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クラシック音楽のひとりごと
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2007/01/24のBlog
暖冬だそうです。雪が降らない、雪がない・・・・。
四国はもともと殆ど雪が降らない土地柄なのでピンと来ませんが、確かにこの数日もヌクいですな。
この調子で、夏も暑かったら大変に困るように思うんですが。う~む。

さて、今日の音楽はベルリオーズです。
狂気の音楽。
でも、今日の演奏はあまり狂っていないです。エレガントな狂気とでも云いますか・・・・。

では。

ベルリオーズの幻想交響曲 作品14a。
シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団の演奏。
1984年5月、モントリオールの聖コスタッシュ教会での録音。DECCA原盤。

磨きに磨き上げた美音の連続。
実に耽美的な演奏で、出てくる音が全て美しいので、聴いているうちに感覚が麻痺してゆくような錯覚に陥る。あまりの美しさに、カラダ全体が蕩けてしまいそうな感じ。

そして、DECCAの極上録音が花を添える。教会での録音を生かして、奥行き・高さに優れ、残響も実に豊か。20年以上昔の録音とはとても思えない。現役バリバリの、素晴らしい録音。

グロテスクさは感じられない。「断頭台への行進」や「ワルプルギスの夜の夢」でも、実に美しい。オーケストラの迫力は十分だし、音響的な快感があるのだが、それがとても美麗で、怪しげなところやドロドロしたところがない。音楽のフォルムはラストまで崩れず(いや、後半からラストに至るほど音楽がキリッとしてくる感じ)、スタイリッシュでカッコイイのがデュトワ流なのだ。
終楽章の、例の骸骨の踊りのようなコル・レーニョの部分でさえ、不気味さがなく、整然とした感じ。これ、稀有の個性。デュトワはカッコイイのだ。

モントリオール響のアンサンブルはほぼ完璧。フランス的に洗練されたとでも云うべきか、明るく爽やかで、とてもカラフルなオーケストラ。
第1楽章の「夢と情熱」など、エレガントで、深窓のご令嬢の登場といった感じ。上品な演奏で、響きも実に優美。情熱的というよりは、クールな感じさえする。

第2・第3楽章ではベルリオーズのオーケストレーションの妙味が、モントリオール響の好演で、存分に発揮されている。ワルツなど実にクリアな響きで、夾雑物なし、一点の濁りもない音。こういう響きこそ、デュトワが望んだところだろう。
全体的なスタイルはオーソドックス。そして、音楽の運びは実にクリアでクールでシャープ。名演奏と思う。

発売は昭和60年。
この年のレコードアカデミー賞録音賞受賞の名演盤。
懐かしくなってしまいましたが、今も十分に現役盤でしょう。

※幻想交響曲も沢山聴いてきました(自己リンクです)
○デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
○ハイティンク/ウィーン・フィル
○チョン・ミュンフン/パリ・バスティーユ管
○カラヤン/ベルリン・フィル(1964年盤)
○アバド/シカゴ響
○ブーレーズ/クリーヴランド管



次男坊のセンター試験も無事に終了。地理Bと物理が少し難しかったようです。
英数は簡単、国語と化学はあんなものだろうとは次男の弁。偉そうに・・・と思いつつも、まあほどほどだったようで。
2007/01/23のBlog
昨日はDoblogの不調で、記事投稿等の更新動作が不能状態でした。
昼頃に復旧したらしいですな。ここDoblogは、時々そういうことがあります。

何度でもボクは云いますが、タダで使わせてもらって、楽しく遊ばせてもらって、ホンマに有り難いと思っとります。Doblogの維持管理、大変だと思うんですが、「儲け」につながってるんでしょうかね?企業活動なので、利益が出ないとしょうもないと思うんですが、さて、どんなになってるんやろか・・・・・タダ使いのボクは心配しとります。


閑話休題、今日はLPレコードを聴いています。

J・S・バッハの管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067。
ラ・プティット・バンドの演奏。
コンサートマスターがシギスヴァルト・クイケン。フラウト・トラヴェルソ独奏はバルトルド・クイケン。
1981年9月、ドイツ南西部、シュライデンのシュロス教会での録音。
独ハルモニア・ムンディの原盤。LPには独ELECTROLA発売とある輸入盤。

