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クラシック音楽のひとりごと
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2007/01/01のBlog
みなさま、あけましておめでとうございます。
本年も拙ブログ「クラシック音楽のひとりごと」を、昨年同様、よろしくお願い申し上げます。
コメントやトラックバックをいただけると嬉しく思います。
どうぞ、お気軽にお願いいたします。


元旦の今日、西条の伊曽乃神社に家族揃って初詣。家内安全と、今年は特に入院中の父の健康、次男の合格の祈願を念入りに。
昼からゆっくりと賀状の整理です。

さて、年始めの音楽として取り出したのは、浮き浮きしてくるようなLPレコードであります。
正月お決まりの音楽かもしれませんね。

ヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」。
カルロス・クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団・バイエルン国立歌劇場合唱団の演奏。
1975年10月、ミュンヘンでの録音。DG盤。

配役が素晴らしい。
ヘルマン・プライ(アイゼンシュタイン)。
ユリア・ヴァラディ(ロザリンデ)。
ルネ・コロ(アルフレート)。
ベルント・ヴァイクル(ファルケ)。
ルチア・ポップ(アデーレ)。

さて、序曲の華やかさ、軽快さ、そして爽快さ。心が浮きたつようなリズム。粋なルバート。テンポは快速で、音楽がシェイプアップされて実にスマート。
とにかくカッコイイことこの上ない開始。
さすが、カルロス。序曲の数分で、この演奏の虜にされてしまう。

ワクワクするようなキャストで、また素晴らしい。
アイゼンシュタインのヘルマン・プライは、スケベ心が一杯のイヤラシイ中年を好演。歌もバツグンだし、声も良い。スケベといっても、そこはプライの美声・名演技で、下品にならないのはさすが。
ファルケ博士との二重唱「夜会へ行こう」なんて、見事なものだ。
芸達者な二人を、またカルロスがこれしかないような弾むテンポで支える。

そして、ルチア・ポップ!
彼女はいつだって最高。このLPでも最高のアデーレを演じている。可愛らしく、美しく、知性的で、チョイと蠱惑的で(アイゼンシュタインのような中年オヤジにはイジワルだったりして・・・)、もう言葉を失う素晴らしさ。ホンマにエエ声やなぁ、うっとりするなぁ。

ユリア・ヴァラディもルネ・コロも、十分に実力発揮してます。
ラスト(2枚目のB面)なんか、聴きどころ満載のまま終幕。

指揮は最高、キャストも万全。
いまだ最高の「こうもり」だと思います。
こんな素敵な演奏を聴いて、新春を慶賀しております。

そんなに大きな仕合わせは望んでません。
良い音楽を聴けるささやかな幸福に今年も恵まれますよう。

大晦日に息子三人と麻雀に興じて、更新が遅くなりました。
明日から、早朝更新に戻ります。
しかし、それにしても若い者は麻雀が弱いっ!鍛え方が足らんぞ(笑)
2006/12/31のBlog
今年も残すところあと一日。大晦日です。
大掃除疲れの私であります。いやはや何とも・・・・。

年末になると、レコードアカデミー賞が気になるものでした。
「でした」と過去形で書くのは、『レコード芸術』誌を買わなくなってから新譜情報が分からず、最近はとんと関心がなくなってしまったからです。
それでも『レコ芸』1月号は買います。レコード・イヤーブックが欲しいから。あれは、データ・ベースとして助かります。僕がクラシック音楽を聴き始めた1981年度版からですから、もう長くなりました。

で、結局今年はカイルベルトの「ニーベルングの指環」だったようです。「新譜」とはいえ、まあ、何とも古い演奏が大賞を受賞したもんです。これも、まともな新譜がないクラシックCD界の惨状を物語っていそうです・・・。

そこで、僕のレコードアカデミー賞を(^-^)。
なお、以下の駄文は、林 侘助。さんのホームページ【♪KechiKechi Classics♪ 】に投稿したものです。

*****************************************************************
<【♪ KechiKechi Classics ♪】2006年勝手に各自アカデミー賞>
今年も沢山CDを買いました。よく聴きました。相も変わらず、メジャー・レーベル系、ミーハーなCDばかり聴いていたような気がします。

◎第1位 モーツァルト
今年はモーツァルト・イヤーでした。ですから、モーツァルトに1位をあげます。
ホンマに夥しいCDが発売されたように思います。その中で特に良かったのはBrilliantのモーツァルト大全集170枚組15,000円。こんな安くてエエんだろうかと、有り難い時代に生きていることを実感しました。
ピアノ協奏曲にピアノソナタがエエです。またセレナード集なども実に味わい深い演奏で、この一年、楽しませてもらいました。
私は四国の田舎者ゆえ、都会でのラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 「熱狂の日」などの羨ましいばかりの喧噪には無縁でありましたが、「モーツァルトを聴ける幸福」は、何物にも代え難いものでした。

