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クラシック音楽のひとりごと
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2007/06/25のBlog
休日はのんびりとLPを取り出します。
平日は忙しくて、なかなかそういう気分になれませんが、せめて休日くらいはゆっくりしたいもんです。朝7時に家を出て、帰宅は8時。通勤は往復1時間なので、労働時間はほぼ12時間・・・・・ん~~、ちょいと働き過ぎかいな。一般的日本人としては、まぁこんなもんなんでしょう。

さて、今日はベートーヴェンの若番交響曲を。

ベートーヴェンの交響曲第2番 ニ長調 作品36。
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1978年2月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。DG盤。
ウィーン・フィル伝統の響きに、バーンスタインのフレッシュな感覚が加わって生まれた素晴らしいベートーヴェン全集からの1枚。
発売当初は大いに話題になったものだが、あれから27年、今はどうなのかな?まだ、聴かれているのかな?

第1楽章の序奏部は重量級の響き。ああ、これぞ伝統の音、ウィーン・フィルの音だなぁと思う。
そして主部に入ると、バーンスタインの指揮は一気に加速、スパークしていく。非常にエネルギッシュで推進力抜群。細部のアンサンブルなどが荒くなることなく、丁寧な仕上げにもなっている。これはウィーン・フィルの功績かな。よく反応して、美しい合奏で応えている。
特に弦楽セクション、ヴァイオリン群がイイ音を出している。力強さも十分。
楽章終盤に向けてひた走る力も実に良い。

それだけに、第2楽章のラルゲットは心穏やかに優しく響く。
このころ、ベートーヴェンの耳疾は深刻化していたはずで、そのことを思うと、この楽章の穏やかさが心に染みる。苦しいのに、つらいのに、ベートーヴェンはエエ音楽を書いたなぁ、と思う。
バーンスタインはここではじっくり腰を据えて演奏させている。急がず慌てず、ベートーヴェンの思いを表出する。オケも美しく、穏やかな演奏ぶり。
終盤ではウィーン・フィルのヴァイオリンが、むせび泣くような音を響かせる。これは感動的。艶やかで輝かしいのはもちろんだが、こうして泣くようなヴァイオリンもウィーン・フィルなんだわい。

第3楽章はスケルツォ。
モーツァルト的・ハイドン的な世界から訣別したと云うべきスケルツォ。逞しく力強いスケルツォ。まさにベートーヴェンのスケルツォだと思う。
そしてこの交響曲では、スフォルツァンドが多用される。これもモーツァルトやハイドンにはなかったことだろう。バーンスタインが振ると、このスフォルツァンドが力強いエネルギーの噴出になる。短い楽章だが、意味は大きい。

そしてアレグロ・モルトのフィナーレ。
弦と管が一体となって驀進するのだが、ウィーン・フィルの有機的なアンサンブルが美しく、音楽は確固たるフォルムを崩さない。
バーンスタイン特有の前向き・楽観的な音楽の運びも、ここではうまく作用して、豊かな実りを聴かせてくれる。

録音は、低音の重点を置いている感じで、ウィーン・フィルの音が重心低く、落ち着いている。輝かしさよりも、柔らかさに重きを置いたのかな。
アナログ末期の録音で、ふっくらと聴きやすい、聴き疲れしないところがバーンスタインの全集のエエところだと思います。
2007/06/24のBlog
四国はこの数日、典型的な梅雨空です。
降ったりやんだりのシトシト雨。「モナリザの微笑み」じゃありませんが、今日も、雨がしとしと日曜日になるんでしょう。(この意は若い人にはワカランか・・・・(^^ゞ・・・)

で、結局、Vistaのデュアルブートはさっさと放り捨てて、4年ぶりにXPをクリーン・インストールしました。ああ、気持ちエエ。更地はエエもんです。PCが軽くなった感じ、ダイエットできた感じでありますな。これで、ウィルスソフトを入れなんだら、軽いままでいけるのになぁ・・・・・。

さて、今日は季節外れの曲。軽く流しておこうと思ったら(PCの再セットアップしながら聴くのでありますから)、アキマヘン、もう初めから聴き入ってしまいました。素晴らしい演奏でありました。

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 作品24「春」。
ギドン・クレーメルのヴァイオリン独奏、ピアノはマルタ・アルゲリッチ。
1987年3月、ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DG原盤。

