Blog
2007/03/17のBlog
[ 05:11 ]
[ 交響曲 ]
「未完成」を聴くと、つい、「運命」を聴きたくなる・・・・。
昔、LP入門のド定盤は「運命・未完成」のカップリングでありました。
RCAならミュンシュ、CBSならワルターにバーンスタイン(のちマゼール)、EMIはクリュイタンスだったかな・・・。どこのレーベルもこの組み合わせで、ホンマ、ナンボでも出しよりました。
中でも圧倒的に売れたのはカラヤン/BPOのDG盤。レコード番号MG2001。クラシックのLPなんか、本当に売れないのだが、このカラヤンの「運命・未完成」と、イ・ムジチ合奏団のヴィヴァルディ「四季」(アーヨのソロ)だけは、群を抜いて売れたそうな。
マーラーやブルックナーなんて、あまりに長すぎて多くの人には聴かれなかった時代ののんびりしたこれはお話ですな。
というわけで、今日は「運命」、いきます。
ベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調「運命」。
オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレの演奏。
1981年8月、東ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DENON盤。
デンマークのB&K社が特別試作したマイクを使用し、優秀録音としても評判になったLP。東独のペータース出版のギュルケ版の楽譜を用いて、第3楽章を繰り返していることでも話題になった1枚。
それにしても、「運命」1曲35分で1枚2800円もした時代。高かったなぁ。音楽を有り難く拝聴する感覚だった時代ですな。LPを袋から取り出して、「ヒゲ」が付かないようにターンテーブルに載せ、クリーナーでホコリを払い、静かに針を落としてゆく・・・・・。儀式のように準備しながら、この「運命」を聴いたもんです。
演奏は、力強く逞しく剛毅なベートーヴェン。
その身体は筋肉質でよく締まっていて、脂肪分の少ないスタイリッシュな肉体。
動きは美しくしなやかで、シャープな切れ味も見せる。
ドイツ的な堅牢さで、ビシッと決まった構成感も素晴らしい。安定度抜群。
伝統工芸の職人の技のような趣がたまらない魅力。
古典的な格調の高さが感じられる名演奏だと思うのだが、終楽章では、圧倒的な迫力の勝利の凱歌とともに、ロマンの薫りも漂ってくる。
ベルリン・シュターツカペレの音は、ややくすんだ感じの響きで、ツヤツヤしてはいないのだが、質実剛健で、木質の感触が好ましい。素朴な工芸品のような魅力にあふれている。心落ち着く、エエ音。
録音は最高。
DENONが絶好調だった時代の名録音で、音質は今も瑞々しく、量感豊かに聴き手に迫ってくる。奥行き、左右の広がり、高さとも十分で、ステージを彷彿とさせる。しかも、弦楽セクションと管楽器が見事に定位して、それぞれの位置できちんと弾き、吹いている。
これは、快感であります。
昔、LP入門のド定盤は「運命・未完成」のカップリングでありました。
RCAならミュンシュ、CBSならワルターにバーンスタイン(のちマゼール)、EMIはクリュイタンスだったかな・・・。どこのレーベルもこの組み合わせで、ホンマ、ナンボでも出しよりました。
中でも圧倒的に売れたのはカラヤン/BPOのDG盤。レコード番号MG2001。クラシックのLPなんか、本当に売れないのだが、このカラヤンの「運命・未完成」と、イ・ムジチ合奏団のヴィヴァルディ「四季」(アーヨのソロ)だけは、群を抜いて売れたそうな。
マーラーやブルックナーなんて、あまりに長すぎて多くの人には聴かれなかった時代ののんびりしたこれはお話ですな。
というわけで、今日は「運命」、いきます。
ベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調「運命」。
オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレの演奏。
1981年8月、東ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DENON盤。
デンマークのB&K社が特別試作したマイクを使用し、優秀録音としても評判になったLP。東独のペータース出版のギュルケ版の楽譜を用いて、第3楽章を繰り返していることでも話題になった1枚。
それにしても、「運命」1曲35分で1枚2800円もした時代。高かったなぁ。音楽を有り難く拝聴する感覚だった時代ですな。LPを袋から取り出して、「ヒゲ」が付かないようにターンテーブルに載せ、クリーナーでホコリを払い、静かに針を落としてゆく・・・・・。儀式のように準備しながら、この「運命」を聴いたもんです。
演奏は、力強く逞しく剛毅なベートーヴェン。
その身体は筋肉質でよく締まっていて、脂肪分の少ないスタイリッシュな肉体。
動きは美しくしなやかで、シャープな切れ味も見せる。
ドイツ的な堅牢さで、ビシッと決まった構成感も素晴らしい。安定度抜群。
伝統工芸の職人の技のような趣がたまらない魅力。
古典的な格調の高さが感じられる名演奏だと思うのだが、終楽章では、圧倒的な迫力の勝利の凱歌とともに、ロマンの薫りも漂ってくる。
ベルリン・シュターツカペレの音は、ややくすんだ感じの響きで、ツヤツヤしてはいないのだが、質実剛健で、木質の感触が好ましい。素朴な工芸品のような魅力にあふれている。心落ち着く、エエ音。
録音は最高。
DENONが絶好調だった時代の名録音で、音質は今も瑞々しく、量感豊かに聴き手に迫ってくる。奥行き、左右の広がり、高さとも十分で、ステージを彷彿とさせる。しかも、弦楽セクションと管楽器が見事に定位して、それぞれの位置できちんと弾き、吹いている。
これは、快感であります。
2007/03/16のBlog
[ 05:58 ]
[ 交響曲 ]
今日はシューベルトの交響曲第8番ロ短調「未完成」。
チョン・ミュンフン指揮フランス国立放送フィルハーモニーの演奏。
2001年12月1日、パリのシャトレー劇場でのライヴ録音。DG盤。
先日エントリーしたアルゲリッチのシューマン・ピアノ協奏曲とのカップリング。
エイズ撲滅キャンペーンのチャリティ・コンサートの録音らしい。
第1楽章はニュアンス多彩なストリングスを楽しめる。
ホルンが時々ヌッと顔を出して、ドキッとする迫力がある。実に効果的な強調。
チェロがヴァイオリンに応じて丹念に弾いているのがよく聞こえる。ふだんボンヤリ聴いているCD・レコードでは聞こえない音が、チョン・ミュンフンの指揮で聴くと、耳に飛び込んでくる。曲のありようが変化してくる感じ。「なるほど、こうだったのか・・・」と気づく場面が多い。微妙なニュアンスだと思うのだが、そこを抉り出して聴き手に示すチョンの慧眼が感じられる。
テンポは遅く、思い入れタップリの演奏。最近の演奏としては、たいそうロマンティック。初期ロマン派のシューベルトが、後期ロマン派、例えばワーグナーのような濃厚な雰囲気を持って迫ってくる感じ。
深々としたフレージング、もったいぶったアーティキュレーション。
旋律はよく歌い、表現は濃厚。
第2楽章は管楽器の多彩な表現が素晴らしい。どの管も巧いし、一生懸命やっている感じ。特にオーボエとホルンは独特の味わいがあって聴きごたえがある。
フランス国立放送フィルはどういうオケなのかよく分からないのだが、個々の奏者はなかなか腕達者だと思う。
アンサンブルは少し怪しいところもあるのだが、演奏にはライヴ特有の熱気があって、感興豊か。一発勝負の真剣さもイイ。
コーダは凄まじい。マーラーの9番のラストのような、息詰まる持続音。スゴイ迫力。
やられた・・・という感じ。
録音は一発録りのハンディもあるのだろうが、やや平板なものになっている。
奥行きがやや不足している。
各楽器の音は鮮烈で美しいだけに、ちと惜しいかな。
フランス国立放送フィルはチョンの棒によくついて、意欲的な演奏をしていると思うが、響きがやや薄いところもある感じ。フランスのオケにしては(という言い方はどうかとも思うのだが)、アンサンブルはイイんじゃないかと思う。
この一週間、寒さが戻ってます。
「2月の方がぬくかったわなぁ」というのがこの数日の時候の挨拶。
ま、これが本来の早春の肌寒さなんでしょうが・・・。
冷たい雨を眺めながらの「未完成」、エエ演奏でした。
チョン・ミュンフン指揮フランス国立放送フィルハーモニーの演奏。
2001年12月1日、パリのシャトレー劇場でのライヴ録音。DG盤。
先日エントリーしたアルゲリッチのシューマン・ピアノ協奏曲とのカップリング。
