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クラシック音楽のひとりごと
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2007/02/08のBlog
ここのところ、気温が高く、朝のジョギングも心地よいですな。
長袖Tシャツに薄手のウィンド・ブレーカーを羽織って走るんですが、実に快適。走り始めが寒くなく、走っている最中でも汗だくになって気持ち悪いことはない(夏場はこれがシンドイ)ので、ジョギングには今が一番良い季節かもしれません。

さて、ここのところLPばかり聴いております。
独特の柔らかさがイイです。針音やサーフィス・ノイズが気にはなりますが、(A面、B面をひっくり返すのも面倒ではあるんですが)、トロッとしたふくよかな音の心地よさは、CDではなかなか味わえません。

今日は、ブラームスのピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15。
ウラディーミル・アシュケナージのピアノ独奏、ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1981年5月、コンセルトヘボウでの録音。DECCA盤。

これ、同じくコンビでのピアノ協奏曲第2番(オケはウィーン・フィル)との2枚組で、1984年発売3500円とある。年末にレコード各社がボーナス目当てに発売した廉価盤。人気のあるレギュラー盤を2枚組にして買わせてしまおうという魂胆。でも、その魂胆が有り難かった。こういう2枚組LP、我が家には沢山あって・・・・。

さて演奏。
オーケストラが分厚くふくよかで、実に逞しい。
冒頭の序奏部のカッチリしたティンパニの強打、重厚な低弦、豊麗になるトゥッティ。オーケストラの響きが申し分なく素晴らしい。ハイティンクの手綱さばきも見事なもので、盤石の安定感がある。

そしてそこに滑り込んでくるアシュケナージのピアノが、また美しさの極み。
DECCAの録音も素晴らしいのだろうが、本当にアシュケナージのピアノは綺麗だと思う。クリスタルグラスのような、硬質で透明、ややクールな響きがたまらない。
ただ、ブラームスの第1協奏曲なので、アシュケナージは意識的に響きを重く厚くしているような感じもする。彼のショパンやモーツァルトで聴ける独特の軽みよりも、このブラームスでは熱さ、重さ、ずっしりとした重量感を出そうとしている感じ。

さすがに高音の抜けは美しい。アシュケナージらしい音。ホールの天井へ向かって、どこまでも上ってゆくような高音の冴え冴えとした響きは、アシュケナージ固有のものだ。

オケの美しさでは、終楽章に極めつきのところあり。
終楽章の弦楽合奏だけのところ、奥行き深く、柔らかく、ゾッとするほど美しい瞬間がある。ピアノが弾いていない場面でも、こんなに美しい音楽をブラームスは書いた。そのことを聴き手に教えてくれるハイティンクの棒、やはりこの人、端倪すべからざる指揮者だと思う。

録音は今も最上級。
DECCAの録音に、僕は何の不満もありません。
美音の洪水に包まれました。
2007/02/07のBlog
昨日は、ここを初めてご覧頂いたお二方からコメントを頂戴しました。
嬉しく思いました。

さて、いやもう、ホンマにヌクいですな。
四国は春先の陽気をすっかり越えて、春爛漫でありました。
風も暖かい春風。心がウキウキするような心地よさ。
いったい、どうなっているのやら・・・・・。

愛媛では「椿さん」(松山の椿神社の例大祭)が終わらないと暖かくならない・・・・と云われているんですが、その「椿さん」が始まる前からこの陽気。
エルニーニョとはいえ、妙な気分です。このまま暖かくなって大丈夫なんかいな。

そんな陽気に誘われて、今日は「春の祭典」を行きましょう。

ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」。
ゲオルク・ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1974年、メディナ・テンプルでの録音。アナログ時代の優秀録音と思う。DECCA原盤。

DECCAでは、当時ショルティ/CSOやメータ/LAPOなどが専属だったので、輸入盤ではアメリカ盤が多かったのだが、音質は断然日本盤がよろしい。特に、日本でロンドン・レコードが設立される前、キングが発売していた頃は、マスタリングやプレスが良く、盤質もレコードの厚みがあって、上等だった。
レコードは厚い方が音がイイ。トロッとした、文字通り肉厚の音がして聴きやすい。
(ロンドン・レコードになって一気にLPが薄くなった。あれは残念だった)

