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2007/10/05のBlog
[ 05:43 ]
[ 交響曲 ]
日中の蒸し暑さには参りました。いやはや、10月にして半袖。
やはり、これ、異常気象なんでしょうな。たまらん一日でありました。
さて、今日はマーラーであります。
マーラーの交響曲第5番 嬰ハ短調。
サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルの演奏。
2002年9月7~10日、ベルリンのフィルハーモニーホールでのライヴ録音。
この秋に廉価盤で発売されたラトルのマーラー全集からの1枚。EMI盤。
ラトルがベルリン・フィルの首席に就任して、初の定期演奏会をライヴ収録したもの。
テンポが自在に伸縮し、ルバートが随所でかかる面白い演奏。全体的には瑞々しい表情が印象的で、べとつかないマーラーになっている。
第1楽章はテンポがよく変化して、ラトルが自在な解釈を見せる。
本来粘り強いマーラーの旋律を、ラトルは巧妙に処理してゆく。ゆったりとした感じなのだが、足取りが重くなることはない。
音楽の表情は一貫して爽やか。ベルリン・フィルのアンサンブルは良好で、音楽が淀みなく流れてゆく。ラトルの棒に敏感に反応して、テンポや響きが自然に変化してゆくのはさすがと思う。ピアニシモの部分では、ゾッとするほど美しい響きを聴かせてくれる。
第2楽章は、慟哭の歌・軋む音楽になるところなのだが(バーンスタインやテンシュテットで聴くときなど特に・・・・)、ラトルの棒で聴くと、滑らかで爽快な音楽になる。幾分素っ気ない感じもある。
これぞ現代のマーラー演奏、古典になったマーラーと云うべきなんだろうか。「マーラーの苦悩」からは遠い感じの演奏に聞こえる。
第3楽章は、なんといってもオブリガート・ホルン。指揮者の脇に立って、あたかもホルン協奏曲のように鳴る。音響的にも面白い試みと思う。とにかく、ホルンが前に出てきて朗々と鳴るのがイイ。
管楽器も全体的に好調で、トランペットやフルートなどは非常に美しいし、巧い。
響きは明晰でサラサラ系のマーラー。そして、どこまでも瑞々しいサウンド。清冽で澄み切ったサウンドは、聴いていて快感。
第4楽章は静謐そのもののアダージェット。これは大変美しい。
水面でキラキラと反射する光が少し柔らかくなって目に飛び込んでくるような、そんな輝きがこの楽章にはある。旋律は粘らず、淡々とした感じ。
所要時間は9分33秒。ネットリやらないのがラトル流なのだ。
フィナーレは、管楽器や弦楽器に現れるソロの響きが実に新鮮。フルートやオーボエがとても若々しく響いて、耳をそばだててしまった。今まで聴いたことがない音が、聞こえてくる。これ、ラトルの独特のバランス感覚のなせる技かな。
終曲に至るまで、フレッシュなサウンドが展開する快演。実に爽快なマーラーと思う。
録音が今一歩かなという気がします。
2002年の録音といえば、我が家では最新録音のCDになりますが、もうひとつヌケがスッキリしない感じ。
上々の録音なんですが、最新ならもう少し良くてもいいかな・・・というのはEMIでは無理なんでしょうかね。
やはり、これ、異常気象なんでしょうな。たまらん一日でありました。
さて、今日はマーラーであります。
マーラーの交響曲第5番 嬰ハ短調。
サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルの演奏。
2002年9月7~10日、ベルリンのフィルハーモニーホールでのライヴ録音。
この秋に廉価盤で発売されたラトルのマーラー全集からの1枚。EMI盤。
ラトルがベルリン・フィルの首席に就任して、初の定期演奏会をライヴ収録したもの。
テンポが自在に伸縮し、ルバートが随所でかかる面白い演奏。全体的には瑞々しい表情が印象的で、べとつかないマーラーになっている。
第1楽章はテンポがよく変化して、ラトルが自在な解釈を見せる。
本来粘り強いマーラーの旋律を、ラトルは巧妙に処理してゆく。ゆったりとした感じなのだが、足取りが重くなることはない。
音楽の表情は一貫して爽やか。ベルリン・フィルのアンサンブルは良好で、音楽が淀みなく流れてゆく。ラトルの棒に敏感に反応して、テンポや響きが自然に変化してゆくのはさすがと思う。ピアニシモの部分では、ゾッとするほど美しい響きを聴かせてくれる。
第2楽章は、慟哭の歌・軋む音楽になるところなのだが(バーンスタインやテンシュテットで聴くときなど特に・・・・)、ラトルの棒で聴くと、滑らかで爽快な音楽になる。幾分素っ気ない感じもある。
これぞ現代のマーラー演奏、古典になったマーラーと云うべきなんだろうか。「マーラーの苦悩」からは遠い感じの演奏に聞こえる。
第3楽章は、なんといってもオブリガート・ホルン。指揮者の脇に立って、あたかもホルン協奏曲のように鳴る。音響的にも面白い試みと思う。とにかく、ホルンが前に出てきて朗々と鳴るのがイイ。
管楽器も全体的に好調で、トランペットやフルートなどは非常に美しいし、巧い。
響きは明晰でサラサラ系のマーラー。そして、どこまでも瑞々しいサウンド。清冽で澄み切ったサウンドは、聴いていて快感。
第4楽章は静謐そのもののアダージェット。これは大変美しい。
水面でキラキラと反射する光が少し柔らかくなって目に飛び込んでくるような、そんな輝きがこの楽章にはある。旋律は粘らず、淡々とした感じ。
所要時間は9分33秒。ネットリやらないのがラトル流なのだ。
フィナーレは、管楽器や弦楽器に現れるソロの響きが実に新鮮。フルートやオーボエがとても若々しく響いて、耳をそばだててしまった。今まで聴いたことがない音が、聞こえてくる。これ、ラトルの独特のバランス感覚のなせる技かな。
終曲に至るまで、フレッシュなサウンドが展開する快演。実に爽快なマーラーと思う。
録音が今一歩かなという気がします。
2002年の録音といえば、我が家では最新録音のCDになりますが、もうひとつヌケがスッキリしない感じ。
上々の録音なんですが、最新ならもう少し良くてもいいかな・・・というのはEMIでは無理なんでしょうかね。
2007/10/04のBlog
[ 05:41 ]
[ 交響曲 ]
朝晩が冷え込むようになりました。西条祭りの季節になりました。
当地西条では、お祭りの準備が進んでおります。町のそこかしこで、鉦や太鼓の音が聞こえてきます。準備に余念がないようです。
さて、今日は若々しい演奏を。
チャイコフスキーの交響曲第5番 ホ短調 Op.64。
リッカルド・シャイー指揮ウィーン・フィルの演奏。
1980年12月、ウィーンのソフィエンザールでの録音。DECCA盤。
今や大指揮者となったシャイーの本格的デビュー盤。
これ以前にフィリップスからメンデルスゾーンの「賛歌」を発表していたが、このチャイコフスキーを録音した頃からDECCA専属となって、次々に新譜を出していった。
名門オーケストラと若い指揮者が一体となって、夢中で燃え上がったチャイコフスキー。
・・・・と書くと、ケルテスがウィーン・フィルとの「新世界」でデビューし、一気に名指揮者の階段を駆け上がったことを思い出す。ああ、シャイーもそうだ。この演奏で、彼はスターダムにのし上がった。
第1楽章は若々しく燃え上がって、爽やかささえ感じさせる演奏。ウィーン・フィルの美音がものいっている。強烈なアクセントに加えて、ダイナミックレンジも広大なので、表現は劇的。また、テンポが遅くなるところでは、実によく歌う。美しいカンタービレが印象的。
ウィーン・フィルは巧い。そしてDECCAの録音も素晴らしい。
第2楽章はホルンを心ゆくまで聴きたい。ウィーン・フィルのホルンは美しい。上品で端正なソロ。ゆったりとした歌もイイ。(誰が吹いているのかな?)