エイズ撲滅キャンペーンのチャリティ・コンサートの録音らしい。
第1楽章はニュアンス多彩なストリングスを楽しめる。
ホルンが時々ヌッと顔を出して、ドキッとする迫力がある。実に効果的な強調。
チェロがヴァイオリンに応じて丹念に弾いているのがよく聞こえる。ふだんボンヤリ聴いているCD・レコードでは聞こえない音が、チョン・ミュンフンの指揮で聴くと、耳に飛び込んでくる。曲のありようが変化してくる感じ。「なるほど、こうだったのか・・・」と気づく場面が多い。微妙なニュアンスだと思うのだが、そこを抉り出して聴き手に示すチョンの慧眼が感じられる。
テンポは遅く、思い入れタップリの演奏。最近の演奏としては、たいそうロマンティック。初期ロマン派のシューベルトが、後期ロマン派、例えばワーグナーのような濃厚な雰囲気を持って迫ってくる感じ。
深々としたフレージング、もったいぶったアーティキュレーション。
旋律はよく歌い、表現は濃厚。
第2楽章は管楽器の多彩な表現が素晴らしい。どの管も巧いし、一生懸命やっている感じ。特にオーボエとホルンは独特の味わいがあって聴きごたえがある。
フランス国立放送フィルはどういうオケなのかよく分からないのだが、個々の奏者はなかなか腕達者だと思う。
アンサンブルは少し怪しいところもあるのだが、演奏にはライヴ特有の熱気があって、感興豊か。一発勝負の真剣さもイイ。
コーダは凄まじい。マーラーの9番のラストのような、息詰まる持続音。スゴイ迫力。
やられた・・・という感じ。
録音は一発録りのハンディもあるのだろうが、やや平板なものになっている。
奥行きがやや不足している。
各楽器の音は鮮烈で美しいだけに、ちと惜しいかな。
フランス国立放送フィルはチョンの棒によくついて、意欲的な演奏をしていると思うが、響きがやや薄いところもある感じ。フランスのオケにしては(という言い方はどうかとも思うのだが)、アンサンブルはイイんじゃないかと思う。
この一週間、寒さが戻ってます。
「2月の方がぬくかったわなぁ」というのがこの数日の時候の挨拶。
ま、これが本来の早春の肌寒さなんでしょうが・・・。
冷たい雨を眺めながらの「未完成」、エエ演奏でした。
2007/03/15のBlog
[ 05:44 ]
[ 管弦楽曲 ]
ジョージ・セルは偉大な指揮者でありました。
彼は1970年の万国博覧会で来日、帰国間もなく亡くなったので、僕はナマを聴くことは出来ませんでしたが、遺されたLP(CD)はホンマに素晴らしい演奏ばかりだと思います。
ただ、録音がよろしくない。
1960年前後のCBSの録音は、セル以外はあまり悪くはないのに、セルの録音状態は(我が家で相性が悪いんじゃないかと思わせるくらい・・・・)、悪いんです。
先日の「エロイカ」のエントリーで、「WEB美術館」のSummyさんからは「DSDマスタリングが良い」と教えてもらい、「おんがくだいすき」のあるべりっひさんからは、「SACDは良い」とのコメントを頂戴し、現在食指を動かしているところです。
(我が家にはSACDプレーヤーはありませんので・・・・・・欲しくなりました・・・・ガハハ)
セルのCBS録音のCDで、エエ音のはないんかいなぁ・・・・と探してみたところ、ああ、これは結構良かったんじゃないか・・・・と思い出したのが、今日の1枚であります。
ワーグナーの「ニーベルングの指環」管弦楽曲集。
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏。
1968年10~11月の録音。CBS盤。
曲目はおなじみのもの。
1「ラインの黄金」~ワルハラ城への神々の入場
2「ワルキューレ」~ワルキューレの騎行
3「ワルキューレ」~魔の炎の音楽
4「ジークフリート」~森のささやき
5「神々のたそがれ」~夜明けとジークフリートのラインへの旅
6「神々のたそがれ」~ジークフリートの葬送行進曲と終曲
演奏は一糸乱れぬアンサンブルで迫力十分。しかもサウンドは鮮明で透明度が高く、見通しの良いワーグナーが眼前に展開する。
例えば「ワルキューレの騎行」の凄まじい力。コッポラの名作「地獄の黙示録」で聴いたショルティ盤よりさらに迫力があって、恐ろしいまでに中身の詰まった響き。超低空飛行の爆撃で、オケのフルパワーを堪能できる。
トランペットの輝かしさは特筆もの。セルの演奏は冷徹だの、冷たいだのと世評があるが、このワルキューレは熱い。
「魔の炎の音楽」もカロリーが高い演奏。勇壮で豪快、ヴォータンの強さと哀しみがよく出ているし、音楽はさらに充実してくる。クリーヴランド管の音も強く、逞しい。
一転、「森のささやき」は洗練された繊細な音楽。ニュアンスも多彩で、豪華な絨毯を美しい糸で丁寧に織り上げてゆくような感じ。この曲で活躍する木管がやはり印象的。フルートもクラリネットも味わい深い演奏。何層にも美しさを重ね合わせたような音楽だと思う。聴きごたえ十分。
「神々のたそがれ」からの2曲は、壮麗無比であって、感動的。ああ、ジークフリートはホンマの英雄やったなぁ・・・と思わせる演奏。オケの力が逞しく、怒濤の迫力で迫ってくる。終曲でのストリングスは、天国的な美しさ。感動的。
録音は標準だと思います・・・が、セルのCDにしては最上の部類かもしれません。
1960年代後半の録音のせいか、大変良いです。(セルにしては・・・)
高音がカサつかず、低音も十分な力。経年劣化は否めないですが、感傷には十分。
セルの「エロイカ」のエントリーで頂いた助言のとおり、低域を少し持ち上げたのが良かったのでしょうか。
セルのCBS録音では低域を持ち上げる・・・これ試していきたいと思います。
彼は1970年の万国博覧会で来日、帰国間もなく亡くなったので、僕はナマを聴くことは出来ませんでしたが、遺されたLP(CD)はホンマに素晴らしい演奏ばかりだと思います。
ただ、録音がよろしくない。
1960年前後のCBSの録音は、セル以外はあまり悪くはないのに、セルの録音状態は(我が家で相性が悪いんじゃないかと思わせるくらい・・・・)、悪いんです。
先日の「エロイカ」のエントリーで、「WEB美術館」のSummyさんからは「DSDマスタリングが良い」と教えてもらい、「おんがくだいすき」のあるべりっひさんからは、「SACDは良い」とのコメントを頂戴し、現在食指を動かしているところです。
(我が家にはSACDプレーヤーはありませんので・・・・・・欲しくなりました・・・・ガハハ)
セルのCBS録音のCDで、エエ音のはないんかいなぁ・・・・と探してみたところ、ああ、これは結構良かったんじゃないか・・・・と思い出したのが、今日の1枚であります。
ワーグナーの「ニーベルングの指環」管弦楽曲集。
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏。
1968年10~11月の録音。CBS盤。
曲目はおなじみのもの。
1「ラインの黄金」~ワルハラ城への神々の入場
2「ワルキューレ」~ワルキューレの騎行
3「ワルキューレ」~魔の炎の音楽
4「ジークフリート」~森のささやき
5「神々のたそがれ」~夜明けとジークフリートのラインへの旅
6「神々のたそがれ」~ジークフリートの葬送行進曲と終曲
演奏は一糸乱れぬアンサンブルで迫力十分。しかもサウンドは鮮明で透明度が高く、見通しの良いワーグナーが眼前に展開する。
例えば「ワルキューレの騎行」の凄まじい力。コッポラの名作「地獄の黙示録」で聴いたショルティ盤よりさらに迫力があって、恐ろしいまでに中身の詰まった響き。超低空飛行の爆撃で、オケのフルパワーを堪能できる。
トランペットの輝かしさは特筆もの。セルの演奏は冷徹だの、冷たいだのと世評があるが、このワルキューレは熱い。
「魔の炎の音楽」もカロリーが高い演奏。勇壮で豪快、ヴォータンの強さと哀しみがよく出ているし、音楽はさらに充実してくる。クリーヴランド管の音も強く、逞しい。
一転、「森のささやき」は洗練された繊細な音楽。ニュアンスも多彩で、豪華な絨毯を美しい糸で丁寧に織り上げてゆくような感じ。この曲で活躍する木管がやはり印象的。フルートもクラリネットも味わい深い演奏。何層にも美しさを重ね合わせたような音楽だと思う。聴きごたえ十分。
「神々のたそがれ」からの2曲は、壮麗無比であって、感動的。ああ、ジークフリートはホンマの英雄やったなぁ・・・と思わせる演奏。オケの力が逞しく、怒濤の迫力で迫ってくる。終曲でのストリングスは、天国的な美しさ。感動的。
録音は標準だと思います・・・が、セルのCDにしては最上の部類かもしれません。
1960年代後半の録音のせいか、大変良いです。(セルにしては・・・)