このレコードを初めて聴いたときには、独特のアーティキュレーションやフレージングに戸惑ったものだった。何となくぶつ切りの音楽に聞こえて、新時代、オリジナル楽器の演奏とはこんなものかと、少々ガッカリした記憶がある。
当時、世はオリジナル楽器がいよいよ盛期を迎えようとしていた頃。次々と古楽器アンサンブルが結成され、バッハやヘンデルの大御所からバロック音楽を見直そうとする動きが活発だった。
僕はコレギウム・アウレウム合奏団でオリジナル楽器に親しんでいて、その柔らかく素朴でひなびた響きの魅力に惚れ込んでいたので、ラ・プティット・バンドなどを初めとした新世代の古楽器演奏は、何とも素っ気なく、味わいのない演奏に思えたものだった。
いや、もう、とにかく沢山の古楽器団体がバッハを競って録音し、まさに百花繚乱というか、百家争鳴というか・・・・そんな状態だった。

さて、この演奏、今聴き直すと、非常に新鮮な名演。
フラウト・トラヴェルソのバルトルド・クイケンは、1980年代は絶好調、トラヴェルソ界のトップリーダーとして快走していた。(今もそうなのかな?)
自由闊達、緩急自在の演奏。しかも、即興的であって、今まさに音楽が生まれているような鮮烈さがある。取れたての新鮮野菜、泥つきのものをジャブジャブ洗って、そのまんま口にしたときの、青みがかった鮮烈な美味さ、とでも云おうか。爽快な名演。

シギスヴァルト・クイケン率いるラ・プティット・バンドも大変巧い。
精力的で活気あふれるバッハ。生きが良く、飛び跳ねているようなバッハ。これも爽快。
特にアンサンブルが抜群で、古楽器団体の合奏の精度がどんどん上昇してゆく時代の、象徴のような演奏。
(コレギウム・アウレウム合奏団なんか、結構ユルかったものね。でも、そのユルさが魅力でもあるんだが・・・・)

デジタル初期の録音。
オリジナル楽器の響きが、オンマイクで捉えられているので、初めて聴いたときに、ややキツいと感じたように思う。
しかし、やはりLPで聴くクラシック音楽は格別、独特の柔らかさ、トロッとした味わい、そしてふっくらとした教会録音特有の残響がエエです。

2007/01/21のBlog
大寒といいつつ、四国は春先のような暖かさ。
穏やかな陽気です。

さて今日は、ドヴォルザークのスラヴ舞曲全曲 作品46と72。
ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。
1985年3~4月、プラハの「芸術家の家」での録音。スプラフォン原盤で、DENON発売。

一聴、音が軽い感じ。
ホールや録音の状態のせいかなと思ったが、聴き続けていると、これ、チェコ・フィルの独特の弦の音だと分かった。
軽いのではなく、ストリングスが細くしなやかなのだ。音が薄いとか弱いとかではなくて、シルクタッチのヴァイオリン群が、よく伸びて揃っているから、「軽く」感じたのだな・・・・。
ドイツ的な重低音サウンドではなく、文字通り、スラヴの舞曲としての軽快さや素朴な爽やかさがよく出ている音なのだと思う。

どの曲もノイマン/チェコ・フィルの肌に染みついたような郷土の音楽であって、自分たちの音楽という自信と手堅さがうかがえる演奏。派手さはなく、堅実そのものの演奏で、しかも先に書いたような独特のしなやかな音響。細くよく伸びた弦、やや地味だがしっかり吹いている管楽器、どちらも音色はとても美しい。「燻し銀の響き」とはよく使う表現だが、こういう音のことを云うのかな。

抒情的で、郷愁を誘う旋律のオンパレード。屈指のメロディーメーカーであったドヴォルザークの本領発揮というか、彼の体臭がプンプン匂ってくる曲ばかり。
さて、この中からあえて挙げるとすれば・・・・・・。

第3番のポルカは軽やかなリズムに乗って踊り出したくなるような名曲。しかも旋律が哀愁漂う美しさ。

第4番と6番はソウセツカー。この全曲集の中では規模が大きく、6分かかる。スメタナの「モルダウ」を思わせるようなスケール感が魅力。

第10番マズルカはお馴染みの曲。大人気ドラマ「のだめカンタービレ」でも効果的に使われていた美しい曲。これはチェコ・フィルの弦が特に綺麗。ノイマンの指揮ぶりも、まさにお国もの。気持ちよく演奏しているのが伝わってくる。

