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クラシック音楽のひとりごと
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2007/12/06のBlog
カラヤンEMI全録音集が来年2月に発売されます。2巻分売の激安ボックス。
カラヤンの生誕100年を記念しての発売で、恐らく他のレーベルでも同様のものを出してくるんでしょう。
EMIの場合はとにかく安い。第1集(管弦楽曲編)が87枚組、第2集(声楽・オペラ編)が71枚組。2つ合わせてもHMVなら4万円ちょっとで買えてしまう価格であります。モノラル・ステレオ合わせて158枚が4万円で揃ってしまう・・・・・う~ん・・・欲しいなぁ。
皆さんはもう注文されましたか?

EMI盤のカラヤンは、結構持っているんです。モーツァルトやシューベルト、シベリウス、そしてヴェルディやワーグナーの歌劇・楽劇など、すでに所持しているLP・CDは沢山あります。当然ダブり買いです。でも、この価格ならダブってでも欲しいなぁ・・・と思わせられます。モノラル時代のカラヤンは殆ど聴いたことがないので、この際、是非聴いてみたいですしねぇ・・・。

例えば、今日聴いているCDなど、輸入盤でも購入当時は3枚組5,000円はしていたはずなんですが・・・名演奏と思います。

ヴェルディの歌劇「アイーダ」全曲。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場合唱団の演奏。
1979年5月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。EMI原盤。
このころ、カラヤンはザルツブルク音楽祭で上演するオペラをEMIに録音し、観客は殺到するし、レコードも売れるし・・・と相乗効果の商売上手ぶりを発揮していた。しかし、今聴いても、素晴らしい演奏。最高級のオペラが聴けると思う。カラヤンは劇場の人だったとつくづく思う。

キャストがスゴイ。書くだけでワクワクしてくる、ベスト・キャスト。
■アイーダ;ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)
■ラダメス;ホセ・カレーラス(テノール)
■アムネリス;アグネス・バルツァ(メゾ・ソプラノ)
■ランフィス;ルッジェーロ・ライモンディ(バス)
■アモナスロ;ピエロ・カプッチッリ(バリトン)
■エジプト王;ジョセ・ヴァン・ダム(バリトン)

1970年代のフレーニは絶好調。プッチーニも素晴らしかったが(蝶々夫人やミミ)、ヴェルディでもリリカルな美しい歌声。ホンマに綺麗。
カレーラスのラダメスは、知的で純粋な青年将軍という感じ。肉付きはスマートで、端正な歌い振り。感性豊かで若々しい歌声がとても心地よい。素直な歌と思う。
アグネス・バルツァも絶好調。存在感たっぷり。アムネリスの恐さも十分。しかも声が強い。この人の声は、迫力がある。

しかし、それ以上にスゴイのはカプッチッリ。この低音の充実。迫力。アイーダもラダメスも、この迫力にはかなわない。素晴らしい。こんな深々とした声で、劇的に歌われたら、そりゃたまらんわなあ。この人の声、この絶唱を聴くだけでもこのCDを聴く値打ちありと見た。

そして、ライモンディにヴァン・ダム、リッチャレッリも出てくるという豪華メンバー。舌なめずりして聴くような美味しさ。ただでさえ面白いこの歌劇を、さらに上等に料理した最高級の旨さ。

さらに、スゴイのがカラヤンの演出とウィーン・フィルの響き。
YAMAHAのアイーダ・トランペットを聴けるのも、日本人として素直に嬉しいし、輝かしく鮮やかなウィーン・フィルの響きが実に感動的。
カラヤンの指揮はかゆいところに手が届く精妙さ。「そうそう、ここはこうやってくれなくちゃ」という場面が聴いていて沢山ある。さすが。
凱旋の場面良し、バレエも美しくスケール豊か。ラストの悲劇など、聴いていて滂沱たる涙・・・(とは大げさかいな?)

録音も素晴らしいです。アナログ録音の傑作。
EMIには不満の多いワタクシでありますが、この「アイーダ」は別格。
音の広がり、鮮度、余韻、文句なしであります。
演奏が素晴らしいからでしょうか、録音も抜群に聞こえます。
2007/12/05のBlog
昨日のマーラーに続いて、本日もシカゴ響の演奏を。

先日、新居浜のタワーレコードを覗いてみると、年末のバーゲン実施中。
ふだん1,750円で販売しているRCAのリヴィングステレオ盤SACDが990円というので、1枚買ってみました。
初めてのSACD(ハイブリッド盤)であります。尤も、僕はSACDプレーヤーを持っていないので、音はCD並みになるんでしょうが。

