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クラシック音楽のひとりごと
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2007/05/07のBlog
連休の最終日は、四国は雨でした。初夏の雨です。
我が家周辺の田んぼには水が入りましたので、早速カエルの合唱が始まっています。毎年のこととはいえ、自然の生命力はスゴイですな。早くもカエル集団の登場です。これから真夏まで、夜の静けさはなくなります。
でも、自動車の排気音や人々の嬌声よりはマシかな。都会に比べりゃ、静かなもんです。

さて、今日はモーツァルトの室内楽を聴きます。

モーツァルトのフルート四重奏曲集。
バルトルド・クイケン(fl)・コレギウム・アウレウム団員による演奏。
1975年11月、ドイツのシュヴェッツィンゲン・狩の間での録音。ドイツ・ハルモニアムンディ原盤。

フルート四重奏曲は全4曲。
1 フルート四重奏曲第1番ニ長調 K.285
2 フルート四重奏曲第2番ト長調 K.285a
3 フルート四重奏曲第3番ハ長調 K.Anh.171(285b)
4 フルート四重奏曲第4番イ長調 K.298

バルトルド・クイケンのフラウト・トラヴェルソの音色が、実に素朴でひなびていて味わい豊か。現代楽器のフルートを聴き慣れている耳には実に新鮮で清冽、清々しく聞こえる。暖かく、柔らかく、そして古拙・稚拙の美しさと云うべきか。
聴いていて微笑ましくなるような愛らしい音。

クイケンの技巧は確かなものだが、録音当時まだまだ若かったクイケンの華やぎも感じる。瑞々しく精気に濡れた演奏ぶり。
表現も多彩で、ニュアンスの表出も巧いもんだと思う。後年、押しも押されもしない大家に成長するバルトルド・クイケンの、若き演奏として注目していいかもしれない。

バックのコレギウム・アウレウム合奏団員の演奏も見事。ヴァイオリンは、フランツ=ヨーゼフ・マイアー。コレギウム・アウレウム合奏団のコンマスを長らく務めた名手が参加している。
オリジナル楽器の青っぽい響きが何とも爽やかで、清々しい。清涼飲料を飲んだときの、スーッと喉を通ってゆく快感。

録音も最高水準と思う。アナログ全盛期の柔らかさ。
残響成分がとても美しく、ステレオの前で目を閉じると、録音場所の「狩の間」で聴いているような錯覚に陥る生々しさ。
素晴らしい音で今も聴けると思います。
2007/05/06のBlog
今日はルチアーノ・パヴァロッティが歌うイタリア民謡集。

オケはナショナル・フィルハーモニー管弦楽団やボローニャ市立歌劇場合唱団など。指揮はジャン・カルロ・キアラメッロら。
1970年代の録音が中心。DECCA原盤。

ワタクシ、高校の芸術選択は音楽でありまして、学期に一度、歌唱試験がありました。
その学期で歌った歌を選んでもよし、時には自分の自信のある歌を歌っても良し、まあ「自由曲」みたいなもんですな。
高校2年生の頃だったか、習ったばかりの「カタリ・カタリ」が気に入っていて、よし、コイツを歌ってやろうと練習はしたものの、本番では声が枯れていて上手く歌えませんでした。ワタクシは応援部であったのです。男子校でありました。
エールや応援歌は得意の蛮声でありましたが、なにせ、歌曲は上手く歌えない。コブシを回しちゃアカンのですな。イタリア民謡、ナポリターナならなおさらであります。三波春夫は歌えるが、当時、音楽の時間に習うようなまともな歌は歌えまへん。
しかもワタクシの前後は音楽部の生徒で、これがまた当時ウマイの何のって、一人はテノール、一人はバリトン、いやぁ、上手だったなぁ・・・・。
結局、ガラガラ声の「カタリ・カタリ」でありまして、大恥をかいたものの、しかし、「オマエは応援部だから仕方ねえな」と音楽教師の言葉は嬉しかったなぁ・・・・。
だから、今もイタリア民謡集は好きです。青春の面はゆい思い出を残しつつ・・・・。

