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クラシック音楽のひとりごと
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2006/11/11のBlog
久しぶりに部局の宴会。大騒ぎでありました。若い士は元気だなぁ。
メイン・ディッシュはモツ鍋。これは実に美味かった。

さて、今日はモーツァルトを聴きましょう。

モーツァルトのディヴェルティメント 第17番ニ長調 K.334。
ウィーン室内合奏団の演奏。第1ヴァイオリンはゲルハルト・ヘッツェル。
1991年4月、ウィーンのカジノ・ツェーガーニッツでの録音。
DENONクレスト1000シリーズからの1枚。

まずは、素晴らしい録音。ヘッツェルのヴァイオリンがよく伸びて、しかも柔らかく馥郁たるウィーンの香りをのせて響き渡る。
響きが全体に柔らかく、ストリングスがシルクのように滑らか。
ホルンの素朴で懐かしい響き、甘い音色も素敵。
残響も十分。音場は広大で、奥行きも広々。定位が良い上に、上下左右への拡散も見事。
さすがDENON。名録音と思う。

演奏ももちろん素晴らしい。

第1楽章が始まったとたん、この優雅な曲への期待にワクワクさせてくれる。
第2楽章の変奏曲は、鮮やかな弦楽の美しさだけでなく、しみじみとした味わいもある。特に短調での出来がよい感じ。
ヘッツェルのソロが素晴らしい。彼はユーゴ出身、ベルリン放送響のコンマスからウィーン・フィルのコンマスへ29歳で転身。だから生粋のウィーン人ではないのだが、出てくる音楽はウィンナ・スタイルとしか云いようがない。尤も、録音は1990年代、往年のスタイルとは違うのだろうが、やはり典雅な雰囲気、独特の芳香が醸し出されている。
ヘッツェルはこの録音の翌年に事故死してしまう。何とも残念なことだった。

第3楽章は、親しんできたモーツァルトのメヌエット。優雅なことこの上なし。録音も含めて極上の美しさ。

第4楽章アダージョでは、素晴らしいアンサンブルを満喫。メンバーの呼吸がピタリと合って、愉悦に満ちた音楽になっている。こんな風に演奏できたら楽しいだろうなぁ。
気の置けない友人たちと楽器を通して語らう・・・・モーツァルトの音楽って、どうしてこうも親しみやすく、友愛に満ちているんだろうか。

第5楽章のメヌエットは爽快で軽快、明朗な音楽。
ホルンがイイ。名手フォルカー・アルトマンにフランツ・ゼルナー。
終楽章のロンドに至っては、いつまでも終わって欲しくないと思わせる。
この音、この柔らかさ、いつまでも包まれていたい至福の境地、見事な演奏でありました。
2006/11/10のBlog
ドラマ「のだめカンタービレ」の音楽の使い方は上手いですね。
キャストもよろしい。僕は秋吉久美子や竹中直人、西村剛など、ベテランの俳優しか知らんオイサンでありますが(^^ゞ、若い人がなかなか上手です。原作のイメージを壊さないですね。主役級の4人の若者は、観ていて大変微笑ましい。演奏や指揮する姿も、おそらくシロウトなんでしょうが、なかなかのもんです。

さて、今日はその「のだめカンタービレ」の主題曲として、巷間話題のベートーヴェン。
交響曲第7番イ長調 作品92。

フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏。
1959年の録音。edelレーベルの激安ボックスからの1枚。
50年も昔の録音とはとても思えない、迫力満点の演奏が味わえる鮮明な録音。

ああ、ドイツの音。
骨太で、重心が低く、腰がすわっている音。そして、ベートーヴェンらしい迫力。
往年の横綱、柏戸の怒濤の寄り身。
これぞ、ドイツのベートーヴェンだ。

最近はしなやかでオシャレでアッサリ系、技術的には精密を極める演奏が多く、それはそれで良いのだが、コンヴィチュニー盤で聴くと、伝統の重み、古色蒼然質実剛健、頑強頑固なベートーヴェンが現れる。
昔のベートーヴェンは、こんな風だったよなぁ・・・・。

