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クラシック音楽のひとりごと
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2007/07/30のBlog
夏真っ盛り、早朝から暑い!
日差しがギラギラ強烈で、ジョギングしていても、息が切れそうな暑さ。

こういう日は涼しい音楽を聴きたいもんです。
古楽器なんかエエかもしれません。そこで・・・・・・・。

ヴィヴァルディの協奏曲集「四季」。
クリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団の演奏。
1980年の録音。L'Oiseau Lyre原盤。「和声と創意への試み」2枚組のCDから。
四季それぞれのヴァイオリン・ソロが一人一人違う。
クリストファー・ハイロンズ(春)、 ジョン・ホロウェイ(夏)、アリソン・バリー(秋)そしてキャサリン・マッキントッシュ(冬)。
ホグウッドは、チェンバロ・オルガンの通奏低音も担当している。

古楽器による「四季」は、確か、これ以前にはコレギウム・アウレウム合奏団とアーノンクール/ウィーン・コンツェントゥスムジクス盤の2つくらいだったと思う。
当時は全く斬新な演奏だったと思うのだが、27年経過すると、何となく普通に聞こえるから不思議なものだ。

バロック・ギターとアーチ・リュートを通奏低音に使って、ヴィヴァルディの故郷・イタリアの雰囲気を表出していることが特徴と思う。そして、当時、日の出の勢いにあったイギリスのオリジナル楽器界を代表するヴァイオリン奏者たちの若々しい名演が聴けるのもイイ。このソロを聴くだけでも楽しい演奏と思う。

演奏が涼しい。羊腸弦が効果抜群。
ヒンヤリとしたソロ・ヴァイオリンの味わいが良い。
細くてクールな響きは、蒸し暑い夏の日、ジメジメと鬱陶しい日にはちょうど良いんじゃないか。涼しい風が部屋の中に吹き込んでくるようだ。
装飾音もなかなか上品だし、ユニークな味わいもある。やや才気走ったところを感じるのは、ホグウッドも4人のソリストも若かったということかな。
テンポは当時の標準。今の耳で聴くと、チト遅いような気もする。これも月日の経過だろうか。

「春」のヴァイオリン・ソロは見事。
「夏」のヴァイオリンは、装飾音が楽しい。
「秋」は爽やかな喜びに満ちた演奏。流麗感がイイ。収穫の喜びが感じられるのは、日本人的な聴き方が過ぎようか。
「冬」はアンサンブルも見事で、ヴァイオリンの高速パッセージがとてもきれい。ラルゴのほのぼの感は、魅力的に思う。

録音は標準的。少し古くなったかなという気もするが、涼やかな音が満喫できるのは心地よいです。
暑い日に、こういう演奏がよろしいようで。


猛暑の中、全日本合唱コンクール愛媛県予選に行ってきました。
高校2年の三男坊の追っかけであります。
上の二人はすでに家を出ています。あと1年しかこの追っかけもできないのだからと家人にせっつかれて、砥部町文化会館へ。
三男坊のソロにはサプライズ。いや、ワシに似て上手かった。感動であります。
結果は高校の部で3位。四国大会出場ならず。
惜しいなぁ、上手かったんになぁ・・・・・とは親バカでありましょう。



2007/07/29のBlog
お暑うございます。四国は猛暑です。
連日35度を超えております。
愛媛の高校野球は今日から準決勝戦。我が贔屓の西条高校と三島高校は敗退してしまいましたが、ベスト4の激突は楽しみなものです。
本日の予定は、選挙と三男坊の合唱コンクールと高校野球であります。

さて、テンシュテットのワーグナーを聴いてから、指環づいております。
今日はきらびやかな演奏を。


ワーグナーの「ニーベルングの指環」管弦楽曲集。
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏。
1969~71年の録音。RCA盤。

何と豪壮華麗なワーグナー。
炸裂する金管に、シルクタッチの弦楽セクション、品の良い木管群。
サウンドはキラキラと輝く鮮やかさ。

ワーグナーは、これほど鮮烈な音で再現されることを望んでいたんかいな?・・・・・・と聴き始めて思ったのだが、いやはや、音の魔力は恐ろしい、すっかりフィラデルフィア・サウンドに引き込まれ、魅了されてしまった。
なるほど、ワーグナーは、実はこういう音で再現されることを期待していたのではないか・・・・。
我ながら節奏がないが、しかし、それほどこのオケはスゴイ。いや、オーマンディがスゴイと云うべきか。素晴らしい指揮者だったと改めて感じた次第。