◎第2位 ヘルベルト・フォン・カラヤン
今年はカラヤンを沢山聴きました。
きっかけは、カラヤン指揮のEMI盤モーツァルト管楽器協奏曲集のダブり買いのダブり買い(つまりトリプル買い!)
まあ悔しいわ、腹立たしいわ、自分の忘れっぽさにガッカリしたこともあって、とことん聴いたろうわいと思い、カラヤンの世界にハマっていきました。新しく買ったものはないんですが、改めて家にあるカラヤンのCDを随分聴き直しました。
妖艶でゴージャス、豪華絢爛、華麗壮大、派手な化粧でケバいオネエちゃん、かと思えば、高級クラブのしっとり美人マダムでもあって、しかも徹底的に聴かせ上手、お話し上手。いやはや、やっぱり大したもんだわいと思います。

◎第3位 「のだめカンタービレ」
コミックスも面白かったんですが、ドラマも最高に面白く楽しめました。音大生の青春群像、テレビの画面で若さがはじけます。これだけ楽しく面白くクラシック音楽を扱ったドラマは初めてでしょう。ミーハーな私は、とうとう月曜は早帰り、9時には自宅でドラマを見る人間になってしまいました。BGMの使い方もなかなかの選曲、ニヤニヤしながら見ておりました。
ホンマ、若いってエエですね。エネルギーをもらいました。

う~む。やはりミーハーですな。スンマセン。
でも、今年もいい年でした。こうして音楽を聴ける幸福を大切にしたいもんです。

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そして今、僕が聴いている音楽は、ベートーヴェンの「田園」。
田舎の風景には、のんびりとした第2楽章や終楽章が似合います。
演奏はカラヤンの1970年代盤で。先日入手した「Deutsche Grammophon The Best 1000 」シリーズからの1枚。ジャケットが昔のまま、つい懐かしくなって・・・・。
このレコードを買ったのはレコードイヤーブックの1981年度版を貪るように読んでいた頃でありました。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。
この一年、お読みいただき、コメントを頂き、トラックバックを頂戴し、本当にありがとうございました。とてもうれしく思いました。
初めての方も、どうぞコメントをお願いします。素人ブログですが、昔も今も、クラシック音楽が好きです。
2006/12/30のBlog
寒波襲来。
四国山系に初雪。石鎚山も頂上部が雪化粧。冬らしくなりました。

さて、今年も残すところあと2日。押し詰まりました。
今のうちに、つまり今年であるうちに、第九を聴いておこうと思います。
では・・・・・。

ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調 作品125 「合唱」。
クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィル・ウィーン国立歌劇場合唱団の演奏。
ガブリエラ・ベニャチコヴァー(ソプラノ)
エスタ・ヴィンベルイ(テノール)
ヘルマン・プライ(バリトン)
マルヤーナ・リポフシェク(アルト) の独唱。
1986年5月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。ライナーには<ライヴ・レコーディング>と記してあるが、聴衆がいる様子はない。バーンスタインが当時盛んに行っていたやり方の<ライヴ>だろうと思う。

第1楽章の冒頭、ピアニシモからフォルテの爆発まで、ダイナミック・レンジが広い。録音良好だ。アバドらしい繊細で精妙な演奏だが、フォルテの迫力は十分。ただ、それまでの第九演奏に比べると、このアバド/VPOの演奏はやや軽く感じられたことを思い出す。
テンポは初めのうちはゆったりとしているのだが、徐々に速くなって熱を帯びてくる。ウィーン・フィルは、さすがにスマート。アバドの棒にしなやかな反応を示している。

第2楽章も力強さとしなやかさを兼ね備えた演奏。ウィーン・フィルの弦が輝かしく、また潤いもあって美しい。アバドの演奏はデリカシーに富んでいて、精妙そのもの。ただ、その分、スケルツォ裸子荒々しさに欠けるかな。でも、美しいことこの上ないしなぁ。

第3楽章アダージョ・モルト・エ・カンタービレ。たっぷりとしたテンポ。ゆっくりした足取りで進んでゆく。フレージングも息が長く、まさにカンタービレ、実によく歌う演奏になっている。アバドの爽やかな歌。イタリア人気質の歌。
第4楽章の前に、すでにこの楽章が、美しい歌に満ちている。ベートーヴェン晩年の至高の歌だと思う。