木管もイイ。ウィンナ・オーボエの音色は、懐かしささえ感じさせる美しさ。
弦楽セクションの響きは熱い。シャイーの情熱が乗り移ったか。そして、よく歌う。シャイーはイタリアの人、カンタービレの国からやってきたのだ。
第3楽章も清新なワルツ。弦楽器と管楽器のバランスも良い。ウィーン・フィルの響きは艶やかで、しなやかで、何より自発性が感じられるアンサンブルが、いつもながらエエなぁと思う。シャイーの指揮も、このワルツではオーケストラの自主性に委ねているいる感じ。ワルツはウィーンにお任せってことか。
フィナーレは強弱のコントラストがクッキリしていて、劇的表現がカッコイイ。
メリハリのきいたフィナーレであって、終曲まで一気呵成に持って行く感じ。テンポは速くないのだが、内容が濃密なので、ラストまで一気に進んでしまう聴感。歌も美しい。
アンダンテ・マエストーソの部分では、威風堂々、勝利の大行進が聴ける。
録音から27年経過したものの、あまり古さは感じません。
最新録音ってなわけにはいきませんが、ウィーン・フィルの響きが、大変美しい音で捉えられています。さすがDECCAと云うべきでしょう。
当地西条では、お祭りの準備が進んでおります。町のそこかしこで、鉦や太鼓の音が聞こえてきます。準備に余念がないようです。
さて、今日は若々しい演奏を。
チャイコフスキーの交響曲第5番 ホ短調 Op.64。
リッカルド・シャイー指揮ウィーン・フィルの演奏。
1980年12月、ウィーンのソフィエンザールでの録音。DECCA盤。
今や大指揮者となったシャイーの本格的デビュー盤。
これ以前にフィリップスからメンデルスゾーンの「賛歌」を発表していたが、このチャイコフスキーを録音した頃からDECCA専属となって、次々に新譜を出していった。
名門オーケストラと若い指揮者が一体となって、夢中で燃え上がったチャイコフスキー。
・・・・と書くと、ケルテスがウィーン・フィルとの「新世界」でデビューし、一気に名指揮者の階段を駆け上がったことを思い出す。ああ、シャイーもそうだ。この演奏で、彼はスターダムにのし上がった。
第1楽章は若々しく燃え上がって、爽やかささえ感じさせる演奏。ウィーン・フィルの美音がものいっている。強烈なアクセントに加えて、ダイナミックレンジも広大なので、表現は劇的。また、テンポが遅くなるところでは、実によく歌う。美しいカンタービレが印象的。
ウィーン・フィルは巧い。そしてDECCAの録音も素晴らしい。
第2楽章はホルンを心ゆくまで聴きたい。ウィーン・フィルのホルンは美しい。上品で端正なソロ。ゆったりとした歌もイイ。(誰が吹いているのかな?)
木管もイイ。ウィンナ・オーボエの音色は、懐かしささえ感じさせる美しさ。
弦楽セクションの響きは熱い。シャイーの情熱が乗り移ったか。そして、よく歌う。シャイーはイタリアの人、カンタービレの国からやってきたのだ。
第3楽章も清新なワルツ。弦楽器と管楽器のバランスも良い。ウィーン・フィルの響きは艶やかで、しなやかで、何より自発性が感じられるアンサンブルが、いつもながらエエなぁと思う。シャイーの指揮も、このワルツではオーケストラの自主性に委ねているいる感じ。ワルツはウィーンにお任せってことか。
フィナーレは強弱のコントラストがクッキリしていて、劇的表現がカッコイイ。
メリハリのきいたフィナーレであって、終曲まで一気呵成に持って行く感じ。テンポは速くないのだが、内容が濃密なので、ラストまで一気に進んでしまう聴感。歌も美しい。
アンダンテ・マエストーソの部分では、威風堂々、勝利の大行進が聴ける。
録音から27年経過したものの、あまり古さは感じません。
最新録音ってなわけにはいきませんが、ウィーン・フィルの響きが、大変美しい音で捉えられています。さすがDECCAと云うべきでしょう。
2007/10/03のBlog
[ 05:37 ]
[ 管弦楽曲 ]
秋の夜長、LPレコードを取り出してます。
R・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30。
小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏。ヴァイオリンの独奏はジョゼフ・シルヴァースタイン。
1981年12月、ボストンのシンフォニー・ホールでの録音。フィリップス盤。
フィリップスらしい、素晴らしい録音。聴き手を包み込みような柔らかさと、よく溶けあったクリーミー・トーンが、実に心地よい。LPのせいか、ことのほか柔らかくふっくらとした音になっている。
各楽器のブレンド感が素晴らしいので、R・シュトラウスの音楽がこけおどしにならない。内容豊かで風格のある音楽になる。
小澤の指揮がイイのはもちろん。
小澤としてはR・シュトラウスの交響詩初録音だったもの。この後、つづけて「英雄の生涯」もリリースして、LP初出時は録音の良さでも話題になったものだった。
我が家のシステムと相性が良いのだろうが、このボストン響のサウンドはまさに極上、この音響の中に身を置くと、大変幸福な気分になる。ああ、エエ音。
その実体はボストン響の弦。そぼ降る雨に濡れたようなしっとりしたサウンド。この潤いのある、柔らかい弦の響きは、いやもう、たまらん。
そして管楽器が上品に絡む。金管のフォルティシモもバリバリと鳴るのではなく、どこか余裕を持ったところがあって、澄まし顔のような感じもするのだが、これが弦の音とよくマッチしていて、柔らかい。クリーミー・トーンに聞こえる所以。
大編成のオーケストラ曲を振る小澤の巧さは、この曲でも心憎いほど。各曲の性格を十分に示しつつ、見事に描き分けてゆく。内容のある指揮と云うべきか。
この曲は、冒頭部分があまりにも有名なので、外見だけを仕上げた演奏もよく聴かれるのだが、空虚な音楽にしていないのは小澤の棒と、ボストン響のグレードの高さだろう。
一聴、地味な印象を受けそうな演奏なのだが、この音だけでも、小澤盤の存在価値はあると見た。
ソロ・ヴァイオリンは名手シルヴァースタイン。コンサート・マスターとしてもソリストとしても有名だった人。オーケストラとよく溶けあいつつも、清澄に浮かび上がるソロは実に見事。美しい。
という訳で、録音は今も抜群。
ハデハデな録音ではなく、やや暗く、柔らかくしっとりとしたサウンドが印象的な録音でありますが、こういう音で聴くのは幸福です。
聴き手に幸福感を与える録音は、名録音なのではないかと思います。
R・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30。
小澤征爾指揮ボストン交響楽団の演奏。ヴァイオリンの独奏はジョゼフ・シルヴァースタイン。
1981年12月、ボストンのシンフォニー・ホールでの録音。フィリップス盤。
フィリップスらしい、素晴らしい録音。聴き手を包み込みような柔らかさと、よく溶けあったクリーミー・トーンが、実に心地よい。LPのせいか、ことのほか柔らかくふっくらとした音になっている。
各楽器のブレンド感が素晴らしいので、R・シュトラウスの音楽がこけおどしにならない。内容豊かで風格のある音楽になる。
小澤の指揮がイイのはもちろん。
小澤としてはR・シュトラウスの交響詩初録音だったもの。この後、つづけて「英雄の生涯」もリリースして、LP初出時は録音の良さでも話題になったものだった。
我が家のシステムと相性が良いのだろうが、このボストン響のサウンドはまさに極上、この音響の中に身を置くと、大変幸福な気分になる。ああ、エエ音。
