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クラシック音楽のひとりごと
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2007/09/08のBlog
・・・・・というわけで、本日のエントリーは「ヘルベルト・フォン・カラヤン」であります

シベリウスの交響曲第5番 変ホ長調 作品82。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1976年9月、ベルリンのフィルハーモニーでの録音。EMI盤の2LPシリーズからの1枚。2枚組3,000円の、当時は廉価盤でありました。

第1楽章冒頭の、白鳥の鳴き声のテーマがなんと美しいこと。静謐なトレモロの上を、純白の鳥が一羽、また一羽と飛び立ってゆくようなイメージ。この部分は、カラヤン/BPOならではの美しさ。
カラヤンは北欧物が巧かった。彼の気質に、北欧物と合う性があったのだろうか。
豪華絢爛で美麗を極めた音楽を作り出したこのコンビが。しかしシベリウスではこれ以上ないくらい静寂の美を描き出してゆく。その静けさと美しさの同居がスゴイ。
耳を澄ましていると、リスニング・ルームに冷気が流れ込んできて、眼前、左右のスピーカーの間にフィンランドの森と湖が静かに浮かんでくる。
再現部での第一主題、トゥッティの輝かしさは感動的。雄渾であり、逞しい精神を感じさせて秀逸。

第2楽章は、サラサラと肌に優しく乾いた変奏曲が流れてゆく。
リズムが独特なのだが、カラヤンはこれを見事に描き分けてみせる。確信に満ちた指揮ぶりで、ベルリン・フィルをしっかりとドライブする。1970年代はカラヤンの全盛期だったと思う。カラヤンの自信が、この演奏の完成度を高めている。

第3楽章は、ヴィオラの常動曲のような動きと、ヴァイオリンのトレモロがイイ。ああ、これぞシベリウス。そして、その後のホルンの主題の美しさ。
これらにオーボエやフルートが絡んで、クレッシェンドしてゆくさまは、北欧の冷気と森の中のゆっくりと流れる時間とを表しているかのよう。
終曲はストリングスと木管・金管の見事なアンサンブルが楽しめる。ベルリン・フィルの一糸乱れぬ合奏はさすがと思う。カラヤンの統率力かな。

LP片面に33分収録です(カップリングは交響曲第4番)。
片面20分を超えると、音質的にはちょいときついです。
暖かく柔らかいLPサウンドは心地よいんですが、もう少し抜けの良さが欲しいところです。
アルトゥールさんから「バトン」を頂きました。
次のようなルールだそうです。

1.まわってきた人以外、やってはいけない。

2.もらったお題を次の「 」の中に入れて答える。
1.好きな「 」 2.嫌いな「 」 3.最近思う「 」

3.次に回す人を3人決めなければならない。

そしてアルトゥールさんから頂いたお題は「ヘルベルト・フォン・カラヤン」でした。

そこで僕の回答ですが、

1.好きな「ヘルベルト・フォン・カラヤン」は、「R・シュトラウス」です。

カラヤンの夥しいCD・レコードの中で、最もカラヤンらしかったのはR・シュトラウスの作品群だったように思います。カラヤンの音楽と、R・シュトラウスの作品との相性が良かったのだと思います。
尤も、カラヤンのベートーヴェンを聴けばエエなぁと思い、チャイコフスキーを聴けば「やっぱりカラヤンのチャイコフスキーは最高やな」と思い、カラヤンの指揮するオペラでは「おお、カラヤンの最高の仕事は歌劇やで」と感じるワタクシ、無節操なド素人でございます。


2.嫌いな「ヘルベルト・フォン・カラヤン」は・・・・。

「遺された映像に、自分のアップと楽器のアップばかり撮らせて、楽団員のアップ・演奏する姿をあまり撮らせなかった」ことです。アタシャ、瞑想するカラヤンは観たくない。演奏するオケを観たいんです。


3.最近思う「ヘルベルト・フォン・カラヤン」は・・・・。

モーツァルト作品です。
カラヤンのモーツァルトは速いんです。レガートが随所に聴けます。若い頃は、それが何となくイヤでしたが、このごろ、面白くまた美しく感じられるようになりました。音楽は、聴き手の年齢、精神状態、体調によって、随分その印象が左右されますが、ようやくカラヤンのモーツァルトを楽しめるトシになったということかもしれません。