閑話休題。

今日の歌唱は名にしおうハイC・ルチアーノ・パヴァロッティ。
もう最高。美声で輝かしい。こんな声で女性が愛を歌われたら、照れて顔が真っ赤になるだろう・・・・。

例えば「オ・ソレ・ミオ」。地中海の青い空、屈託ないイタリア男の明朗さ。素直な歌唱がまた実にイイ。そして何より高音の輝き。パヴァロッティこそ、最高のイタリアン・テノールだったと思わせる歌唱。

「帰れ、ソレントへ」も素晴らしいナポリターナ。オケも美しく、DECCA録音も鮮やか。パヴァロッティの美声を余すところなく伝えてくれる。故郷の美しさを讃えた感情の盛り上がりも良い。

「フニクリ・フニクラ」は火山の登山電車のCMとして作られた歌だが、日本でも菓子のメーカーが使っていた(子供の頃、バターココナッツか何かのCMをよく聴いた)。気持ちいいくらいに声が出ている、パヴァロッティの声量が素晴らしい。

そして、「カタリ・カタリ」。懐かしさもあって、涙が出るほど素晴らしい歌唱。こんな風に歌えたら幸福だろうなぁ。

あ、パヴァロッティの美声は、聴いているだけで幸福になります。
屈託ない明るいナポリターナ。

全曲聴いていたら、スパゲティを喰いたくなってきた。
妻自慢のパスタを作ってもらおう。
ミートソースより・・・やはり、ナポリタンかな。


CDは全部で18曲。全曲聴き通すと、オリーヴ・オイルが少しもたれてくるかも。
瀬戸内の白身の魚の淡泊さに慣れてしまうと、少し脂っこい感じになってしまうかもしれません。

1. オ・ソレ・ミオ(ディ・カプア)
2. かわいい口もと(トスティ)
3. 恋する兵士(カンニオ)
4. マレキアーレ(トスティ)
5. 帰れ,ソレントへ(デ・クルティス)
6. 太陽の土地(ダンニバーレ)
7. プジレコの漁夫(タリアフェッリ)
8. 泣かないお前(デ・クルティス)
9. マリア・マリ(ディ・カプア)
10. フニクリ・フニクラ(デンツァ)
11. 情熱(タリアフェッリ,ヴァレンテ)
12. 雨(ナルデッラ)
13. はるかなサンタ・ルチア(マリオ)
14. カタリ,カタリ(つれない心)(カルディッロ)
15. マンマ(ビクシオ)
16. 忘れな草(デ・クルティス)
17. ロリータ(ブッツィ=ペッチア)
18. 禁じられた音楽(ガスタルドン)

2007/05/05のBlog
初夏の陽気であります。緑の風がとても気持ちよいですね。
朝ジョグで、1年でいちばん心地よいのはこの時期です。
風は爽やか、寒くも暑くもなく、心地よい汗がかける・・・・1時間くらいラクに走れちゃう・・・・・さあ、今から風になりに出かけましょう。

今日はチェロを聴きます。
サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番 イ短調 作品33。
ヨーヨー・マのチェロ独奏、ロリン・マゼール指揮フランス国立管弦楽団の演奏。
1980年4月、パリでの録音。CBSソニー原盤。

若いときにしかできないことがある。未熟であることや若い・蒼いことが良い方向に働くこともある。
このCDはヨーヨー・マのデビュー盤。ラロやシューマンのチェロ協奏曲とのカップリングだが、特にサン=サーンスが良かったと僕は思う。

この曲は20分に満たない短い協奏曲で、第1楽章から終楽章まで切れ目なく続けて演奏される。単一楽章の中に協奏曲の様式が入っているという、小協奏曲といった趣の曲なのだが、小気味よく洒落ている感じの曲でもある。

マのチェロには華やぎがあり、清廉で清潔な若々しいチェロがとてもイイ。おそれを知らぬ若者の颯爽とした演奏で、意気込みも十分。サン=サーンスの香り高いロマンにふさわしい。

緑の風、迸る冷水のようなチェロの運び。実に気持ちよい。ちょうど、我が町西条の「うちぬき」のようなスッキリした味わい。清々しい冷たさは、初夏の風に実によく合うこと。

特によいのは第3楽章。
ロマン派の協奏曲らしい情念に、デビュー当時のマの青春の憧憬といったものが重なって、鮮烈な印象を残す。

もちろん、少したどたどしさを感じさせる第1楽章の初々しさも良いし、その中で時折思い切り踏み込んでゆくところも良い。
第2楽章は伴奏がデリケート。マゼール/フランス国立管の作る響きが極上。このバックを従えて、マが気持ちよく進んでゆく・・・・。