終楽章は4人の独唱と合唱が一体となった祝典的なフィナーレ。
特にイイと思うのは、バリトンのプライ。ホンマにエエ声している。アバドとはロッシーニ歌劇の録音で馴染みの仲。ここでも素晴らしい歌唱。プライの第九は珍しいんじゃないかと思う。
ラストの合唱が美しい。
ああ、年の瀬に聴く「合唱」はやっぱりエエもんです。

今年もいろいろなことがありました。
こうして、落ち着いて年の瀬を迎えられる幸福。有り難いことです。


さて、第九は沢山聴いてきました。自己リンクであります。

■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレのライヴ盤

■ワルター/コロンビア交響楽団

■ベーム/ウィーン・フィル

■ショルティ/シカゴ交響楽団

■バーンスタインの「自由の第九」

■サイモン・ラトル/ウィーン・フィル

■カラヤン/ベルリン・フィル(デジタル録音)

■ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管(ライヴ)
2006/12/29のBlog
今日から年末年始の休暇に入りました。
久しぶりにまとまった休みが取れそうなので、大喜び・・・・しているのは細君であって、大晦日まではワタクシ、家庭での業務命令が沢山(^^ゞ。
窓拭きに餅つき、庭の手入れに車の掃除、注連飾り準備と・・・・
「あとは何じゃ?」・・・・・・今日から3日間は細君とこの言葉を何度も交わすことになります・・・・・ゴロゴロしてクラシック音楽を聴いてはおれんようです・・・・・ガハハ。

さて、今日は久しぶりにブルックナーの大曲をいきます。

ブルックナーの交響曲第8番ハ短調。
ジュゼッペ・シノーポリ指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1994年12月、ドレスデンのルカ教会での録音。DG盤。
楽譜はノヴァーク版を使用している。

シノーポリのブル8は、圧倒的な音響。巨大な音楽。
テンポは中庸で、あまり緩急をつけずに淡々と進んでゆく感じなのだが、だからこそ、この大曲の全貌がよく見通せる演奏となっている。

第1楽章から、あまり勿体ぶらずに、現代的なブルックナーを聴かせてくれる。伝統的な様式とは無縁。醒めたところもある。
録音は抜群で、素晴らしいオーケストラ音楽が聴ける。さすがルカ教会。
ただ、DG録音の場合、他のレーベルよりも設置するマイクが楽器に近いのか、ドレスデン・シュターツカペレが、華やかで明るい音になる。奥行き・高さ・左右の広がりは申し分なく、両翼配置のヴァイオリンも効果バツグン。

第2楽章が、推進力にあふれ、光彩陸離たる名演。
全体を通して聴いたあとに思ったのだが、この楽章のように変化に富んだ音楽の方が、シノーポリの体質に合うんじゃないかと思う。
この楽章だけは、緩急あり、タメもあり、ケレン味たっぷりの指揮ぶり。
中ほどで出てくるハープ、右のスピーカーから流れ出すのだが、これが全く美しい。これだけ綺麗なハープ、そうはないんじゃないか。
楽器のバランスも良く、ルカ教会いっぱいに広がるオーケストラが心地よい。素晴らしい音楽だと思う。

そして白眉の第3楽章アダージョ。
聴き手の心が少々汚れていても、浄化されてしまいそうな音楽。魂の、これは音楽だろう。ドレスデン・シュターツカペレの響きも最高だし、テンポもゆったりとして、心豊かに包まれてゆく。身を浸す快感。
特に素晴らしいのは弦楽セクションの味わい。チェロやコンバスの深々とした、厚みのある豊かな響きは特筆もの。

終楽章は、オーケストラ音楽の総決算のような音楽。
豪放豪快にオケは鳴り渡るが、シノーポリはしっかりと手綱をさばいて、奔馬にならぬよう注意深く進めている。このあたり、職人肌を感じる。


ブルックナーの第八。
これこそ、ブルックナー最高の傑作と思います。
(と云いつつ、7番を聴けば7番が最高だと思い、9番がやはり代表作かとも思い、ロマンティックだって捨てがたい・・・・・と感ずるワタシは浮気者ですが(^^ゞ)
2006/12/28のBlog
穏やかな冬の日でした。
さて、仕事納めです。息子たちも高校の冬季補習も今日まで。
大阪の長男も帰ってきましたので、明日から年越しの準備でもしましょう。

さて、今日はエルガーのチェロ協奏曲ホ短調 作品85。
ジャクリーヌ・デュ・プレのチェロ独奏、ジョン・バルビローリ指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1965年8月、デュ・プレ20歳の録音。

デュ・プレの哀しく、情念のこもったチェロを何にたとえよう?