先日の宴会、スナックで僕が歌った演歌のようなものか。(細川たかしを歌いました)
あれ、オジサンたちは「自然にコブシが回る」でしょ?・・・・あれと同じ感覚かなと云うと、ノイマン/チェコ・フィルに失礼かいな。。。(^^ゞ


2007/01/20のBlog
BISのシベリウス作品集を購入してから、この冬はシベリウスを沢山聴いてます。

今日は、シベリウスの交響曲第2番ニ長調 作品43。
パーヴォ・ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏。
1997年10月、オランダでの録音。Finlandia原盤。

僕にとってのシベリウスの交響曲第2番は、彼の代表作であって、クラシック音楽を聴き始めた頃から親しんできたもの。
作曲の時期は第1番とさほど離れていないらしいのだが、何となくチャイコフスキーっぽかったりドヴォルザークやブラームス的なところがある第1番に比べると、この第2番は純粋のシベリウス音楽になっているように思う。

ベルグルンド/ヨーロッパ室内管の演奏は、凍りつくような、クールで澄みきった響きが印象的。曖昧なものとか妥協とか、甘えとか、一切の余計なものを排して、徹底した純粋さを追求したような音楽になっている。
シベリウスを演奏するのに、余分なものは要らない、脂肪はどんどんそぎ落とせ・・・とでも云っているかのよう。ベルグルンドの指揮には、妙な思い入れや演出もないし、テンポも殆ど揺らさない。ひたすらシベリウスの音楽を忠実に再現したら、こういう贅肉のないスッキリした演奏になってしまった・・・という感じか。

第1楽章は北欧のヒンヤリとした空気の中にいるような音楽。透きとおったアンサンブルの美しさは弦楽合奏の極致かもしれない。オケはやや編成を大きくしているのか、室内オーケストラの薄い響きではない。ただ、アンサンブルがキッチリしているので、透徹した感じがする。非常に上手いオケだと思う。水が澄んでいるので、湖の底が見えてしまうような演奏とでも云おうか。

第2楽章の響きも渋い。派手にならず、北欧の自然をそのまま写し取って再現したような感じの、澄んだ響きが心地よい。ここでもオケの音響は混じりっ気なし、蒸留水のような透明感。すごいアンサンブルだと思う。ここまでやってしまって、ベルグルンドはこの先どうするのかと心配になるくらい。
管楽器も甘さを抑えて、やはりクール。テクニックは抜群と思う。この演奏は甘くロマンティックに響かせないところに特徴がある。

第3楽章はトゥッティのあとの静寂がスゴイ。こんな寂寥感は、ベルグルンド盤で初めて味わうもの。凄みのあるゲネラルパウゼ。
だから、その後の木管群の響きが哀愁に包まれて、大変に味わい深い。

フィナーレは音量も上がって強靱な合奏が聴ける。しかし、見通しの良い響きは相変わらず。金管も活躍するが、熱くなりすぎないのがシベリウス的でよい。
コーダでのクレッシェンドは圧巻。全ての楽器が実によく鳴っているとともに、ラストまでクールさを失わないのが素晴らしい。

録音はここ最近のものゆえ、極上であります。
ダイナミックレンジ広大、特にピアニシモが美しく、空気感がたまらないですな。
シベリウスの心の中、内的な風景まで聞こえてきそうな、澄んだ録音。


今日は土曜日。
今日からセンター試験であります。
次男坊は昨日から松山へ。道後に宿泊しております。
早速、道後温泉に入ったとか。イイ湯だったと・・・・。
センター試験が目的なのか、道後温泉が目的なのか・・・・・いやはや。
2007/01/19のBlog
今日は久しぶりにマーラーを。

交響曲第5番 嬰ハ短調。
エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団の演奏。
1986年1月、フランクフルトのアルテ・オーパーでの録音。
懐かしい録音。すでに20年前になってしまった。

細部まで克明に描き込まれて、考え抜かれたマーラー。

インバルのマーラーは、情念でドロドロにならない。端正でクール。リズムには少々粘りがあるが、音楽のフォルムは崩れない。知的で冷静、スッキリ系。そして、初めからラストまで聴き通したときの充実感も大きい。
ステージには大編成のオーケストラが乗っているはずなんだが、その隅々までよく「見える」ような演奏でもある。インバルのマーラー全集の中でも、この第5番は傑作だと思う。

