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2007/09/28のBlog
[ 05:24 ]
[ 管弦楽曲 ]
朝晩が涼しくなりました。ようやく秋が来たようです。
さて、今日は小品を。
「フランス管弦楽曲集」などによく入っているものです。
(最近は、こういう小品集があまりはやらないようですが、昔は沢山ありました。)
イベールの交響組曲「寄港地」。
ダニエル・バレンボイム指揮パリ管弦楽団の演奏。
1980年頃の録音。
CBSソニーの名曲全集からの1枚。
交響組曲は楽しい。目の前に風景が広がる。
この「寄港地」はイベール自身が海軍士官であった経験を生かして、地中海の各港を鮮やかに描き出している。
第1曲「ローマ~パレルモ」。
異国情緒漂う音楽。パリ管の管楽器は大変巧いし、弦楽セクションの合奏もとても美しい。後半では鮮烈なフォルティシモを楽しめる。色彩豊かで、しかもパリ管のパワーが炸裂して気持ちよい。
第2曲は「チェニス~ネフタ」
北アフリカ・エジプトから、やがてイスラーム系に向かってゆく、エキゾチックな音楽が続く。オーボエの鼻にかかったような音色が特にイイ。蛇遣いのようなところもあるのだが、オーボエの名技が楽しめるのは間違いない。
第3曲「バレンシア」。
スペインの舞曲風の音楽。オーケストラが気持ちよく鳴り渡るとともに、ソロの管楽器が、それぞれの表情で歌うのが楽しい。
パリ管の管楽器は巧い。やはり、フランスは「管」だ。
バレンボイムの指揮はあまりくどくならずに、アッサリと進めてゆく感じ。もっとも、この曲自体がアクが強いので(異国情緒満載だものね)、バレンボイムとしては手練手管を発揮しなくても、十分に鮮やかな音楽になったということかな。
ドイツ系を振って良し、フランスものやロシアものも巧い。バレンボイムは何でも屋だ。この「寄港地」は、パリ管の常任として、お国ものを無難に料理した一品とでも云うべきかな。
録音はまずまずといったところ。
パリ管の、独特の管の響きはよく捉えられていると思います。
さて、今日は小品を。
「フランス管弦楽曲集」などによく入っているものです。
(最近は、こういう小品集があまりはやらないようですが、昔は沢山ありました。)
イベールの交響組曲「寄港地」。
ダニエル・バレンボイム指揮パリ管弦楽団の演奏。
1980年頃の録音。
CBSソニーの名曲全集からの1枚。
交響組曲は楽しい。目の前に風景が広がる。
この「寄港地」はイベール自身が海軍士官であった経験を生かして、地中海の各港を鮮やかに描き出している。
第1曲「ローマ~パレルモ」。
異国情緒漂う音楽。パリ管の管楽器は大変巧いし、弦楽セクションの合奏もとても美しい。後半では鮮烈なフォルティシモを楽しめる。色彩豊かで、しかもパリ管のパワーが炸裂して気持ちよい。
第2曲は「チェニス~ネフタ」
北アフリカ・エジプトから、やがてイスラーム系に向かってゆく、エキゾチックな音楽が続く。オーボエの鼻にかかったような音色が特にイイ。蛇遣いのようなところもあるのだが、オーボエの名技が楽しめるのは間違いない。
第3曲「バレンシア」。
スペインの舞曲風の音楽。オーケストラが気持ちよく鳴り渡るとともに、ソロの管楽器が、それぞれの表情で歌うのが楽しい。
パリ管の管楽器は巧い。やはり、フランスは「管」だ。
バレンボイムの指揮はあまりくどくならずに、アッサリと進めてゆく感じ。もっとも、この曲自体がアクが強いので(異国情緒満載だものね)、バレンボイムとしては手練手管を発揮しなくても、十分に鮮やかな音楽になったということかな。
ドイツ系を振って良し、フランスものやロシアものも巧い。バレンボイムは何でも屋だ。この「寄港地」は、パリ管の常任として、お国ものを無難に料理した一品とでも云うべきかな。
録音はまずまずといったところ。
パリ管の、独特の管の響きはよく捉えられていると思います。
2007/09/27のBlog
[ 05:50 ]
[ 交響曲 ]
仲秋の名月はあいにく雲に隠れておりましたが、十六夜の月は美しく空に映えました。
秋です。
当地、伊予西条では秋祭りの準備に余念がありません。
西条祭りに備えて、秋の一斉清掃の連絡も回ってきました。
さて、今日は田舎暮らしにぴったりの音楽を。
ベートーヴェンの交響曲第6番 ヘ長調「田園」。
ラファエル・クーベリック指揮パリ管弦楽団の演奏。
1973年1月の録音。DG盤。クーベリックの全9曲を異なるオケを振って録音したベートーヴェン全集からの1枚。
スケールの大きい巨匠的な表現と、その中にあってしなやかによく流れ、歌うオーケストラが印象的な1枚。パリ管の明るい響きが素晴らしく、陽光を浴びて幸福な気持ちいっぱいの「田園」になっている。
第1楽章は大変ゆったりとしたテンポで始まる。ヨッフム、アバド、ザンデルリンク盤と同じくらいの遅さ、いやもっと遅いかな。大変おおらかでふっくらとしたテンポに思える。懐かしい気分さえする遅さ。
ヴァイオリンは左右の配置。これは楽しい。音楽的にも美しい効果を上げている。ベートーヴェンの交響曲には、この配置が断然面白いと僕は思う。
第2楽章もゆったりテンポ。足取り着実、腰を落として音楽が進んでゆく感じ。だからといってリズムが重くなることはないので、このへんはクーベリックの芸か。味わいはヨーロッパの田舎暮らし、まさに田園の趣。
ヴァイオリンの歌がイイ。アンサンブルもイイ。透明感がある。
そして木管。華やかささえ醸し出すフルート、オーボエ、クラリネットは、フランス独特の音。それらが渾然一体となるコーダの響きは素晴らしい。幸福な気分になれる。
第3楽章のスケルツォも木管が活躍、ホルンのコクのある響きもイイ。弦楽も管楽も明るい音で、これがトゥッティになると独特の響きを作り出す。南欧の明るい光に照らされたベートーヴェンだ。
第4楽章の嵐も立派な表現。クーベリックの風格十分の棒に、パリ管がよくついていると思う。力強い嵐だが、暴君的ではない、豊穣の前触れのような期待感がある嵐。
この楽章のみ、アンサンブルが少しゆるめ(というより、他の楽章がフランスのオケとしてはアンサンブルがしっかりしているとみるべきかな・・・・・?)