その実体はボストン響の弦。そぼ降る雨に濡れたようなしっとりしたサウンド。この潤いのある、柔らかい弦の響きは、いやもう、たまらん。
そして管楽器が上品に絡む。金管のフォルティシモもバリバリと鳴るのではなく、どこか余裕を持ったところがあって、澄まし顔のような感じもするのだが、これが弦の音とよくマッチしていて、柔らかい。クリーミー・トーンに聞こえる所以。
大編成のオーケストラ曲を振る小澤の巧さは、この曲でも心憎いほど。各曲の性格を十分に示しつつ、見事に描き分けてゆく。内容のある指揮と云うべきか。
この曲は、冒頭部分があまりにも有名なので、外見だけを仕上げた演奏もよく聴かれるのだが、空虚な音楽にしていないのは小澤の棒と、ボストン響のグレードの高さだろう。
一聴、地味な印象を受けそうな演奏なのだが、この音だけでも、小澤盤の存在価値はあると見た。
ソロ・ヴァイオリンは名手シルヴァースタイン。コンサート・マスターとしてもソリストとしても有名だった人。オーケストラとよく溶けあいつつも、清澄に浮かび上がるソロは実に見事。美しい。
という訳で、録音は今も抜群。
ハデハデな録音ではなく、やや暗く、柔らかくしっとりとしたサウンドが印象的な録音でありますが、こういう音で聴くのは幸福です。
聴き手に幸福感を与える録音は、名録音なのではないかと思います。
2007/10/02のBlog
[ 05:23 ]
[ 器楽曲 ]
朝晩の涼しさ、実に心地よい季節になりました。
秋の夜長、窓の下の田んぼ道に集まる虫の音でも聞きながら、クラシック音楽を楽しむのはエエもんです。
今日はショパン。秋の日のショパンです。
ワルツ集を。
サンソン・フランソワのピアノ独奏。
1963年1月、パリのサルワグラムでの録音。EMI盤。
フランソワのショパン・ボックスセットからの1枚。
内なる情熱が青白い炎となって燃えたショパン。
ユラユラとした炎が目の前に立ちのぼるのだが、その炎は熱くない。不思議な感触を受けるショパン。
そして、どんどん自己の中に没入してゆく、陶酔してゆくショパン。
ああ、この人はショパンを弾くのにピッタリの気質なんだろうなと思う時もあれば、あれあれ、こんな弾き方じゃアカンのやないかと思う時もある。1曲1曲、フランソワの弾くショパンはその表情を変える。やる気満々の曲と、投げやりな感じの曲とが混在する感じ。
聴いてみるまで予想がつかない、その点ではスリリングなピアニストだったんじゃないかと思う。
素人の耳で聴いているので、偉そうな言い方は出来ないのだが、たぶん、フランソワのピアノの弾き方はいい加減。きっちり弾いていないと思う。そして、技術的にはそんなに巧くないんじゃないか、ヴィルトゥオーゾからは遠いピアニストだったんじゃないか、と思われる。(わざと、下手に聞こえるように弾き崩しているのかもしれないが。)
しかし、ツボにはまると長打連発の強打者。
例えばあの有名な、ワルツ第6番変ニ長調Op.64-1「小犬のワルツ」は天才の閃きに満ちた素晴らしい演奏。
第9番変イ長調Op.69-1「別れのワルツ」は、デリカシーの塊のようなピアノ。響きも美しく、知性の輝きも感じられる名演奏。繊細さがにじみ出てくる。
それに対して、ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2などは、サッサと弾き飛ばしてしまう感じ。いい加減。
全部が名演ではないんだろうと思うんです。
でも、不思議な魅力にあふれたショパンです。面白い曲も沢山。
フランソワが青白い炎の中で弾いているイメージです。
録音は貧しいながら、清潔なピアノの音が聴けます。
フランソワの本質は十分に伝わってきます。
秋の夜長、窓の下の田んぼ道に集まる虫の音でも聞きながら、クラシック音楽を楽しむのはエエもんです。
今日はショパン。秋の日のショパンです。
ワルツ集を。
サンソン・フランソワのピアノ独奏。
1963年1月、パリのサルワグラムでの録音。EMI盤。
フランソワのショパン・ボックスセットからの1枚。
内なる情熱が青白い炎となって燃えたショパン。
ユラユラとした炎が目の前に立ちのぼるのだが、その炎は熱くない。不思議な感触を受けるショパン。
そして、どんどん自己の中に没入してゆく、陶酔してゆくショパン。
ああ、この人はショパンを弾くのにピッタリの気質なんだろうなと思う時もあれば、あれあれ、こんな弾き方じゃアカンのやないかと思う時もある。1曲1曲、フランソワの弾くショパンはその表情を変える。やる気満々の曲と、投げやりな感じの曲とが混在する感じ。
聴いてみるまで予想がつかない、その点ではスリリングなピアニストだったんじゃないかと思う。
素人の耳で聴いているので、偉そうな言い方は出来ないのだが、たぶん、フランソワのピアノの弾き方はいい加減。きっちり弾いていないと思う。そして、技術的にはそんなに巧くないんじゃないか、ヴィルトゥオーゾからは遠いピアニストだったんじゃないか、と思われる。(わざと、下手に聞こえるように弾き崩しているのかもしれないが。)
しかし、ツボにはまると長打連発の強打者。
例えばあの有名な、ワルツ第6番変ニ長調Op.64-1「小犬のワルツ」は天才の閃きに満ちた素晴らしい演奏。
第9番変イ長調Op.69-1「別れのワルツ」は、デリカシーの塊のようなピアノ。響きも美しく、知性の輝きも感じられる名演奏。繊細さがにじみ出てくる。
それに対して、ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2などは、サッサと弾き飛ばしてしまう感じ。いい加減。
全部が名演ではないんだろうと思うんです。
でも、不思議な魅力にあふれたショパンです。面白い曲も沢山。
フランソワが青白い炎の中で弾いているイメージです。
録音は貧しいながら、清潔なピアノの音が聴けます。
フランソワの本質は十分に伝わってきます。
2007/10/01のBlog
[ 06:15 ]
[ 管弦楽曲 ]
四国は一気に気温が下がりました。
ようやく長袖・ネクタイであります。このまま涼しくなってくれるのかな?
今日はそんな冷涼な空気にふさわしい音楽を。
グリーグの「ペール・ギュントの劇音楽」抜粋盤。
エド・デ・ワールト指揮サンフランシスコ交響楽団・合唱団の演奏。
1982年10月~1983年6月、サンフランシスコのデイヴィス・ホールでの録音。
フィリップス盤。
1984年2月発売のCD。我が家にあるCDの中で、最も古い1枚。
輸入盤仕様で、ジャケットの間に日本語解説のペラ紙が挟まっている。
価格はなんと4,000円!
高かったなぁ・・・・・・当時のCDプレーヤーも発売間もなくとあって1台20万円が相場。昔の話であります。
初めてのCD、期待どおりに録音は素晴らしかった。
フィリップスの録音の良さを世評として定着させた1枚だったと思う。当時はオーディオ雑誌をよく読んでいたものだったが、「ステレオ」誌とか「オーディオ・アクセサリー」誌など、軒並み絶賛。オーディオ・チェックCDとしても有名だった。
特に「朝」はすがすがしい名演。数多い「ペール・ギュント」録音の中で、最も爽やかで冷涼感漂う演奏と思う。プレーン・ヨーグルトのサラッとした食感、あるいは、わが西条の「うちぬき水」の清涼さのよう。
第1幕への前奏曲も清澄感いっぱいの演奏。響きが透明で、素晴らしい。 玲瓏
「アラビアの踊り」でも、合唱が美しく、これも透明度が高い。
そしてエリー・アメリングのソプラノ!