次に回す人は、ありません。お許し下さい。
一人が3人に回すと、回された皆さんが一様にまじめな人だった場合に、最終的には大変な数になってしまいそうですので・・・・・・(笑)。
2007/09/07のBlog
テノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティが亡くなりました。

僕はパヴァロッティの、あまりよい聴き手ではありませんでしたが、何枚かレコード・CDを所持しています。そのうちのいくつかのイタリア歌劇では、「やはりパヴァロッティでなくては・・・・」と思わされることがしばしばありましたし、「イタリア民謡集」で聴く「突き抜ける高音」は素晴らしいものでした

今日のレコードは、我が家にあるパヴァロッティの代表的作品であります。
世紀のテノール歌手、パヴァロッティの追悼であります。

プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」全曲。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル、ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団の演奏。
1972年10月、ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DECCA原盤。

「ボエーム」はオペラとしてはあまり長くなく、クラシックを聴き始めた頃でも、十分聴きやすかったことを覚えている。懐かしいLP2枚組。もう、購入して26年になるだろうか。青春の思い出が詰まったLPでもあります。
指揮とオケ、それにキャスト全体を考えると、これ以上の演奏にはなかなか出会ったことがない。

まず、ミレルラ・フレーニが素晴らしい!
彼女はミミを演じるために生まれてきたのではないかと思わせるほどの、はまり役。声の美しさ、透明度、柔らかさ、可憐な響き、どれを取ってもミミに相応しい。
「私の名はミミ」の、「春になると・・・・」の部分の美しさ!ここは、古今の絶唱、無双の名唱。
そして、それを支えるカラヤン/BPOの魔法のような美しさ。ホンマに、春の暖かい光がサーッと差し込んでくるような管弦楽。スゴイ。光が見える。この「ボエーム」最高の場面の一つと僕は信じて疑わない。

さあ、そしてもう一人の主役、ルチアーノ・パヴァロッティ!
パヴァロッティ演ずるロドルフォが、第1幕冒頭に歌う詩人の憧れのテーマがイイ。希望に満ちて若さが溢れる歌。憧憬と焦燥とが入り交じった、若者特有の歌。
この歌唱に、その昔、若い頃の僕はどれだけ励まされたことか。
そして、「冷たい手を」の熱さ。朗々と歌う、その声の伸びはまさに絶品の歌。
強靱な歌であり、また屈託のない歌唱であり、そしてメチャクチャ上手い歌。
高音の圧倒的な輝きは、世界最高のテノール歌手だった・・・・と僕は思う。

フレーニとパヴァロッティを得て、この「ボエームは成功が約束されたようなものだが、他のキャストも素晴らしい。

ムゼッタはエリザベス・ハーウッド。彼女の「ムゼッタのワルツ」はケバイところと純な女心とが微妙に混じり合った名唱と思う。
そしてローランド・パネライのマルチェルロにニコライ・ギャウロフのコルリーネ。この二人の歌も、実に素晴らしい。

録音もさすがにDECCA、今も良質な音で聴けます。

そうそう、2枚目のラスト、ミミが亡くなるときの管弦楽がスゴイです。
カラヤンの指揮で聴くと、ミミがいつ息を引き取ったか、見えます。そんな風にカラヤンが演出してます。さすがだと思います。
そして全編にわたって厚みのあるベルリン・フィルの巧さ。プッチーニの素晴らしいオー消すトレーションが最高の管弦楽で蘇ります。

このLPに感激して、26年。
我が家のロドルフォは、詩人になれるはずもなく、今やしがない中年オヤジであります。同じくミミは、母親として立派に3人の息子を育て上げました。
時は経つものです。多くの慰謝をくれたパヴァロッティは亡くなりました。

さあ、次はパヴァロッティの「誰も寝てはならぬ」を大音量で聴いて、冥福を祈りましょうか。

2007/09/06のBlog
日中は蒸し暑さが続きます。接近する台風の影響でしょう。
四国方面には来襲しないようですが、関東・東海方面の皆様、お気をつけください。

さて、今日もまた懐かしいLPを取り出しております。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番 ハ短調。
アルフレート・ブレンデルのピアノ、ジェームズ・レヴァイン指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1983年6月、シカゴのオーケストラホールでの全曲演奏会のライヴ録音盤。フィリップス原盤の4枚組LP全集。
ブレンデルとしては3度目の全集録音(ラトルとの4度目録音もある)、レヴァインは確か初めての(交響曲・管弦楽曲なども含めて)ベートーヴェン録音だったように思う。
楽譜はキュッテンによる新全集版を使用している。
(以前に、この全集から、「皇帝」をエントリーしました)