終楽章の豊かな音は格別。神への感謝が明るく歌われる。明朗で爽快なストリングス。柔らかく鼻にかかるような音でオシャレに歌う管楽器。
幸福な謙虚な感謝、崇高なものへの畏敬が伝わってくる。
録音はまずまずでしょう。
少し古びてきましたが鑑賞に支障なく、豊かな気持ちで聴けます。
実りの秋。四国は収穫の秋を迎えております。
<ベートーヴェンの「田園」 自己リンクです>
◆カイルベルト/バンベルク響
◆クレンペラー/フィルハーモニア管
◆バーンスタイン/ウィーン・フィル
◆カラヤン/ベルリン・フィル(1980年代録音)
◆ベーム/ウィーン・フィル
◆C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
◆ワルター/コロンビア響
◆ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆アバド/ウィーン・フィル
◆マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
◆ヨッフム/ロンドン響
◆セル/クリーヴランド管
◆スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
◆ケンペ/ミュンヘン・フィル
◆ラインスドルフ/ボストン響
◆モントゥー/ウィーン・フィル
◆コンヴィチュニー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
秋です。
当地、伊予西条では秋祭りの準備に余念がありません。
西条祭りに備えて、秋の一斉清掃の連絡も回ってきました。
さて、今日は田舎暮らしにぴったりの音楽を。
ベートーヴェンの交響曲第6番 ヘ長調「田園」。
ラファエル・クーベリック指揮パリ管弦楽団の演奏。
1973年1月の録音。DG盤。クーベリックの全9曲を異なるオケを振って録音したベートーヴェン全集からの1枚。
スケールの大きい巨匠的な表現と、その中にあってしなやかによく流れ、歌うオーケストラが印象的な1枚。パリ管の明るい響きが素晴らしく、陽光を浴びて幸福な気持ちいっぱいの「田園」になっている。
第1楽章は大変ゆったりとしたテンポで始まる。ヨッフム、アバド、ザンデルリンク盤と同じくらいの遅さ、いやもっと遅いかな。大変おおらかでふっくらとしたテンポに思える。懐かしい気分さえする遅さ。
ヴァイオリンは左右の配置。これは楽しい。音楽的にも美しい効果を上げている。ベートーヴェンの交響曲には、この配置が断然面白いと僕は思う。
第2楽章もゆったりテンポ。足取り着実、腰を落として音楽が進んでゆく感じ。だからといってリズムが重くなることはないので、このへんはクーベリックの芸か。味わいはヨーロッパの田舎暮らし、まさに田園の趣。
ヴァイオリンの歌がイイ。アンサンブルもイイ。透明感がある。
そして木管。華やかささえ醸し出すフルート、オーボエ、クラリネットは、フランス独特の音。それらが渾然一体となるコーダの響きは素晴らしい。幸福な気分になれる。
第3楽章のスケルツォも木管が活躍、ホルンのコクのある響きもイイ。弦楽も管楽も明るい音で、これがトゥッティになると独特の響きを作り出す。南欧の明るい光に照らされたベートーヴェンだ。
第4楽章の嵐も立派な表現。クーベリックの風格十分の棒に、パリ管がよくついていると思う。力強い嵐だが、暴君的ではない、豊穣の前触れのような期待感がある嵐。
この楽章のみ、アンサンブルが少しゆるめ(というより、他の楽章がフランスのオケとしてはアンサンブルがしっかりしているとみるべきかな・・・・・?)
終楽章の豊かな音は格別。神への感謝が明るく歌われる。明朗で爽快なストリングス。柔らかく鼻にかかるような音でオシャレに歌う管楽器。
幸福な謙虚な感謝、崇高なものへの畏敬が伝わってくる。
録音はまずまずでしょう。
少し古びてきましたが鑑賞に支障なく、豊かな気持ちで聴けます。
実りの秋。四国は収穫の秋を迎えております。
<ベートーヴェンの「田園」 自己リンクです>
◆カイルベルト/バンベルク響
◆クレンペラー/フィルハーモニア管
◆バーンスタイン/ウィーン・フィル
◆カラヤン/ベルリン・フィル(1980年代録音)
◆ベーム/ウィーン・フィル
◆C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
◆ワルター/コロンビア響
◆ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆アバド/ウィーン・フィル
◆マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
◆ヨッフム/ロンドン響
◆セル/クリーヴランド管
◆スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
◆ケンペ/ミュンヘン・フィル
◆ラインスドルフ/ボストン響
◆モントゥー/ウィーン・フィル
◆コンヴィチュニー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
2007/09/26のBlog
[ 05:36 ]
[ 交響曲 ]
今日も少し古い演奏です。
1970年代録音なので、そんなに古いもんじゃないんですが、演奏は少し古くなったような感じです(といっても、僕は好きなんですが)。
現代的な演奏と比べると、おそらく今ではこういう感じの演奏は聴けないんじゃないかと思います。
モーツァルトの交響曲第40番 ト短調 K.550。
ジャン・フランソワ・パイヤール指揮イギリス室内管弦楽団の演奏。
1977年12月、ロンドンのEMIスタジオでの録音。ERATO原盤。
フランス人の指揮者、オケはイギリス、プロデューサーは日本人(黒川昌満)、そして音楽はオーストリアという、国際色豊かな演奏。当時人気のあったパイヤールでモーツァルトの交響曲集をつくろうという、日本企画物にERATOが協力したものらしい・・・・という録音事情なのだが、このCDはビクターの名曲全集に収められているもの。
第1楽章、テンポはやや速め。
残響が多く心地よいのだが、小編成室内オケの歯切れのよさは今一歩かな。
音楽の運びは、聴き慣れた昔ながらのモーツァルト。リズムはよく弾んで、旋律線がしなやかに息づくのがイイ。
方向としては、ピリオド楽器登場前夜の、爽快モーツァルトの先駆になるのかな。
第2楽章も同様だが、穏やかな曲想の中に、うっすらと諦観が見える感じ。メリハリのきいたキビキビ感もあるのだが、音楽の底には、人生に対する達観のようなものが流れている演奏。
アンサンブルは美しく、特に弦楽器の揃い方は、実に几帳面。
第3楽章は、よく練られたアンサンブルによるスキのないメヌエット。特にフガートの部分が気持ちよく響く。「ジュピター」のフィナーレか、この40番のメヌエットか。モーツァルトのフーガは素晴らしい。
パイヤールも指揮をしていて気持ちよかったんじゃないか。手兵のパイヤール室内管ではなく、異国イギリスのアンサンブルを振りつつも、やはり揃い方ではフランスよりイギリスに一日の長あり、という感じだろうか。
終楽章は優美なフィナーレ。
残響が素晴らしく、心地よい音楽が部屋を満たしてゆく。高音部は羽毛のような柔らかさ。
パイヤールの音楽の運びは実にしなやか。
発売当時は、こぢんまりとしていながら、独自の新鮮さを放っていたと思われる。
録音状態は良好です。
フワッとしたモーツァルトの浮遊感はよく出ていると思います。
こういうモーツァルトは、もう流行らなくなったようです。
でもね、時々取り出して聴きたくなるんです。
トシのせいでしょうか。何となくノスタルジックなモーツァルトなんです。
1970年代録音なので、そんなに古いもんじゃないんですが、演奏は少し古くなったような感じです(といっても、僕は好きなんですが)。
現代的な演奏と比べると、おそらく今ではこういう感じの演奏は聴けないんじゃないかと思います。
モーツァルトの交響曲第40番 ト短調 K.550。
ジャン・フランソワ・パイヤール指揮イギリス室内管弦楽団の演奏。
1977年12月、ロンドンのEMIスタジオでの録音。ERATO原盤。
フランス人の指揮者、オケはイギリス、プロデューサーは日本人(黒川昌満)、そして音楽はオーストリアという、国際色豊かな演奏。当時人気のあったパイヤールでモーツァルトの交響曲集をつくろうという、日本企画物にERATOが協力したものらしい・・・・という録音事情なのだが、このCDはビクターの名曲全集に収められているもの。
第1楽章、テンポはやや速め。