第1楽章から、もう、スゴイ演奏。
クレーメルとアルゲリッチ、2つの個性がぶつかり合い、時に協調・協奏し、時に争うような「競奏」もあり、変化に富んで断然面白い。
ヴァイオリンが歌えば、ピアノがふくよかに応じ、ピアノが燦めけばヴァイオリンが切り裂く。たった今、この名曲が生まれたような、瑞々しい演奏。
これが、今まで聴き慣れたベートーヴェンの「春」なのかな?と思ってしまう。今まで聴いてきたものと全然違う。

テンポは緩急自在で、大いに揺れる。フレージングも自由(気ままなくらい)なもの。アクセントが独特で、クレーメルが強く響かせるとドキッとする。そして、それに応えるアルゲリッチのピアノがまたドキドキするほど新鮮。
いや、実に鋭い演奏。

ダイナミクスも広大で、時にあざといほどの表情がある。激しいかと思えば、優美きわまりなくヴァイオリンとピアノが歌い始める。スゴイ。今まで聴いてきた演奏は、ありゃ、何だったんかいな。

第2楽章は一転、タップリとした歌、歌、歌。
クレーメルが優しく歌い始めると、アルゲリッチが新妻のような初々しさで応じる。この緊密さ、互いの音楽に対する愛情の細やかさは、たまらない魅力。
素晴らしい歌で、胸がいっぱいになる。
あの第1楽章はいったい何だったんだ?と云いたくなるくらい、優しい音楽。

第3楽章は生き生きしたリズムと力強さとが特徴。二人とも、アクセントが独特で、ほんの短い楽章なのに聴いていてドキドキする。

そして、見事に決まった終楽章のロンド。
迫力は十分だし、優美に決めるところは流麗きわまりないし、もう演奏全体が雄弁であって、説得力も強い。強烈な個性の幸せな共演であり、協演であり、競演。
いやはや、スゴイ演奏でありました。

録音がまた素晴らしい。
ヴァイオリン・ソナタというと、ついついヴァイオリンがメインになってしまい(当然なのだが)、ピアノの音が籠もったりボケたりで、うまく録音出来ていないことが多いのだが、このCDはピアノの音も大変素晴らしい。
アルゲリッチの表情まで想像できそうなリアルな感じでピアノが録れてます。
エエ録音だと思います。
2007/06/23のBlog
ブルックナーを聴き続けてしまいました。
ブルックナーの交響曲は大曲ばかりですが、その大きな流れに身を浸す感じで聴くのはエエですね。ソファーに深く腰を沈めて聴いていると、体全体が浮き上がってゆくような錯覚に陥ることもあります。

そして、コメントをいただいていると、ホンマに皆さん、ブルックナーがお好きなんだなぁと思います。名演盤、教えてください、是非、紹介してください。
四国の草深い田舎住まいゆえ、なかなか実演を聴きに行けません。CDやレコードで活を癒していますので、是非、いろいろ教えてください。

さて、掉尾は9番。

ブルックナーの交響曲第9番 ニ短調。
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーン・フィルの演奏。
1988年6月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。DG盤。

ジュリーニはブルックナーの後期三大交響曲をDGに遺してくれた。いずれも名演と思う。ゆったりと、深々とオケを鳴らして、歌にあふれた演奏だった。
この9番交響曲も、70分に及ぶ大作。

第1楽章は物々しく、ゆったりと始まる。
遅い。大変遅い。止まりそうなところさえある遅さ。スケール雄大で、ブルックナー最後の交響曲にふさわしい開始と思う。
そして、歌。ジュリーニはいつだって歌う。このブルックナーも例外ではない。歌、歌、旋律線がとにかく美しく歌われる。
オケも大変に美しい響きで応じている。さすがにウィーン・フィル。弦の柔らかさと高貴ささえ感じる輝き。あまたあるオーケストラの中でも別格の美しさと思う。頬を愛撫し、心の中にノスタルジーを起こさせるような、優しい弦の音がたまらない。
ジュリーニ独特のテヌート奏法もイイ。一つ一つの音を丁寧に伸ばしつつ、こぼれるような歌を盛り込んでゆく。ああ、いつだってジュリーニは彼の王道をゆく。このメロディ・ラインはやがてどんどん澄んでいって、高貴な感じさえ醸し出してゆく。

第2楽章はスケルツォ。
金管群は豪快だが、アンサンブルが達者で、響きがだぶつかないのがイイ。ティンパニの強打も、合奏の中によく融け込んで、オーケストラ全体がシルクのような肌触りで響いてゆくのが素晴らしい。
テンポはここでも遅め。ゆったりと克明に進んでゆくのだが、この野人的なリズムでさえも、ジュリーニが振ると、歌心を感じてしまう。スゴイ個性だと思う。