ああ、若いってイイですね。少々未熟であっても構わんのです。今出来ることでやっちゃえば良いんです。トシ取るうちに出来てくることも多いんですが、若くないと出来ない、やれないことも多いでしょ。聴いていて、そんなことを思ってました。

録音がまたよろしいです。
デジタル初期のものですが、この時期のソニーの録音はなかなかエエですな。
マゼールがフランス国立管を振った「惑星」もこの時期でした。
あれも素晴らしい録音(演奏もエグイ)だったです。
2007/05/04のBlog
後半の連休が始まりました。雲ひとつない青空。
気持ちよかったですね。
そんな中取り出したのが大好きな「田園」であります。

今日は、
ベートーヴェンの交響曲第6番 ヘ長調 「田園」。
フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏。


ドイツのベートーヴェンはこうだ、ドイツの田園はこういうものだ、と云わんばかりの演奏。
説得力あふれる語り口、堅牢な構成、ドッシリした重量感、きっちりしたフレージング。どれを取ってもドイツ風。
ああ、ベートーヴェンはドイツ音楽なんだと(このごろ「軽い」演奏が増えているせいからかな?)、改めて思わされた。

どこから聴いてもコンヴィチュニーのガッシリしたベートーヴェンが聴けるのだが、特に第2楽章のテンポがゆったりしていて心地よい。
克明なアーティキュレーションで、一音一音をゆるがせにしない演奏なので、ゴツゴツした印象なのだが、木管のソロになると、これがまたよく歌い、曲線を描くような柔らかさ。ヴィオラやチェロがしっかりと低音を支えているのがよく分かる。この安定感が、ドイツ風の根源かな。
ゲヴァントハウス管は、飾り気のない、質実に徹した演奏。優美なレガートなどとは無縁の演奏ぶりだが、それでも幸福な気持ちが湧き上がってくる。ベートーヴェンの書いた、最も幸福な音楽の一つだと思うが、コンヴィチュニー/LGOで聴くと、質朴で田舎風の、でも誠実な想いが伝わってきて、心温まる感じ。


第1楽章は素っ気ない感じがあるが、媚びを売らない良さ、誠実さを感じる。
第3楽章のスケルツォでは、弦楽セクションの正確な運びがイイ。
第4楽章の迫力は重低音が強烈。フィナーレは安定感抜群の演奏。


録音も40年以上も昔のものにしては上々。
ああ、ドイツの田園。

そして、伊予西条の田園は、オタマジャクシが可愛らしく泳ぎ始めております。
間もなく蛙の合唱が始まります。
初夏です。


<沢山聴いてきた「田園」の自己リンクです・・・>
◆カイルベルト/バンベルク響
◆クレンペラー/フィルハーモニア管
◆バーンスタイン/ウィーン・フィル
◆カラヤン/ベルリン・フィル(1980年代録音)
◆ベーム/ウィーン・フィル
◆C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
◆ワルター/コロンビア響
◆ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆アバド/ウィーン・フィル
◆マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
◆ヨッフム/ロンドン響
◆セル/クリーヴランド管
◆スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
◆ケンペ/ミュンヘン・フィル
◆ラインスドルフ/ボストン響
◆モントゥー/ウィーン・フィル

2007/05/03のBlog
爽やか昼下がり。緑の風が田舎に吹き渡ります。
ワタシは連休の中日の出勤で、勤労意欲がなく、職場でウトウト昼寝を・・・・・(^^ゞ。
これ、気持ちエエですね。昼寝。
そして、聞こえてくるのはドビュッシーのフルートでありました。

そこで、今日はドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」。
ピエール・ブーレーズ指揮フィルハーモニア管の演奏。
1966年12月、ロンドンでの録音。

髪の毛の一本一本まで見えるような、解像度の高い、克明に描き込まれたドビュッシー。フルートの明晰な響きは全篇にわたって素晴らしく、その他の管楽器も繊細な響きで、聴き手をフランス的な世界に引っ張り込む。

