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クラシック音楽のひとりごと
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2007/05/31のBlog
サラッとした風が心地よい陽気でした。一足早く更衣、半袖にしましたので、五月の風が気持ちよく感じました。
今日はそんな風と同じ趣きを感じさせるサウンドで、クラシック音楽を聴いてます。

ラヴェルの「クープランの墓」。
シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団の演奏。
1983年5月、モントリオールでの録音。DECCA盤のLP。

フランス的としか云いようがない魅力にあふれ、軽く明るく洒落た感じ響きがたまらない。これぞラヴェルと云いたくなる曲であり、またデュトワ/OSMの演奏がすばらしく上質のオーケストラ音楽を聴かせてくれる。

原曲はピアノ曲。管弦楽の魔術師と呼ばれたラヴェルがほかのピアノ曲でもしたように、すばらしい編曲を行っている。

まず「前奏曲」のオーボエ。
こんなに速く吹くのは大変だろうなぁと思うのだが、プロはスゴイもんだと思う。よく聴いていると、ここで使う楽器は、確かにこりゃオーボエしかないだろうなぁと思うのだが、このモントリオールのオーボイストも大変な名手。
デュトワはこの時期絶好調、ラヴェルの管弦楽曲を次々に録音し、すべてが見事な出来で絶賛を博していた頃。
DECCA録音も優秀で、この名品に花を添えている。

「フォルラーヌ」はイタリア・ヴェネツィアの宮廷舞曲。
旋律はユーモラスで可愛らしいのに、ふとしたところで干感傷的な響きになる。
管楽器が活躍する曲だが、OSMの個々のプレーヤーが巧いので、うっとりしてしまう。ホンマに巧いオケだと思う。
アンサンブルも十全。デュトワのオーケストラ・トレーナーとしての腕が想像される演奏。
「メヌエット」は優雅な音楽が続く。弦楽セクションが柔らかく暖かい響き。色で例えれば、淡いピンクか、すみれ色に近いかな。
中間部でのスケール豊かなトゥッティも印象的。

終曲は「リゴードン」。
これはプロヴァンスの民族舞曲で、野性的なリズムが楽しい作品。金管が炸裂したときの響きが実にカッコイイ。また、中間部での叙情的な音楽もすばらしい。
デュトワの演出も巧みで、ああ、いいラヴェルを聴いたなぁと実感できます。

録音は今もすばらしいもの。
DECCA、デュトワ/OSMは最高のコンビでありました。

ビンボーでなかなかLPも買えなかった時代の、憧れの指揮者でした。
この人のラヴェル全集は無理をして(廉価盤になったこともあるんですが)買いました。
懐かしい1枚であります。
2007/05/30のBlog
ブロムシュテットがドレスデン・シュターツカペレとDENONに録音した演奏は、全てが素晴らしいと僕は思っております・・・・・・・・・・・・。


今日はR・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」 作品40。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
ヴァイオリン独奏はペーター・ミリング。
1984年9月、ドレスデンのルカ教会での録音。DENON盤。

おそらく、ドレスデン・シュターツカペレのまろやかサウンドの真骨頂を示す1枚。
温かく、柔らかく、聴き手とホール全体を包み込むような優しさ。
それぞれの楽器が見事にブレンドされた美しさ。
ドレスデン・シュターツカペレの美質が最も発揮された演奏・録音であり、またそれをほぼ十全に捉えきったDENONの録音の見事さも讃えたいと思う。
オーケストラの「音」だけでも、聴きごたえがある1枚と思う。

ブロムシュテットの指揮もイイ。
・・・と云うより、ドレスデン・シュターツカペレに全幅の信頼を置いて、殆どオケに任せたのではないかと思われる感じの指揮。

指揮者の存在があまりない。何もしていないような感じ。と云うよりも、あまりに自然な音楽の運びで、オケが有機体のように溶け合ったサウンドを奏で、アンサンブルも最高の状態であるし、ルカ教会の音響も素晴らしいので、ブロムシュテットが何もしていないように感じてしまうのかもしれない。
それほど、自然な息づかい、無理のないフレージングで心地よく音楽が進行してゆく。