購入したのはR・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」。
フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団の演奏。
ヴァイオリン独奏はシドニー・ハース。
データによれば、1960年2月8日の録音(1日のテイク!)。RCA原盤。

男らしい、ガッツあふれる「シェエラザード」。
推進力満点、サウンドは豪快。剛毅と言ってもいいくらい。
音も素晴らしい。1960年の録音としては恐らく最高レベル。リマスタリングが良いのか、この当時のRCAの技術が素晴らしいのか、実にハイファイな音。
音の広がり、奥行きとも申し分なし。音の艶も十分にあって、非常に生々しい音がする。弦楽器など、「松ヤニが飛んできそうな」と、よく使われる表現が全くふさわしい、生々しさ。ある意味では、そのまんまの色づけなし、野性的な音と云ってもいいかな。
ともかくスゴイ迫力。

シカゴ響も巧いが、やはり、ライナーのトレーニングの賜物だろうと思う。素晴らしい管弦楽。

第1楽章の迫力は大音量で聴きたいところ。怒濤の寄り身で迫ってくる横綱相撲。その辺のヤワなシェエラザードなど吹っ飛んでしまいそう。強靱な音楽でもある。ライナー、恐るべし。そしてシカゴ響の圧倒的なサウンド、さらにそれを見事に捉えたRCAの録音は褒められてよいだろうな。

第2楽章。旋律も美しいが、太く強くザックリと描き出してゆく感じ。
個々の楽器の音が太い。リアルな音と云うべきか、非常に実在感がある音。
金管も木管も前に前に出てくる。自分の存在をアピールしているような演奏ぶり。そもそも、この曲は素晴らしいオーケストレーションで出来ていて、オケの能力が存分に発揮できる曲、しかもソロのプレイがナンボでもあって、聴いていて実に楽しい。
この演奏は、シカゴ響の実力が、遺憾なく発揮されていて文句なしの名演と思う。

第3楽章「若い王子と王女」。
チェロの深々とした響きがイイ。そして、テンポが伸縮して、時にルバートも楽しい。実に効果的。
前の2つの楽章が、直截的な表現だったのに比べて、この楽章は多分に演出的。表現も上々的と思う。

そしてフィナーレは圧倒的な迫力サウンド。
怒濤の攻撃、一気呵成に破滅へと向かってゆく。スゴイ迫力。
音もスゴイ。オケが唸る。雄叫びを上げる。凄まじい。それをさらに煽ってゆくライナー。

いやぁ、スゴイ。大したもんです。


<「シェエラザード」の自己リンクです>
◆カラヤン/ベルリン・フィル
◆プレヴィン/ウィーン・フィル
◆チョン・ミュンフン/パリ・バスティーユ管
◆コンドラシン/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆クリヴィヌ/フィルハーモニア管
◆マゼール/ベルリン・フィル
◆デュトワ/モントリオール響
◆ムーティ/フィラデルフィア管
◆アシュケナージ/フィルハーモニア管
2007/12/04のBlog
久しぶりに『レコード芸術』を買いました。12月号です。
特集が気になりまして。第1特集のトスカニーニが目当てではなく(僕はトスカニーニは殆ど知りません(^^ゞ)、第2特集が読みたかったのです。
「ショルティ没後10年」。

ああ、ショルティ死してはや10年か。そして、日本では(特に『レコ芸』は)ショルティに冷たかったのが、こうして特集されるようになったかと一抹の感慨を覚えながら読んだのであります。その中に、「実はショルティのこと好きなんです」という表現がありまして、我が意を得たり。
「ええ、ワタクシ、実はショルティ好きなんです」。

というわけで、今日はショルティのLPを聴いてます。

マーラーの交響曲第5番 嬰ハ短調。
ゲオルク・ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1970年3月、シカゴのメディナ・テンプルでの録音。DECCA原盤。
ショルティがシカゴ響の音楽監督に就任して間もなくの録音で、このコンビによるマーラー全集第1作だった。

「ショルティ大戦車軍団」の輝かしく、かつ堂々たる行進。
(「パットン大戦車軍団」ではありません(^^ゞ。しかし、イメージは、あの感じだなぁ)もっとも、ショルティは司令官や参謀ではないぞい。やはり彼は現場の第一線、鬼軍曹が似合いそう。部下を叱咤激励して前線に駆り立てる、もちろん自らも飛び込んでゆく勇猛果敢な鬼軍曹。
ショルティ/CSOの、マーラーの5番交響曲を聴いていると、そんなことを連想してしまう・・・・。