このCDの成功の半分は、アメリングの歌唱にある。
ちょうど彼女の全盛期であって、弱音部での美しさは「玲瓏玉を転がす」感じ。
「ソルヴェイグの歌」ではたっぷりとしたテンポで見事な詠唱。澄んだ秋空に溶けてゆくような美しさ。
「ソルヴェイグの子守歌」での安らぎもイイ。暖かく包み込んで、すべてを忘れさせる母性に富んだ名演名唱。
エド・デ・ワールトの指揮は、サンフランシスコ響を十分にドライブして、北欧ロマンを美しく歌い上げてゆく。
各曲ともゆったりとしたテンポで、フレージングが深々として気持ちよく、何より音楽の運びが自然で柔らかい。表現も若々しいのに、内容は穏やかで、過激に走らないのがさらに良い。
これは、ワールトの代表盤ではないかと、密かに僕は思っています。
ようやく長袖・ネクタイであります。このまま涼しくなってくれるのかな?
今日はそんな冷涼な空気にふさわしい音楽を。
グリーグの「ペール・ギュントの劇音楽」抜粋盤。
エド・デ・ワールト指揮サンフランシスコ交響楽団・合唱団の演奏。
1982年10月~1983年6月、サンフランシスコのデイヴィス・ホールでの録音。
フィリップス盤。
1984年2月発売のCD。我が家にあるCDの中で、最も古い1枚。
輸入盤仕様で、ジャケットの間に日本語解説のペラ紙が挟まっている。
価格はなんと4,000円!
高かったなぁ・・・・・・当時のCDプレーヤーも発売間もなくとあって1台20万円が相場。昔の話であります。
初めてのCD、期待どおりに録音は素晴らしかった。
フィリップスの録音の良さを世評として定着させた1枚だったと思う。当時はオーディオ雑誌をよく読んでいたものだったが、「ステレオ」誌とか「オーディオ・アクセサリー」誌など、軒並み絶賛。オーディオ・チェックCDとしても有名だった。
特に「朝」はすがすがしい名演。数多い「ペール・ギュント」録音の中で、最も爽やかで冷涼感漂う演奏と思う。プレーン・ヨーグルトのサラッとした食感、あるいは、わが西条の「うちぬき水」の清涼さのよう。
第1幕への前奏曲も清澄感いっぱいの演奏。響きが透明で、素晴らしい。 玲瓏
「アラビアの踊り」でも、合唱が美しく、これも透明度が高い。
そしてエリー・アメリングのソプラノ!
このCDの成功の半分は、アメリングの歌唱にある。
ちょうど彼女の全盛期であって、弱音部での美しさは「玲瓏玉を転がす」感じ。
「ソルヴェイグの歌」ではたっぷりとしたテンポで見事な詠唱。澄んだ秋空に溶けてゆくような美しさ。
「ソルヴェイグの子守歌」での安らぎもイイ。暖かく包み込んで、すべてを忘れさせる母性に富んだ名演名唱。
エド・デ・ワールトの指揮は、サンフランシスコ響を十分にドライブして、北欧ロマンを美しく歌い上げてゆく。
各曲ともゆったりとしたテンポで、フレージングが深々として気持ちよく、何より音楽の運びが自然で柔らかい。表現も若々しいのに、内容は穏やかで、過激に走らないのがさらに良い。
これは、ワールトの代表盤ではないかと、密かに僕は思っています。
2007/09/30のBlog
[ 05:48 ]
[ 交響曲 ]
どんよりとした一日。
気温がグッと下がり、肌寒いくらいでした。
さて、今日はジュピターです。
モーツァルトの交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」。
ニコラス・アーノンクール指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
1982年3月、コンセルトヘボウでの録音。TELDEC原盤のモーツァルト交響曲選集からの1枚。
第1楽章は、アーノンクールにしてはやや遅めのテンポ。いたって普通に進んでゆく。アーノンクールの当時の衝撃的な演奏(ヴィヴァルディの「四季」やヘンデルの「水上の音楽」)を知るものにとっては、やや拍子抜けのような演奏。普通やん・・・・。
アーティキュレーションも妙なところがない。ティンパニとトランペットを前面に出してくるところは特徴かと思うが、これは録音の加減かもしれない。
弦楽合奏はしなやかで優美。これなら、アーノンクールを嫌っていたカール・ベームでも許してくれるんじゃないか。
コンセルトヘボウ管のアンサンブルは、いつもながら見事だし、このオケらしい、渋くてやや暗めながらとても柔らかい響きは、やはりイイ。
第2楽章は、弦の静謐な響きがたまらない。これは全く美しい。野に咲く花のような、慎ましい美しさ。ジョギングの時に見かける、朝露に濡れた草花のような感じ。そしてそのしっとりとした潤いを感じる演奏。
まこと、コンセルトヘボウ管は美しいオケと思う。
第3楽章は独特のアクセントが随所に見られる。いよいよアーノンクールの本領発揮か。強弱のコントラストが大きく、ティンパニの強打も目立つ。迫力は十分。
フィナーレは快速。弦の刻みは鋭く、抉るような動きが感じられる。フレーズを短くスパッと切るところは、これぞアーノンクールだろう。
ダイナミックレンジも大きく、前の3つの楽章の優しい表現に比べて、峻厳激烈な感情が噴出する。響きは鋭く、室内楽的な感じであり、鋭角的にズバッと切れ込んでくる感じ。
演奏は、すべて繰り返しを行っているので、全曲演奏に41分かかります。
僕は「ジュピター」が大好きなので、全然気にならないのですが、聴き手によっては好みが分かれるかもしれません。
録音は標準的かな。
TELDECの録音なので、フィリップス・レーベルで聴くアムステルダム・コンセルトヘボウ管の響きとは少し違って、ややオンマイク的な録音・響きになっています。
これはこれで面白いです。
土日出勤であります。
そろそろ出かけましょう。
<モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」の自己リンクです>
■ベーム/ウィーン・フィル(1975年NHKライヴ)
■セル/クリーヴランド管
■クリップス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■レヴァイン/ウィーン・フィル
■カラヤン/ベルリン・フィル(1970年EMI盤)
■C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
■クリヴィヌ/フィルハーモニア管
■バーンスタイン/ウィーン・フィル
■クーベリック/バイエルン放送響
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■アバド/ロンドン響
気温がグッと下がり、肌寒いくらいでした。
さて、今日はジュピターです。
モーツァルトの交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」。
ニコラス・アーノンクール指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
1982年3月、コンセルトヘボウでの録音。TELDEC原盤のモーツァルト交響曲選集からの1枚。
第1楽章は、アーノンクールにしてはやや遅めのテンポ。いたって普通に進んでゆく。アーノンクールの当時の衝撃的な演奏(ヴィヴァルディの「四季」やヘンデルの「水上の音楽」)を知るものにとっては、やや拍子抜けのような演奏。普通やん・・・・。
アーティキュレーションも妙なところがない。ティンパニとトランペットを前面に出してくるところは特徴かと思うが、これは録音の加減かもしれない。
弦楽合奏はしなやかで優美。これなら、アーノンクールを嫌っていたカール・ベームでも許してくれるんじゃないか。
コンセルトヘボウ管のアンサンブルは、いつもながら見事だし、このオケらしい、渋くてやや暗めながらとても柔らかい響きは、やはりイイ。