演奏は豪快。
ショルティ大戦車軍団の突撃・・・・といった感じの演奏。
昔、「パットン大戦車軍団」という映画があった。ドイツ軍団と闘うパットン将軍の剛毅さと戦争の迫力・・・・あれを思い出す。尤も、ショルティは軍司令官というよりは、最前線の鬼軍曹だとは思うが・・・・(^^ゞ。

シカゴ響のアンサンブルの良さ、バランスの精確さ、表現の幅の広さは、いつ聴いてもスゴイと思う
ブラスセクションの迫力は凄まじい。おそらく、世界最強のブラス。
テンポはグイグイとした推進力にあふれるもので、細かいところにはあまり拘らず、一気に終盤まで持って行ってしまう。
凶暴な迫力は凄まじいし、狂気・暴走も感じられる。現代文明世界の終末、といった趣の演奏でもある。

これだけ整然とした、いわば機械的な演奏であるにもかかわらず、粗暴で熱い演奏になっている。ショルティ/CSOの力業。彼らの実力が十分に発揮されている。

これ、大音量で聴くのが面白い。
ド迫力を楽しめます。

<自己リンクです>
◆アバド/ロンドン響
◆バーンスタイン/ロンドン響
◆C・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆小澤征爾/ボストン響

2007/02/06のBlog
早春の晴天。
わが部屋の南面、四国山地は穏やかな稜線であります。
秀峰石鎚は今月初めの寒さですっかり冠雪、美しい化粧であります。絶景哉。

抜けるような青空が、これまた綺麗。
今日は、こんな青空の日に聴きたくなる音楽であります。

メンデルスゾーンの交響曲第4番 イ長調 作品90「イタリア」。
レオポルド・ストコフスキー指揮ナショナル・フィルハーモニックの演奏。
1977年の録音。CBSソニー盤。懐かしいLPです。

録音が行われたのは、老巨匠95歳のとき。その死に先立つこと3カ月。
それにしても、何という瑞々しさ。若々しさ。
弦楽も管楽も精気に濡れて、爽やかで艶やか。
いや、全くストコフスキーは死ぬまで万年青年だった。

ちょうど30年前の録音だが、解像度は水準以上。ステージにオケが綺麗に並んで、ホールの上席で聴くような気分になる。
奥行きも十分で、ホールトーンも豊かに味わえる、上々の音。

ナショナル・フィルのテクニックやアンサンブルはもう一歩かなとも思うが、老巨匠の元で元気に一生懸命吹いているのが微笑ましい。オケが頑張っている演奏を聴くのは気持ちが良いものだ。
少々ゆるいアンサンブルで結構、この明るさ、この活気に比べれば小さいことだろう。
第1楽章でのクレッシェンドの快感。気持ちがスッキリする。

ストコフスキーの指揮ぶりは、若々しく新鮮。鋭いフレージングと古典的な佇まいが特徴か。若手指揮者の演奏家と錯覚してしまう。

しかし、もっとスゴイのは、どうもこの録音はストコフスキー95歳にして初めての「イタリア」録音だったということ。
膨大なレパートリーとディスコグラフィを誇る大巨匠にもかかわらず、この年齢でチャレンジし続ける意欲、精力。素晴らしい。脱帽。
僕は謹聴しました。


<「イタリア」は大好き交響曲・自己リンクです>
★ドホナーニ/VPO
★ショルティ/CSO
★セル/クリーヴランド管
★デイヴィス/BSO


2007/02/05のBlog
立春は春爛漫の陽気。
昨日の愛媛は3月下旬の暖かさ、気温15℃。エエ天気でありました。

三男坊が第13回愛媛合唱アンサンブルコンテストに出場したので、松山市の総合コミュニティセンターに行ってきました。男声合唱「ラウテを弾き あげよ盃」(シューマン作曲)はなかなかの好演。シューマンの歌曲をボクは知らんですが、上手に歌いよりましたな。金賞はラッキーでありました。