高音がカサつかず、低音も十分な力。経年劣化は否めないですが、感傷には十分。
セルの「エロイカ」のエントリーで頂いた助言のとおり、低域を少し持ち上げたのが良かったのでしょうか。
セルのCBS録音では低域を持ち上げる・・・これ試していきたいと思います。
2007/03/14のBlog
[ 04:34 ]
[ 管弦楽曲 ]
次男坊が大学でパソコンが必要ということで、ノートパソコンを久しぶりに買おうと思っております。で、Web上で探してみたら、今や時代はVistaなんですね。Officeは2007になってるし・・・・。OSもアプリもどんどん新しくして、一緒くたにして買わせて・・・う~ん・・・・またもMicrosoftを儲けさせることになるのかと思うと、ムカムカしてきますな・・・・。ありゃ、OSはHomeBasicばかりだが、それじゃ、「エアロ」が使えないやんか。
手持ちのXPに2003をセットアップできるノートパソコンでも探そうかなと思いますが、時代遅れでしょうかね?入学祝いに新しいのを買わないのも変やしなぁ・・・・・。
さて、今日はR・シュトラウスの管弦楽曲集。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1989年2月、ドレスデンのルカ教会での録音。DENON原盤。
クレスト1000シリーズからの1枚。
一聴、その音のまろやかさに驚く。ほんのりと甘くまたほろ苦く、上質のチョコレートのようなまったり感。ああ、これぞ、ドレスデン・シュターツカペレの音。
いつ聴いても見事なアンサンブル、楽器の音の融け合い、味わい深い響き。
R・シュトラウスの管弦楽曲を聴くときの刺激音が全くと云っていいほど、ない。楽器のバランスや音量がちょうど良いのだろうが、ルカ教会の音響、楽器のブレンドも素晴らしいのだろうと思う。何とも云えない良い音で、耳をつんざくような金属音が皆無なのがスゴイ。
派手ではないし、聞こえよがしのところもない。それこそ、飾り気のない質朴な音なのだが、聴けば聴くほど、自然な感じで、肌に馴染んでくる音。
そして、初めに書いたように、甘かったりほろ苦かったり、実に味わい多彩の音。
「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」では、ホルンの見事な音が聴ける。力強く朗々と、しかも深々とした包容力のある音が素晴らしい。男性的な逞しさもある。ペーター・ダムのホルンだろう。
これに絡んでくるオーボエやフルートの可愛らしさも良い。ティンパニの堅実で多彩な音もイイ。弦楽セクションの柔らかくほの暗い響きも、この曲に落ち着いたドイツの伝統の重みを加えている。
ブロムシュテットの設計・演出もあざとくないもので、見通しの良い見事なもの。その棒に敏感に反応するドレスデン・シュターツカペレの素晴らしさは、今さら云うまでもない。
「メタモルフォーゼン」の哀しみは痛切。爆撃を受けたドレスデンへの作曲者想いを、奏者も共有しているような演奏。R・シュトラウスの書いた23声部の対位法も見事だし、美しくも儚い祈りのオマージュになっている。弦楽セクションの落ち着いた音、見事なホールトーン。
同様のことが「死と変容」でも云える。全く、美しさの極み。その美しさに、ちっともイヤミがなく、こうとしか表現しようがないといった迫力、切羽詰まった緊張感も感じられるのがイイ。誠実で、真摯な演奏というのは、いつ聴いても心地よいものだと思う。
録音は今も最高レベル。
ブロムシュテットがドレスデン・シュターツカペレと録音したDENON盤は、すべてが優秀録音と云って良いと思う。
我が家では相性抜群に良し。
最高の席で、SKDの音を鑑賞できる贅沢・・・・。
いつも書いておりますが、この名演奏が1050円(税込み)で買えてしまう幸福。有り難い時代です。
手持ちのXPに2003をセットアップできるノートパソコンでも探そうかなと思いますが、時代遅れでしょうかね?入学祝いに新しいのを買わないのも変やしなぁ・・・・・。
さて、今日はR・シュトラウスの管弦楽曲集。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1989年2月、ドレスデンのルカ教会での録音。DENON原盤。
クレスト1000シリーズからの1枚。
一聴、その音のまろやかさに驚く。ほんのりと甘くまたほろ苦く、上質のチョコレートのようなまったり感。ああ、これぞ、ドレスデン・シュターツカペレの音。
いつ聴いても見事なアンサンブル、楽器の音の融け合い、味わい深い響き。
R・シュトラウスの管弦楽曲を聴くときの刺激音が全くと云っていいほど、ない。楽器のバランスや音量がちょうど良いのだろうが、ルカ教会の音響、楽器のブレンドも素晴らしいのだろうと思う。何とも云えない良い音で、耳をつんざくような金属音が皆無なのがスゴイ。
派手ではないし、聞こえよがしのところもない。それこそ、飾り気のない質朴な音なのだが、聴けば聴くほど、自然な感じで、肌に馴染んでくる音。
そして、初めに書いたように、甘かったりほろ苦かったり、実に味わい多彩の音。
「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」では、ホルンの見事な音が聴ける。力強く朗々と、しかも深々とした包容力のある音が素晴らしい。男性的な逞しさもある。ペーター・ダムのホルンだろう。
これに絡んでくるオーボエやフルートの可愛らしさも良い。ティンパニの堅実で多彩な音もイイ。弦楽セクションの柔らかくほの暗い響きも、この曲に落ち着いたドイツの伝統の重みを加えている。
ブロムシュテットの設計・演出もあざとくないもので、見通しの良い見事なもの。その棒に敏感に反応するドレスデン・シュターツカペレの素晴らしさは、今さら云うまでもない。
「メタモルフォーゼン」の哀しみは痛切。爆撃を受けたドレスデンへの作曲者想いを、奏者も共有しているような演奏。R・シュトラウスの書いた23声部の対位法も見事だし、美しくも儚い祈りのオマージュになっている。弦楽セクションの落ち着いた音、見事なホールトーン。
同様のことが「死と変容」でも云える。全く、美しさの極み。その美しさに、ちっともイヤミがなく、こうとしか表現しようがないといった迫力、切羽詰まった緊張感も感じられるのがイイ。誠実で、真摯な演奏というのは、いつ聴いても心地よいものだと思う。
録音は今も最高レベル。
ブロムシュテットがドレスデン・シュターツカペレと録音したDENON盤は、すべてが優秀録音と云って良いと思う。
我が家では相性抜群に良し。
最高の席で、SKDの音を鑑賞できる贅沢・・・・。
いつも書いておりますが、この名演奏が1050円(税込み)で買えてしまう幸福。有り難い時代です。
2007/03/13のBlog
[ 03:33 ]
[ 交響曲 ]
今日は通俗名曲の決定盤であります。
ドヴォルザークの交響曲第9番ホ短調「新世界より」。
この曲ほど、楽しく美しく、時にホロリとさせられ、最後には気分が昂奮、高揚する音楽はあまりないんじゃないかと思います。
第2楽章は小学校の下校の音楽、第4楽章はテレビのコマーシャルだったぞ・・・・クラシック音楽には無縁の、片田舎の貧乏な家庭に育った子供でも、ガキの頃から親しんでいる交響曲でもありました。
このブログでは、9回目のエントリーでもあります。
今日の演奏は・・・・。
イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団の演奏。
2000年2~3月、ブダペストでの録音。フィリップス盤。
第1楽章の序奏部が過ぎると、グングン加速してゆく。フォルティシモが劇的で、ダイナミズムが大きい。強弱をハッキリつけたメリハリのある演奏。ティンパニの最強打も凄まじい。
フィッシャーのテンポは速め。一気呵成に突っ走ってゆく感じ。しかし、その中に込められた想いがヒシヒシと伝わってくる浪漫的な演奏。血潮が滾る、情熱が迸る。
金管は逞しく鳴り渡り、弦楽セクションはひときわ美しいアンサンブル。輝かしいばかりでなく、よく揃ってしなやかな響きをつくり出している。
第2楽章は、イングリッシュ・ホルンの名旋律が、たっぷりと歌われて大変に美しい。録音がよいので、ソロがクッキリと左右スピーカーの中央に定位する。これはイイ。
その後の弦楽の静謐な歌わせ方も極上の美。懐かしく、センチメンタルな音楽だが、フィッシャーは情緒的に流されすぎず、その寸前で止めて構成感を前面に出してゆく。
これは交響曲であって、ソナタ形式の音楽なのだと云わんばかりに。