最高レベルの録音の良さもあるのだろう。この5番も殆どワン・ポイント録音に近いもので、鑑賞する上で実に聴きやすいだけでなく、オーディオ的快感も得られる。(第4番はホンマのワン・ポイント録音だった)。

オケの技術も素晴らしい。ナマ演奏でも感動したが、トランペットは全く巧い。そして、ホルン!
第3楽章のホルンの朗々とした音。たっぷりとした響きが気持ちよい。
もちろん、他の金管も巧いし、アンサンブルもしっかりしていて、バランスも実にイイ。名人芸が随所に出ていると云うことでもないのだが、見事な「ホルン協奏曲」になっている。

第4楽章の静謐な抒情も美しい。
インバルはこの楽章もそうだが、全体的にゆったり目のテンポを採って、先を急がず、一つ一つの音符を克明になぞってゆく感じ。ルバートはないし、聴き手を驚かせる演出もない、ゆったりと淡々とした演奏なのだが、そこからにじみ出てくる情趣は、とても美しいものだ。感情的に激することはないのだが、伝わるものは大きい。
弦楽セクションも見事、ゆっくりとうねりながら、デリケートな演奏を展開している。


思えば、2000年11月に、愛媛県にインバル/フランクフルト放送交響楽団がやってきて、この5番を実演で聴いた感動・・・・忘れられません。

このCDで聴いていた印象と全く変わらない素晴らしさ。
金管が抜群に巧く、特にトランペットとホルンはラストまで全く破綻なく吹ききって、非常に安定感のある演奏ぶりだったことを思い出します。
ホンモノやなぁ・・・とつくづく思ったことでした。
2007/01/18のBlog
今日は爽快な音楽を。

ヴィヴァルディの協奏曲集「調和の幻想」作品3より。
イ・ムジチ合奏団の演奏。ロベルト・ミケルッチ(Vn)などの独奏。
1962年6月、スイスでの録音。

イ・ムジチ合奏団の演奏は明るく爽やか。
南国イタリアの青空を思わせるような気持ちよさ。朗らかで屈託のないところがとてもイイ。
考え事をしてそれが進まないとき、仕事で腹が立ってそのまま家路についたときなど、人生思うようにならないことが色々あるわけで、でもそういったときには、こんなバロック音楽、特にヴィヴァルディの明朗さとイ・ムジチ合奏団の楽観的な朗らかさは、実によろしい。薬よりも遙かによく効く。イ・ムジチ合奏団のスコーンと突き抜けるような弦楽合奏を聴くと、まったく心が洗われ、、胸がスーッとする。

このCDは、「調和の幻想」作品3のうち、6番と8~12番の6曲を収めたもの。
ヴィヴァルディやアルビノーニなどのバロック音楽の協奏曲集は、全曲盤を初めから順番に聴いていくより、こうした抜粋盤で聴いたり、何曲か気に入ったものだけをピックアップして聴いたりする方が、心がくつろいでエエようでありますな。

さて、演奏は当時のコンマス、ミケルッチの冴えたヴァイオリンを中心に、名手が揃っているし、アンサンブルも極上、何しろ音がとても綺麗。
古楽器に慣れた今の耳で聴くと、ヴァイオリンの音が肉太でコッテリした感じがする。ピリオド楽器やその奏法に比べて、このイ・ムジチ合奏団の演奏は、よく脂が乗ったステーキのような味わいかな。でも、本当にこれは「旨い」。

解釈も浪漫的なところもあって、懐かしいような、今だとかえって新鮮のような。
ワタクシのようなオジサンには、こんな演奏の方が有り難い。
落ち着きます。

録音はさすがに45年前。やや古ぼけてきました。
でも、イ・ムジチの明るい響きは堪能できます。
さすがはフィリップスです。

さて、仕事が忙しくなってきました。
しかし、ヤル気が出ません(^^ゞ。
気力が充実しないので、なかなか仕事がはかどりません。
体調は万全なんですが、どうも、気が進まない仕事がこの頃多くて困ります。
いや、単なる愚痴ですが・・・・・スンマセン。
2007/01/17のBlog
久しぶりの雨。ここのところ、晴天続きだったのでいいお湿り。
異常乾燥注意報がおさまるかな。