オーマンディは日本ではあまり評価が高くなかったように思う。
特に、欧州系の音楽家を好む評論家からは芳しくなく(オーマンディもハンガリー、東部ヨーロッパの出身だが・・・)、精神性が云々、音楽の中身がどうのこうのと、結局音楽以外の部分での評価であったように思う。

しかし、これほどのオーケストラを育て、訓練して、こんなに鮮やかなワーグナーを(他のオーケストラ曲もそうだが)聴かせてくれる指揮者が他にいただろうか・・・と思う。

このCDの収録曲は、名曲ばかり。
特に良かったのは「ウォータンの魔の炎の音楽」、「森のささやき」、「夜明けとジークフリートのラインへの旅」。
音楽がクッキリとして、実に鮮やか。曇りのない、明晰なワーグナーだが、とにかく音が素晴らしい。

録音も万全で、文句なしであります。
40年近く前の録音とは思えないほど、フィラデルフィア管の音が輝きます。


一応、収録曲はこんな感じです。
1「ワルキューレの騎行」
2「ウォータンの魔の炎の音楽」
3「森のささやき」
4「アルベリヒの呪文と神々のワルハラへの入城」
5「夜明けとジークフリートのラインへの旅」
6「ジークフリートの葬送行進曲」
7「フィナーレ ブリュンヒルデの自己犠牲」


2007/07/28のBlog
久しぶりに、FM放送にかじりつきました。
よしさんに情報をいただいて、今週末はなんとしても帰宅してブルックナーを聴こうと思っておりました。
山形のnarkejpさんも、アンテナを直したとのこと。我が家のアンテナも台風で向きが少し変わってしまったようで、修理してもらわなアカンなぁと思いつつ、何とか感度は確保しているので、そのまんまにしております。

ワタクシの世代は、FM放送のエアチェック世代。カセット・デッキの普及もあって、(LPは当時まだまだ高価であって、1枚2500円したから)、プログラム・ソースとしてはFM放送が貴重でありました。特にクラシック音楽では、ライヴ番組が充実していることもあって、夜7時以降のNHK-FMの「クラシック」アワー」は絶好のエアチェック対象でありました。
カセットテープは、普通はノーマル・テープですが、ここぞと云うときはクロームを、或いはメタルを使ってましたな。
narkejpさんには、昔懐かしいFM番組表を教えていただきました)

仕事が忙しくなったこと、CDをそこそこ買える収入が出来たこと(ビンボー学生時代に比べればの話ですがね)、CDが激安になったこと、カセットデッキが動かなくなってしまったこと・・・・などの事情が重なって、いつしかFM放送から離れておりました。

でも、今日は気合いを入れて聴きましたよ。仕事を早めに切り上げて(今は閑散期ですな)、夕食を平らげてステレオの前に座ったのが夜7時15分。
さあ、いよいよ、ブルックナーだ。8番交響曲だ。

というわけで、今日はブルックナーのエントリーであります。

ブルックナーの交響曲第8番 ハ短調 <ハース版>。
クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィルの演奏。
2007年3月25日、ウィーンのムジークフェラインザールでの実況録音。
オーストリア放送協会の録音によるもの。

第1楽章の冒頭は決然とした開始。ただ、VPOの柔らかい響きがきいていて、音のエッジが丸みを帯びているので、あまり峻厳な感じにはならない。
テンポは若干遅め。ゆったりと音楽が流れてゆくのだが、ブルックナー特有の緩急・ダイナミズムは十二分に表出されている感じ。金管の咆吼は凄まじく、聴いていて、スカッとするほど。

第2楽章でも柔和な表情は変わらない。緩急自在の表現で、VPOの自発性が発揮されているところと思う。中間部のテンポが遅くなるところが、非常に美しい。弦と管のバランスも良く、ライヴ的な感興の高まりもよろしい。

第3楽章は至高のアダージョ。いつ聴いても、敬虔な気持ちになる。僕は信心深い方ではないと思うのだが、この音楽だけは別格。神の存在を信じたくなるような、崇高な音楽と思う。
ティーレマンはゆったりと、大変遅く、この静粛で厳粛な美しさを表現する。
遅い。ホンマに遅い。終盤では漸強漸遅とでも云おうか、音楽が盛り上がるほど遅くなる感じ。独特の表現と思う。

そして圧倒的なフィナーレ。
VPOのアンサンブルがここへ来て好調。(前の楽章では緩いところがあった感じ)
スケール豊かな演奏。天上から一筋の光が降りてくるような一瞬もある。