第1楽章は葬送行進曲だが、あまり湿っぽくないのがこのコンビのイイところ。インテンポで威風堂々たる行進曲。金管が圧倒的、トランペットなど巧すぎて、聴いていてただ絶句するのみ。弦楽も素晴らしい響き。
件の『レコ芸』では弦楽セクションが金管に比べて落ちるとの評があったが、なんのなんの、LPで聴くと弦楽はとても柔らかく十分に美しいし、アンサンブルも素晴らしい。評者は余程音の悪い、ささくれだったCDでも聴いてるんじゃないかい?・・・と悪態の一つでもついてみたくなる。

第2楽章は、この曲につきものの妖しさが皆無。マーラーっぽくないのかもしれないが、明晰で推進力のあるショルティの指揮振りは、実に素晴らしいと思う。その迫力たるや、凄味さえ漂う。
オケも勇猛な突進を聴かせる。腰の据わった響き、掴みかかるような迫力。
ヤワなマーラーなどクソ喰らえ、これぞ男のマーラーぞよ、とでも云っているかのよう。
第3楽章はホルンの名技を堪能できる。巧い。そして音が強い、大きい。
金管・木管・弦楽が一体となった素晴らしいスケルツォ。個々のプレイは唖然とするほどの巧さ。
シカゴ響の実力たるや、全く圧倒的。パワーもスゴイ。いくらでも音量が上がってゆく感じ。大音量でも十分な余裕がある。車で云えば、爆発的ハイパワーのエンジンを搭載しながら、普通に走っている感じかな。
ホルンとトランペット、トロンボーンの朗々たる響きを聴いていると、心が大きく広がる気分。小さいことにクヨクヨしなさんな・・・・そんなショルティの声が聞こえてきそう。

ショルティのスゴイのは、第4楽章、この有名なアダージェットでさえも、推進力のある演奏にしてしまうことだろう。このマーラーは立ち止まらない。メソメソしない。強い。そして、常に前向き。情感よりも明晰を、持って廻った婉曲表現よりも直截的な物言いを大切にしている。それがショルティのマーラーなのだと思う。
(だから、好き嫌いが分かれるんでしょうなぁ・・・・)

フィナーレは圧倒的。シカゴ響のパワーが炸裂。技術的にも申し分なく、響きも美しく洗練されている。
金管の咆吼は凄まじく、木管や弦楽をグイグイ引っ張ってゆく。力強い終楽章と思う。
ショルティは豪腕・鉄腕・快腕であって、重い剛速球をドスンドスンと投げ込んでくる。スゴイ。ただ唖然。

録音は上々であります。さすがDECCA。
LPの方が、明らかに音が柔らかいので、好みです。
DECCA輸入盤のCD全集の1枚は、音が硬く乾いた感じがします。
濡れたような弦楽の響きは、LPが上回るようです。
2007/12/03のBlog
冬になりましたので、チャイコフスキーを聴きたくなりました。

そこで、今日は「悲愴」を。
チャイコフスキーの交響曲第6番 ロ短調 作品64「悲愴」。
小澤征爾指揮パリ管弦楽団の演奏。
1974年2月、パリのサルワグラムでの録音。フィリップス盤。
懐かしいLPレコードで、2枚組。カップリングはドヴォルザークの「新世界」。
15PC5007/8というレコード番号。定価3,000円。1978年の発売で、この頃の小澤はフィリップスの看板指揮者だった。

タスキをそのままにしていたので、眺めていると妙に懐かしい。
このフィリップスの「グレイト・アーティスト・ダブル」というシリーズは、年末のボーナス・シーズンを当て込んで、11月末の発売。当時は、ポリドール(DG)もキングレコード(DECCA)も、東芝(EMI)も、比較的新しい録音のLPを2枚組3,000円の廉価盤仕様にして売り出していたものだった。LPレギュラー盤は2,500円~2,800円だったから、6割程度の価格設定だったのだが、大学生協ではレコードは2割引で買えるので、つまり2,400円、1枚1,200円ということになるので、これは貴重だった。僕はワクワクして予約したものだった。だいたい、「限定盤」だったので(これもレコード会社の売らんがための戦略だったのだろうが)、予約しておかないと、大学生協ではなかなか入手できなかったのだった。

で、タスキの裏を見ていくと、ホンマに懐かしいラインナップ。フィリップスのスター・アーティストの2枚組だ。(リンクは、拙ブログにてすでにエントリー済みのものです。)
■C・デイヴィスは、シベリウスの交響曲第2番(BSO)ベルリオーズの幻想交響曲(ACO)
■マリナーはハイドンのロンドン・セットから交響曲4曲、ニックネームつきのもの。
■ハイティンクはシューベルトの「グレート」チャイコフスキーの交響曲第5番(いずれもオケはACO)。
■ケンペはブルックナーの交響曲第8番とベートーヴェンの「運命」(チューリヒ・トーンハレ管)。
■シェリングはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ブラームスのヴァイオリン協奏曲(バックはハイティンク/ACO)。
■グリュミオーはメン・チャイとモーツァルト2曲のヴァイオリン協奏曲。