さて、今日はLPを取り出して。
キングの「Very Best Classic 2000」シリーズ。

昔はこういう定額の名曲シリーズをレコード各社が発売していたものです。
だいたい100枚。全部買えば、クラシック音楽の名曲の多くをカバーできますよ・・・・という感じで宣伝するんです。パンフレットもレコード屋に行くと沢山置いてありました。
CDに切り替わってもやっているようだから、これはレコード会社の常套手段だろうけれど、クラシック音楽を聴き始めた頃は、これが結構助かったんです。
(もっとも、ボクの嗜好は今もその定盤シリーズの域を出ていないんですが・・・・)

その中から。
ドヴォルザークの交響曲第9番ホ短調 作品95「新世界から」。
イシュトヴァン・ケルテス指揮ウィーン・フィルの演奏。
1960年の録音、DECCA原盤。ケルテスのデビュー盤(だったと思う)。

人口に膾炙した名盤。

第1楽章からダイナミックで情熱的、シャープで若々しく溌剌として鋭敏、男性的な音楽の運び。ケルテスの燃えたぎる若さが爆発、オケもそれに応えて、圧倒的な迫力で驀進する。
もちろん、迫力だけでなく、ウィーン・フィルらしいしなやかな弦楽セクションが、柔和な表情で歌うところもあって、曲が進むにしたがって、どんどん音楽が変わってゆく。千変万化とはこのことか。実に起伏の大きい演奏。

第2楽章の、イングリッシュ・ホルンの歌うラルゴは、どこまでも甘い調べ。「遠き山に日は落ちて」と子供の頃に歌、これまさに望郷の歌。感傷の歌。
弦楽セクションのピアニシモはニュアンス抜群だし、管楽器も非常に巧い。本当に巧い。アンサンブルがまたイイ。いやはや、言葉を失う素晴らしさ。

第3楽章のスケルツォは、どうかすると退屈してしまうところだが、ケルテスが振ると面白さ・楽しさいっぱい。楽器のバランスが良く、実にオケがよく鳴っている。DECCAの録音効果も素晴らしく、空間が広々としている。高音の鮮烈さもスカッと爽快。生気に満ちて、推進力抜群のスケルツォになっている。途中、民謡風の部分ではテンポがグッと落として、歌い上げるところなどもたまらない魅力。トリオでは管楽器よりも弦楽器が浮かび上がって、しなやかな舞曲であることを聴き手に伝える。
いや、全く見事な設計。感嘆しきり。

第4楽章は、ケルテスの若い血潮がたぎる。アンサンブルは少し荒くなる感じだが、演奏は逞しく力強く、全く明快。ケルテス、まさに騎虎の勢い。そして、そのケルテスの荒さをウィーン・フィルの力が、優美に補ってゆく様子がまた実にイイ。
荒々しくも美しく格調高いという、二律背反を高次元で止揚させた演奏・・・・と云うべきか。希有の演奏であることは間違いない・・・・と力説しておきまひょか。

録音からもう半世紀近く。いまだにこれをしのぐ演奏には出会えない、名盤中の名盤と云えそう・・・であります。


※ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」の自己リンクです。
うわっ・・・今回で「新世界」8枚目のエントリー(^^ゞ。 でも好きだからしょうがない。

バーンスタイン/NYP盤

ノイマン/チェコ・フィル盤

ジュリーニ/シカゴ響盤

フリッチャイ/ベルリン・フィル盤

ドホナーニ/クリーヴランド管盤

ショルティ/シカゴ響盤

ジュリーニ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管盤
2007/01/16のBlog
「のだめカンタービレ」のアニメ版が始まった・・・・・そうです。
・・・・そうです、というのはネットでそのことを知ったのであります。深夜枠なのに視聴率もいいそうです。
でも、愛媛県では放送していない!
残念。これ、田舎の悲哀ですな。
僕が四国に住み始めた20年前は、民法は2局しかなかったしなぁ・・・(日テレとフジ系のみ)。都会と地方の格差は、まだまだ続きます。

さて、気を取り直して音楽を。
今日も、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の音を聴きます。
フィリップスの録音が良く、素晴らしい音響で聴けます。

シューベルトの劇音楽「ロザムンデ」 D.797。
クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏。
ソプラノ独唱はエリー・アメリング。
1983年12月、ライプツィヒでの録音。

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の音が滑らかで温かく、大変心地よい。
木質の肌触りで何とも云えないふっくらした感触。肌理の細かい質感。しっとりとした上質の絹織物に包まれるような感触がたまらない。聴き手の心に安心感が芽生えてくるような音。ホールトーンも最高だと思う。