残響が多く心地よいのだが、小編成室内オケの歯切れのよさは今一歩かな。
音楽の運びは、聴き慣れた昔ながらのモーツァルト。リズムはよく弾んで、旋律線がしなやかに息づくのがイイ。
方向としては、ピリオド楽器登場前夜の、爽快モーツァルトの先駆になるのかな。
第2楽章も同様だが、穏やかな曲想の中に、うっすらと諦観が見える感じ。メリハリのきいたキビキビ感もあるのだが、音楽の底には、人生に対する達観のようなものが流れている演奏。
アンサンブルは美しく、特に弦楽器の揃い方は、実に几帳面。
第3楽章は、よく練られたアンサンブルによるスキのないメヌエット。特にフガートの部分が気持ちよく響く。「ジュピター」のフィナーレか、この40番のメヌエットか。モーツァルトのフーガは素晴らしい。
パイヤールも指揮をしていて気持ちよかったんじゃないか。手兵のパイヤール室内管ではなく、異国イギリスのアンサンブルを振りつつも、やはり揃い方ではフランスよりイギリスに一日の長あり、という感じだろうか。
終楽章は優美なフィナーレ。
残響が素晴らしく、心地よい音楽が部屋を満たしてゆく。高音部は羽毛のような柔らかさ。
パイヤールの音楽の運びは実にしなやか。
発売当時は、こぢんまりとしていながら、独自の新鮮さを放っていたと思われる。
録音状態は良好です。
フワッとしたモーツァルトの浮遊感はよく出ていると思います。
こういうモーツァルトは、もう流行らなくなったようです。
でもね、時々取り出して聴きたくなるんです。
トシのせいでしょうか。何となくノスタルジックなモーツァルトなんです。
2007/09/25のBlog
[ 05:23 ]
[ 協奏曲 ]
今日は優しく爽やかな曲を。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58。
ラドゥ・ルプーのピアノ独奏、ズービン・メータ指揮イスラエル・フィルの演奏。
1977年2月、テルアヴィヴのマン・オーディトリウムでの録音。DECCA盤。
「1000人に一人のリリシスト」・・・・ルプーについて回るキャッチフレーズだが、確かにルプーのピアノで聴くベートーヴェンのピアノ協奏曲は、叙情的だ。
なかでも、この第4協奏曲は、曲想から云ってもルプー向きの名曲。
特に、高音がキラキラとしていて、光が揺らめいたり、瞬いたりするようなところが実に良い。クリスタル・グラスのような輝きが随所で聴ける。ホンマに美しいピアノ。フォルティシモでは輝きに満ち、ピアニシモでは静かに光を映すように鳴る。
メータ/イスラエル・フィルの伴奏は、しっとりと包み込むような潤い感がイイ。さすがに、弦楽セクションは素晴らしい。イスラエル・フィルといえば、まずは弦だろう。濡れたようなヴァイオリン群の響きは、他の楽団ではなかなか聴けない味わいと思う。
第1楽章のアレグロ・モデラートは19分。全曲35分の半分以上を占める長丁場が、しかし全く飽きない。ルプーのピアノの音に耳を澄ましていると、あっという間に時が流れてゆく。美しさに眩暈がするくらい。
カデンツァも最高だが、これで第1楽章が終わってしまうと思うと残念になるくらい。もっと聴いていたいと思わせるほど、この楽章は名演と思う。
第2楽章はアンダンテ・コン・モート。
ずっしりと重いチェロ、コントラバスと、ピアノの軽さとが対照的で美しい。アルペジオが特によい。
フィナーレは幸福と喜びのロンド。ピアノとオケの会話が楽しいし、アンサンブルも決まっている。ルプーの技巧は完璧で、聴き応え十分。特にピアノの美しさには、ここでも惚れ惚れする。
1977年のアナログ録音。今も素晴らしい音で聴けます。
マン・オーディトリウムは、そんなに良いロケーションではないと思うんですが、さすがDECCA、美しくまとめている好録音です。
連休の3日目は午後から雨。だいぶ降ったので、これで少しは涼しくなりますかな。
大学生の長男と次男は帰阪の準備であります。
授業は10月から。ようやく新学期であります。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58。
ラドゥ・ルプーのピアノ独奏、ズービン・メータ指揮イスラエル・フィルの演奏。
1977年2月、テルアヴィヴのマン・オーディトリウムでの録音。DECCA盤。
「1000人に一人のリリシスト」・・・・ルプーについて回るキャッチフレーズだが、確かにルプーのピアノで聴くベートーヴェンのピアノ協奏曲は、叙情的だ。
なかでも、この第4協奏曲は、曲想から云ってもルプー向きの名曲。
特に、高音がキラキラとしていて、光が揺らめいたり、瞬いたりするようなところが実に良い。クリスタル・グラスのような輝きが随所で聴ける。ホンマに美しいピアノ。フォルティシモでは輝きに満ち、ピアニシモでは静かに光を映すように鳴る。
メータ/イスラエル・フィルの伴奏は、しっとりと包み込むような潤い感がイイ。さすがに、弦楽セクションは素晴らしい。イスラエル・フィルといえば、まずは弦だろう。濡れたようなヴァイオリン群の響きは、他の楽団ではなかなか聴けない味わいと思う。
第1楽章のアレグロ・モデラートは19分。全曲35分の半分以上を占める長丁場が、しかし全く飽きない。ルプーのピアノの音に耳を澄ましていると、あっという間に時が流れてゆく。美しさに眩暈がするくらい。
カデンツァも最高だが、これで第1楽章が終わってしまうと思うと残念になるくらい。もっと聴いていたいと思わせるほど、この楽章は名演と思う。
第2楽章はアンダンテ・コン・モート。
ずっしりと重いチェロ、コントラバスと、ピアノの軽さとが対照的で美しい。アルペジオが特によい。
フィナーレは幸福と喜びのロンド。ピアノとオケの会話が楽しいし、アンサンブルも決まっている。ルプーの技巧は完璧で、聴き応え十分。特にピアノの美しさには、ここでも惚れ惚れする。
1977年のアナログ録音。今も素晴らしい音で聴けます。
マン・オーディトリウムは、そんなに良いロケーションではないと思うんですが、さすがDECCA、美しくまとめている好録音です。
連休の3日目は午後から雨。だいぶ降ったので、これで少しは涼しくなりますかな。
大学生の長男と次男は帰阪の準備であります。
授業は10月から。ようやく新学期であります。
2007/09/24のBlog
[ 06:01 ]
[ 室内楽曲 ]
今日は室内楽を聴いております。久しぶりです。
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 作品97「大公」。
ウラディーミル・アシュケナージ(Pf)、リン・ハレル(Vc)、イツァーク・パールマン(Vn)の演奏。
1982年2月、ニューヨークのRCAスタジオでの録音。EMI盤。
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲では、やはりこの「大公」が傑作と思う。
この演奏は、録音当時、若手中堅を代表する名手3人組によるもの。伸び伸びとした、
躍動感あふれる演奏が実に心地よい。
第1楽章はアレグロ・モデラート。伸びやかな楽想が美しく、3つの楽器の対話が微笑ましい。
アシュケナージの爽やかで透明度の高い音色と、スケールの大きな演奏ぶりに乗って、ヴァイオリンとチェロの名手二人が、大らかで朗らかな演奏を聴かせてくれる。アンサンブルの美しさで聴かせると云うよりは、ソリストの名技を前面に押し出してくるスタイル。(1980年代までは、こんな感じの演奏が多かったように思う)
奏者は皆40歳代。演奏家として最も脂ののっているころだった。
楽章ラストの盛り上がりはさすが。
第2楽章はスケルツォとトリオ。
ここも3人の会話が楽しい。室内楽を心から楽しんでいる感じ。互いの音に耳を澄ませながら、云いたいことはちゃんと前に出て言うよ・・・・という印象。
アシュケナージのピアノが素晴らしい。安定感抜群で、この演奏をグイッと引き締めている。
第3楽章はアンダンテ・カンタービレ・マ・ペロ・コン・モト。
主題が美しく奏され、4つの変奏が続く高雅な楽章。
アシュケナージはここでも好調。そして、ハレルのチェロの深々とした響きが実にイイ。心落ち着く優しい音色と深い響き。速いパッセージではユーモラスな表情を浮かべる。その自在さも良い。
いかにもベートーヴェン的な変奏曲。奏者が上手いと、聴いていて楽しい。
第4楽章はアレグロ・モデラート。
3人ともさらに調子を上げてきた感じで、演奏が熱を帯びてくる。
パールマンのヴァイオリンは雄弁で、実に気持ちよく歌う。アシュケナージも音が強く、ピシッと締まりのある演奏。ラストは3人とも熱い。
(こうして聴いていると、ハレルのチェロがトータルでは少し弱いのかな・・?)