ライヴのハンディを感じさせない素晴らしい録音。さすがフィリップス。
ステージを彷彿とさせる見事な臨場感、残響も豊かで、ヨーロッパ・トーンでまとめられている。シカゴ響が、ヨーロッパのオケのような柔らかさで鳴るのが印象的な全集でもあった。

ブレンデルの知的でよくコントロールされたピアノが聴きもの。非常に粒だちよく、美しい響きで最後まで弾き通す技術は、さすがと云うべきだろう。
レヴァイン/CSOも好演で、柔軟にブレンデルのピアノに応じている。このフレキシビリティはレヴァインの美質と思う。今や巨匠となったレヴァインの、若い頃の名盤と云えると思う。

第1楽章はアレグロ・コン・ブリオ。
ブレンデルのピアノは論理的・理詰めであって、首尾一貫した感じの演奏。
一時の感情に流されず、無理なく自然に、しかし着実に音を拾ってゆく感じの弾き方。知性と教養に裏打ちされた演奏でもある。それは、ベートーヴェンへの強い共感があってこそのものだろう。
カデンツァでの気品など、他の演奏では聴くことができない。これぞブレンデルと思う。

第2楽章は慰めのレント。
オーケストラの柔らかい伴奏に乗って、ブレンデルのピアノが滑るように入ってくる。弱音の美しさは格別で、ため息が出るばかりの繊細さ。そしてまた雄弁。弱い音にこそ、緊迫感がある。音色はいつもの肌色がかった白。ニュアンスいっぱいの美しさで、耳をそばだてて、その音色と響きの繊細さを聴きわける楽しみがこの演奏にはある。
CSOの響きは、ふっくらと柔らかい。弦楽セクション、特にヴァイオリンがもう少し柔らかければと思うのは無い物ねだりかな。

終楽章はオケとピアノが一体となった輝かしいフィナーレ。いつまでも終わって欲しくないと思うロンド。
ああ、ブレンデルはいいピアニストやなぁ・・・・・。

録音は今も素晴らしいです。
LPとしては最末期の発売でありますが、ふっくらと豊かな音で魅了されます。
名録音といっていいでしょう。
2007/09/05のBlog
今日は懐かしいLPを。発売からもう28年になります。

シューベルトの交響曲第8番 ロ短調 D759「未完成」。
カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルの演奏。
1978年9月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。DG盤。

精緻で新鮮な表現と、強靱な生命力と。
これがクライバーの「未完成」。

第1楽章は速めのテンポとダイナミズムが特徴的。
特に弱音部での緊張感は比類がない。そして、グイッと入ってくるフォルティシモの強烈な一撃。おおっ!と驚いていると、即座にシューベルトの柔和で優美な歌に変化している・・・。
音楽が次々に新しく生まれて、それがまたすぐに姿を変えて、聴き手の前に現れる。
たった今、シューベルトの音楽が生まれている、その瞬間に立ち会っているような聴感。瑞々しいこと、この上なし。

楽章後半では強烈なアッチェランドもある。明と暗の対比が劇的で、音楽が熱い。
さすがにクライバーと思う。そして、それを支えるウィーン・フィルの抜きん出た表現力、合奏力。弦楽セクションなど、「スウィング」しているような感じさえする。素晴らしい。

第2楽章は、優美な歌が続く。シューベルト特有の不安な気分を秘めた歌。
ここでも強弱のコントラストが鮮やか。特に低音部が恐ろしい、虚無的な気分をたたえている。何物かから逃げだそうとしているような気分もある。ウィーン・フィルは、そこを痛切に表現してゆく。
クライバーが短く音を切らせ、ウィーン・フィルもその棒に反応しているのだが、ホールの余韻・残響が良いのだろう、その残った響きが耳に届く・・・・これが全く美しい。絶美と言っていいかもしれない。
コーダはゆったりとしたテンポ。消えゆく旋律の処理が、これまた美しい。


そして、演奏が終わった瞬間、ああ、この曲は未完成だったことに気づきます。
あとがない、続くものがない、何でシューベルトはこの後を書いてくれなかったんかなぁ・・・・・惜しいなぁ・・・・と強く思う・・・・クライバーの「未完成」は、そんな演奏でもあります。