このCDはフィリップスが東独のドイツ・シャルプラッテンと共同で制作したものだが、実に良い音だと思う。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管が持つふくよかさ、自然な肌触り、柔らかい残響などを、フィリップスの録音スタッフが見事に捉えていると思う。

思えば東独当時、このライプツィヒ・ゲヴァントハウス管をはじめ、ドレスデン・シュターツカペレやベルリン・シュターツカペレは、ドイツ的な渋い音色の伝統を保持しつつ、まろやかで温かみのある音のレコードを世に送り出していた。ベルリン・フィルやウィーン・フィル、あるいは英仏蘭のオーケストラが国際的・汎世界的な音になっていったのに対して、田舎の素朴さ・地方都市の方言のような温もりが、これら東独のオケには、あった。時に取り出して聴くその音は、今も極上。至福の響きを醸し出す。

このシューベルト「ロザムンデ」もそんな音、そんな音楽であって、弦楽合奏などはホンマに美しい限り。
この音楽はシューベルトの佳作。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管は初期のロマン派らしい爽やかな香気を美しく再現している。そしてシューベルトらしくよく歌う。
マズアの指揮は安定したもの。あまり手管を加えていない感じ。何もしていないというと、言葉が悪いか。

ロマンツェで聴けるエリー・アメリングの歌。これ絶品。
このころのアメリングは絶好調、フィリップス・レーベルの女性リートのエース。シューベルトの歌曲集など、最高だった。

間奏曲第3番は、お馴染み「ロザムンデの音楽」。即興曲にも弦楽四重奏「ロザムンデ」にも使われた著名な旋律だが、ゲヴァントハウス管のストリングスの合奏で聴くのは、また感興あふれるもの。落ち着いたテンポでシックに決めている。
いい音楽だなぁと思う。

劇音楽全曲で約60分。こういう音楽を、素晴らしい音で聴けるのは幸福なことでありますな。
2007/01/15のBlog
どうも年末年始の休暇で太ったようであります。
結構走ったり、歩いたりしたのに、食べる量が多かったのか、ジョギング・デブ、ウォーキング・ブタになってます。黒字をため込んではイカンですな。
腹筋・腕立ても入れて、筋力アップによるエネルギー消費量の増加を目指しましょう。

さて、今日の音楽はシューマンです。

シューマンの交響曲第3番変ホ長調 作品97 「ライン」。
フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏。
1960年頃の録音。edelレーベルの激安ボックスからの1枚。

録音はさすがに古びて、CDのマスタリングもイマイチなのか、LGO自慢の重厚な低音にやや不足する感じ。高音に潤いがなく、カサカサしているところがある。45年も前の録音だから、仕方ないか。

さて、シューマンの交響曲は大好きだが、彼のピアノ曲や歌曲はあまり聴かない。若い頃のからオーケストラ音楽ばかり聴いてきたせいか、食わず嫌いなのか。歌曲はどうしても言葉の壁があってピンと来ないしなぁ。
人はシューマンとくればまずピアノ曲に歌曲がイイと云うのだろうが・・・。

コンヴィチュニー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンビの演奏は、正統的なドイツ風、勤勉で頑固、カッチリとまとまった造形で、襟を正したような演奏。古典的な演奏なのだが、その中からシューマンの時代の空気、ロマンの芳香が立ち上ってくる演奏。

シューマンのオーケストレーションは、楽器を重ねすぎて野暮ったいとも云われるが、それがまた、シューマンの交響曲スキな者にとっては良いのであって、このモヤモヤっとした聴感がたまらない魅力でもある。
さすがにブラームスになるとオーケストレーションは上手くなっているらしく、ヴィオラのパートなど、かなり凝っているらしいとは聴いたが、シューマンではヴァイオリンと重なってしまったり、低音部を単純に繰り返すだけになってしまっているらしい。

第1楽章の、ライン川を思わせる雄大な音楽は実に心地よいし、第2楽章の静謐は全くロマン派の音楽。第4楽章になれば、さらにロマンの薫り高くなる。
終楽章は、貫禄のフィナーレ。味わい深いライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の音。
ああ、やっぱりドイツの音だなぁ。

ただ、コンヴィチュニーがそうであったのか、或いはこの世代の指揮者がそうであったのか、アンサンブルはかなりいい加減であります。
現代の精妙な演奏になれてしまうと、「オイオイ?」というところが結構ありますな。
それがまた、味わい深かったりして・・・・。