オーボエの鼻にかかったような、ややキツめの音など、いかにもフランス風。
何よりストリングスの洗練された、きめ細やかな音がたまらない。ハープの音も何とも軽やかでデリケート。髪の先まで神経が行き届いている感じの演奏。
オケはフィルハーモニア管。イギリスのオケなのに、音は全くフランス風。これ、ブーレーズの手腕がスゴイのか、ドビュッシーの音楽の力が強いのか・・・・本当にフランスのオケそのものの音。
トゥッティでのオケの厚みは十分。しかし、その音がモコモコ着ぶくれたものではなく、しなやかでサッパリしているのがブーレーズ流。厚いけど重くない、いや、軽いのがカッコイイ。

この録音は、フランス音楽の(というより現代の前衛音楽の)旗手だったブーレーズが、本格的に指揮を始めた、早い時期の演奏だった。

フランス印象派の音楽と云うよりは、現代音楽の扉を開けた作曲家としてのドビュッシーを表現しようとしたのかな。
ブーレーズのつくりだす音楽は、すべてが光に照らされて明るくハッキリと音を出す。この明瞭さは、解像度の高さとでも云おうか、一種独特のドビュッシーだとは思うが、これに慣れてしまうと、他の演奏がボンヤリしたものに聞こえてしまう。
でも、ホンマに素晴らしいドビュッシー。

昼寝しながら耳元で響く音楽としては、最高の贅沢かもしれません。
緑の風に、ドビュッシーのフルートが映えます。
怠け者のワタシは、牧神になってウトウトします。

四国伊予西条、田舎町の田んぼには、水が入りました。
田植えの準備が進みます。

2007/05/02のBlog
おはようございます。
昨日のクーベリック盤、世評高い理由が分かりました。素晴らしい演奏でした。
コメントも沢山頂戴しました。ありがとうございました。皆さん絶賛の演奏、1000円盤は安いです。どうぞお買い求め下さい。

さて、ここのところ、モーツァルトばかり聴いています。
(今日もまた「ジュピター」です。レパートリー狭くてスミマセン。)

モーツァルトの交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」。
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏。
1963年10月、クリーヴランドでの(おそらくセヴェランスホールでの)録音。
CBSソニーのセルの1300円廉価盤シリーズからの1枚。カップリングは35番「ハフナー」。

このコンビの演奏を聴くたびに書いているのだが、まったく鉄壁のアンサンブル。
アインザッツが素晴らしく、スパッと切れ味良く音楽が進んでゆく。これを聴くのは快感であります。

第1楽章は小気味の良い演奏。そして、男性的な逞しさを感ずる演奏でもある。
テンポは快速でグイグイ前に進んでゆくし、骨太の迫力も十分。
セルのモーツァルトへの信頼、自分のオーケストラへの確信も感じさせる感じで、決然としたところが孤高的ですらある。
モーツァルトはかくあるべし、とでも言いたそうな演奏。自信満々に曲が進んで、その風格に包まれてしまう。

第2楽章はひたすらに優美。そう、モーツァルトは美しい。比べるものがないくらい美しい。交響曲最後の作品になって、モーツァルトはこんなに美しい音楽を書いたのだ・・・・とセルの演奏を聴いていて実感した。
研ぎ澄まされた合奏からは、その移ろいゆく美しさが、キラキラと輝きながら次々にこぼれ落ちてくる。精妙で誠実な演奏だからこそ、無常幽玄の美を語るよな味わいがある。
弦楽器と木管との繊細な会話も、ため息が出るほど美しい。このあたりは、クリーヴランド管の腕の見せ所(聴かせどころ)かもしれない。

第3楽章は下降音階が印象的なメヌエット。ここでもセル/クリーヴランド管のコンビは精緻な演奏を繰り広げる。弦楽器はなお一層デリケートな響き。

そして、快速なフィナーレ。速い。すこぶる速い。確信に満ちて、しかも颯爽としている。そして、セルにしては豪快な演奏。
クリーヴランド管の能力全開、そのパワーが熱さを呼んで、熱気溢れる演奏となった。
管楽器など大活躍で、迫力満点。特に金管の強奏とそれを支えるティンパニの強打がスゴイ。熱い。
ああ、セルは冷静冷徹な指揮者じゃない、熱く逞しい名指揮者だったと、これを聴いて思わずにいられない。

録音は我が家では貧しいです。残響が少なく乾いた感じがします。
カートリッジの限界か(DENONのDL-103Dを使用)。

(でもSummyさんによれば、最近のリマスタリングのDSD盤は音がエエそうです)