第1楽章は決然とした響き。テンポは中庸、堂々たる歩みで進んでゆく。

第2楽章は速めのテンポで仕上げているが、中身は悲痛な感情にあふれている。

第3楽章も快速。リズムがよく弾んで気持ちがよい。アンサンブルもビシッと決まっている。響きは剛毅で力強い。これぞ、ベートーヴェンの強靱さ。快哉を叫びたくなる。
トリオの木管はとても綺麗。

終楽章はオケが一体化して、うねるように終結部に向かってゆく。高まる興奮。シンコペーションの処理も見事で、ラストでは猛烈なアッチェランド。よくオケがついて行ったものだ。猛烈なラスト、興奮は頂点。素晴らしい。


最近のトマトは甘さが薄い。シャクシャクしているが、トロッとした独特な味わいと芳香が薄い。昔のトマトは臭みがあるくらい旨かった。
そういえば、昔はホウレン草も納豆(わらずとだった)も旨かった。近頃のホウレン草はあまり旨くないし、パックの納豆のまずさは何と云えばいいか・・・。

コンヴィチュニーのベートーヴェンを聴きながら、そんなことを思っておりました。
2006/11/09のBlog
日が短くなりました。日の出も遅くなりました。
四国では朝6時過ぎにようやく明るくなります。四国山地から陽が昇る直前、明るくなり始める時の美しさは格別。朝の明ける色はホンマに綺麗です。これからの朝ジョグの楽しみの一つです。
伊予路は初冬になりました。

さて、LPレコードの掃除は続ます。

今日はブルックナーの交響曲第8番ニ短調。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
楽譜はハース盤を使用とのこと。
1975年1月・4月の録音。DG盤の2枚組LP。
たった2枚でも、当時のLPは高かったなぁ・・・。

第1楽章は、荘重で悠久の時を感じさせる音楽。
カラヤンが作るブルックナーは、雄大なスケールとゆったりとしたテンポで始まる。
オーケストラは全く美しい。鏡面のように磨き上げられて、夾雑物がない。純水のような響き。巷間「人工的」と評されるが、しかしここまで常人に美しくできるものか。人間業を超えているんじゃないか。
あまりに美しいオケの音響に酔ってしまいそうになる。
そして、その音響の向こうにブルックナーが屹立する。ああ、ゴシック様式の大聖堂を思わせる威容。完全なる音響体。
カラヤンの表情づけがたまらない。実に演出巧み。圧倒的な大音響のあとの、繊細な弦の揺らめきが頻出するが、そのストリングスの美しいこと。弦の柔らかな表情など、エロティックなまでに美しい。カラヤンならではの表現だと思う。

第2楽章スケルツォ。いつも颯爽と軽快なカラヤンにしては、テンポがやや遅め。スケールは雄大。特に金管の爆発は凄絶でさえある。その後のピアニシモの美しさも格別。ダイナミックレンジは広大、録音状態も良好なので、実に聴きごたえがある。
音場はイマイチ。奥行きに乏しく、立体感が不足するのは仕方ないか。

第3楽章のアダージョは、ブルックナーが書いた最も美しく崇高な音楽のひとつ。
カラヤンは極上の美しさで聴かせてくれる。本当に美麗で、立派。弦楽アンサンブルの素晴らしさは、もう何と表現すべきか。包み込まれるような優しさ、美の極致。
ただ、カラヤンの演奏は宗教性が後退するような感じ。神の偉大さよりも、俗世・人間界の美しさの頂点・・・といった感じ。
アンサンブルは完璧で、だからこそ「人工的」と云われるのだろうが、その人工性の中に、人間臭さがあるようにも思う。

第4楽章は圧倒的なティンパニの強打で始まる。これ、おそらくフォーグラーのティンパニ。凄まじい迫力。
音楽は白熱し、圧倒的なクライマックスをつくってゆく。強弱のコントラストも強烈。
魅力的なソロ・パッセージも頻出するが、オケ全体が塊になって聴き手に迫ってくるときが最も感動的。ベルリン・フィルのパワー全開。スゴイ終結。

