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2007/09/23のBlog
[ 04:15 ]
[ 交響曲 ]
四国では、日中の蒸し暑さが続いております。
ただ、朝夕はだいぶ涼しくなりました。ジョギングの時の風が、夏とは違います。
モワッとした風から、サラッとした風に変わっています。朝焼けの空も、だいぶ澄んできました。空が高くなってきました。トコトコ走るのには、絶好の季節です。
この数日はiPod-Shuffleにモーツァルトを沢山放り込んで、ジョギングしてます。どうも、クラシック音楽では、モーツァルトが抜群にジョギングに合います。
というわけで、今日はモーツァルト。
モーツァルトの交響曲第39番 変ホ長調 K.543。
オトマール・スウィトナー指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1976年、ドレスデンのルカ教会での録音。独シャルプラッテン原盤。
交響曲第39番は、モーツァルトの「白鳥の歌」だ。
・・・・と、モーツァルト関係の本を読むと書いてある。確かに、最晩年のピアノ協奏曲第27番やクラリネット協奏曲、それに「魔笛」に聞こえるような声と同じモーツァルトの声が、この曲には聴ける。枯淡というか、諦念というか、彼岸の境地というか。
味わい深い一品だと、いつも思う。
このスウィトナー盤は、とにもかくにも、ドレスデン・シュターツカペレの音が素晴らしい。ルカ教会での録音状態も良好で、ふっくらと残響豊かで、耳に実に心地よい。この柔らかでまろやかな音だけで、聴き手を幸福にさせるモーツァルト。
スウィトナーの指揮振りは、キビキビとしてリズムがよく弾み、溌剌、颯爽としたモーツァルトであって、これはスウィトナーの美質であると思う。音の分厚さよりも、見通しの良い、透明度の高い音で、爽やかに駆け抜けてゆくモーツァルトになっている。
第1楽章の序奏部の、豊かな広がりからして、心を奪われる。
主部にはいると、瑞々しい生気に満ちたモーツァルトが現れる。スウィトナーの指揮は軽やかでいて、正統的な演奏を導き出す。
録音された1970年代後半当時は、この瑞々しさが大いに評価されたと思う。ピリオド楽器の演奏が広がる以前、伝統のモーツァルトが、涼風のように響いたから。
続く第2楽章は優美の限りだし、第3楽章のメヌエットは精力的なトゥッティが気持ちよい。クラリネットも実に上手く、響きもイイ。
フィナーレもまた優美にして爽快。
モーツァルトを聴く楽しみや悦びが一杯詰まった演奏。
個々の楽器のバランスの良さは特筆もの。
弦楽セクションの引き締まった響きに乗って、鳴り渡る管楽器が特によろしい。
30年以上昔の録音になってしまいましたが、今も十分な音で鳴ります。
独シャルプラッテンの真面目な音楽作りが印象的です。
ただ、朝夕はだいぶ涼しくなりました。ジョギングの時の風が、夏とは違います。
モワッとした風から、サラッとした風に変わっています。朝焼けの空も、だいぶ澄んできました。空が高くなってきました。トコトコ走るのには、絶好の季節です。
この数日はiPod-Shuffleにモーツァルトを沢山放り込んで、ジョギングしてます。どうも、クラシック音楽では、モーツァルトが抜群にジョギングに合います。
というわけで、今日はモーツァルト。
モーツァルトの交響曲第39番 変ホ長調 K.543。
オトマール・スウィトナー指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1976年、ドレスデンのルカ教会での録音。独シャルプラッテン原盤。
交響曲第39番は、モーツァルトの「白鳥の歌」だ。
・・・・と、モーツァルト関係の本を読むと書いてある。確かに、最晩年のピアノ協奏曲第27番やクラリネット協奏曲、それに「魔笛」に聞こえるような声と同じモーツァルトの声が、この曲には聴ける。枯淡というか、諦念というか、彼岸の境地というか。
味わい深い一品だと、いつも思う。
このスウィトナー盤は、とにもかくにも、ドレスデン・シュターツカペレの音が素晴らしい。ルカ教会での録音状態も良好で、ふっくらと残響豊かで、耳に実に心地よい。この柔らかでまろやかな音だけで、聴き手を幸福にさせるモーツァルト。
スウィトナーの指揮振りは、キビキビとしてリズムがよく弾み、溌剌、颯爽としたモーツァルトであって、これはスウィトナーの美質であると思う。音の分厚さよりも、見通しの良い、透明度の高い音で、爽やかに駆け抜けてゆくモーツァルトになっている。
第1楽章の序奏部の、豊かな広がりからして、心を奪われる。
主部にはいると、瑞々しい生気に満ちたモーツァルトが現れる。スウィトナーの指揮は軽やかでいて、正統的な演奏を導き出す。
録音された1970年代後半当時は、この瑞々しさが大いに評価されたと思う。ピリオド楽器の演奏が広がる以前、伝統のモーツァルトが、涼風のように響いたから。
続く第2楽章は優美の限りだし、第3楽章のメヌエットは精力的なトゥッティが気持ちよい。クラリネットも実に上手く、響きもイイ。
フィナーレもまた優美にして爽快。
モーツァルトを聴く楽しみや悦びが一杯詰まった演奏。
個々の楽器のバランスの良さは特筆もの。
弦楽セクションの引き締まった響きに乗って、鳴り渡る管楽器が特によろしい。
30年以上昔の録音になってしまいましたが、今も十分な音で鳴ります。
独シャルプラッテンの真面目な音楽作りが印象的です。
2007/09/22のBlog
[ 04:21 ]
[ 協奏曲 ]
四国の田舎町では。未だ日中は残暑厳しいですが、朝晩は秋風が吹きます。
そろそろ涼しくなって欲しいもんです。
今日は往年の名盤を。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77。
ヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリン独奏、フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1955年の録音。RCA原盤。輸入盤では、700円ほどで購入できる廉価盤になっている。
ハイフェッツの技巧が圧倒的。
テンポは速く、ビシビシと決め技を放ちながら、ぐいぐい進んでゆく。それでいて、ロマン派特有の情熱は伝わってくるし、ヴァイオリンの音そのものは常に輝かしい。高速パッセージでのも輝かしさを失わないのがスゴイ。
ああ、この人はヴァイオリンで何でも出来てしまう、何でも表現できてしまうんだろうなぁと思う。
ライナーの指揮もスキがない。ハイフェッツの快速テンポによくついているな・・・・と思ったら、いやはや指揮者当人が「弾丸ライナー」だった・・・(^^ゞ。
第1楽章のテンポは非常に速い(速いはず)のだが、体感的に云うと、ハイフェッツのヴァイオリンが切れ味鋭くサッパリと心地よいので、あまり速く感じない。
音は高音がキャンつく感じで、やや惜しい。50年前の録音ゆえ、致し方ないか。
カデンツァはハイフェッツの自作。激しく情熱的で、ロマンが溢れる。
第2楽章は、まず冒頭のオーボエがイイ。朗々と響くその音からは、懐かしさめいたものさえ漂う感じ。
ハイフェッツのヴァイオリンは、よく歌い。ふくよかな響きを聴かせてくれる。速さと技巧だけではない、もっと深いところでハイフェッツが弾いているのがよく分かる。これを音楽性というのかな。逞しく、力強く、そして感謝に満ちた優美な歌が左右のスピーカーの間からこぼれてくる。ああ、ハイフェッツは素晴らしい。
第3楽章もスゴイ。ハイフェッツは速い、上手い、そして熱い。
ライナー/CSOも熱い。そして万全の布陣で支えきる。ハイフェッツのヴァイオリンをよく理解し、見事な協奏に仕上げてゆく。
ラストはものすごい盛り上がり、昂奮する演奏。
録音はさすがに古くなりました。
50年以上昔の音ですから、最新録音と比べるわけにはイカンでしょうが、時代を考えれば、上々の録音と思います。
<「ブラームスのヴァイオリン協奏曲」 自己リンクです>
■スターン(Vn) ・メータ/ニューヨーク・フィル
■シェリング(Vn) ・ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■コーガン(Vn) ・コンドラシン/モスクワ・フィル
■クレーメル(Vn) ・バーンスタイン/ウィーン・フィル
■ミルシテイン ・ヨッフム/ウィーン・フィル
そろそろ涼しくなって欲しいもんです。
今日は往年の名盤を。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77。
ヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリン独奏、フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1955年の録音。RCA原盤。輸入盤では、700円ほどで購入できる廉価盤になっている。
ハイフェッツの技巧が圧倒的。
テンポは速く、ビシビシと決め技を放ちながら、ぐいぐい進んでゆく。それでいて、ロマン派特有の情熱は伝わってくるし、ヴァイオリンの音そのものは常に輝かしい。高速パッセージでのも輝かしさを失わないのがスゴイ。
ああ、この人はヴァイオリンで何でも出来てしまう、何でも表現できてしまうんだろうなぁと思う。
ライナーの指揮もスキがない。ハイフェッツの快速テンポによくついているな・・・・と思ったら、いやはや指揮者当人が「弾丸ライナー」だった・・・(^^ゞ。
第1楽章のテンポは非常に速い(速いはず)のだが、体感的に云うと、ハイフェッツのヴァイオリンが切れ味鋭くサッパリと心地よいので、あまり速く感じない。
音は高音がキャンつく感じで、やや惜しい。50年前の録音ゆえ、致し方ないか。
カデンツァはハイフェッツの自作。激しく情熱的で、ロマンが溢れる。
第2楽章は、まず冒頭のオーボエがイイ。朗々と響くその音からは、懐かしさめいたものさえ漂う感じ。
ハイフェッツのヴァイオリンは、よく歌い。ふくよかな響きを聴かせてくれる。速さと技巧だけではない、もっと深いところでハイフェッツが弾いているのがよく分かる。これを音楽性というのかな。逞しく、力強く、そして感謝に満ちた優美な歌が左右のスピーカーの間からこぼれてくる。ああ、ハイフェッツは素晴らしい。
第3楽章もスゴイ。ハイフェッツは速い、上手い、そして熱い。
ライナー/CSOも熱い。そして万全の布陣で支えきる。ハイフェッツのヴァイオリンをよく理解し、見事な協奏に仕上げてゆく。
ラストはものすごい盛り上がり、昂奮する演奏。
録音はさすがに古くなりました。
50年以上昔の音ですから、最新録音と比べるわけにはイカンでしょうが、時代を考えれば、上々の録音と思います。
<「ブラームスのヴァイオリン協奏曲」 自己リンクです>
■スターン(Vn) ・メータ/ニューヨーク・フィル
■シェリング(Vn) ・ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■コーガン(Vn) ・コンドラシン/モスクワ・フィル
■クレーメル(Vn) ・バーンスタイン/ウィーン・フィル
■ミルシテイン ・ヨッフム/ウィーン・フィル
2007/09/21のBlog
[ 06:08 ]
[ 器楽曲 ]
昨晩は、中国人の高校生が一日ホームステイで我が家に。
中国の蘭州からの交流で、三男坊が通う高校が受け入れたのです。
礼儀正しい、優秀な少年でありました。
さて、今日はピアノ曲を。
ショパンのピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送行進曲つき」。
マウリツィオ・ポリーニのピアノ独奏。
1984年3月、ミュンヘンのヘルクレスザールでの録音。DG盤。
ポリーニのピアノが光り輝くように美しく、堂々たる重量感をもって響く名演奏。
第1楽章は、焦燥・逃避を示すような楽想の部分での緊迫感。これがスゴイ。
ポリーニならではの集中力、そして圧倒的なメカニック。
もちろん、優美なところでは光がこぼれてくるようなキラキラした美しさがあって、感銘を受ける。
第2楽章はスケルツォ。
中間部の冴え冴えとした美しさはゾッとするほど。静かな空間に、ポッカリと浮かび上がるピアノ。ポリーニのCDは、ダイナミックレンジが大きく、S/N比も良いので、そんな印象を受けるのか。
しんと静まりかえった空間に、ポリーニのピアノがニュッと首を出してくる瞬間がある。これがゾクゾクするほど美しいし、ため息が出てくる。
第3楽章は葬送行進曲、これも凄い。音が過不足なく全部鳴っている感じ。しかも全部の音が美しく鳴る。そして力強い。素晴らしい。
音が前に出てくる。ポリーニのピアノには躊躇がない。グイッと前に出てきて、実にカッコイイ。
中間部での優美さは絶品。綺麗なことこの上なし。リスニング・ルームが、豪奢な調度に包まれたサロンに変貌してしまう美しさ。
第4楽章は、風のように舞うフィナーレ。不思議な音楽が、弾んで、跳ね回る。
DGによる名録音です。
今の耳で聴いても、ベストの音でポリーニの圧倒的な技巧とパワーを感じることが出来ます。
ピアノ曲として、このレベルで聴かせてくれれば、文句なしであります。
で、その中国人高校生。
英語を流暢に話します。発音も大変きれい。中学生から必死に勉強したそうです。
中国での一日の生活がスゴイ。起床5時、就寝0時。
学校は7時半から午前5時間、午後は3時間、計8時間授業。
宿題が山ほどあって、食事以外は勉強しなければならないので、寝るのはどうしても0時になるとのこと。睡眠は5時間・・・・・。
いやはや、中国の高校生、おそらくエリートなんでしょ、それにしてもスゴイ生活です。
日本の大学受験生なみです。(最近、大学入試は大幅易化しているので・・・・なにせ全入制の時代・・・・そんなに受験生でも勉強もしていないか)。
これじゃ、日本の高校生は、とてもじゃないが、中国に勝てません。
中国の蘭州からの交流で、三男坊が通う高校が受け入れたのです。
礼儀正しい、優秀な少年でありました。
さて、今日はピアノ曲を。
ショパンのピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送行進曲つき」。
マウリツィオ・ポリーニのピアノ独奏。
1984年3月、ミュンヘンのヘルクレスザールでの録音。DG盤。
ポリーニのピアノが光り輝くように美しく、堂々たる重量感をもって響く名演奏。
第1楽章は、焦燥・逃避を示すような楽想の部分での緊迫感。これがスゴイ。
ポリーニならではの集中力、そして圧倒的なメカニック。
もちろん、優美なところでは光がこぼれてくるようなキラキラした美しさがあって、感銘を受ける。
第2楽章はスケルツォ。
中間部の冴え冴えとした美しさはゾッとするほど。静かな空間に、ポッカリと浮かび上がるピアノ。ポリーニのCDは、ダイナミックレンジが大きく、S/N比も良いので、そんな印象を受けるのか。
しんと静まりかえった空間に、ポリーニのピアノがニュッと首を出してくる瞬間がある。これがゾクゾクするほど美しいし、ため息が出てくる。
第3楽章は葬送行進曲、これも凄い。音が過不足なく全部鳴っている感じ。しかも全部の音が美しく鳴る。そして力強い。素晴らしい。
音が前に出てくる。ポリーニのピアノには躊躇がない。グイッと前に出てきて、実にカッコイイ。
中間部での優美さは絶品。綺麗なことこの上なし。リスニング・ルームが、豪奢な調度に包まれたサロンに変貌してしまう美しさ。
第4楽章は、風のように舞うフィナーレ。不思議な音楽が、弾んで、跳ね回る。
DGによる名録音です。
今の耳で聴いても、ベストの音でポリーニの圧倒的な技巧とパワーを感じることが出来ます。
ピアノ曲として、このレベルで聴かせてくれれば、文句なしであります。
で、その中国人高校生。
英語を流暢に話します。発音も大変きれい。中学生から必死に勉強したそうです。
中国での一日の生活がスゴイ。起床5時、就寝0時。
学校は7時半から午前5時間、午後は3時間、計8時間授業。
宿題が山ほどあって、食事以外は勉強しなければならないので、寝るのはどうしても0時になるとのこと。睡眠は5時間・・・・・。
いやはや、中国の高校生、おそらくエリートなんでしょ、それにしてもスゴイ生活です。
日本の大学受験生なみです。(最近、大学入試は大幅易化しているので・・・・なにせ全入制の時代・・・・そんなに受験生でも勉強もしていないか)。
これじゃ、日本の高校生は、とてもじゃないが、中国に勝てません。
2007/09/20のBlog
[ 04:25 ]
[ 声楽曲・オペラ ]
マリア・カラスの69枚組のボックスが届きました。
じっくり、不世出の大歌手の名演を楽しめそうです。
ボックスが筒型になっているので取り出しにくいのと(画像を参照してください)、ブックレットが分かりにくいのとが難点ですが、価格は16,000円という、信じられないような値段でありまして、良心的というか、こんな価格で買ってエエんだろうかと不安なるというか・・・・複雑な気分であります。
ホンマにこんなに安うて、商売になるんじゃろうか?