う~ん・・・・当時のスターばかり。後に僕は、LPやCDでこれらの演奏は入手したのだが、ケンペ盤は未聴。惜しかった。これはこの時買っておくべきLPだったなぁ・・・・。
ビンボー学生が憧れのまなざしでレコード屋に出入りし(それは高田馬場のムトウであり、御茶ノ水のディスク・ユニオンであり、数寄屋橋のハンター、銀座のモール名盤堂であった)、指をくわえたまま買えることが多かったが、やがて、ようやく手にしたLPを大切に聴きこんだ・・・・あの頃を思い出しました。

今、激安ボックスなど湯水のごとくCDを買い込み、結局全部聴けずに放っておく・・・・そんな贅沢な暮らしをしている自分が恥ずかしい・・・ホンマに、ワタクシは進歩したのか・・・・。自問自答であります。


ありゃ、小澤/パリ管の「悲愴」のエントリーでありました(^^ゞ。

これは、もうパリ管の華麗な響きが楽しい、明るめの「悲愴」。
小澤のリズム感が良く、第1楽章など切れ味鋭い演奏が聴ける。
第2楽章は涙の中の微笑み。大変叙情的な演奏が感動的。
第3楽章は豪快そのもの、フィナーレはもう少しファイト、という感じだが、全編を通じて小澤の指揮が若々しく、潤いのある「悲愴」になっている。
瑞々しい佳演というべきかな。
パリ管らしく、管楽器がとても良いのだが、それ以上に弦楽セクションが一貫してデリケートな響きを聴かせてくれる。これ、小澤の指揮の賜物かな。

録音良好。LPの暖かさが、特に心地よいようです。

いやはや、今日は昔話になってしまいました。スミマセン。
2007/12/02のBlog
Doblogのメンテナンスが朝まで続いておりました。この数日、かなり重かったので少しは改善されたかな?
というわけで、更新が少し遅くなりました。スミマセン。

さて、師走です。
師走といえば第九です。合唱です。
僕はミーハーですから、年末になると第九が聴きたくなります。ああ日本人!
今月は沢山第九を聴きたいと思います。

まずは愛聴盤から。

ベートーヴェンの交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱」。
オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ、ベルリン放送合唱団の演奏。
独唱は、マクダレーナ・ハヨーショヴァー(S)、ウタ・プリーヴ(A)、エバーハルト・ビュヒナー(T)、マンフレート・シェンク(Bs)。
1982年6月、東ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DENON盤。ドイツ・シャルプラッテンとの共同製作。

今も、最も良い音で聴けるベートーヴェン交響曲全集。
DENONの優秀録音はLPで聴いてもCDで聴いても素晴らしい。今日は、より暖かみのあるLPを取り出した。LP3面、もう1面は2番交響曲が収められているもの。
作りが丁寧。ジャケットも美しいし、レコードの中袋も他社と違って入念につくられたポリ袋。上等なもので、静電気が起きにくいように工夫されていた。「所有する悦び」を教えてくれるLPでもあった。

演奏ももちろん素晴らしい。
スウィトナーらしく明晰で確固たる構成。響きはやや明るく、音楽は前向き。造形に優れ、オーケストラとの呼吸もぴったり、聴いていて実にすがすがしい。

ベルリン・シュターツカペレもおそらく当時全盛期だったと思う。スウィトナーがベルリン国立歌劇場の音楽総監督を務めた1964年から1990年の間、特にその中盤から後半では、素晴らしい録音が遺されたと思う。今も、DENONや独シャルプラッテンに素敵なLPやCDが沢山ある。それらを聴いていると、何と良いオーケストラかと、つくづく思う。
アンサンブル、響き、構成感、真摯な姿勢など、今も感動的。録音の多くは、独シャルプラッテンなので、多分に国策的なものとは思うのだが、それにしても(それだから、か?)、懸命な演奏には好感が持てる。

この「合唱」もスウィトナーとベルリン・シュターツカペレの良さがよく出ている。

第1楽章は盤石の安定感。オーケストラの音そのものが素晴らしい。
決して派手ではなく、どちらかと言えば地味な音だと思うのだが、しっとりと潤いのある音で、弦楽セクションなどは得も言われぬ風情がある。野に咲く花のよう、と云うべきか、いぶし銀とでも云うべきか。
素朴な音を響かせる木管、上品な金管、そして全てがバランスよく鳴っているのがまた心地よい。極上のブレンド、最高品質の音楽が眼前に展開する。