第3楽章は生き生きと弾むリズムが聴きもの。フィッシャーの指揮はボヘミアを意識したものだと思うが、特に中間部での舞曲の扱いは巧い。迫力も十分で、ブダペスト祝祭管も気持ちよく演奏しているのが分かる。自分たちの郷土の音楽であり、フレージングはとても自然で心地よい。
そして圧倒的な終楽章。
ダイナミクスが広く、楽器の鳴りっぷりも良い。ブダペスト祝祭管はフィッシャーが主宰する団体だと思うが、技術的には高いレベルにあると思う。腕っこきが揃っているんじゃなかろうか。
素晴らしいオーケストラ音楽。堂々たる終曲。
録音がまたよろしい。
フィリップスの最新録音であって、空気感が自然で、心地よい。
コンサートホールの最上席で聴いているような錯覚に陥る。
極上録音とはこういうのを云うんでしょうか。
音の輝き、音場の広さ、個々の楽器の美しさも十全に捉えきった名録音であります。
★「新世界交響曲」過去のエントリーであります★
ケルテス/ウィーン・フィル盤
バーンスタイン/NYP盤
ノイマン/チェコ・フィル盤
ジュリーニ/シカゴ響盤
フリッチャイ/ベルリン・フィル盤
ドホナーニ/クリーヴランド管盤
ショルティ/シカゴ響盤
ジュリーニ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管盤
ドヴォルザークの交響曲第9番ホ短調「新世界より」。
この曲ほど、楽しく美しく、時にホロリとさせられ、最後には気分が昂奮、高揚する音楽はあまりないんじゃないかと思います。
第2楽章は小学校の下校の音楽、第4楽章はテレビのコマーシャルだったぞ・・・・クラシック音楽には無縁の、片田舎の貧乏な家庭に育った子供でも、ガキの頃から親しんでいる交響曲でもありました。
このブログでは、9回目のエントリーでもあります。
今日の演奏は・・・・。
イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団の演奏。
2000年2~3月、ブダペストでの録音。フィリップス盤。
第1楽章の序奏部が過ぎると、グングン加速してゆく。フォルティシモが劇的で、ダイナミズムが大きい。強弱をハッキリつけたメリハリのある演奏。ティンパニの最強打も凄まじい。
フィッシャーのテンポは速め。一気呵成に突っ走ってゆく感じ。しかし、その中に込められた想いがヒシヒシと伝わってくる浪漫的な演奏。血潮が滾る、情熱が迸る。
金管は逞しく鳴り渡り、弦楽セクションはひときわ美しいアンサンブル。輝かしいばかりでなく、よく揃ってしなやかな響きをつくり出している。
第2楽章は、イングリッシュ・ホルンの名旋律が、たっぷりと歌われて大変に美しい。録音がよいので、ソロがクッキリと左右スピーカーの中央に定位する。これはイイ。
その後の弦楽の静謐な歌わせ方も極上の美。懐かしく、センチメンタルな音楽だが、フィッシャーは情緒的に流されすぎず、その寸前で止めて構成感を前面に出してゆく。
これは交響曲であって、ソナタ形式の音楽なのだと云わんばかりに。
第3楽章は生き生きと弾むリズムが聴きもの。フィッシャーの指揮はボヘミアを意識したものだと思うが、特に中間部での舞曲の扱いは巧い。迫力も十分で、ブダペスト祝祭管も気持ちよく演奏しているのが分かる。自分たちの郷土の音楽であり、フレージングはとても自然で心地よい。
そして圧倒的な終楽章。
ダイナミクスが広く、楽器の鳴りっぷりも良い。ブダペスト祝祭管はフィッシャーが主宰する団体だと思うが、技術的には高いレベルにあると思う。腕っこきが揃っているんじゃなかろうか。
素晴らしいオーケストラ音楽。堂々たる終曲。
録音がまたよろしい。
フィリップスの最新録音であって、空気感が自然で、心地よい。
コンサートホールの最上席で聴いているような錯覚に陥る。
極上録音とはこういうのを云うんでしょうか。
音の輝き、音場の広さ、個々の楽器の美しさも十全に捉えきった名録音であります。
★「新世界交響曲」過去のエントリーであります★
ケルテス/ウィーン・フィル盤
バーンスタイン/NYP盤
ノイマン/チェコ・フィル盤
ジュリーニ/シカゴ響盤
フリッチャイ/ベルリン・フィル盤
ドホナーニ/クリーヴランド管盤
ショルティ/シカゴ響盤
ジュリーニ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管盤
2007/03/12のBlog
[ 05:27 ]
[ 管弦楽曲 ]
春三月とはいえ、弥生の風は冷たかったですな。
日中の陽射しは春たけなわなんですが、風が強かった・・・。
今日はモーツァルトです。
ディヴェルティメント第17番 ニ長調 K.334。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1987年4月、ベルリンでの録音。DG盤。
カラヤンは1960年代に同じDGにこの曲を録音しているので、再録音盤になる。
カラヤンは、モーツァルトと同じオーストリアのザルツブルクの生まれ。
だからモーツァルト指揮者かというと、そうでもない。オペラは4作しか録音していないし(ただし、録音したものは傾聴すべき演奏と思う)、交響曲も後期の名曲程度。あれほどのレパートリーを誇りながら、ピアノ協奏曲の伴奏録音も、殆どない。
でも、セレナードやディヴェルティメントは気に入っていたのか、このK.334を初め、難解も録音しているのが嬉しい。何しろ、カラヤンのモーツァルトはゴージャスで壮麗、豪華絢爛なものだから。
(だからカラヤンのモーツァルトはキライだ、と云う人も多いだろうけれど)
このK.334は、最も有名なディヴェルティメントの一つだと思うが、カラヤン/BPOで聴くと、ムード満点で、贅沢な雰囲気一杯。高級レストランで、上等なワインを飲みながらフルコースの料理を楽しんでいるような気持ちになってくる。
BPOの美しさは無類のもの。磨き上げられた美音と均質なアンサンブルで、極上の美しさ。
響きがやや厚ぼったいのと、リズムが少し重いのが特徴で、だからこそゴージャスな雰囲気が漂う。妖艶な美女が微笑みながら、モーツァルトの案内をしてくれているような感じ。もう少し軽快で爽やかな響きでもイイかな・・・とも思うが、そうなると、この妖しいまでの美しさは後退してしまうかもしれない。
聴きごたえがあるのは、やはり有名なメヌエット。
第2楽章の変奏曲では曲想の描き分けが見事だし、第4楽章のアダージョではまとわりつくようなストリングスが実にエロティック。
カラヤンのモーツァルトらしい、艶っぽいものであります。
録音は、デジタル録音のカラヤン共通の、響きの重さがあります。
やや詰まった感じ、高音のヌケがもう一つあればと思います。
残響は少し人工的な感じもしますが、デジタル時代に入っての1980年代のDGは、こういう音づくりだったように思います。
日中の陽射しは春たけなわなんですが、風が強かった・・・。
今日はモーツァルトです。
ディヴェルティメント第17番 ニ長調 K.334。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1987年4月、ベルリンでの録音。DG盤。
カラヤンは1960年代に同じDGにこの曲を録音しているので、再録音盤になる。
カラヤンは、モーツァルトと同じオーストリアのザルツブルクの生まれ。
だからモーツァルト指揮者かというと、そうでもない。オペラは4作しか録音していないし(ただし、録音したものは傾聴すべき演奏と思う)、交響曲も後期の名曲程度。あれほどのレパートリーを誇りながら、ピアノ協奏曲の伴奏録音も、殆どない。
でも、セレナードやディヴェルティメントは気に入っていたのか、このK.334を初め、難解も録音しているのが嬉しい。何しろ、カラヤンのモーツァルトはゴージャスで壮麗、豪華絢爛なものだから。
(だからカラヤンのモーツァルトはキライだ、と云う人も多いだろうけれど)
このK.334は、最も有名なディヴェルティメントの一つだと思うが、カラヤン/BPOで聴くと、ムード満点で、贅沢な雰囲気一杯。高級レストランで、上等なワインを飲みながらフルコースの料理を楽しんでいるような気持ちになってくる。
BPOの美しさは無類のもの。磨き上げられた美音と均質なアンサンブルで、極上の美しさ。
響きがやや厚ぼったいのと、リズムが少し重いのが特徴で、だからこそゴージャスな雰囲気が漂う。妖艶な美女が微笑みながら、モーツァルトの案内をしてくれているような感じ。もう少し軽快で爽やかな響きでもイイかな・・・とも思うが、そうなると、この妖しいまでの美しさは後退してしまうかもしれない。
聴きごたえがあるのは、やはり有名なメヌエット。
第2楽章の変奏曲では曲想の描き分けが見事だし、第4楽章のアダージョではまとわりつくようなストリングスが実にエロティック。