レコードですから、パチパチノイズが伴います。
でも、途中で気にならなくなります。ノイズと音楽は別ですね。
あとは演奏に夢中になりました。
カラヤン/BPO、往年の名演。やはりスゴイと思います。

2006/11/08のBlog
LPに針を通して掃除しています。
「LPのビニール外袋ははずした方がイイ。カビを防ぐから」と信州のensembleさんに助言されました。ありゃりゃ、僕はホコリよけでそのままにしておりました。
慌てて点検・・・・幸い、カビはなかった模様。でも、はずした方がいいのかな。
例えば、今日のLPなどは、そのままにしておくとタスキも一緒になっているから便利なんだよなぁ・・・・。

ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」。
レナード・バーンスタイン指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1972年の録音、CBSソニー原盤のLP(国内盤)。

これ、懐かしいジャケット。
初めて見たとき、度肝を抜かれた。何ともサイケデリックなイラスト、ジャングルのような極彩色の風景、その中からヌッと顔を出すストラヴィンスキー。
いやはや、一度見たら忘れられない印象的なジャケットでありまして、フラフラと買ってしまった記憶があります。もう演奏なんてどうでもエエわけですな。

当時(今もそうか)、LP売り場というのは、基本的に上から一枚一枚取り出すようなボックス構造になっていて、ジャケットを眺めて、タスキで曲目や演奏家を確かめて、買うような仕組みになってました。
だから、ジャケットやタスキのコピーに釣られて買っちゃうことが多かったんですな。いわゆる「ジャケット買い」。ワタクシにとってのキリ・テ・カナワのプッチーニカントルーブ「オーヴェルニュの歌」、クライバーのベト4などは、このたぐいであります。
CDになってからは、ジャケットが小さくなってしまってインパクトがもう一つ足りない。「ジャケ買い」は減りました・・・。

さて、バーンスタインの「ハルサイ」。

出てくる音が濃い。
それぞれの楽器が原色で鳴っていて、さらに濃厚な隈取りを付けたような音。不思議なもので、ジャケット同様。極彩色のストラヴィンスキー。

そして、とても分かりやすい演奏。
バーンスタインは指揮者というより、解説者、噺家。演出巧みで、お話し上手。曲全体の構造がよく分かるし、バレエの舞台風景が浮かんで来そう。

このLPは、ボクがクラシック音楽を聴き始めた頃に買ったものだが(だから、ボクにとってストラヴィンスキーなんて、何が何だか訳がワカラン作曲家だった)、このレコードで聴くと、とても分かりやすかった。マーラーやブルックナーは長すぎて辟易し、R・シュトラウスやストラヴィンスキーなどは騒々しいだけの音楽としか思えなかった入門者のボクにとって、このレコードはとても親しみやすかった・・・。

録音はさすがに古びてきました。
バーンスタインにはイスラエル・フィルを振った再録音盤もあるようです。
でも、ジャケット同様の濃い音楽で、分かりやすくストラヴィンスキーを教えてくれた価値ある演奏でありました。
大切にしたい1枚です。
2006/11/07のBlog
若い頃から、まぁクラシック音楽を長いこと聴いていると、さすがに詳しくなるもんです。
先日もフィギア・スケート好きな妻が、「安藤美姫がショート・プログラムに使った音楽は、シェエラザードなんだって。知ってる?」というので、「ホイホイ、知ってるよ」と答えると「どんな曲なん?」と云う。
「ああ、シェラザードはね、アラビアン・ナイトをモチーフにしたR・コルサコフの名曲でね」
「ふんふん」
「、交響組曲といって4楽章構成の標題音楽なんだが、オーケストレーションが素晴らしくてやねぇ・・・第1楽章は・・・・」
・・・ん?もう妻は聴いていない(^^ゞ。
最後まで聞かんかいっ!・・・・

仕方ないので自分で聴きます。ワハハ。

演奏はチョン・ミュンフン指揮パリ・バスティーユ管弦楽団。
1992年9月の録音。DG盤。
CD時代になって「ジャケット買い」は減ったが、これは数少ないそのひとつ。綺麗なイラストでついつい購入したことを思い出す。