全くありがたい時代になったもんです。いつも云ってますが。
さて、ノルマにトスカにルチアに・・・・・いろいろあるんですが、今日はミミ。
大好きなオペラから聴いております。
プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」。
アノトニーノ・ヴォットー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団の演奏。
マリア・カラス(S)、ジュセッペ・ディ・ステファノ(T)、ローランド・パネライ(Br)、アンナ・モッフォ(S)ほかのキャスト。
1956年8月、ミラノ・スカラ座でのモノラル録音。EMI盤。
マリア・カラスは、大歌手だと思う。
この演奏でのミミなどは、本来はカラスには合わない役柄なんじゃないかと思う。ミミにしては声が太いし、高音ももう少し透明感のあるヌケが欲しい。
しかし、強烈な表現力がそれを補って余りある。なんと強靱な声、そして絶妙な演技。オペラは歌の「劇」なのだと、つくづく思う。
カラスが演じるミミは、登場した頃は幼さが残る感じなのに、やがて恋を知る女に変化してゆく。その変貌の表現がスゴイ。そして、最後まで貧しいお針子であって、薄幸の女であることも、その歌唱からこぼれてくる。
声質を超える、素晴らしい表現力。これだから、カラスを聴く楽しさはたまらない。
ディ・ステファノは甘いロドルフォ。優しく柔らかく甘い声で、愛と憧憬とロマンを歌い上げる。そして、ナイーヴな詩人の心情、デリケートな感情を歌い尽くす。見事だと思う。そして、なんといっても声が美しい。これだけの美声のロドルフォは、なかなかいない。「冷たい手を」は絶唱。
相棒のパネライ演ずるマルチェルロも秀逸。冒頭からミミの登場までの、ロドルフォとの掛け合いが楽しい。
モッフォのムゼッタも綺麗な声が魅力。透明感のある声で、清潔感もあるが、もう少しあばずれ・蓮っ葉なところがあってもいいかな。
でも、「ムゼッタのワルツ」は実にイイし、ラストの祈りの場面などは涙を誘う可憐さ。モッフォ若かりし頃の名唱と云えそう。
ヴォットーの指揮は手堅い。素直で、美しいカンタービレに溢れた演奏ぶりで好感が持てる。
録音はモノラルですが、とても聴きやすい状態。
リマスタリングが成功しているんでしょう。
じっくり、不世出の大歌手の名演を楽しめそうです。
ボックスが筒型になっているので取り出しにくいのと(画像を参照してください)、ブックレットが分かりにくいのとが難点ですが、価格は16,000円という、信じられないような値段でありまして、良心的というか、こんな価格で買ってエエんだろうかと不安なるというか・・・・複雑な気分であります。
ホンマにこんなに安うて、商売になるんじゃろうか?
全くありがたい時代になったもんです。いつも云ってますが。
さて、ノルマにトスカにルチアに・・・・・いろいろあるんですが、今日はミミ。
大好きなオペラから聴いております。
プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」。
アノトニーノ・ヴォットー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団の演奏。
マリア・カラス(S)、ジュセッペ・ディ・ステファノ(T)、ローランド・パネライ(Br)、アンナ・モッフォ(S)ほかのキャスト。
1956年8月、ミラノ・スカラ座でのモノラル録音。EMI盤。
マリア・カラスは、大歌手だと思う。
この演奏でのミミなどは、本来はカラスには合わない役柄なんじゃないかと思う。ミミにしては声が太いし、高音ももう少し透明感のあるヌケが欲しい。
しかし、強烈な表現力がそれを補って余りある。なんと強靱な声、そして絶妙な演技。オペラは歌の「劇」なのだと、つくづく思う。
カラスが演じるミミは、登場した頃は幼さが残る感じなのに、やがて恋を知る女に変化してゆく。その変貌の表現がスゴイ。そして、最後まで貧しいお針子であって、薄幸の女であることも、その歌唱からこぼれてくる。
声質を超える、素晴らしい表現力。これだから、カラスを聴く楽しさはたまらない。
ディ・ステファノは甘いロドルフォ。優しく柔らかく甘い声で、愛と憧憬とロマンを歌い上げる。そして、ナイーヴな詩人の心情、デリケートな感情を歌い尽くす。見事だと思う。そして、なんといっても声が美しい。これだけの美声のロドルフォは、なかなかいない。「冷たい手を」は絶唱。
相棒のパネライ演ずるマルチェルロも秀逸。冒頭からミミの登場までの、ロドルフォとの掛け合いが楽しい。
モッフォのムゼッタも綺麗な声が魅力。透明感のある声で、清潔感もあるが、もう少しあばずれ・蓮っ葉なところがあってもいいかな。
でも、「ムゼッタのワルツ」は実にイイし、ラストの祈りの場面などは涙を誘う可憐さ。モッフォ若かりし頃の名唱と云えそう。
ヴォットーの指揮は手堅い。素直で、美しいカンタービレに溢れた演奏ぶりで好感が持てる。
録音はモノラルですが、とても聴きやすい状態。
リマスタリングが成功しているんでしょう。
2007/09/19のBlog
[ 03:29 ]
[ 協奏曲 ]
秋なのにこの蒸し暑さ。午後は、不快指数高かったですね。
爽やかな秋風はいずこへ?
せめて、クラシック音楽は爽快に聴きましょう。
今日は若武者の初陣を懐かしいLPで・・・・・。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23。
ヴァン・クライバーンのピアノ独奏、キリル・コンドラシン指揮交響楽団の演奏。
1958年5月30日、ニューヨークのカーネギー・ホールでの録音。RCA原盤。
1958年の第1回チャイコフスキー・コンクールで優勝したクライバーンが凱旋帰国、その直後に録音されたデビュー盤であり、超ベストセラー盤。時は東西冷戦の真っ最中、これは歴史的な(世界史的な)名盤だろう。
第1楽章、激しく情熱的な序奏部がスゴイ。覇気一杯のピアノに、オーケストラも盛り上がる。金管など大げさすぎるほど。
クライバーンのピアノは、主部に入ってもダイナミック。力強く、溌剌として、若武者の騎行のよう。モーションは大きく振りかぶり、投げれば剛球一直線。いや、実に気持ちいい。恐れを知らぬ若者が、ありったけの力をぶつけている。その意気や良し。
コンドラシンの伴奏もまた豪快。クライバーンの直球勝負に触発されたか、徐々に感興高まって、金管はバリバリ鳴らすし、弦楽はガンガン響かせる。全く面白い。ライブのような面白さがある。録音データによれば、一日での一発録り。実演のような盛り上がりがある。
(コンドラシンという人、チャイコフスキーが面白い。アルゲリッチのバックでバイエルン放送響を振ったフィリップス盤も、血潮がたぎるような熱い演奏だった)
第2楽章のスッキリした抒情もイイ。
メソメソしない、しっかりとした克明な弾き方だが、淡い感傷が底の方を流れている。
コンドラシンの指揮は見事なもので、オーケストラは、この若武者を暖かく包み込んでゆく。
録音のせいか、管楽器のソロが前に出すぎるのは、いささか気になるが。
フィナーレは豪快華麗な演奏。
クライバーンの技巧は見事。めくるめくピアニズムが楽しい。キラキラした音、激しい音もあって、実に颯爽とした演奏。気持ちいい。
若いって、エエですね。
録音はさすがに古びてきました。高音がやや詰まり気味。
残響も少ないので、乾いた感じの音。ただ、ナマナマしさは強いです。
このころのRCAは、こんな感じの音が多いようですが、当時のアメリカ人の好みだったのかな?
で、コンドラシン指揮交響楽団という表記、実際は何というオケだったんでしょう。
↑
クラシカルな某 さんから、コメントを頂戴しました。
「この録音についてを直接テーマとしているわけではありませんが、評論家・山崎氏の下記サイトで関連話題を読むことが出来ます。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~arakicho/
この中の「ウィーン60/本文へ」のコーナーに移り、その中の第25章にクライバーンのことが・・・。」
クラシカルな某 さん、ありがとうございました
で、コンドラシン指揮の交響楽団は、RCA交響楽団と表記したものがあるようです。
実際は、シンフォニー・オブ・ジ・エア・・・・のことかな。
爽やかな秋風はいずこへ?