カラヤンのモーツァルトらしい、艶っぽいものであります。
録音は、デジタル録音のカラヤン共通の、響きの重さがあります。
やや詰まった感じ、高音のヌケがもう一つあればと思います。
残響は少し人工的な感じもしますが、デジタル時代に入っての1980年代のDGは、こういう音づくりだったように思います。
2007/03/11のBlog
[ 05:02 ]
[ 協奏曲 ]
昨日のエントリーではコメントを沢山頂戴しました。ありがとうございました。
嬉しいものですね。
どうぞ、初めてお立ち寄りの方も、コメントをお残し下さい。
それにしても、さすが、セル/クリーヴランド管。今なお絶大な人気です。そりゃ、そうです。演奏はスゴイですもん。録音状態のことも、コメント・助言を頂きましたので、少し再生に気をつけてみたいと思います。
さて、今日はホルンの音色を楽しみます。
R・シュトラウスのホルン協奏曲第1番変ホ長調 作品11。
ペーター・ダムのホルン独奏、ルドルフ・ケンペ指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1975年9月、ドレスデンのルカ教会での収録。EMI盤。
ケンペ/SKDによるR・シュトラウス管弦楽曲集BOXに収められている1枚。
第1楽章の冒頭から、勇壮な音が響き渡る。いかにもR・シュトラウス。やや虚仮威し的なところがある。そして、英雄的な開始・・・・と思ったらこの曲は変ホ長調。ああ、この調性は、「エロイカ」のものだった。
名手、ペーター・ダムのホルンの、甘く太く朗々たる響きに耳を奪われてしまう。何という美しさ。大人の風格で暖かく聴き手を包み込んでしまうホルン。
高速パッセージも難なく吹いてしまう技術の確かさ。そして、そのテクニックをひけらかすことなく、サラッと進んでしまう潔さ。オーケストラの中に見事に収まって、妙に突出しないのも、奥ゆかしい美学、品格を感じさせる。素晴らしいソロだと思う。
第2楽章はアンダンテ。ここでもホルンの響きは冴え冴えとして哀しいほどに美しい。
春の夜の月のような麗しさとでも云おうか。
オーケストラも美しい。管楽器も弦楽器も、シルクタッチで柔らかくホルンに絡んでくる。その絡む音色の微妙なニュアンスの変化が、またたまらない魅力でもある。ドレスデン・シュターツカペレの響きは、ホンマにいつも素晴らしい。
終楽章では快活なホルンを楽しめる。小回りのきく演奏で、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」に通じる軽快さ、明るさが面白い。
オケの響きは相変わらず美しく、特に楽器のバランスや融け合いがイイ。
ケンペの指揮は堅実そのもので、変な節回しがない分、格調の高さを感じさせてくれる。
録音は標準的。
ルカ教会の残響は素晴らしいんですが、音そのものは少し古びてきた感じもします。
融け合いは良いんですが、個々の楽器は少しくすんだ音になってます。
(そういう音に録音しているのかもしれませんが)
日曜の朝、伊予路は雨です。春の雨がやさしく降ってます。
今朝はジョギングはおやすみです。
何事も無理はしない、身の丈相応、分相応がよろしいようで。
嬉しいものですね。
どうぞ、初めてお立ち寄りの方も、コメントをお残し下さい。
それにしても、さすが、セル/クリーヴランド管。今なお絶大な人気です。そりゃ、そうです。演奏はスゴイですもん。録音状態のことも、コメント・助言を頂きましたので、少し再生に気をつけてみたいと思います。
さて、今日はホルンの音色を楽しみます。
R・シュトラウスのホルン協奏曲第1番変ホ長調 作品11。
ペーター・ダムのホルン独奏、ルドルフ・ケンペ指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1975年9月、ドレスデンのルカ教会での収録。EMI盤。
ケンペ/SKDによるR・シュトラウス管弦楽曲集BOXに収められている1枚。
第1楽章の冒頭から、勇壮な音が響き渡る。いかにもR・シュトラウス。やや虚仮威し的なところがある。そして、英雄的な開始・・・・と思ったらこの曲は変ホ長調。ああ、この調性は、「エロイカ」のものだった。
名手、ペーター・ダムのホルンの、甘く太く朗々たる響きに耳を奪われてしまう。何という美しさ。大人の風格で暖かく聴き手を包み込んでしまうホルン。
高速パッセージも難なく吹いてしまう技術の確かさ。そして、そのテクニックをひけらかすことなく、サラッと進んでしまう潔さ。オーケストラの中に見事に収まって、妙に突出しないのも、奥ゆかしい美学、品格を感じさせる。素晴らしいソロだと思う。
第2楽章はアンダンテ。ここでもホルンの響きは冴え冴えとして哀しいほどに美しい。
春の夜の月のような麗しさとでも云おうか。
オーケストラも美しい。管楽器も弦楽器も、シルクタッチで柔らかくホルンに絡んでくる。その絡む音色の微妙なニュアンスの変化が、またたまらない魅力でもある。ドレスデン・シュターツカペレの響きは、ホンマにいつも素晴らしい。
終楽章では快活なホルンを楽しめる。小回りのきく演奏で、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」に通じる軽快さ、明るさが面白い。
オケの響きは相変わらず美しく、特に楽器のバランスや融け合いがイイ。
ケンペの指揮は堅実そのもので、変な節回しがない分、格調の高さを感じさせてくれる。
録音は標準的。
ルカ教会の残響は素晴らしいんですが、音そのものは少し古びてきた感じもします。
融け合いは良いんですが、個々の楽器は少しくすんだ音になってます。
(そういう音に録音しているのかもしれませんが)
日曜の朝、伊予路は雨です。春の雨がやさしく降ってます。
今朝はジョギングはおやすみです。
何事も無理はしない、身の丈相応、分相応がよろしいようで。
2007/03/10のBlog
[ 06:08 ]
[ 交響曲 ]
いやはや、今週は激務でありました。
週末はノンビリしたいなと思ったんですが、これも、どうやらアカンようです。
休日出勤に法事等、仕事に加えて一族の当主たるものは冠婚葬祭もあって忙しいですな。やれやれ。
さて、今日はベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調「英雄」。
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏。
1957年2月の録音。CBS盤。
セルのベートーヴェン全集としては、最も早く録音されたもの。もう50年前の録音になってしまった。
セルの音楽は、襟を正して聴きたい。
峻厳にして、正確で精緻、息詰まるような迫力。雄渾無比の音楽がスピーカーから飛び出してくる。
クリーヴランド管のアンサンブルが抜群なので、響きはスッキリしていて実に見通しがよい音楽でもある。
セルの指揮はテンポが伸縮して、自在な面白さがある。楽譜に忠実と云うよりは、(ボクはスコアを読んでゆくのが苦手なのだが)、他の演奏と比べるとテンポの変化が特徴的でとても面白い。フッと力を抜くところ、逆にグッと力をためるようにテンポを落とすところなど、セルは結構自由にやっている感じ。
アンサンブルが精巧な機械のような感じなので、指揮者もそうかというと、実はそんなことはなく、いろいろやっているのが面白い。
第1楽章は音の切り方が特徴。
特にスフォルツァンドの動きがよく聞こえる。終止符の前で短く音を切ってしまうのも面白い。切れ味鋭い日本刀で、バッサリと斬ってゆく感じ。その感触の気持ちよさ。
第2楽章は感動的な葬送行進曲。全く高貴な響き。音楽は透明度が高く、セルらしい見通しのよい演奏。
この明瞭さがセルのベートーヴェンだと思う。作曲者の書いた音が、全て鳴っている感じ。テンポは伸縮しつつ、コントラバスの太い音やトランペットの思い切った突出など、聴いていてワクワクしてくる感じもある。しかも、トータルでは背筋が伸びて、格調高い音楽になる。「品格」という、ひと頃流行った言葉を使いたくなるような表現。
さらに素晴らしい第3楽章。弦楽セクションが一体となって、さざ波のようなリズムを演出するのだが、これが全く乱れない完璧さ。その上に響くホルンの合奏。音楽も技術も最高に美しい。
終楽章は艶やかでブリリアント。オケが名技を発揮し、しかもフルパワーで鳴りまくる。ホンマによく鳴る。素晴らしい終曲だと思う。
録音は古いです。良くないです。
我が家にあるステレオ録音のレコード・CDの中で、セル/クリーヴランド管の録音は、屈指の音の悪さであります。我が家の装置との相性が悪いのかもしれませんが。