そして、感動的なフィナーレ。ブルックナー自身は、第4楽章の準備もしていたのだろうが、この9番交響曲は、このアダージョで完結しているような気がする。それだけ名品ということか。
演奏はもう大変に美しいアダージョであって、滔々と流れてゆく大河のよう。弦楽セクションの美しさと鮮やかさはいかばかりか。木管の味わい深い響きも、花を添える。
ブルックナーが自身の作品の中で、最も美しいと自信を持って語ったという。ジュリーニとウィーン・フィルで聴くと、まさに、至高のアダージョと思われてくる。

ブルックナーの最高傑作は、完成されている第8交響曲だと僕は思います。しかし、ジュリーニのこのフィナーレを聴くと、この未完の交響曲こそ、最高傑作になるはずだったか・・・・・とも思います。いや、ホンマに名品ですなぁ。


1980年代末の録音なので、今も新鮮で聴きやすい音です。
オケの瑞々しさや、パワー全開の迫力など、文句なしです。


※ ブルックナーの交響曲第9番 自己リンクです ※
■ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管
■シューリヒト/ウィーン・フィル
■ヴァント/北ドイツ放送響
■ショルティ/シカゴ響
2007/06/22のBlog
今日は大曲です。

ブルックナーの交響曲第8番 ハ短調。
ロリン・マゼール指揮ベルリン・フィルの演奏。
1989年6月、ベルリンのフィルハーモニーでの録音。EMI盤。

初出の時は2枚組5600円という高価盤だったが(当時としては当たり前か)、今やEMIのRED LINE シリーズの廉価盤。国内盤でも1300円で買えてしまう・・・・・・。

当たり外れの多いマゼールの、これは大当たりの演奏。
マゼールはヤル気満々、迫力も十分。スケール大きなブルックナーを聴かせてくれる。
様々なところで入念な表情づけを行うのはいつものマゼールだが、それがイヤラシクならずに、説得力をもって聴き手に迫ってくる。その点では、いたって真摯で懸命な演奏と思う。
ベルリン・フィルも絶好調。録音された時期を考えると、おそらくマゼールは次期BPOの音楽監督に就任する気でいたろうと思う。
その期待、ヤル気が演奏にも反映しているように思う。

第1楽章は、幾分速めのテンポで押し通す。音楽は雄大で、ベルリン・フィルが実に良く鳴る。
オケの音が素晴らしい。EMIの録音も上々で、各楽器が実に気持ちよく鳴っている。ブルックナー後期の交響曲は、やはり、これくらい機能万全のオケで聴きたいと思う。
骨太の逞しい演奏がカッコイイ。

第2楽章でもベルリン・フィルのパワー全開。
金管の咆吼が凄まじく、速めのテンポでモタモタせずに進むのがマゼール流。スッキリしたスケルツォだと思う。
造形はあくまでもスタイリッシュ、ティンパニなどは実に強烈だが、その造形からはみださないのはさすが。

第3楽章は至高のアダージョ。ブルックナー最高の緩徐楽章と思うのだが、マゼールは真摯な指揮ぶりで、この敬虔な楽章を極めて美しく再現する。美しさが中身からにじみ出てくる感じで、表面をコテコテ化粧させるのが好きなマゼールにしては珍しい。
強弱のつけ方も自然だし、フレージングも実に心地よい。
ホルンをはじめとする金管セクションは万全の出来、文句なし。滅茶苦茶巧い。深々とした音で鳴るので、音楽は上滑りしない。
弦楽セクションもしっとりと美しい。EMIにしては、ホンマにエエ音だと思う。柔らかく厚く、しっかり弾ききる。
コーダでの爆発も凄まじい。テンポがグッと落ちて、これぞマゼール、見得を切るのがまたカッコイイ。

終楽章は冒頭のティンパニがのけ反るほどの迫力。夥しい録音のあるブル8でも、最も強烈なティンパニだろう。なに、中途半端にヤルよりは、これだけ叩いてくれる方が気持ちいい。
演奏はもう圧倒的。終楽章になってますますベルリン・フィルは好調、マゼールの指揮も最高潮。納得のいく演奏だったのではなかろうか。

素晴らしい演奏。
数多いマゼールの録音の中で、屈指の名盤と僕は思うとります。
ヘビー級の曲であり録音ですが、聴き終わったあとの感動はスッキリしたものでもあります。胃にもたれない感動と云いましょうか。