だから、音楽がギラつかず、R・シュトラウスなのに「虚仮威し」にならない。
(R・シュトラウスの音楽には、虚仮威し・匠気のようなものが常にあると僕は思う)
ブロムシュテット盤は渋い。渋すぎる感じ。豪華絢爛なところもあるが、基調は墨絵のような渋さ。
輝くとしてもそれは黒光り。真鍮のような黒光り。自然の木質感、質朴さでR・シュトラウスが鳴る。
自己主張がないのが特徴とも云うべき演奏であって、だからこそ、R・シュトラウスにあっては超個性的な演奏と思う。

声を大にした奴の勝ち、言ったもんが勝ちという殺伐とした時代風潮の中で、何と奥ゆかしい演奏だろう。
「英雄の戦い」でさえ、派手にならずに落ち着いた響きで終始する。

ソロ・ヴァイオリンも、他の盤ではエロティックに弾いているところを、この特徴的な演奏に溶け込んで、突出するところがない。やはり渋いソロだと思う。


ドレスデン・シュターツカペレは、R・シュトラウスと浅からぬ関係があったオーケストラであります。ルドルフ・ケンペともR・シュトラウス管弦楽曲集を録音しています。
(あの全集の演奏も、渋く格調高いものが多かったですな。)

いやはや実に個性的な「英雄の生涯」であります。
録音は最高。オケの音色・響きも最高。
家庭で聴く最高のオーケストラ音楽だと思います。派手好きな人には向かないでしょうけれど。
この演奏がDENONのクレスト1000シリーズで、今や1000円盤になっているんですから、有り難いことだと思います。
2007/05/29のBlog
この頃、LPづいています。
針先を掃除して、レコードをクリーナーでサッと一拭き、ターンテーブルを廻し、カートリッジを落としてゆく・・・・やがてA面とB面をひっくり返し・・・・・・。
この面倒な手順を楽しめるのは、トシを取った余裕でしょうか。

しかし、パチパチノイズが壮大に出てくると、やっぱりCDの方がエエわなぁとも思うんでありまして・・・・・聴き手はわがままで贅沢なもんです。

さて、今日はモーツァルトです。

モーツァルトのディヴェルティメント第17番ニ長調 K.334。
コレギウム・アウレウム合奏団員の演奏。
1981年1月、ドイツ、ヴェナウの教区教会での録音。ドイツ・ハルモニアムンディ原盤を日本ではテイチクが発売していた。その廉価盤1500円のLP。

レコードのタスキのコピーにこう書いてある。
「優雅な響き、新鮮な表現、黄金の楽団による名盤!」。
なるほど、その通りだわいなぁ・・・と思いつつ聴いていた(尤も、この程度のコピーならワシでも書けるぞいと思いつつ・・・・(^^ゞ)

演奏は各パート1人ずつの七重奏。リーダーは第1ヴァイオリンのフランツヨーゼフ・マイヤーだろう。

第1楽章は冒頭から微笑みにあふれた幸福な音楽。古楽器を用いているので、響きが新鮮。録音の加減か。音が少々きつめに感じられることもあるが、余韻が美しいので心地よい演奏になっている。テンポは中庸。速くもなく遅くもなく、コレギウム・アウレウム合奏団らしい、落ち着いた演奏ぶりと思う。

第2楽章は哀しみの変奏曲。艶やかで美しい余韻が、この音楽をより一層魅力的にしている。ホルンの古雅な響きが味わい深く、心に染みとおる感じ。

第3楽章はお馴染みのメヌエット。典雅な音楽。
古楽器の技術的な制約によるものか、優美で滑らかにやるのではなく、ややゴツゴツした感じの演奏。ウィーン・スタイルというよりは、ドイツ風の音楽と云うべきかな。
教会録音が功を奏して、響きは非常に美しい。

第4楽章のアダージョは、かなり遅め。止まってしまいそうなところもある。その分、歌が一杯。しみじみと、あるいは朗々と7つの楽器が歌うのは美しい。マーヤーのヴァイオリンが、突き抜ける高音で歌うところなどは特に綺麗。