帰路は愛媛マラソンにあたり、道路は渋滞。ボクは声援。ランナーは一生懸命。
ああ、僕もこんな風に走りたいとつくづく思いました。羨ましいとともに、なんとなく嬉しい渋滞でありました。同乗の妻に「ワシも走ってみたいのう」と云うと、「まあ、10㎞くらいからハーフの市内マラソンくらいでまず走ってみんかい」と返事。
うむ。ハーフマラソンを走れる身体づくり・・・・今年の目標にしてみようかいな。


さて、今日の音楽は「ヘンデルの「水上の音楽」。
これだけ暖かいと、「水上の音楽」を聴きたくなった。
ハーティ編曲版で全6曲約17分。
アンドレ・プレヴィン指揮ピッツバーグ交響楽団の演奏。
1982年10月、ピッツバーグのヘインズホールでの録音。フィリップス盤。
1988年発行のフィリップス・丸善共同企画の「世界名曲大系」(74枚組)の一枚で、古本屋でよく見かけるもの。例のバブル期の産物ですな。
ジャケットは臙脂色の見開きで統一されたシリーズ。(で、面白くないので今日の画像は愛媛マラソンであります)

堂々と大柄、シンフォニックな演奏。
「水上の音楽」が壮大に響き渡る。バロック音楽を、現代オーケストラで聴く楽しみを満喫できる演奏。古楽器や室内オケのヘンデルを聴き慣れた耳には、ハーティ編曲版は、実に新鮮で面白い。

「エア」のたっぷりしたテンポが感動的。プレヴィンは、静謐で抒情的な音楽の運びで、じっくりと歌い上げてゆく。滔々と流れる川のようなスケール。音のダイナミクスも大きい。
「ホーンパイプ」は室内楽的な演奏を心がけている感じ。ソロ楽器が入れ替わり出現して、その名技を楽しめる。
終曲は壮大で爽快なオーケストラを楽しめる。

プレヴィンの指揮する演奏は、息づかいが自然で無理がなく、音楽が気持ちよく流れてゆく。作為が感じられずに、音楽そのものを楽しめる演奏になる。もちろん、聴かせどころではそれなりに工夫しているのだが、あざとくないので、気持ちよく聴けてしまう。
こと、音楽を快適に聴けるということに関しては、この人以上の指揮者、いるだろうか?
録音は、フィリップスだけに、ホールトーンが豊か。
ハーティ編曲版にふさわしい、豊かなスケールで再現される名録音であります。
2007/02/04のBlog
立春です。
1月が記録的な暖冬であったので、2月初旬の寒さの方が厳しいです。「春」という感じがしませんが、確実に陽光は春めいてます。
ジョギングで浴びた朝の陽射しの強さは、日焼けしそうな眩しさ。春です。

そこで今日はシューマンの交響曲第1番 変ロ長調 作品38 「春」。
オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管の演奏。
1966年1月の録音。
今日聴いている演奏は、LP盤。東芝EMIの2枚組全集盤から。

第1楽章から堂々とした歩みで音楽が進む。もっさりした開始でリズム感には劣るが、その分、スケールが大きい。これ、いつものクレンペラー。
録音のせいか、この楽章では少し金管がうすい感じ。もう少し重々しく咆吼してくれると良いのだが、音が軽い感じ。軽いだけに音楽の表情が明るくなるはイイのだが。
ヴァイオリンは両翼配置で、聴いていると掛け合いが面白く、響きも新鮮な感じ。

第2楽章は深々としたフレージングが印象的な演奏。
息の長い旋律で、こういう音楽を振らせたら、クレンペラーの右に出る人はそうはいないだろう。雄大で悠久、大河の流れが眼前に広がる。正面で鳴るチェロの響きが実に大らかで心地よい。