第2楽章は、弦の静謐な響きがたまらない。これは全く美しい。野に咲く花のような、慎ましい美しさ。ジョギングの時に見かける、朝露に濡れた草花のような感じ。そしてそのしっとりとした潤いを感じる演奏。
まこと、コンセルトヘボウ管は美しいオケと思う。
第3楽章は独特のアクセントが随所に見られる。いよいよアーノンクールの本領発揮か。強弱のコントラストが大きく、ティンパニの強打も目立つ。迫力は十分。
フィナーレは快速。弦の刻みは鋭く、抉るような動きが感じられる。フレーズを短くスパッと切るところは、これぞアーノンクールだろう。
ダイナミックレンジも大きく、前の3つの楽章の優しい表現に比べて、峻厳激烈な感情が噴出する。響きは鋭く、室内楽的な感じであり、鋭角的にズバッと切れ込んでくる感じ。
演奏は、すべて繰り返しを行っているので、全曲演奏に41分かかります。
僕は「ジュピター」が大好きなので、全然気にならないのですが、聴き手によっては好みが分かれるかもしれません。
録音は標準的かな。
TELDECの録音なので、フィリップス・レーベルで聴くアムステルダム・コンセルトヘボウ管の響きとは少し違って、ややオンマイク的な録音・響きになっています。
これはこれで面白いです。
土日出勤であります。
そろそろ出かけましょう。
<モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」の自己リンクです>
■ベーム/ウィーン・フィル(1975年NHKライヴ)
■セル/クリーヴランド管
■クリップス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■レヴァイン/ウィーン・フィル
■カラヤン/ベルリン・フィル(1970年EMI盤)
■C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
■クリヴィヌ/フィルハーモニア管
■バーンスタイン/ウィーン・フィル
■クーベリック/バイエルン放送響
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■アバド/ロンドン響
2007/09/29のBlog
[ 02:06 ]
[ 器楽曲 ]
今日はピアノ曲であります。
シューマンの「子供の情景」作品15。
マルタ・アルゲリッチのピアノ独奏。
1983年4月、ミュンヘンのプレナーザールでの録音。DG盤。
カップリングは「クライスレリアーナ」。
これ、ジャケット写真が印象的なレコードだった。
アルゲリッチは何を考えていたのだろう。瞑想しているような、ボンヤリと何かを眺めているような・・・。心はここにない。魂はどこを浮遊しているのだろう・・・・・。
などと僕は考えながら、このレコードを手にした時を思い出す。
演奏はいたってクール。
感興の赴くままに弾いてゆくアルゲリッチではなく(実演の時など、全くスリリングなピアニストだ)、高度に計算され、理性的に解釈され尽くした感じの演奏。
だから、堅苦しい演奏かというと、全然そんなことはなく、きわめて詩情に富んだ演奏であって、これぞシューマンと云えるロマンの迸りも随所に聴ける。名演と思う。
ピアノの音が綺麗。文句なくキレイ。
アルゲリッチのピアノの音は、白く透明、澄んだ色合いで、そしてその音が適度の潤いとぬくもりを持っている。
惚れ惚れするほどイイ音。この音が、シューマンのファンタジーを紡ぎ出してゆく。
1曲目の「知らない国々」から、アルゲリッチの描くメルヘンの世界に誘われる。全く美しいピアノ。
「トロイメライ」は最高。名手が名曲を弾くと、ありふれたメロディも新鮮に聞こえてくるから不思議。夢見るような味わいが、たまらない。
「詩人のお話」のロマンティックな表現。ラストでは厳かな雰囲気さえ漂う。
「鬼ごっこ」の軽快さ、「おねだり」の柔らかさもイイ。
録音は今聴いても素晴らしい状態。
アルゲリッチの、たぶんスタインウェイでしょう、ピアノが余すところなく収録されていて、特に余韻が綺麗なのがエエです。
土日は出勤と相成りました。
まじめに働きまっしょい!・・・・(^^ゞ。
シューマンの「子供の情景」作品15。
マルタ・アルゲリッチのピアノ独奏。
1983年4月、ミュンヘンのプレナーザールでの録音。DG盤。
カップリングは「クライスレリアーナ」。
これ、ジャケット写真が印象的なレコードだった。
アルゲリッチは何を考えていたのだろう。瞑想しているような、ボンヤリと何かを眺めているような・・・。心はここにない。魂はどこを浮遊しているのだろう・・・・・。
などと僕は考えながら、このレコードを手にした時を思い出す。
演奏はいたってクール。
感興の赴くままに弾いてゆくアルゲリッチではなく(実演の時など、全くスリリングなピアニストだ)、高度に計算され、理性的に解釈され尽くした感じの演奏。
だから、堅苦しい演奏かというと、全然そんなことはなく、きわめて詩情に富んだ演奏であって、これぞシューマンと云えるロマンの迸りも随所に聴ける。名演と思う。
ピアノの音が綺麗。文句なくキレイ。
アルゲリッチのピアノの音は、白く透明、澄んだ色合いで、そしてその音が適度の潤いとぬくもりを持っている。
惚れ惚れするほどイイ音。この音が、シューマンのファンタジーを紡ぎ出してゆく。
1曲目の「知らない国々」から、アルゲリッチの描くメルヘンの世界に誘われる。全く美しいピアノ。
「トロイメライ」は最高。名手が名曲を弾くと、ありふれたメロディも新鮮に聞こえてくるから不思議。夢見るような味わいが、たまらない。
「詩人のお話」のロマンティックな表現。ラストでは厳かな雰囲気さえ漂う。
「鬼ごっこ」の軽快さ、「おねだり」の柔らかさもイイ。
録音は今聴いても素晴らしい状態。
アルゲリッチの、たぶんスタインウェイでしょう、ピアノが余すところなく収録されていて、特に余韻が綺麗なのがエエです。
土日は出勤と相成りました。
まじめに働きまっしょい!・・・・(^^ゞ。
2007/09/28のBlog
[ 05:24 ]
[ 管弦楽曲 ]
朝晩が涼しくなりました。ようやく秋が来たようです。
さて、今日は小品を。
「フランス管弦楽曲集」などによく入っているものです。
(最近は、こういう小品集があまりはやらないようですが、昔は沢山ありました。)
イベールの交響組曲「寄港地」。
ダニエル・バレンボイム指揮パリ管弦楽団の演奏。
1980年頃の録音。
CBSソニーの名曲全集からの1枚。
交響組曲は楽しい。目の前に風景が広がる。
この「寄港地」はイベール自身が海軍士官であった経験を生かして、地中海の各港を鮮やかに描き出している。
第1曲「ローマ~パレルモ」。
異国情緒漂う音楽。パリ管の管楽器は大変巧いし、弦楽セクションの合奏もとても美しい。後半では鮮烈なフォルティシモを楽しめる。色彩豊かで、しかもパリ管のパワーが炸裂して気持ちよい。
第2曲は「チェニス~ネフタ」
北アフリカ・エジプトから、やがてイスラーム系に向かってゆく、エキゾチックな音楽が続く。オーボエの鼻にかかったような音色が特にイイ。蛇遣いのようなところもあるのだが、オーボエの名技が楽しめるのは間違いない。
第3曲「バレンシア」。
スペインの舞曲風の音楽。オーケストラが気持ちよく鳴り渡るとともに、ソロの管楽器が、それぞれの表情で歌うのが楽しい。
パリ管の管楽器は巧い。やはり、フランスは「管」だ。
バレンボイムの指揮はあまりくどくならずに、アッサリと進めてゆく感じ。もっとも、この曲自体がアクが強いので(異国情緒満載だものね)、バレンボイムとしては手練手管を発揮しなくても、十分に鮮やかな音楽になったということかな。
ドイツ系を振って良し、フランスものやロシアものも巧い。バレンボイムは何でも屋だ。この「寄港地」は、パリ管の常任として、お国ものを無難に料理した一品とでも云うべきかな。