WindowsXP、未だ起動せず・・・・・。
VistaはXPとは別のHDに入れているのに、Vistaが自分でドライブをCドライブにしてしまって、デュアルブートできません。
VistaのHDをBIOSで切ってもダメ、ケーブルを外してもダメ。「Vistaを起動できんぞ、何とかせよ」というメッセージばかりで、XPのかけらも出てきません。

しかし、この手のトラブルは、いかにも、あちこちで起きてそうな感じ。
ネットで検索していれば、何か対処法が引っかかるかな?
いずれにせよ、この週末は、その対策に追われそうです。


※ ブルックナーの交響曲第8番の 自己リンクです ※
■シノーポリ/ドレスデン・シュターツカペレ
■カラヤン/ベルリン・フィル
■ベイヌム/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■ジュリーニ/ウィーン・フィル
■スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
■ベーム/ウィーン・フィル
2007/06/21のBlog
windows Vista をデュアル・ブートで使おうと、別ドライヴのHDにセットアップしました。
常用はXPで、空いた時間には、さあ、新しいOSに慣れるぞ・・・・と思ったら、Vistaしか立ち上がらなくなってしまいました・・・・・^^;・・・・・。

おそらく、XPのシステムのプロパティの「起動と回復」のところでの、「オペレーティングシステムを表示する時間」をゼロにしていたからではないかと思っているんですが・・・・・これを直そうにも、XPが起動しなくてはどうしようもありません。

どなたか、ご教示いただける方いらしゃいましたら、お助けください。
XPが起動できる方法、ないでしょうか・・・・・・。

というわけで、今、Vistaからこのブログを書いてます。


さて、今日聴いたのは、またもブックなーです。

ブルックナーの交響曲第7番 ホ長調 (ノヴァーク版)。
クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルの演奏。
1992年3月、ウィーンでの録音。DG盤。

アバドらしい、晴朗で柔らかい歌に満ちた、透明感のあるブルックナー。
サウンドがモコモコしておらず、軽やかで明るい。テンポも実に自然な歩みであって、フレージングも実に心地よい。

膝を少々痛めてからジョギングは中断、歩くようにしております。ブルックナーを聴くのは、その散歩・散策に似ている感じ。ジョギングよりウォーキング、いや、さらにもう少し遅いペースで聴いている感じかな。
当地、伊予西条で云えば、ふと仰ぎ見る石鎚山の端然とした佇まい、市内あちこちの「うちぬき水」、そしてのたりのたりと穏やかな瀬戸の内海などをのんびり眺めながら、歩くのに似ているかな。ブルックナーを聴きながら、散策している気持ちになります。

アバドで聴くブルックナーは全く晴れやか。
空は青く澄んで、風は緑風。小鳥の声も田舎住まいには楽しく響くし、葉擦れの音も実に爽やか。そんなブルックナー。

この演奏のできは前2つの楽章がエエように思う。
長丁場の音楽だが、聴き手を飽きさせないのは、アバドのフレッシュな統率のたまもの。
ウィーン・フィルはさすがの巧さ。ベーム、カラヤン、ジュリーニといった大御所とウィーン・フィルは共演しているが(いずれもDGだった)、それらに比べると、響きが晴朗で見通しが良い。音楽がしなやかに息づいて、滔々と流れてゆくのも良い。

特に第2楽章のアダージョは絶品。
美しいと云うより、楽しい感じ。(というとアバドに失礼か)。
でもこの指揮者のカンタービレが自然に出てしまうのが楽しい。ブルックナーだから、おそらく荘厳にやろうとしているのだろうと思うのだが、つい、明るく歌い上げるブルックナーになってしまっているのが、好ましいし、かえって自然な感じがする。
アバドのブルックナーは、その点で親しみやすく、つき合いやすいブルックナーなのだろう。

録音はさすがの新しさ、素晴らしい音で聴けます。
好録音で、特に弦楽が素晴らしいと思います。

さあ、iPodに入れて、散歩に出ましょうか。

※ ブルックナーの交響曲第7番 自己リンクです ※
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■ティントナー/ロイヤル・スコットランド・ナショナル管
■シノーポリ/ドレスデン・シュターツカペレ
■朝比奈隆/東京交響楽団
■ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■マタチッチ/チェコ・フィル

2007/06/20のBlog
降ったりやんだりの、いかにも梅雨らしい、シトシト雨。
どうせ降るなら、もう少し強く降ってくれても・・・・と四国の水瓶が各地でピンチの今、思います。