第3楽章は濃厚な色彩で、ヴァイオリン群の艶やかな音と、チェロやコンバスの重低音とが織りなす響きが素晴らしい。スケルツォ楽章なのだが、クレンペラーが振ると、重厚で巨象のような歩みになる。メロディの歌わせ方もゆったりとスケール大きい。
この楽章では金管がズッシリと響いてくる。バリバリ吼えるのも心地よい。フォルテでは、オケ全体が唸るような音響になる。
音楽には表情づけがなく、素っ気ない感じ。クレンペラーらしいと云うべきか、孤高の表現だと思う。

終楽章も押し出しの強い演奏。堅牢着実で、ゆったりとした音楽。ドイツの職人の伝統のワザ。急がず、じっくりと仕事を進めてゆく盤石の安定感。コーダでは躍動感も出てくる。ああ、やっぱりシューマンはええなぁ。

LPなので、柔らかく優しい耳あたりの音が部屋に広がります。
ダイナミック・レンジは広くないんですが、シューマンの交響曲には、それほどレンジの広さは必要ないでしょ。

<例によって自己リンクです>
■サヴァリッシュ/ドレスデン・シュターツカペレ
■クーベリック/バイエルン放送響
■ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■メータ/ウィーン・フィル
2007/02/03のBlog
今日は節分。2月に入って冷え込みが厳しいですが、天気予報では今日からまた暖冬が戻るとのこと。明日からは「春」です。
豆まきの準備でもしましょう。

さて、今日のCDは、1820円。消費税3%時代なので、定価1875円。廉価盤になります。
「R・コルサコフ大好き」という企画盤です。

1980年代末期、バブルの時代には、こういうクラシック音楽の企画モノ、作曲家別「大好き」なんていう細切れ缶詰CDが結構出ました。まあ、作曲家のアンソロジー、いいとこ取りのようなベスト盤のようなかんじですかね。
当時のボクは見向きもしなかったんですが、このCDだけは別格。プレヴィンの「シェエラザード」が「丸ごと」入って(細切れ、一部の楽章だけ入っているとか、でなく)、この価格は安いゾ・・・・。

というわけで。
R・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」。
アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1981年12月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。

プレヴィンのとるテンポは全体的に遅め。時折テンポを速めることはあるものの、ほぼ全編にわたってゆっくりとメロディを歌わせながら、ロシア的な情緒を表出してゆく。
粘りやネットリ感はなく、表面はサラッとしているので、耳に馴染みやすい感じ。
ウィーン・フィルの音が輝かしく、雰囲気豊かに音楽が進んでゆく。

交響的と云うより、標題音楽としての「シェエラザード」。プレヴィンの語り口に上手に乗せられてしまう。
第1楽章の「海とシンドバッドの船」など、見事な表現だと思う。荒れる海、大海原の航海・・・目の前に現れそうな、素晴らしい再現。

第2楽章と第3楽章は、木管の名人芸を堪能できる。ファゴットもオーボエも全く巧いし、いかにもウィーン・フィルらしい管楽器の響きがたまらない。
金管の鮮烈な音も、木管に負けじと素晴らしい。

終楽章の迫力は相当なもの。尤も、ウィーン・フィルの演奏なので、あまりどぎつくならないのがイイ。プレヴィンの演出は巧みで、めくるめくR・コルサコフのオーケストレーションを楽しめる。イヤ、全く色彩的。

コンマスは、ライナー・キュッヒル。端正で品がよい。中庸の美徳とでもいうべき表現か。

デジタル初期の録音だが、硬い音もせず、さすがにフィリップスと感心。
美しいヨーロッパ・トーン。
適度な残響と、楽器の定位も良く、大変聴きやすいオーケストラ音楽に仕上がっております。


<「シェエラザード」は最も好きな管弦楽曲のひとつ>自己リンクです。
◆チョン・ミュンフン/パリ・バスティーユ管
◆コンドラシン/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆クリヴィヌ/フィルハーモニア管
◆マゼール/ベルリン・フィル
◆デュトワ/モントリオール響
◆ムーティ/フィラデルフィア管
◆アシュケナージ/フィルハーモニア管