録音はまずまずといったところ。
パリ管の、独特の管の響きはよく捉えられていると思います。
さて、今日は小品を。
「フランス管弦楽曲集」などによく入っているものです。
(最近は、こういう小品集があまりはやらないようですが、昔は沢山ありました。)
イベールの交響組曲「寄港地」。
ダニエル・バレンボイム指揮パリ管弦楽団の演奏。
1980年頃の録音。
CBSソニーの名曲全集からの1枚。
交響組曲は楽しい。目の前に風景が広がる。
この「寄港地」はイベール自身が海軍士官であった経験を生かして、地中海の各港を鮮やかに描き出している。
第1曲「ローマ~パレルモ」。
異国情緒漂う音楽。パリ管の管楽器は大変巧いし、弦楽セクションの合奏もとても美しい。後半では鮮烈なフォルティシモを楽しめる。色彩豊かで、しかもパリ管のパワーが炸裂して気持ちよい。
第2曲は「チェニス~ネフタ」
北アフリカ・エジプトから、やがてイスラーム系に向かってゆく、エキゾチックな音楽が続く。オーボエの鼻にかかったような音色が特にイイ。蛇遣いのようなところもあるのだが、オーボエの名技が楽しめるのは間違いない。
第3曲「バレンシア」。
スペインの舞曲風の音楽。オーケストラが気持ちよく鳴り渡るとともに、ソロの管楽器が、それぞれの表情で歌うのが楽しい。
パリ管の管楽器は巧い。やはり、フランスは「管」だ。
バレンボイムの指揮はあまりくどくならずに、アッサリと進めてゆく感じ。もっとも、この曲自体がアクが強いので(異国情緒満載だものね)、バレンボイムとしては手練手管を発揮しなくても、十分に鮮やかな音楽になったということかな。
ドイツ系を振って良し、フランスものやロシアものも巧い。バレンボイムは何でも屋だ。この「寄港地」は、パリ管の常任として、お国ものを無難に料理した一品とでも云うべきかな。
録音はまずまずといったところ。
パリ管の、独特の管の響きはよく捉えられていると思います。
2007/09/27のBlog
[ 05:50 ]
[ 交響曲 ]
仲秋の名月はあいにく雲に隠れておりましたが、十六夜の月は美しく空に映えました。
秋です。
当地、伊予西条では秋祭りの準備に余念がありません。
西条祭りに備えて、秋の一斉清掃の連絡も回ってきました。
さて、今日は田舎暮らしにぴったりの音楽を。
ベートーヴェンの交響曲第6番 ヘ長調「田園」。
ラファエル・クーベリック指揮パリ管弦楽団の演奏。
1973年1月の録音。DG盤。クーベリックの全9曲を異なるオケを振って録音したベートーヴェン全集からの1枚。
スケールの大きい巨匠的な表現と、その中にあってしなやかによく流れ、歌うオーケストラが印象的な1枚。パリ管の明るい響きが素晴らしく、陽光を浴びて幸福な気持ちいっぱいの「田園」になっている。
第1楽章は大変ゆったりとしたテンポで始まる。ヨッフム、アバド、ザンデルリンク盤と同じくらいの遅さ、いやもっと遅いかな。大変おおらかでふっくらとしたテンポに思える。懐かしい気分さえする遅さ。
ヴァイオリンは左右の配置。これは楽しい。音楽的にも美しい効果を上げている。ベートーヴェンの交響曲には、この配置が断然面白いと僕は思う。
第2楽章もゆったりテンポ。足取り着実、腰を落として音楽が進んでゆく感じ。だからといってリズムが重くなることはないので、このへんはクーベリックの芸か。味わいはヨーロッパの田舎暮らし、まさに田園の趣。
ヴァイオリンの歌がイイ。アンサンブルもイイ。透明感がある。
そして木管。華やかささえ醸し出すフルート、オーボエ、クラリネットは、フランス独特の音。それらが渾然一体となるコーダの響きは素晴らしい。幸福な気分になれる。
第3楽章のスケルツォも木管が活躍、ホルンのコクのある響きもイイ。弦楽も管楽も明るい音で、これがトゥッティになると独特の響きを作り出す。南欧の明るい光に照らされたベートーヴェンだ。
第4楽章の嵐も立派な表現。クーベリックの風格十分の棒に、パリ管がよくついていると思う。力強い嵐だが、暴君的ではない、豊穣の前触れのような期待感がある嵐。
この楽章のみ、アンサンブルが少しゆるめ(というより、他の楽章がフランスのオケとしてはアンサンブルがしっかりしているとみるべきかな・・・・・?)
終楽章の豊かな音は格別。神への感謝が明るく歌われる。明朗で爽快なストリングス。柔らかく鼻にかかるような音でオシャレに歌う管楽器。
幸福な謙虚な感謝、崇高なものへの畏敬が伝わってくる。
録音はまずまずでしょう。
少し古びてきましたが鑑賞に支障なく、豊かな気持ちで聴けます。
実りの秋。四国は収穫の秋を迎えております。
<ベートーヴェンの「田園」 自己リンクです>
◆カイルベルト/バンベルク響
◆クレンペラー/フィルハーモニア管
◆バーンスタイン/ウィーン・フィル
◆カラヤン/ベルリン・フィル(1980年代録音)
◆ベーム/ウィーン・フィル
◆C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
◆ワルター/コロンビア響
◆ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆アバド/ウィーン・フィル
◆マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
◆ヨッフム/ロンドン響
◆セル/クリーヴランド管
◆スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
◆ケンペ/ミュンヘン・フィル
◆ラインスドルフ/ボストン響
◆モントゥー/ウィーン・フィル
◆コンヴィチュニー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
秋です。
当地、伊予西条では秋祭りの準備に余念がありません。
西条祭りに備えて、秋の一斉清掃の連絡も回ってきました。
さて、今日は田舎暮らしにぴったりの音楽を。
ベートーヴェンの交響曲第6番 ヘ長調「田園」。
ラファエル・クーベリック指揮パリ管弦楽団の演奏。
1973年1月の録音。DG盤。クーベリックの全9曲を異なるオケを振って録音したベートーヴェン全集からの1枚。
スケールの大きい巨匠的な表現と、その中にあってしなやかによく流れ、歌うオーケストラが印象的な1枚。パリ管の明るい響きが素晴らしく、陽光を浴びて幸福な気持ちいっぱいの「田園」になっている。
第1楽章は大変ゆったりとしたテンポで始まる。ヨッフム、アバド、ザンデルリンク盤と同じくらいの遅さ、いやもっと遅いかな。大変おおらかでふっくらとしたテンポに思える。懐かしい気分さえする遅さ。
ヴァイオリンは左右の配置。これは楽しい。音楽的にも美しい効果を上げている。ベートーヴェンの交響曲には、この配置が断然面白いと僕は思う。
第2楽章もゆったりテンポ。足取り着実、腰を落として音楽が進んでゆく感じ。だからといってリズムが重くなることはないので、このへんはクーベリックの芸か。味わいはヨーロッパの田舎暮らし、まさに田園の趣。
ヴァイオリンの歌がイイ。アンサンブルもイイ。透明感がある。
そして木管。華やかささえ醸し出すフルート、オーボエ、クラリネットは、フランス独特の音。それらが渾然一体となるコーダの響きは素晴らしい。幸福な気分になれる。
第3楽章のスケルツォも木管が活躍、ホルンのコクのある響きもイイ。弦楽も管楽も明るい音で、これがトゥッティになると独特の響きを作り出す。南欧の明るい光に照らされたベートーヴェンだ。
第4楽章の嵐も立派な表現。クーベリックの風格十分の棒に、パリ管がよくついていると思う。力強い嵐だが、暴君的ではない、豊穣の前触れのような期待感がある嵐。
この楽章のみ、アンサンブルが少しゆるめ(というより、他の楽章がフランスのオケとしてはアンサンブルがしっかりしているとみるべきかな・・・・・?)