演奏は絶品。

第1楽章から、オケが熱い。トゥッティなど、灼熱の熱さ。熱気ムンムン、やる気満々。オケからこれだけの意欲を引き出したチョン・ミュンフンという指揮者、発売当時からスゴイと思った。端倪すべからざる才能だと思う。
(そういえば、このコンビでのベルリオーズ「幻想交響曲」も熱い演奏だった)
ソロ楽器がニュアンス抜群でしかも巧い。クラリネット、オーボエ、ホルンのムーディな歌わせ方、シナの作り方。タップリと音を伸ばして、色気さえ漂わせる。
ソロ・ヴァイオリンのポルタメントも最高。下品の一歩手前の色づけ。いやはやエロティック。

第2楽章は管楽器のソロが素晴らしい。さすがフランス。やっぱり、管楽器はフランスがエエなぁ。
ファゴットとオーボエの響き、最高だと思う。

第3楽章はストリングスのしみじみとした情趣が聴きもの。クラリネットやフルートの名技もスゴイ。
ここでもヴァイオリンのソロが妖艶なまでに美しい。ソロはフレデリック・ラロクという人。詳しくは知らないが、素敵なソリストだと思う。

終楽章になって、さらに熱を帯びるオーケストラ。凄まじい盛り上がり。しかも巧い。パリ・バスティーユ管、アンサンブルはちょいと緩いのかなと思いつつも、ここまで熱い演奏、なかなか聴けない。個々のプレイも実に意欲的。
テンポは速い。というより、どんどん速くなる。加速度がついて速くなり、熱くなる。奏者たちがよくついてきたもんだ。名技の連続、しかも即興的。フィギア・スケート真っ青の見事な舞い。

録音は抜群、極上。
DGの「4D録音」にはあまり良いものがないような気がしますが、これは当たりであります。素晴らしい音で「シェエラザード」が楽しめます。
2006/11/06のBlog
LPは時々取り出して、針を通してやらないとパチパチ・ノイズが増加してしまう・・・・。
これyuhotoさんの言葉です。なるほど、たまには掃除を兼ねて、LPを聴いてあげなくちゃイケマセンな。
そこで今日はブルックナーの交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」を。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1975年4月の録音。DG盤。
カラヤン/BPOによるブルックナー全集の、これは第8番に続く第2弾として録音・発売されたものだったんじゃないかな。
そして、なにより、ジャケットがカッコ良かったですな。翼の絵はたいそう印象的だった・・・・。

さて、演奏はというと・・・・・これカラヤン流の、徹底して磨き上げたブルックナー。
そして、ベルリン・フィルがスゴイ。

弦楽セクションは輝かしい音色で、美しく滑らかに歌い上げてゆく。美麗きわまりなく、艶めかしく、官能的でさえある。
金管群は豪快豪壮、バリバリ・ブリブリ気持ちいいくらい鳴り渡る。ホルンなどは冴え冴えとしていながらトロッと甘い響きをつくり出す。全体に音のダイナミクスは広大で、フォルティシモので音響は壮絶。
木管は温もりのある柔らかさ。技巧完璧、アンサンブル絶頂、巧すぎてもう何をか言わんや。

カラヤンは美しい音しか鳴らさない。
オーストリアの田園生まれ、野人ブルックナーの面影はここにはなく、都会の上品な紳士のようなブルックナーが現れる。教会のオルガニストでありつづけたブルックナー独特の宗教性からは遠い感じ。
版はハース版らしいのだが、ところどころノヴァーク版の指示も取り入れているとのこと。さすがカラヤン、芸が細かい。

圧巻は第2楽章。
精確なストリングスのアンサンブルに、完璧な技巧の木管群が絡んで、重層的な音楽を作ってゆくところなど最高だと思う。
ブルックナーの「ロマンティック」は1・4楽章が面白く、第2楽章では退屈してしまうことが結構多いのだが、このカラヤン/BPOは抜群に面白い。というより、スゴイ。
美術工芸品のように磨き込まれ、時にクリスタル・グラスを想わせるような燦めきがある。クールで硬質、目映いばかりの光が零れてくる。