録音は、「う~む・・」という感じ。
弦の音がカサつくところや音の伸びに欠けるところがあります。
EMIはこのころから録音が悪くなったのかな・・・・と思ったりもします。
演奏がイイだけに、ちと残念なのであります。
彼岸です。
父が逝って半年、家族みんなで墓の掃除と焼香です。
こんなに蒸し暑い彼岸も珍しい。墓石に多めに水をかけてやりました。
父もちと涼しくなったかいな。
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 作品97「大公」。
ウラディーミル・アシュケナージ(Pf)、リン・ハレル(Vc)、イツァーク・パールマン(Vn)の演奏。
1982年2月、ニューヨークのRCAスタジオでの録音。EMI盤。
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲では、やはりこの「大公」が傑作と思う。
この演奏は、録音当時、若手中堅を代表する名手3人組によるもの。伸び伸びとした、
躍動感あふれる演奏が実に心地よい。
第1楽章はアレグロ・モデラート。伸びやかな楽想が美しく、3つの楽器の対話が微笑ましい。
アシュケナージの爽やかで透明度の高い音色と、スケールの大きな演奏ぶりに乗って、ヴァイオリンとチェロの名手二人が、大らかで朗らかな演奏を聴かせてくれる。アンサンブルの美しさで聴かせると云うよりは、ソリストの名技を前面に押し出してくるスタイル。(1980年代までは、こんな感じの演奏が多かったように思う)
奏者は皆40歳代。演奏家として最も脂ののっているころだった。
楽章ラストの盛り上がりはさすが。
第2楽章はスケルツォとトリオ。
ここも3人の会話が楽しい。室内楽を心から楽しんでいる感じ。互いの音に耳を澄ませながら、云いたいことはちゃんと前に出て言うよ・・・・という印象。
アシュケナージのピアノが素晴らしい。安定感抜群で、この演奏をグイッと引き締めている。
第3楽章はアンダンテ・カンタービレ・マ・ペロ・コン・モト。
主題が美しく奏され、4つの変奏が続く高雅な楽章。
アシュケナージはここでも好調。そして、ハレルのチェロの深々とした響きが実にイイ。心落ち着く優しい音色と深い響き。速いパッセージではユーモラスな表情を浮かべる。その自在さも良い。
いかにもベートーヴェン的な変奏曲。奏者が上手いと、聴いていて楽しい。
第4楽章はアレグロ・モデラート。
3人ともさらに調子を上げてきた感じで、演奏が熱を帯びてくる。
パールマンのヴァイオリンは雄弁で、実に気持ちよく歌う。アシュケナージも音が強く、ピシッと締まりのある演奏。ラストは3人とも熱い。
(こうして聴いていると、ハレルのチェロがトータルでは少し弱いのかな・・?)
録音は、「う~む・・」という感じ。
弦の音がカサつくところや音の伸びに欠けるところがあります。
EMIはこのころから録音が悪くなったのかな・・・・と思ったりもします。
演奏がイイだけに、ちと残念なのであります。
彼岸です。
父が逝って半年、家族みんなで墓の掃除と焼香です。
こんなに蒸し暑い彼岸も珍しい。墓石に多めに水をかけてやりました。
父もちと涼しくなったかいな。
2007/09/23のBlog
[ 04:15 ]
[ 交響曲 ]
四国では、日中の蒸し暑さが続いております。
ただ、朝夕はだいぶ涼しくなりました。ジョギングの時の風が、夏とは違います。
モワッとした風から、サラッとした風に変わっています。朝焼けの空も、だいぶ澄んできました。空が高くなってきました。トコトコ走るのには、絶好の季節です。
この数日はiPod-Shuffleにモーツァルトを沢山放り込んで、ジョギングしてます。どうも、クラシック音楽では、モーツァルトが抜群にジョギングに合います。
というわけで、今日はモーツァルト。
モーツァルトの交響曲第39番 変ホ長調 K.543。
オトマール・スウィトナー指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1976年、ドレスデンのルカ教会での録音。独シャルプラッテン原盤。
交響曲第39番は、モーツァルトの「白鳥の歌」だ。
・・・・と、モーツァルト関係の本を読むと書いてある。確かに、最晩年のピアノ協奏曲第27番やクラリネット協奏曲、それに「魔笛」に聞こえるような声と同じモーツァルトの声が、この曲には聴ける。枯淡というか、諦念というか、彼岸の境地というか。
味わい深い一品だと、いつも思う。
このスウィトナー盤は、とにもかくにも、ドレスデン・シュターツカペレの音が素晴らしい。ルカ教会での録音状態も良好で、ふっくらと残響豊かで、耳に実に心地よい。この柔らかでまろやかな音だけで、聴き手を幸福にさせるモーツァルト。
スウィトナーの指揮振りは、キビキビとしてリズムがよく弾み、溌剌、颯爽としたモーツァルトであって、これはスウィトナーの美質であると思う。音の分厚さよりも、見通しの良い、透明度の高い音で、爽やかに駆け抜けてゆくモーツァルトになっている。
第1楽章の序奏部の、豊かな広がりからして、心を奪われる。
主部にはいると、瑞々しい生気に満ちたモーツァルトが現れる。スウィトナーの指揮は軽やかでいて、正統的な演奏を導き出す。
録音された1970年代後半当時は、この瑞々しさが大いに評価されたと思う。ピリオド楽器の演奏が広がる以前、伝統のモーツァルトが、涼風のように響いたから。
続く第2楽章は優美の限りだし、第3楽章のメヌエットは精力的なトゥッティが気持ちよい。クラリネットも実に上手く、響きもイイ。
フィナーレもまた優美にして爽快。
モーツァルトを聴く楽しみや悦びが一杯詰まった演奏。
個々の楽器のバランスの良さは特筆もの。
弦楽セクションの引き締まった響きに乗って、鳴り渡る管楽器が特によろしい。
30年以上昔の録音になってしまいましたが、今も十分な音で鳴ります。
独シャルプラッテンの真面目な音楽作りが印象的です。
ただ、朝夕はだいぶ涼しくなりました。ジョギングの時の風が、夏とは違います。
モワッとした風から、サラッとした風に変わっています。朝焼けの空も、だいぶ澄んできました。空が高くなってきました。トコトコ走るのには、絶好の季節です。
この数日はiPod-Shuffleにモーツァルトを沢山放り込んで、ジョギングしてます。どうも、クラシック音楽では、モーツァルトが抜群にジョギングに合います。
というわけで、今日はモーツァルト。
モーツァルトの交響曲第39番 変ホ長調 K.543。
オトマール・スウィトナー指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1976年、ドレスデンのルカ教会での録音。独シャルプラッテン原盤。
交響曲第39番は、モーツァルトの「白鳥の歌」だ。
・・・・と、モーツァルト関係の本を読むと書いてある。確かに、最晩年のピアノ協奏曲第27番やクラリネット協奏曲、それに「魔笛」に聞こえるような声と同じモーツァルトの声が、この曲には聴ける。枯淡というか、諦念というか、彼岸の境地というか。
味わい深い一品だと、いつも思う。
このスウィトナー盤は、とにもかくにも、ドレスデン・シュターツカペレの音が素晴らしい。ルカ教会での録音状態も良好で、ふっくらと残響豊かで、耳に実に心地よい。この柔らかでまろやかな音だけで、聴き手を幸福にさせるモーツァルト。
スウィトナーの指揮振りは、キビキビとしてリズムがよく弾み、溌剌、颯爽としたモーツァルトであって、これはスウィトナーの美質であると思う。音の分厚さよりも、見通しの良い、透明度の高い音で、爽やかに駆け抜けてゆくモーツァルトになっている。
第1楽章の序奏部の、豊かな広がりからして、心を奪われる。
主部にはいると、瑞々しい生気に満ちたモーツァルトが現れる。スウィトナーの指揮は軽やかでいて、正統的な演奏を導き出す。
録音された1970年代後半当時は、この瑞々しさが大いに評価されたと思う。ピリオド楽器の演奏が広がる以前、伝統のモーツァルトが、涼風のように響いたから。
続く第2楽章は優美の限りだし、第3楽章のメヌエットは精力的なトゥッティが気持ちよい。クラリネットも実に上手く、響きもイイ。
フィナーレもまた優美にして爽快。
モーツァルトを聴く楽しみや悦びが一杯詰まった演奏。
個々の楽器のバランスの良さは特筆もの。
弦楽セクションの引き締まった響きに乗って、鳴り渡る管楽器が特によろしい。
30年以上昔の録音になってしまいましたが、今も十分な音で鳴ります。
独シャルプラッテンの真面目な音楽作りが印象的です。
2007/09/22のBlog
[ 04:21 ]
[ 協奏曲 ]
四国の田舎町では。未だ日中は残暑厳しいですが、朝晩は秋風が吹きます。
そろそろ涼しくなって欲しいもんです。
今日は往年の名盤を。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77。
ヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリン独奏、フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1955年の録音。RCA原盤。輸入盤では、700円ほどで購入できる廉価盤になっている。
ハイフェッツの技巧が圧倒的。
テンポは速く、ビシビシと決め技を放ちながら、ぐいぐい進んでゆく。それでいて、ロマン派特有の情熱は伝わってくるし、ヴァイオリンの音そのものは常に輝かしい。高速パッセージでのも輝かしさを失わないのがスゴイ。
ああ、この人はヴァイオリンで何でも出来てしまう、何でも表現できてしまうんだろうなぁと思う。
ライナーの指揮もスキがない。ハイフェッツの快速テンポによくついているな・・・・と思ったら、いやはや指揮者当人が「弾丸ライナー」だった・・・(^^ゞ。
第1楽章のテンポは非常に速い(速いはず)のだが、体感的に云うと、ハイフェッツのヴァイオリンが切れ味鋭くサッパリと心地よいので、あまり速く感じない。
音は高音がキャンつく感じで、やや惜しい。50年前の録音ゆえ、致し方ないか。
カデンツァはハイフェッツの自作。激しく情熱的で、ロマンが溢れる。