※シューマンの「ライン」もよく聴いてきました。
クーベリック/バイエルン放送響の演奏

ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏

2007/01/14のBlog
四国伊予西条では、1月16日は仏様のお正月。
その準備で、墓の掃除をしておりました。年末にも掃除してますので、大したことはないんですが、当地らしい行事で信心深いことやなぁと思います。僕は一応、本家の当主になるのでご先祖様の墓守もするんです。
今日は檀那寺の西福寺にお布施を持って行きます。毎年のこととはいえ、これ、寒中の行事になります。四国は冬本番であります。

さて、今日はヴァイオリン協奏曲を。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64。
ヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリン独奏、シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団の演奏。
1959年2月、ボストンのシンフォニー・ホールでの録音。RCA原盤。

速い、速い。快速のメンデルスゾーン。
その速さの中から、メンデルスゾーン特有の、淡く儚く繊細なロマンが浮かび上がってくる。そしてこの曲特有の高貴な、凛とした佇まいも。

ハイフェッツの完璧な技巧とミュンシュ/ボストン響の情熱的な音楽運びとが満喫できる1枚。ハイフェッツが巧いのは当然だが、オケも上手い。ステレオ初期からの名盤誉れ高いものでもある。録音はさすがに古びてきた感じだが、鑑賞には差し支えない。

第1楽章はまさにアレグロ・モルト・「アッパショナート」。
快速でクール。やや乾いた音で、ヒンヤリとした肌触りのハイフェッツのヴァイオリンから、クールな情熱が湧き上がる。速く細かなパッセージなど、楽々と、しかも一音一音粒立ちよく弾ききってしまう技巧もスゴイ。そして、その技巧をひけらかすことなく(技巧に関心がある風でもなく)、サッサと前に進んでしまうのが実にカッコイイ。
硬質だが、妥協を許さず、徹底的に研ぎ澄ましたような音が、爽やかなロマンを伝えてくれる。ベタベタしないのがイイ。

第2楽章アンダンテは、心静かにハイフェッツのヴァイオリンに耳を傾けたい。サラッと弾いてしまうヴァイオリンなのだが、そこに揺れ動く感情、澄明な抒情が微かに漂ってくる。細身でクールな音色が、ここでも素晴らしい。

終楽章はミュンシュ/ボストン響の伴奏も聴きもの。目眩くようなヴァイオリンのバックで、ミュンシュが情熱を滾らせて、ボストン響を叱咤する。素晴らしい盛り上がり。でも、やはりベタベタしない。そこがイイ。

ハイフェッツのテクニックは圧倒的。というより、その技巧があまりにも当たり前のようであって、表情一つ変えないで弾いていそうな感じで聞こえてくるのがスゴイ。
汗もかかずにメンデルスゾーンを弾いてしまった・・・という演奏だが、決して冷たいとか機械的にはなっておらず、クールな音色・表情からメンデルスゾーンのノーブルなロマンが伝わってくる。


録音から間もなく50年。
さすがに音が古びてきました。もう少し残響があれば良いのにとも思います。
この時期の協奏曲録音は、オン・マイクのものが多いので仕方ないでしょうが。


※メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲も沢山聴いてきました。
ミンツのVn ・ アバド/シカゴ響

スターンのVn ・小澤征爾/ボストン響

ムターのVn ・カラヤン/ベルリン・フィル

シェリングのVn ・ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管



2007/01/13のBlog
昨晩は新居浜市内の同業者の新年会。
僕の業界は非常に狭いので、お互いに知り合いばかり、気を遣うこともなく、遅くまで騒がせてもらいました。2次会はイマイチだったが、1次会の料理は結構な代物。なかなか美味い中華でありました。

さて、今日は本格的な交響曲を聴きましょう。

ベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調 作品55 「英雄」。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1962年、ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DG盤。

一人の指揮者がベートーヴェンの交響曲全集を録音することでさえ大変な作業のに、一つのレーベルに3回も、しかも10年に一度ずつ録音してしまったのだから、カラヤンはやはりスゴイ。そしてその3つの全集が、どれも高い水準でまとまった演奏になっているのは、さらにスゴイと思う。

この演奏は、その1つめの全集からのもの。
カラヤンがベルリン・フィルの終身指揮者となって、ようやく自分の手兵になりはじめた頃のベルリン・フィルの音が聴ける。
後年の流線型で細部まで彫琢をきわめた演奏に比べると、やや荒く逞しく意志的なベートーヴェンになっていると思う。少しゴツゴツしているが、だからこそ、雄渾で男性的な力強さが表出されていて、「英雄」にふさわしいと思える。
特に第1楽章は、そんなガッツにあふれる演奏だろう。