カラヤンの個性が十分に発揮された「ロマンティック」だと思います。
録音は、音場がやや平面的(奥行きに乏しい)ということを除けば、素晴らしいと思います。特にここの楽器が大変美しく捉えられています。
録音から30年、これだけ美しい、耽美的なブルックナーはそうはないような気がします。
2006/11/05のBlog
ここのところ、四国はずっと良い天気。連休は穏やかな日々であります。

先日かぶせた銀歯の噛み合わせが悪く、とうにも痛くてたまらないので歯医者に行き、ついでに馴染みの内科で(主治医と言うべきか)家族全員でインフルエンザの予防注射。次男坊が受験生、いよいよ追い込みの時なので(そうはあまり見えないが(^^ゞ)、少々気を遣いますな。流感にかかるわけにはいかないようで。
そういえば、高校3年生の1割に及ぶという世界史未履修問題、次男坊もその中に入れたようで(十分の一に入れりゃ上等じゃ。ガハハ)、履修時間不足の補講がそのうち始まるとぼやいております。まあ、仕方ないわいなぁ。なんだかんだと云いながら、学校はアンタのことを考えてくれていたんだから。

さて、今日は室内楽を。

セザール・フランクのヴァイオリン・ソナタ イ長調。
シェロモ・ミンツのヴァイオリン、イエフィム・ブロンフマンのピアノによる演奏。
1985年6月、パリでの録音。DG盤。
カップリングはラヴェル、ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタ。だから、これフランスのヴァイオリン・ソナタ名曲集。

ミンツのヴァイオリンはネットリと粘りがある。メロディが濡れそぼったような感じで進んでゆく。
この曲の第1楽章、第1主題は特有の湿気があるのだが、ミンツのヴァイオリンで聴くと、ムッと来るような熱い湿気が漂ってくる。例えてみれば、梅雨明けの夏の蒸気のような。
テンポは遅くゆったりなので、情感もたっぷり入っている。気持ちがこもっている感じで、やるせなさ、ためらいなども聞こえてくる。
ブロンフマンのピアノも、ミンツに寄り添って、しっとり・ねっとりしている。若い二人の噎せ返るようなロマンの熱気。

第2楽章はアレグロ。ピアノが克明で鮮やか。ミンツの技巧も見事なもので、中間部での歌が特にイイ。思いの丈をヴァイオリンに託していて、高音が素晴らしく伸びてゆく。ああ、綺麗な音。ブロンフマンのピアノの音色も透明感があって綺麗。

第3楽章、例の循環主題が表情を変えて出てくるのだが、これがまたネットリ。蒸し暑い音楽。ヴァイオリンもピアノも明るく澄んで美しい響きを作っているのに、出てくる音楽は熱っぽく湿っている。熱に浮かされているかのよう。ミンツのヴァイオリンは、ここでも突き抜ける高音が全く素晴らしい。

終楽章になると、曲想のせいか、涼しい風が吹いてきた。
この楽章は高原を渡る風。(もっともその風は夏の風だけれど)
ミンツのヴァイオリンもスッキリして、前3つの楽章と全然違う・・・・どうしてかな?こちらの耳の錯覚かな。
ピアノまで冷涼な響きになって、サッパリとした感じ。でも面白い。
フランクがそう聞こえるように書いているのか、ミンツとブロンフマンがそんな風に演奏しているのか・・・。この清涼感、気持ちいい。

録音は20年前になってしまいましたが、十分に美しい。
少し明るめの音に仕上がっていて、聴きやすい録音でありました。
晩秋にふさわしく、秋の日のヴィオロンの・・・・と思って取り出したら、いやはや期待と違う、噎せ返るような熱気でしたが。
2006/11/04のBlog
週末の3連休は、穏やかな秋の日で始まりました。
文化の日は「晴れ日」だそうな。そういえば、毎年、良いお天気ですな。

そこで、今日は穏やかな管弦楽とピアノを。

取り出したのはベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58。
クラウディオ・アラウのピアノ独奏、コリン・デイヴィス指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1984年11月、ドレスデンのルカ教会での録音。フィリップス原盤。