せめて、クラシック音楽は爽快に聴きましょう。
今日は若武者の初陣を懐かしいLPで・・・・・。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23。
ヴァン・クライバーンのピアノ独奏、キリル・コンドラシン指揮交響楽団の演奏。
1958年5月30日、ニューヨークのカーネギー・ホールでの録音。RCA原盤。
1958年の第1回チャイコフスキー・コンクールで優勝したクライバーンが凱旋帰国、その直後に録音されたデビュー盤であり、超ベストセラー盤。時は東西冷戦の真っ最中、これは歴史的な(世界史的な)名盤だろう。
第1楽章、激しく情熱的な序奏部がスゴイ。覇気一杯のピアノに、オーケストラも盛り上がる。金管など大げさすぎるほど。
クライバーンのピアノは、主部に入ってもダイナミック。力強く、溌剌として、若武者の騎行のよう。モーションは大きく振りかぶり、投げれば剛球一直線。いや、実に気持ちいい。恐れを知らぬ若者が、ありったけの力をぶつけている。その意気や良し。
コンドラシンの伴奏もまた豪快。クライバーンの直球勝負に触発されたか、徐々に感興高まって、金管はバリバリ鳴らすし、弦楽はガンガン響かせる。全く面白い。ライブのような面白さがある。録音データによれば、一日での一発録り。実演のような盛り上がりがある。
(コンドラシンという人、チャイコフスキーが面白い。アルゲリッチのバックでバイエルン放送響を振ったフィリップス盤も、血潮がたぎるような熱い演奏だった)
第2楽章のスッキリした抒情もイイ。
メソメソしない、しっかりとした克明な弾き方だが、淡い感傷が底の方を流れている。
コンドラシンの指揮は見事なもので、オーケストラは、この若武者を暖かく包み込んでゆく。
録音のせいか、管楽器のソロが前に出すぎるのは、いささか気になるが。
フィナーレは豪快華麗な演奏。
クライバーンの技巧は見事。めくるめくピアニズムが楽しい。キラキラした音、激しい音もあって、実に颯爽とした演奏。気持ちいい。
若いって、エエですね。
録音はさすがに古びてきました。高音がやや詰まり気味。
残響も少ないので、乾いた感じの音。ただ、ナマナマしさは強いです。
このころのRCAは、こんな感じの音が多いようですが、当時のアメリカ人の好みだったのかな?
で、コンドラシン指揮交響楽団という表記、実際は何というオケだったんでしょう。
↑
クラシカルな某 さんから、コメントを頂戴しました。
「この録音についてを直接テーマとしているわけではありませんが、評論家・山崎氏の下記サイトで関連話題を読むことが出来ます。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~arakicho/
この中の「ウィーン60/本文へ」のコーナーに移り、その中の第25章にクライバーンのことが・・・。」
クラシカルな某 さん、ありがとうございました
で、コンドラシン指揮の交響楽団は、RCA交響楽団と表記したものがあるようです。
実際は、シンフォニー・オブ・ジ・エア・・・・のことかな。
2007/09/18のBlog
[ 03:02 ]
[ 交響曲 ]
午後から激しい雨。一気に降って、あがって、また土砂降り・・・・。
そんな天気の繰り返しでありました。蒸し暑い3連休でした。
おかげさまで、この3日間で四国山系にまとまった雨が降り、渇水地域の不安は解消のようです。
さて、今日はマーラーです。
マーラーの交響曲第6番 イ短調「悲劇的」。
小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏。
1992年1~2月、ボストン、シンフォニーホールでのライヴ録音。フィリップス盤。
小澤のマーラー演奏には、錯綜してこんがらがった楽譜の綾を解きほぐして、一本のまっすぐな糸に直してゆくような趣がある。
オーケストラをよく整理して、聴き手に分かりやすいようにマーラーの音楽を響かせる。サービスが精神旺盛であると云うべきか。複雑なマーラーの音楽が、平易で楽しいものに聞こえるのは、小澤の得難い個性であると思う。
テンポは全体的に中庸で、妥当なもの。
第1楽章は、仕上げが美麗で端正。ボストン響の音色や響きも非常に美しい。音が全体的に柔らかく、優しい響きになっている。荒々しさとか粗暴には無縁の演奏。だから、「悲劇的」というには、切迫感・緊張感がやや足りないかな。
弦楽セクションの柔らかさ、練り絹のようなしっとり感は、ボストン響独特のもの。小澤が常任になってから、さらに美しくなったように思う。
木管や金管も刺激音が少ないので、耳当たりが良い(マーラーではもっと軋むような音があってもいかなとも思うが)。
だから、大音量でも音がマイルドで、楽器の溶けあいもよいので、クリーミーなサウンドになる。これを聴くのは楽しいものだ。
第2楽章も同様で、マイルドな音が際だつ。小澤のマーラーの一大特徴と思われる。
この刺激音の少なさ、緻密な設計、そしてオケの自在な解放。おそらく小澤の棒は80%まで追い込んでおいて、残り20%はオケの自主性に任せているような・・・そんな感じで聴いた。小澤のマーラーは自主性を重んじる。これが、素敵なサウンドを生み出しているのだろうと思う。
第3楽章は、ふつうにアンダンテ・モデラートをおいている。
いつ聴いても美しい楽章と思う。実に綺麗で、サラサラした音楽。特に小澤で聴くと、音楽が空虚なものにならない。
渓流の清々しさ、朝露に濡れた草花の潤い・・・・そんな感じの情趣が伝わる。これは小澤の傑作だろう。このデリカシー、はかなさは、小澤盤でしか聴けない。
フィナーレは表情多彩だが、どれも端正な表現で、仕上げはアッサリ系。
アクは強くなく、サラサラした、水彩画のようなマーラーになっている。日本料理で云えば(例えが悪いが)、精進料理・上品な懐石料理といった感じで、聴いていて面白い。
ハンマーはさすがに強烈。ただ、あまり哀しみを引きずっていないのが、かえって良い。
録音はフィリップス特有の、残響豊かなヨーロッパ・トーン。
音場は広大、ただし定位は少し甘い感じでもあります。
でも、この余韻は、やはり素晴らしいと思います。
さて、小澤のマーラーは近頃店頭では見かけませんが、廃盤ですかね?
そんな天気の繰り返しでありました。蒸し暑い3連休でした。
おかげさまで、この3日間で四国山系にまとまった雨が降り、渇水地域の不安は解消のようです。
さて、今日はマーラーです。
マーラーの交響曲第6番 イ短調「悲劇的」。
小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏。
1992年1~2月、ボストン、シンフォニーホールでのライヴ録音。フィリップス盤。
小澤のマーラー演奏には、錯綜してこんがらがった楽譜の綾を解きほぐして、一本のまっすぐな糸に直してゆくような趣がある。
オーケストラをよく整理して、聴き手に分かりやすいようにマーラーの音楽を響かせる。サービスが精神旺盛であると云うべきか。複雑なマーラーの音楽が、平易で楽しいものに聞こえるのは、小澤の得難い個性であると思う。
テンポは全体的に中庸で、妥当なもの。
第1楽章は、仕上げが美麗で端正。ボストン響の音色や響きも非常に美しい。音が全体的に柔らかく、優しい響きになっている。荒々しさとか粗暴には無縁の演奏。だから、「悲劇的」というには、切迫感・緊張感がやや足りないかな。
弦楽セクションの柔らかさ、練り絹のようなしっとり感は、ボストン響独特のもの。小澤が常任になってから、さらに美しくなったように思う。
木管や金管も刺激音が少ないので、耳当たりが良い(マーラーではもっと軋むような音があってもいかなとも思うが)。
だから、大音量でも音がマイルドで、楽器の溶けあいもよいので、クリーミーなサウンドになる。これを聴くのは楽しいものだ。
第2楽章も同様で、マイルドな音が際だつ。小澤のマーラーの一大特徴と思われる。
この刺激音の少なさ、緻密な設計、そしてオケの自在な解放。おそらく小澤の棒は80%まで追い込んでおいて、残り20%はオケの自主性に任せているような・・・そんな感じで聴いた。小澤のマーラーは自主性を重んじる。これが、素敵なサウンドを生み出しているのだろうと思う。
第3楽章は、ふつうにアンダンテ・モデラートをおいている。
いつ聴いても美しい楽章と思う。実に綺麗で、サラサラした音楽。特に小澤で聴くと、音楽が空虚なものにならない。
渓流の清々しさ、朝露に濡れた草花の潤い・・・・そんな感じの情趣が伝わる。これは小澤の傑作だろう。このデリカシー、はかなさは、小澤盤でしか聴けない。
フィナーレは表情多彩だが、どれも端正な表現で、仕上げはアッサリ系。
アクは強くなく、サラサラした、水彩画のようなマーラーになっている。日本料理で云えば(例えが悪いが)、精進料理・上品な懐石料理といった感じで、聴いていて面白い。
ハンマーはさすがに強烈。ただ、あまり哀しみを引きずっていないのが、かえって良い。
録音はフィリップス特有の、残響豊かなヨーロッパ・トーン。
音場は広大、ただし定位は少し甘い感じでもあります。
でも、この余韻は、やはり素晴らしいと思います。
さて、小澤のマーラーは近頃店頭では見かけませんが、廃盤ですかね?