やれやれ、「クラシック音楽のひとりごと」8枚目の「シェエラザード」エントリーでした。
2007/02/02のBlog
2月になって、ようやくこの冬初めての雪。
午後の気温が2℃。寒かったですね。午後3時頃、新居浜の山手では吹雪でありました。夕方にはすっかり溶けてしまいましたが、一時、心配になるくらい降りました。

こういう寒い日にはラフマニノフを。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18。
ウラディーミル・アシュケナージのピアノ独奏、ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
1984年9月、アムステルダムのコンセルトヘボウでの録音。DECCA盤。

これぞ名演。
発売から20年、いまだにこれを凌駕する演奏には出会えていない。
ソロ良し、伴奏良し、録音良し。協奏曲として、これ以上望めようかと思えるほど、必要なものが揃っている演奏と思う。

アシュケナージが弾くラフマニノフは、もう自家薬籠中のものであって、安定感抜群。徹底的に美しく、クリアなピアノ。モコモコしたところが全然ない、爽快なテクニック。ああ、この人は、ラフマニノフを演奏するために生まれてきたんじゃないか・・・と思わせるくらい。
テクニックはもちろんだが、研ぎ澄まされたクールな音色がまたイイ。ロシアの冷涼な空気が漂う。

ラフマニノフの協奏曲だと、陰々滅々、気が滅入るような暗い演奏をするピアニストもいるが、アシュケナージで聴くと、冷涼さはあるものの、暗鬱な雰囲気はあまりない。アシュケナージの個性は、だいたい前向きで楽観的なところだろう。だから、聴き終えた後の感動が、サッパリと心地よい。

特に良いのは第2楽章。
この楽章のやるせない情念や憂鬱を、アシュケナージはクールなリリシズムで弾き通す。淡泊な運びのようで、よく練られた表現で、ニュアンス一杯。じっくり聴いていると、うんうんと頷きたくなるような表現が続く。

ハイティンクの指揮するアムステルダム・コンセルトヘボウ管も素晴らしい。重厚なロシア風の強烈な音もあれば、弱音に得も言われぬ情感が漂う。残響も含めて、弱音部のデリカシーはたまらない。美しさの極みだろう。第2楽章の静謐な表現は、全く素晴らしい。終楽章でも、ホールが鳴り響くような豪快さが実に良い。

録音は今も最高水準。
クリアなピアノの響きの美しさ、生々しさ。そして重量感たっぷりのオーケストラが見事に融合している。音場は広大、奥行きも左右の広がりも十分で、特に音のダイナミックレンジが大きい。
素晴らしい録音であります。

2007/02/01のBlog
早くも2月。仕事はさらに多忙を極めます。
昨年4月から職掌が替わって、仕事量も責任も増えて辟易しとりますが、この2月から4月上旬までがどうも激務のピークのようです。いやはや。

さて、昨日はハイドン、今日はバッハ。
J・S・バッハのブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050。
ルドルフ・バウムガルトナー指揮ルツェルン祝祭弦楽合奏団の演奏。
1978年5月、スイスのラ・ショードフォンでの録音。

何と幸福なバッハ。
音楽する喜びに溢れ、しかも、「バッハの音楽はこうだよなぁ」という確信に満ちたバッハ演奏。盤石の安定感と、新鮮な愉悦と。素晴らしいバッハだと思う。
ソロを受け持つヴァイオリン、フルート、チェンバロがみんな生き生きとしている。音楽の表情が若々しく、明るく、笑顔一杯。いや、もう、聴いていて楽しいことこの上ない。
そして、見事なアンサンブル。
フルートは名手オーレル・ニコレ。この人のフルートはいつも真剣真摯で正調正統。真面目なのだが決して音楽は冷たくならず、常に温かく穏やかなのがイイ。
「愛媛の真面目なジュースです」というのは当地の青果連「ポン・ジュース」のコピーだが、ニコレのフルートは、ホンマに真面目で美味い(巧い)のだ。

ヴァイオリンにはチェコの至宝、ヨセフ・スーク。細身でしなやかで軽やか、透きとおるような響きで、クリアに聴かせる。この音も快感。

チェンバロはスイスの女流、クリスティアーヌ・ジャコッテ。この人の通奏低音はれは聴きごたえあり。ソロも立派なもので、格調高い。この第5番は、いわばチェンバロ協奏曲全集だから、チェンバロは巧くないとね。