ただし、名演奏は録音の良否を越えます。
このレコードも、初めは「パッとせん録音やなぁ」と思っていたら、どんどん演奏に引き込まれて、最後は録音などどうでもよくなりました。
名演奏は、録音など関係ないんです。
(でも、エエ音で聴きたいという気持ちもあって・・・・煩悩は尽きません)
2007/05/01のBlog
前半の連休3日目も穏やかな天気でありました。
こんな良い天気の日に、、在宅仕事で資料作りに追われておりました。
トホホであります。

さて、今日は聴いたのは・・。
ドヴォルザークのスラヴ舞曲集(作品46&72全曲)。
ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団の演奏。
1973~74年、ミュンヘンでの録音。DG盤。

世評高いのに聴いたことがない演奏がある。
本で読み、人から聞き、素晴らしいとは知っているのだが、聴く機会がなかった演奏がある。

今日のCDがそれであって、1000円盤で見つけたので(グラモフォン・ザ・ベスト1000という例のシリーズ)、ふと買ってみたら、いや、これはホンマに素晴らしい!

スケールが大きくダイナミック、望郷の思いにあふれていて情念豊かな演奏。
オーケストラも力演で、録音も(当時としては)おそらく最高レベル。
クーベリックのメリハリのきいた指揮に反応して見事な演奏を展開しているし、アンサンブルも極上。特に、弦楽セクションのやさしい響きが全編で印象的。軽くて爽やかで、踊りたくなってくるような響き。
改めてクーベリックを見直してしまった。これはクーベリックの代表盤と云ってもいいんじゃないか。


例えば第2番。これはウクライナの民族舞曲ドゥムカ。切ない旋律と躍動するリズムが泣かせるほど美しい。

これを聴きながら故郷の風景を思い出しました。
僕の本貫地は埼玉県の入間市というところで、どこまでも続く茶畑と桑畑が原風景であります。子供の頃は、茶の木の間で遊んでおりました。ああ、今日から5月。ちょうど今頃から、茶摘みの季節です。

近くの出雲祝神社や西久保観音で草野球をしていた・・・・・そのころの風の匂いがよみがえってきます。ああ、今日のこんな風だった・・・・。

音楽の力は偉大であります。また不思議なもんです。
ドヴォルザークは、チェコとその周辺の民族舞曲に取材してこの「スラヴ舞曲集」を書いたんです。
それを聴いて、僕は、スラヴではなく自分の故郷を思い出す・・・・。

第3番のポルカも、第4番のソウセツカーも郷愁を誘います。
第10番のマズルカの抒情も、故郷の空を思い出させます。
ああ、ドヴォルザーク。
2007/04/30のBlog
連休2日目は、雲一つない上天気。
初夏の陽射しに初夏の暑さでした。ジョギング道では、緑の風が爽やか。
ツツジの花がそろそろ満開、農家の庭先の藤棚がまた綺麗なこと。藤の花の上品な紫を眺めながら田舎道をトコトコ走るのは、自分も初夏の身体になったようで気分がエエですな。

さて、今日もモーツァルトを聴いてます。

モーツァルトの交響曲第35番 ニ長調 K.385「ハフナー」。
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1984年10月、ムジークフェラインザールでの録音。DGによるバーンスタインのモーツァルト交響曲集からの1枚。

久しぶりに取り出したバーンスタインのモーツァルト。
一聴、ああエエなぁ。ウィーン・フィルらしい、柔らかくしなやかな音がたまらんなぁ。バーンスタインの指揮も熱気に溢れて、勢いがあるなぁ。ホンマに懐かしくなってしもた・・・・。

古楽器や室内楽団のモーツァルトを聴き慣れた今となっては、このバーンスタイン盤、少し厚ぼったい響きかなと感じるのだが、この厚みは大家風であるし、豪華な雰囲気を醸し出していて、聴きごたえがある。

このころのバーンスタインは殆どがライヴ録音で(客のいないスタジオライヴのようなものだったらしいが)、そのためかアンサンブルはちと荒いところがあって、VPOにしては「オイオイ」という感じがするところもあるのだが、その分、推進力やリズムの弾み、演奏の熱気などに優れていると思う。ライヴ的な感興の盛り上がりもあって(第1楽章の終盤などが良い例)、大変面白く聴ける。
これがスタンダードかと云われると、う~ん、という感じなのだが、でもバーンスタインのモーツァルトは、いかにもバーンスタイン的な臭みがあって、ボクは好きだ。