2007/09/17のBlog
[ 04:54 ]
[ 器楽曲 ]
今日もバッハのピアノ曲です。
グールドの80枚組ボックスセットが発売されるという。HMVでは3万円以下で買えるそうな。
どなたか、もうオーダーしましたか?
1枚400円以下で手に入るとなると、僕はグールドの良い聴き手ではなかったが、う~ん・・・・欲しいもんです。20世紀後半を代表するピアニストの全貌が分かる全集、価格も激安、欲しいなぁ・・・・。財布と相談中であります。
で、今日取り出したのはグールドのバッハ。
J・S・バッハの 平均律クラヴィーア曲集 第1巻。
グレン・グールドのピアノ独奏。
1962年11月~ ニューヨークの30番街スタジオ等での録音。
CBS原盤。このCDは第2巻とともに3枚組になっている全曲盤。
ペダルを使わない独特のノン・レガート奏法。
音は粒だちよく磨き上げられて、鏡面仕上げのように美しい。その輝きは、ピカピカの光輝ではなく、パール色の自然な光の反映という感じ。光り輝くところと、ややくすんだ光を放つところと、光る具合が様々な感じの美しさが、グールドのピアノにはある。
その音は均質で、高音も低音も同じ強さで美しく鳴る。感情的な思い入れを排して、時に無機的な感じのところもあるのだが、だからこそ、バッハの世界が無限に広がってゆく。
響きは多様。曲調に従って万華鏡のように変化してゆく。これを味わうのは楽しい。ピアノ一台でこんなにいろいろな響きがでてくるものか。そして、こんなに世界が広がるものか。グールドの案内で、バッハの世界を旅する感覚になる。時に、ジェットコースターに乗ったような気分になったりもする。
特に楽しいのはフーガ。
グールドで聴くと、バッハが対位法の大家であったことが、ド素人の僕にもよく分かる。対向旋律がくっきりと表現されて、ああ、なるほどバッハはポリフォニーの作曲家であったのだと、つくづく思わされる。
そして、グールド特有のアーティキュレーションによって、音楽の表情が生き生きとしている。それが素晴らしい。
この平均律クラヴィーア曲集、聴き始めたら、あっという間に1時間くらい経過してしまいます。聴いていて楽しい、面白い、そして時にハッとさせられる・・・・こういうのを名演奏って云うんでしょう。
録音から40年経過、しかしまだ音は瑞々しく、クールなグールドの音を伝えます。
もともと、ツヤツヤした録音ではないので、あまり古びないですな。
さて、グールドのボックス、どうしましょう。
皆さんは、買いますか?・・・・・
グールドの80枚組ボックスセットが発売されるという。HMVでは3万円以下で買えるそうな。
どなたか、もうオーダーしましたか?
1枚400円以下で手に入るとなると、僕はグールドの良い聴き手ではなかったが、う~ん・・・・欲しいもんです。20世紀後半を代表するピアニストの全貌が分かる全集、価格も激安、欲しいなぁ・・・・。財布と相談中であります。
で、今日取り出したのはグールドのバッハ。
J・S・バッハの 平均律クラヴィーア曲集 第1巻。
グレン・グールドのピアノ独奏。
1962年11月~ ニューヨークの30番街スタジオ等での録音。
CBS原盤。このCDは第2巻とともに3枚組になっている全曲盤。
ペダルを使わない独特のノン・レガート奏法。
音は粒だちよく磨き上げられて、鏡面仕上げのように美しい。その輝きは、ピカピカの光輝ではなく、パール色の自然な光の反映という感じ。光り輝くところと、ややくすんだ光を放つところと、光る具合が様々な感じの美しさが、グールドのピアノにはある。
その音は均質で、高音も低音も同じ強さで美しく鳴る。感情的な思い入れを排して、時に無機的な感じのところもあるのだが、だからこそ、バッハの世界が無限に広がってゆく。
響きは多様。曲調に従って万華鏡のように変化してゆく。これを味わうのは楽しい。ピアノ一台でこんなにいろいろな響きがでてくるものか。そして、こんなに世界が広がるものか。グールドの案内で、バッハの世界を旅する感覚になる。時に、ジェットコースターに乗ったような気分になったりもする。
特に楽しいのはフーガ。
グールドで聴くと、バッハが対位法の大家であったことが、ド素人の僕にもよく分かる。対向旋律がくっきりと表現されて、ああ、なるほどバッハはポリフォニーの作曲家であったのだと、つくづく思わされる。
そして、グールド特有のアーティキュレーションによって、音楽の表情が生き生きとしている。それが素晴らしい。
この平均律クラヴィーア曲集、聴き始めたら、あっという間に1時間くらい経過してしまいます。聴いていて楽しい、面白い、そして時にハッとさせられる・・・・こういうのを名演奏って云うんでしょう。
録音から40年経過、しかしまだ音は瑞々しく、クールなグールドの音を伝えます。
もともと、ツヤツヤした録音ではないので、あまり古びないですな。
さて、グールドのボックス、どうしましょう。
皆さんは、買いますか?・・・・・
2007/09/16のBlog
[ 03:54 ]
[ 器楽曲 ]
夜中に雨が降っては、日中は蒸し暑い・・・という日々です。
9月も半ばを迎えて、まだ、残暑であります。いやはや。
さて、今夜は雨音を聞きながら、ウィルヘルム・ケンプのピアノ独奏によるJ・S・バッハの名演(コラール前奏曲)集を。
1974~75年、ドイツ、ハノーファーでの録音。DG盤の廉価盤2枚組。
夜中に、ふとバッハを聴く。ピアノ曲集などをモゾモゾと。
あまり上手なピアノでなくて良い。キラキラと鮮烈である必要はない。夜中だから、しっとりと聴きたい。ほっと落ち着く音で聴きたい。
ボリュームは絞り気味、家人が目を覚まさぬように。
ふだんはターンベリーをガンガン鳴らして、オーケストラ曲を聴いているので、ついついボリュームを上げてしまいがち。今日は、ゆっくりと静かに上げてゆく。
このケンプのレコードは、残響成分が多く、ゆったりと聴けるのがイイ。
ピアノの音のエッジは丸く、カツンとした響きからは遠いのだが、夜中にはちょうどいい。
ケンプも技巧をひけらかすタイプではなく、じっくり、ゆっくりと弾いてゆく。
録音当時、ケンプは80歳。ドイツの伝統を背負うピアニストとして、最長老だったころだ。
コラール前奏曲が、しみじみとしていて味わい深い。そして、バッハの音楽が持つ慰藉が、静かに、淀みなく流れてくる。
録音状態はそう良くもなく、ケンプのピアノもそんなにスゴイわけじゃない。曲だってバッハの有名曲で、ありきたりのものだ。特に変わったレコードではない。
でも、こういうLPを夜中に聴くのはエエもんです。疲れを忘れます。そして、やがてまどろみの中へ・・・・。いつしか眠りこけて・・・。
曲目は、有名なもの。
コラール前奏曲では、「いざ来ませ、異邦人の救い主」、「いまぞ、その時」、「目覚めよと呼ぶ声す」、「楽しい喜びの声で」など。
特に胸にジンとくるのは「主よ、人の望みの喜びよ」。何度聴いても、心にしみる名曲と思う。
「シチリアーノ ト短調」や、「ラルーゴ」(BWV1056より)もよろしい。
グルックの「オルフェオの嘆きと精霊の踊り」も、しみじみとした名演。
これCDでは現役盤でしょうか?