ホンマに残念。この演奏が、現在の音で蘇ったら、その辺にありふれている「エロイカ」など吹っ飛んでしまうでしょう。惜しいなぁ。実に惜しいなぁ。
週末はノンビリしたいなと思ったんですが、これも、どうやらアカンようです。
休日出勤に法事等、仕事に加えて一族の当主たるものは冠婚葬祭もあって忙しいですな。やれやれ。
さて、今日はベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調「英雄」。
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏。
1957年2月の録音。CBS盤。
セルのベートーヴェン全集としては、最も早く録音されたもの。もう50年前の録音になってしまった。
セルの音楽は、襟を正して聴きたい。
峻厳にして、正確で精緻、息詰まるような迫力。雄渾無比の音楽がスピーカーから飛び出してくる。
クリーヴランド管のアンサンブルが抜群なので、響きはスッキリしていて実に見通しがよい音楽でもある。
セルの指揮はテンポが伸縮して、自在な面白さがある。楽譜に忠実と云うよりは、(ボクはスコアを読んでゆくのが苦手なのだが)、他の演奏と比べるとテンポの変化が特徴的でとても面白い。フッと力を抜くところ、逆にグッと力をためるようにテンポを落とすところなど、セルは結構自由にやっている感じ。
アンサンブルが精巧な機械のような感じなので、指揮者もそうかというと、実はそんなことはなく、いろいろやっているのが面白い。
第1楽章は音の切り方が特徴。
特にスフォルツァンドの動きがよく聞こえる。終止符の前で短く音を切ってしまうのも面白い。切れ味鋭い日本刀で、バッサリと斬ってゆく感じ。その感触の気持ちよさ。
第2楽章は感動的な葬送行進曲。全く高貴な響き。音楽は透明度が高く、セルらしい見通しのよい演奏。
この明瞭さがセルのベートーヴェンだと思う。作曲者の書いた音が、全て鳴っている感じ。テンポは伸縮しつつ、コントラバスの太い音やトランペットの思い切った突出など、聴いていてワクワクしてくる感じもある。しかも、トータルでは背筋が伸びて、格調高い音楽になる。「品格」という、ひと頃流行った言葉を使いたくなるような表現。
さらに素晴らしい第3楽章。弦楽セクションが一体となって、さざ波のようなリズムを演出するのだが、これが全く乱れない完璧さ。その上に響くホルンの合奏。音楽も技術も最高に美しい。
終楽章は艶やかでブリリアント。オケが名技を発揮し、しかもフルパワーで鳴りまくる。ホンマによく鳴る。素晴らしい終曲だと思う。
録音は古いです。良くないです。
我が家にあるステレオ録音のレコード・CDの中で、セル/クリーヴランド管の録音は、屈指の音の悪さであります。我が家の装置との相性が悪いのかもしれませんが。
ホンマに残念。この演奏が、現在の音で蘇ったら、その辺にありふれている「エロイカ」など吹っ飛んでしまうでしょう。惜しいなぁ。実に惜しいなぁ。
2007/03/09のBlog
[ 05:13 ]
[ 管弦楽曲 ]
春三月。
朝は少し寒いし、日中の風は冷たく感じるのは暖冬だったせいでしょう。
平年のことを考えれば、暖かい早春でありますな。
さて、今日はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61。
アルトゥール・グリュミオーのヴァイオリン独奏、コリン・デイヴィス指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1974年1月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤。このCDはDUOシリーズの2枚組、他にメンデルスゾーン・ブラームス・チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲も入っている。いわゆる4大ヴァイオリン協奏集。
我が家にあるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の中で、最もヴァイオリンの美しい演奏。
というか、ヴァイオリン独奏の美しさが際だつ演奏。
第1楽章の序奏部、オーケストラが全く素晴らしい。コンセルトヘボウ管にしては、やや明るめの響きで堂々とした歩み。あまり重くならず、貴公子のような感じ。若々しさも漂う序奏部。
そして、何よりグリュミオーの美音がたまらない。
テクニックは切れ味鋭く、しなやかで心地よい。寄せては返す波のように何度も出現するテーマが、こんなに気持ちよく聴ける演奏、そうはないんじゃないか。グリュミオーも実に気持ちよさそうに弾く。
クライスラーによるカデンツァも大変決まっている。カッコイイ。
第2楽章は、高貴な表情と美音の洪水が心に残る。
グリュミオーの美音を最も味わえるのは、この第2楽章じゃないか思う。
ホンマに艶やかなヴァイオリン。虹色に色彩を変えて、キラキラと光がこぼれてくるような音色。清冽にしてたおやか、朝露に濡れた草花のようなしっとり感もイイ。
ヴァイオリンそのものの美音だけではない。独奏も伴奏も、実に真摯な演奏態度で、時に祈りの表情さえ見せる。
伴奏は控えめで、グリュミオーの美音を上手に引き出している感じ。抑え気味のところが心憎い。
終楽章は愉悦の演奏。
ヴァイオリンとオーケストラが楽しく会話してゆく。心弾むロンド。
春の息吹が周辺に漂ってくる。
イイ演奏を聴くと、心が明るくなる。
コンセルトヘボウ管の立派な伴奏で、グリュミオーのソロが一層引き立つ。楽器のバランス・音量も絶妙、ふっくらした肉厚の響きも、いや全く心地よい。
録音は、1970年代アナログ全盛期の見事なもの。
コンセルトヘボウの響きが、いつもながら素晴らしく、演奏の良さが十全に引き出された好録音と思います。
このホールトーン、我が家の装置と実に相性がよいのです。
朝は少し寒いし、日中の風は冷たく感じるのは暖冬だったせいでしょう。
平年のことを考えれば、暖かい早春でありますな。
さて、今日はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61。
アルトゥール・グリュミオーのヴァイオリン独奏、コリン・デイヴィス指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1974年1月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤。このCDはDUOシリーズの2枚組、他にメンデルスゾーン・ブラームス・チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲も入っている。いわゆる4大ヴァイオリン協奏集。
我が家にあるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の中で、最もヴァイオリンの美しい演奏。
というか、ヴァイオリン独奏の美しさが際だつ演奏。
第1楽章の序奏部、オーケストラが全く素晴らしい。コンセルトヘボウ管にしては、やや明るめの響きで堂々とした歩み。あまり重くならず、貴公子のような感じ。若々しさも漂う序奏部。
そして、何よりグリュミオーの美音がたまらない。
テクニックは切れ味鋭く、しなやかで心地よい。寄せては返す波のように何度も出現するテーマが、こんなに気持ちよく聴ける演奏、そうはないんじゃないか。グリュミオーも実に気持ちよさそうに弾く。
クライスラーによるカデンツァも大変決まっている。カッコイイ。
第2楽章は、高貴な表情と美音の洪水が心に残る。
グリュミオーの美音を最も味わえるのは、この第2楽章じゃないか思う。
ホンマに艶やかなヴァイオリン。虹色に色彩を変えて、キラキラと光がこぼれてくるような音色。清冽にしてたおやか、朝露に濡れた草花のようなしっとり感もイイ。
ヴァイオリンそのものの美音だけではない。独奏も伴奏も、実に真摯な演奏態度で、時に祈りの表情さえ見せる。
伴奏は控えめで、グリュミオーの美音を上手に引き出している感じ。抑え気味のところが心憎い。
終楽章は愉悦の演奏。
ヴァイオリンとオーケストラが楽しく会話してゆく。心弾むロンド。
春の息吹が周辺に漂ってくる。
イイ演奏を聴くと、心が明るくなる。
コンセルトヘボウ管の立派な伴奏で、グリュミオーのソロが一層引き立つ。楽器のバランス・音量も絶妙、ふっくらした肉厚の響きも、いや全く心地よい。
録音は、1970年代アナログ全盛期の見事なもの。
コンセルトヘボウの響きが、いつもながら素晴らしく、演奏の良さが十全に引き出された好録音と思います。