第2楽章は、緊張感が快い。
ティンパニの音が強靱でかつ美しい。スウィトナーの作り出す音は迫力もあるが、総じて美しい。リハーサルを十分に積んでオケの持つ美質を丹念に引き出す、スウィトナーの職人気質でもあるだろう。
音楽は緊迫しているのだが、響きは実に心地よい。聴いていてしあわせ。引き込まれてしまう。

第3楽章は心洗われるアダージョ。スウィトナーのとるテンポは全く中庸。遅すぎてベトつくこともなく、速すぎて素っ気ないこともない。ああ、このテンポ、この運びと聴いていて納得できる。
ホルンが好演。徐々に盛り上がる弦楽セクションはことのほか美しい。

そして絶品のフィナーレ。合唱も独唱も見事な熱演。
録音が良いので、合唱と一体となって聴ける感じ。
ああ、ベートーヴェンは何と素晴らしい音楽を書いてくれたのか、と感謝したくなるような名品。感銘大きい。

録音は今も瑞々しい、最高の音であります。
LPの暖かみも良し、CDでは、よりクリアな音場が広がります。
愛聴盤、これからも永く聴き続けることでしょう。


スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレのベートーヴェン交響曲全集のエントリー完成しました。
■第1番・第2番
■第3番「英雄」
■第4番
■第5番「運命」
■第6番「田園」
■第7番
■第8番
2007/12/01のBlog
いよいよ12月。今年も残り少なくなりました。あと1ヶ月。
寒くもなりましたが仕事は忙しい。年末の慌ただしさ、みなさん頑張りましょう♪

さて、今日はヴァイオリン協奏曲です。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64。
諏訪内晶子のヴァイオリン独奏、ウラディーミル・アシュケナージ指揮チェコ・フィルの演奏。
2000年9月、プラハのドヴォルザーク・ホールでの収録。
カップリングはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。すでにエントリー済みであります。
これ諏訪内の名演。チャイコフスキーも素晴らしかったが、こちらの方が諏訪内の気質には合うのではないかと思う。哀愁とメランコリー、心の揺れ動きが真摯に格調高く歌われてゆく。
メンデルスゾーンの宝石をちりばめたような美しいメロディライン、これを諏訪内は透明感のあるヴァイオリンで、実に美しく、時には真面目すぎるくらいに弾きあげる。美女の弾くヴァイオリンは、いや、ホンマにエエもんです。特に諏訪内は美人、少し取り澄ましたところが表情にも演奏も見える、そこがまたよろしい。
高音の細い音がスーッと伸びてゆくところなどは、ゾクゾクするような色気。硬質の美しさ、冷たく燃える妖しさとでも云うべきか。

第2楽章の情緒たっぷりの旋律を、硬質に歌い上げる諏訪内は立派。素晴らしい歌。
その感情はべたつかず、サラサラした叙情的なもので、清潔にして可憐。ほのかな色気がとても良い。
尤も、僕は、もう少し乱れてもいいのにとも思うが・・・・例えば、腰をくねらせるようなところがあっても良いのに。
でも、そこが諏訪内の見識なのかもしれない。

フィナーレでの諏訪内の技巧が冴え渡る。冬の夜の月、煌々と蒼白く輝く月のような怜悧なヴァイオリン。その響きは実に心地よい。緊張感漂う演奏であって、しかもその姿勢は常に真摯。素晴らしい演奏と思う。

アシュケナージの伴奏も美しい。磨き上げた音で、諏訪内を支えてゆく。
チェコ・フィルも好調と見た。

録音は割と平凡。
2000年9月の録音、我が家では最新部類の録音なのだが、ペタッと平板な感じがする。フィリップスの「最新録音」ということで期待しすぎたか、こちらの体調が悪いのか。
普通の録音といった感じでありました。

2007/11/30のBlog
いやはや、もう暖房が要りますな。
四国は暖地ですので、暖房が要らないかというとそうでもありません。人々は薄着なので(関東に比べて1枚少ないかな)、寒がりの人が多いのです。コートなどもふだんは着ないですからね・・・・。
でも、冬です。明日から師走。暖房の季節です。

さて、今日はドヴォルザークの佳曲を。

ドヴォルザークの交響曲第7番 ニ短調 作品70。
エリアフ・インバル指揮フィルハーモニア管の演奏。
1990年10月、セント・オーガスティン・チャーチでの収録。TELDEC原盤。
国内盤2枚組2,000円の廉価盤であります。