第5楽章は溌剌爽快なメヌエット。若々しく颯爽とした演奏で、好感が持てる。ここへ来てアンサンブルも格段に良くなった感じ。

フィナーレは永遠のロンド。テンポは遅い。指定のアレグロよりも遅い、アレグレットくらいかな。コレギウム・アウレウム合奏団員がじっくりと歌い込んでゆく。ラストまで続く艶やかな歌が美しい。
いつまでも続いて欲しい、終わって欲しくないと思わせる音楽。さすがモーツァルト。

録音年代はデジタル初期のはずだが、表記はアナログ録音。
クッキリした音像と、抜けるような余韻が対照的で美しい。
コレギウム・アウレウム合奏団のレコードとしては、かなりオンマイクの録音なので、購入当初は少々きつめに感じたものですが、今の耳で聴くとそうでもないです。
教会の余韻が楽しめる好録音と思いました。
2007/05/28のBlog
日曜日も黄砂が随分多かったようです。
我が家南面、石鎚山どころか、その前の山々・丘陵も霞んで見えないほどでありました。仕方ない、在宅業務とノートPCの設定、そして腰痛もあって(ジョギングもサボリ気味ですな)、書斎に籠もっておりました。
昼前後から気温は上昇、冷房の試運転もしております。いよいよ夏であります。

さて、今日はドヴォルザークの交響曲第7番 ニ短調 Op70。
コリン・デイヴィス指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1975年11月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤。

ドヴォルザークの交響曲の中で、最もブラームス的な作品。
ブラームスの第3交響曲を聴くや、ドヴォルザークは発奮して、2ヶ月で書き上げたというだけのことはある。構成も造形も全くブラームス的でシンフォニック。

しかし、聴き進むうちに眼前に広がるのは、やはりドヴォルザーク的な世界。
ボヘミアの美しい旋律が一杯で、稀代のメロディ・メーカーであったドヴォルザークの世界が浮かび上がる。

さて、このデイヴィス盤は、姿格好の良い、立派な交響曲といった趣で聴かせる。
第1楽章は、ものものしい序奏で始まるが、全体的には端正で引き締まった音作りが特徴か。
第2楽章もブラームス的。フルートやホルンの使い方などそっくり。アムステルダム・コンセルトヘボウ管の響きはとても良い。いつものことだが、聴き手を包み込むような優しさと、ホール全体に消えてゆく余韻がたまらない。特に美しいのはホルン。ふっくらとした響きは最高だと思う。

第3楽章から、いよいよドヴォルザークの本領発揮。チェコの美しい民謡風のメロディが現れる。アムステルダム・コンセルトヘボウ管の弦楽セクションがことのほか綺麗で、旋律美をひきたててゆく。

フィナーレはブラームス風の重厚さにドヴォルザーク独特の懐かしい歌謡性が融合した名演。デイヴィスの指揮も息づかいが自然で、強引なところがないのが良い。何より、ここでもACOの音響、音色の美しさが効いている。

録音は1975年。アナログ全盛期のもの。
30年以上経過したが、今も十分に美しい。柔らかくふくよかな、フィリップスらしい音が聴ける。特に重低音の押し出しが強く、心地よいのです。

仕事と称して結局は音楽三昧・・・・う~む、コンセルトヘボウ管の魅力がイカンのか、クラシック音楽の魅力がアカンのか、ワタシの意志が弱いのがダメなのか・・・・・。
2007/05/27のBlog
休日にノンビリとレコード三昧でありました。
外は黄砂がかなり降った模様ですが、ワタシはクラシック・オタクの一日。気づきませんでした・・・・・(^^ゞ。外出せんでヨカッタ。

で、聴いたのは、
J・S・バッハのフルートとチェンバロのためのソナタ ロ短調 BWV1030。
ペーター=ルーカス・グラーフのフルート、イェルク・エーヴァルト・デーラーのチェンバロ。
1973年録音のスイス・クラーヴェス原盤のLP。バッハのフルート作品集2枚組から。マンフレート・ザックスもファゴットで通奏低音強化のために参加している。偽作を含む8曲の全集。

フルートの音色は、初夏の昼下がりに合う。
軽く爽やかで、抜けるような高音の余韻はホンマに美しい。この余韻は、他の楽器ではなかなか聴けない。そして、時には渺々たる侘びしさも漂わせながら。