録音も素晴らしい。
だいたいクライバーの正規録音は、良いものが多いんです。
演奏が新鮮で素晴らしいので、録音まで良く聞こえてしまうのかもしれません。
30年経過した今も、十分に鮮やか。好録音と思います。



<シューベルトの「未完成」 自己リンクです>
■チョン・ミュンフン/フランス国立放送フィル
■ベーム/ベルリン・フィル
■カラヤン/ベルリン・フィル(EMI盤)
■ジュリーニ/シカゴ響
■シノーポリ/フィルハーモニア管
■ヴァント/ベルリン・フィル
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■ケルテス/ウィーン・フィル
2007/09/04のBlog
蒸し暑い一日だなぁ・・・・と思ったら、雷に夕立。
おかげで、夜は一気に涼しくなりました。

今日は「のだめカンタービレ」の劇中曲を。

ドヴォルザークの交響曲第5番 ヘ長調 作品76。
イヴァン・アンゲロフ指揮スロヴァキア放送響の演奏。
OEHMS CLASICS原盤で、5枚組の全集から。録音は2001年~2004年とあるので、最新録音と云うべきだろう。この5番の録音データはよく分からない(解説書は不親切)。
しかし、全集1,300円弱のHMV激安販売であって、この価格でドヴォルザークの交響曲全集が入手できてしまう時代、何という贅沢な話かと思う。

録音はやや詰まり気味の感じ。スカッと爽快とはいかない。ティンパニなど、もう少し抜けのいい音で聴きたい。音場感は良好で、定位も良いのだが。
どうも曲ごとに録音のムラがあるようで、他の曲では非常に優秀な録音もある。

さて、演奏は素直な好演。

第1楽章はドヴォルザークらしい旋律が美しい。いかにもボヘミアの田舎人といった風情。木管や金管のソロも楽しい。
アンゲロフ/スロヴァキア放送響の演奏は素直で木訥な感じで、弦のアンサンブルは少し緩めかな。もう少しファイト、というところもあり。
弦楽器の渋さは格別。艶消しのような音がする。鮮烈さには欠けるが、耳が慣れてくると、何とも落ち着いた感触がたまらなくなってくる。ああ、これがチェコの弦か。
(というより、スロヴァキアの弦か)

第2楽章は穏やかな楽想の中で、淡い哀しみが漂う。
チェロはことのほか美しい。中間部の管楽器が朗らかなのが印象的。

第3楽章は快活なスケルツォ。ボヘミアの舞曲といった感じの軽快さ。
入れ替わり立ち替わり出てくる管楽器のソロがとても楽しい。
スロヴァキア放送響は好演。堂に入った演奏を聴かせてくれる。安定感抜群。

フィナーレではオケに厚みが出てくる。激しく揺れ動く感情も独特のものがある。田舎の素朴な感情の発露という感じかな。
アンサンブルもここへ来てぐっと良くなっている。盛り上がりも十分で、気持ちが沸き立ってくる。

ドヴォルザークの交響曲は、7番以前になると、ふだんはあまり聴きません。
ただ5番は「のだめカンタービレ」で劇中曲として使われたので、いったいどんな曲かと、好奇心に駆られた人も多かったことでしょう。
かく云うワタシもその一人であって、スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ盤などを取り出してみたものです。

このアンゲロフ盤は総じて好演。
この激安価格設定は、全集としては「買い」かなと思いました。
2007/09/03のBlog
朝晩は涼しくなりました。
日中は蒸し暑かったものの、気温は31度くらい。猛暑は収まったようです。

さて、今日は名曲の名盤を。(・・・・・って、いつもか(^^ゞ)

チャイコフスキーの交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1971年9月、ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。EMI原盤だがDiskyがライセンス契約して廉価盤で出ているもの。
(今はEMIが4~6番のセットを廉価盤で発売しているようです)

カラヤンにしては珍しい、情熱的な演奏。
いつも冷静で、徹底的に彫琢した音楽を聴かせるカラヤンなのに、燃え上がるような演奏。
入れ込みすぎて、オケが破綻しそうなところもある。聴いていてヒヤリとするところもあるのだが、だからこそスリルある演奏とも云える。手に汗握る楽しみと云うべきか。カラヤンの別の顔を見る思い。