第1楽章など、悲痛な叫び声。魂のきしむ音が聞こえてくる。
朗々と響くチェロの歌の中から、哀しみが溢れ出てくる。

第2楽章は哀しみの間奏曲。

第3楽章のアダージョは、エレジーそのもの。
よく歌い、よく鳴るデュ・プレのチェロが全く素晴らしい。スケールも雄大で、一杯になった感情がこぼれてくる。
バルビローリは、若いデュ・プレをしっかりとサポートしつつ、惻々とした情感を伝える。涙こそ見せないが、後ろ姿で泣いているような風情がたまらない。

そして、終楽章に入ると、管弦楽の豊かな伴奏を相手に一歩も引かないチェロが凄まじい。圧倒的な力、迸る感情。これ、ホンマに二十歳の乙女の演奏かいな。
たった一挺のチェロで、オケ全体を睥睨し、ひれ伏せさせるような強烈さ。
むせび泣き、すすり泣き。湿度の高い演奏。

デュ・プレは、多発性硬化症で若くして他界した名演奏家。
最初は取っつきにくいエルガーの晩年の大作だが、デュ・プレで聴くと、心にジンと響いてくる。凄いチェロやなぁ。

この人、長生きしたかっただろうなぁ・・・。
もう少し長生きさせたかったなぁ・・・・・。
もう少し元気で生きていたら、どんな演奏をしたんじゃろうなぁ・・・・。

そんなことを思って聴いておりました。
2006/12/27のBlog
今年も押し詰まってきました。サボっいてた年賀状をようやく書き始めました。
年賀状を書いていると、年の瀬を実感します。
第九の季節ですね。今日は第九を聴きましょう。

取り出したのは・・・・・。ブロムシュテット盤でした。

ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調 作品125 「合唱」。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
録音は1985年3月30・31日の両日。
これは、第2次大戦末期の1945年に英軍の空襲によって破壊されたドレスデンのゼンパー・オパーが、戦後40年を経て再建されたのを記念した演奏会のライヴ盤。いわゆる、こけら落としの演奏。


もう第1楽章の冒頭から、演奏者たちの思い入れが感じられる、やるき満々、熱気十分の演奏。
祝典的なこの曲にふさわしく、活気ある出だし。オーケストラも意欲に溢れ、金管などバリバリ吹いているのが気持ちよい。尤も、そこはドレスデン・シュターツカペレ、音が突出することはなく、まろやかな響き・素晴らしい融け合いで聴き手に迫ってくる。
テンポは速めで元気一杯。ブロムシュテットの「第九」には、全集のスタジオ録音盤もあってイイ演奏だったが、勢いではこちらライヴ盤が上だろう。
ピアニシモのところでは、ピリピリした空気が伝わってきて、緊張感が何とも云えない。
第2楽章は、ふくよかなアンサンブルが素晴らしい。綺麗やなぁ。よく揃って、しかも響きは甘い水蜜桃のよう。潤いがあって、まろやかで、口に含むと爽やかな甘さが広がる・・・・・。
この楽章、ティンパニがイイ。ガシガシ叩いている。ベートーヴェンの祝祭曲だし、こけら落としのお祝いだもの、このくらいやってくれにゃ。
ブロムシュテットのテンポは中庸で、音楽の運びは端正なもの。弦楽器の刻みが精確で、よくコントロールされている。

第3楽章は美しいアダージョ。真摯で誠実、心洗われる想い。木管の優しい音色に、程良くブレンドされたストリングスの響きがまたイイ。
過去をゆっくり振り返りながら、思いをめぐらしているかのよう。聴いていると、こちらも感情移入してしまい、目頭が熱くなってくる。辛かったことも、嬉しかったことも、過去には沢山ある。みんな、ホンマに人生色々たったろう。そんなことを想いつつ、演奏している感じ。
思いを込めて存分に歌うヴァイオリン群のしなやかさ。絶品。

終楽章は大迫力の冒頭から、熱く激しい演奏。ティンパニの強打が凄まじい。
そして、喜びの歌は、この会場に集った人々の歓喜の歌。素晴らしい「歌」。
声楽が登場すると、さらに立派な演奏になってゆく。
テノールは、ライナー・ゴルトベルク。朗々とした声が気持ちよい。バスのカール・ハインツ・シュトゥリチェクは渋く落ち着いた声。これもエエ声だと思う。
女声陣はソプラノにエディット・ヴィーンズ、アルトにウテ・ワルター。4人のアンサンブルは、ライヴにしては上々だと思う。
それ以上に素晴らしいのは合唱団の熱気。巧いだの下手だのを越えて、圧倒的な声量と熱気で歌いきってしまう。
その迫力、その悦び。
ああ、この交響曲は、こんなに楽しく歌える交響曲なんだと感じ入った次第。