演奏は確信に満ちたもので、毎日の生活と文化の伝統に根ざしたバッハという感じ。
新鮮な閃きはないものの(別になくてもエエですな)、「バッハというのは、こういうもんや」と信じて演奏している風情が、実によろしいんです。
ケンプのバッハでありました。
9月も半ばを迎えて、まだ、残暑であります。いやはや。
さて、今夜は雨音を聞きながら、ウィルヘルム・ケンプのピアノ独奏によるJ・S・バッハの名演(コラール前奏曲)集を。
1974~75年、ドイツ、ハノーファーでの録音。DG盤の廉価盤2枚組。
夜中に、ふとバッハを聴く。ピアノ曲集などをモゾモゾと。
あまり上手なピアノでなくて良い。キラキラと鮮烈である必要はない。夜中だから、しっとりと聴きたい。ほっと落ち着く音で聴きたい。
ボリュームは絞り気味、家人が目を覚まさぬように。
ふだんはターンベリーをガンガン鳴らして、オーケストラ曲を聴いているので、ついついボリュームを上げてしまいがち。今日は、ゆっくりと静かに上げてゆく。
このケンプのレコードは、残響成分が多く、ゆったりと聴けるのがイイ。
ピアノの音のエッジは丸く、カツンとした響きからは遠いのだが、夜中にはちょうどいい。
ケンプも技巧をひけらかすタイプではなく、じっくり、ゆっくりと弾いてゆく。
録音当時、ケンプは80歳。ドイツの伝統を背負うピアニストとして、最長老だったころだ。
コラール前奏曲が、しみじみとしていて味わい深い。そして、バッハの音楽が持つ慰藉が、静かに、淀みなく流れてくる。
録音状態はそう良くもなく、ケンプのピアノもそんなにスゴイわけじゃない。曲だってバッハの有名曲で、ありきたりのものだ。特に変わったレコードではない。
でも、こういうLPを夜中に聴くのはエエもんです。疲れを忘れます。そして、やがてまどろみの中へ・・・・。いつしか眠りこけて・・・。
曲目は、有名なもの。
コラール前奏曲では、「いざ来ませ、異邦人の救い主」、「いまぞ、その時」、「目覚めよと呼ぶ声す」、「楽しい喜びの声で」など。
特に胸にジンとくるのは「主よ、人の望みの喜びよ」。何度聴いても、心にしみる名曲と思う。
「シチリアーノ ト短調」や、「ラルーゴ」(BWV1056より)もよろしい。
グルックの「オルフェオの嘆きと精霊の踊り」も、しみじみとした名演。
これCDでは現役盤でしょうか?
演奏は確信に満ちたもので、毎日の生活と文化の伝統に根ざしたバッハという感じ。
新鮮な閃きはないものの(別になくてもエエですな)、「バッハというのは、こういうもんや」と信じて演奏している風情が、実によろしいんです。
ケンプのバッハでありました。
2007/09/15のBlog
[ 03:57 ]
[ 声楽曲・オペラ ]
週末、台風北上で蒸し暑い一日でした。
さて、3連休の予定は、「出・出・休」というものでして、のんびりクラシック音楽・・・・というわけにはいかんのですが、せめて秋の夜長はゆっくり寛いで聴きたいもんです。
オペラなどエエなぁと思いつつ、全曲盤は長いので、今日はハイライト盤を。
モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」(抜粋盤)。
リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場合唱団の演奏。
1986年9月の録音。EMIの廉価盤。
オーケストラが大変美しい。この輝きと柔らかさとを併せもつオケは、そうはないんじゃないか。厚みもあるし、軽快さもある。矛盾するような様々な要素を持つウィーン・フィルに乗って歌う歌手たちは、さぞや気分が良かっただろう。
キャストもなかなかよろしい。ただ、おそらくほとんどのメンバーが「フィガロ」初録音だったと思う。皆、健闘。
まずは、スザンナのキャスリーン・バトル。彼女がニッカウヰスキーだったか、テレビのCMに登場して「オンブラ・マイ・フ」を歌ったときの衝撃を思い出す。声がとにかくイイ。スザンナは可愛くなくちゃ。バトルの声はチャーミングで綺麗で、申し分なし。
フィガロを演ずるのはトーマス・アレン。渋めの低音だが時に荒々しい声もあって、表現の幅が広い。知性的な面もある。
フィガロは権謀術数を乗り越えてゆく賢者。その声にふさわしい。重唱よし、独唱も聴かせる。「もう飛ぶまいぞこの蝶々」では怒りと力強さが出ていて良かった。装飾もほどこされていて、聴いていて少しドッキリ。
アン・マレーが演ずるケルビーノは、ハスキーな感じの声で、蒼い色気がよろしい。
伯爵のジョルマ・ハイニネンの声がまたイイ。
伯爵夫人はマーガレット・プライス。涙がこぼれそうなくらい、この人の歌唱は高貴だ。貫禄の名唱、確信に満ちた歌は、いつ聴いても感動する。年老いてゆく女声の哀しみを美しく歌い上げる。朗々と美しい声。彼女の歌ったイゾルデを思い出す。
さて、ムーティの指揮はメリハリがきいていて、清新溌剌、気持ちよい。手練手管を弄するのではなく、一直線に進んでゆく若さがイイ。その中に、ムーティの熱いカンタービレが聴ける。(それに応ずるウィーン・フィルも素晴らしい)
いわば、ストレートをグイグイ放り込む若いピッチャーという感じなのだが、その潔さや良し。
録音は上々。これ、EMIの録音かいな?と思うほど良いです。
(1980年代以降のEMI録音は、あまり良くないと僕は思っています)
新鮮爽快な音がします。
演奏と同じ方向の音です。別にわざわざそういう風に録音したんではないんでしょうが、CDって不思議です。
録音も爽快です。
他の配役は、マルチェリーナ(マリアーナ・ニコレスコ)、アントーニオ(フランコ・デ・グランディス)、バジリオ(アレッジャンドロ・ラミレッツ)、バルトロ(クルト・リドル)、バルバリーナ(パトリッツィア・ペイス)、ドン・クルツィオ(エルネスト・ガヴァッツィ)らです。
さて、3連休の予定は、「出・出・休」というものでして、のんびりクラシック音楽・・・・というわけにはいかんのですが、せめて秋の夜長はゆっくり寛いで聴きたいもんです。
オペラなどエエなぁと思いつつ、全曲盤は長いので、今日はハイライト盤を。
モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」(抜粋盤)。
リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場合唱団の演奏。
1986年9月の録音。EMIの廉価盤。
オーケストラが大変美しい。この輝きと柔らかさとを併せもつオケは、そうはないんじゃないか。厚みもあるし、軽快さもある。矛盾するような様々な要素を持つウィーン・フィルに乗って歌う歌手たちは、さぞや気分が良かっただろう。
キャストもなかなかよろしい。ただ、おそらくほとんどのメンバーが「フィガロ」初録音だったと思う。皆、健闘。
まずは、スザンナのキャスリーン・バトル。彼女がニッカウヰスキーだったか、テレビのCMに登場して「オンブラ・マイ・フ」を歌ったときの衝撃を思い出す。声がとにかくイイ。スザンナは可愛くなくちゃ。バトルの声はチャーミングで綺麗で、申し分なし。
フィガロを演ずるのはトーマス・アレン。渋めの低音だが時に荒々しい声もあって、表現の幅が広い。知性的な面もある。
フィガロは権謀術数を乗り越えてゆく賢者。その声にふさわしい。重唱よし、独唱も聴かせる。「もう飛ぶまいぞこの蝶々」では怒りと力強さが出ていて良かった。装飾もほどこされていて、聴いていて少しドッキリ。
アン・マレーが演ずるケルビーノは、ハスキーな感じの声で、蒼い色気がよろしい。
伯爵のジョルマ・ハイニネンの声がまたイイ。
伯爵夫人はマーガレット・プライス。涙がこぼれそうなくらい、この人の歌唱は高貴だ。貫禄の名唱、確信に満ちた歌は、いつ聴いても感動する。年老いてゆく女声の哀しみを美しく歌い上げる。朗々と美しい声。彼女の歌ったイゾルデを思い出す。
さて、ムーティの指揮はメリハリがきいていて、清新溌剌、気持ちよい。手練手管を弄するのではなく、一直線に進んでゆく若さがイイ。その中に、ムーティの熱いカンタービレが聴ける。(それに応ずるウィーン・フィルも素晴らしい)