ああ、ブルックナーは素晴らしい・・・・・そんな演奏でありました。
さすがにヨーロッパ、ブラボーマンの声が、演奏が完全に終わって、さらに間をおいて出てきます。拍手もそう。ラストの余韻を楽しんだ後にわき起こる拍手は暖かいです。
日本のようなアホな目立ちたがり屋がいないこと、奥ゆかしさを感じます。

久しぶりにFM放送を堪能しました。
デッキがないので、録音も出来ません。
ステレオに正対して、一発勝負の、僕にとっても「ライヴ」でありました。
ご紹介いただいたよしさん。有り難うございました。

今日の写真は、購入して24年、今も元気に稼働しているTRIOのチューナー、KT-1100であります。
最後のバリコン・チューナー。往年の銘機であります。
2007/07/27のBlog
連日の猛暑です。
今日はデスクワークばかりで、一日中、冷房の部屋にこもっておりました。
時々部屋から出ると、暑い。たまらなく暑い。ものすごく暑い。
いやはや参りました。この暑さ、盆までは続くんでしょう。あと半月。

どうせ暑いなら、もっと暑苦しい音楽でも聴こうとワーグナーを取り出してます。
(暑苦しいと云うより、厚かましいと云うべきかな?)

ワーグナーの「ニーベルングの指環」管弦楽曲集。
クラウス・テンシュテット指揮ベルリン・フィルの演奏。
1980年10月、ベルリンのフィルハーモニーでの録音。EMI盤。

ベルリン・フィルの素晴らしい音。よく溶けあって、しかも迫力満点の音。
熱気に溢れ、時にライヴのように響く。
テンシュテットの棒は粘り着くような感じで、ワーグナーの情念を抉り出してくる。

「ワルキューレの騎行」などその最たるもので、威風辺りを払う堂々たる名演。重さ・靱さを兼備して、迫力十分。
縦の線が微妙にずれるところもあるのだが、それがまた、独特の粘りを生み出している。

「夜明けとジークフリートのラインへの旅」では、ドイツの深い森に朝日が徐々に差し込んでくる描写が見事に音化されている。そして、ベルリン・フィルの音が深々として、たまらなくイイ音。ああ、これはワーグナーの音だ。
オケが巧い。金管の音がまろやかで美しいのも特筆もの。EMIの録音の特徴なのか、テンシュテットの指示なのか、この金管群のまろやかな音は、カラヤン指揮のDG盤では味わえないものだった。
ふわりとした暖かさも良い。(ドレスデン・シュターツカペレのような音がした)

「ジークフリートの葬送行進曲」は、粘っこく、またゴツゴツした表現。テンシュテットは、あまり美観にこだわらなかった指揮者だと思うのだが、ここでも、迫力と強さ・粘着力はあるが、音そのものはあまり磨いていない感じ。(カラヤン/BPOを聴きすぎたかな?)
しかし、オケのパワーとホールの音響が、そのゴツゴツ感を吸収して。スケール豊かな音楽にしているのが感動的。
金管の咆吼など、ダイナミックで凄まじいパワーだが、音そのものはまろやか。ああ、ジークフリートは、まさに英雄だった。

「ワルハラ城への神々の入城」は、雷鳴がスゴイ。
ティンパニの最強打は、おそらくフォーグラー(だと思うのだが)渾身の一撃。
こんなティンパニは他の演奏ではまず聴けない。もの凄い雷鳴。存在感抜群。
そして、この演奏ではヴァイオリン群が繊細な響きで奏でてゆく。その弦が、一本一本の髪の毛のような感じで、細くしなやかに、涼やかに鳴る。力業だけではない、ベルリン・フィルの凄さを垣間見る思いがする。

「森のささやき」では弦楽セクションの美しさを堪能し、ラスト「ウォータンの告別と魔の炎の音楽」では、深々としたフレージングと重量感のある音を楽しめる。ウォータンの悲しみを伝える名演。勇壮な金管が特に素晴らしい。


録音は今も極上。
このCDは、我が家のシステムでの実に美しく鳴ります。
音がまろやかで、強靱なのにふわっと柔らかいベルリン・フィルの音が、イイです。
EMI録音にしては、これは「大当たり」ですな。
2007/07/26のBlog
夏真っ盛り。暑い一日でした。
愛媛の高校野球もベスト8が決定、三男坊が通う地元の高校も勝ち進んでおります。
職場では、母校が16年ぶりのベスト8に入ったと喜ぶ同僚も。
なるほど、母校愛に郷土愛、なんだかんだと云っても、高校野球ってのはエエもんです。