悠然と進む大家の風格。ゆったりと、堂々と歩んでゆく王者の行進。
アラウのピアノは、一音一音がやさしく包み込むような暖かさ。

それに合わせるデイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレのスケールの大きさ。
響きそのものは濃厚で、いつも思うのだが、キラキラしない(高音がキャンつかない)艶消しの黒檀のような音。これが実にイイ。
そして、時には、温かく柔らかく、シルクの糸を紡ぐような繊細な音を響かせながら、包み込んでゆく。何とも云えない繊細感がイイ。

録音も最高。すでに20年前の録音になってしまったが、いまも極上絶美と思う。
音場広大で、左右高低への広がりが素晴らしく、奥行きも十分。
ルカ教会の音響効果とフィリップス録音スタッフの勝利だと思う。これだけ素晴らしいピアノ協奏曲録音は、なかなかないんじゃないか。

第1楽章は、ゆっくりしたテンポの中で、アラウのピアノに包まれてゆく感じ。このゆったり感、安定感はちょっと他の演奏では聴けない。

第2楽章は、しっとりと濡れたような響き。アラウのソロは滋味豊かなもの。優しさで一杯だし、腰が据わっている落ち着いた佇まいも良い。

終楽章は暖かいロンド。フォルティシモでも激烈な表現にならない。終始穏やかな表情で進んでゆく。ああ、これぞベートーヴェンの4番だなぁ。
オケの音もピアノの音色もホンマに素晴らしい。

いつまでも残しておきたいエエ演奏だと思います。
2006/11/03のBlog
伊予路は晩秋です。
職場近辺にはイチョウが多く、今日はギンナン拾い。
いやまあ沢山。臭いぞい。
欲しがっている埼玉・入曽の旧友に送ってあげなくちゃ。

さて、今日は晩秋にふさわしいモーツァルトを。

モーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466。
ゲザ・アンダのピアノと指揮、ウィーン交響楽団の演奏。
1973年頃の録音で、オイロディスク原盤。アンダ晩年の名演奏。
DENONのマイ・クラシック・ギャラリーという名曲シリーズの1枚で、GES-9232というCD番号が付いている。
すでにエントリーした21番とのカップリング。

第1楽章の冒頭、もう全部分かり切っている曲なのに、なんと新鮮で滋味深く響くことか。序奏部の管弦楽など、温かくまとわりつくような趣がある。

アンダのソロは清潔で端正。紳士的。
情念的な訴えかけや歌い廻しは全くないのに、聴き手の涙を誘うような、哀愁漂うピアノ。美しい音で音楽のフォルムを崩さずにきちんと弾いている、しかも淡々としているからこそ、醸し出される無限の味わい。
ああ、それにしても何て上品なピアノか。大声を出すわけでもなく、悲痛な叫び声を上げるわけでもなく、テンポも速めでサクサクと弾いてゆく・・・・なのに、じわじわと痛切な哀しみが滲んでくるようなピアノ。アンダはスゴイ。

第2楽章は穏やかな木洩れ陽のようなロマンツェ。
モーツァルトの短調は、「涙の中の微笑み」。アンダが弾くと、一層その感を強くする。アンダのピアノは美しいとしか出さない。晩秋の味わい。
ちょうど今の季節、木立を揺らす微かな晩秋の風のよう。秘かで美しく無限のニュアンスをたたえている。

第3楽章は速いテンポで、駆け抜けてしまおうとしているような演奏。
ピアノの音色は刻々と変化して、これ、「万華鏡のような」と形容したらエエのかな。見事な弾き分けだと思う。そして、速い中にも零れてくる、繊細感。たまらない。

ウィーン交響楽団も好演。低音部は確実に支えているし、オケ全体ではアンダと仲睦まじく会話している感じ。響きは柔らかく、聴き手を包み込むのが特にイイ。

これ、古本屋で購入しているんですが、現役盤ですか?
素晴らしい演奏。録音も良好。雰囲気たっぷり。
DGでのモーツァルテウム管の弾き振り全集も素晴らしかったと思うんですが、この演奏はその上を行くんじゃないかと思います。