いわば、ストレートをグイグイ放り込む若いピッチャーという感じなのだが、その潔さや良し。
録音は上々。これ、EMIの録音かいな?と思うほど良いです。
(1980年代以降のEMI録音は、あまり良くないと僕は思っています)
新鮮爽快な音がします。
演奏と同じ方向の音です。別にわざわざそういう風に録音したんではないんでしょうが、CDって不思議です。
録音も爽快です。
他の配役は、マルチェリーナ(マリアーナ・ニコレスコ)、アントーニオ(フランコ・デ・グランディス)、バジリオ(アレッジャンドロ・ラミレッツ)、バルトロ(クルト・リドル)、バルバリーナ(パトリッツィア・ペイス)、ドン・クルツィオ(エルネスト・ガヴァッツィ)らです。
2007/09/14のBlog
[ 03:07 ]
[ 交響曲 ]
今日は大好きな演奏を。
ベートーヴェンの交響曲第8番 ヘ長調 作品93。
オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレの演奏。
1983年9月、東ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DENON盤。
ベルリン・シュターツカペレの音が素晴らしい。
第1楽章の最初の音が出た瞬間から、柔らかく暖かく、そして渋く落ち着いた響きでリスニングルームが満たされる。この幸福感・充実感はかけがえのないもの。
ふだんからお互いの音を聴きあって、長い年月の間に作り出した響きだろう。「プロイセン以来の伝統」などと、東洋の島国のさらにまた離れ小島の住人が、軽々しく云いたくはないが、この音は、長い伝統の響きとしか云いようがない。
教会でのロケーションも功を奏してるし、何よりDENONの録音技術は当時世界最高水準にあったと思う。
(1980年代前半のDENONのレコード・CDは、全く素晴らしい音がしていたと思う。我が家では、他のレーベルに圧倒的に凌駕するイイ音で鳴ったものだった)
スウィトナーの指揮は、伝統の中に清潔な新しい空気を吹き込んだ感じ。
テンポは中庸だが、リズムはよく弾み、7番交響曲との連続性を感じさせる。ストリングスの響きは新鮮、構成も安定感があって盤石。
解釈は古典的様式を離れず、現代のスタイルと比べれば古いのだろうが、僕にとってはこのくらいがちょうどいい。
豊かな響きでベートーヴェンが鳴る。
第1楽章は、格調の高さがイイ。
第2楽章は、メトロノーム・リズムの見事な処理。
第3楽章は安定したメヌエット。ベルリン・シュターツカペレの音が素晴らしく、時がたつのを忘れてしまう。管楽器が特に良い。木管も金管もイイ音だが、特にホルンが絶品。
フィナーレは着実な終曲。この安定感は、格別だと思う。
録音は今も極上です。
我が家のシステムと相性がいいんでしょうが、東独・プロイセンの響きが蘇る感じです。今も、最も良い音で聴けるベートーヴェン全集の一つと思います。
<スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレのベートーヴェン全集>
■第1番・第2番
■第3番「英雄」
■第4番
■第5番「運命」
■第6番「田園」
■第7番
エントリーで残すは第9番「合唱」のみとなりました。
ベートーヴェンの交響曲第8番 ヘ長調 作品93。
オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレの演奏。
1983年9月、東ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DENON盤。
ベルリン・シュターツカペレの音が素晴らしい。
第1楽章の最初の音が出た瞬間から、柔らかく暖かく、そして渋く落ち着いた響きでリスニングルームが満たされる。この幸福感・充実感はかけがえのないもの。
ふだんからお互いの音を聴きあって、長い年月の間に作り出した響きだろう。「プロイセン以来の伝統」などと、東洋の島国のさらにまた離れ小島の住人が、軽々しく云いたくはないが、この音は、長い伝統の響きとしか云いようがない。
教会でのロケーションも功を奏してるし、何よりDENONの録音技術は当時世界最高水準にあったと思う。
(1980年代前半のDENONのレコード・CDは、全く素晴らしい音がしていたと思う。我が家では、他のレーベルに圧倒的に凌駕するイイ音で鳴ったものだった)
スウィトナーの指揮は、伝統の中に清潔な新しい空気を吹き込んだ感じ。
テンポは中庸だが、リズムはよく弾み、7番交響曲との連続性を感じさせる。ストリングスの響きは新鮮、構成も安定感があって盤石。
解釈は古典的様式を離れず、現代のスタイルと比べれば古いのだろうが、僕にとってはこのくらいがちょうどいい。
豊かな響きでベートーヴェンが鳴る。
第1楽章は、格調の高さがイイ。
第2楽章は、メトロノーム・リズムの見事な処理。
第3楽章は安定したメヌエット。ベルリン・シュターツカペレの音が素晴らしく、時がたつのを忘れてしまう。管楽器が特に良い。木管も金管もイイ音だが、特にホルンが絶品。
フィナーレは着実な終曲。この安定感は、格別だと思う。
録音は今も極上です。
我が家のシステムと相性がいいんでしょうが、東独・プロイセンの響きが蘇る感じです。今も、最も良い音で聴けるベートーヴェン全集の一つと思います。
<スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレのベートーヴェン全集>
■第1番・第2番
■第3番「英雄」
■第4番
■第5番「運命」
■第6番「田園」
■第7番
エントリーで残すは第9番「合唱」のみとなりました。
2007/09/13のBlog
[ 03:20 ]
[ 器楽曲 ]
職場の懇親会で「いもだき」をしてきました。
いやぁ、今年初の「いもだき」、旨かったですな。ラストのうどんも上々、秋風も涼しく、気分のいい宵でありました。
さて、今日はモーツァルトの短いピアノ・ソナタを。
モーツァルトのピアノ・ソナタ第15番 ハ長調 K.545。
ピアノ独奏はマリア・ジョアオ・ピリス。
1974年1月、東京イイノ・ホールでのPCM録音。ピリスはその後DGに再録音しているので、これは旧盤となる。
DENONの名曲全集「マイ・クラシック・ギャラリー」からの1枚。古本屋などでよく見かけるものであります。
モーツァルトのK.545は、初心者用のピアノ・ソナタ。「ソナチネ」にも載っている有名曲。子供のピアノの発表会などでもお馴染みの曲。
我が家の家族は、母と僕以外はピアノを弾くので(妻と息子3人)、彼らが云うには、この程度は弾けるとのこと。そう難しくはないんですな。(自分では弾けないので、その難易度がよく分からない・・・・(^^ゞ)
でも、弾くのと聴くのでは大違いで、「聴かせるように弾く」のは難しそう。
しかも、この曲、モーツァルトの天衣無縫とともに、大人のピアニストからは透き通った哀しみが、子供の発表会だと無邪気な微笑みが、聞こえてくる。不思議な曲だと思う。
本盤のピリスのピアノはニュアンス多彩。
音色や音量の変化、響き・ペダルの変化など、実にその幅が大きく、しかも非常にデリケートな演奏。
モーツァルトを弾くのは簡単なれど、聴かせるには、ことほどさように難しい。そう云っているようなピリスのピアノ。
聴くなら、こんなデリカシーに満ちたピアノで聴きたいものと、つくづく思う。
第1楽章のアレグロは可愛らしく、無垢の響き。テンポもそう速くなく、中庸と思う。音色は刻々と変化して多彩。聴き惚れてしまう。
第2楽章はアンダンテ。穏当なテンポ、ピアノの音は丸みを帯びてソフトタッチ、幼子の無邪気さと、透徹した哀しみが同時に聞こえてくる。
フィナーレ(ロンド)は音がやや硬質に変化して、エッジが鋭くなる感じ。「カツン」という音が出てくる。前2楽章に比べて、音の大きな変化。速度変われば音色も変わる。ピリスの自然な芸だと思うが、スゴイ。この人、ホンマのモーツァルト弾きやわ。
全曲9分の小曲であります。
その短い時間の中に、いっぱい音楽が詰まっておりました。