さて、今日は無名演奏家の佳演を。

マーラーの交響曲第1番 ニ長調「巨人」。
ヨンダニー・バット指揮ロンドン交響楽団の演奏。
録音年不詳。おそらくデジタル録音(比較的鮮明)。日本ビクターが発売した名曲全集(通販扱いだったんじゃなかろうか?)の中からの1枚で、古本屋などで見かけるCD。
ジャケットには「INNOVATIVE MUSIC PRODUCTION」とある。これがレーベル名かな。

曲と楽団は著名だが、指揮者は初耳。ヨンダーニ・バットというのが本当の呼び方らしい。ネットで検索すると、マカオ生まれの東洋人で、イギリスで活躍している指揮者、とある。
経歴はよく分からない、たぶん日本では無名の指揮者なのだろうが、バットはマーラー青春の交響曲を、爽やかで、頬を紅潮させるような想いで演奏させている。

第1楽章は真摯で素直な演奏。
オーケストラ全体に滑らかで、ここぞというところでは、実によく鳴っている。ダイナミックレンジが大きく、ロンドン響は巧い。やはり、イギリスでは一番のオケかな。
アンサンブルは少しゆるめだが、演奏に勢いがあるので、あまり気にならない。

第2楽章は楷書風の表現。
オケは気持ちよく鳴っているし、明るく、楽観的な表現と云うべきだろう。羽目を外すようなこともなく、マーラーにつきものの「狂気」には遠い感じもする。
「力強く運動して」という標題には相応しい演奏だろう。

第3楽章は木管群が深い響きで聴かせる佳演。
バットの指揮は楽譜に忠実な真摯な演奏という感じ。あまり変わったことはさせていないようだ。
弱音部でのデリケートな表現が美しい。抑制がきいて、知的なコントロールが行き届いた演奏と云うべきかな。

終楽章は壮大な爆発。圧倒的な音響。
迫力十分だが、中間部では優美な演奏で、繊細な表情付けもなかなかよろしい。

録音は上々。
やや平面的でありますが、音そのものは鮮烈で、快感もあります。
全体的には聴きやすい仕上がりでありました。


※マーラーの「巨人」、自己リンクです※
■ワルター/コロンビア響
■オーマンディ/フィラデルフィア管
■ギーレン/南西ドイツ放送響
■アバド/シカゴ響
■ショルティ/シカゴ響
■ジュリーニ/シカゴ響
■ハイティンク/ベルリン・フィル
■若杉弘/ドレスデン・シュターツカペレ
■岡城千歳のピアノ編曲盤
■エド・デ・ワールト/オランダ放送フィル
沢山エントリーしてきたもんです・・・・。好きなんですなぁ・・・独白です。

2007/07/25のBlog
日曜、月曜とあわただしく仕事をしているうちに、四国は梅雨明けしておりました。
暑いです。日差しが強いです。
日中の風は熱風です。

何か涼しい音楽はないかいなぁ・・・・と思いつつ取り出したのはバッハのチェンバロ協奏曲集。懐かしいピノック盤です。

J・S・バッハの「4台のチェンバロのための協奏曲」 イ短調 BWV1065。
トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサートの演奏。
ピノック自身のチェンバロのほか、名手ケネス・ギルバートなども参加している。
1981年2月、ロンドンのヘンリーウッド・ホールでの録音。アルヒーフ盤。

この曲はヴィヴァルディの「調和の霊感」作品3の10による編曲版。

原曲のヴァイオリン主体協奏曲もイイが、ライプツィヒ時代のバッハが丹精込めて編んだチェンバロのための協奏曲の魅力も捨てがたい。

ピノック盤は、瑞々しい生気に濡れて、爽やかな青春の香気に満ちているのが素晴らしい。若々しく、スカッと抜けるような爽快感がある。朝露に濡れたような、しっとり感もある。これは、実に良いバッハだ。

第1楽章は鮮烈。アンサンブルもよく揃って心地よいのだが、さらに、演奏家たちのヤル気、演奏にかける意気込みのようなものが感じられる快演。
古楽器の響きが、また青々とした草原のような涼やかさを醸し出している。