通算アクセス数、おそらく今日中に20万件を越えると思われます。
有難うございます。感謝です。
20万のキリ番を踏んだ人、どなたです?(^-^)
2006/11/02のBlog
このブログは、ご覧の通り「クラシック音楽のひとりごと」といいます。CDやレコードで聴くクラシック音楽のブログです。

謂わば、クラシック音楽の絵日記です。

昔々、小学生の頃、夏休みの宿題がありました。「夏休みの友」という課題帳、それから絵日記を書きました。思い出します。
だいたい初めの3日間でイヤになって、8月30日くらいになって慌てて続きを書こうとするんです。あさってには出さなくちゃイカン・・・・バタバタ。
ブログも所詮は絵日記なんですが、提出期限がないというのがエエですね。毎日毎日、のんびり聴いてゆく、そのまんまをメモしてゆくようなもんです。

そんな風に、気楽に書いているわけですが、こうしてコメントまでいただける。トラックバックも頂戴できる。望外の喜びです。有り難い話です。
だからでしょうね、絵日記がイヤにもならず、結構続くものです。
本当に有り難うございます。お世話になります。


さて、今日はモーツァルトのオペラです。
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」。
ヨーゼフ・クリップス指揮ウィーン・フィル、国立歌劇場合唱団の演奏。

Documents というレーベルの10枚組激安BOXセットから。なんと破格の1800円。
他にはベーム/VPOの「コシ・ファン・トゥッテ」にE・クライバーの「フィガロの結婚」、そしてフリッチャイの「魔笛」(これだけモノラル)という、1950年代を代表する名演奏が揃って、この価格・・・・。いやはや、なんとも、凄まじい時代になったものだと思う。
ボクは父クライバーの「フィガロの結婚」はすでに持っていたが、これだけ爆安ならダブり買いも何のその、確信してこのセットを買いましたな。

録音状態もまずます、マスタリングが粗悪なこともないようで、普通にちゃんと聴ける。・・・どころか、1950年代の、往年のDECCAによる名録音のまま。
非常に鮮明で、生き生きとして明瞭明快、弾むようなウィーン・フィルの音をしっかり捉えている。

輝かしく、また匂うようなウィーンの雰囲気が溢れていて、世評の云う「あの頃のVPOは良かった」というのもむべなるかなと思う。

タイトル・ロールのチェーザレ・シエピは、はまり役。なかなか、これ以上のドン・ジョヴァンニにはお目にかかれない。イキでイナセで、スケベで女たらし。こういうイヤラシサを持ったドン・ジョヴァンニ、最近聴いていなかったなぁ。

ドンナ・エルヴィーラは、デラ・カーザ。ドン・オッターヴィオにはデルモータ。この二人も見事な歌唱。文句なしに巧い。しかも雰囲気タップリ。
レポレッロのコレナの歌唱も楽しい。
ギューデン演じるところのツェルリーナ、これはちょっと可愛すぎかな。

ま、しかし、往年の名盤がこうして安価に聴けるのは有り難いことであります。
感謝。感謝。
2006/11/01のBlog
晩秋の見事な月夜。
李白じゃないが、漢詩のような夜空であります。
石鎚山月半輪秋とでも書きたいくらい・・・・・
この風、この月、この清涼感。四国は晩秋を迎えました。

さて、連日ワーグナーを聴いていたら、無性にウィンナ・ワルツを聴きたくなりました。

で、今日はJ.シュトラウスⅡのウィンナ・ワルツです。
演奏はフランツ・ウェルザー=メスト指揮ロンドン・フィル。

ウィーンの演奏ではないけれど、(ないからこそか?)面白い。
若くて、張りがあってピチピチしている。
オケはロンドン・フィル、さほど巧いオケではないはずなのだが、いや全く爽快、軽快、サッパリとして心地よいウィンナ・ワルツが聴ける。

ウェルザー=メストはウィーン生まれの指揮者。
1990年、今は亡きテンシュテットの後任としてロンドン・フィルの音楽監督に就任、このCDはその直後の録音かな?ワタクシと同世代の指揮者なので、頑張って欲しいもの。
当時ウェルザー=メストは30歳、若い若い。
音楽が跳ねるようにピチピチしているわけだ。