そんな雨を窓越しに眺めながら、アナログレコードを今日は聴いております。

グリーグのピアノ協奏曲 イ短調 作品。
クラウディオ・アラウのピアノ独奏、クリスト・フォン・ドホナーニ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1963年録音。蘭フィリップス盤のLP。

LP独特の暖かさに、アラウの大家然とした豊かなピアノが響く。
バックは名にし負うアムステルダム・コンセルトヘボウ管。これもふっくらと暖色系の響きで柔らかい。ああ、素晴らしい音。
アナログ・レコード万歳!・・と云いたくなる1枚。この音はCDでは出ない。蘭フィリップスは、もうこの頃から(45年も前から)エエ録音をしよったんじゃなぁ・・・・と感動しました。

演奏は全体的に遅め。
第1楽章など、グリーグ特有の冷涼感・爽やかさからは、やや遠い感じ。聴きようによってはモッサリした感じなのだが、音が柔らかく暖かいのと同じ雰囲気で、演奏は慈愛に満ちたものになっている。
アラウは心温まる演奏をする人なのだ、エスプレッシーヴォのピアニストなんだと改めて思う。

ドホナーニの指揮も風格があって、アラウに合わせてゆったりと心地よい。特にチェロの響かせ方がイイ。これも慈しみにあふれて優しい。
後年、男性的でスパッと切れ味良い演奏になってゆくドホナーニからは想像しがたい穏やかさ、暖かさ。アラウの人間性、そのピアノに触発されたのかな・・・・と思えるほど、この演奏はふっくらしている。
(クリーヴランド管とDECCAに録音したドヴォルザークの交響曲8番・9番やマーラー・シリーズは男性的で筋肉質、実に逞しいものだった)

アラウのピアノは芯があって、中身が伴う充実した音。ズシッとくる重量感もイイ。光り輝くパッセージも、そんなに鮮やかにせず、渋く光らせる感じ。しっとりとした質感もある。第2楽章の叙情的な旋律も、手応えがあって、ムード音楽的に流れないのが良い。

フィナーレは圧倒的。ピアノも管弦楽もすべてが充実して、アラウのおおらかな世界に引き込まれる。

録音は最新録音に負けません。
いや、聴きようによっては、上回るほど。
大家の息づかい、本質的な暖かさ、包容力などが伝わる名録音と思います。


※グリーグのピアノ協奏曲も大好きです※
■アンダ(Pf)・クーベリック/ベルリン・フィル
■ルイサダ(Pf)・マイケル・ティルソン・トーマス/ロンドン響
■ルプー(Pf)・プレヴィン/ロンドン響
■ペライア(Pf)・C・デイヴィス/バイエルン放送響
■ツィマーマン(Pf)・カラヤン/ベルリン・フィル
2007/06/19のBlog
四国は梅雨空です。でも、雨は降りそうで降りません。
松山では渇水対策本部が設置される模様ですし、香川・徳島でも早明浦ダムの貯水率がピンチとのこと。まとまった雨が欲しいところです。


さて、今日もブルックナーですみません。

ブルックナーの交響曲第6番 ヘ長調 <原典版>
ハインツ・レーグナー指揮ベルリン放送交響楽団の演奏。
1980年6月、東ベルリンのキリスト教会での録音。ドイツ・シャルプラッテン原盤で日本では徳間音工が発売していた廉価盤(1000円盤のはしりだった)。

ブルックナーの第六交響曲は、実演であまり聴かないし、CDも多くない。
僕も取り出すことが比較的少ない。3・4・5番の傑作群と7・8・9の大傑作群に挟まれて、あまり目立たないのかな。よく聴いてみると、ブルックナーとしてはあまり規模が大きくないので、聴きやすい佳作と思われる。

レーグナー盤は速めのテンポをとって、推進力十分の演奏。溌剌とした感じで曲が進んでゆく。オケのアンサンブルは少々怪しいのだが、教会録音の残響が素晴らしくいので、それが演奏のキズになっていない。

第1楽章はマエストーソ。
勇壮で逞しい楽想を、レーグナーはサッサと演奏させてゆく感じ。少々素っ気ないところもあるが、オケの響きはふっくらとして心地よい。ブルックナーの懐の深い部分はよく表現していると思う。