第2楽章では、チェンバロの響きが玄妙な魅力を放るラルゴ。
それぞれ、ソロのプレイが素晴らしく即興的で、実演のようなノリがある。

フィナーレは心地よいアレグロ。
ストリングスの響きがスッキリと気持ちよい。その上に、かすかな音でチェンバロが滑り込んでくるところなど、独特な響きでハッとする。

録音は今も万全。素晴らしい音です。
爽やかなグリーンミントの風が、部屋に吹き込んでくるような爽快さです。
イイ録音と思います。

真夏のバッハで少し涼しくなりました。
2007/07/24のBlog
爽やかな夏空が広がります。
気温は30度を少し超えたくらい。気持ちよい涼風でありました。

こんな日には、ブルックナーを。

交響曲第4番 ホ長調 「ロマンティック」(ノヴァーク版)。
サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルの演奏。
2006年10月、ベルリンのフィルハーモニーでのライヴ録音。EMI盤。

最新録音のCDを聴くのもエエもんです。
安物買いのワタクシには贅沢な話です。


第1楽章の冒頭、序奏部が実にゆったりとして気持ちよい。
ホルンは美しく、木管も鮮やか。低音部の弦楽も深々として大変心地よい。
主部に入ると、知らぬ間にテンポが上がって、音楽の表情が若々しくなる。その表情がいかにも自然で、ふっくらと柔らかい。この自然さと清冽さはラトルの美質と思う。
金管群も朗々と鳴るが、あまり野卑なところがない。洗練された都会的なブルックナーという感じ。
録音がよいので、音楽の表情が様々に変化してゆくのが聴き取れるのが面白い。
ライヴなのに、ベルリン・フィルの技は完璧。さすがと言わざるを得ない。オルガン的な響きの重厚さは最高と思う。

第2楽章はアンダンテ。
静かな森の中の、さらに静かな湖の水面・・・・・・という感じの音楽。
ラトル/BPOのコンビで聴くと、この静けさが緊張感を伴う感じ。
ここの楽器の巧さはもとより、アンサンブルとしてのまとまりもスゴイ。おそらく、この合奏を作るために、厳しいリハーサルがあったんだろうと思う。
金管も木管も、むき出しのソロで演奏する場面が多い楽章だが、みんな惚れ惚れするほど巧い。こんなのを聴かされると、やはりベルリン・フィルは世界一のオケやなぁと思う。
第3楽章は「狩のスケルツォ」。
管楽器があちこちで鳴らす狩の合図が楽しい。会話を楽しんでいるよう。
ラトルのテンポは颯爽として潔い。トリオでの素朴さ、自然な味わいは格別。手作りの暖かさが、そこには流れている。

そして、フィナーレはアレグロ・モデラート。
迫力満点で、ベルリン・フィルのパワーが炸裂する。壮麗で豪華、スケール雄大な演奏であって、ガッシリした建造物を仰ぎ見るような一瞬がある。
ラストになってもオケにはまだまだ余裕あり、スタミナ十分で音楽はどこまでも緻密。
ラトルの訓練の成果だろう、丁寧に織り込まれた毛織物のように、目が詰んでいる音楽。テンポもフレージングも実に自然で心地よいし、緩急自在の終曲と云えそう。

録音は上々、いや最上級のレベル。
最新録音の威力発揮、腰の強い弦楽セクションの音が印象的。
ライヴのキズもほとんど感じられない素晴らしさであります。
(編集しているのだろうなぁ?)


★ブルックナーの「ロマンティック」・・・・自己リンク★
■チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル
■クレンペラー/フィルハーモニア管
■カラヤン/ベルリン・フィル
■ベーム/ウィーン・フィル
■ムーティ/ベルリン・フィル
■オーマンディ/フィラデルフィア管
■チェリビダッケ/スウェーデン放送響
■クーベリック/バイエルン放送響
■ハイティンク/ウィーン・フィル
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
2007/07/23のBlog
ペーター・レーゼルをボツボツ聴いております。

僕はHMVの回し者ではありませんが、独シャルプラッテンの原盤をedelレーベルが激安ボックスで発売している輸入盤、これは安い。ホンマに安い。
すでに協奏曲編は持っていたんですが、独奏曲が13枚組、室内楽編が8枚組、いずれも2,000円以内で購入できてしまう激安設定。
そして、演奏・録音ともなかなかよろしい。すべてが名演とはいかないまでも、真摯な好演、端正な佳演が沢山。東独系のピアニストと演奏家・オーケストラを楽しむのにも良いです。ドレスデンのルカ教会、東ベルリンのキリスト教会などのロケーションも良く、素晴らしい音で聴けるのもエエです。