第1楽章など、」弦楽セクションが呻き、むせび泣き、すすり泣く。実に情感がこもったボゥイング。
後半は猛烈な迫力。DG盤では聴けない力強さ、熱さ、重量感が味わえる。明と暗の対比も鋭く、音楽を深いところから抉り出してくる凄絶さがある。

第2楽章は涙の中の微笑み。
カラヤン特有の流麗感がイイ。

第3楽章は激しいスケルツォ。踏み込みが大きく、聴き手に迫る力は抜群。カラヤン流の優美な演奏ではなく、血気盛んでやる気満々の行進曲になっている。その煽り方は、ふだんと違うだけに楽しい。この部分のカラヤンを聴くだけでも、このCDの値打ち有りと見た。
カラヤンは一流のアジテーターだったのだと再認識。

終楽章も凄絶。
むせび泣く弦楽セクションに金管がかぶってくるところなど、最高。金管を抑制せず、思い切り吹かせているのは、カラヤンとしてでなくとも、珍しい。他の演奏は思いつかない。
チェロやコンバスの深々とした響きも素晴らしい。漆黒の響きとでも云おうか。

録音は上々です。
大音量で聴いても、崩れません。この演奏は、是非、大音量で聴きたいと思います。
カラヤンの激情が聴けます。

カラヤンの「悲愴」は沢山あって、そのうち、僕はDGでの3種(60年代と70年代でのBPO盤、晩年80年代のVPO盤)も聴いてますが、このEMI盤の力強さを凌駕するものはありません。「美しい」悲愴なら、70年代後半のBPO盤などはホンマにスゴイと思います。
でも、EMI盤ほどの鬼気迫る力はありません。金管も惚れ惚れするほど、イイ音で鳴っています。
スタイリッシュではないカラヤンを聴くのも一興かと思います。



三男坊の合唱コンクール、NHKも全日本も、結局四国大会止まりでありました。
今年も全国大会出場ならず、残念無念。
しかし、見事なソロでありました。
2007/09/02のBlog
最高気温が30度を少し超えたくらい。
涼しくなってきました。朝晩の風が特に心地よいですね。
いよいよ秋、クラシック音楽の季節ですね。

さて、今日は古いLPを取り出してます。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61。
ダヴィッド・オイストラフのヴァイオリン独奏、アンドレ・クリィタンス指揮フランス国立放送管弦楽団の演奏。
1958年11月、パリのサルワグラムでの録音。EMI原盤。
オイストラフとしては3度目の録音に当たるという。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、彼の書いた、最も高貴で上品な音楽の一つ。貴婦人を思わせるような曲。いつ聴いても、心落ち着く音楽と思う。

第1楽章の序奏が過ぎると、オイストラフのヴァイオリンが肉太でガッシリとした音で入ってくる。実に逞しい音。ベートーヴェンの厳粛さと快活さとを併せ持ったような音。
高音は上方に昇ってゆくような伸びやかさ、低音は聴き手の腹にこたえるような迫力がある。この音を聴くだけでも、このレコードは価値があると思う。
テンポは堂々、ゆったりとしてスケールが大きい。オイストラフは我が道を行く。
王者の風格を漂わせるヴァイオリンだ。
ソロの美しさと気品、たっぷりと鳴る音。懐深い響きもイイ。
カデンツァはクライスラーのもの。ここは味わい深い演奏。

クリュイタンスもオイストラフをよく支えている。
オイストラフのヴァイオリンが豊饒円満にして、たっぷりと音楽を鳴らす方向なのに対して、クリュイタンスは緻密で繊細、注意深くオケを鳴らそうとする。
音楽性としては異質な二人と思うが、協奏曲となると面白く聴ける。だから、クラシック音楽は楽しい。

第2楽章はまさに浄福の世界。
オイストラフの豊満なソロと、クリュイタンス/フランス国立放送管の真摯で端正な伴奏が、見事に協調している。宗教的な敬虔さを漂わせながら・・・・。

第3楽章は歓喜のフィナーレ。
オーケストラのトゥッティが素晴らしい。響きは実に柔らかく、美しくオイストラフを包み込む。オイストラフのヴァイオリンは伸びやかな音で、大らかに応える。
美しい協奏曲と思う。


録音は臨場感抜群の見事なもの。50年も昔の録音とは到底思えない。
1950年代のEMIの技術力に感服する。
オイストラフはステージ中央のやや左に立って、素晴らしい音を聴かせてくれる。ヴァイオリンの位置・高さが分かる感じ。
奥行きも十分で、オケの広がり感も素晴らしい。
優秀録音と思います。


<ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲 自己リンクです>
■グリュミオー(Vn) C・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■チョン・キョンファ(Vn) コンドラシン/ウィーン・フィル
■シェリング(Vn) ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■スターン(Vn) バレンボイム/ニューヨーク・フィル
■カントロフ(Vn) アントニ・ロス・マルバ/オランダ室内管
2007/09/01のBlog
9月です。Septemberです。
朝晩が涼しくなりました。この数日のにわか雨で、気温が少し下がりました。
クラシック音楽を聴くのに、クーラーが要らなくなりました。
夜風を楽しみながら聴いています。ただ、四国の田舎暮らしゆえ、秋の虫の音が盛大であります。
カエルの合唱が終わったと思ったら、今度はコオロギの輪唱です。
まあ、季節の移ろいを楽しむ日本人らしく、虫の音に微笑みながら、クラシック音楽を聴いていきまっしょい・・・・・。

さて、ハイドン全集をポツポツ聴いています。
そうです、あの1万円未満で買えてしまったA・フィッシャーの全集。
これ、ふと思い立って取り出すのにエエですね。
手に取るCDは、どれも違った音楽なのに、やはり聞こえてくるのはハイドンの声。
そして、ハイドンらしく作りが丁寧で、何かしら効果的な工夫があって面白いですな。
これからも、楽しんでいけそうです。

さて、今日はコル・レーニョも出てくる爽快なナンバーを。

ハイドンの交響曲第67番 ヘ長調。
アダム・フィッシャー指揮オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団の演奏。
1997年、オーストリア・アイゼンシュタットのエステルハージ宮殿での録音。

第1楽章はプレスト。快活で明朗な楽想はいかにもハイドン。ヴァイオリンのキュッと響く音が実に新鮮な感じがする。
演奏は、推進力もあるし、穏やかな微笑もあるし、聴いていて実に楽しい。ラストのヴァイオリンのソロやホルンの咆吼も心地よい。

第2楽章はアダージョ。
余韻たっぷりの響きが美しい。特に弱音がデリケートでイイ。オーボエのよく伸びる音も魅力的。トゥッティでの柔らかく包み込むような温かさも良い。
オーケストラは息があったアンサンブルで好演。達者なオケだと思う。
ラストではビックリ。コル・レーニョが出てくる。異様な響き。スゴイ効果だ。
ハイドンの中に、「前衛」を聴く思いがする。

第3楽章はメヌエット&トリオ。短い曲だが面白い。
トリオではハーディーガーディーのような音がする。いや、これも新鮮。
それに、2本のヴァイオリンだけのトリオも珍しい。

第4楽章フィナーレは肩の凝らない、愉悦に満ちた曲。
中間部での弦楽三重奏は実に美しい。ヴァイオリンとヴィオラ、チェロの3本だけで、何と多くのことを語っていることか。


録音は、残響がめっぽう美しく、心ゆったりと聴けるのがよろしい。
奥行き・高さとも十分で、定位は少し甘い感じだが(残響成分が多いので仕方ない)、家庭でハイドンをこの音で聴ければ全く満足であります。
優秀録音と云えます。
エステルハージ侯になった気分で、聴けてしまいます。
2007/08/31のBlog
今日は古い懐かしいLPを聴いてます。
愛聴盤です。

アルビノーニのオーボエ協奏曲 ニ短調 作品9の2。
ジャック・シャンボン(Ob)、カール・リステンパルト指揮ザール放送室内管弦楽団の演奏。
ERATO原盤の1000円盤LP。録音年の記載がないのでデータ不明だが、1960年代前半のものかと思う。

アルビノーニの協奏曲集作品9は、1722年アムステルダムで公刊された。パラチナ選挙侯マクシミリアン=エマニュエルに献呈された。
この曲集こそ、アルビノーニの最高傑作だろう。その中で最もすてきな曲は2番目のオーボエ協奏曲ニ短調だと僕は思う。
名曲だけに、多くのオーボイストが録音しているが、僕はこのシャンボン盤が好きだ。