終楽章の豊かな音は格別。神への感謝が明るく歌われる。明朗で爽快なストリングス。柔らかく鼻にかかるような音でオシャレに歌う管楽器。
幸福な謙虚な感謝、崇高なものへの畏敬が伝わってくる。
録音はまずまずでしょう。
少し古びてきましたが鑑賞に支障なく、豊かな気持ちで聴けます。
実りの秋。四国は収穫の秋を迎えております。
<ベートーヴェンの「田園」 自己リンクです>
◆カイルベルト/バンベルク響
◆クレンペラー/フィルハーモニア管
◆バーンスタイン/ウィーン・フィル
◆カラヤン/ベルリン・フィル(1980年代録音)
◆ベーム/ウィーン・フィル
◆C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
◆ワルター/コロンビア響
◆ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆アバド/ウィーン・フィル
◆マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
◆ヨッフム/ロンドン響
◆セル/クリーヴランド管
◆スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
◆ケンペ/ミュンヘン・フィル
◆ラインスドルフ/ボストン響
◆モントゥー/ウィーン・フィル
◆コンヴィチュニー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
2007/09/26のBlog
[ 05:36 ]
[ 交響曲 ]
今日も少し古い演奏です。
1970年代録音なので、そんなに古いもんじゃないんですが、演奏は少し古くなったような感じです(といっても、僕は好きなんですが)。
現代的な演奏と比べると、おそらく今ではこういう感じの演奏は聴けないんじゃないかと思います。
モーツァルトの交響曲第40番 ト短調 K.550。
ジャン・フランソワ・パイヤール指揮イギリス室内管弦楽団の演奏。
1977年12月、ロンドンのEMIスタジオでの録音。ERATO原盤。
フランス人の指揮者、オケはイギリス、プロデューサーは日本人(黒川昌満)、そして音楽はオーストリアという、国際色豊かな演奏。当時人気のあったパイヤールでモーツァルトの交響曲集をつくろうという、日本企画物にERATOが協力したものらしい・・・・という録音事情なのだが、このCDはビクターの名曲全集に収められているもの。
第1楽章、テンポはやや速め。
残響が多く心地よいのだが、小編成室内オケの歯切れのよさは今一歩かな。
音楽の運びは、聴き慣れた昔ながらのモーツァルト。リズムはよく弾んで、旋律線がしなやかに息づくのがイイ。
方向としては、ピリオド楽器登場前夜の、爽快モーツァルトの先駆になるのかな。
第2楽章も同様だが、穏やかな曲想の中に、うっすらと諦観が見える感じ。メリハリのきいたキビキビ感もあるのだが、音楽の底には、人生に対する達観のようなものが流れている演奏。
アンサンブルは美しく、特に弦楽器の揃い方は、実に几帳面。
第3楽章は、よく練られたアンサンブルによるスキのないメヌエット。特にフガートの部分が気持ちよく響く。「ジュピター」のフィナーレか、この40番のメヌエットか。モーツァルトのフーガは素晴らしい。
パイヤールも指揮をしていて気持ちよかったんじゃないか。手兵のパイヤール室内管ではなく、異国イギリスのアンサンブルを振りつつも、やはり揃い方ではフランスよりイギリスに一日の長あり、という感じだろうか。
終楽章は優美なフィナーレ。
残響が素晴らしく、心地よい音楽が部屋を満たしてゆく。高音部は羽毛のような柔らかさ。
パイヤールの音楽の運びは実にしなやか。
発売当時は、こぢんまりとしていながら、独自の新鮮さを放っていたと思われる。
録音状態は良好です。
フワッとしたモーツァルトの浮遊感はよく出ていると思います。
こういうモーツァルトは、もう流行らなくなったようです。
でもね、時々取り出して聴きたくなるんです。
トシのせいでしょうか。何となくノスタルジックなモーツァルトなんです。
1970年代録音なので、そんなに古いもんじゃないんですが、演奏は少し古くなったような感じです(といっても、僕は好きなんですが)。
現代的な演奏と比べると、おそらく今ではこういう感じの演奏は聴けないんじゃないかと思います。
モーツァルトの交響曲第40番 ト短調 K.550。
ジャン・フランソワ・パイヤール指揮イギリス室内管弦楽団の演奏。
1977年12月、ロンドンのEMIスタジオでの録音。ERATO原盤。
フランス人の指揮者、オケはイギリス、プロデューサーは日本人(黒川昌満)、そして音楽はオーストリアという、国際色豊かな演奏。当時人気のあったパイヤールでモーツァルトの交響曲集をつくろうという、日本企画物にERATOが協力したものらしい・・・・という録音事情なのだが、このCDはビクターの名曲全集に収められているもの。
第1楽章、テンポはやや速め。
残響が多く心地よいのだが、小編成室内オケの歯切れのよさは今一歩かな。
音楽の運びは、聴き慣れた昔ながらのモーツァルト。リズムはよく弾んで、旋律線がしなやかに息づくのがイイ。
方向としては、ピリオド楽器登場前夜の、爽快モーツァルトの先駆になるのかな。
第2楽章も同様だが、穏やかな曲想の中に、うっすらと諦観が見える感じ。メリハリのきいたキビキビ感もあるのだが、音楽の底には、人生に対する達観のようなものが流れている演奏。
アンサンブルは美しく、特に弦楽器の揃い方は、実に几帳面。
第3楽章は、よく練られたアンサンブルによるスキのないメヌエット。特にフガートの部分が気持ちよく響く。「ジュピター」のフィナーレか、この40番のメヌエットか。モーツァルトのフーガは素晴らしい。
パイヤールも指揮をしていて気持ちよかったんじゃないか。手兵のパイヤール室内管ではなく、異国イギリスのアンサンブルを振りつつも、やはり揃い方ではフランスよりイギリスに一日の長あり、という感じだろうか。
終楽章は優美なフィナーレ。
残響が素晴らしく、心地よい音楽が部屋を満たしてゆく。高音部は羽毛のような柔らかさ。
パイヤールの音楽の運びは実にしなやか。
発売当時は、こぢんまりとしていながら、独自の新鮮さを放っていたと思われる。
録音状態は良好です。
フワッとしたモーツァルトの浮遊感はよく出ていると思います。
こういうモーツァルトは、もう流行らなくなったようです。
でもね、時々取り出して聴きたくなるんです。
トシのせいでしょうか。何となくノスタルジックなモーツァルトなんです。
2007/09/25のBlog
[ 05:23 ]
[ 協奏曲 ]
今日は優しく爽やかな曲を。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58。
ラドゥ・ルプーのピアノ独奏、ズービン・メータ指揮イスラエル・フィルの演奏。
1977年2月、テルアヴィヴのマン・オーディトリウムでの録音。DECCA盤。
「1000人に一人のリリシスト」・・・・ルプーについて回るキャッチフレーズだが、確かにルプーのピアノで聴くベートーヴェンのピアノ協奏曲は、叙情的だ。
なかでも、この第4協奏曲は、曲想から云ってもルプー向きの名曲。
特に、高音がキラキラとしていて、光が揺らめいたり、瞬いたりするようなところが実に良い。クリスタル・グラスのような輝きが随所で聴ける。ホンマに美しいピアノ。フォルティシモでは輝きに満ち、ピアニシモでは静かに光を映すように鳴る。
メータ/イスラエル・フィルの伴奏は、しっとりと包み込むような潤い感がイイ。さすがに、弦楽セクションは素晴らしい。イスラエル・フィルといえば、まずは弦だろう。濡れたようなヴァイオリン群の響きは、他の楽団ではなかなか聴けない味わいと思う。
第1楽章のアレグロ・モデラートは19分。全曲35分の半分以上を占める長丁場が、しかし全く飽きない。ルプーのピアノの音に耳を澄ましていると、あっという間に時が流れてゆく。美しさに眩暈がするくらい。
カデンツァも最高だが、これで第1楽章が終わってしまうと思うと残念になるくらい。もっと聴いていたいと思わせるほど、この楽章は名演と思う。
第2楽章はアンダンテ・コン・モート。
ずっしりと重いチェロ、コントラバスと、ピアノの軽さとが対照的で美しい。アルペジオが特によい。