第2楽章は、まず冒頭のオーボエがイイ。朗々と響くその音からは、懐かしさめいたものさえ漂う感じ。
ハイフェッツのヴァイオリンは、よく歌い。ふくよかな響きを聴かせてくれる。速さと技巧だけではない、もっと深いところでハイフェッツが弾いているのがよく分かる。これを音楽性というのかな。逞しく、力強く、そして感謝に満ちた優美な歌が左右のスピーカーの間からこぼれてくる。ああ、ハイフェッツは素晴らしい。
第3楽章もスゴイ。ハイフェッツは速い、上手い、そして熱い。
ライナー/CSOも熱い。そして万全の布陣で支えきる。ハイフェッツのヴァイオリンをよく理解し、見事な協奏に仕上げてゆく。
ラストはものすごい盛り上がり、昂奮する演奏。
録音はさすがに古くなりました。
50年以上昔の音ですから、最新録音と比べるわけにはイカンでしょうが、時代を考えれば、上々の録音と思います。
<「ブラームスのヴァイオリン協奏曲」 自己リンクです>
■スターン(Vn) ・メータ/ニューヨーク・フィル
■シェリング(Vn) ・ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■コーガン(Vn) ・コンドラシン/モスクワ・フィル
■クレーメル(Vn) ・バーンスタイン/ウィーン・フィル
■ミルシテイン ・ヨッフム/ウィーン・フィル
そろそろ涼しくなって欲しいもんです。
今日は往年の名盤を。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77。
ヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリン独奏、フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1955年の録音。RCA原盤。輸入盤では、700円ほどで購入できる廉価盤になっている。
ハイフェッツの技巧が圧倒的。
テンポは速く、ビシビシと決め技を放ちながら、ぐいぐい進んでゆく。それでいて、ロマン派特有の情熱は伝わってくるし、ヴァイオリンの音そのものは常に輝かしい。高速パッセージでのも輝かしさを失わないのがスゴイ。
ああ、この人はヴァイオリンで何でも出来てしまう、何でも表現できてしまうんだろうなぁと思う。
ライナーの指揮もスキがない。ハイフェッツの快速テンポによくついているな・・・・と思ったら、いやはや指揮者当人が「弾丸ライナー」だった・・・(^^ゞ。
第1楽章のテンポは非常に速い(速いはず)のだが、体感的に云うと、ハイフェッツのヴァイオリンが切れ味鋭くサッパリと心地よいので、あまり速く感じない。
音は高音がキャンつく感じで、やや惜しい。50年前の録音ゆえ、致し方ないか。
カデンツァはハイフェッツの自作。激しく情熱的で、ロマンが溢れる。
第2楽章は、まず冒頭のオーボエがイイ。朗々と響くその音からは、懐かしさめいたものさえ漂う感じ。
ハイフェッツのヴァイオリンは、よく歌い。ふくよかな響きを聴かせてくれる。速さと技巧だけではない、もっと深いところでハイフェッツが弾いているのがよく分かる。これを音楽性というのかな。逞しく、力強く、そして感謝に満ちた優美な歌が左右のスピーカーの間からこぼれてくる。ああ、ハイフェッツは素晴らしい。
第3楽章もスゴイ。ハイフェッツは速い、上手い、そして熱い。
ライナー/CSOも熱い。そして万全の布陣で支えきる。ハイフェッツのヴァイオリンをよく理解し、見事な協奏に仕上げてゆく。
ラストはものすごい盛り上がり、昂奮する演奏。
録音はさすがに古くなりました。
50年以上昔の音ですから、最新録音と比べるわけにはイカンでしょうが、時代を考えれば、上々の録音と思います。
<「ブラームスのヴァイオリン協奏曲」 自己リンクです>
■スターン(Vn) ・メータ/ニューヨーク・フィル
■シェリング(Vn) ・ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■コーガン(Vn) ・コンドラシン/モスクワ・フィル
■クレーメル(Vn) ・バーンスタイン/ウィーン・フィル
■ミルシテイン ・ヨッフム/ウィーン・フィル
2007/09/21のBlog
[ 06:08 ]
[ 器楽曲 ]
昨晩は、中国人の高校生が一日ホームステイで我が家に。
中国の蘭州からの交流で、三男坊が通う高校が受け入れたのです。
礼儀正しい、優秀な少年でありました。
さて、今日はピアノ曲を。
ショパンのピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送行進曲つき」。
マウリツィオ・ポリーニのピアノ独奏。
1984年3月、ミュンヘンのヘルクレスザールでの録音。DG盤。
ポリーニのピアノが光り輝くように美しく、堂々たる重量感をもって響く名演奏。
第1楽章は、焦燥・逃避を示すような楽想の部分での緊迫感。これがスゴイ。
ポリーニならではの集中力、そして圧倒的なメカニック。
もちろん、優美なところでは光がこぼれてくるようなキラキラした美しさがあって、感銘を受ける。
第2楽章はスケルツォ。
中間部の冴え冴えとした美しさはゾッとするほど。静かな空間に、ポッカリと浮かび上がるピアノ。ポリーニのCDは、ダイナミックレンジが大きく、S/N比も良いので、そんな印象を受けるのか。
しんと静まりかえった空間に、ポリーニのピアノがニュッと首を出してくる瞬間がある。これがゾクゾクするほど美しいし、ため息が出てくる。
第3楽章は葬送行進曲、これも凄い。音が過不足なく全部鳴っている感じ。しかも全部の音が美しく鳴る。そして力強い。素晴らしい。
音が前に出てくる。ポリーニのピアノには躊躇がない。グイッと前に出てきて、実にカッコイイ。
中間部での優美さは絶品。綺麗なことこの上なし。リスニング・ルームが、豪奢な調度に包まれたサロンに変貌してしまう美しさ。
第4楽章は、風のように舞うフィナーレ。不思議な音楽が、弾んで、跳ね回る。
DGによる名録音です。
今の耳で聴いても、ベストの音でポリーニの圧倒的な技巧とパワーを感じることが出来ます。
ピアノ曲として、このレベルで聴かせてくれれば、文句なしであります。
で、その中国人高校生。
英語を流暢に話します。発音も大変きれい。中学生から必死に勉強したそうです。
中国での一日の生活がスゴイ。起床5時、就寝0時。
学校は7時半から午前5時間、午後は3時間、計8時間授業。
宿題が山ほどあって、食事以外は勉強しなければならないので、寝るのはどうしても0時になるとのこと。睡眠は5時間・・・・・。
いやはや、中国の高校生、おそらくエリートなんでしょ、それにしてもスゴイ生活です。
日本の大学受験生なみです。(最近、大学入試は大幅易化しているので・・・・なにせ全入制の時代・・・・そんなに受験生でも勉強もしていないか)。
これじゃ、日本の高校生は、とてもじゃないが、中国に勝てません。
中国の蘭州からの交流で、三男坊が通う高校が受け入れたのです。
礼儀正しい、優秀な少年でありました。
さて、今日はピアノ曲を。
ショパンのピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35「葬送行進曲つき」。
マウリツィオ・ポリーニのピアノ独奏。
1984年3月、ミュンヘンのヘルクレスザールでの録音。DG盤。
ポリーニのピアノが光り輝くように美しく、堂々たる重量感をもって響く名演奏。
第1楽章は、焦燥・逃避を示すような楽想の部分での緊迫感。これがスゴイ。
ポリーニならではの集中力、そして圧倒的なメカニック。
もちろん、優美なところでは光がこぼれてくるようなキラキラした美しさがあって、感銘を受ける。
第2楽章はスケルツォ。
中間部の冴え冴えとした美しさはゾッとするほど。静かな空間に、ポッカリと浮かび上がるピアノ。ポリーニのCDは、ダイナミックレンジが大きく、S/N比も良いので、そんな印象を受けるのか。
しんと静まりかえった空間に、ポリーニのピアノがニュッと首を出してくる瞬間がある。これがゾクゾクするほど美しいし、ため息が出てくる。
第3楽章は葬送行進曲、これも凄い。音が過不足なく全部鳴っている感じ。しかも全部の音が美しく鳴る。そして力強い。素晴らしい。
音が前に出てくる。ポリーニのピアノには躊躇がない。グイッと前に出てきて、実にカッコイイ。
中間部での優美さは絶品。綺麗なことこの上なし。リスニング・ルームが、豪奢な調度に包まれたサロンに変貌してしまう美しさ。
第4楽章は、風のように舞うフィナーレ。不思議な音楽が、弾んで、跳ね回る。
DGによる名録音です。
今の耳で聴いても、ベストの音でポリーニの圧倒的な技巧とパワーを感じることが出来ます。
ピアノ曲として、このレベルで聴かせてくれれば、文句なしであります。
で、その中国人高校生。
英語を流暢に話します。発音も大変きれい。中学生から必死に勉強したそうです。
中国での一日の生活がスゴイ。起床5時、就寝0時。
学校は7時半から午前5時間、午後は3時間、計8時間授業。
宿題が山ほどあって、食事以外は勉強しなければならないので、寝るのはどうしても0時になるとのこと。睡眠は5時間・・・・・。
いやはや、中国の高校生、おそらくエリートなんでしょ、それにしてもスゴイ生活です。
日本の大学受験生なみです。(最近、大学入試は大幅易化しているので・・・・なにせ全入制の時代・・・・そんなに受験生でも勉強もしていないか)。
これじゃ、日本の高校生は、とてもじゃないが、中国に勝てません。
2007/09/20のBlog
[ 04:25 ]
[ 声楽曲・オペラ ]
マリア・カラスの69枚組のボックスが届きました。
じっくり、不世出の大歌手の名演を楽しめそうです。
ボックスが筒型になっているので取り出しにくいのと(画像を参照してください)、ブックレットが分かりにくいのとが難点ですが、価格は16,000円という、信じられないような値段でありまして、良心的というか、こんな価格で買ってエエんだろうかと不安なるというか・・・・複雑な気分であります。
ホンマにこんなに安うて、商売になるんじゃろうか?
