがまた泣けるんだなぁ・・・・。バルビローリだから。
2006/10/24のBlog
久しぶりの同期会。
青春の日々が蘇りました。
自分のルーツを確認できたような気分でした。

そこで今日は青春の交響曲を。

マーラーの交響曲第1番ニ長調「巨人」(花の章つき)。
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管の演奏。
1969年5月21日、フィラデルフィアのアカデミー・オブ・ミュージックでの録音。

フィラデルフィア管の鮮やかなサウンドが堪能できる一枚。
オーマンディは深刻ぶったところがなく、楷書で明晰、分かりやすいマーラーをつくってゆく。オケの豊麗な音が、その明るさを強めている感じ。
1番交響曲を「マーラーのウェルテル」と云ったのはワルターだったが、オーマンディの演奏は、ウェルテルの悩みを突き抜けた青年の、屈託ないマーラー。
聴いていて楽しい。心地よい。
しかも、「花の章」つき。

その「花の章」は、朗々たるトランペットが全く美しい。惚れ惚れする。
吹くのは、フィラデルフィア管の名首席奏者ギルバート・ジョンソン。
巧いなぁ。ウットリするなぁ。こんなに吹けたら、さぞや気持ちいいだろうなぁ。

この「巨人」、全編ゴージャスな音の饗宴なのだが、特に第1楽章や「花の章」は豊麗でなタップリと脂ののったステーキのような魅力あふれるサウンドが炸裂する。

第3楽章もそう。悲しい旋律のはずが、明るく爽やかに響く。
第4楽章は、どんな大音量になっても音が崩れず、混濁せず、気持ち良く鳴り渡る。

オケは自発性に富んでいて、オーマンディは指揮しているのかどうか分からないほど。個々の奏者が気分良く演奏しているのだろうと思うが、だからこそ、ゴージャスなサウンドが生まれるのだろう。

1969年の録音と云うことは、もう40年近く前のもの・・・・・・とはとても思えない鮮烈な音。RCAの録音スタッフが優秀なのだろうが、そもそもオーケストラの音が素晴らしいから、録音の出来が良く聞こえるのかもしれない。

やや微温的なんでしょうが、こんなマーラーもエエもんです。


20年ぶりに再会した友人たち。
しかし、一目でそれと分かりました。
みんな変わっていないな。
いや、変わっているんだけれど、根っこの部分が変わっていない。
こんなイイ奴らとオレは青春を過ごしたのかと、気持ちいい邂逅でありました。
2006/10/21のBlog
今日は大名曲いきます。

ベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調「英雄」。
ラファエル・クーベリック指揮ベルリン・フィルの演奏。
1971年の録音。DG盤。
クーベリックが9つのオーケストラと録音したベートーヴェン全集からの1枚。

どっしりした、重厚で風格豊かな演奏。
テンポはゆったりとしてやや遅め、堂々と歩んでゆく英雄。

ベルリン・フィルのヤル気が伝わってくる。これは、このコンビでのドヴォルザークで感じたことだが、ベルリン・フィルはクーベリックとやる時は、カラヤンの時の澄まし顔の技術者集団ではなく、額に汗して熱気にあふれる演奏を展開する。
そこが、イイ。

ホルンを初めとして、金管群の音色が特に良い。コクがあって、しかし派手にならずに質実剛健、素朴で真摯な音として飛び込んでくる。

第2楽章など、哀しみが惻々と伝わってきて、しかも遅いテンポなので、涙を誘われる。「死んだらこの曲を流してほしい」という人が多いのもうなずける。クーベリックのじっくりと歌い込む指揮が感動的。

フィナーレの変奏曲も素晴らしい。クーベリックの緩急の見事な処理で、感動的な締めくくり。オケもどんどん盛り上がってゆく。演奏しているのが見えるような、そして気持ち良く演奏しているのが伝わってくる。オケも巧い。

録音はもう一歩。さすがに古びた。
ティンパニがよく叩いているのに、音がこもり気味。もう少し分離してくれると鮮やかな演奏になり得たのに。
1970年代初頭のDG録音の限界かな。他の楽器の響きは良いだけに、ちとティンパニが惜しい。

「英雄」とはよく云ったもので、この曲はホンマに勇壮な推進力に満ちていて、聴いていると勇気がわいてきます。
すれっからしの中年オヤジのワタクシでも、元気出ます。
名曲とは、聴き手の気分を前向きにさせますな。
ああ、今日もエエ一日でありました。

ところで、本日、家内とともに帰省します。狭山丘陵に帰ります。
日曜日に大学の同期と集まるのです。
ホームカミングデーに行ってきます。懐かしい友人たちとの再会です。
楽しみです。ソフトボール部の盟友たち、どこまで変わっているかな?
女の子たちは(もう「子」じゃないか・・・(^^ゞ)、どう変わっているのかな?
というわけで、「クラシック音楽のひとりごと」はちょいとお休みです。
2006/10/20のBlog
秋の日の ヴィオロンの ため息の
身にしみて ひたぶるに うらがなし


ああ、秋の日にはヴァイオリンを聴きたくなる・・・・・。

今日はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64。
シェロモ・ミンツのヴァイオリン独奏、クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1980年2月、シカゴのオーケストラホールでの録音。DG盤。

作曲家のメンデルスゾーンはこの時35歳。ロマンの香りが漂う、これは名品であって、高貴な婦人の艶やかなドレス姿を思わせる気品が素晴らしい。
録音当時、ミンツは23歳。デビュー間もない頃の演奏。そのメンデルスゾーンの香気あふれるロマンを見事に表出したものと思う。

第1楽章から、ミンツの若さに満ちたヴァイオリンがイイ。勢いが良く、全くフレッシュなヴァイオリン。ピアニシモの美しさがもう一息かなと思うが、アバド/CSOのバックが美しすぎるから、そう思うのかもしれない。(それほど、伴奏が素晴らしい)
カデンツァは聴きごたえ十分。何しろ美音、録音もアナログらしい大らかで柔らかい音、で実にイイ。ノーブルな名演と思う。全体的にテンポもゆったりで、味わい深い。

第2楽章の抒情も素晴らしい。メンデルスゾーンがホンマに美しく書いた楽章だと思うが、ミンツのソロは感性豊かで新鮮、心の奥からの感動を持って弾いているのが好ましい。テクニックも完璧。若いってエエなぁ。
アバド/CSOも万全。ピタッとソロに合わせて、というより、気色悪いくらい合っている。中でも木管が抜群に巧い。

終楽章は克明な弾き方。一音一音を揺るがせない、端正な弾きっぷり。テクニックに裏付けされた、精確な演奏と云うべきか。妙に弾き崩すよりは遙かに好ましいが、もう一つ芸が足りないか・・・・・といって若干23歳の演奏家にそれを云っても仕方ないか。

アナログ最末期の聴きやすい音。
CD化にも成功しているようで、ボリュームを上げていっても音が崩れないのはさすが。
秋の日の ヴィオロン。
十分に楽しめました。