第2楽章になると優美さが(カラヤン得意の!)出てくる。葬送行進曲なので、悲痛な旋律が続くのだが、表面は輝くように美しい。後年のヌメヌメ・ツルツルとした肌合いはないものの、やはりカラヤンが振る葬送行進曲は、美しさをまず表現することが目指されているようだ。
フォルティシモの盛り上がり、レガートの音の伸ばし方、或いは休止でのスパッとした音の切り方・切れ味は、さすがにカラヤン。見得を切る千両役者だわなぁ。

第3楽章のスケルツォはとてもスタイリッシュ。流麗でスポーティ、実にカッコイイ。音楽の流れに乗ってゆくサーファーのよう、と云ったら言い過ぎか。ホルンのアンサンブルは非常に上手いしコクがある。そして、美しい。

終楽章は変奏曲。変奏の大家たるベートーヴェン得意の楽章。
カラヤンは各変奏の特徴をきちんと描き分け、聴き手にさりげなく差し出してくる。一見、解説者風、でも味わい深く堪能できる。演出巧者カラヤンの面目躍如。

録音から45年。古い録音になりました。
しかし、音は上々。ベルリンのイエス・キリスト教会の音響が良く、今も大変聴きやすい録音であります。
録音場所としては、のちに完成するフィルハーモニー・ホールより、こちらイエス・キリスト教会の方が、はるかにイイのではないかと思います。

もっとも、ベートーヴェンの交響曲については、録音の善し悪しはあまり気にはならないんですけれど。
2007/01/12のBlog
ああ、寒い。日中はそうでもないが、朝晩は冷える。
朝は7時に家を出て、帰宅は夜も8時半頃だと、いやはや、この冷え込みが応えるなぁ・・・。こういう時期の風呂は有り難い・・・・いっぺんに温もりますな。

さて、今日は華麗な音楽を聴きます。

サン=サーンスの交響曲第3番 ハ短調 作品78「オルガン付き」。
シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団の演奏。
オルガン独奏はピーター・ ハーフォード。
1982年6月、モントリオールの聖ユスターシュ教会での録音。

サン=サーンスの「オルガン付き」はロマンの香り高い交響曲。
デュトワ/モントリオール響のコンビだと噎せ返るようなロマンの芳香はやや薄くなるが、オーケストラは非常に巧いし、DECCA録音は相変わらず素晴らしいので、華やかで鮮烈な音楽になる。特に録音は今も極上、オーディオ的快感に浸れる名録音。

全編にわたって、デュトワの舵取りに安心して身を任せられる名曲の名演奏だが、やはり素晴らしいのは第2楽章か。
バックにオルガンが上品に流れ、聴き手に宗教的な感情さえ喚起させる美しさ。弦楽合奏がまた最高に美しい。キメの細かいアンサンブルがとにかく素晴らしい。
静謐静寂、心洗われる美麗な演奏になっている。

そして第4楽章の華麗さ。
オルガンはイギリスの名手・ハーフォード。華やかでありながら上品さも併せもつ見事な演奏ぶり。音色もあまり派手にならず、モントリオール響と一体となって交響的な演奏を行っている。
弦はもちろん、管楽器の自発性あふれるアンサンブルも好ましい。

この当時、まさにデュトワは絶好調だった。
ラヴェルの管弦楽曲集を2枚出して、次はファリャだったか。
そして4枚目の国内発売がこのサン=サーンスだったと思う。演奏は極上だし、オーディオ的にも極上録音であって、好評を博したと思う。
DECCAレーベルではアンセルメ以来のフランス音楽のスペシャリストとして、かなりプッシュしていたんじゃないかな。
アルゲリッチに逃げられたり、協奏曲の伴奏ばかりしていたり、やや不遇の時代を越えて、ようやくデュトワの時代が来た・・・・という感じだったか。

僕がクラシック音楽を好きになって懸命に聴いていた頃と、デュトワがどんどん録音して一気に大指揮者になってゆく時期が同じなので、思い出深い演奏でもあります。
そして、今聴いても、ホンマに素晴らしい録音。
デュトワ/モントリオールの録音はほぼすべて極上と言ってエエでしょう。