このホールトーン、我が家の装置と実に相性がよいのです。
2007/03/08のBlog
[ 05:21 ]
[ 交響曲 ]
今日はマーラーです。
交響曲第1番ニ長調「巨人」。
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団の演奏。
1961年1~2月の録音。プロデューサーはジョン・マックルーア。
人口に膾炙した名盤。
北陸の輸入通販の雄、ヤマチクの年末バーゲンで購入したワルターのオリジナル・ジャケット・コレクションBOXの1枚。このコレクションには何種類かあるはずだが、僕が入手したのは、マーラーとブルックナー選集BOX。
この「巨人」はLPで愛聴してきたもの。
LPはソニーがようやくワルターの廉価盤を発売した昭和56年に買ったもの。それでも、1500円は当時ビンボー学生だった自分には痛かったが。
CD時代直前、録音当時のエンジニア兼プロデューサーだったジョン・マックルーア自身がリミックスしたものとして話題になったものでもあって、懐かしい演奏でもある。
ワルターの音楽は、とにかく優しい。慈愛に満ちた母性の優しさとでも云おうか。
ちょうど今頃の、春の柔らかい陽射しのように、心の中が暖かくなってくるような演奏。メロディーラインが美しく歌われ、愛情にあふれている。ポルタメントが効いているのだろう、聴いていると、頬を優しく撫でられるような快感がある。
劇烈なところでも、絶叫しすぎないのもイイ。ワルターの作る音楽は、決してパワーが不足しているのではないのだが、血が噴き出してしまう寸前で安定を保つところがある。そのあたりが。優しさとか暖かさになるのだと思う。
この魅力に取り憑かれると、「やっぱり、マーラーを聴くにはワルターだな」としたり顔で云ってしまうことになるのだろう。
第1楽章では瑞々しい若者の目覚めと憧れとを見事に描き出しているし、第2楽章の青春の煩悶、第3楽章の若者特有の切なさの表現も良い。
終楽章も阿鼻叫喚にならない端正さ。
ああ、やっぱり、エエなぁ。
コロンビア響は、今の耳で聴くとやや非力かな。
アンサンブルはややユルく、大らかな感じでマーラーを奏でてゆく。
弦楽セクションにもう少し潤いがあれば・・・・とも思う。管楽器は立派。
ワルターの楽器の扱い方は、まさに巨匠の芸であって、木管の処理など巧いし、実に美しい。
録音からすでに45年。CDの音はまずまずだと思います。
巷間、最も良いワルターのステレオ録音のCDは、CD時代最初期のマックルーアによるものだったらしいです。
どうも、僕のCDはジョン・マックルーアのリミックスではないようですが、音はまずまずよろしいです。
次男坊の行く先は大阪になりました。
長男と一緒に住むことになりそうです。新しい季節の始まりです。
そんなわけで、今日は青春の交響曲を聴いてみたのです。
交響曲第1番ニ長調「巨人」。
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団の演奏。
1961年1~2月の録音。プロデューサーはジョン・マックルーア。
人口に膾炙した名盤。
北陸の輸入通販の雄、ヤマチクの年末バーゲンで購入したワルターのオリジナル・ジャケット・コレクションBOXの1枚。このコレクションには何種類かあるはずだが、僕が入手したのは、マーラーとブルックナー選集BOX。
この「巨人」はLPで愛聴してきたもの。
LPはソニーがようやくワルターの廉価盤を発売した昭和56年に買ったもの。それでも、1500円は当時ビンボー学生だった自分には痛かったが。
CD時代直前、録音当時のエンジニア兼プロデューサーだったジョン・マックルーア自身がリミックスしたものとして話題になったものでもあって、懐かしい演奏でもある。
ワルターの音楽は、とにかく優しい。慈愛に満ちた母性の優しさとでも云おうか。
ちょうど今頃の、春の柔らかい陽射しのように、心の中が暖かくなってくるような演奏。メロディーラインが美しく歌われ、愛情にあふれている。ポルタメントが効いているのだろう、聴いていると、頬を優しく撫でられるような快感がある。
劇烈なところでも、絶叫しすぎないのもイイ。ワルターの作る音楽は、決してパワーが不足しているのではないのだが、血が噴き出してしまう寸前で安定を保つところがある。そのあたりが。優しさとか暖かさになるのだと思う。
この魅力に取り憑かれると、「やっぱり、マーラーを聴くにはワルターだな」としたり顔で云ってしまうことになるのだろう。
第1楽章では瑞々しい若者の目覚めと憧れとを見事に描き出しているし、第2楽章の青春の煩悶、第3楽章の若者特有の切なさの表現も良い。
終楽章も阿鼻叫喚にならない端正さ。
ああ、やっぱり、エエなぁ。
コロンビア響は、今の耳で聴くとやや非力かな。
アンサンブルはややユルく、大らかな感じでマーラーを奏でてゆく。
弦楽セクションにもう少し潤いがあれば・・・・とも思う。管楽器は立派。
ワルターの楽器の扱い方は、まさに巨匠の芸であって、木管の処理など巧いし、実に美しい。
録音からすでに45年。CDの音はまずまずだと思います。
巷間、最も良いワルターのステレオ録音のCDは、CD時代最初期のマックルーアによるものだったらしいです。
どうも、僕のCDはジョン・マックルーアのリミックスではないようですが、音はまずまずよろしいです。
次男坊の行く先は大阪になりました。
長男と一緒に住むことになりそうです。新しい季節の始まりです。
そんなわけで、今日は青春の交響曲を聴いてみたのです。
2007/03/07のBlog
[ 05:44 ]
[ 管弦楽曲 ]
春の嵐の後は冷え込みました。
でも、冬の寒さではないですな。春先の、花冷えのような寒さ。日中は暖房が要らない程度の。
間もなく愛媛県は高校入試、中学校では卒業式であります。
高校を先日卒業した次男坊も、荷物をまとめ始めました。春です。
さて、今日はバレエ音楽を。
プロコフィエフのバレエ組曲「ロメオとジュリエット」。
リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏。
1981年2月18日、フィラデルフィアのオールド・メットでの録音。EMI盤。
何と、1日でのセッション。1200円の廉価盤CD。
この曲は、美しい旋律と場面描写の劇的な鮮やかさが素晴らしいプロコフィエフの名曲。
ムーティは、フィラデルフィア管のゴージャス・サウンドを生かして、大胆に、ダイナミックに描いてゆく。バレエ音楽というよりは、交響詩に近い感じの表現。シンフォニックなスケール感は、他の演奏と比べると、より際だつ感じ。バレエのための付随音楽ではない、大作名作の価値ある作品だと云わんばかりの迫力であり、豪快さ。
大袈裟な表現だなぁと思う部分もあるが、そこは若武者ムーティ、騎虎の勢いで乗り切ってしまう。
もちろん、ムーティらしい、輝かしいカンタービレも楽しい。よく歌い、元気よく演奏するオーケストラ。やっぱり、ムーティはこうでなくちゃね。
第1組曲の3曲目、「マドリガル」の美しさは絶品。
ヴァイオリンはロメオを、フルートはジュリエットを表しているのだが、このフルートの旋律は、プロコフィエフが書いた最も可憐なメロディの一つあって、フィラデルフィア管の演奏も素晴らしく美しい。フルートの音色など、ホンマに綺麗。
このジュリエットのテーマはその後も出てくるのだが、ムーティは実にデリケートに弾かせてゆく。ソロ・ヴァイオリンで出てくる時の美しさは、ちょっと表現できないほど、優しく美しい。匂うような艶やかさもある。
第2組曲の冒頭「モンタギュー家とキャプレット家」は、今や有名曲。
「のだめカンタービレ」ではシュトレーゼマン登場のテーマ、ソフトバンクの携帯電話のCMで、さんざん聴かされた音楽だが、フィラデルフィア管で聴くとまた格別の味わい。何しろ勇壮でシンフォニック、そして鮮烈なフィラデルフィア・サウンドが炸裂する。
いや、まことムーティはカッコイイ。
1981年といえば、オーマンディの後を受けて、ムーティはフィラデルフィア管の音楽監督に就任したばかりの頃だが、すっかりオケを掌握して指揮している感じ。
オケは生き生き、指揮者も楽しそうだ。
録音は標準的。
EMI的な平板さは致し方ないにしても、もう少し楽器の解像度が高ければ、あるいは奥行き感があればエエのにと思います。
弦楽セクションは良い音なんですが。
でも、冬の寒さではないですな。春先の、花冷えのような寒さ。日中は暖房が要らない程度の。
間もなく愛媛県は高校入試、中学校では卒業式であります。
高校を先日卒業した次男坊も、荷物をまとめ始めました。春です。