録音は普通の出来。ライヴ盤ですし、ふだんのルカ教会ではないので、響きが少し違います。
でも、この演奏は熱いです。大変に熱いです。
人間の情熱を感じる「第九」でありました。
2006/12/26のBlog
TVドラマ「のだめカンタービレ」、終わってしまいました。若さがはじける青春群像・・・良かったですね。最終回はサントリー・ホール!筋立ては、今までの登場人物が一堂に会するいかにも最終回的なものでしたが、笑いと涙の物語でありました。
クラシック音楽をここまで正面から扱ったドラマは初めて。楽しませてもらいました。

ところで、昨日の続きのお話であります。

結局、三男坊はピアノの先生から「Piano」という雑誌を借りてきて、「のだめカンタービレ」のテーマになったベートーヴェンの交響曲第7番を弾くことにしたと云います。なるほど、このごろはこんな雑誌もあるんかい。ピアノの先生も、音楽雑誌も、それなにり流行を押さえている訳か。
早速弾いてみると息子はピアノに向かうと、これがなかなかよろしい。イイ編曲だ。楽しいわなぁ。

しかし、息子よ、それならリスト編曲の方がもっとカッコイイぞ。

というわけで、今日はリスト編曲版で。
ベートーヴェン(リスト編曲)の交響曲第7番イ長調。
シプリアン・カツァリスのピアノ独奏。
1984年8月、ベルリンでの録音。TELDEC原盤のベートーヴェン全集からの1枚。

第1楽章の序奏部はものものしく重いが、「のだめ」主題歌部分になると、流麗で心地よいピアニズムを楽しめる。旋律も明るく、もう。ノリノリの音楽。確かに、これ主題歌にうってつけ、元気が出て明朗この上ない曲だなぁと思う。
カツァリスのピアノはテクニック抜群、唖然とするほど巧い。

第2楽章が素晴らしい。もともと歌謡性の濃い音楽だと思うが、カツァリスのピアノがよく歌い、悲痛な挽歌になっている。特に高音の美しさ・輝かしさは特筆もの。素晴らしい。こんな演奏で聴いていると、本来ピアノのために書かれた音楽かと思えるほど。リストの編曲もよく出来ているのだろうが、カツァリスのテクニック・音楽性が素晴らしいのだろう。

第3楽章、これはもう立派なピアノ音楽であって、スケルツォが気持ちよい舞曲になっている。カツァリスのピアノがカツンカツンと短く硬質な音になっていて、リズム感がよく切れ味抜群。流麗さよりも、叩きつける迫力が気持ちよい。打鍵の強烈さを楽しんでいる感じ。そして、グリッサンドの輝かしさ!カツァリスの胸のすくような演奏を楽しめる。
アタッカで終楽章へ。
ピアノの燦めき、低音の強烈なリズム。推進力抜群のテンポ。いや、全く気持ちいい演奏。まさに、カツァリスの云う「リスト編曲版は、ベートーヴェンのスーパー・ソナタ」になっている。
ラストに向かって、まるでジェットコースターに乗っているかのような感じ。スゴイ技巧、超絶技巧だなこりゃ。気分爽快、聴き手は興奮状態。

いやぁ、ベートーヴェンってホンマにエエですね。
三男坊が早速このCDを持って行きました。カツァリスほどカッコ良くは弾けないだろうが、まあ頑張ってみるんじゃな。
2006/12/25のBlog
今日はシューベルトです。

先日のピアノ教室の発表会で(於:愛媛県立科学博物館)無事に悲愴ソナタを演奏し終えた三男坊でありますが、今度は何を弾こうかというので、
「シューベルトなんかどうや?・・・ほれ、「のだめカンタービレ」で、のだめちゃんが、ハリセンの家に合宿してコンクールに向けた練習に励んだ曲や。一次予選通過のシューベルトのピアノソナタ第16番じゃ。どうでぇ?」
「じゃ、聴かせて」というので、久しぶりに取り出した訳であります。LP盤。

シューベルトのピアノソナタ第16番イ短調 D.845 (作品42)。
ラドウ・ルプーのピアノ独奏。
1979年1月29~30日、ロンドンのキングズウェイホールでの録音。DECCA盤。

ルプーのシューベルトは、若い頃、20代の頃、繰り返し聴いたものだった。
ボクにとってのシューベルトのピアノ曲は、ブレンデルとこのルプーの演奏であって、(即興曲集にはエッシェンバッハの驚くべき演奏もあるが)、だいたいこの二人の演奏を聴いていると満足できたものだった。LPも随分買い込んだなぁ。