第1楽章は元気溢れる演奏。コーダでのテンポの落とし方などはスゴイ。バーンスタインがマーラーなどで聴かせるアダージョ的な粘りがある。

第2楽章は優美そのもの。色っぽい美人のような演奏。「仇な姿の 洗い髪」とでも云いたくなるような感じ。粋な黒塀 見越しの松に ・・・ではないのだが(^^ゞ。

第3楽章はメヌエット。着実な歩み。急ぎすぎない中庸のテンポが心地よい。リズムは精力的で、バーンスタインの汗が見える感じ。

フィナーレは快速。見事なプレストで、幸福な終楽章になっている。VPOもラストになって、さらにノリノリの演奏。この「ノリ」こそ、バーンスタインの真骨頂かな。

録音は標準的。購入したての頃は、デジタル特有の硬くて平板な音に聞こえたのだが、我が家の装置が変わったせいか、今聴くと、実にエエ音でなってくれます。
ウィーン・フィルらしい、輝きのある音がたまりませんん。
2007/04/29のBlog
汗ばむような一日。初夏を思わせる日でありました。
連休の始まりで、こんな田舎でも、どこも人出が多い感じ。我が家の前の産業道路もショッピングモールがオープンしたせいか、混雑渋滞でありました。

さて、今日はモーツァルトの歌劇序曲集。
ハンス・フォンク指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1985年、ドレスデンのルカ教会での録音。Laserlight原盤で、超のつく廉価盤。なんと税込み347円。

1曲目、「魔笛」序曲のあの有名な和音が響いた途端。リスニング・ルームがドレスデンのルカ教会に変わってしまった。素晴らしい音。今から20年も前の音とは思えない、新鮮でまろやか、何とクリーミーな音だろう。
ドレスデン・シュターツカペレの暖かく柔らかく優しい響き、楽器がよく融け合って、しっかりした厚みを持ったまろやかな響き・・・・・これを聴くのはもう何とも云えない心地よさ。
この音で、モーツァルトをやられた日には、何も僕には要りません。
全ての楽器が豊かに鳴っている。テンポも颯爽として、実に気持ちよい。

そう、SKDの音だけでなく、フォンクの指揮がまた良いんだなぁ。
ハンス・フォンクは3年前に亡くなった名指揮者、職人肌の人だったのだろうと思う。EMIにシューマンの交響曲全集などはあったものの、そんなに録音は多くなかった。
このCDは良い。SKDの最良のサウンドを引き出して、見事なモーツァルトを聴かせてくれる。

「フィガロの結婚」も快速快適な演奏で、アンサンブルが良いので、響きがもたれない。音楽は、コンサートホールで聴いている感じ。残響が素晴らしく、弦楽セクションの音などても柔らかい。この音、このフンワリ感、SKDの稀有の個性と思う。モーツァルトの魅惑的な旋律が次々に飛び出してきて、それがまた上品で端正、聴いていてワクワクしてくる。

「ドン・ジョヴァンニ」は、これがまたしっかりデモーニッシュな音。柔らかく、切実で、悲劇的な響きをきちんと出してくる。最上質の悲嘆とでも云うべきか、素晴らしいアンサンブルと、有機体のような音の塊、いや塊と云うよりは音の雲海のような、聴き手の体を優しく包み込むようなサウンドが、極上の悦びを与えてくれる。

いやもう、素晴らしいの一言でありました。

曲目はこんな感じであります。
○歌劇『魔笛』K.620~序曲
○歌劇『フィガロの結婚』K.492~序曲
○歌劇『アルバのアスカニオ』K.111~序曲
○歌劇『イドメネオ』K.366~序曲
○歌劇『劇場支配人』K.486~序曲
○歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』K.588~序曲
○歌劇『後宮からの逃走』K.384 ~序曲
○歌劇『にせの女庭師(恋の花つくり)』K.196~序曲
○歌劇『ルッチーオ・シッラ』K.135 ~序曲
○歌劇『皇帝ティートの慈悲』K.621~序曲
○歌劇『ドン・ジョヴァンニ』K.527 ~序曲
2007/04/28のBlog
先日、フィリップスの1000円盤で「ジュピター」・40番を聴いて、いやはや何とも素晴らしい演奏だったので、これは全部聴いてみなくちゃイカンなぁと思いました。