それにしても、この価格。何という時代に僕は生きているのか。隔世の感・・・・なんてノンビリと云っていてエエんだろうか。

というわけで、レーゼルのピアノで、今日は室内楽を。

シューマンのピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44。
ペーター・レーゼル(Pf)とゲヴァントハウス弦楽四重奏団の演奏。
1983年、ドレスデンのルカ教会での録音。

曲は、1842年の作。シューマン、「室内楽の年」の作品にして、このジャンルの名曲。
初演に先立って、クララやメンデルスゾーンも交えて試演されたという。いや、何とも豪華なメンバーだこと。

第1楽章はアレグロ・ブリランテ。
チェロに出てくる主題のなんと暖かく優しいこと。遙かなる夢への憧憬を表出しているかのよう。ロマンの薫り高い音楽であって、青年の志を感じさせる演奏になっている。
ピアノもクヮルテットの音も実にイイ。柔らかくて、深みがあって、コクのある音。派手ではない、やや渋めの音なのだが、ルカ教会の抜群の音響もあって、素晴らしい音に仕上がっている。レーゼルとクヮルテットの協調が美しい。ピアノがメインの音楽だが、主導権はヴァイオリンのカール・ズスケにあるような感じもする。

第2楽章は葬送行進曲。
やさしい眼差しでつくられた音楽。ベートーヴェンの葬送行進曲とはだいぶ違う。
レーゼルのピアノがとても美しい。それをガッチリ支えるゲヴァントハウスSQのアンサンブルも強固で美しい。
楽章半ばで出てくるヴァイオリンのソロが、品よく流麗に響くのが印象的。ズスケは巧い。

第3楽章はスケルツォ。モルト・ヴィヴァーチェ。
2つのトリオが綺麗。
快活で意気上がる感じ。ゲヴァントハウスSQが実に雄弁で、レーゼルもそれに触発されて硬質な響きで応じる。
アンサンブルの良さにはここでも感心する。実に楽しそう。奏者の笑顔が見えてくるような演奏、こういう音楽を聴くのは楽しい。

フィナーレはアレグロ・マ・ノン・トロッポ。
充実した終曲。シューマンの云いたいことがはち切れんばかりに詰まっている音楽。フーガも見事な出来だと思う。
そして、何よりシューマンらしいメランコリックなところが、実によく出ている演奏。レーゼルとゲヴァントハウスSQの協調の賜物だろう。


録音が素晴らしい。
室内楽の楽しさ、響きの余韻などが美しく伝わる録音であります。
我が家のステレオと相性が良いのか、室内楽の録音としては最高レベルと思います。
2007/07/22のBlog
雨の翌日、蒸し暑い一日でした。いや、これはたまらん。

そうだ、こういう日はシベリウスを聴こう。
シベリウスで涼をとろう。
で・・・・・・・。

シベリウスの交響曲第3番 ハ長調 op.52。
クルト・ザンデルリンク指揮ベルリン交響楽団の演奏。
1974年、東ベルリンのキリスト教会での録音。独シャルプラッテン原盤をブリリアントが廉価版全集で発売しているもの。

第1楽章はアレグロ・モデラート。
冒頭のリズムが木訥で野暮ったいほど。ドイツ流で、軽やかな感がない。
音も重厚で、いかにもザンデルリンク流という感じ。北欧の冷涼感や透明感には遠いなと思いつつ聴いていると、演奏が至って真摯で丁寧なものなので、ついつい引き込まれてしまう。こういう演奏もエエぞい。
耳を澄ましていると、木管なども太めの響きで、重みがある。

執拗なまでの同じリズムの繰り返しが、やがてクレッシェンドして大きく盛り上がるところは、実に素晴らしい。協会での録音のせいか、オケ全体が柔らかく、美しい余韻が醸し出されていて、心地よい。

第2楽章はアンダンティーノ・コン・モト、クワジ・アレグレット。
昔のフォーク・グループ、アリスの「終止符」のようなメロディ。心の底に沈潜していくような演奏。ベルリン響の音も暗めで、曲想にマッチしている。アンサンブルは、「あれ?」というところも少しあるのだけれど。
この楽章も同じリズム・旋律が執拗に繰り返されるのだが、ザンデルリンクが真正面から取り組んでいて、好感が持てる。手抜きなしの懸命さがイイ。
バス・クラリネットの響きが印象的。深い森を思わせるようなその音は、心を落ち着かせる。