第1楽章はアレグロ・ノン・プレスト。
軽く、しなやかなヴァイオリンの序奏。羽毛の軽さと明るさ。
シャンボンのオーボエが鼻にかかっているような、実にイイ音。フレージングも自然で、リズム感も精確で実に心地よい。
オーボエ特有の鋭くきつめの音なのだが、その音の先端部・エッジの部分は丸みを帯びていて、耳に優しい。
爽やかで青みがかった音でもある。例えて云えば、青磁の名品の青か。

第2楽章はアダージョ。この楽章こそ、数ある作品9の2のなかで、絶美の演奏と思う。
伴奏がヴァイオリンのピチカート。これが全く品良く暖かい。その上で、心ゆくまで歌うオーボエの美しさよ。ホンマに綺麗なメロディ。そして歌。
この旋律とハーモニーだけでも、アルビノーニは僕の中で不滅の作曲家だ。
中盤以降、オーボエはますます透き通った響きで歌う。テンポは中庸、速すぎず遅すぎず、実に心地よい。ヴァイオリンのピチカートと、後方で響くチェンバロは上品。ヴィオラやチェロは慎ましい。
シャンボンのソロは背筋が伸びて、堂々たるもの。朗々と響くオーボエは忘れがたい。

第3楽章はアレグロ。
キビキビと晴れやかで颯爽とした音楽。足取りも軽く、バロック協奏曲らしいフィナーレ。曲は短調なのだが、表情は明るく、アルビノーニの活躍したヴェネツィアの青空もかくやと思わせる。


録音は古びてきました。ヴァイオリンなどは、アナログレコードで聴く独特の艶やかさがエエです。倍音成分が多いんでしょう。
ダイナミック・レンジは広くないですし、盛大にパチパチノイズも入ります。でも、その中で音楽がふっくらと息づき、自然で心やすまる音が響いてきます。

これ、CD化されているんでしょうか?
あれば欲しいです。


8月末になって曇天続き。俄雨もあります。
少し涼しくなりました。猛暑もようやく収まったかな?
2007/08/30のBlog
今日は午前中に30分ほどザーッと来まして。
ええ、「雨」です。久しぶりでした。おかげで少し涼しくなりました。
我が部屋も30.4度。普段は35度を超えますので、この温度でも涼しく過ごしやすく感じます。
さあ、これで猛暑が収まってくれるかな?

さて、今日もマーラーを聴いてます。

マーラーの交響曲第9番 ニ長調。
ゲオルク・ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1982年5月、シカゴのオーケストラホールでの録音。DECCA原盤。ロンドン・レコード発売のLP全集から。

マーラーの9番はイイ。凄い交響曲と思う。
現世の利欲・恩讐と彼岸の憧憬と。人生の縮図のような音楽が、聴き手の魂を揺さぶる。
ショルティのマーラーは、作曲家が書いた構造を詳細に提示してくれて、この交響曲の真実を正しく再現した(変な言い方だが(^^ゞ)ものだと思う。
オケも最高度の技術とパワーでショルティの棒に応えていく。その力量が凄すぎるので、機械的、或いは筋肉質に感じるのだが、そこまで到達するポテンシャルは何度聴いても素晴らしいと思う。

第1楽章から、もうため息が出るほどの圧倒的なオーケストラ。こんなに巧い9番、他に想像がつかない。
ショルティの指揮も円満。1970年代末くらいから、ショルティは、かつての先鋭的な指揮は影を潜め、豊かで丸みを帯びた音楽をやるようになったと思う。この第1楽章はその証左と思えるほど、円満で、強引なところがない、大人の音楽になっている。
ティンパニとブラス・セクションは秀逸。そして、フワッと柔らかく応じる弦も美しい。
第2楽章のテンポはショルティにしては遅め。ゆったりと肩の力を抜いて歌ってゆく。
中間部では一気に速くなって、緊迫感も強まる。何者かに追いかけられているような表現。アンサンブルはいささかも乱れず、当然、落ちる楽器もなく、スケール豊かに音楽をつくってゆくシカゴ響こそ、偉大と思う。
音量も大きい。その昔、このオケの実演を聴いたときに、その音のデカさに肝をつぶしたことを思い出す。スゴイ。

第3楽章はクッキリと明快なロンド・ブルレスケ。テンポは快速。
この楽章も、遁走するような表現。それは、マーラーの死への恐怖だろうか。
ブラス・セクションがスゴイのだが、弦もホンマに素晴らしい。ヴァイオリン群のしなやかな響きとよく揃った合奏は、もっと賞賛されていいと思う。CSOの弦は上手い。美しい。