そこで、今日は・・・・。

モーツァルトの交響曲第36番 ハ長調 K425「リンツ」。
ヨーゼフ・クリップス指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1972年の録音。DECCA発売の輸入廉価盤の全集。原盤はDECCAなのか、フィリップスなのか。

HMVから届きました。クリップスのモーツァルト全集。
ポツポツ聴き始めておりますが、いや、全く素晴らしい。きわめて普通の、何の変哲もない、大オーケストラの、古き良き時代のモーツァルト。
これといったセールス・ポイントはないのかもしれないが、まあ、試しに聴いてみなはれ、と云いたい気分。実に味わい深いモーツァルト。

この「リンツ」なども普通の演奏なのだが、大変楽しく心地よく聴けた。

第1楽章の清潔なアーティキュレーション、心地よいフレージング。
アムステルダム・コンセルトヘボウ管特有の柔らかい音を前面に押し出した演奏であって、聴き手を幸福にしてくれる。テンポも実に軽やか。というより、程良い軽さ。フワッと柔らかく頬を撫でられてゆくような音が、もうたまらない。
クリップスはホンマにモーツァルト指揮者だったと思う。どこをとっても安定していて、モーツァルトの愉悦がこぼれてくるような演奏。指揮者もオーケストラも楽しんでいる感じ。こちらもウキウキしてくる。

第2楽章は格調高いアンダンテ。適度に重厚で、何より弱音で響きが痩せないのがイイ。ふっくらと豊かなモーツァルトがここにいる。古楽器で演奏するとギスギスした感じになるところを、クリップスは楽しくふくよかに演奏させてゆく。ここでも、音楽する喜びがある。モーツァルトは、こうでなくちゃね。

第3楽章のメヌエットも恰幅がいい。柔らかいトリオも楽しい。
アムステルダム・コンセルトヘボウ管は、聴き手を包み込むような豊満な響きが美しく、落ち着いた感じがする。残響も素晴らしい。

フィナーレは速くなりすぎないのがイイ。リズムもよく、どこにも無理がなく自然なモーツァルト演奏。
エキセントリックな古楽器演奏に慣れてしまうと、生ぬるく感じるのかもしれないが、この暖かさ、ぬるさ、ほどよい甘さ・・・・これぞ、モーツァルト演奏の王道じゃないかと思ってしまいますな。

録音は30年以上昔のものとは思えない鮮明さ。
この全集は、じっくり楽しんで聴いていきたいものです。
2007/04/27のBlog
明日からGWです。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
僕は、今のところカレンダー通りの勤務で3連休・2日出勤・4連休の予定ですが、前半は法要納骨・区民運動会の役員・持ち帰り仕事(研修会発表の資料づくり)、後半の連休はおそらく溜まった仕事の片付け(だから多分休日出勤(^^ゞ)になりそうです。
楽しみにしていた息子2人の下宿先・大阪行きはもう少し先になりそうです。梅田のワルティとか阪急名曲堂とかね、行きたかったんですが。


さて、今日はJ・S・バッハ。管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068。
コレギウム・アウレウム合奏団の演奏。
1960年代末、フッガー城の糸杉の間での素晴らしい録音。LP2枚組のテイチクの廉価盤。原盤は独ハルモニア・ムンディ。

バッハの管弦楽組曲第3番は壮麗で豪華な曲だと思うが、コレギウム・アウレウム合奏団の演奏で聴くと、全体的にひなびた味わいになる。
コレギウム・アウレウム合奏団が活躍したのは、古楽器演奏のはしりのころであって、楽器はオリジナルだが、演奏スタイルは現代楽器風という、いわば過渡期らしいものになるのだろう。でも、僕はこの団体が好き。

僕がクラシック音楽を聴き始めた頃が、ちょうどこの団体の廉価盤がテイチクから続々発売されていた頃で、ビンボーな学生だった自分にはとても有り難く、バッハやヘンデル等の有名どころのバロック曲集は、おおかたコレギウム・アウレウム合奏団で揃ってしまったのだった。そして、何度も聴いているうちに、この演奏が身体に、(そして誰もが経験する青春時代であったわけで、身体だけでなく心の中にも)、染みついてしまったのかもしれない。
だから、この組曲・この演奏は、郷愁とともに僕の中にあるんですな。