ペーター=ルーカス・グラーフのフルートは清涼飲料水のように爽やかな口当たり。
四国の田舎では、窓を開けると、スーッと涼しい風が田んぼから吹いてくる・・・その時の気持ちよさに似ている。
どこにでもいそうな感じの素敵な美人。取り澄ましたような美人ではなく、しっとりと日常の生活臭を帯びながらも、品良くたたずむ美人という感じかな。

この曲、ロ短調ソナタでは、第2楽章が出色。
聴いていると、グラーフのフルートは部屋の上方に溶けてゆくような感じ。その響きだけでも幸せになる。ホンマに心地よいラルゴ・ドルチェ。
いつまでも続いて欲しいと思わせる音楽。品の良い、格調高い演奏と云うべきか。
デーラーのチェンバロも上品な通奏低音を聴かせてくれる。

両端楽章は、侘びしさや暗い情念などを秘めた音楽で、哀しい美感に溢れた名曲、名演。グラーフのフルートは端正で、妙な崩し方をしない。時々聴かれるヴィヴラートの何とダンディなこと。時に心弾むようなリズムも実によろしい。

録音から30年以上経過して、さすがに少し古びた感もあります。
スイス、トゥーンのヨハネ教会での録音。余韻が美しいので、聴き疲れしないのがエエです。

偽作も含む2枚組、本を読んだりカタログ雑誌を眺めたりしつつ、のんびり聴いていました。
初夏にはフルートが合います。
2007/05/26のBlog
ネット購入で、ノートPCのHDDが届きました。今日から再設定です。
しかし、安くなってますね。80GBで7000円くらいで買えるんですね。
2.5インチのノート用HDDでも1GB100円を切っています。驚きであります。
昔、一太郎Ver5を使うのに外付けHDDが必要になって、これが今思えば高かった・・・ICMの500MBのHDDが5万円したはず・・・・500GBじゃない、500MBでっせ(^^ゞ
いや、もう隔世の感であります。・・・と、これ以上書くのは止めましょう。トシですなぁ。

さて、今日は古今無双の名曲を。

ベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調「運命」。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。

渋く黒光りのするベートーヴェン。
独シャルプラッテンの録音は、いたずらに華美にならず、渋く落ち着いた音でこの名曲を聴かせてくれる。重心が低く、質実剛健なベートーヴェン。そして、素朴で飾り気のない、それでいて暖かくどこまでもクリーミーな管弦楽が聴ける。

ドレスデン・シュターツカペレは、いつもの通り個々の楽器がよく溶け合ってまろやかな響き。
ブロムシュテットの指揮は自然で端正なもの。伝統様式にのっとったものだと思うが、低音をドンドン鳴らすかつてのドイツ風の塩演奏とは一線を画している。やや軽いところもある。重厚ではあるのだが、軽く爽やかに抜けるようなベートーヴェンとでも云おうか。
そして、堅牢にして堅実なベートーヴェンでもある。
いかにもブロムシュテットらしく、真摯であって、ひたすら作曲者に奉仕する、作曲家の意図を具現化しようとする、そんな情熱を感じる。

第1楽章は、どこからどう見ても格調高い演奏ぶり。
第2楽章は、強弱の対比が鮮やかで、カッチリした構成の演奏。フォルティシモの爆発力、音の引き延ばしは印象的。
第3楽章は、中庸のテンポで穏やかな演奏。ドレスデン・シュターツカペレの響きがクリーミーで心地よい。特に、フォルティシモでの豊満な響き、ゆったりとした大らかな音は抜群によい。
そして見事なフィナーレ。金管と弦楽セクションがよく溶け合って、アンサンブルも極上、着実にヒタヒタと感動が押し寄せてくるような演奏。劇性よりは、音楽の構成や安定感に力点を置いた演奏と思うが、ドレスデン・シュターツカペレの好演もあって、実に格調高い、正統派の「運命」になっている。

録音は上々で、ドレスデン・シュターツカペレの響きが十全に発揮されているものになっている。
全集は超激安の廉価盤であります。


★「運命」の自己リンクです★
●スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
●ベーム/ウィーン・フィル
●ジンマン/チューリヒ・トーンハレ管
●マゼール/ウィーン・フィル
●クレンペラー/ウィーン・フィル
●ジュリーニ/ロサンゼルス・フィル
●カラヤン/ベルリン・フィル(1977年録音盤)
2007/05/25のBlog
初夏の陽気から、真夏の暑さへ。
四国ではすでに乾燥の日々です。ダムが干上がり始めているとの報道もあります。
この夏は猛暑に小雨という予報、渇水が心配されます。