全くありがたい時代になったもんです。いつも云ってますが。
さて、ノルマにトスカにルチアに・・・・・いろいろあるんですが、今日はミミ。
大好きなオペラから聴いております。
プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」。
アノトニーノ・ヴォットー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団の演奏。
マリア・カラス(S)、ジュセッペ・ディ・ステファノ(T)、ローランド・パネライ(Br)、アンナ・モッフォ(S)ほかのキャスト。
1956年8月、ミラノ・スカラ座でのモノラル録音。EMI盤。
マリア・カラスは、大歌手だと思う。
この演奏でのミミなどは、本来はカラスには合わない役柄なんじゃないかと思う。ミミにしては声が太いし、高音ももう少し透明感のあるヌケが欲しい。
しかし、強烈な表現力がそれを補って余りある。なんと強靱な声、そして絶妙な演技。オペラは歌の「劇」なのだと、つくづく思う。
カラスが演じるミミは、登場した頃は幼さが残る感じなのに、やがて恋を知る女に変化してゆく。その変貌の表現がスゴイ。そして、最後まで貧しいお針子であって、薄幸の女であることも、その歌唱からこぼれてくる。
声質を超える、素晴らしい表現力。これだから、カラスを聴く楽しさはたまらない。
ディ・ステファノは甘いロドルフォ。優しく柔らかく甘い声で、愛と憧憬とロマンを歌い上げる。そして、ナイーヴな詩人の心情、デリケートな感情を歌い尽くす。見事だと思う。そして、なんといっても声が美しい。これだけの美声のロドルフォは、なかなかいない。「冷たい手を」は絶唱。
相棒のパネライ演ずるマルチェルロも秀逸。冒頭からミミの登場までの、ロドルフォとの掛け合いが楽しい。
モッフォのムゼッタも綺麗な声が魅力。透明感のある声で、清潔感もあるが、もう少しあばずれ・蓮っ葉なところがあってもいいかな。
でも、「ムゼッタのワルツ」は実にイイし、ラストの祈りの場面などは涙を誘う可憐さ。モッフォ若かりし頃の名唱と云えそう。
ヴォットーの指揮は手堅い。素直で、美しいカンタービレに溢れた演奏ぶりで好感が持てる。
録音はモノラルですが、とても聴きやすい状態。
リマスタリングが成功しているんでしょう。
じっくり、不世出の大歌手の名演を楽しめそうです。
ボックスが筒型になっているので取り出しにくいのと(画像を参照してください)、ブックレットが分かりにくいのとが難点ですが、価格は16,000円という、信じられないような値段でありまして、良心的というか、こんな価格で買ってエエんだろうかと不安なるというか・・・・複雑な気分であります。
ホンマにこんなに安うて、商売になるんじゃろうか?
全くありがたい時代になったもんです。いつも云ってますが。
さて、ノルマにトスカにルチアに・・・・・いろいろあるんですが、今日はミミ。
大好きなオペラから聴いております。
プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」。
アノトニーノ・ヴォットー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団の演奏。
マリア・カラス(S)、ジュセッペ・ディ・ステファノ(T)、ローランド・パネライ(Br)、アンナ・モッフォ(S)ほかのキャスト。
1956年8月、ミラノ・スカラ座でのモノラル録音。EMI盤。
マリア・カラスは、大歌手だと思う。
この演奏でのミミなどは、本来はカラスには合わない役柄なんじゃないかと思う。ミミにしては声が太いし、高音ももう少し透明感のあるヌケが欲しい。
しかし、強烈な表現力がそれを補って余りある。なんと強靱な声、そして絶妙な演技。オペラは歌の「劇」なのだと、つくづく思う。
カラスが演じるミミは、登場した頃は幼さが残る感じなのに、やがて恋を知る女に変化してゆく。その変貌の表現がスゴイ。そして、最後まで貧しいお針子であって、薄幸の女であることも、その歌唱からこぼれてくる。
声質を超える、素晴らしい表現力。これだから、カラスを聴く楽しさはたまらない。
ディ・ステファノは甘いロドルフォ。優しく柔らかく甘い声で、愛と憧憬とロマンを歌い上げる。そして、ナイーヴな詩人の心情、デリケートな感情を歌い尽くす。見事だと思う。そして、なんといっても声が美しい。これだけの美声のロドルフォは、なかなかいない。「冷たい手を」は絶唱。
相棒のパネライ演ずるマルチェルロも秀逸。冒頭からミミの登場までの、ロドルフォとの掛け合いが楽しい。
モッフォのムゼッタも綺麗な声が魅力。透明感のある声で、清潔感もあるが、もう少しあばずれ・蓮っ葉なところがあってもいいかな。
でも、「ムゼッタのワルツ」は実にイイし、ラストの祈りの場面などは涙を誘う可憐さ。モッフォ若かりし頃の名唱と云えそう。
ヴォットーの指揮は手堅い。素直で、美しいカンタービレに溢れた演奏ぶりで好感が持てる。
録音はモノラルですが、とても聴きやすい状態。
リマスタリングが成功しているんでしょう。
2007/09/19のBlog
[ 03:29 ]
[ 協奏曲 ]
秋なのにこの蒸し暑さ。午後は、不快指数高かったですね。
爽やかな秋風はいずこへ?