さて、今日はバレエ音楽を。
プロコフィエフのバレエ組曲「ロメオとジュリエット」。
リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏。
1981年2月18日、フィラデルフィアのオールド・メットでの録音。EMI盤。
何と、1日でのセッション。1200円の廉価盤CD。
この曲は、美しい旋律と場面描写の劇的な鮮やかさが素晴らしいプロコフィエフの名曲。
ムーティは、フィラデルフィア管のゴージャス・サウンドを生かして、大胆に、ダイナミックに描いてゆく。バレエ音楽というよりは、交響詩に近い感じの表現。シンフォニックなスケール感は、他の演奏と比べると、より際だつ感じ。バレエのための付随音楽ではない、大作名作の価値ある作品だと云わんばかりの迫力であり、豪快さ。
大袈裟な表現だなぁと思う部分もあるが、そこは若武者ムーティ、騎虎の勢いで乗り切ってしまう。
もちろん、ムーティらしい、輝かしいカンタービレも楽しい。よく歌い、元気よく演奏するオーケストラ。やっぱり、ムーティはこうでなくちゃね。
第1組曲の3曲目、「マドリガル」の美しさは絶品。
ヴァイオリンはロメオを、フルートはジュリエットを表しているのだが、このフルートの旋律は、プロコフィエフが書いた最も可憐なメロディの一つあって、フィラデルフィア管の演奏も素晴らしく美しい。フルートの音色など、ホンマに綺麗。
このジュリエットのテーマはその後も出てくるのだが、ムーティは実にデリケートに弾かせてゆく。ソロ・ヴァイオリンで出てくる時の美しさは、ちょっと表現できないほど、優しく美しい。匂うような艶やかさもある。
第2組曲の冒頭「モンタギュー家とキャプレット家」は、今や有名曲。
「のだめカンタービレ」ではシュトレーゼマン登場のテーマ、ソフトバンクの携帯電話のCMで、さんざん聴かされた音楽だが、フィラデルフィア管で聴くとまた格別の味わい。何しろ勇壮でシンフォニック、そして鮮烈なフィラデルフィア・サウンドが炸裂する。
いや、まことムーティはカッコイイ。
1981年といえば、オーマンディの後を受けて、ムーティはフィラデルフィア管の音楽監督に就任したばかりの頃だが、すっかりオケを掌握して指揮している感じ。
オケは生き生き、指揮者も楽しそうだ。
録音は標準的。
EMI的な平板さは致し方ないにしても、もう少し楽器の解像度が高ければ、あるいは奥行き感があればエエのにと思います。
弦楽セクションは良い音なんですが。
2007/03/06のBlog
[ 04:05 ]
[ 協奏曲 ]
春の嵐でした。
凄まじい風。一時、雨も激しく降りました。台風なみの暴風雨でした。
そこで(と云うわけでもないんですが)、今日は嵐のような演奏を。
シューマンのピアノ協奏曲イ短調。
マルタ・アルゲリッチのピアノ独奏、チョン・ミュンフン指揮フランス国立放送フィルハーモニーの演奏。
2001年12月1日、パリのシャトレー劇場でのライヴ録音。DG盤。
エイズ撲滅キャンペーンのチャリティ・コンサートの録音らしいのだが、英語仏語不調法のため、よく分かりません(^^ゞ。
これは、職場の同僚にして盤鬼盤友が紹介してくれ、とにかくエエぞというので、入手したCDだが、どうも日本国内では発売されなかったらしい。輸入盤でも入らなかったのではなかろうか。何か、契約の関係かな。
演奏はもう、アルゲリッチの奔放なピアノを満喫できるもので、圧倒的、感動的。
この人の気質・音楽性に、シューマンのピアノ協奏曲はピッタリだと思う。あふれるロマン、奔流のように湧きだしてくる感情。
ピアノのダイナミズムも素晴らしいし、アーティキュレーションはアルゲリッチの個性丸出し。テンポの伸縮も自由自在、というか好き勝手に弾いている感じ。聴いていて、のけ反るような面白さ。アルゲリッチのライヴはこのくらいじゃないと面白くないわなぁ。
スタジオ録音では同じDGにロストロポーヴィチとの共演盤があったが、ありゃ、いったい何だったノダ?・・・と云いたいくらい。あんな大人しい演奏、アルゲリッチではないぞい。
融通無碍、勝手気まま、気の向くまま、情熱の奔流・・・・のようなピアノについたオケは、これ大健闘。
チョン・ミュンフンは立派な指揮者だと思う。アルゲリッチにつけるのだけでも大変だと思う。アンサンブルは乱れるところもあるのだが、致し方なし。協奏曲としても面白さは十分に堪能できる。
ピアノは即興的。たった今、生まれたばかりの曲のように演奏する。これぞ、アルゲリッチの真骨頂。聴き進むうちに、聴き手もどんどん興奮する。「おお、こんな風に弾くのか」とか、「ややっ、ここでこんなに突っ込むか」とか・・・感嘆しきり。
聴き慣れた曲なのに、新鮮なことこの上ない。
テンポが遅くなるところでは、これがまたゾクゾクするほど美しい。
清冽な石清水。生まれたばかりの赤ん坊の肌触り。青年の熱い憧憬と情熱 。・・・・とでも云おうか。
テンポが速くなるところでの、劇的な変化。アルゲリッチには経過句だの助走だのはない。バッサリと曲を斬ってゆく。一気に最高速へ突入してゆく潔さ。ギア・チェンジはローからトップへ一気に行く。凄まじい魂の燃焼。
いやはや、全編聴きどころだが、あえて云えば、第1楽章と第3楽章が面白い。
フォルティシモの美しさと速度の変化、ダイナミズムが、凄まじい表現意欲となって噴出する。スゴイ。絶句。
録音はピアノの音をしっかり捉えた好録音。
オケはやや平板なのが残念ですが、これはシャトレー劇場の音響がイマイチなのかもしれません。ライヴのハンディもありますしね。
アルゲリッチの鬼気迫るピアノは、十全に捉えきっていると思います。
凄まじい風。一時、雨も激しく降りました。台風なみの暴風雨でした。
そこで(と云うわけでもないんですが)、今日は嵐のような演奏を。
シューマンのピアノ協奏曲イ短調。
マルタ・アルゲリッチのピアノ独奏、チョン・ミュンフン指揮フランス国立放送フィルハーモニーの演奏。
2001年12月1日、パリのシャトレー劇場でのライヴ録音。DG盤。
エイズ撲滅キャンペーンのチャリティ・コンサートの録音らしいのだが、英語仏語不調法のため、よく分かりません(^^ゞ。
これは、職場の同僚にして盤鬼盤友が紹介してくれ、とにかくエエぞというので、入手したCDだが、どうも日本国内では発売されなかったらしい。輸入盤でも入らなかったのではなかろうか。何か、契約の関係かな。
演奏はもう、アルゲリッチの奔放なピアノを満喫できるもので、圧倒的、感動的。
この人の気質・音楽性に、シューマンのピアノ協奏曲はピッタリだと思う。あふれるロマン、奔流のように湧きだしてくる感情。
ピアノのダイナミズムも素晴らしいし、アーティキュレーションはアルゲリッチの個性丸出し。テンポの伸縮も自由自在、というか好き勝手に弾いている感じ。聴いていて、のけ反るような面白さ。アルゲリッチのライヴはこのくらいじゃないと面白くないわなぁ。
スタジオ録音では同じDGにロストロポーヴィチとの共演盤があったが、ありゃ、いったい何だったノダ?・・・と云いたいくらい。あんな大人しい演奏、アルゲリッチではないぞい。
融通無碍、勝手気まま、気の向くまま、情熱の奔流・・・・のようなピアノについたオケは、これ大健闘。
チョン・ミュンフンは立派な指揮者だと思う。アルゲリッチにつけるのだけでも大変だと思う。アンサンブルは乱れるところもあるのだが、致し方なし。協奏曲としても面白さは十分に堪能できる。
ピアノは即興的。たった今、生まれたばかりの曲のように演奏する。これぞ、アルゲリッチの真骨頂。聴き進むうちに、聴き手もどんどん興奮する。「おお、こんな風に弾くのか」とか、「ややっ、ここでこんなに突っ込むか」とか・・・感嘆しきり。
聴き慣れた曲なのに、新鮮なことこの上ない。
テンポが遅くなるところでは、これがまたゾクゾクするほど美しい。
清冽な石清水。生まれたばかりの赤ん坊の肌触り。青年の熱い憧憬と情熱 。・・・・とでも云おうか。
テンポが速くなるところでの、劇的な変化。アルゲリッチには経過句だの助走だのはない。バッサリと曲を斬ってゆく。一気に最高速へ突入してゆく潔さ。ギア・チェンジはローからトップへ一気に行く。凄まじい魂の燃焼。
いやはや、全編聴きどころだが、あえて云えば、第1楽章と第3楽章が面白い。
フォルティシモの美しさと速度の変化、ダイナミズムが、凄まじい表現意欲となって噴出する。スゴイ。絶句。
録音はピアノの音をしっかり捉えた好録音。
オケはやや平板なのが残念ですが、これはシャトレー劇場の音響がイマイチなのかもしれません。ライヴのハンディもありますしね。
アルゲリッチの鬼気迫るピアノは、十全に捉えきっていると思います。