さて、今日はモーツァルト。(今日もか・・・・(^^ゞ)

モーツァルトの交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」。
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルの演奏。
1975年3月25日、NHKホールのでライヴ録音。DGから出ている、「ベーム/VPO 1975 NHKライヴ」LP4枚組からの1曲。

興奮・歓喜の来日公演から、時は流れて32年。
この録音放送がNHK-FMから流れたときには一生懸命録音し(1981年だったかな)、レコード発売の時には真っ先に購入した思い出のセットであります。
カップリングはベートーヴェンの7番にブラームスの1番、シューベルトのグレート、未完成、ワーグナーのマイスタージンガー前奏曲など、いずれも超弩級の演奏ぞろい。スゴイ公演だったのでありました。

さて、ジュピター交響曲であります。
第1楽章のテンポは堂々として、ベームらしいゆっくりめのテンポだが、徐々に速くなってゆく感じで、ライヴ特有の熱気が作用したのか、エネルギッシュで実に精力的。晩年とはいえ、演奏は元気一杯で、快活。VPOも楽しそうに演奏してゆく。

第2楽章はチェロ・コンバスとヴァイオリンの対話が全く優美で美しい。謹厳実直なベームの、ココロの暖かさを聴く思いがする。ふだんは武骨な感じのするベームだが、ここでは美しさの極み。
テンポはやはりゆっくりなのだが、微妙に伸縮して、息づいている感じ。それに生き物のように反応するVPOも見事なもの。ホルンが音を外すのはご愛敬。木管のアンサンブルは見事だし、ヴァイオリンの音色はもうウィーンとしか云いようがない美しさ。
この羽毛のような響き!

第3楽章は堂々たるメヌエット。力強いリズムが基本で、演奏は実に逞しい。弱音部でも音が痩せないのが良い。コクのある響きというのは、こういう音を云うのだろうと思う。
そして、感動の終楽章。
輝かしく、圧倒的な力強さのフィナーレ。モーツァルトのつくり出す完全無欠のフーガ。これぞイデアの世界、至高の終曲とは言い過ぎか。
VPOが力強く鳴る。どの楽器もバランスが良く、練り上げられたアンサンブルに、実演特有の熱気・感興の高まりが加わって、素晴らしい演奏を展開してゆく。
ああ、もうこれで終わりなのか、もっと聴いていたいと思わせる、感動がある。

録音は1975年のライブ、しかもホールは響きのデッドなNHKホールということで、今一歩の感は否めません。
そのハンディの中で、よく録れているとは思います。
もっとも、録音なんぞはどうでもエエんです。
名演奏とそれを聴く感動は、録音の良否を超えます。いつも思うことですが。
2007/05/24のBlog
だいぶ気温が上がりました。伊予路は夏の蒸し暑さでした。
壊れたノートパソコンのHDDは、USBのHDDケースに入れて、データの吸い出しに成功。
辛うじて、仕事の頓挫は防げました。
やれやれ・・・・皆様もバックアップを忘れずに。HDDが突然死するのは話では聞いていたんですが、我が身に起こるのは長年PCを使っていて初めて、いやはや焦りました。


さて、今日は懐かしいLPを聴いています。

モーツァルトのピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467。
ロベール・カサドシュのピアノ独奏、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管の演奏。
CBSソニーのLP1300円盤。
LPには収録日・場所不詳と記してあるが、1961年の録音ではないかと思われる。

清潔で清楚なモーツァルト。
カサドシュのコロコロと転がるようなピアノの音がとても美しい。
セル/クリーヴランド管の伴奏は立派なもので、実に交響的に響く。この曲あたりから一層オーケストラ部が充実してくるモーツァルトの書法に応じて、堂々たる管弦楽になっている。