第2楽章はアダージョ。
しっとりとした歌が徐々に高まっていくところが素晴らしい。実に美しい歌だし、それがゆっくりとクレッシェンドしていって最高潮に達するところは全く感動的。これぞブルックナーと云いたい。
オケの音色がイイ。特に弦楽セクション。華美ではないし、鮮やかなところもあるわけでなし、渋めのやや暗い音なのだが、切々と歌を響かせて品がよいし、なにより素朴。飾り気はないが、でも一生懸命弾くときのオケはホンマに美しい。ブルックナーの美しい旋律を、真摯にまじめに高めてゆくのを聴くのは嬉しい。

第3楽章はスケルツォ。
あまりスケールは大きくないものの、知的にコントロールされてスッキリと音楽が進んでゆく。金管も木管もよく頑張っていると思う。

終楽章は楽想が刻々と変化し、いかにもブルックナー的。オケもフォルティシモの大爆発からピアニシモの繊細なところまで忙しそう。ちょいと苦しいところもあるが、健闘と思う。ふっくらとした響きはとてもイイ。

録音は、鮮烈な感じはなく、少し古びた感じもしますが、教会の残響成分が多く、ゆったりと聴き疲れしないもの。
奥行きは抜群に広い。金管群がかなり奥の方で鳴っているのが分かるのがエエですな。
定位はイマイチなんですが、このふっくらとした残響は心地よいです。

2007/06/18のBlog
涼しい休日。大学野球にプロ野球、のんびりとテレビ観戦してました。

さて、連日のブルックナーです。

ブルックナーの交響曲第5番 変ロ長調 「原典版」。
ゲオルク・ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1980年1月、シカゴのメディナ・テンプルでのデジタル録音。DECCA原盤。
デジタル初期の録音で、ショルティによるブルックナー交響曲全集の第2弾として話題になったもの(第1弾は6番だった)。

力強く逞しい男気の魅力いっぱいのブルックナー。
ショルティのブルックナーは、豪快豪壮であるとともに、弱音部が、音が痩せずに実に美しく鳴る。剛毅で理屈抜きにスカッとするブルックナーと云ってもいいかもしれない。

第1楽章からシカゴ響の金管の迫力に圧倒される。
そして金管・木管も弦楽も綺麗に揃ったオケの見事なアンサンブルも素晴らしい。
音も大きく、強靱な響きをつくり出している。まさにスーパー・オケ。威力抜群のブルックナーが始まる。
ダイナミズムも大きい。強弱の幅が大きいのがこの第5交響曲の魅力だと思うが、弱音部での音の締まり・逞しさが実にイイ。女々しくならないのがイイ。これは、ショルティの棒さばきの確かさとともに、シカゴ響の実力のほどを示すものだろう。
そして、フォルティシモでの爆発。全く腰砕けにならない、オケのパワーがスゴイ。まだまだナンボでもデカイ音が出るぞと云わんばかりの、余裕たっぷりの演奏。いやはや、凄まじい。

その迫力の後だけに、第2楽章の侘びしい感じが味わい深い。
この楽章は中世の古城、荘厳な教会を象徴するかのよう。いつ聴いても敬虔な気持ちにさせられる。
特に弱音が良い出来。ヴァイオリン群の美しさは、特に際だつ。シカゴ響の表現の幅の広さを実感できる演奏と思う。

第3楽章はブルックナーらしいスケルツォ。
ショルティにしては珍しくメランコリックな表情を見せるが、全体的にはインテンポを守って男性的な演奏。
ただ、刻々と楽想が(それとともにテンポも)変化してゆくので、音楽は柔らかさを保っている。ショルティの、それぞれの楽想の描き方もクッキリと鮮やか、気持ちいいくらい。

そして圧倒的な力を見せつけるフィナーレ。
この爆発は凄まじい。どこまでも音が大きくなって行く感じ。
壮麗で豪快、シカゴ響のパワー全開、ショルティのコントロールも的確、やや明るめだが屈託なく理屈抜きにスケール雄大なブルックナーが目の前に広がる。
この音楽、この音響、いやはや、ブルックナーはスゴイ作曲家だと思う・・・・・と云うより、ショルティ/シカゴ響がスゴイのかな。

録音が良い。さすがDECCA。
デジタル初期特有の硬さもなく、しかもCD1枚でこの長大な交響曲が聴ける有り難さ。
さらに廉価盤(輸入盤は800円程度で買えてしまう)という代物。
嬉しい話です。