第3楽章はモデラート、アレグロ。
ベルリン響は好演。断片が集まったような楽章で、後期のシベリウスを彷彿とさせるような音楽だが、均整の取れた響きでじっくりと聴かせてくれる。シベリウス特有の透明度とは少し違う感じもするのだが(ベルグルンドなどと比べると、かなり違う!)、この重量感もよいものだと思う。ザンデルリンクの統率もイイ。
特に、暗い響きの弦楽セクションが良い。ドイツ風の重さという感じなのだが、残響もよく、実に心地よい。

録音は標準的なレベルと思いますが、教会でのロケーションがエエんでしょう。
響きが柔らかく心地よいのは、マルです。(その分、音像の定位はあまり良くないかな?)
2007/07/21のBlog
夜になって大雨。
まだ梅雨明けしてなかったんです。梅雨前線の影響で、大雨でした。
三男坊は今日から夏休み。羨ましい。尤も四国の田舎の高校生、補習がナンボでもあって毎日登校するそうですが。

さて、今日は名録音好録音盤を。
我が家の装置と相性抜群盤であります。

ベートーヴェンの交響曲第3番 変ホ長調「英雄」。
オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレの演奏。
1980年6月、東ベルリンのキリスト教会での録音。DENON原盤のこれはLP。

愛聴してやまないスウィトナーによるベートーヴェンの交響曲全集、第1作。
素晴らしい録音で、今聴いても極上の響き。
キリスト教会の残響が美しく、とても柔らかい音になっている。コンサートホールで聴いているような錯覚に陥るほど。優美でさえある。
LPのふくよかさも良いが、CD化されている全集も、実に素晴らしい音で聴ける。

第1楽章から、自然体のベートーヴェン。
スウィトナーが指揮すると、ベートーヴェンの交響曲は端正でしなやか、無理がなくどこまでも自然で淀みない音楽になる。
プロイセン風の田舎料理とでも云うべきか、素朴でぬくもりのある肌触り、ナチュラルな味わいが好ましい。
音楽のフォルムはもちろん古典的、堅牢なもので、様式を逸脱することはない。
スウィトナーは剛毅にやらせているのだが、録音が抜群なので、優美な響きが生まれてくるのが面白い。

第2楽章は落ち着いたテンポでしみじみ歌う葬送行進曲。
オーボエをはじめとする木管の響きが良い。アンサンブルは緊密で、出てくる音楽は長年の演奏経験に裏打ちされた自信に満ちている。安心して身を任せることが出来る演奏と云うべきか。
内面の充実、精神の昂揚を感じさせる音楽であると思う。

第3楽章のスケルツォは着実な足取り、こうでしかあり得ないという確信に満ちた演奏。低音の充実が素晴らしい。緊迫感もあれば、弾むリズムの愉悦感もある。

フィナーレは、ベートーヴェンが言いたいことを沢山詰め込んだ変奏曲。
スウィトナーの指揮は、質実剛健で真摯端正なスタイルで、終始、立派な音楽を聴かせてくれる。
オケも巧いし、何より響きがシンプルで柔らかいのがイイ。

ああ、いつまでも聴き続けていたい、僕にとってはホンマモンの名盤であります。
2007/07/20のBlog
ダブり買いならぬ、ダブリ書き・・・・・。
エントリー数が増えてきますと、ダブり書きも出そうです。
すでに、「ダブリ買い」については何度か書いてきましたが(トリプル買いもあります・・・・・汗)、記憶力の減退でしょう、このごろは、ここに書いたこともどんどん忘れます。注意してはおりますが、同じCDやLPをダブってエントリーしていることがありましたら、どうぞ笑ってお許しください。
ホンマに、やれやれであります。

さて、今日もゼルキンを聴いてます。

ブラームスのピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15。
ルドルフ・ゼルキンのピアノ独奏、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏。
1968年4月、セヴェランスホールでの録音。CBSソニーのアナログ盤LP。

ゼルキンのピアノは明瞭なタッチで、音色はとても綺麗、響きは混濁せず、実に美しい。そして豪快・積極的な演奏で、聴き手をブラームスの世界に引きずり込んでゆく。
ブラームスの若きロマン・情熱がビンビン伝わってくる。迫力も十分で、燃えたぎる熱気で辺りを睥睨するような力強さがある。