さて、演奏であります。

序曲はさすがに豪華壮麗。音程を取りづらい管楽器も頑張っている。

でも、やはり聴きものは「エア(アリア)」だろう。弦楽合奏のアンサンブルが美しく、ゆったりとしたテンポも実にイイ。最近の古楽器演奏は、速すぎる。このくらいがちょうど良い。心にしみる。静謐の美を味わえる、名演と思う。

「ガヴォット」は、管楽器の音色が美しく、素朴でひなびた味わいが実によい。トランペットもオーボエもなかなか巧いもんだ。古楽器草創期のこの時期だったら、技術的にも大変だったろう。弦楽セクションとよく融け合って、すばらしく美しい響き。

「ブーレ」と「ジーグ」はすてきな舞曲。コレギウム・アウレウム合奏団で聴くと、可憐な感じになる。路傍の花のように、奥ゆかしささえ感ずるこれは佳演。

録音状態は、今も最高。
キルハイム・フッガー城の糸杉の間の素晴らしい響きが印象的。
この余韻がたまらないですな。


過去のコレギウム・アウレウム合奏団のエントリーです。
★モーツァルトの交響曲第40番ト短調 K.550
★ヘンデルの合奏協奏曲集作品6
★ヘンデルの「水上の音楽」
★バッハの管弦楽組曲第1番ニ長調 BWV1066

2007/04/26のBlog
今日は大曲、マーラーの交響曲第9番 ニ長調。

ウーヴェ・ムント指揮京都市交響楽団の演奏。
2001年3月、京都コンサートホールでの録音。Arte Nova 原盤。
新品激安600円。新居浜のタワーレコードのバーゲンで購入したもの。

いやはや、マーラーの9番が600円で聴けてしまう、凄まじい時代。
演奏は京都市響の頑張りもあって、なかなか立派。佳演といっていいんじゃないかと思う。

第1楽章のテンポは速め。ドロドロせず、立ち止まりもせず、スーッと進んでゆく感じ。もう少し、ためらいがちの進み方の方がいいかなとも思う。
(ただ、コーダに入るとグッとテンポが落ちて、失速する感じ。止まってしまいそうなほどの遅さ)
弦楽セクションは、もう一歩かなという感じ。音色のニュアンスが乏しい。録音のせいか、音が少しザラつくところが惜しい。ライヴ録音なのだろうが、これでアンサンブルがビシッと決まると、ツルツルした輝きが出てきそうな演奏。

第2楽章のレントラーは、着実な歩み。ここも速めのテンポ設定で、サラサラと進んでゆくところがある。淡々とした中に、味わいも感じられるのだが、少々薄味。上品な味付けといった感じかな。
管楽器はバランスよく鳴っていて、これは好調。

第3楽章ロンド・ブルレスケは快速。速い速い、どんどん進んでゆく。
進むというより、何ものかから逃げてゆく感じ。遁走曲と言っていいかもしれない。
マーラーが感じていた死への恐怖、それからの逃走だろうか。音楽の軋みもイイ。この楽章では、楽器の間から悲鳴を聴きたいと思う。ムントの解釈は、軋みを立てながら逃げてゆく。弦や管の高音域に、その悲鳴を聴くような感じ。素晴らしい演奏と思う。

終楽章は、うん、やはり良い。曲がスゴイ。いつ聴いても、この終楽章はスゴイ音楽だと思う。マーラーは凄まじい音楽を書いたものだと思う。
京都市響は大健闘。ラストの壮絶な弦楽合奏に向かって、ひたひたと進みながら緊張感を高めてゆく。木管の侘びしさもたまらない魅力。
そして、感動的な終曲。ああ、絶品。

プロオケといっても、東洋の島国の、地方オケ。それがここまで素晴らしい9番を聴かせてくれるのは、素晴らしいことだと思います。
日本はエエ国やと思います。


新緑が眩しいくらいの良い季節になりました。
連休前です。大阪の息子たちも間もなく帰ってきます。
親戚も集まります。墓の修繕も済んで、納骨の準備も出来ました。
週末は亡父の満中陰法要であります。