特にこのLPは、キングの最終プレス盤で、音が良かった。DECCAの版権がキングから新しく創立されたロンドン・レコードに移ってから、レコード盤が薄っぺらくなって、音が悪くなったと思う。カッティングなども、明らかにキング時代の方が良かった。
(CD時代になった今も、キングの音は良いと思う。多分、マスタリングや製盤技術が良いんだろう・・・・)

さて、ルプーの演奏は天衣無縫、抒情派ピアニストの本領発揮、ニュアンスに満ちて、デリカシーあふれる名演と思う。

第1楽章の、軍隊マーチ調になりやすい第一主題、ルプーが弾くと、内面にどんどん沈潜してゆく美しい旋律になるし、様々に姿を変えて聴き手の前に現れてくる。
しかもロマンが一杯。ああ、シューベルトはロマン派の作曲家なんだと実感させてくれる。

第2楽章はアンダンテ・ポコ・モッソ。可愛らしい変奏曲だが、ルプーの強弱のニュアンスは実にセンスがイイ。各変奏の対比も見事なもので、愛らしいこの楽章の彫りが一層深くなる感じ。

第3楽章スケルツォ、終楽章ロンドはいずれもアレグロ・ヴィヴァーチェ。躍動する舞曲とフィナーレが続く。
聴きどころはルプーの弱音。とにかく綺麗で、柔和に光る朝の陽射しのよう。新鮮で静謐、少し濡れたようなピアノの音色が美しく、ため息が出る。高音のヌケの良さ。フォルテでの音の確かさ。端正で実にカッコイイ。
そういえば、ルプーのピアノにはフォルティシモがない。どんなに強く激しく弾いても、その音量はフォルテくらい。独特のダイナミズムの中から、抒情が香り立つ。

さて、三男坊はどう云うかな・・・・・これ、のだめちゃんがコンクールで弾くくらいだから、難しい曲なんだろうね。
2006/12/24のBlog
皆さん、メリー・クリスマス!

・・・・・と云いつつも、ワタクシ及び我が家は真言宗であって、キリスト教には縁なき衆生でありますが、クリスマスはもはや日本の年中行事ですから、昨日の「冬至は柚子湯に南瓜」のように、今日はクリスマス・イヴを楽しむつもりです。
(四国は弘法大師誕生の地、「南無大師遍照金剛」や「弟子某甲尽未来際 帰依仏 帰依法 帰依僧」が、我が家の本来の得意種目でありますが・・・・・(^^ゞ)

という訳で、クリスマスの音楽を。

チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」 作品71a。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1961年、ウィーン・ソフィエンザールでの録音、DECCA盤。

クリスマスには、やはりこの曲を聴きたいものだ。
カラヤン/BPOのコンビでは、シンフォニックでスケール豊かな演奏を聴かせてくれるのだが、ウィーン・フィルの輝かしくしなやかな弦楽合奏が聴けるこの盤の価値は不滅じゃないかな、と思う。

カラヤンはこんな小曲でも手を抜かず、とても楽しく面白く、そして美しく磨き上げて聴かせてくれる。一級品の音楽に仕上げてしまう。まこと、オーケストラ音楽最高のシェフだった。
例えば小序曲や行進曲が美麗なまでに品が良く、角張ったところがなく、何とも滑らかで心地よい音楽になっている。これから始まる楽しいバレエ音楽にワクワクしてくる。

DECCAの録音も素晴らしい。これが45年も前の録音か?
耳を疑うばかりの鮮烈な録音、今も十分にすがすがしく美しい。
各楽器の艶やかさ、ニュアンスが薫ってくるような響き、オケの左右の広がり・高さ、そして伸びやかな音がつくり出すスケール感・・・・・これが「45年物」とは、恐るべし、DECCA録音陣。

「アラビアの踊り」や「あし笛の踊り」で聴ける木管群の巧さと美しさ。この味わいと響きと上品さとあでやかさ・・・・なかなか聴けないと思う。

そして「花のワルツ」。
ゴージャスで麗しさを極める管弦楽。これを聴くと、チャイコフスキーの作曲家としての本領は、バレエ音楽にあったんだなぁと思う。
交響曲も管弦楽曲も、協奏曲も、チャイコフスキーの作品は大好きだが、彼の心からの声は、バレエ音楽にこそ聴けるんじゃないかと思う。