それを支えるセルの指揮も、重厚で格調高く、申し分ない。クリーヴランド管の響きはいつもながらの透明度で、ヴァイオリンの揃い方など息を呑むほどの美しさ。見事な伴奏。

二人の巨人ががっぷり四つで聴かせるブラームス。これは横綱相撲的な名演であって、聴いていると、音楽がどんどん熱を帯びてきて、スタジオ録音の枠をはみ出しそうな感興がわいてくる。「丁々発止」というのは、こういう演奏を云うんじゃないか。
お互いが自己を主張しつつ、音楽は高みに登ってゆく。素晴らしい協奏曲。

また、ゼルキンのピアノだけの時の、音の輝きも素晴らしい。純度が高く、色にたとえれば、光を発する白。高潔な音だと思う。これには、ウットリとさせられる。

全編が聴きどころ。
第1楽章では、ピアノが一台でオーケストラと真っ向から渡り合う緊迫感がスゴイ。
ゼルキンのピアノの逞しさ、強さ、意志の力。これがイイ。

第2楽章では、ロマンが溢れる感動。セル/クリーヴランド管の音が素晴らしい。
満々と水をたたえて、ひっそりと静まる湖水のよう。木管が特に美しい。
ゼルキンのピアノは克明で、これもひときわ冴え冴えとしている。

フィナーレはメランコリックな伴奏旋律に乗って、ゼルキンのピアノが豪快に炸裂する。激しく燃えるような演奏。それをガッチリ支えるセルもさすが。

録音は良好。
この頃、LPを聴くときにはVM型のカートリッジを使うようにしました。
セルのレコードがふっくらとした音になります。
テクニカのカートリッジが、相性が良いようです。


<ブラームスのピアノ協奏曲第1番>過去3枚聴いてます。
○アックス(Pf)・レヴァイン/シカゴ響
○ルービンシュタイン(Pf)・メータ/イスラエル・フィル
○アシュケナージ(Pf)・ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
2007/07/19のBlog
きれいな青空が広がりました。久しぶりの夏空でした。
梅雨明け、まもなくでしょう。真夏の季節であります。
我が家の菜園では、キュウリ・なす・ゴーヤ・プチトマトが絶好調。野菜をばりばり喰って、夏を乗り切りましょう。

さて、今日もピアノ音楽、そしてゼルキンを聴いております。
室内楽です。

シューベルトのピアノ五重奏曲 イ長調 作品114「ます」。
ルドルフ・ゼルキン(Pf)、ハイメ・ラレード(Vn)、フィリップ・ネーゲル(Va)、レスリー・パルナス(Vc)、ジュリウス・レヴィンス(Cb)の演奏。
1967年の録音、CBS盤。

ピアノ五重奏曲「ます」は、1819年夏、シューベルト22歳の作品。若書きとはいえ、そこは天才シューベルト、全編にわたって幸福で晴朗な音楽が続く名作中の名作。
聴き終わったときの、暖かい感情が心にこみ上げてくる。それがこの作品のいいところと思う。

演奏は虚飾を排して誠実そのもの。
ゼルキンが全体の主導権を握り、また各奏者をよく支えている。
支えると云っても、ゼルキンがガッチリ固めるのではなく、各奏者にのびのびとやらせつつ、要所では眼を光らせている、という感じ。

録音のせいか、ピアノがややこもり気味で遠目に感じるのが少し残念だが、ゼルキンの芯の太いピアノの音は十分に鑑賞できる。
ヴァイオリンは艶やかだし、チェロやコントラバスの深々とした響きは心が洗われるよう。実にイイ音。

第1楽章は精力的。時に激しいアクセントを伴うところもあるのだが、全体的には端正にまとめあげている感じ。

第2楽章は優美な演奏。ピアノやヴァイオリンがソロの時に、ふわっと浮き上がるような響きを作るのが実にイイ。心落ち着く、豊かな音楽だと思う。

第3楽章では、ヴァイオリンやヴィオラがキュッキュッと軽やかに響くのだが、その音が全く心地よい。ウキウキと弾むリズムがその心地よさをさらに増幅させる。
テンポは速めで、快適そのもの。

第4楽章はゆっくりと歌う「ます」。素朴な味わいを残しつつ、旋律の美しさを噛みしめるように歌い上げてゆく演奏。しみじみとした感情、清冽な抒情もある。
これは名演と思う。

フィナーレは、快活な曲想を素直に表現した演奏。よく聴いていると、低音部の支えが実によい。スッキリとした終結を迎える。

録音は、ピアノがやや遠目でこもり気味なのだが、録音年代を考えれば、致し方なしかも。
ピアノを含む室内楽は録音が難しいという話も聞いたことありますしね。
これが標準と云うべきなんでしょう。

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