録音は上々。30年以上経過しても、美しく聞こえます。
さすがDENON。日本の誇るPCM録音。
いやぁ、今年初の「いもだき」、旨かったですな。ラストのうどんも上々、秋風も涼しく、気分のいい宵でありました。
さて、今日はモーツァルトの短いピアノ・ソナタを。
モーツァルトのピアノ・ソナタ第15番 ハ長調 K.545。
ピアノ独奏はマリア・ジョアオ・ピリス。
1974年1月、東京イイノ・ホールでのPCM録音。ピリスはその後DGに再録音しているので、これは旧盤となる。
DENONの名曲全集「マイ・クラシック・ギャラリー」からの1枚。古本屋などでよく見かけるものであります。
モーツァルトのK.545は、初心者用のピアノ・ソナタ。「ソナチネ」にも載っている有名曲。子供のピアノの発表会などでもお馴染みの曲。
我が家の家族は、母と僕以外はピアノを弾くので(妻と息子3人)、彼らが云うには、この程度は弾けるとのこと。そう難しくはないんですな。(自分では弾けないので、その難易度がよく分からない・・・・(^^ゞ)
でも、弾くのと聴くのでは大違いで、「聴かせるように弾く」のは難しそう。
しかも、この曲、モーツァルトの天衣無縫とともに、大人のピアニストからは透き通った哀しみが、子供の発表会だと無邪気な微笑みが、聞こえてくる。不思議な曲だと思う。
本盤のピリスのピアノはニュアンス多彩。
音色や音量の変化、響き・ペダルの変化など、実にその幅が大きく、しかも非常にデリケートな演奏。
モーツァルトを弾くのは簡単なれど、聴かせるには、ことほどさように難しい。そう云っているようなピリスのピアノ。
聴くなら、こんなデリカシーに満ちたピアノで聴きたいものと、つくづく思う。
第1楽章のアレグロは可愛らしく、無垢の響き。テンポもそう速くなく、中庸と思う。音色は刻々と変化して多彩。聴き惚れてしまう。
第2楽章はアンダンテ。穏当なテンポ、ピアノの音は丸みを帯びてソフトタッチ、幼子の無邪気さと、透徹した哀しみが同時に聞こえてくる。
フィナーレ(ロンド)は音がやや硬質に変化して、エッジが鋭くなる感じ。「カツン」という音が出てくる。前2楽章に比べて、音の大きな変化。速度変われば音色も変わる。ピリスの自然な芸だと思うが、スゴイ。この人、ホンマのモーツァルト弾きやわ。
全曲9分の小曲であります。
その短い時間の中に、いっぱい音楽が詰まっておりました。
録音は上々。30年以上経過しても、美しく聞こえます。
さすがDENON。日本の誇るPCM録音。
2007/09/12のBlog
[ 00:54 ]
[ 管弦楽曲 ]
朝晩はめっきり涼しくなりました。クラシック音楽を聴くのにいい季節です。
昨日の「ロシア管弦楽名曲集」では、フェドセーエフ率いるモスクワ放送響のバリバリの金管に圧倒されました。ロシアはスゴイです。下品なくらい、愛らしいくらいに吹きまくります。いやぁ、耳にはきつかった(^^ゞ。
で、その口直しに(「耳直し」なんて言葉はないぞな)、上品でマイルド金管を聴いてみたくなり・・・・取り出したのは・・・・・。
ムソルグスキー(ラヴェル編)組曲「展覧会の絵」。
リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏。
1990年10月の録音。フィリップス盤。今や1,000円盤ですな。
ムーティは1978年に同じコンビでEMIに録音しているので、これは再録音盤になる。
芸術の秋。
僕には美術の趣味素養はないので、ムソルグスキーとラヴェルが描くハルトマンの絵画を観て(、いや、聴いて回りましょう。
演奏は、テンポの緩急に音量の強弱など、メリハリをきかせて、それぞれの曲の精確を描き分けようとしたもの。ダイナミック・レンジは広大で、テンポは時にグッと落として効果をねらったところもあり。
全体的な造形はスタイリッシュで、穏当な仕上げであって、若武者ムーティも老成してきたのかなとの印象。カンタービレは健在。旋律をたっぷりと歌わせ、盛り上がるところでは灼熱のカンタービレ。これこそムーティと思う。
フィリップスの録音がマイルドなので、演奏に激しさがあまり感じられない。
フィラデルフィア管のゴージャスなサウンドはいつも通りだが、CBSやEMI、RCAでのフィラデルフィア管の録音に比べると、大人しく上品な感じがする。フィリップス特有のヨーロッパ・トーンと云うべきかな。
個々の楽器は非常にイイ音で捉えられており、聴感は実に心地よい。
フィラデルフィア管のアンサンブルは見事なまでに美しい。
例えば、「ブイドロ」の弦楽合奏は、強烈な印象を与える。弦楽器がそれぞれ光を発しているような美しさ。
「プロムナード」では管楽器の技量の確かさが伝わる。金管も木管も抜群。余裕綽々で、技量の80%程度しか発揮していないのではないか、まだまだ余力があるのではないか、という感じの演奏になっている。
「カタコンブ」では金管アンサンブルの妙技を。音がまろやかで、刺激音が皆無なのが大人の風格。
そして、「バーバ・ヤーガの小屋」から「キエフの大門」、フィラデルフィア管の能力全開、壮麗きわまりない演奏、ムーティのカンタービレが素晴らしい。金管の迫力もさすがだが、オケ全体的にトロッと融け合う音が、さらに素晴らしい。強烈なフォルティシモなのだが、実に音はマイルドだった。
録音は大変素晴らしいものです。
ヨーロッパ・トーンの柔らかさ、残響の美しさも素晴らしいです。
昨日の「ロシア管弦楽名曲集」では、フェドセーエフ率いるモスクワ放送響のバリバリの金管に圧倒されました。ロシアはスゴイです。下品なくらい、愛らしいくらいに吹きまくります。いやぁ、耳にはきつかった(^^ゞ。
で、その口直しに(「耳直し」なんて言葉はないぞな)、上品でマイルド金管を聴いてみたくなり・・・・取り出したのは・・・・・。
ムソルグスキー(ラヴェル編)組曲「展覧会の絵」。
リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏。
1990年10月の録音。フィリップス盤。今や1,000円盤ですな。
ムーティは1978年に同じコンビでEMIに録音しているので、これは再録音盤になる。
芸術の秋。
僕には美術の趣味素養はないので、ムソルグスキーとラヴェルが描くハルトマンの絵画を観て(、いや、聴いて回りましょう。
演奏は、テンポの緩急に音量の強弱など、メリハリをきかせて、それぞれの曲の精確を描き分けようとしたもの。ダイナミック・レンジは広大で、テンポは時にグッと落として効果をねらったところもあり。
全体的な造形はスタイリッシュで、穏当な仕上げであって、若武者ムーティも老成してきたのかなとの印象。カンタービレは健在。旋律をたっぷりと歌わせ、盛り上がるところでは灼熱のカンタービレ。これこそムーティと思う。
フィリップスの録音がマイルドなので、演奏に激しさがあまり感じられない。
フィラデルフィア管のゴージャスなサウンドはいつも通りだが、CBSやEMI、RCAでのフィラデルフィア管の録音に比べると、大人しく上品な感じがする。フィリップス特有のヨーロッパ・トーンと云うべきかな。
個々の楽器は非常にイイ音で捉えられており、聴感は実に心地よい。
フィラデルフィア管のアンサンブルは見事なまでに美しい。
例えば、「ブイドロ」の弦楽合奏は、強烈な印象を与える。弦楽器がそれぞれ光を発しているような美しさ。
「プロムナード」では管楽器の技量の確かさが伝わる。金管も木管も抜群。余裕綽々で、技量の80%程度しか発揮していないのではないか、まだまだ余力があるのではないか、という感じの演奏になっている。
「カタコンブ」では金管アンサンブルの妙技を。音がまろやかで、刺激音が皆無なのが大人の風格。
そして、「バーバ・ヤーガの小屋」から「キエフの大門」、フィラデルフィア管の能力全開、壮麗きわまりない演奏、ムーティのカンタービレが素晴らしい。金管の迫力もさすがだが、オケ全体的にトロッと融け合う音が、さらに素晴らしい。強烈なフォルティシモなのだが、実に音はマイルドだった。
録音は大変素晴らしいものです。
ヨーロッパ・トーンの柔らかさ、残響の美しさも素晴らしいです。