★ブルックナーの第5交響曲 自己リンクです★
■ハイティンク/ウィーン・フィル
■レーグナー/ベルリン放送響
■マタチッチ/チェコ・フィル
■ヨッフム/ドレスデン・シュターツカペレ
■ケンペ/ミュンヘン・フィル
■チェリビダッケ/シュトゥットガルト放送響
結構、聴いてるもんです・・・・・・。
2007/06/17のBlog
梅雨の晴れ間、爽やかな休日でありました。
風が涼しかったですね。
夜は、今春退職した先輩を囲んで(先輩を肴にして)、元の職場の同僚たちとフランス料理を楽しみました。久しぶりに逢う友人もいて、いや、懐かしかったですな。

日中は音楽三昧。特に良かったのはブルックナーでありました。
そこで、今日はブルックナーの交響曲第4番 ホ長調 「ロマンティック」。
(ニョッキさんに触発されたこともあります)
セルジウ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニーの演奏。
1988年10月16日、ミュンヘンのガスタイクでのライヴ録音。EMI盤。

悠揚迫らぬゆったりとしたテンポで、スケール雄大。そして、何より美しいブルックナー。
チェリビダッケのブルックナーを聴いていると、磨き上げた響きが実に繊細に変化して、恍惚となるような一瞬がある。音色が刻一刻と変化していき、微妙な美しさにあふれたブルックナーだと思う。
ゴツゴツとしたドイツ風の演奏ではなく、だからそれこそ野人ではなく、洗練された都会の大人風のブルックナーになる。

ゆっくりと進む音楽は、空間的にどんどん広がってゆく。
左右のスピーカーを越えて、部屋から外へ広がろうとする感じ。遙か彼方へ音楽が飛んでゆく、音楽によって遠い世界に連れて行かれるような感じ。
トータル80分に迫ろうとする大曲。
この長時間にわたって、ブルックナーの偉大な世界に身を浸すのは快感でもある。

ミュンヘン・フィルも、この遅さによくついて、美しい織物を織り上げるような、丹誠込めた演奏を展開する。
響きも重層的で、十分に厚い。いかにもブルックナーと思う。
そして、南国ドイツ風の、少し明るめの音もイイ。「ロマンティック」には晴朗さも必要。その点で、ミュンヘン・フィルの音はとても良い。(チェリビダッケがそんな音に磨き上げたのかな?)

全編遅いので、聴きどころ満載。
ハッとする瞬間が随所にある。遅いからこそ、耳に入ってくるパッセージもある。他の演奏では今まで聴き逃していたところだった。

あえて云えば、第1楽章の冒頭から10分間のスケール感が素晴らしい。
第2楽章の美しさの塊となったオケもイイ。繊細な弦楽合奏は特に聴きもの。
フィナーレは、いつまでもこの音楽、大好きな「ロマンティック」が続いて欲しいと思わせる美麗な演奏。

録音も上出来。
EMIにしては(と言ったら失礼か?しかもライヴぞなぁ・・・)、大変美しい録音。

この音なら、チェリビダッケが何をしようとしていたのか、聴き取れそうな気がします。
少しだけれど(^^ゞ。

★「ロマンティック」は最も好きな交響曲の一つ・・・・自己リンクです★
■クレンペラー/フィルハーモニア管
■カラヤン/ベルリン・フィル
■ベーム/ウィーン・フィル
■ムーティ/ベルリン・フィル
■オーマンディ/フィラデルフィア管
■チェリビダッケ/スウェーデン放送響
■クーベリック/バイエルン放送響
■ハイティンク/ウィーン・フィル
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管


2007/06/16のBlog
梅雨入りした四国は、どんよりと曇り空。
雨もしとしと降ったり、やんだりであります。

雨の日にはショパンが聴きたくなる・・・・
今さら小林麻美の「雨音はショパンの調べ」を持ち出すのもなんだが、雨の降る日には、ショパンが似合うように思う。
といって、いつも「雨だれ」では芸がないので、今日はポロネーズでも。


ショパンのポロネーズ集。
ピアノ独奏はマウリツィオ・ポリーニ。
1975年11月、ウィーンでの録音。DG盤のLP。
ジャケットがなかなかよろしい。ドラクロワの「ショパンの肖像」。

収められているのは第1番から第7番まで。LPで約1時間。
「軍隊」と「英雄」が有名な曲で、クラシック音楽に親しむ以前から聴いたことがある名曲だが、ポリーニ盤で聴くと、それ以外の曲がなかなかよろしい。
名手が弾くと、名曲になるのかな。