この曲はブラームスの第3交響曲に刺激されて、ドヴォルザークが自分もこのような交響曲を書いてみたいと手がけた作品。ロンドンに招かれての初演は大成功、「イギリス国土でのボヘミアの作曲家の新しい勝利」と賞賛されたという。

第1楽章アレグロ・マエストーソなど、確かにブラームス風。ボヘミアの香りがあちらこちらから漂ってくるが(特に管楽器の素朴な響きは、ボヘミアだなぁと思う)、ドヴォルザークの気合いが入っているのが分かる。
インバルの指揮は精妙で、オケの隅々までよく見える感じ。よく見えるクールな指揮ぶりなのだが、音楽がクールと云うことはなく、フィルハーモニア管の好演もあって、出てくる音は十分に熱い。響きはクリア。
ドヴォルザークの心意気が伝わってくる感じ。

第2楽章はポーコ・アダージョ。懐かしい歌、郷里のほのぼのとした空気が全編に漂う佳曲。やはりここでも管楽器が良い。フルートもホルンも、優しく甘く美しく旋律を奏でる。フィルハーモニア管、好調。個々の技量が確かなもので、インバルの意図が行き届いているのが分かる。
構成はシンフォニック、旋律はロマンティック、美しい楽章となった。

第3楽章、四分の六拍子という変則なリズムで弾むように始まるところは、実に楽しい。ドヴォルザークのボヘミア魂丸出しの楽章。チェロとファゴットが主題を何とも味わい深く歌い出すところなど、絶品と思う。

フィナーレは骨太の演奏。教会での録音のせいか、響きが豊かに広がってゆく。
インバルの指揮は精妙、かつ精力的。そして真摯にこの交響曲を仕上げてゆく。
ドヴォルザークの大傑作は、交響曲でいえば8番と9番と思うが、その序奏がこの第7交響曲で始まっていたのだということが、インバルの演奏で聴いていると、よく分かる。
これ名曲。

インバルの音楽は、いつも新鮮で鮮烈。何か新しい発見があります。
この交響曲でも、後年の傑作に続く名曲たることが見えてきました。

録音は万全。クリアでかつ豊かな響きを味わえます。
残響がよく、聴いていると幸福な気分になります。倍音成分が多いためでしょう。
2007/11/29のBlog
2日間出張しておりました。これから年の瀬までは忙しい日々が続きます。
そして、めっきり寒くなりました。
初冬の寒気で、職場のイチョウの色づきがピークであります。

さて、今日は・・・・。

ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」作品34。
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏。
1957年3月の収録。CBS盤。

昔懐かしい、小学校の鑑賞音楽。
音楽の先生が解説しながら聴かせてくれた「パーセルの主題による変奏曲とフーガ」。

ブリテンが英国文部省の求めに応じて書いた教育用音楽と云うが、耳を澄ませていると実に美しい音楽。懐かしいだけではない、ホンマに美しい名曲と思う。
旋律良し、変奏曲も楽しい。何よりオーケストレーションが素晴らしい。
子供たちだけに聴かせておくのは勿体ないぞい。

しかも今日のCD、演奏はオーマンディ/フィラデルフィア管、天下の美音、ゴージャスサウンドで聴かせてくれる。ブリテンの音楽が豪華絢爛、鮮烈な音で蘇る感じ。
指揮もイイし、オケの技術も抜群の安定感。

録音は50年も前、ステレオ初期の大昔のものだが、今も十分に美しく、かつ、生々しい。ヒスノイズが少々耳につくが、個々の楽器の美しさ、生々しさは格別。優秀録音だろう。現代の録音より、かえって自然な感じがする。
しかも、アメリカの1950年代の明るさ、フィフティーズ的なノリも感じられる。素晴らしい録音と思う。

金管楽器の蕩けそうなくらいの美音。もう甘ったるいほど。
打楽器は精力的でカッコイイ。シャープな音が、オーケストラを引き締める。
ハープの響きは瑞々しく鮮やか。甘く切ない美音でもある。

ブリテンには多くの素晴らしい作品があります。
でも、ブリテンはいつまでも「青少年のための管弦楽入門」の作曲家であります。
ド素人の僕には、これが一番なじみやすく、懐かしい作品なんです。
2007/11/26のBlog
穏やかな3連休でした。四国伊予路は晩秋の風、落ち葉の音、良い日和でありました。

さて、今日もウィーン・フィルのベートーヴェンを聴いています。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15。
フリードリヒ・グルダのピアノ独奏、ホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
11971年、ウィーンのソフィエンザールでの録音。DECCA盤。
今聴いているのは国内盤LPでキングが発売していた廉価盤。K15C9032というレコード番号で1,500円盤。