演奏はどこも素晴らしいのだが、あえて云えば、聴きどころは第1楽章のジャコッテのソロ・プレイ。これは圧巻。
そして、第2楽章の名手3人のソロとアンサンブル。息を呑む美しさ・・・とはよく云うが、こういう演奏のことを指すんじゃないか。

バウムガルトナーの指揮は安定。テンポは少し速め、背筋がピンと伸びて、堅実な指揮ぶり。随所に、個々のプレーヤーの自主性に任せて、「好きにやってエエよぉ」的なところがある。これも聴いていて楽しいものだ。


録音は今も極上。アナログ末期の、素晴らしい音。
CDもありますが、LPで聴く方が、弦の柔らかさがイイように思います。

あ、ボクの持つ全曲LP2枚組じは廉価盤で3000円でありました。
(レギュラー盤は5000円もした!!)
先日、DENONのクレスト1000シリーズで復活したらしいです。この名盤が安価に購入できるのは、クラシック音楽好きにとってはご同慶の至り。
いや、目出度いです。
2007/01/31のBlog
ハイドンの交響曲第101番 ニ長調 「時計」 Hob.I-101 。
アンタル・ドラティ指揮フィルハーモニア・フンガリカの演奏。
1972年11月、マールの聖ボニファティウス教会での録音。DECCA盤。

弦の魅力がたまらない。
フィルハーモニア・フンガリカの編成は大きくない。団員の数は、ハイドンにふさわしい室内オーケストラ程度だろう。だから、それぞれの弦楽器がしなやかに、シルクタッチで響く。何とも心地よく、幸福なハイドンの音楽が部屋に満たされてゆく。
ああ、エエ音楽やなぁ。

DECCAの素晴らしい録音が花を添える。35年も前の録音とは思えない新鮮な音がする。教会録音らしい温かい残響と、DECCA得意の楽器をクローズアップした録り方とが見事に調和している。

有名な第2楽章アンダンテが味わい深い。
(この音楽、ボクらの世代にとっては、夜11時半、文化放送の「百万人の英語」開始のテーマであって、この番組の後、大学受験ラジオ講座が始まるんであります)
静謐で穏健な音楽。弦のアンサンブルが素晴らしく良く、それに絡む木管も格調高い。スケールは大きくないが、見事な合奏の間から、「パパ・ハイドン」の微笑みが零れてくるような感じ。

第3楽章のメヌエットも名演。オケが巧い。もう、メチャクチャ巧い。
第一ヴァイオリンなんか、何人でやっているのだろう。殆ど1~2人で演奏しているように聞こえるくらいの、スゴイ揃い方。だから響きが軽やかで爽快。そして滑らか。
これを聴くのは快感だと思う。

ドラティの指揮は、伝統的なスタイル。
1970年代初頭、古楽器団体が珍しかった時代の、つまりハイドンを古楽器で演奏することもなかった時代の、古き良きスタイル。

でも、ハイドンはこんな風に、大らかで穏やかに、明朗で爽やかに演奏してくれるドラティ風がイイんじゃないかと思います。
とりあえず、ボクには相性がエエようです。

これ、CD初期の輸入廉価盤。2枚組ボックスなのだが、ケースが大きい。今なら紙箱に紙のケース入り10枚組はいけそうなサイズなのに、たった2枚。スペース・ファクターが悪いが、当時は組み物というのはこんなにご大層なもんでした。
2007/01/30のBlog
ここのところ仕事が忙しく、挫けけそうであります。
こういう時は、元気が出る音楽を聴きたいですね。ブラームスの第1交響曲なんか最適。暗から明へ、失望から希望へ、挫折から勇気へ。
終楽章など、気持ちいいくらいスッキリしますな。

そこで、今日はブラームスの交響曲第1番ハ短調。

レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1981年10月、ウィーンのムジークフェラインザールでのライヴ録音。
バーンスタインのブラームス全集からの1枚。LP4枚組で9000円という高価な(?)演奏。