フィナーレは幸福と喜びのロンド。ピアノとオケの会話が楽しいし、アンサンブルも決まっている。ルプーの技巧は完璧で、聴き応え十分。特にピアノの美しさには、ここでも惚れ惚れする。
1977年のアナログ録音。今も素晴らしい音で聴けます。
マン・オーディトリウムは、そんなに良いロケーションではないと思うんですが、さすがDECCA、美しくまとめている好録音です。
連休の3日目は午後から雨。だいぶ降ったので、これで少しは涼しくなりますかな。
大学生の長男と次男は帰阪の準備であります。
授業は10月から。ようやく新学期であります。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58。
ラドゥ・ルプーのピアノ独奏、ズービン・メータ指揮イスラエル・フィルの演奏。
1977年2月、テルアヴィヴのマン・オーディトリウムでの録音。DECCA盤。
「1000人に一人のリリシスト」・・・・ルプーについて回るキャッチフレーズだが、確かにルプーのピアノで聴くベートーヴェンのピアノ協奏曲は、叙情的だ。
なかでも、この第4協奏曲は、曲想から云ってもルプー向きの名曲。
特に、高音がキラキラとしていて、光が揺らめいたり、瞬いたりするようなところが実に良い。クリスタル・グラスのような輝きが随所で聴ける。ホンマに美しいピアノ。フォルティシモでは輝きに満ち、ピアニシモでは静かに光を映すように鳴る。
メータ/イスラエル・フィルの伴奏は、しっとりと包み込むような潤い感がイイ。さすがに、弦楽セクションは素晴らしい。イスラエル・フィルといえば、まずは弦だろう。濡れたようなヴァイオリン群の響きは、他の楽団ではなかなか聴けない味わいと思う。
第1楽章のアレグロ・モデラートは19分。全曲35分の半分以上を占める長丁場が、しかし全く飽きない。ルプーのピアノの音に耳を澄ましていると、あっという間に時が流れてゆく。美しさに眩暈がするくらい。
カデンツァも最高だが、これで第1楽章が終わってしまうと思うと残念になるくらい。もっと聴いていたいと思わせるほど、この楽章は名演と思う。
第2楽章はアンダンテ・コン・モート。
ずっしりと重いチェロ、コントラバスと、ピアノの軽さとが対照的で美しい。アルペジオが特によい。
フィナーレは幸福と喜びのロンド。ピアノとオケの会話が楽しいし、アンサンブルも決まっている。ルプーの技巧は完璧で、聴き応え十分。特にピアノの美しさには、ここでも惚れ惚れする。
1977年のアナログ録音。今も素晴らしい音で聴けます。
マン・オーディトリウムは、そんなに良いロケーションではないと思うんですが、さすがDECCA、美しくまとめている好録音です。
連休の3日目は午後から雨。だいぶ降ったので、これで少しは涼しくなりますかな。
大学生の長男と次男は帰阪の準備であります。
授業は10月から。ようやく新学期であります。
2007/09/24のBlog
[ 06:01 ]
[ 室内楽曲 ]
今日は室内楽を聴いております。久しぶりです。
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 作品97「大公」。
ウラディーミル・アシュケナージ(Pf)、リン・ハレル(Vc)、イツァーク・パールマン(Vn)の演奏。
1982年2月、ニューヨークのRCAスタジオでの録音。EMI盤。
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲では、やはりこの「大公」が傑作と思う。
この演奏は、録音当時、若手中堅を代表する名手3人組によるもの。伸び伸びとした、
躍動感あふれる演奏が実に心地よい。
第1楽章はアレグロ・モデラート。伸びやかな楽想が美しく、3つの楽器の対話が微笑ましい。
アシュケナージの爽やかで透明度の高い音色と、スケールの大きな演奏ぶりに乗って、ヴァイオリンとチェロの名手二人が、大らかで朗らかな演奏を聴かせてくれる。アンサンブルの美しさで聴かせると云うよりは、ソリストの名技を前面に押し出してくるスタイル。(1980年代までは、こんな感じの演奏が多かったように思う)
奏者は皆40歳代。演奏家として最も脂ののっているころだった。
楽章ラストの盛り上がりはさすが。
第2楽章はスケルツォとトリオ。
ここも3人の会話が楽しい。室内楽を心から楽しんでいる感じ。互いの音に耳を澄ませながら、云いたいことはちゃんと前に出て言うよ・・・・という印象。
アシュケナージのピアノが素晴らしい。安定感抜群で、この演奏をグイッと引き締めている。
第3楽章はアンダンテ・カンタービレ・マ・ペロ・コン・モト。
主題が美しく奏され、4つの変奏が続く高雅な楽章。
アシュケナージはここでも好調。そして、ハレルのチェロの深々とした響きが実にイイ。心落ち着く優しい音色と深い響き。速いパッセージではユーモラスな表情を浮かべる。その自在さも良い。
いかにもベートーヴェン的な変奏曲。奏者が上手いと、聴いていて楽しい。
第4楽章はアレグロ・モデラート。
3人ともさらに調子を上げてきた感じで、演奏が熱を帯びてくる。
パールマンのヴァイオリンは雄弁で、実に気持ちよく歌う。アシュケナージも音が強く、ピシッと締まりのある演奏。ラストは3人とも熱い。
(こうして聴いていると、ハレルのチェロがトータルでは少し弱いのかな・・?)
録音は、「う~む・・」という感じ。
弦の音がカサつくところや音の伸びに欠けるところがあります。
EMIはこのころから録音が悪くなったのかな・・・・と思ったりもします。
演奏がイイだけに、ちと残念なのであります。
彼岸です。
父が逝って半年、家族みんなで墓の掃除と焼香です。
こんなに蒸し暑い彼岸も珍しい。墓石に多めに水をかけてやりました。
父もちと涼しくなったかいな。
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 作品97「大公」。
ウラディーミル・アシュケナージ(Pf)、リン・ハレル(Vc)、イツァーク・パールマン(Vn)の演奏。
1982年2月、ニューヨークのRCAスタジオでの録音。EMI盤。
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲では、やはりこの「大公」が傑作と思う。
この演奏は、録音当時、若手中堅を代表する名手3人組によるもの。伸び伸びとした、
躍動感あふれる演奏が実に心地よい。
第1楽章はアレグロ・モデラート。伸びやかな楽想が美しく、3つの楽器の対話が微笑ましい。
アシュケナージの爽やかで透明度の高い音色と、スケールの大きな演奏ぶりに乗って、ヴァイオリンとチェロの名手二人が、大らかで朗らかな演奏を聴かせてくれる。アンサンブルの美しさで聴かせると云うよりは、ソリストの名技を前面に押し出してくるスタイル。(1980年代までは、こんな感じの演奏が多かったように思う)
奏者は皆40歳代。演奏家として最も脂ののっているころだった。
楽章ラストの盛り上がりはさすが。
第2楽章はスケルツォとトリオ。
ここも3人の会話が楽しい。室内楽を心から楽しんでいる感じ。互いの音に耳を澄ませながら、云いたいことはちゃんと前に出て言うよ・・・・という印象。
アシュケナージのピアノが素晴らしい。安定感抜群で、この演奏をグイッと引き締めている。
第3楽章はアンダンテ・カンタービレ・マ・ペロ・コン・モト。
主題が美しく奏され、4つの変奏が続く高雅な楽章。
アシュケナージはここでも好調。そして、ハレルのチェロの深々とした響きが実にイイ。心落ち着く優しい音色と深い響き。速いパッセージではユーモラスな表情を浮かべる。その自在さも良い。
いかにもベートーヴェン的な変奏曲。奏者が上手いと、聴いていて楽しい。
第4楽章はアレグロ・モデラート。
3人ともさらに調子を上げてきた感じで、演奏が熱を帯びてくる。
パールマンのヴァイオリンは雄弁で、実に気持ちよく歌う。アシュケナージも音が強く、ピシッと締まりのある演奏。ラストは3人とも熱い。
(こうして聴いていると、ハレルのチェロがトータルでは少し弱いのかな・・?)
録音は、「う~む・・」という感じ。
弦の音がカサつくところや音の伸びに欠けるところがあります。
EMIはこのころから録音が悪くなったのかな・・・・と思ったりもします。
演奏がイイだけに、ちと残念なのであります。
彼岸です。
父が逝って半年、家族みんなで墓の掃除と焼香です。
こんなに蒸し暑い彼岸も珍しい。墓石に多めに水をかけてやりました。
父もちと涼しくなったかいな。