それにしてもカサドシュのピアノは美しい。
弱音主体であまり大声を上げないピアニズム。秘かな声でモーツァルトの美を語ってゆく。デリカシーのかたまりのようなピアノ。p、ppの表現力がスゴイ。
音色もソフトタッチで丸っこく、透明感もある。透き通るような美しさの中で、実在感をともなった着実な弾き方であり、音色と思う。
第1楽章のカデンツァもセンスにあふれ、粋なもの。あまり激さずに、オシャレでカッコイイのがカサドシュ流だと思う。

第2楽章の透明さ。
映画「短くも美しく燃え」を持ち出すまでもなく、この楽章は、まさに短くも美しい。
クリーヴランド管の弦楽セクションが素晴らしい出来。ピタッと合って、線が細く感じるほどアンサンブルがよい。ボウイングも完璧に揃って、その精度もスゴイ。
カサドシュのソロはノーブルでメロウ。気品漂う上流貴婦人の趣き。テンポもゆったりで心安らぐ演奏。そして、カンタービレ。モーツァルトの愛らしくも清澄な歌がこぼれてくる。

フィナーレは軽快でリズミカルなロンド。晴朗で伸びやかなオーケストラをバックに、カサドシュのピアノは天馬空を行く。
オケはとにかく素晴らしい。克明な伴奏はいかにもセルらしいが、その上を奔るカサドシュのピアノもまたセンスがいい。心地よい終楽章。

録音はこんなもんでしょう。
LPで聴くクリーヴランド管は、CDより柔らかいとは思いますが、解像度はイマイチかと思います。
レコード購入から25年以上過ぎたでしょう。
青春時代、クラシック音楽を聞き始めた頃を懐かしく思い出しつつ、聴きました。
2007/05/23のBlog
職場のノートパソコンがカラカラ、カタカタ音を立てているなと思ったら、ハングしたまま起動できなくなりました。
ハードディスクがいかれたようです。しばらくバックアップを取っていなかったので、これは痛い(T.T)。
ハードディスクは換装すれば良いんですが、データが取り出せなかったらこれは痛いなぁ・・・・・というわけで、今日は復旧への取り組みで一日つぶれてしまうかもしれません。厳しいなぁ・・・・・(ノ_<。)

さて、厳しいついでにベートーヴェンの室内楽を聴きます。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調「セリオーソ」Op.95。
アルバン・ベルク弦楽四重奏団の演奏。
1979年1月の録音。EMIから出ている廉価盤ボックス全集からの1枚。

第1楽章はアレグロ・コン・ブリオ。
緊迫感のみなぎる演奏。楽想は峻厳で、何かに追われるような迫力がある。アルバン・ベルクSQの演奏は、しかしその中に豊かな歌がある。そして、ふと心をよぎる平安も。
緊張と平安とは矛盾する云い方なのだが、だからこそ、ベートーヴェン的でもあるように思う。主題が発展して、積み重なってゆく迫力と、その間からこぼれる穏和な気分と・・・・アルバン・ベルクSQの表現力はさすがと思う。研ぎ澄まされた集中力がビンビン伝わってくる。

第2楽章はアレグレット・マ・ノン・トロッポ。
ゆったりとした音楽の運びだが、アルバン・ベルクSQの強固なアンサンブルが楽しめるところでもある。おそらく、現代最高の合奏が聴けるところだろう。
4つの楽器が均質に鳴っていて、シンプルな響きの中に多くの言葉が詰まっているような説得力がある。
続く第3楽章は、まさに厳粛、セリオーソ。スケルツォなのに、厳しい音楽が続く。ベートーヴェンはこのころから晦渋な音楽を書くようになっていった。アルバン・ベルクSQのスッキリした響きが印象的。クリアで見通しの良い演奏は、その晦渋さ・厳しさから聴き手を救ってくれるような気がする。

そして、コーダが印象的なフィナーレ。集中力がとぎれることなく、いや、ますますアンサンブルが良くなってゆくスゴイ演奏。

録音は少し乾き気味かなと思いますが、まずまずだと思います。
EMIにしては、上出来の部類かもしれません。
それにしても、何たる価格。
こんなハイレベルの全集が4000円もしないで購入できてしまう、おっそろしい時代であります。


ベートーヴェンの弦楽四重奏曲はこの曲以降、難しいです。
僕にはまだ分からないところが一杯あります。
ボツボツ聴いていこうと思います。
2007/05/22のBlog
初夏の爽やかな気候が続きます。
クラシック音楽を聴くのに、実に気持ちいい季節ですね。
そして、ワタシは連日のようにLPを聴いています。
久しぶりに、レコード・プレーヤー TRIOのKP880Dが大活躍しております。