曖昧さが全くなく、隅々まで光が当たったポロネーズ集。精密機械もかくやと思わせるほどのメカニック。
強弱の音の幅も大きい。レコードで聴いているとピアニシモの部分で音が痩せるので、ボリュームを上げていると、今度はフォルティシモで腰を抜かしてしまった。
テンポは精確で、基本的にはイン・テンポ。ほとんど揺れずに前進的で、推進力は十分。
特に良いのは第4番ハ短調作品40の2と、第5番嬰ヘ短調作品44。
ポリーニのピアノの響きは「大理石のようだ」と評されるように、明るくクッキリとした音であって、地中海の海の青と建造物の白とのコントラストを思わせるものだが、この音で短調のポロネーズを弾いてくれると、かえって憂愁が深まるのだから面白い。
明るく晴朗な曲想よりも、こうした望郷、郷愁、感傷、哀愁を帯びた曲想に、実にイイ。
ポリーニを改めて見直した。

もちろん「軍隊ポロネーズ」はカッコイイし、「英雄ポロネーズ」は革命の時代にふさわしいヒロイックな名演。第7番の「幻想ポロネーズ」も決まっている。


アナログ録音なのに、デジタル的な音がします。
これ、ポリーニのピアノがデジタル的なんでしょう。
音がクッキリ、スッキリ、まさに堂々としたピアノであります。
広大なダイナミックレンジが聴きものの、ポリーニのピアノでありました。

2007/06/15のBlog
関東甲信越も梅雨入りとのこと。これからジメジメ蒸し暑い季節ですね。

暑くなると聴きたくなるのが、「水上の音楽」。
これはもう、情けないくらい、クラシック音楽好きの条件反射のようなものでありまして、「水上の音楽」と「シェエラザードは」、夏の定番、いや定盤であります。

そこで。
ヘンデルの「水上の音楽」。
クリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団の演奏。
1978年4月、ロンドンのウォルサムストウでの録音。
オワゾリール原盤のLP(日本発売はロンドン)2枚組廉価盤。

暑くなると聴きたくなるのが、ヘンデルの「水上の音楽」。
そしてこのホグウッド盤を聴いていると、涼しい風が部屋に吹き込んでくる感じ。

ヴァイオリンの響きが最高。爽やかな音で、清涼飲料水のような、いやもっと高級な石清水のような自然水か。もう、この音を聴いているだけで、気分がスッキリするような音。爽快で胸がスッとする。高原の空気のような、快適な響き。素晴らしい。
羊腸弦の素朴で透きとおる音、そしてその倍音がつくりだす品の良い余韻がたまらない。
他の楽器もイイ。ナチュラルホルンは相当難しいはずなのだが、大健闘、巧いもんだと思う。アラホーンパイプなども端正で上品な出来。ヴァイオリンの美しい響きが下支えになって、ホルンが映える。

ホグウッドの演奏は、本格的な古楽器演奏の時代に入ったころのもので、アーティキュレーションに極端な色づけがなく、概して聴きやすい。発売当初は斬新だったはずなのだが、今聴くと、おっとりしたイギリス紳士という感じ。月日の経過は早い。

レコードはA面がホルン組曲、B面にフルート組曲・トランペット組曲が収められている。

フルート組曲が絶品の美しさ。
何て美しい弦楽合奏。トラヴェルソのひなびた味わいもイイ。
テンポもあまり緩急の差がなく、ゆったりと聴けるのがよい。特に「カントリー・ダンス」が美しく、この田園の円舞曲は四国の田舎・青くそよぐ田植え後の水田にふさわしいかも。

トランペット組曲はさすがに勇壮。堂々としていてスケール豊かな音楽が広がる。技術的なところが少々危なっかしいが、それがかえって素朴な味わいにもなっている。
ティンパニの音が特にイイ。スッキリと爽快な音で、実在感あり。


録音は今も最高レベル。
アナログ録音時代末期の優秀録音と思います。

「水上の音楽」を、イギリス人の団体で聴くのはエエですね。
ジョージ1世の気分で心地よく聴きました。


★「水上の音楽」過去のエントリーです★

■セル/ロンドン響」(ハーティ/セル編曲版)
■プレヴィン/ピッツバーグ響
■マリナー/アカデミー室内管
■バウムガルトナー/ルツェルン祝祭弦楽合奏団
■ピノック/イングリッシュ・コンサート
■コレギウム・アウレウム合奏団
■ヴェンツィンガー/バーゼル・スコラ・カントールム合奏団

2007/06/14のBlog