せめて、クラシック音楽は爽快に聴きましょう。
今日は若武者の初陣を懐かしいLPで・・・・・。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23。
ヴァン・クライバーンのピアノ独奏、キリル・コンドラシン指揮交響楽団の演奏。
1958年5月30日、ニューヨークのカーネギー・ホールでの録音。RCA原盤。
1958年の第1回チャイコフスキー・コンクールで優勝したクライバーンが凱旋帰国、その直後に録音されたデビュー盤であり、超ベストセラー盤。時は東西冷戦の真っ最中、これは歴史的な(世界史的な)名盤だろう。
第1楽章、激しく情熱的な序奏部がスゴイ。覇気一杯のピアノに、オーケストラも盛り上がる。金管など大げさすぎるほど。
クライバーンのピアノは、主部に入ってもダイナミック。力強く、溌剌として、若武者の騎行のよう。モーションは大きく振りかぶり、投げれば剛球一直線。いや、実に気持ちいい。恐れを知らぬ若者が、ありったけの力をぶつけている。その意気や良し。
コンドラシンの伴奏もまた豪快。クライバーンの直球勝負に触発されたか、徐々に感興高まって、金管はバリバリ鳴らすし、弦楽はガンガン響かせる。全く面白い。ライブのような面白さがある。録音データによれば、一日での一発録り。実演のような盛り上がりがある。
(コンドラシンという人、チャイコフスキーが面白い。アルゲリッチのバックでバイエルン放送響を振ったフィリップス盤も、血潮がたぎるような熱い演奏だった)
第2楽章のスッキリした抒情もイイ。
メソメソしない、しっかりとした克明な弾き方だが、淡い感傷が底の方を流れている。
コンドラシンの指揮は見事なもので、オーケストラは、この若武者を暖かく包み込んでゆく。
録音のせいか、管楽器のソロが前に出すぎるのは、いささか気になるが。
フィナーレは豪快華麗な演奏。
クライバーンの技巧は見事。めくるめくピアニズムが楽しい。キラキラした音、激しい音もあって、実に颯爽とした演奏。気持ちいい。
若いって、エエですね。
録音はさすがに古びてきました。高音がやや詰まり気味。
残響も少ないので、乾いた感じの音。ただ、ナマナマしさは強いです。
このころのRCAは、こんな感じの音が多いようですが、当時のアメリカ人の好みだったのかな?
で、コンドラシン指揮交響楽団という表記、実際は何というオケだったんでしょう。
↑
クラシカルな某 さんから、コメントを頂戴しました。
「この録音についてを直接テーマとしているわけではありませんが、評論家・山崎氏の下記サイトで関連話題を読むことが出来ます。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~arakicho/
この中の「ウィーン60/本文へ」のコーナーに移り、その中の第25章にクライバーンのことが・・・。」
クラシカルな某 さん、ありがとうございました
で、コンドラシン指揮の交響楽団は、RCA交響楽団と表記したものがあるようです。
実際は、シンフォニー・オブ・ジ・エア・・・・のことかな。
爽やかな秋風はいずこへ?
せめて、クラシック音楽は爽快に聴きましょう。
今日は若武者の初陣を懐かしいLPで・・・・・。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23。
ヴァン・クライバーンのピアノ独奏、キリル・コンドラシン指揮交響楽団の演奏。
1958年5月30日、ニューヨークのカーネギー・ホールでの録音。RCA原盤。
1958年の第1回チャイコフスキー・コンクールで優勝したクライバーンが凱旋帰国、その直後に録音されたデビュー盤であり、超ベストセラー盤。時は東西冷戦の真っ最中、これは歴史的な(世界史的な)名盤だろう。
第1楽章、激しく情熱的な序奏部がスゴイ。覇気一杯のピアノに、オーケストラも盛り上がる。金管など大げさすぎるほど。
クライバーンのピアノは、主部に入ってもダイナミック。力強く、溌剌として、若武者の騎行のよう。モーションは大きく振りかぶり、投げれば剛球一直線。いや、実に気持ちいい。恐れを知らぬ若者が、ありったけの力をぶつけている。その意気や良し。
コンドラシンの伴奏もまた豪快。クライバーンの直球勝負に触発されたか、徐々に感興高まって、金管はバリバリ鳴らすし、弦楽はガンガン響かせる。全く面白い。ライブのような面白さがある。録音データによれば、一日での一発録り。実演のような盛り上がりがある。
(コンドラシンという人、チャイコフスキーが面白い。アルゲリッチのバックでバイエルン放送響を振ったフィリップス盤も、血潮がたぎるような熱い演奏だった)
第2楽章のスッキリした抒情もイイ。
メソメソしない、しっかりとした克明な弾き方だが、淡い感傷が底の方を流れている。
コンドラシンの指揮は見事なもので、オーケストラは、この若武者を暖かく包み込んでゆく。
録音のせいか、管楽器のソロが前に出すぎるのは、いささか気になるが。
フィナーレは豪快華麗な演奏。
クライバーンの技巧は見事。めくるめくピアニズムが楽しい。キラキラした音、激しい音もあって、実に颯爽とした演奏。気持ちいい。
若いって、エエですね。
録音はさすがに古びてきました。高音がやや詰まり気味。
残響も少ないので、乾いた感じの音。ただ、ナマナマしさは強いです。
このころのRCAは、こんな感じの音が多いようですが、当時のアメリカ人の好みだったのかな?
で、コンドラシン指揮交響楽団という表記、実際は何というオケだったんでしょう。
↑
クラシカルな某 さんから、コメントを頂戴しました。
「この録音についてを直接テーマとしているわけではありませんが、評論家・山崎氏の下記サイトで関連話題を読むことが出来ます。
http://www.saturn.dti.ne.jp/~arakicho/
この中の「ウィーン60/本文へ」のコーナーに移り、その中の第25章にクライバーンのことが・・・。」
クラシカルな某 さん、ありがとうございました
で、コンドラシン指揮の交響楽団は、RCA交響楽団と表記したものがあるようです。
実際は、シンフォニー・オブ・ジ・エア・・・・のことかな。
2007/09/18のBlog
[ 03:02 ]
[ 交響曲 ]
午後から激しい雨。一気に降って、あがって、また土砂降り・・・・。
そんな天気の繰り返しでありました。蒸し暑い3連休でした。
おかげさまで、この3日間で四国山系にまとまった雨が降り、渇水地域の不安は解消のようです。
さて、今日はマーラーです。
マーラーの交響曲第6番 イ短調「悲劇的」。
小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏。
1992年1~2月、ボストン、シンフォニーホールでのライヴ録音。フィリップス盤。
小澤のマーラー演奏には、錯綜してこんがらがった楽譜の綾を解きほぐして、一本のまっすぐな糸に直してゆくような趣がある。
オーケストラをよく整理して、聴き手に分かりやすいようにマーラーの音楽を響かせる。サービスが精神旺盛であると云うべきか。複雑なマーラーの音楽が、平易で楽しいものに聞こえるのは、小澤の得難い個性であると思う。
テンポは全体的に中庸で、妥当なもの。
第1楽章は、仕上げが美麗で端正。ボストン響の音色や響きも非常に美しい。音が全体的に柔らかく、優しい響きになっている。荒々しさとか粗暴には無縁の演奏。だから、「悲劇的」というには、切迫感・緊張感がやや足りないかな。
弦楽セクションの柔らかさ、練り絹のようなしっとり感は、ボストン響独特のもの。小澤が常任になってから、さらに美しくなったように思う。
木管や金管も刺激音が少ないので、耳当たりが良い(マーラーではもっと軋むような音があってもいかなとも思うが)。
だから、大音量でも音がマイルドで、楽器の溶けあいもよいので、クリーミーなサウンドになる。これを聴くのは楽しいものだ。
第2楽章も同様で、マイルドな音が際だつ。小澤のマーラーの一大特徴と思われる。
この刺激音の少なさ、緻密な設計、そしてオケの自在な解放。おそらく小澤の棒は80%まで追い込んでおいて、残り20%はオケの自主性に任せているような・・・そんな感じで聴いた。小澤のマーラーは自主性を重んじる。これが、素敵なサウンドを生み出しているのだろうと思う。
第3楽章は、ふつうにアンダンテ・モデラートをおいている。
いつ聴いても美しい楽章と思う。実に綺麗で、サラサラした音楽。特に小澤で聴くと、音楽が空虚なものにならない。
渓流の清々しさ、朝露に濡れた草花の潤い・・・・そんな感じの情趣が伝わる。これは小澤の傑作だろう。このデリカシー、はかなさは、小澤盤でしか聴けない。
フィナーレは表情多彩だが、どれも端正な表現で、仕上げはアッサリ系。
アクは強くなく、サラサラした、水彩画のようなマーラーになっている。日本料理で云えば(例えが悪いが)、精進料理・上品な懐石料理といった感じで、聴いていて面白い。
ハンマーはさすがに強烈。ただ、あまり哀しみを引きずっていないのが、かえって良い。
録音はフィリップス特有の、残響豊かなヨーロッパ・トーン。
音場は広大、ただし定位は少し甘い感じでもあります。
でも、この余韻は、やはり素晴らしいと思います。
さて、小澤のマーラーは近頃店頭では見かけませんが、廃盤ですかね?