ウィーン・フィルをバックにしたベートーヴェンのピアノ協奏曲は沢山あるが、これだけ美しく録られているのはチト他に考えつかない。DECCAの見事な録音で、惚れ惚れするほどの輝き、艶のある美音が部屋一杯に広がる。大変幸福な1枚。

グルダのピアノがもちろんメインであって、見事なピアニズム。
ベートーヴェンがしかめっ面をせず、明朗な表情で、穏やかに微笑んで、聴き手の前に現れる。音色は透明で、玲瓏たる輝き。ベーゼンドルファー特有のソフトな暖かみもイイ。そして、グルダの良いところは、音楽を心から楽しんでいるところだろう。聴いていると、こちらも楽しくなる。
リズムはよく弾み、メロディは美しく歌う。めまぐるしいまでのパッセージはキラキラと光り輝く。

第1楽章のアレグロ・アッサイは、貴公子のピアノ。若々しく華やぎがあって、一つ一つの音が粒だちよくキラキラしている。口当たりはベーゼンドルファーらしくまろやかで、音にコクがある感じ。
自在な貴公子のバックを務めるシュタインの指揮がまた素晴らしい。グルダの呼吸に合わせるかのような、これも自在な伴奏。この人は職人的な指揮者なのだろうと思う。何を振ってもうまいが、本領は独墺系だろう。(かえすがえすも、この人のベートーヴェン交響曲全集がないのが惜しい)
楽章後半では、貴公子が堂々たる風格を持ち始める。名演と思う。

第2楽章のラルゴは、美しい叙情詩。青年の夢とロマンが一杯詰まった音楽。
グルダはじっくり、丹念に歌ってゆく。しっとりとした味わい深いもの。同じく、ウィーン・フィルの弦楽セクションの濡れたような音がまた素晴らしい。

フィナーレはロンド、アレグロ・スケルツァンド。
グルダ快調。快速ですっ飛ばすスポーツカーのノリだが、音は相変わらず綺麗。ウィーン・フィルも美音で応え、見事な締めくくりと思う。

録音から35年以上経過していますが、今も大変聴きやすく、かつ鮮烈な音であります。DECCAの音は、やはりエエです。
さすがと思います。
2007/11/25のBlog
仕事疲れであります。調子もイマイチであります。
こういうときには、ベートーヴェンとバーンスタインに気合いを入れてもらいましょう。

ベートーヴェンの交響曲第5番 ハ短調「運命」。
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1977年9月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。

僕にとっても最も懐かしいベートーヴェン。
初めて買った全集盤だった。
僕がクラシック音楽を聴くようになってから間もない頃の発売であって、当時大変な話題になっていたもの。当時よく読んでいた『レコード芸術』に『ステレオ芸術』、そして『fmファン』などは絶賛、また絶賛。
コイツは相当素晴らしい演奏に違いないと僕は思い、早速購入したものだった。定価はLP8枚組16,000円也。(そうそう、定価。当時は消費税などナカッタノダ)。大学生協ではレコードを2割引で買えたので、12,800円。ビンボー学生の自分には大枚だった。

帰宅して聴き始めると、確かに素晴らしい熱演。バーンスタインが襟を正してベートーヴェンに立ち向かっているとともに、指揮者の情熱が汗となって飛んでくるような演奏。
ウィーン・フィルも精一杯その情熱に応えている。
この「運命」は激しさと情熱、そしてクラシック音楽の「古典」としても格調の高さ、ウィーンの伝統と歴史、そういったものがうまくミックスされた名演奏と思う。

第1楽章など、もう、正々堂々たる名演。低音部の充実が素晴らしい。それを支えとして、王者が行進してゆく格好良さ。フォルティシモでのパワーは圧倒的。バーンスタインの、ベートーヴェンに立ち向かっていく心意気が伝わってくる。

第2楽章はチェロの深々とした響きが印象的。ダイナミクスが大きく、ピアニシモの静寂から、フォルティシモの爆発まで、バーンスタインの指揮は心憎いばかりの巧さ。それが演出臭くなく、自然なのがまたイイ。ウィーン・フィルの響きは自然の伸びやかさ。心地よいことこの上ない。

第3楽章は決意の表現。これぞ困難に敢然と向かってゆくあのベートーヴェンの姿だ。「運命」はこうでなくちゃ。ベートーヴェンは刻苦勉励、歯を食いしばって頑張るノダ。要領の良さ、流行、うわべの美しさなどクソ食らえ。処世術など、そもそもベートーヴェンにはないノダ。真実に迫らんとする、その心映えや良し。