第1楽章の雄大な序奏部、バーンスタインの指揮はのっけから精力的。実演(といっても客はいないのだが)らしい熱気、バーンスタインのうなり声を盛んにマイクが拾っている。
指揮の迫力は見事なもの。ただ、VPOを振るようになってから、バーンスタインはかつての荒々しさを見せなくなった。VPOの力にもよるのだろう、力ずくのブラームスではなく、造形的にも美しい演奏になっている。
木管の響きがたいそう印象的。哀愁漂う音色で、ブラームスらしい響きを醸し出す。

第2楽章は、しっとりとよく歌う。弦も管もきれいだが、とりわけソロ・ヴァイオリンが美しい。ゲアハルト・ヘッツェルのヴァイオリン。巧さと美しさを兼ね備えた、素晴らしいコンサート・マスターだった。

第3楽章のオーボエのソロ。上品で端正、独特の鼻声で歌ってゆく。バーンスタインのとるテンポは後半にいくに従って遅くなる。浪漫的。

そして終楽章。
まずはホルン!あの、歓喜のテーマ直前の、朗々と、太々と、高らかに鳴るホルン!
これぞ、ウィンナ・ホルンを聴く快感なり。何とエエ音か。仕事の忙しさなんぞ、軽く吹っ飛ぶ。
そして歓喜の主題。歩みは堂々悠然、王者の風格だ。がっしりした構築、ロマンの感情あふれる旋律線。劇的で力強く、感情は揺れ動いて全くロマン的。
木管は巧いし、弦楽セクションは素晴らしいアンサンブルだし、もう云うことなし。
壮大なコーダはさらに爽快雄大。
実に元気が出る。ああ、勇気凛々海の色。(ちょいと古いか)。

録音は少しホコリっぽいところもありますが、まずまずの出来。
その昔、レコード・アカデミー賞を受けた名盤だけのことはある、今も十分感動的な一枚でありました。


1月も末になりました。まだ、日の出が遅いです。
真っ暗な中、ジョギングするのは淋しいものなんですが、さあ、行ってきましょう。
走り終える6時半頃、四国山脈がようやく白んできます。これは美しい。


<ブラームスの1番も沢山聴いてきました。大好きな曲です。>
★ショルティ/シカゴ響
★カラヤン/ベルリン・フィル
★ベイヌム/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
★ベーム/ウィーン・フィル NHKライヴ
★マゼール/クリーヴランド管
★ザンデルリンク/ドレスデン・シュターツカペレ
2007/01/29のBlog
月曜日です。今週も激務です。

今日はドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調 作品104を。
堤剛のチェロ独奏、ズデニェク・コシュラー指揮チェコ・フィルの演奏。
1981年8月、プラハ・芸術家の家での録音。

日本のソニーの海外録音。CD発売前夜、ソニーはCD開発メーカーの威信に懸けて、自社制作のデジタル録音レコードを、しばしば発売していた。ソニーの専属演奏家でいえば、チェロは堤、ピアノは中村紘子。オーボエの宮本文昭はまだだったかな。
日本のレコード会社が元気だった頃だ。

このCDのプロデューサーは大賀典雄。後年のソニー社長・名誉会長になった大賀は、当時クラシック部門のプロデューサーであった。
エンジニアは半田健一。この人も、日本の録音エンジニアとして著名な人だった。
LPでは、マスターサウンド・シリーズで発売されていたもので、おぼろげな記憶だが1枚3200円もしたと思う。

録音は確かに美しい。
チェコ・フィルの深々とした響きが美しいし、木質の肌触りの音色も温かく聞こえる。オーケストラのスケール感も十分に捉えられているし、ダイナミックなサウンドが展開する。たっぷりした響き。
そして、堤のチェロがまた大変に美しい。

演奏は安定感に富んだ正統派。
格調高い堤のチェロ、オーケストラとの会話も楽しい。冒頭の序奏部、ホルンの響きは朗々として、チェロの厚みがあって深々とした歌に負けないな・・・と思いながら、素晴らしい音響に身を浸してゆく悦びがある。