フィナーレは、アンサンブルだけでなく、ソロも美しい。
ヴァイオリンの弱音でのソロなど、泣けてくる。ホルンのソロは懐かしい響きで胸を打つ。
そしてラストは息をのむばかりの熾烈な弦楽合奏。マーラーの、これは彼岸か。


録音が美しいです。
今も最高水準と思えます。さすがにDECCAです。
音質、余韻、定位、音場とも文句なしの素晴らしさ。我が家のオーディオとの相性もエエようです。


<マーラーの9番交響曲 自己リンクです>
■ウーヴェ・ムント/京都市響
■ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■クーベリック/バイエルン放送響
■ノイマン/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
■レヴァイン/フィラデルフィア管
■バーンスタイン/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■アバド/ベルリン・フィル
■ジュリーニ/シカゴ響
■インバル/フランクフルト放送響
2007/08/29のBlog
お暑うございます・・・・という挨拶を、「処暑」を過ぎてもしております。
今日から少し涼しくなるという天気予報、期待したいもんです。

さて、今日もマーラーであります。

マーラーの交響曲第7番 ホ短調「夜の歌」。
レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの演奏。
1965年12月、ニューヨークのリンカーン・センター、エイブリフィッシャーホールでの録音。CBS盤。
バーンスタインは晩年に同じNYPと再録音しているので、これは旧盤ということになる。

バーンスタインがマーラーを振るときの熱気。
このCDでは、自分の血液の中にマーラーと同じ気質が流れているかのように、若きバーンスタインが情熱的にバトンを振っている。
後年のDG盤に比べると荒削りで、合奏の精度はイマイチ。NYPのアンサンブルはこの当時は概してよろしくない。弦がザラついて、管楽器との呼吸が合わないこともしばしば。でも、難曲の7番交響曲を(当時は難曲だったと思う・・・・)、情熱的に、マーラー布教の使徒のように構築しようとしたバーンスタインのロマンこそ是とするべきであって、1960年代のマーラー演奏の、これはやはり金字塔と思う。

もう一つ。バーンスタインのマーラーは分かりやすい。解説者的というか、教育的というか、バーンスタインのマーラーは聴き手に優しいところがある。親しみやすく、気さくなマーラー。しんねりムッツリではない、洗いざらしのジーンズをはいて屈託なく笑うマーラーが、バーンスタインとともに佇む。そんな演奏。

第1楽章は、やや戸惑いがちな演奏。バーンスタインにしても、この楽章を捉えきっていなかったのかな、と思う一節もあり。後年の再録音盤に聴ける確信に比べると、まだ咀嚼の途中かという感じもする。
中盤以降は見事。妖しげな様子がよく出ている。特に木管群は十分に妖しい。

第2楽章「夜曲Ⅰ」はゆったりとしたテンポ。じっくりと遅いので、マーラーがどんな風に書いているのかが見えてくる感じ。冒頭など、管楽器の響きがとても妖しく、良い。ティンパニの強打も効果的。惜しいのは、弦楽セクションのザラつき。ホルンの響きにももう少し魅力があったらなぁ・・・というのは欲張りすぎかな。

第3楽章スケルツォは愉悦に富んだ表現。明るく楽天的。この辺りは、バーンスタインらしい演奏と云うべきかな。テンポは自在に伸縮して、バーンスタインが自由に伸び伸びと振っている感じ。

第4楽章は「夜曲Ⅱ」。ここも遅い。森の夜の深さを表現したような楽章だが、テンポが遅いので、闇の深さが底知れない感じ。妖しく、恐ろしげな「夜」でもある。
NYPはここへきて好調。音もイイ。素晴らしい出来と思う。

フィナーレは阿鼻叫喚的な演奏だが、バーンスタインの解説風のバトンのおかげで。分かりやすいものに仕上がっている。アンサンブルは少し雑だが、熱気は十分で、ライヴのような盛り上がり、感興がある。面白い演奏だと思う。

録音はさすがに古びてきました。
40年以上昔の録音ですので、これで了とすべきなのでしょう。


<マーラーの第7交響曲「夜の歌」 自己リンクです>
■アバド/シカゴ響
■クーベリック/バイエルン放送響
■ベルティーニ/ケルン放送響
■小澤征爾/ボストン響
■マゼール/ウィーン・フィル
■テンシュテット/ロンドン・フィル