フィナーレは爆発。圧倒的な音楽の力が、聴き手に迫ってくる。
ベートーヴェンって凄いな、バーンスタインって凄いな。ウィーン・フィルは、やはり世界最高のオーケストラやなぁ・・・・初めて聴いたときの感動が蘇る。
アンサンブルも素晴らしいし、バーンスタインのテンポが微妙に伸縮しているのに、うまくついてゆくウィーン・フィルはさすがと思う。

30年前の録音になりましたが、今も瑞々しい音で聴けます。
素晴らしい録音。
ムジークフェラインザールでのライヴ収録であります。ただし、聴衆を入れずに、音楽の勢いを尊重してのライヴ(何回かのテイクを編集しているんでしょうが)であります。
この全集の成功で、バーンスタインの録音は以後ライヴが多くなりました。


※ベートーヴェンの「運命」 自己リンクです※
●フリッチャイ/ベルリン・フィル
●C・クライバー/ウィーン・フィル
●ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
●スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
●ベーム/ウィーン・フィル
●ジンマン/チューリヒ・トーンハレ管
●マゼール/ウィーン・フィル
●クレンペラー/ウィーン・フィル
●ジュリーニ/ロサンゼルス・フィル
●カラヤン/ベルリン・フィル(1977年録音盤)
2007/11/24のBlog
このごろDoblogが、少々重いです。アクセスできないこともあります。
ずっと調子よかったんですが、ひところの重さに戻っている感じです。困ったもんです。
今朝はアクセスしかねました。休日で閑散としているはずなのに・・・・弱ったなぁ。
拙ブログ「クラシック音楽のひとりごと」のアクセス数が2,000を超えているあたりに問題があるのかもしれません。検索ロボットとか、何かが集中しているのかな?

さて、今日もレヴァインのマーラーです。
マーラーの交響曲第1番 ニ長調「巨人」。
ジェームズ・レヴァイン指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1974年8月、ロンドンでの録音。RCA盤。
レヴァイン31歳、今や巨匠となったレヴァイン30年前の若き名演と思う。

爽やかな風が吹き抜けるマーラー。
第1楽章の主旋律のしなやかな歌は、若人の躍動、若者の肌の美しさのよう。とても綺麗で、しかも弾力感のある歌。音楽が生き生きと呼吸している。
ああ、若いっていいなぁ。青春っていいなぁ。年寄りの指揮者には、多分、音楽を上手に仕上げるテクニックはあるだろうけれど、こういう瑞々しい歌、勢い、緑の若葉のような涼やかさは出せないだろうと思う。
マーラーの「巨人」は青春交響曲。レヴァインの若さにふさわしい。
ロンドン響もすがすがしい響きでこたえている。アンサンブルはよく整って、個々の奏者の達者と見た。

第2楽章のリズム感。レヴァインのタクトは、サクサクと足取り軽く、若者が飛び跳ねておいるような気持ちよさ。マーラーがこの楽章で言うように、「力強く運動して」のとおりと思う。
中間部ではたっぷりとした歌。これも青春の歌。しなやかで明朗、未来への希望や憧憬が鮮やかに再現されている。お見事。

第3楽章では、旋律の歌わせ方が巧い。
レヴァインは若い頃から聴かせ上手だったことが分かる。オペラ指揮者でもあるしね。演出巧みなのは、この当時からだったんだなぁ。
テンポも程よく快適。中程ので穏やかな歌は絶品。ロンドン響の弦楽アンサンブルは絶妙で、静かな感動をもたらす。

フィナーレは若さの爆発。エネルギーが充ち満ちて、はち切れんばかり。そして、叙情的な歌も実にイイ。
若いってイイですね。ホンマに。

1970年代のRCAの録音でありますが、まずまずの音で聴けます。
ピアニシモでは少し苦しいところがあるかな?
少々古びた感は否めません。

しかし、レヴァインのマーラーを聴いていると、ああ現代のマーラーだなぁと思います。1970年代前半、まだまだマーラーが難解な音楽と思われていた頃から、分かりやすくしなやかな息づかいのマーラーを聴かせていたんだなぁと、実感しました。

※マーラーの「巨人」、自己リンクです※
■ヨンダーニ・バット/ロンドン響
■ワルター/コロンビア響
■オーマンディ/フィラデルフィア管
■ギーレン/南西ドイツ放送響
■アバド/シカゴ響
■ショルティ/シカゴ響
■ジュリーニ/シカゴ響
■ハイティンク/ベルリン・フィル
■若杉弘/ドレスデン・シュターツカペレ
■岡城千歳のピアノ編曲盤
■エド・デ・ワールト/オランダ放送フィル
2007/11/23のBlog