で、今日はホルストの組曲「惑星」。

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1980年の録音のDG盤。デジタル初期、カラヤンが精力的に自己のレパートリーの再録音に取り組もうとしていた時代だった。
今日は、その当時発売のLPで。

ジャケットがカッコイイが、演奏もカッコイイ。
カラヤン/BPOの全盛期、スタイリッシュな演奏が鮮明なデジタル録音で聴ける幸福。CDでは硬さが感じられるデジタル時期だが、レコードで聴くとそんな感じはない。クッキリと隅々まで見通しの良い録音で、ふだんカラヤン録音ではかぶり気味の低音もスッキリして実に心地よい。

「火星」がしびれるほどカッコイイ。凄まじい迫力、音圧なのだが、演奏は実に端正。特に弦楽セクションが柔らかい響きなのが印象的。LPレコード特有の柔らかさかも。低音を支えるヴィオラやチェロの響きは特に良い。

「金星」は優美そのもの。磨き上げた美しさ。カラヤンらしい、耽美的な演奏だが、少し化粧臭い感じもあり。高級クラブの妖艶な美女・・・・といった感じかな。でも、イヤらしさはないし、ここまで徹底してくれると、文句なし。
ソロ・ヴァイオリンは誰なのか、艶やかで鮮やか、細身の美しさを満喫できる。ソロで登場する管楽器も、どれも惚れ惚れするほど美しい。
カラヤンの採るテンポもゆったりで、いやまことに心地よい。極上の音楽。

「水星」も鮮やかな表現。色彩的できらびやか。ヴァイオリン・セクションの細かな動きも味わい深い。繊細で美麗を極める演奏ぶりが印象的。

「木星」は快速テンポ。颯爽として、胸のすく格好良さ。中間部の名旋律は、もう少しゆっくりの方が良いんじゃないかとも思うが、カラヤンは淡泊に通り過ぎてゆく。
ホルンの合奏は強烈だが、カラヤン/BPOのコンビで聴くと、その中に優美さが響く。さすがだなぁと思う。

「土星」からB面へ。不気味さよりはエレガントな神秘性が漂う演奏。弱音がデリケートで美しい。優しく包み込むような、繊細なカラヤンの指揮。
この曲は、演出巧みでお話上手なカラヤンが、最も得意とするところかもしれない。

「天王星」でのティンパニ。革の震えが見えるほど生々しい録音も素晴らしい。
「海王星」の遙かな響き。これは、宇宙の彼方へ遠ざかってゆく錯覚か。合唱も神秘的。

録音は前述の通り素晴らしいです。
LPレコードは、大音量で聴いても疲れません。
包まれるような暖かさ、柔らかい音響を楽しみました。
これ、今やホンマの贅沢ですね。


<自己リンクであります>
●レヴァイン/シカゴ響
●ラトル/ベルリン・フィル
●ボールト/ロンドン・フィル
●佐渡裕/N響
●マゼール/フランス国立管
●マリナー/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
2007/05/21のBlog
サラッと爽やかな風の気持ちよい休日でした。
初夏です。そう汗ばむほどでもなく、寒いこともなく・・・空気もサラサラとして快適でした。

こういう日にはビゼー。そして、「カルメン」が聴きたくなります。

そこで、ビゼーの組曲「カルメン」。
ネヴィル・マリナー指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1978年の録音、フィリップス盤。

アナログ最末期の見事な録音。
柔らかくふっくらした響き、そして音がフワリと伸びてゆく快感。
ロンドン響の響きはやや渋めなのだが、その音を見事に捉え、豊かな残響の中にまとめ上げた独特のフィリップス・トーン。
LPは昔、秋葉原の石丸電気で購入したもの。石丸電気が『レコ芸』の目次のところに広告を掲載、そのコピーがに「ヨーロッパに感激」という文句だった。
初めて聴いたときには、ホンマに感動したなぁ。エエ音だったなぁ。