よくまとまっている第1楽章、大きく盛り上がる終楽章も良いのだが、特に情念豊かな第2楽章がことのほか美しい。
堤のチェロが情感たっぷり、哀愁抒情漂う音色で、切々と歌うのは感動的。稀代のメロディ・メーカーだったドヴォルザークの最も美しい旋律の数々が聴ける。いやはや、ウットリしてしまう。

コシュラーの指揮は端正でしなやか。チェコ・フィルの反応もイイ。
第1楽章の序奏部からして美しく、名曲の伴奏に全くふさわしい。

何回か再発されて、多分今も現役盤(廉価盤かな?)でしょう。
CD初期の懐かしい名演奏とボクは思っています。
2007/01/28のBlog
1月27日はモーツァルトの誕生日でありました。

そこで、いろいろ聴きましたが、久しぶりに取り出してみたピアノ協奏曲が良かったですな。今日はその曲をいきましょう。

モーツァルトのピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467。
ダニエル・バレンボイムのピアノ独奏と指揮、ベルリン・フィルの演奏。
1980年代末の録音。

バレンボイムのピアノの音が、刻一刻と変化してゆく面白さ。
硬質な響きが特に綺麗。フォルテの部分でのカツンとした音が気持ちよく響く。クールでやや硬めの音なのだが、響きはとても美しい。
かと思えば、ピアニシモでは丸みを帯びた帯びて、ソフトな音色で迫ってくる。フワッと柔らかく頬を撫でる風のようなタッチ。これもホンマに美しい。

ピアノの音色は色で例えれば白。でも、純白ではないな。
わずかに黄緑がかった白。とてもきれい。若葉の匂いのするような白色。

演奏で特に素晴らしいのは第2楽章。
バレンボイムのソロが際だって美しく、実によく響く、鳴る。独特のルバートやフレージングが面白い。ドキドキする音楽の運び。
大役者が見得を切るようなところもある。別に、あざといと云うわけでないのだが、役者のようなカッコ良さがある。
ボクは好きだが、こういうタイプの、少々演出めいたところがある演奏、嫌いな人にとってはイヤでたまらないかもしれない。
バレンボイムの日本での評判があまりよろしくないのは、こういうところかな。

でもオケの統率は見事で、気持ちいいくらい鳴っているし、ソロも全く闊達で、音色の変化などふるいつきたくなるような魅力満載。
指揮も巧けりゃ、ピアノもスゴイ。やっぱり、この人は天才だよなぁと、つくづく思う。
バックのオケも大変よろしい。
ベルリン・フィルの低音が深々として、しかも芯があって心地よい。剛毅なところもあって、フォルテのところなどコシが強い。しなやかで柔らかい弦楽のアンサンブルも素晴らしく、ピアノ独奏だけでなく、管弦楽を聴く楽しみがある。

録音も1980年代末、今も十分現役盤の素晴らしさ。
心地よい、ピアノ協奏曲録音だと思います。

20番から27盤まで、甲乙つけがたい名演だと思いますが、今や、これ廉価盤。
良い時代であります。

<K.467の自己リンクです>
★ケンプ(Pf)・クレー/バイエルン放送響
★ラローチャ(Pf)・デイヴィス/イギリス室内管
★アンダ(Pfと指揮)/ウィーン響
★ブレンデル(Pf)・マリナー/アカデミー室内管


さて、1月27日はモーツァルトの誕生日であり、ワタクシら夫婦の22回目の結婚記念日でもありました。「どないしよ?何かお祝いでもするで?」と妻と相談したものの、妻と母は入院中の父の介護、長男は大阪で後期試験中、三男は朝から高校で模試・午後から合唱コンサートのリハーサル、次男は本屋等の外出(そろそろ2次試験の準備をすると言ってから、はや1週間。「そろそろ」が長い。やれやれ・・・・)、かく言うワタクシは休日出勤・・・・。みんな、なかなか忙しいもんです。そうこうしているうちに、一日が過ぎました。
そんなもんかもしれません。