そんな天気の繰り返しでありました。蒸し暑い3連休でした。
おかげさまで、この3日間で四国山系にまとまった雨が降り、渇水地域の不安は解消のようです。
さて、今日はマーラーです。
マーラーの交響曲第6番 イ短調「悲劇的」。
小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏。
1992年1~2月、ボストン、シンフォニーホールでのライヴ録音。フィリップス盤。
小澤のマーラー演奏には、錯綜してこんがらがった楽譜の綾を解きほぐして、一本のまっすぐな糸に直してゆくような趣がある。
オーケストラをよく整理して、聴き手に分かりやすいようにマーラーの音楽を響かせる。サービスが精神旺盛であると云うべきか。複雑なマーラーの音楽が、平易で楽しいものに聞こえるのは、小澤の得難い個性であると思う。
テンポは全体的に中庸で、妥当なもの。
第1楽章は、仕上げが美麗で端正。ボストン響の音色や響きも非常に美しい。音が全体的に柔らかく、優しい響きになっている。荒々しさとか粗暴には無縁の演奏。だから、「悲劇的」というには、切迫感・緊張感がやや足りないかな。
弦楽セクションの柔らかさ、練り絹のようなしっとり感は、ボストン響独特のもの。小澤が常任になってから、さらに美しくなったように思う。
木管や金管も刺激音が少ないので、耳当たりが良い(マーラーではもっと軋むような音があってもいかなとも思うが)。
だから、大音量でも音がマイルドで、楽器の溶けあいもよいので、クリーミーなサウンドになる。これを聴くのは楽しいものだ。
第2楽章も同様で、マイルドな音が際だつ。小澤のマーラーの一大特徴と思われる。
この刺激音の少なさ、緻密な設計、そしてオケの自在な解放。おそらく小澤の棒は80%まで追い込んでおいて、残り20%はオケの自主性に任せているような・・・そんな感じで聴いた。小澤のマーラーは自主性を重んじる。これが、素敵なサウンドを生み出しているのだろうと思う。
第3楽章は、ふつうにアンダンテ・モデラートをおいている。
いつ聴いても美しい楽章と思う。実に綺麗で、サラサラした音楽。特に小澤で聴くと、音楽が空虚なものにならない。
渓流の清々しさ、朝露に濡れた草花の潤い・・・・そんな感じの情趣が伝わる。これは小澤の傑作だろう。このデリカシー、はかなさは、小澤盤でしか聴けない。
フィナーレは表情多彩だが、どれも端正な表現で、仕上げはアッサリ系。
アクは強くなく、サラサラした、水彩画のようなマーラーになっている。日本料理で云えば(例えが悪いが)、精進料理・上品な懐石料理といった感じで、聴いていて面白い。
ハンマーはさすがに強烈。ただ、あまり哀しみを引きずっていないのが、かえって良い。
録音はフィリップス特有の、残響豊かなヨーロッパ・トーン。
音場は広大、ただし定位は少し甘い感じでもあります。
でも、この余韻は、やはり素晴らしいと思います。
さて、小澤のマーラーは近頃店頭では見かけませんが、廃盤ですかね?
2007/09/17のBlog
[ 04:54 ]
[ 器楽曲 ]
今日もバッハのピアノ曲です。
グールドの80枚組ボックスセットが発売されるという。HMVでは3万円以下で買えるそうな。
どなたか、もうオーダーしましたか?
1枚400円以下で手に入るとなると、僕はグールドの良い聴き手ではなかったが、う~ん・・・・欲しいもんです。20世紀後半を代表するピアニストの全貌が分かる全集、価格も激安、欲しいなぁ・・・・。財布と相談中であります。
で、今日取り出したのはグールドのバッハ。
J・S・バッハの 平均律クラヴィーア曲集 第1巻。
グレン・グールドのピアノ独奏。
1962年11月~ ニューヨークの30番街スタジオ等での録音。
CBS原盤。このCDは第2巻とともに3枚組になっている全曲盤。
ペダルを使わない独特のノン・レガート奏法。
音は粒だちよく磨き上げられて、鏡面仕上げのように美しい。その輝きは、ピカピカの光輝ではなく、パール色の自然な光の反映という感じ。光り輝くところと、ややくすんだ光を放つところと、光る具合が様々な感じの美しさが、グールドのピアノにはある。
その音は均質で、高音も低音も同じ強さで美しく鳴る。感情的な思い入れを排して、時に無機的な感じのところもあるのだが、だからこそ、バッハの世界が無限に広がってゆく。
響きは多様。曲調に従って万華鏡のように変化してゆく。これを味わうのは楽しい。ピアノ一台でこんなにいろいろな響きがでてくるものか。そして、こんなに世界が広がるものか。グールドの案内で、バッハの世界を旅する感覚になる。時に、ジェットコースターに乗ったような気分になったりもする。
特に楽しいのはフーガ。
グールドで聴くと、バッハが対位法の大家であったことが、ド素人の僕にもよく分かる。対向旋律がくっきりと表現されて、ああ、なるほどバッハはポリフォニーの作曲家であったのだと、つくづく思わされる。
そして、グールド特有のアーティキュレーションによって、音楽の表情が生き生きとしている。それが素晴らしい。
この平均律クラヴィーア曲集、聴き始めたら、あっという間に1時間くらい経過してしまいます。聴いていて楽しい、面白い、そして時にハッとさせられる・・・・こういうのを名演奏って云うんでしょう。
録音から40年経過、しかしまだ音は瑞々しく、クールなグールドの音を伝えます。
もともと、ツヤツヤした録音ではないので、あまり古びないですな。
さて、グールドのボックス、どうしましょう。
皆さんは、買いますか?・・・・・
グールドの80枚組ボックスセットが発売されるという。HMVでは3万円以下で買えるそうな。
どなたか、もうオーダーしましたか?
1枚400円以下で手に入るとなると、僕はグールドの良い聴き手ではなかったが、う~ん・・・・欲しいもんです。20世紀後半を代表するピアニストの全貌が分かる全集、価格も激安、欲しいなぁ・・・・。財布と相談中であります。
で、今日取り出したのはグールドのバッハ。
J・S・バッハの 平均律クラヴィーア曲集 第1巻。
グレン・グールドのピアノ独奏。
1962年11月~ ニューヨークの30番街スタジオ等での録音。
CBS原盤。このCDは第2巻とともに3枚組になっている全曲盤。
ペダルを使わない独特のノン・レガート奏法。
音は粒だちよく磨き上げられて、鏡面仕上げのように美しい。その輝きは、ピカピカの光輝ではなく、パール色の自然な光の反映という感じ。光り輝くところと、ややくすんだ光を放つところと、光る具合が様々な感じの美しさが、グールドのピアノにはある。
その音は均質で、高音も低音も同じ強さで美しく鳴る。感情的な思い入れを排して、時に無機的な感じのところもあるのだが、だからこそ、バッハの世界が無限に広がってゆく。
響きは多様。曲調に従って万華鏡のように変化してゆく。これを味わうのは楽しい。ピアノ一台でこんなにいろいろな響きがでてくるものか。そして、こんなに世界が広がるものか。グールドの案内で、バッハの世界を旅する感覚になる。時に、ジェットコースターに乗ったような気分になったりもする。
特に楽しいのはフーガ。
グールドで聴くと、バッハが対位法の大家であったことが、ド素人の僕にもよく分かる。対向旋律がくっきりと表現されて、ああ、なるほどバッハはポリフォニーの作曲家であったのだと、つくづく思わされる。
そして、グールド特有のアーティキュレーションによって、音楽の表情が生き生きとしている。それが素晴らしい。
この平均律クラヴィーア曲集、聴き始めたら、あっという間に1時間くらい経過してしまいます。聴いていて楽しい、面白い、そして時にハッとさせられる・・・・こういうのを名演奏って云うんでしょう。
録音から40年経過、しかしまだ音は瑞々しく、クールなグールドの音を伝えます。
もともと、ツヤツヤした録音ではないので、あまり古びないですな。
さて、グールドのボックス、どうしましょう。
皆さんは、買いますか?・・・・・