間奏曲のフルートが、何と高貴に、香り高く響くことか。
高原を渡る涼風、初夏の陽射しに輝く湖水のよう。ホンマに美しい。
これ、ビゼーが書いた最も美しい旋律の一つだと僕は思う。
マリナー/ロンドン響も最高の出来。いつまでも浸っていたい音楽。

アラゴネーズやセキディーリヤのリズム処理も鮮やかで、南欧の強い光を想起させる演奏。もっとも、ロンドン響の音が落ち着いていて、やや渋めで上品なものなので、阿鼻叫喚・乱痴気騒ぎにならないのがイイ。
マリナーの指揮は英国紳士のダンディさ。端正な音楽づくりが好ましい。あざとさ、これ見よがしの(聴きよがしか?)演出がないのも良い。ビゼーの音楽の力、美しさを十全に引き出して、聴いていて実に心地よい。
スケールは決して大きくないのだが、気持ちよく聴けることこの上ない。
リズムの処理は的確、フレージングは自然、アーティキュレーションも実に格調高い。もちろん、南欧的な情熱・激しさも十分。

ロンドン響も素晴らしい。
繰り返しになるが、音色がしっとりとしていて、ニュアンス多彩、無限の味わいを持っている。ここのプレーヤーも腕達者。英国ではいちばん巧いオケなのかな。
管楽器が好調で、トランペットなど気持ちよい闘牛士の歌を聴かせてくれる。アンサンブルも絶妙で、聴いていてとても楽しい。

録音は今も最高レベルの暖かさ。
アナログ最盛期の素晴らしい録音で、これぞフィリップスと云いたい音であります。
CDでも十分エエ音してます。
廉価盤で入手可能じゃないでしょうか。
2007/05/20のBlog
初夏の風が心地よい休日でした。
まさに緑風、水が入った田んぼを渡ってくる気持ちよさ。
当地、伊予西条は南に霊峰石鎚を望むことが出来ます。これが今日は実に美しい。
雪の石鎚もエエんですが、初夏の緑の石鎚山もいいものです。

そこで今日はR・シュトラウスのアルプス交響曲。
(石鎚山は標高1982メートル。アルプスほどの高峰ではありませんが)

ゲオルク・ショルティ指揮バイエルン放送交響楽団の演奏。
1979年のデジタル録音。DECCA原盤のレコードで今日は聴きましょう。

珍しくショルティがバイエルン放送響を振った1枚。
演奏は光彩陸離たる名演。豪華な音響と、男性的なガッツに溢れた演奏であって、スカッと爽快な感触が残る。
輝きに満ちたオーケストラだが、陰影・隈取りも濃い。さすがショルティ、表現の幅は広いと思う。
ただし、情感がこもっている風の演奏ではなく、屈託なくオケが鳴っている。これもいつものショルティだろう。
オーケストラ・トレーナーとしても超一流であったというショルティが、手兵のシカゴ響で培った腕力を発揮して、とこどんバイエルン放送響をドライブしてゆく。

オケがそれに応えて抜群の上手さ。筋肉質の引き締まったフォルムで、シャープなアルペン・シンフォニーになっている。

演出も巧み。R・シュトラウスの作曲技法がスゴイのはもちろんだが、アルプスの自然のさまが目に見えるような演奏。
DECCAの録音がまた見事で、今聴いても素晴らしい音響で再現されれゆく。

バイエルン放送響の起用が成功していると思われる。
シカゴ響で聴くと、明快でスポーツマン的な音楽になって、響きがその分、硬質になるのだが、バイエルン放送響の美波ドイツ風のブリリアントな音色とふっくらとした響きの柔らかさ、良い方向に働いていると思う。

特に弦楽セクションが柔らかくてよろしい。
金管群は、もう、この交響曲だから終始クッキリしているが、ストリングスが実にイイ味を出していると思う。
トータルでは、男性的な筋肉質の音楽とはいえ、ショルティにしては驚くほど円満でふくよかな、風格豊かな演奏になっていると感じる。

今も素晴らしい音で聴けるDECCAの名録音。
アナログLPで聴いたせいか、その柔らかさが印象的でありました。
CDでは硬質なショルティの、円満さが面白いですな。



「アルプス交響曲」の自己リンクです
★プレヴィン/ウィーン・フィル
★インバル/スイス・ロマンド管
★ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管