今日は、「ハタダ菓子舗」に頼んでいたクリスマスケーキを食べながら、音楽を楽しみましょう。今年はガトー・ショコラであります。
昨日はご近所アオキスポーツのバーゲンで、MIZUNOの靴を三足。ウォーキング・タイプの通勤靴にジョギング・シューズを2足。ついでにK’sデンキで250GBの激安外付けHDを購入。ボーナスの散財は以上終了。
2006/12/23のBlog
ゆず湯に入りました。カボチャも喰いました。
冬至でありました。

柚子の香り、南瓜の甘さ。田舎で暮らしていると、季節の移ろいが楽しいもんです。
柚子も南瓜も地元産、その辺で穫れたものです。さて、年の瀬。そろそろ年越しの準備をしなくちゃイケマセンな。

さて、今日はメンデルスゾーンを。
爽やかなシンフォニーであります。

メンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調作品90「イタリア」。
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮ウィーン・フィルの演奏。
1978年12月、ウィーンのソフィエンザールでの録音。DECCA盤。
これは、DECCAの最初期のデジタル録音盤だったはず。
カップリングは定番の「スコットランド」と「フィンガルの洞窟」。

今年の12月は雨の多い月だった。どんよりとした曇り空が続いて、寒くはないのだが、気分がめいってくるような日々だった。仕事が忙しく(ふだんの倍だった)、休む間もなかったので余計にしんどかった・・・。

そういえば今日は午後から久しぶりの快晴。スコーンと抜けた青空。気温は下がっているが、こういう晴れの日は気分が良いもんです。
ドイツ生まれのメンデルスゾーンが見たイタリアの青空も、こんな空だったか。

ドホナーニは明晰でクール、克明な演奏をさせる指揮者だと思う。
カチッとシャープで、ステージの隅々まで隈無く見通せるクリアな音楽が身上の人だと思う。
感情的なもの、情念とか抒情とか、そういうものを重んずるよりは、ひたすら楽譜・作曲者に忠実で、音楽そのものに奉仕するようなタイプ。
できあがる音楽は、表面はサラッとしていて飾り気があまりない。男っぽい感じ。女々しさなどクソクラエ。背筋がしゃんと伸びた音楽。涙を流すなら後ろ向きで、男だったら背中で泣け・・・ってな音楽。

この「イタリア」も、そんなドホナーニに合った、カラッとした音楽になっている。ドホナーニ向きだと思う。

もっとも、このCDはそれだけじゃない。オケが何しろウィーン・フィルだから。
メンデルスゾーンの交響曲をウィーン・フィルが録音しているのは貴重。シューマンやブラームスの録音は山ほどあるが、メンデルスゾーンはあまりないぞい。稀少だけに貴重。
弦がふっくらとして輝いているのは、さすがにいつものウィーン・フィルらしい演奏。
穏やかで丸みを帯びているのがイイ。

ドホナーニはシャープな音楽づくりを指向しているのだが、オケがウィーン・フィルなので、そこに独自に艶やかさ・柔らかさが加わって、非常に味わい深い演奏になっている。一言、面白い。

第1楽章のグイグイ盛り上がりながら、(ドホナーニが盛り上げてゆくのだが)、フワッとした柔らかさが聴けるところ。
終楽章も同じ感じ、ドホナーニの克明で格調高い、男臭いフィナーレに、ウィーン・フィルの丸みが加わって、得も言われぬ味。

楽しい演奏でありました。
こういう「イタリア」もエエですな。

ところで、「ウィーン・フィル」はVPOと略してきたんですが、この頃はWphだったですかね、そんな略称も使われてるんですな。どっちがエエんでしょう。
(どっちでもエエやん・・・・と云われそうですが・・・・・)
2006/12/22のBlog
愛媛の公立高校は冬休みに入りました。
尤も、冬季補習があるので、息子どもはいつも通り登校しております。受験生の次男坊は理系希望、センター試験の演習をブツブツ云いながらやっておりますな。そして、今年は未履修問題が追い打ち、これに「世界史A」の補習が加わるとのこと。
大変やなぁと思っていると、これが実は面白いと次男は云います。今日は十字軍、この間はアメリカ独立、ナポレオンも面白かったし、産業革命はやっぱりスゴイや・・・・・と云ってます。受験直前でクソ忙しい時に、いや、そんな時だからこそと云うべきか。・・・・・・今日も受験に関係のない世界史の講義を楽しみに登校するんでしょう。面白いもんです。でも、その気持ちはよう分かるなぁ。

さて、今日は冷涼で爽やかな協奏曲を。

グリーグのピアノ協奏曲イ短調 作品16。
ジャン=マルク・ルイサダのピアノ独奏、マイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1993年5月、ロンドンのアビーロード・スタジオでの録音。DG盤。