「こうもり」序曲など、颯爽とした快速テンポだし、劇的な表現もなかなかダイナミックで良い。

「美しく青きドナウ」も良い出来。スパッと活気ある音楽になっている。
楽譜のせいなのか、ウェルザー=メストの指示なのか、ふだん聴いたことのない音が飛び出てきたり、或いは後方でモゾモゾ鳴っているのが面白い。
もちろん、ウィーン的な情緒などは、ちょっとしたルバートからも香ってくるのだが、何より若さが良い。ああ、ホンマに若いってエエなぁ。

「南国のバラ」は、冒頭、覇気に満ちたフォルティシモが良い。そのあとで、優雅なワルツが始まるのだが、ここでも蒼い色気あり。細身の美女が、爽やかな風に髪を揺らしながら目の前を通り過ぎてゆく・・・・ような感じ。

「皇帝円舞曲」は、つややかなストリングスが心地よい。美しい。
あれ?「つややかな」と云えば、ウィーン・フィルの形容句ではないか・・・・でも、これロンドン・フィルだよね。ホンマに綺麗。

録音はEMIなので、標準レベル。
悪くはありません。
しかも、廉価盤。
若いウィンナ・ワルツ、蒼い色気のウィーン情緒・・・・という感じのイイCDでした。
2006/10/31のBlog
今日はワーグナーの舞台祭典神聖劇「パルジファル」の音楽から。

クリスティアン・ティーレマン指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏。
1997年4月、ニュージャージーでの録音。DG原盤のティーレマンによるワーグナー管弦楽曲集から。

「第1幕への前奏曲」は荘厳な金管が良い。この甘く深く鮮やかな響き。素晴らしい。
キリスト教や聖杯伝説等には無縁のワタクシだが、「パルジファル」を聴いていると敬虔な気持ちになるから、音楽の力は不思議なものだ。偉大と云うべきか。ワーグナーの音楽はホンマにスゴイと思う。
媚薬・麻薬的な音楽を作るかと思えば、これほどの宗教的・形而上学的で厳粛な音楽をものにしてしまう・・・・・・ワーグナーの人間性はどうであれ、芸術は魔力かと思う。

ティーレマンはベートーヴェンの5番・7番交響曲でデビューした時には、ビックリした。確信犯的な古色蒼然たる響きをフィルハーモニア管から引き出して、ドイツ伝統の重厚さを表出していた。
このワーグナーもテンポが遅く、深い息づかいでゆったりと演奏してゆく。
ある意味、ドイツ的なアプローチなのだが、何せオケがフィラデルフィア管、明朗で素直な響きがスピーカーからどんどん流れ出てくる。いたって前向きな音楽。
そして、ワーグナーの素晴らしいオーケストレーションを鑑賞できる演奏でもある。

もう1曲収録されている「聖金曜日の不思議」は、パルジファルが聖槍を取り戻して帰った第3幕第1場ラストの音楽。
森の大気が清々しくなって、草花が芳香を放ってゆくさまが、ティーレマンによって穏やかに描かれてゆく。
フィラデルフィア管の木管がイイ。やさしく温かく、ほのかな香りを漂わせながら奏でてゆく、その響きが実にイイ。飾り立てたり、磨き上げたりしているわけではなく、あるがままに美しい響き。そこが良い。

他の収録曲は、「マイスタージンガー」、「ローエングリン」、それに「トリスタンとイゾルデ」という有名どころの管弦楽曲。
フィラデルフィア管の起用が成功して、鮮やかで温かいワーグナーになっていると思う。迫力も十分で、聴きごたえあり。

録音はDGお得意の「4D録音」なのだが、やや音場が人工的な感じ。
個々の楽器の音色にも、少々作為を感じてしまう。
優秀録音だと思うんですが、ちょいと手を加えすぎなんじゃないかな。


さて、月曜日は早々帰宅して、ドラマを観ます。
家族揃って「のだめカンタービレ」。
いやぁ、面白いですねぇ・・・・・・。