ルイサダは1985年のショパン・コンクール第5位入賞のピアニスト。
あのときの優勝は、ブーニンだった・・・・もう20年にもなるのか・・・・。月日の経過は早いもんだと、つくづく思う。

ルイサダのピアノは音がとても綺麗。繊細な美しさと燦めくような光が、演奏の端々から伝わってくる。
特に高音。硬質でキラキラしている。フランスパンがはじけるような、軽やかで華やかな音が特徴と思う。

グリーグのピアノ協奏曲は、作曲家25歳の時の作品。憂愁を帯びた甘いメロディと鮮烈なリリシズムが印象的。青春の音楽であるとともに、北欧のロマン溢れる名曲。
ドイツ・ロマン派の影響が強いとは思うが、やはりこの曲からは北欧の澄んだ空気、冷涼な空気が漂ってくる。

第2楽章の、弦楽の伴奏に導かれたルイサダのピアノの見事なこと。
透明で、はかなく涼やかな音色で、情緒タップリに弾いてゆく。
全く美しい。
テンポもゆったりとしていて、一音一音を慈しむような弾き方。そして、華やかでピアにスティックな高音が、響き渡ってゆく。
この演奏の白眉だった。

マイケル・ティルソン・トーマス/ロンドン響は、恰幅の良い伴奏。
フィナーレなどは堂々たる管弦楽で、スカッとするダイナミズム。

録音は、1990年代のDG録音らしく、我が家では少し乾き気味に響きます。
しっとり感よりもカラッとした肌触りが特徴の録音。音場も広く、ピアノの響きは見事に捉えられております。
欲を言えば、この曲ではもう少し「濡れた音」で聴いてみたかったですね。
ちょいと乾燥している感じの音でありました。好みの問題でしょうが。

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2006/12/21のBlog
アルフレート・クラウスの絶唱!
彼こそ最高のウェルテルだった・・・・・・・。

クリスマスが近づいて、四国の田舎町でもイルミネーションが光ります。
最近は家の廻りを飾るのが流行。夜になると綺麗な灯りが光る家が増えました。
朝ジョグが出来ないときに、夜ウォーキングをするんですが、今はその光が楽しいですな。ああ、クリスマスやなぁ。

こういう季節に聴きたいのがマスネの歌劇「ウェルテル」。
クリスマス・イヴの悲恋の名場面、名曲「オシアンの歌」があるからですね。

今日はEMI盤で。
アルフレード・クラウス(テノール)、タティアナ・トロヤノス(メゾ・ソプラノ)、ジュール・バスタン(バス)他の歌手たち。
そしてミッシェル・プラッソン指揮ロンドン・フィルの演奏。
録音は1979年。

最初に書いたように、この演奏はとにかく、アルフレード・クラウスに尽きる!
最高のウェルテル!

詩人ウェルテルのデリケートな感受性、傷つきやすい心情、青年の多感さ・・・・・・、クラウスの声は本当にふさわしいと思う。
全く若々しく高貴で、品格ある歌いぶり。
感情が内へとこもってゆくウェルテル。クラウスが歌うと、その心の中で燃えるような情熱が、品良く表現される。
彼の絶頂期の録音だろう。

「オシアンの歌」など、古今無双、比類なき名唱(・・・と絶賛してしまおう)

この演奏が録音された1980年前後には、カレーラスもドミンゴもウェルテルを歌っている。指揮はデイヴィスにシャイー。当時「ウェルテル」ブームだったとは思わないが、この2つもいずれ劣らぬ名盤だろう。
カレーラスはナイーブなウェルテルで良かったのだが、品格と高貴さでクラウスにやや劣る。(でも情熱的で知性的なカレーラス、ボクは好きです・・・・)
ドミンゴも巧いけれど、やはり彼はオテロやラダメスを歌うヒロイックな人だろう。

クラウスの名唱にはさすがに及ばない。

シャルロットのトロヤノスも健闘。美しい歌唱で、クラウスの相手として十分。
(本当はフレデリカ・フォン・シュターデがエエんだがなぁ・・・これデイヴィス盤)

プラッソンも上品な指揮で、繊細で美しい旋律が一杯のこのオペラを、うまくまとめてゆく。やや淡い色彩で、ニュアンスに富んだ演奏はとても好ましい。

録音も1970年代末のEMI、なかなかよろしい。
でも、録音なんて実はどうでもエエんです。
これほどの、クラウスの名唱、絶唱を聴けるだけで至福の境地。
何度でも、彼の歌に酔いたいと思います。

そして、街はいよいよ年の瀬、クリスマスであります。